JP3722395B2 - 包装用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デパートやファーストフード店などで用いられる包装用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デパートなどで用いられる包装用紙としては、薄紙の表面に印刷を施したものが一般的に用いられている。一方、ファーストフード用としては耐油剤をコートした紙、または発泡ポリスチレン製のクラムシェル容器が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような薄紙の包装用紙は、使用後廃棄し易く安価であるものの、持ち運びの際、破れたりしわが寄るなどして包装用紙としての機能が十分果たせず、また、外観上意匠性に乏しいという欠点があった。特に、ファーストフード用として用いられているクラムシェル容器は発泡ポリスチレン製のため、容器がかさ高くなり廃棄しにくく、また耐油紙は断熱性が無いという問題があった。
従って、容易に破れず、しわが入りにくく、緩衝作用があり、さらには廃棄処理し易く、断熱性があり意匠性に優れた包装用紙が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決すべく検討した結果、少なくとも基材層の紙の片面もしくは両面に熱可塑性樹脂を発泡させた発泡層を備えていることを特徴とする包装用紙であり、前記基材層の紙と前記熱可塑性樹脂層との間に印刷層が部分的に設けられたこと、前記基材層の紙と前記発泡層との間に透明ニス層が全面に設けられたことを特徴とする包装用紙を見いだし、本発明に至ったものである。紙の両面に融点の異なる熱可塑性樹脂を積層し、低い融点を有する熱可塑性樹脂の融点以上、高い融点を有する熱可塑性樹脂の融点以下の温度に加熱し、低い融点を有する前記熱可塑性樹脂の層を加熱により紙の水分を蒸発させその蒸気圧で発泡させることを特徴としている。本発明によれば、従来のものより容易に破れず、しわが入りにくく、緩衝作用があり、さらには使用後、廃棄処理し易く、断熱性があり、また表面の発泡層により独特の風合いをもった包装用紙を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の包容用紙について詳しく説明する。図1は本発明の発泡層を有する包装用紙を示す図であり、図2はその積層構成を示す図である。本発明による包装用紙は枚葉、袋、箱の表紙など種々の形態であってもよく、図1では枚葉形態での包装用紙を示している。材料構成は図2に示すように紙層2を基材層として、表面に熱可塑性樹脂層3が、裏面に熱可塑性樹脂層4が積層されている。紙層2は印刷適性が良く、美麗な印刷が可能となっている。紙層2の表面には印刷層5と透明ニス層6を行うことができる。紙層2には絵柄などの印刷が施されるが、印刷層5に加えて透明ニス層6を設ける意味は、印刷層5だけであると、印刷インキがある画線部と印刷インキのない非画線部との間に、発泡加工後に厚みの差が生じてしまう。表面に凹凸のない平滑な面を望む場合には、透明ニス層6を設ける必要がある。また、印刷層5と透明ニス層6の順序は、特に、限定されない。さらに、これらの層は熱可塑性樹脂層3によって被覆されている。紙層2の裏面には、熱可塑性樹脂層4が被覆されている。
【0006】
基材の紙層2は坪量が20〜150g/m2 の範囲が、発泡層を有する包装用紙の製造上好ましい。つまり、実際に紙が製造できる範囲で、紙の坪量20g/m2 以下では紙が薄すぎ包装用紙としての強度が十分でなく、一方、150g/m2 以上では硬すぎ包装がしずらくなるという問題が生ずるためである。また、この紙の含水率は1〜10%の範囲が好ましい。できれば、3〜8%の範囲で安定させることがより好ましい。加熱により紙の水分を蒸発させ、その蒸気圧の力で片面もしくは両面の熱可塑性樹脂層を発泡させるというのが原理となっている。
【0007】
印刷層5は基材の紙層2の表面、あるいは透明ニス層6の上部に施され、印刷の位置、印刷面積の大小、印刷方法、使用されるインキなどは、従来公知の技術を適宜選択して用いることができる。
【0008】
透明ニス層6は、基材の紙層2の表面、あるいは印刷が施されている基材の紙層2の表面に設けられる。透明ニスを塗布する方法は、主に印刷により行われる。特に、グラビア印刷による方法が望ましい。他にもコーティングによる方法もある。使われる透明ニスの組成は、体質顔料を含んだ合成樹脂が主成分となっている。合成樹脂としては、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、アクリル樹脂、そしてこれらを混合した樹脂などが用いられる。また、体質顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、そしてこれらの混合物が用いられる。溶剤、あるいは希釈溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールなどが用いられる。塗布量は、塗布後の乾燥状態で1〜2g/m2 が好ましい。
【0009】
熱可塑性樹脂層3もしくは熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・ビニールアルコール共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。この熱可塑性樹脂は、印刷および透明ニスが施された基材となる紙層2の表と裏の両面に積層される。積層方法には、樹脂を熱溶融して塗布する押出コーティング法、あるいはフィルムになったものを貼り合わせるラミネート法などがある。この時、熱可塑性樹脂層3もしくは熱可塑性樹脂層4の厚さは10〜100μmの範囲が好ましい。10μm未満または100μmを超えると発泡しにくくなる。表面もしくは裏面のどちらか一方の熱可塑性樹脂層を発泡させたい場合、発泡させたくない側への水蒸気の蒸発を防ぐ必要がある。例えば、ポリエチレン樹脂を例にとれば、発泡させたくない側の熱可塑性樹脂は環球法(ASTM E 28)により測定される軟化点の高い高密度ポリエチレン樹脂を用いることにより達成される。
【0010】
つぎに、包装用紙を作製する方法について説明する。包装用紙は巻き取り状態から、適当な大きさに、カッターによる切断、もしくは抜き型による打ち抜きにより作ることができる。包装用紙の加熱発泡の加工は、カッターによる切断、抜き型による打ち抜きの前工程で行う方がより効率的である。図3にその簡単な方法を示した。巻き取り状態の包装用紙を加熱ゾーン7を通して巻き返すことにより発泡層が形成したブランクを得ることができる。この時、基材の紙層2の中の水分が蒸発し、その蒸気圧と空気の熱膨張が加わって作用し、片面もしくは両面の熱可塑性樹脂層3、もしくは熱可塑性樹脂層4に発泡層が形成されることになる。
加熱方法としては、熱風、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波などによる方法を使うことができる。また、静置して加熱する方法、あるいはコンベアーによって送りながら加熱する方法などを使うこともできる。加熱条件としては、温度が100〜200°Cの範囲が好ましく、時間としては、10秒〜5分の範囲が好ましい。
【0011】
本発明の包装用紙の用途としては、デパートなどの包装用紙または、ファーストフード用の包装用紙、あるいは板紙と貼り合わせて種々の箱などとして利用することができる。
【0012】
【実施例】
つぎに、本発明について実施例をあげて、さらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
基材となる紙層2として坪量20g/m2 、含水率6.5%の巻き取り状態のロール紙を用い、その表面に絵柄をグラビア印刷で印刷して印刷層5を形成し、さらに、その上に同じくグラビア印刷で、体質顔料を含む硝化綿とポリウレタン樹脂を主成分とし、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを混合したものを溶剤とした透明ニスを用いて透明ニス層6を形成した。透明ニス層6を形成するにあたり、使用した版は線数が175線で、深さが35μmであり、塗布量は乾燥状態で1.5g/m2 であった。さらに、表面には、20μmの厚さの低密度ポリエチレン樹脂層(m.p.=106°C、MI=6.7、d=0.921)を、裏面にも同じく20μmの厚さで低密度ポリエチレン樹脂を押出コーティング法により設けた。
このように、積層された巻き取り状態の包装用紙を図3に示すような全長20mの加熱ゾーン中を1分かけて通すことにより両面に発泡層が形成したブランクを作製した。このブランクを適当な大きさにカッターで切断することにより、両面に発泡層を有する包装用紙1を得た。
〔実施例2〕
基材となる紙層2として坪量20g/m2 、含水率6.5%の巻き取り状態のロール紙を用い、その表面に絵柄をグラビア印刷で印刷して印刷層5を形成し、さらに、その上に同じくグラビア印刷で、体質顔料を含む硝化綿とポリウレタン樹脂を主成分とし、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを混合したものを溶剤とした透明ニスを用いて透明ニス層6を形成した。透明ニス層6を形成するにあたり、使用した版は線数が175線で、深さが35μmであり、塗布量は乾燥状態で1.5g/m2 であった。さらに、表面には、20μmの厚さの低密度ポリエチレン樹脂層(m.p.=106°C、MI=6.7、d=0.921)を、裏面には20μの厚さで高密度ポリエチレン樹脂(m.p.=123°C、MI=5、d=0.937)を押出コーティング法により設けた。
このように、積層された巻き取り状態の包装用紙を図3に示すような全長20mの加熱ゾーン7中を1分かけて通すことにより表面に発泡層が形成したブランクを作製した。このブランクを適当な大きさにカッターで切断することにより、表面に発泡層を有する包装用紙1を得た。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のものより破れにくく、しわが入りにくく、緩衝作用があり、さらには使用後、廃棄処理し易く、断熱性がありまた表面の発泡層により独特の風合いをもった包装用紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による包装用紙の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明による包装用紙の材料構成を示す図である。
【図3】本発明による包装用紙の加熱方法の一実施例である。
【符号の説明】
1 包装用紙
2 紙層
3 熱可塑性樹脂層(表面)
4 熱可塑性樹脂層(裏面)
5 印刷層
6 透明ニス層
7 加熱ゾーン
Claims (1)
- 基材層の紙の両面に融点の異なる熱可塑性樹脂を積層し、低い融点を有する熱可塑性樹脂の融点以上、高い融点を有する熱可塑性樹脂の融点以下の温度に加熱し、低い融点を有する前記熱可塑性樹脂の層を加熱により紙の水分を蒸発させその蒸気圧で発泡させた発泡層を前記基材層の片面に備え、前記基材層と前記発泡層との間に、印刷層が部分的に設けられ、透明ニス層が全面に設けられていることを特徴とする包装用紙。
Priority Applications (1)
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JP32218596A JP3722395B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 包装用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP32218596A JP3722395B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 包装用紙 |
Publications (2)
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JPH10146912A JPH10146912A (ja) | 1998-06-02 |
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ID=18140901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32218596A Expired - Fee Related JP3722395B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 包装用紙 |
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Country | Link |
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JP2016165810A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 東ソー株式会社 | 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 |
-
1996
- 1996-11-19 JP JP32218596A patent/JP3722395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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