JP3722750B2 - キャプションデータと音声データの再生方法およびこれを利用したディスプレー装置 - Google Patents

キャプションデータと音声データの再生方法およびこれを利用したディスプレー装置 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、語学の学習に用いられる、キャプションデータと音声データ(オーディオデータ)を記録再生する装置に関するものである。
【0002】
背景技術
クローズドキャプションシステム(closed caption system )は、聴覚障害者が対話や言葉に該当するキャプション字幕を読むことができるように採択された。クローズドキャプションの標準は米国連邦通信委員会(FCC)によって定義される。その標準は、クローズドキャプションデータ(closed caption data )は映像信号の奇数フイールド(odd field )第21ラインに載せるように規定する。クローズドキャプションデータはキャプション制御コード、キャプション文字コード、およびキャプション文字の位置、属性に関する情報から構成される。キャプション字幕が画面に表示される方法に応じて、ポップ−オン・キャプションモード(Pop-On caption mode ),ペイント−オン・キャプションモード(Paint-On caption mode )とロールアップ・キャプションモード(Roll-Up caption mode)の3種のモードがある。映画やビデオまたTVシットコム(TV Sitcoms)等に使用される殆どのオフライン・キャプショニング(Off-Line captioning、録画後キャプションを入力する方法)ではポップ−オン・キャプションモードが使用される。TVニユースや生放送等に使用されるオンライン・キャプショニング(On―Line captioning,実時間でキャプションを入力する方法)ではロールアップ・キャプションモードが使用される。
【0003】
クローズドキャプションシステムはさらに語学学習のために使用することができる(例えば1996年11月5日付け米国特許公報第5572260号参照)。クローズドキャプションシステムが語学学習に使用されるとき、使用者は映画やTVシットコムなどクローズドキャプションされたプログラムを、ビデオ・カセット・レコーダ(VCR)を利用してビデオカセットテープに録画し、そのビデオカセットテープから再生しなければならない。しかし、使用者がキャプション字幕をサーチしてこのキャプション字幕に該当する音声信号を繰り返し再生することは非常に不便であり、容易なことでない。使用者がキャプション字幕をサーチしてこのキャプション字幕に該当する音声信号を繰り返し再生しようとすると、使用者はビデオテープを前後に巻き戻して適切な位置でこのテープを再生しなければならない。
【0004】
発明の開示
本発明の目的は、使用者が、キャプションデータと、これに対応する会話のみを含む音声データとを記録し再生することができる方法および装置を提供することにある。
【0005】
キャプションデータおよび音声データを記録するために、映像信号と音声信号が本発明の装置の入力となる。入力された音声信号はアナログ−デジタル変換器によってデジタル音声データに変換される。デジタル音声データは、最大時間dt1の音声データを蓄積可能な入力バッファによって遅延される。クローズドキャプションデコーダは入力された映像信号からクローズドキャプションデータを抽出してデコードする。デコードされたキャプションデータはマイクロコンピュータに送られる。マイクロコンピュータはキャプションデータをメモリに記憶し、そのキャプションデータを表示制御装置に転送する。表示制御装置はそのキャプションデータをモニターに表示する。キャプションの画面表示を指示するキャプション制御コードがクローズドキャプションデコーダによって受信され検出されると、マイクロコンピュータは記憶されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスをマークし、音声データをメモリに記憶し始め、音声データの先頭メモリアドレスをマークする。入力バッファを用いることによって、キャプション表示を指示するキャプション制御コードが受信された時よりも時間dt1だけ早く音声データを記録することができる。キャプション消去を指示するキャプション制御コードがクローズドキャプションデコーダによって受信され検出されると、マイクロコンピュータは所定時間の間音声データの記録を続ける。所定時間の終了時に、マクロコンピュータは音声データの記録を停止し、記録された音声データブロックの最終メモリアドレスをマークする。このような処理を繰り返すことによって、本装置は、キャプションデータブロックとこれに対応する会話のみを含む音声信号を記録する。これらのキャプションデータブロックと音声データブロックによって、使用者は容易に、キャプションデータブロックをスキャンして対応する音声データブロックを再生することができる。
【0006】
発明を実施するための最良の形態
本発明において用いられるキャプション制御コードとそれらのタイミングについて説明する。映画やビデオ,TVシットコム等に用いられるオフライン・キャプショニングでは、クローズドキャプションデータは、画面にキャプションが表れるタイミングがこのキャプションに対応する会話と同期するように、映像信号の21番目ラインに符号化される。画面にキャプションを表示することはキャプション制御コードによって制御される。キャプション表示を指示するキャプション制御コードが受信されるとき、キャプションデータが画面に表れ、キャプション消去を指示するキャプション制御コードが受信されるとき、表示されたキャプションデータは画面から消される。そこで、キャプション表示を指示するキャプション制御コードの受信時間はほぼ会話の開始時間であり、キャプション消去を指示するキャプション制御コードの受信時間はほぼ会話の終了時間である。ゆえに、キャプション表示およびキャプション消去を指示するキャプション制御コードの受信時間を利用することによって、キャプションデータに対応する会話のみを録音することができる。また、キャプションデータと音声データを記録するとき、キャプション制御コードの受信時間に対応するメモリアドレスをマークすることによって、マークされたメモリアドレスに従って、記録されたキャプションデータと音声データを再生することができる。
【0007】
ポップ−オン・キャプションモードでは、キャプション表示とキャプション消去を指示するキャプション制御コードは、それぞれ、EOC(End of Caption)コードとEDM(Erase Disply Memory )コードである。ポップ−オン・キャプションモードでは、ポップ−オン・キャプションモードを指定するRCL(Resume Caption Loading code )コードが受信された後に、キャプション文字とキャプション文字の位置、属性に関する情報を含むキャプションデータが受信される。このキャプションデータは、最初は非映像メモリに記録される。非映像メモリに記録されたキャプションデータブロックは画面に表れない。EOCコードが受信されると、非映像メモリと映像メモリが互いに交換(swap)され、キャプションデータブロックが映像メモリに記録されて画面に表れる。EDMコードが受信されると、画面に表示されたキャプションデータブロックは消される。ペイント−オン・キャプションモードでは、ペイント−オン・キャプションモードを指定するRDC(Resume Direct Caption )コードの後に、キャプションデータが受信される。このキャプションデータは、直接映像メモリに記録され画面に表れる。画面に表示されたキャプションデータはEDMコードによって消される。そこで、ペイント−オン・キャプションモードでは、RDCコードとEDMコードがそれぞれ、キャプション表示とキャプション消去を指示するキャプション制御コードになる。ロール・アップ・キャプションモードでは、RU(Roll-Up )コードの次に受信されるキャプションデータ画面に表れる。そこでロール・アップ・キャプションモードでは、RUコードとEDM(またはCarriage Return )コードがそれぞれ、キャプション表示とキャプション消去を指示するキャプション制御コードとなる。
【0008】
キャプション制御コードとそのタイミングを利用してキャプションデータと音声データを記録、再生する方法および装置について、詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明に係るキャプションデータと音声データの記録と再生のための装置のブロック図である。命令入力装置10は記録命令や再生命令など使用者が選択した命令をマイコン11に伝達する。キャプションデータと音声データの記録のために、ビデオカセットレコーダ(VCR)から出力された映像信号が映像入力ターミナル12を介してクローズドキャプション・デコーダ13に入力され、VCRから出力された音声信号が音声入力ターミナル14を介してアナログ−デジタル変換器(ADC)15に入力される。ADC15は入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換する。入力バッファ16は音声データをいわゆるFIFO(First-In First-Out)方式で記録する。入力バッファ16は最大時間dtlの音声データを蓄積することができる。もしマイコン11から信号がなければ、入力バッファ16は時間dtl後に最初に入力された音声データを消す。クローズドキャプション・デコーダ13は、入力された映像信号から2バイトのクローズドキャプションデータを抽出し、デコードする。キャプション文字やキャプション文字の位置、属性に関する情報を含むデコードされたキャプションデータはバス17を介してマイコン11に伝達される。マイコン11はキャプションデータをメモリ18に記録し、またこのキャプションデータを、キャプションデータをモニター20に表示するための映像制御装置19に伝達する。キャプション・デコーダ13はまた、キャプション表示とキャプション消去を指示するキャプション制御コードを検出する。キャプション表示を指示するキャプション制御コードを検出したときは、キャプション・デコーダ13はマイコン11に信号を送る。このとき、マイコン11はこれまでに記録されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスをメモリ18に記録し、音声データの入力バッファ16からの蓄積を開始し、この音声データブロックの先頭メモリアドレスをメモリ18に記録する。ここで、メモリ18はキャプションデータを記憶するキャプションメモリ、音声データを記憶する音声メモリ、およびキャプションデータブロックの最終メモリアドレスと音声データの先頭メモリアドレスを記憶するアドレスメモリによって構成されることが好ましい。キャプション消去を指示するキャプション制御コードを検出したときは、キャプション・デコーダ13はマイコン11に信号を送り、マイコン11は、このキャプション制御コードの受信時間に対応する音声データのメモリアドレスをメモリ18に記録する。入力バッファ16が音声データを時間dtlだけ遅延させるため、キャプション制御コードの受信時間に対応する音声データのメモリアドレスは、時間dtlに相当する音声データの総メモリアドレスを、このキャプション制御コード受信時間にメモリ18に記録された音声データのメモリアドレスに加えることによって得られる。もし、キャプション・デコーダ13が所定時間dt2内に、次の、キャプション表示を示すキャプション制御コードを受けないときは、マイコン11はその時間dt2後に、すなわち、時間dt2分の音声データをさらに記録した後、記録を停止する。キャプション・デコーダ13は、もし、時間dt2内にクローズドキャプションデータを抽出してデコードしたときは、このデコードされたキャプションデータをマイコン11に供給する。このとき、マイコン11は引き続き音声データを記録しつつ、このキャプションデータをメモリ18に記録し、このキャプションデータを映像制御装置19に転送する。キャプション・デコーダ13は、もし、時間dt2内にキャプション表示を指定するキャプション制御コードを検出したときは、マイコン11に信号を送る。このとき、マイコン11は引き続き音声データを記録しつつ、次のキャプションデータブロックの最終メモリアドレスとメモリ18に記録された音声データのメモリアドレスを記録する。この音声データのメモリアドレスが次の音声データブロックの先頭メモリアドレスとなる。これらの処理は、キャプションデータブロックと、このキャプションデータブロックに対応する会話のみを含む音声データブロックを記録するために、繰り返される。
【0010】
キャプションデータと音声データの再生命令が命令入力装置10を介して入力されると、マイコン11は音声データをメモリ18から出力バッファ21に転送し、キャプションデータブロックをメモリ18から映像制御装置19に転送する。デジタル−アナログ変換器(DAC)22は音声データをアナログ音声信号に変換し、このアナログ音声信号はスピーカー23によって音声として出力される。映像制御装置19はキャプションデータブロックをモニター20に表す。映像制御装置19は複数のキャプションデータブロックを様々な方法でモニター20に表すことができる。例えば映像制御装置19は、モニター20の最上行からキャプションデータブロックの表示を始めて、次のキャプションデータブロックを受けるとこれをすでに表示したキャプションデータブロックの下に表示する。いくつかのキャプションデータブロックをモニター20に表示した後、その次のキャプションデータブロックを表示するスペースがないときは、映像制御装置19は表示したキャプションデータブロックをスクロールアップし、次のキャプションデータブロックをモニター20の最下部に表示する。出力バッファ21へ転送される音声データのメモリアドレスが、キャプション消去を指示するキャプション制御コードの受信時間に対応する音声データのメモリアドレスであるとき、マイコン11は次のキャプションデータブロックを映像制御装置19に転送する。このような処理を繰り返して、キャプションデータと音声データを再生する。
【0011】
図2はポップ−オン・キャプションモードにおいてキャプションデータと音声データを記録する方法を示すフローチャートである。ステップS1において、キャプション・デコーダ13は入力された映像信号から2バイトのクローズドキャプションデータを抽出し、デコードする。このクローズドキャプションデータがキャプション表示を指定するEOCコードでないときは、キャプション・デコーダ13はデコードされたキャプションデータをマイコン11に供給する(ステップS2)。ステップS3において、マイコン11はキャプションデータをメモリ18に記録し、このキャプションデータを映像制御装置19に転送する。映像制御装置19はこのキャプションデータをモニター20に表示する。ステップS3の後、ステップS1に戻る。これらの処理は、EOCコードがキャプション・デコーダ13によって受信され検出されるまで繰り返される。ステップS1においてEOCコードが受信され検出されたときは、ステップS2において、キャプション・デコーダ13はマイコン11に信号を送る。このとき、マイコン11はステップS4において、記録されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスLADDR[C]をメモリ18に記録する。ステップS5において、マイコン11は入力バッファ16から受けた音声データの記録を開始し、この音声データブロックの先頭メモリアドレスSADDR[A]をメモリ18に記録する。このメモリアドレスLADDR[C],SADDR[A]はEOCコードの受信時間を意味する。
【0012】
入力バッファ16は最大時間dt1の音声データを記録することができる。マイコン11からの信号がないときは、入力バッファ16は時間dt1後に最初に入力された音声データを消す。キャプション・デコーダ13が時間tにEOCコードを検知したとき、マイコン11はEOCコードが受信される前の時間t−dt1から音声データを記録する。なぜなら、入力バッファ16が音声データを時間dt1だけ遅延するからである。このため、EOCコードの受信時間に該当する音声データのメモリアドレスはSADDR(A)+Bとなり、ここでBは時間dt1に相当する音声データの総メモリアドレスである。時間dt1は、オフライン・キャプショニングでは約1秒程度が好ましい。これにより、キャプションデータブロックに対応する会話の開始部分を切らないで記録することができる。ステップS6において、クローズドキャプションデータが受信されたとき、キャプション・デコーダ13はクローズドキャプションデータを抽出しデコードする。もし、このクローズドキャプションデータがキャプション消去を指示するEDMコードでないときは、ステップS7において、キャプション・デコーダ13はキャプションデータをマイコン11に供給する。ステップS8では、マイコン11は引き続き音声データを記録しながら、キャプションデータをメモリ18に記録し、このキャプションデータを映像制御装置19に転送する。ステップS8の後、ステップS6に戻る。
【0013】
ステップS6においてEDMコードが受信され検知されたとき、ステップS7においてキャプション・デコーダ13はマイコン11に信号を送り、マイコン11はEDMコード受信時間に対応する音声データのメモリアドレスをメモリ18に記録する(ステップS9)。もし、EDMコード受信時間にメモリ18に記録された音声データのメモリアドレスがEADDR[A]であるとき、EDMコード受信時間に対応する音声データのメモリアドレスは、時間dt1に相当する音声データの総メモリアドレスBをEADDR[A]に加えた値、すなわち(EADDR[A]+B)となる。(EADDR[A]+B)はキャプション消去アドレスとしてメモリに記憶される。本実施形態では、EDMコードが受信されたときでさえ、映像制御装置19は引き続きキャプションデータブロックをモニター20に表示する。ステップS10において、マイコン11はメモリ18に記録された音声データのメモリアドレスが、音声データのメモリアドレスEADDR[A]+B+Dを越えたか否かを判断する。ここで、Dは所定時間dt2に対応する音声データの総メモリアドレスである。もし、記録された音声データのメモリアドレスがEADDR[A]+B+Dに達するまでクローズドキャプションデータが受信されないときは(ステップS11)、ステップS14に進み、マイコン11は音声データの記録を停止する。さらに時間dt2に対応する音声データを記録することによって、キャプションデータブロックに対応する会話の最終部分を切らないようにする。ステップS14の後、ステップS1に戻る。もし、記録された音声データのメモリアドレスがEDDR[A]+B+Dに達する前にクローズドキャプションデータが受信され、キャプション・デコーダ13によってデコードされ(ステップS11)、かつ、このクローズドキャプションデータがEOCコードでないときは、ステップS12において、キャプション・デコード13はデコードされたキャプションデータをマイコン11に供給する。このときステップS13において、マイコン11はキャプションデータをメモリ18に記録し、このキャプションデータを映像制御装置19に転送する。ステップS13の後、ステップS10に戻る。記録された音声データのメモリアドレスがEADDR[A]+B+Dに達する前に、ステップS11,S12において、EOCコードが受信され、キャプション・デコーダ13によって検知されたときは、ステップS4に戻る。このような方法によって、キャプションデータブロックとこれに対応する会話のみを含む音声データブロックを記録することができる。
【0014】
キャプションデータブロックの最終メモリアドレス、音声データブロックの先頭メモリアドレス、およびEDMコード受信時間に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスは、記録されたキャプションデータと音声データを再生するために利用される。
【0015】
図3はポップ−オン・キャプションモードにおけるキャプションデータブロック、音声データブロックおよび会話のタイミング図である。時間t1においてEOCコードが受信され、キャプションデータブロックC1が画面に表示される。時間t2においてEDMコードが受信される。オフライン・キャプショニングでは、会話とキャプションデータブロックとはほぼ時間的に一致するので、キャプションデータブロックC1に該当する会話D1はほぼ時間t1に開始され、ほぼ時間t2に終了する。本実施形態では、キャプションデータブロックはEDMコードの受信によって画面から消去はされない。同様に、時間t3においてEOCコードが受信されキャプションデータブロックC2が画面に表示され、時間t4においてEDMコードが受信される。キャプションデータブロックC2に対応する会話D2はほぼ時間t3に開始され、ほぼ時間t4に終了する。時間t5にEOCコードが受信され、キャプションデータブロックC3が画面に表示され、時間t6にEDMコードが受信される。キャプションデータブロックC3に対応する会話D3はほぼ時間t5に開始され、ほぼ時間t6に終了する。時間(t1−dt1)から時間(t2+dt2)まで記録された音声データブロックA1は会話D1を含む。時間(t3−dt1)から時間(t4+dt2)まで記録された音声データブロックA2は会話D2を含み、時間(t5−dt1)から時間(t6+dt2)まで記録された音声データブロックA3は会話D3を含む。この例では、時間t2とt3との時間間隔は(dt1+dt2)よりも大きく、時間t4とt5との時間間隔はdt1やdt2よりも小さい。
【0016】
図4は図3に示すキャプションデータ、音声データおよびメモリアドレスデータのメモリマップを示す。すなわち、キャプションデータが記憶されるキャプションメモリ、音声データが記憶される音声メモリ、並びに、キャプションデータブロックの最終メモリアドレス、音声データの先頭メモリアドレスおよびキャプション消去アドレスが順次記憶されるアドレスメモリを示している。キャプションデータブロックC1の最終メモリアドレスLADDR[C1]と音声データブロックA1の先頭メモリアドレスSADDR[A1]が、EOC受信時間t1にアドレスメモリに記録される。EDMコード受信時間t2のときに音声メモリに記録された音声データのメモリアドレスはEADDR[A1]である。入力バッファの遅延時間dt1に対応する音声データの総メモリアドレスBをメモリアドレスEADDR[A1]に加えることによって、EDMコード受信時間t2に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスEADDR[A1]+Bが得られ、時間t2でアドレスメモリに記録される。所定時間dt2に対応する音声データの総メモリアドレスDをメモリアドレスEADDR[A1]+Bに加えることによって、音声データブロックA1の最終メモリアドレスEADDR[A1]+B+Dが得られる。同様に、キャプションデータブロックC2の最終メモリアドレスLADDR[C2]と音声データブロックA2の先頭メモリアドレスSADDR[A2]とが、時間t3でアドレスメモリに記録され、EDMコード受信時間t4に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスEADDR[A2]+Bが、時間t4でアドレスメモリに記録される。音声データブロックA2の最終メモリアドレスはEADDR[A2]+B+Dである。キャプションデータブロックC3の最終メモリアドレスLADDR[C3]と音声データブロックA3の先頭メモリアドレスSADDR[A3]が、時間t5でアドレスメモリに記録される。EDMコード受信時間t6に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスEADDR[A3]+Bが、時間t6でアドレスメモリに記録される。音声データブロックA3の最終メモリアドレスはEADDR[A3]+B+Dである。
【0017】
図5はキャプションデータと音声データを再生する方法を示すフローチャートである。使用者は、命令入力装置10において再生命令を選択することによってキャプションデータと音声データの再生を開始する。ステップP1において、マイコン11はメモリ18から第1の音声データブロックA1の先頭メモリアドレスを読み出し、音声データをメモリ18から出力バッファ21へ転送する。DAC22は音声データをアナログ音声信号に変換し、このアナログ音声信号はスピーカー23によって音に変換される。ステップP21において、マイコン11はメモリ18から第1のキャプションデータブロックC1の最終メモリアドレスLADDR[C1]を読み出す。ステップP31において、マイコン11はキャプションデータブロックC1をメモリ18から映像制御装置19に転送する。映像制御装置19はキャプションデータブロックをモニター20に表示する。ステップP41において、マイコン11はEDMコード受信時間に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスEADDR[A1]+Bをメモリ18から読み出す。ステップP51において、マイコン11は転送された音声データのメモリアドレスをメモリアドレスEADDR[A1]+Bと比較する。もし、転送された音声データのメモリアドレスがEADDR[A1]+Bよりも小さく、かつ、ステップP61で停止命令が命令入力装置10に入力されたときは、処理を終了する。もし、ステップP51において、転送された音声データのメモリアドレスがEADDR[A1]+B以上のときは、ステップP22に進み、マイコン11は第2のキャプションデータブロックの最終メモリアドレスを読み出す。第1のキャプションデータブロックC1と第1の音声データブロックA1に対するこのような処理は、第2のキャプションデータブロックC2と第2の音声データブロックA2に対して繰り返しされる。このような処理は、全てキャプションデータブロックと音声データブロック、すなわち図5における第1ブロックから最終の第nブロックまで、繰り返される。もし、最終の第nブロックにおいて、転送された音声データのメモリアドレスがEADDR[An]+B以上であるときは、ステップP7に進み、マイコン11は最後の音声データが転送されるまで音声データを出力バッファ21へ転送し続ける。最後の音声データが転送された後、処理を終了する。
【0018】
図6は音声一時停止と音声繰り返し機能を有するキャプションデータと音声データの再生方法を示すフローチャートである。音声一時停止と音声繰り返し機能のための処理が図5に示すフローチャートに追加されている。図7は図6の第iブロックにおける音声一時停止と音声繰り返し機能の処理を示すフローチャートである。もし、第iキャプションデータブロックCiと第i音声データブロックAiが再生されているときに音声一時停止命令が命令入力装置10に入力されると(ステップP7i)、マイコン11はステップP8iにおいて音声データを出力バッファ21へ転送するのを中止する。音声再開命令が命令入力装置10に入力されると(ステップP9i)、マイコン11は再び音声データの出力バッファ21への転送を開始し(ステップP10i)、ステップP11iに進む。音声繰り返し命令が命令入力装置10に入力されると(ステップP11i)、マイコン11はメモリ18から第(i−1)音声データブロックの先頭メモリアドレスSADDR[Ai−1]を読み出す(ステップP12i)。ステップP13iにおいて、マイコン11は音声データをメモリアドレスSADDR[Ai−1]から出力バッファ21へ転送して、第(i−1)音声データブロックを再生する。ステップP13iの後、ステップP4iに戻る。このような処理が、図6における第2ブロックから最後の第nブロックまで繰り返される。
【0019】
図8はキャプションデータブロックをスキャンし、選択したキャプションデータブロックに対応する音声データブロックを再生する方法を示すフローチャートである。キャプションデータブロックのスキャン命令が命令入力装置10に入力されると、ステップT11において、マイコン11はメモリ18から第1のキャプションデータブロックC1の最終メモリアドレスLADDR[C1]を読み出す。ステップT21において、マイコン11は第1のキャプションデータブロックC1を映像制御装置19へ転送し、映像制御装置19はこの第1のキャプションデータブロックC1をモニター20に表示する。もし、次のキャプション命令が命令入力装置10に入力されると(ステップT31)、第2のキャプションデータブロックC2のためのステップT12に進む。もし、音声再生命令が命令入力装置10に入力されると(ステップT41)、ステップT51において、マイコン11は第1の音声データブロックA1の先頭メモリアドレスSADDR[A1]とEDMコード受信時間に対応する音声データのメモリアドレスすなわちキャプション消去アドレスEADDR[A1]+Bをメモリ18から読み出す。ステップT61では、メモリアドレスSADDR[A1]からEADDR[A1]+B+Dまでの第1の音声データブロックA1が出力バッファ21へ転送される。音声データはDAC(22)によってアナログ音声信号に変換され、スピーカー23によって音に変換される。ステップT61の後、ステップT71に進む。もし、前のキャプション命令が命令入力装置10に入力されると(ステップT71)、“前のキャプションなし”をモニター20に表示し(ステップT81)、ステップT91に進む。もし、停止命令が命令入力装置10に入力されると(T91)、処理は終了する。このような第1のキャプションデータブロックに対する処理は、ステップT82を除き、第2のキャプションデータブロックのために繰り返される。もしステップT72において、過去のキャプション命令が入力されると、ステップT82において、第1のキャプションデータブロックのステップT11に戻る。第2のキャプションデータブロックに対する処理は、残りのキャプションデータブロックについて繰り返される。もし、最後の第nのキャプションデータブロックのステップT3nにおいて次のキャプション命令が入力されたら、”次のキャプションなし”をモニター20に表示して(T10)、ステップT3nに戻る。
【0020】
上の実施形態では、キャプションデータと音声データを記録するために、ポップ−オン・キャプションモードにおいてEOCコードとEDMコードが用いられた。ところが、ペイント−オンまたはロール−アップ・キャプションモードでは、会話の開始時間と終了時間を得るために他のキャプション制御コードを用いることができる。ペイント−オン・キャプションモードでは、RDC(Reseume Direct Captioning )コードとEDMコードを用い得るし、ロール−アップ・キャプションモードではRCL(Resume Roll Up)コードとEDM(またはCR)コードを用い得る。
【0021】
以上説明したように、キャプションデータと音声データの記録再生を行う方法と装置において、キャプションデータブロックとこのキャプションデータブロックに対応する会話のみを含む音声データを、記録し、また再生することができる。また、この装置で使用者はキャプションデータブロックをスキャンすることができ、キャプションデータブロックを選択して、そのキャプションデータブロックに対応する音声データブロックを再生することができる。したがって、使用者は、繰り返し、キャプションデータブロックを読むとともに、このキャプションデータブロックに対応する会話を聴くことができるので、本装置は、使用者が語学を学習するのに有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キャプションデータと音声データを記録再生する装置のブロック図である。
【図2】 キャプションデータと音声データを記録する方法を示すフローチャートである。
【図3】 キャプションデータブロック、音声データブロックおよび会話のタイミング図である。
【図4】 メモリにおける、キャプションデータ、音声データおよびメモリアドレスのメモリマップである。
【図5】 キャプションデータと音声データを再生する方法を示すフローチャートである。
【図6】 音声一時停止と音声繰り返し機能を有するキャプションデータと音声データの再生方法を示すフローチャートである。
【図7】 図6の第iブロックにおける音声一時停止と音声繰り返し処理を示すフローチャートである。
【図8】 キャプションデータブロックをスキャンする方法を示すフローチャートである。

Claims (2)

  1. 映像と音声を出力し、また上記音声に対応されるキャプションを表示する機能を有する映像表示装置において、上記キャプションとこれに対応する音声を選択的に再生できるようにしたキャプションデータと音声データの再生方法において、
    a) 入力された音声信号をデジタル音声データに変換して入力バッファを介して遅延させた後、出力させ、
    入力された映像信号から、クローズドキャプションデータを抽出してデコードし、
    上記デコードされたキャプションデータがキャプション制御コードでない場合に、上記キャプションデータブロックをキャプションメモリに記録し、
    上記キャプションデータブロックの画面表示を指定するキャプション制御コードが検知されると、上記入力バッファから出力される音声データを音声メモリに記録し始め、上記キャプションデータブロックの最終メモリアドレスと上記音声データの先頭メモリアドレスをアドレスメモリに記録し、
    上記キャプションデータブロックのキャプション消去を指定するキャプション制御コードが検知されると、上記キャプション制御コードが受信された時刻における上記音声メモリに記録された上記音声データの最終メモリアドレスに、上記入力バッファによる遅延時間に該当するメモリアドレスを加えたアドレスを、キャプション消去アドレスとして上記アドレスメモリに記録し、
    上記キャプションデータが受信される間、上記過程を繰り返しながら、キャプションデータブロックの最終メモリアドレスと上記キャプションデータブロックに該当する音声データの先頭メモリアドレスおよびキャプション消去アドレスを順次に上記アドレスメモリに記録しながら、所定時間の間、上記クローズド・キャプションデータが受信されなければ、上記キャプション消去を指定するキャプション制御コードの受信時刻から上記所定時間が過ぎた時点で上記音声データの記録を停止する、キャプションデータと音声データの記録処理と、
    b) 使用者が、再生しようとするキャプションデータおよび音声データを選択するために、記録されたデータのスキャンを選択する場合に、
    上記アドレスメモリに記録されたキャプションデータブロックの最終アドレスを読み出し、
    上記アドレスに該当するキャプションデータブロックを上記キャプションメモリから読み出した後、上記使用者の選択によりキャプションデータブロックを1ブロックずつまたは1画面ずつモニターにディスプレーする、データスキャン処理と、
    c) 上記使用者が、所定のキャプションデータブロックを選択して再生を選択した場合に、
    選択されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスを上記アドレスメモリから検索し、
    上記最終データアドレスに該当するキャプションデータブロックをモニターにディスプレーするとともに、上記最終データアドレスの次に記録された音声データの先頭メモリアドレスを検出して、上記音声メモリから上記先頭メモリアドレスに該当する音声データを抽出してスピーカーを介して出力させ、
    上記アドレスメモリから上記音声データの先頭メモリアドレスの次に記録された上記キャプション消去アドレスを検出して、上記キャプション消去アドレスに該当する音声データが出力される時、上記キャプションデータブロックをモニタから消去し、
    上記アドレスメモリから、次のキャプションデータブロックの最終メモリアドレス、次の音声データの先頭メモリアドレスおよび次のキャプション消去アドレスを抽出して、上記使用者が再生停止を選択するまで上記過程を繰り返して再生する、データ再生処理とを備えた
    ことを特徴とするキャプションデータと音声データの再生方法。
  2. 入力された映像信号および音声信号をモニターおよびスピーカーへ各々出力し、上記音声信号をデジタル音声データに変換して入力バッファを介して遅延させた後、出力バッフアを介して出力するとともに、上記映像信号からクローズドキャプションデータを抽出してデコードした後、これをモニターにディスプレーするディスプレー装置において、
    使用者が上記キャプションデータおよび上記音声データの記録、スキャンおよび再生を選択するための命令入力装置と、
    上記キャプションデータをブロック単位に記録するキャプションメモリと、
    上記音声データを記録する音声メモリと、
    上記キャプションメモリに記録されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスと、上記音声メモリに記録された音声データの先頭メモリアドレスと、キャプション消去を指定するキャプション制御コードが検知された時刻における上記音声メモリに記録されている音声データの最終メモリアドレスに入力バッファによる遅延時間に該当するメモリアドレスを加えて得たキャプション消去アドレスとを、記録するアドレスメモリと、
    マイコンとを備え、
    前記マイコンは、
    上記命令入力装置から記録の命令信号が伝達されたとき、上記キャプションデコーダからキャプションデータの伝達を受け、上記キャプションデータがキャプション制御コードでなければ上記キャプションデータを上記キャプションメモリへ転送してブロック単位に記憶させるとともに、上記キャプションデータブロックの最終データアドレスを上記アドレスメモリに記録し、また上記音声データを上記音声メモリに伝達して記録させ、
    上記キャプションデータブロックおよび上記音声データを記録する途中に上記キャプション・デコータからキャプション消去を指定するキャプション制御コードが検出されたとき、上記キャプション制御コードが検出された時の上記音声メモリに記録された上記音声データの最終メモリアドレスに上記入力バッファの遅延時間に相当するメモリアドレスを加えたキャプション消去アドレスを上記アドレスメモリに記録し、所定時間の間、上記キャプションデータが受信されないと上記キャプション消去を指定するキャプション制御コードの受信時刻から上記所定時間がすぎた時点で上記音声データの記録を停止するようにし、
    上記命令入力装置からスキャンの命令信号が入力されたとき、上記アドレスメモリに記録されたキャプションデータの最終メモリアドレスを抽出してこれに該当するキャプションデータブロックを上記キャプションメモリから抽出して上記モニターに一つずつまたは複数個を一画面ずつディスプレーし、
    上記命令入力装置から再生の命令信号が入力されたとき、選択されたキャプションデータブロックの最終メモリアドレスの次に記録された音声データの先頭メモリアドレスを上記アドレスメモリから抽出してこれに該当する音声データを上記音声メモリから抽出して上記スピーカーを介して出力し始め、
    上記命令入力装置から再生停止の命令信号が入力されるまで、上記キャプションメモリおよび上記音声メモリから上記キャプションデータおよび上記音声データを順次に抽出して上記モニターおよび上記スピーカーに再生させる
    ことを特徴とするディスプレー装置。
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