JP3722783B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、視野観察や処置等の必要に応じて移動体の突出し高さを変更できるとともに、先端部本体から移動体を取り外せるようにした内視鏡装置を提供することにある。
【0003】
【発明が解決しようとする手段】
本発明は、挿入部の先端部に着脱可能に設けられ、前記先端部の先端部本体よりなる振動体に対して摩擦力で保持され、前後方向へ移動可能で前記先端部からの突出し高さを変更できる移動体と、
前記振動体に一端が固定され、前記前後方向の振動を発生する振動発生体と、
前記振動発生体に振動を発生させる振動制御手段と、
を具備し、前記振動制御手段により、前記振動発生体から発生する振動を制御して前記移動体を前後方向へ移動させるようにしたことを特徴とする内視鏡装置である。
【0004】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1ないし図7を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0005】
(構成)
図1は第1の実施形態に係わるアクチュエータを組み込んだ内視鏡1の例を示す。内視鏡1は挿入部2と操作部3を備える。挿入部2はその先端側から順に先端部4、湾曲部5、及び軟性部6を配置し、これらを連結して構成されている。操作部3にはユニバーサルコード7が接続されている。
【0006】
前記先端部4の先端部本体8は等径であり、この等径な周側面部分には、円筒状のフード9が嵌合して摩擦力で固定されている。フード9の先端側部分は透明樹脂からなる透明部材10とし、このフード9の後端側部分は前記先端部本体8に対して摩擦力で固定され、かつスライド可能な金属などから成る摺動部材11としてある。透明部材10と摺動部材11は一体的に取り付いて円筒状のフード9を形成している。
【0007】
先端部本体8には前記フード9を移動させるアクチュエータが組み込まれている。つまり、アクチュエータは軸方向に振動させることのできる圧電(電歪)素子12を有し、この圧電素子12は先端部本体8の内部に形成した穴8a内に配置され、圧電素子12の一端はその穴8aの底壁に一端を固着することにより、その先端部本体8に片持ち梁状態で支持されている。この収納用の穴8aは圧電素子12の伸縮作用を妨げない範囲で極力小径に形成されている。そして、前記圧電素子12は振動発生体を構成し、振動体としての前記先端部本体8を振動させるようになっている。
【0008】
前記圧電素子12は電圧を印加することにより、その軸方向の長さが変わる振動発生体を構成している。圧電素子12は電圧を印加すると変形する圧電層を、電極層を間にして多数積層した積層型のものの方が大きな変位を出せるので単層型のものよりも望ましいが、耐久性を考え合わせればどちらの形式でもよい。圧電層としては例えばチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛、磁器等のセラミックス要素に電極層を形成して、電極層を通じて電圧を印加する。ここでの圧電素子はいわゆる電歪素子を含む。
【0009】
前記圧電素子12の非固定端(自由端)にはリード線を含むケーブル13が接続されている。ケーブル13は、挿入部2、操作部3、及びユニバーサルコード7の各内部を通って内視鏡1の外部に設置される制御装置(振動制御手段を含む)14に接続されている。
【0010】
前記操作部3には制御装置14に動作指令を与える操作スイッチ15が設けられている。操作スイッチ15から導かれるケーブル16はユニバーサルコード7内を通って前記制御装置14に接続されている。制御装置14はそれ単体の装置であってもよいし、内視鏡用光源装置などの他の装置内に組み込まれるものでもよい。
【0011】
一方、前記先端部4においてその先端部本体8には前記圧電素子12以外にもライトガイド17や図示していないが観察機能部材などの内蔵物が設けられる点は一般的な内視鏡と同様である。
【0012】
挿入部2の湾曲部5は複数の節輪を回転可能に連結して成る。先端部本体8に取り付けた第1節輪18とそれに連結した第2節輪19との連結部20(通常はピンとこれを嵌め込む孔から成るが他の連結機構でもよい。)はその挿入部2の少なくとも軸方向に若干の遊び(ガタ)を有する。そして、この遊びによって内視鏡1の手元側部材、例えば操作部3の支持体に対して、振動の伝達を遮断する振動吸収機構を構成している。また振動吸収機構34はこの連結部20だけでもよいが、この他にも後述する軟性の被覆管21、さらには前記連結部20より手元側に位置する湾曲部5や軟性部6でも構成する。
【0013】
前記節輪18,19を含む各節輪の外周側は可撓性を有する軟性の被覆管21を設け、この被覆管21の一端は先端部本体8に対して、被覆管21の他端は前記軟性管6の先端に対して取り付けられている。
【0014】
次に、前記フード9を移動させるアクチュエータの構造をより具体的に説明する。まず、フード9の形状を図2に示す。図2(a)はフード9を後方から見た図であり、図2(b)はフード9を側方から見た図である。フード9の摺動部材11にはいくつかのスリット22が設けられている。各スリット22はフード9の軸方向に沿った切欠き溝であり、2つのスリット22が組となって配置されている。その各2つのスリット22の間で区切られたところの一部分、例えば後端部分には爪部23があり、この爪部23はフード9の内方に向かって少し突出している(図1も参照)。爪部23の内径は先端部本体8の外径より若干小さくしている。このため、爪部23の周辺部分はスリット22によって外側へ弾性的に変形して若干膨らみながら、適度な摩擦力で先端部本体8に対してスライド可能に接触して先端部本体8に保持固定される。つまり、フード9は先端部本体8を振動体としてその振動体に摩擦で保持される移動体を構成する。
【0015】
この実施形態では図3に示すように、先端部4の先端部本体8には送気水管路24に通じるノズル25が設けられ、ノズル25はその開口部26を対物レンズ27に向けて形成されている。このノズル25は弾性を有する材料から成り、図3の破線で示すようにその開口部26を強制的に広げることができるようになっている。開口部26を強制的に広げることができるので、そのノズル25内の洗浄は容易である。
【0016】
さて、このように構成された内視鏡1は検査前後においてハンガー28によって、図4のように保持されている。ハンガー28は操作部3を摩擦力で係着する孔または溝からなる第1の保持部29の他に先端部4を上向きにして挿入部2を摩擦力で係着する孔または溝からなる第2の保持部30を設けている。このハンガー28を用いれば、挿入部2の先端部4が上方を向いて保持されるので、前記フード9の着脱作業がしやすい。また、先端部4が上を向いていることで、図3に示すような送気水管路24やノズル25内に水分などが残って、その折出物などで、ノズル25等が詰まってくることがない。
【0017】
なお、保持部29,30の保持手段としては孔または溝に差し込んで摩擦力で係着する他、クリップで挟む方式でもよいし、挿入部2の湾曲部5をバーに掛ける方式でもよい。
【0018】
(作用)
内視鏡1の先端部4に設けたフード9の位置を調節する場合、次のような手順で行う。操作部3のスイッチ15を操作することで、圧電素子12に駆動電圧を印加し、その圧電素子12を振動させる。
【0019】
圧電素子12を軸方向に振動させるためにその圧電素子12の両端にかける電圧の波形は図5に示す通りである。図5(a)で示す波形は始めに急速に電圧を高め、その後、ゆっくりと電圧を下げるパターンの繰り返しである。つまり圧電素子12を始めに急速に軸方向に伸ばした後、ゆっくり縮めるパターンである。また、図5(b)で示す波形は始めゆっくり電圧を高め、その後、急速に電圧を下げるパターンの繰り返しである。つまり圧電素子12を始めにゆっくり軸方向に伸ばした後、急速に縮めるパターンである。
【0020】
さて、これら2つの波形で圧電素子12を伸縮させた時の、アクチュエータとしての構成と作用を図6で模式的に説明する。前記圧電素子12がここでの振動発生体31に相当する。前記先端部本体8は振動体32に相当する。振動発生体31の一端は振動体32に固定されている。前記フード9がここでの移動体33に相当する。移動体33は振動体32に対して摩擦力により係着し、通常はその位置に保持されている。振動吸収機構34は連結部20及び軟性管21、さらには連結部20より手元側に位置する湾曲部5や軟性部6が相当する。振動吸収機構34は振動体32に取り付けられている。支持体35は操作部3に相当する。この支持体35は前記振動吸収機構34を介して振動体32を支持している。
【0021】
図6(a)〜(c)は、図5(a)での波形を通電した場合の動作の行程を示すものである。図6(a)は振動発生体31が縮んだ待機の状態である。
【0022】
図6(b)はその振動発生体31が通電開始によって急速に伸びた瞬間の状態である。振動発生体31は左側がさらに左へ移動する(伸びる)とともに、その振動発生体31自体がそこにとどまろうとする慣性力によって、振動発生体31の右側も少し右に移動する。その結果、振動体32も少し右側へ瞬間的に移動する。この振動体32の瞬間的移動は振動吸収機構34が瞬時に吸収するので、支持体35にはほとんど影響を与えない。また、振動体32の移動が急速なために、その振動体32に静止摩擦力で保持されていた移動体33は、その移動体33が、そこのところにとどまろうとする慣性力により、振動体32に対してスリップが生じ、振動体32に対する移動体33の相対的な位置が変わる。
【0023】
ついで、図6(c)にあるように、振動発生体31はゆっくり縮み、移動体33は振動体32に摩擦力で保持されたまま、図6(b)から図6(c)の位置にゆっくりと振動体32と一緒に移動する。こうして振動体32は元の収縮した状態に戻っているが、移動体33は振動体32に対して左側へ若干移動したことになる。
【0024】
そして、前記波形サイクルの駆動信号を継続的に印加し、その動作を繰り返すと、移動体33は振動体32に対してどんどん左側へ移動する。
【0025】
同様に図5(b)で示す波形で振動発生体31を駆動すると、前述した動作から類推される如く、その振動発生体31は振動体32に対して右側へ移動する。
【0026】
次に、以上の動作を前記内視鏡1の関連で述べる。操作スイッチ15は例えば図1で示すようにシーソー型スイッチ形式になっており、その前方の山を押せば図5(b)の波形で圧電素子12(振動発生体31)を駆動し、摺動部材11を備えたフード9を徐々に前方に移動させることができる。また操作スイッチ15の後方の山を押せば、図5(a)の波形で圧電素子12を駆動し、摺動部材11を備えたフード9を徐々に後方へ移動させることができる。
【0027】
前記フード9を、例えば生体壁に押しつけて、生体壁とある距離を保ちながら観察・処置をする場合、フード9の先端を先端部本体8の先端よりかなり突出させる必要がある。この場合、図7に示すようにモニター画面36において視野内に破線の如く、フード先端37が見え、その周囲の視野が遮られる。フード9の先端部分は透明部材10なので、その透明部材10を通しても見えるには見える。それだと視野周辺部の像が多少ゆがんだり、不鮮明になったりする。
【0028】
そこで、本実施形態のようにフード9を移動することができると、必要なときにのみ、フード9を前方へ突き出し、それ以外のときはフード9を引っ込めて退避させて視野を妨げないようにすることができる。
【0029】
また、先端部本体8の中にある圧電素子12で先端部本体8を介して外部のフード9を移動させる構造であるため、フード9の周辺の構造はきわめてシンプルなものとなる。また、フード9を外してしまえば先端部本体8の表面の洗浄性、消毒性は通常の内視鏡1と特に変わらない。フード9の着脱も摩擦力のみなので、作業が容易である。フード9はディスポ、セミディスポでもリユースでもよい。また、様々な種類のフード9が共通の内視鏡1に着脱できるようになってもよい。
【0030】
(効果)
前記フード9を先端部本体8に対し移動させるのに、圧電素子12は先端部本体8内を移動することなく、フード9は外装体である先端部本体8を介して移動するので、先端部本体8内の圧電素子12の周辺は単に圧電素子12が入る孔があいているだけで済む。従って、スペースを有効に使え、先端部本体8の小型化が可能である。また、圧電素子12は移動しないので、繰り返し駆動させてもリード線に曲げや引張りの負荷がかからない。
【0031】
図6で、仮に振動吸収機構34のところに振動発生体31をもってきても図5(a),(b)の波形パターンによる振動発生体31の駆動で振動発生体31を振動体32に対して移動させることができる。しかし、図1で示す内視鏡1に適用する場合、その圧電素子12(振動発生体31)で先端部本体8と操作部3をつなぐのは軟性部6の可撓性を損なうので、望ましくない。従って、図6で示すような構成が必要となる。
【0032】
<第2実施形態>
図8を用いて本発明の第2の実施形態を説明する。
(構成)
この第2の実施形態は前記アクチュエータ構造を発展させた例である。ここでは図6で説明したアクチュエータ構造に対し、振動発生体31の一端に(振動体32とは反対側に)慣性体48を取り付けたものである。
【0033】
(作用)
このアクチュエータの構造では、振動発生体31の一端に慣性体48が付いているので、その慣性力が振動発生体31自体の慣性力に加わり、振動発生体31の伸縮で振動体32を振動させる力が増し、振動体32をさらに大きく振動させられるので、移動体33をより大きく移動させられる。慣性体48は同じサイズなら比重の重い部材が望ましい。
【0034】
(効果)
この構成によれば、部材は一つ増え、構成は少し複雑化、大型化するが、移動体33をより大きく移動できる利点がある。
【0035】
<第3実施形態>
図9を用いて本発明の第3の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態は前述した第1の実施形態の変形例であり、前述した第2の実施形態のアクチュエータをその内視鏡1に適用した例である。つまり、これは圧電素子12の後端を先端部本体8に固定し、圧電素子12の先端には慣性体48を取り付けている。それらを収納する孔51は先端部本体8の先端に開口し、その先端開口部には蓋52が水密的に付けられている。
【0036】
前記フード9は筒状の摺動部材11の先端に透明で軟質のチューブ53を同軸的に取り付けて筒状に構成されている。また、先端部本体8の外周面には前後それぞれに凸部54が設けられ、この凸部54はフード9の前後に移動する範囲を規制するストッパとして機能し、生体内でフード9が抜けないようにしている。ただし、フード9を着脱するときは、力をかければ摺動部材11が凸部54を乗り越えられる。
【0037】
(作用)
第2の実施形態で説明した内容を応用すると、フード9を第1の実施形態よりも大きく動かせる。チューブ53は軟質なので、突出時において生体壁にある強さ以上の強さで当たると、潰れるので、ユーザーがどの程度の強さで生体壁に当てているかが認識でき、安全性が高くなる。先端部本体8の孔51は先端から開いているので、圧電素子12の組み付けがやりやすく、また、修理をするときも、蓋52を外して先端から作業できるので、先端部本体8を湾曲部5から取り外すなどの大変な作業をしなくてよい。
【0038】
(効果)
この実施形態によれば、駆動力を高め、フード9を大きく動かせるとともに、患者に対するダメージを緩和することができる。
【0039】
<第4実施形態>
図10を用いて本発明の第4の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態は前述した第1実施形態の変形例である。これは先端部本体8を本体前部8bと本体後部8cに分割し、それらを軟質部材55で接合してある。軟質部材55は例えばゴム系樹脂や軟質接着剤等である。本体前部8bと本体後部8cは軟質部材55が伸縮できる範囲において互いに軸方向にスライド可能である。圧電素子12はその本体前部8bに一端を取着することにより、片持ち梁式に取り付けられている。
【0040】
前記フード9は透明な筒状の硬質樹脂部材56を備え、第1実施形態での透明部材10と摺動部材11を兼ねる。硬質樹脂部材55にはシール部材57が取り付き、その一部で硬質樹脂部材56と本体前部8bとを気密的にシールしている。
【0041】
(作用)
先端部本体8の本体前部8bは図6での振動体32に相当し、先端部本体8の本体後部8c及びそれより手元側の部材は支持体35に相当するようになる。また軟質部材55は振動吸収機構34に相当する。先端部本体8の全体及び第1節輪18が振動体32に相当していた形式のものよりも、本体前部8bはかなり質量が小さくなるので、圧電素子12の慣性力が強く働くようになり、大きく振動させられるので、硬質樹脂部材56を大きく動かせる。
【0042】
前記シール部材57が硬質樹脂部材56と先端部本体8とを気密的にシールすることで、硬質樹脂部材56を突出させて生体壁を吸引管路(図示してない)によって吸引する場合(処置時等)において、硬質樹脂部材56と先端部本体8との間から流体等がリークすることがない。
【0043】
(効果)
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態よりもフード9を大きく強力に移動させることができる。つまり、駆動力を高めることができる。
【0044】
<第5実施形態>
図11を用いて本発明の第5の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態における内視鏡の先端部4はその先端部本体8に非移動式のフード61が固定(着脱自在ではあるが)されている。このフード61と先端部8の間には移動リング62が、第1の実施形態におけるフード9の場合と同様に先端部本体8に嵌合している。つまり、摩擦力で保持されている。移動リング62の先端側の外周でフード61の先端よりも前方には複数の弾性リング63が嵌められている。各弾性リング63は自然状態における内径よりもかなり強制的に広げた状態で移動リング62の外周面に嵌められてある。先端部本体8内には第1実施形態と同様に圧電素子12が取り付けてある。その他は前述した第1の実施形態のものと同様に構成されている。
【0045】
(作用)
この内視鏡1を使用して例えば食道静脈瘤の処置の一つとして、図11(a)のように移動リング62を静脈瘤65の周辺に当て、吸引管路66より吸引して、その静脈瘤65を盛り上げておく。次に圧電素子12を駆動させて移動リング62を後方に少し移動する。すると、図11(b)のように、最前方の弾性リング63が移動リング62から外れて静脈瘤65の根元において縮み(自然状態に近く戻る)、そして静脈瘤65の根元を絞ったような形で装着される。こうすることで、この後、静脈瘤65は血流の流れが無くなるので、壊死する。
【0046】
弾性リング63は複数個あるので、連続して複数の処置ができる。従来は移動リング62を動かすのに、内視鏡の外付けのワイヤを駆動させていたが、それでは挿入部2が太くなったり、挿入部2の操作(把棒、押し引き、捻りなど)がしずらい。
【0047】
(効果)
本実施形態によれば、内視鏡の挿入部2を太くせず、操作も良好にできる状態で、例えば食道静脈瘤の治療(食道静脈瘤結さつ術)ができる。
【0048】
尚、これまで述べてきた振動発生体は全て圧電素子であったが、磁歪素子でもよく、その他、振動を発生できるものであれば何でもよい。
[付記]
(1)振動発生体と、
前記振動発生体の振動を制御する振動制御手段と、
前記振動発生体に一端部を固定した振動体と、
前記振動体の他端部に固定した振動吸収機構と、
前記振動体に摩擦で保持した移動体と、
前記振動吸収機構を介して前記振動体を支持する支持体とを具備し、
前記振動制御手段により、前記振動発生体から発生する振動を制御して、前記移動体を前記振動体に対して振動方向へ移動させるようにしたことを特徴とするアクチュエータ。
【0049】
(2)前記(1)において、振動発生体の他端に慣性体を固定した。
(3)前記(1)において、振動発生体は圧電素子である。
(4)前記(1)において、振動発生体は振動体の内部で振動体に固定した。
(5)前記(1)において、振動体は内視鏡先端の硬質部材で、支持体は内視鏡操作部で、それらの間の挿入部に振動吸収機構を設けた。
(6)前記(5)において、移動体は先端フードである。
(7)前記(6)において、先端硬質部材にはフードの移動量を規制するストッパを設けた。
(8)前記(6)において、フードは前方へ突出時には視野内に入り、後方へ後退時には視野外になるようにした。
(9)前記(5)において、移動体はレンズ系部材である。
(10)前記(1)において、内視鏡先端の硬質部材を複数に分割し、その一つを振動体として移動体を摩擦保持し、他の硬質部材を支持体の一部とし、それら硬質部材を振動吸収機構を介して接合した。
(11)前記(1)において、振動体に異なる振動方向の複数の振動発生体を固定した。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡の先端部に対し移動体を移動できるようにしたため、内視鏡の視野観察や処置等の必要に応じて移動体の突出し高さを変更できる。また、内視鏡の先端部本体に対し移動体が着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るアクチュエータを組み込んだ内視鏡の概略的な構成の説明図。
【図2】(a)は前記内視鏡のフードを背面図、(b)は前記フードを側面図。
【図3】前記内視鏡の先端部の細線端部分の断面図。
【図4】前記内視鏡を保持したハンガーの説明図。
【図5】(a)(b)はいずれも前記アクチュエータに印加する駆動信号の波形図。
【図6】前記アクチュエータの圧電素子に駆動信号を通電したときの動きの過程を模式的に示す説明図。
【図7】前記内視鏡の視野を表示するモニター画面の状態を示す説明図。
【図8】第2の実施形態のアクチュエータ構造の説明図。
【図9】第3の実施形態のアクチュエータを適用した内視鏡の先端部の要部断面図。
【図10】第4の実施形態のアクチュエータを適用した内視鏡の先端部の断面図。
【図11】第5の実施形態のアクチュエータを適用した内視鏡の使用例の説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、3…操作部、4…先端部、5…湾曲部、6…軟性部、8…先端部本体、9…フード、12…圧電素子、20…連結部、31…振動発生体、32…振動体、35…支持体。
Claims (1)
- 挿入部の先端部に着脱可能に設けられ、前記先端部の先端部本体よりなる振動体に対して摩擦力で保持され、前後方向へ移動可能で前記先端部からの突出し高さを変更できる移動体と、
前記振動体に一端が固定され、前記前後方向の振動を発生する振動発生体と、
前記振動発生体に振動を発生させる振動制御手段と、
を具備し、前記振動制御手段により、前記振動発生体から発生する振動を制御して前記移動体を前後方向へ移動させるようにしたことを特徴とする内視鏡装置。
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