JP3722365B2 - 電子制御装置一体式の吸気モジュール - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の電子制御装置を一体的に収納した吸気モジュールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車両用電子制御装置（車載ＥＣＵ）を吸気モジュールに一体的に収納し、車両組み付けの工数削減等を図る技術が提案されている。具体的には、吸気モジュールとしてエアクリーナ収納部、吸気通路部、ＥＣＵ収納部等が設けられ、その吸気モジュールがエンジンルーム内のエンジン近傍に配置される。この場合特に、エアクリーナ収納部がエンジン直上に固定されるのに対し、熱の影響を抑制するためにＥＣＵ収納部がエンジンから離されることが考えられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば車載エンジンを整備する際、整備作業者は吸気モジュール上に手をつくことが考えられる。この場合、ＥＣＵ収納部に手をつくことを想定するとそのＥＣＵ収納部に応力が作用する。よって、エアクリーナ収納部（エンジン固定部）を支点としてＥＣＵ収納部が撓み、ＥＣＵ収納部内のＥＣＵに悪影響が及ぶ。例えば、手つき時の応力によりＥＣＵの回路基板が変形したり、回路基板に実装した電子部品の破壊、配線の断線、はんだ付け部の剥がれ等が生じたりする。これにより、エンジンの制御等に支障を来すという問題が生じる。
【０００４】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の吸気モジュールでは、エアクリーナ収納部と制御装置収納部とが一体的に設けられ、エアクリーナ収納部がエンジン直上に固定され、電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される。この場合、エンジン直上に固定されるのはエアクリーナ収納部であり、吸気モジュールとしては制御装置収納部がエンジンから離れて浮いた状態となる。故に車両整備時の手つき等により制御装置収納部に応力が作用するが、請求項１の発明では、制御装置収納部に補強部材を設けたのでその剛性が高められ、回路基板の変形等、電子制御装置への悪影響が防止できる。従って、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【０００６】
補強部材としては、請求項２に記載したように、制御装置収納部の外周面又は内周面に設けた構成や、請求項３に記載したように、エアクリーナ収納部から制御装置収納部に向かう長手方向に沿って設けた構成が適用できる。
【０００７】
また、請求項４に記載の発明では、前記補強部材が制御装置収納部のケーシングより突出した補強リブであり、該補強リブの肉厚を前記ケーシングの肉厚よりも小さくした。この場合、補強部材（補強リブ）を介しての放熱性能が向上し、電子制御装置として動作環境が改善される。
【０００８】
また、請求項５に記載の発明では、前記補強部材を制御装置収納部と別体とし、当該制御装置収納部を覆うよう組み付けた。この場合、制御装置収納部が補強部材（別部材）で覆われることにより、やはり剛性が高められる。
【０００９】
上記の如く補強部材を別体とした場合、請求項６に記載したように、前記補強部材を制御装置収納部側よりも高強度の材質にて構成したり、請求項７に記載したように、前記補強部材を放熱特性の良い材質にて構成したりすることが可能となる。
【００１０】
また、請求項８に記載の発明では、前記制御装置収納部において電子制御装置の回路基板と同一方向の面の肉厚を大きくした。これにより、制御装置収納部の剛性が高められる。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１１】
請求項９に記載の発明では、エアクリーナ収納部と制御装置収納部との間に易変形部を設けた。この場合、手つき等により制御装置収納部に応力が作用する際、その応力が易変形部で吸収される。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１２】
請求項１０に記載の発明では、前記電子制御装置の回路基板に補強板を重ね合わせた。この場合、回路基板自体の剛性が高められる。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の吸気モジュールは、ＥＣＵ（電子制御装置）が一体的に収納され、その状態で車載エンジンの直上に搭載されるものである。以下、その詳細を図面に従い説明する。
【００１４】
図１は吸気モジュールの外観を示す図面であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。図２は該吸気モジュールについてＥＣＵ収納部の構成を示す斜視図である。また、図３はＥＣＵ収納部付近の構成を示す図面であり、（ａ）はＥＣＵ収納部を示す側面図、（ｂ）はＥＣＵ収納部の断面図すなわち図１のＡ−Ａ線断面図である。但し図３ではＥＣＵ収納部にＥＣＵを収納した状態を示す。
【００１５】
図１に示すように、吸気モジュール１は、ポリプロピレン（ＰＰ）等にて樹脂成型されたケーシング２を基本構成要素とし、その中空部には吸気通路が形成されている。ケーシング２には空気取入口３及び空気出口４が設けられると共に空気取入口３付近にエアクリーナ５が収容されている。この場合、空気取入口３より導入された空気（外気）はエアクリーナ５を通過した後、図示しない吸気通路を介して空気出口４より排出される。吸気モジュール１より排出された空気は図示しない吸気配管を介してエンジンＥに吸入される。
【００１６】
また、ケーシング２にはＥＣＵ１０を収納するためのＥＣＵ収納部（制御装置収納部）６が設けられている。ＥＣＵ収納部６には、一面（図１（ａ）の下側面）のみが開口した収納穴７が設けられており、図２に示すように収納穴７の開口部よりＥＣＵ１０の回路基板１１が挿入されるようになっている。図の符号１２はＥＣＵ１０のコネクタ部１２である。
【００１７】
図１〜図３に示すように、ＥＣＵ収納部６にはその外周面において複数の補強リブ９が設けられている。この補強リブ９は「補強部材」を構成するものであり、ケーシング２の成型時に一体成型される。補強リブ９は吸気モジュール１の長手方向に沿って等間隔に設けられている。また、補強リブ９とそれ以外の部位とでは肉厚が相違し、図４に示すように、補強リブ９の肉厚Ｔ２は、ケーシング２の他の部位の肉厚Ｔ１よりも薄くなっている。因みに、この種の樹脂成型品では、成型のしやすさ等の理由により何れの肉厚も同一とするのが通常である。
【００１８】
上記吸気モジュール１は、エアクリーナ収納部８がエンジンＥ上に直接搭載される。この場合、３カ所又は４カ所程度のネジ締結部（図示略）で吸気モジュール１がエンジンＥに固定される。よって、エンジン搭載状態では、エンジン直上に固定されるのはエアクリーナ収納部８であり、吸気モジュール１としてはＥＣＵ収納部６側が浮いた片持ちの状態となる。
【００１９】
上記構成の吸気モジュール１を車両に搭載した状態では、車両の整備等でＥＣＵ収納部６に作業者が手をつくことが想定される（図５参照）。すると、図示の如く矢印方向に応力が作用する。しかしこの場合、ＥＣＵ収納部６には補強リブ９が設けられてその剛性が高められている。故に回路基板１１の変形、電子部品の破壊、はんだ付け部の剥がれ等、ＥＣＵ１０への悪影響が防止できる。従って、整備作業等で外部より応力が作用してもＥＣＵ１０に支障が及ぶことのないＥＣＵ一体式の吸気モジュール１が提供できる。
【００２０】
また上記構成では、エアクリーナ収納部８からＥＣＵ収納部６に向かう長手方向に沿って補強リブ９を設けたため、効果的な補強が実現できる。更に、補強リブ９の肉厚をケーシング２の他の部位の肉厚よりも小さくしたので、補強リブ９を介しての放熱性能が向上し、ＥＣＵ１０として動作環境が改善される。
【００２１】
次に、上記吸気モジュール１の構成の一部を変更した変形例を説明する。
（１）上記実施の形態では、複数の補強リブ９を吸気モジュール１の長手方向に平行に設けたが、その構成を変更する。例えば、図６に示すように、複数の補強リブ９を前記長手方向に対して角度を付けて設ける。この構成であっても前記同様、ＥＣＵ収納部６の剛性が高められる。その他にも、格子状に補強リブ９を設ける構成、不等間隔に補強リブ９を設ける構成、マーク等の図形状に補強リブ９を設ける構成などが適用できる。この場合、意匠性を考慮して補強リブ９を設けることも可能である。但し手付き時に吸気モジュール１にかかる荷重を考慮すると、吸気モジュール１の長手方向に延びるように補強リブ９を設けるのが望ましい。
【００２２】
（２）図７に示すように、補強リブ９をＥＣＵ収納部６の内周面に設ける。この場合、上記（１）で記載したように、吸気モジュール１の長手方向に平行に補強リブ９を設ける以外の構成も適用できる。
【００２３】
（３）図８に示すように、ＥＣＵ収納部６においてＥＣＵ１０の回路基板１１と同一方向の面の肉厚を大きくする。これによってもＥＣＵ収納部６の剛性が高められる。
【００２４】
（４）ＥＣＵ収納部６に別体からなる補強部材を組み付けることも可能である。例えば図９に示すように、略Ｌ字状の補強板２１を組み付ける。この場合、補強板２１の厚さを適宜設定することにより、補強の程度が任意に設定できる。なお、補強板２１はフラットな板部材、又は複数部材の組み合わせであっても良い。また、図１０に示すように、補強板２１の表面に複数の凹み２２を設けることも可能である。ＥＣＵ収納部６と補強板２１とが同一の樹脂材料である場合、これらが超音波溶着により接合される。或いは、ネジ固定により組み付けされる構成であっても良い。
【００２５】
上記図９又は図１０の構成において、補強板２１の材質を変更することも可能である。例えば補強板２１の材質を、ケーシング２の材質（樹脂材）よりも強度の高い鉄材料等の材質に変更しても良い。また、更に放熱特性を考慮する場合には、補強板２１の材質を放熱特性に優れた銅、アルミニウム等に変更しても良い。
【００２６】
（５）ケーシング２においてエアクリーナ収納部８とＥＣＵ収納部６との間に易変形部を設ける構成としても良い。具体的には、図１１に示すように、エアクリーナ収納部８とＥＣＵ収納部６との間に「易変形部」としての蛇腹部２３を設ける。この場合、手つき等によりＥＣＵ収納部６に応力が作用してもその応力が蛇腹部２３で吸収される。
【００２７】
（６）図１２に示すように、ＥＣＵ１０の回路基板１１に補強板２４を重ね合わせる構成としても良い。この場合、回路基板自体の剛性が高められ、前記同様、ＥＣＵ１０への悪影響が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】吸気モジュールの外観を示す図。
【図２】ＥＣＵ収納部の構成を示す斜視図。
【図３】ＥＣＵ収納部付近の構成を示す図。
【図４】補強リブの断面を示す斜視図。
【図５】エンジン搭載状態の吸気モジュールを示す正面図。
【図６】別の構成の吸気モジュールを示す平面図。
【図７】別の構成の吸気モジュールを示す図。
【図８】別の構成の吸気モジュールを示す断面図。
【図９】別の構成の吸気モジュールを示す斜視図。
【図１０】別の構成の吸気モジュールを示す斜視図。
【図１１】別の構成の吸気モジュールを示す正面図。
【図１２】ＥＣＵの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
１…吸気モジュール、２…ケーシング、５…エアクリーナ、６…ＥＣＵ収納部、８…エアクリーナ収納部、９…補強リブ、１０…ＥＣＵ、１１…回路基板、２１…補強板、２３…蛇腹部、２４…補強板、Ｅ…エンジン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の電子制御装置を一体的に収納した吸気モジュールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車両用電子制御装置（車載ＥＣＵ）を吸気モジュールに一体的に収納し、車両組み付けの工数削減等を図る技術が提案されている。具体的には、吸気モジュールとしてエアクリーナ収納部、吸気通路部、ＥＣＵ収納部等が設けられ、その吸気モジュールがエンジンルーム内のエンジン近傍に配置される。この場合特に、エアクリーナ収納部がエンジン直上に固定されるのに対し、熱の影響を抑制するためにＥＣＵ収納部がエンジンから離されることが考えられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば車載エンジンを整備する際、整備作業者は吸気モジュール上に手をつくことが考えられる。この場合、ＥＣＵ収納部に手をつくことを想定するとそのＥＣＵ収納部に応力が作用する。よって、エアクリーナ収納部（エンジン固定部）を支点としてＥＣＵ収納部が撓み、ＥＣＵ収納部内のＥＣＵに悪影響が及ぶ。例えば、手つき時の応力によりＥＣＵの回路基板が変形したり、回路基板に実装した電子部品の破壊、配線の断線、はんだ付け部の剥がれ等が生じたりする。これにより、エンジンの制御等に支障を来すという問題が生じる。
【０００４】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の吸気モジュールでは、エアクリーナ収納部と制御装置収納部とが一体的に設けられ、エアクリーナ収納部がエンジン直上に固定され、電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される。この場合、エンジン直上に固定されるのはエアクリーナ収納部であり、吸気モジュールとしては制御装置収納部がエンジンから離れて浮いた状態となる。故に車両整備時の手つき等により制御装置収納部に応力が作用するが、請求項１の発明では、制御装置収納部に補強部材を設けたのでその剛性が高められ、回路基板の変形等、電子制御装置への悪影響が防止できる。従って、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【０００６】
補強部材としては、請求項２に記載したように、制御装置収納部の外周面又は内周面に設けた構成や、請求項３に記載したように、エアクリーナ収納部から制御装置収納部に向かう長手方向に沿って設けた構成が適用できる。
【０００７】
また、請求項４に記載の発明では、前記補強部材が制御装置収納部のケーシングより突出した補強リブであり、該補強リブの肉厚を前記ケーシングの肉厚よりも小さくした。この場合、補強部材（補強リブ）を介しての放熱性能が向上し、電子制御装置として動作環境が改善される。
【０００８】
また、請求項５に記載の発明では、前記補強部材を制御装置収納部と別体とし、当該制御装置収納部を覆うよう組み付けた。この場合、制御装置収納部が補強部材（別部材）で覆われることにより、やはり剛性が高められる。
【０００９】
上記の如く補強部材を別体とした場合、請求項６に記載したように、前記補強部材を制御装置収納部側よりも高強度の材質にて構成したり、請求項７に記載したように、前記補強部材を放熱特性の良い材質にて構成したりすることが可能となる。
【００１０】
また、請求項８に記載の発明では、前記制御装置収納部において電子制御装置の回路基板と同一方向の面の肉厚を大きくした。これにより、制御装置収納部の剛性が高められる。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１１】
請求項９に記載の発明では、エアクリーナ収納部と制御装置収納部との間に易変形部を設けた。この場合、手つき等により制御装置収納部に応力が作用する際、その応力が易変形部で吸収される。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１２】
請求項１０に記載の発明では、前記電子制御装置の回路基板に補強板を重ね合わせた。この場合、回路基板自体の剛性が高められる。従って、前記同様、整備作業等で外部より応力が作用しても電子制御装置に支障が及ぶことのない電子制御装置一体式の吸気モジュールが提供できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の吸気モジュールは、ＥＣＵ（電子制御装置）が一体的に収納され、その状態で車載エンジンの直上に搭載されるものである。以下、その詳細を図面に従い説明する。
【００１４】
図１は吸気モジュールの外観を示す図面であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。図２は該吸気モジュールについてＥＣＵ収納部の構成を示す斜視図である。また、図３はＥＣＵ収納部付近の構成を示す図面であり、（ａ）はＥＣＵ収納部を示す側面図、（ｂ）はＥＣＵ収納部の断面図すなわち図１のＡ−Ａ線断面図である。但し図３ではＥＣＵ収納部にＥＣＵを収納した状態を示す。
【００１５】
図１に示すように、吸気モジュール１は、ポリプロピレン（ＰＰ）等にて樹脂成型されたケーシング２を基本構成要素とし、その中空部には吸気通路が形成されている。ケーシング２には空気取入口３及び空気出口４が設けられると共に空気取入口３付近にエアクリーナ５が収容されている。この場合、空気取入口３より導入された空気（外気）はエアクリーナ５を通過した後、図示しない吸気通路を介して空気出口４より排出される。吸気モジュール１より排出された空気は図示しない吸気配管を介してエンジンＥに吸入される。
【００１６】
また、ケーシング２にはＥＣＵ１０を収納するためのＥＣＵ収納部（制御装置収納部）６が設けられている。ＥＣＵ収納部６には、一面（図１（ａ）の下側面）のみが開口した収納穴７が設けられており、図２に示すように収納穴７の開口部よりＥＣＵ１０の回路基板１１が挿入されるようになっている。図の符号１２はＥＣＵ１０のコネクタ部１２である。
【００１７】
図１〜図３に示すように、ＥＣＵ収納部６にはその外周面において複数の補強リブ９が設けられている。この補強リブ９は「補強部材」を構成するものであり、ケーシング２の成型時に一体成型される。補強リブ９は吸気モジュール１の長手方向に沿って等間隔に設けられている。また、補強リブ９とそれ以外の部位とでは肉厚が相違し、図４に示すように、補強リブ９の肉厚Ｔ２は、ケーシング２の他の部位の肉厚Ｔ１よりも薄くなっている。因みに、この種の樹脂成型品では、成型のしやすさ等の理由により何れの肉厚も同一とするのが通常である。
【００１８】
上記吸気モジュール１は、エアクリーナ収納部８がエンジンＥ上に直接搭載される。この場合、３カ所又は４カ所程度のネジ締結部（図示略）で吸気モジュール１がエンジンＥに固定される。よって、エンジン搭載状態では、エンジン直上に固定されるのはエアクリーナ収納部８であり、吸気モジュール１としてはＥＣＵ収納部６側が浮いた片持ちの状態となる。
【００１９】
上記構成の吸気モジュール１を車両に搭載した状態では、車両の整備等でＥＣＵ収納部６に作業者が手をつくことが想定される（図５参照）。すると、図示の如く矢印方向に応力が作用する。しかしこの場合、ＥＣＵ収納部６には補強リブ９が設けられてその剛性が高められている。故に回路基板１１の変形、電子部品の破壊、はんだ付け部の剥がれ等、ＥＣＵ１０への悪影響が防止できる。従って、整備作業等で外部より応力が作用してもＥＣＵ１０に支障が及ぶことのないＥＣＵ一体式の吸気モジュール１が提供できる。
【００２０】
また上記構成では、エアクリーナ収納部８からＥＣＵ収納部６に向かう長手方向に沿って補強リブ９を設けたため、効果的な補強が実現できる。更に、補強リブ９の肉厚をケーシング２の他の部位の肉厚よりも小さくしたので、補強リブ９を介しての放熱性能が向上し、ＥＣＵ１０として動作環境が改善される。
【００２１】
次に、上記吸気モジュール１の構成の一部を変更した変形例を説明する。
（１）上記実施の形態では、複数の補強リブ９を吸気モジュール１の長手方向に平行に設けたが、その構成を変更する。例えば、図６に示すように、複数の補強リブ９を前記長手方向に対して角度を付けて設ける。この構成であっても前記同様、ＥＣＵ収納部６の剛性が高められる。その他にも、格子状に補強リブ９を設ける構成、不等間隔に補強リブ９を設ける構成、マーク等の図形状に補強リブ９を設ける構成などが適用できる。この場合、意匠性を考慮して補強リブ９を設けることも可能である。但し手付き時に吸気モジュール１にかかる荷重を考慮すると、吸気モジュール１の長手方向に延びるように補強リブ９を設けるのが望ましい。
【００２２】
（２）図７に示すように、補強リブ９をＥＣＵ収納部６の内周面に設ける。この場合、上記（１）で記載したように、吸気モジュール１の長手方向に平行に補強リブ９を設ける以外の構成も適用できる。
【００２３】
（３）図８に示すように、ＥＣＵ収納部６においてＥＣＵ１０の回路基板１１と同一方向の面の肉厚を大きくする。これによってもＥＣＵ収納部６の剛性が高められる。
【００２４】
（４）ＥＣＵ収納部６に別体からなる補強部材を組み付けることも可能である。例えば図９に示すように、略Ｌ字状の補強板２１を組み付ける。この場合、補強板２１の厚さを適宜設定することにより、補強の程度が任意に設定できる。なお、補強板２１はフラットな板部材、又は複数部材の組み合わせであっても良い。また、図１０に示すように、補強板２１の表面に複数の凹み２２を設けることも可能である。ＥＣＵ収納部６と補強板２１とが同一の樹脂材料である場合、これらが超音波溶着により接合される。或いは、ネジ固定により組み付けされる構成であっても良い。
【００２５】
上記図９又は図１０の構成において、補強板２１の材質を変更することも可能である。例えば補強板２１の材質を、ケーシング２の材質（樹脂材）よりも強度の高い鉄材料等の材質に変更しても良い。また、更に放熱特性を考慮する場合には、補強板２１の材質を放熱特性に優れた銅、アルミニウム等に変更しても良い。
【００２６】
（５）ケーシング２においてエアクリーナ収納部８とＥＣＵ収納部６との間に易変形部を設ける構成としても良い。具体的には、図１１に示すように、エアクリーナ収納部８とＥＣＵ収納部６との間に「易変形部」としての蛇腹部２３を設ける。この場合、手つき等によりＥＣＵ収納部６に応力が作用してもその応力が蛇腹部２３で吸収される。
【００２７】
（６）図１２に示すように、ＥＣＵ１０の回路基板１１に補強板２４を重ね合わせる構成としても良い。この場合、回路基板自体の剛性が高められ、前記同様、ＥＣＵ１０への悪影響が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】吸気モジュールの外観を示す図。
【図２】ＥＣＵ収納部の構成を示す斜視図。
【図３】ＥＣＵ収納部付近の構成を示す図。
【図４】補強リブの断面を示す斜視図。
【図５】エンジン搭載状態の吸気モジュールを示す正面図。
【図６】別の構成の吸気モジュールを示す平面図。
【図７】別の構成の吸気モジュールを示す図。
【図８】別の構成の吸気モジュールを示す断面図。
【図９】別の構成の吸気モジュールを示す斜視図。
【図１０】別の構成の吸気モジュールを示す斜視図。
【図１１】別の構成の吸気モジュールを示す正面図。
【図１２】ＥＣＵの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
１…吸気モジュール、２…ケーシング、５…エアクリーナ、６…ＥＣＵ収納部、８…エアクリーナ収納部、９…補強リブ、１０…ＥＣＵ、１１…回路基板、２１…補強板、２３…蛇腹部、２４…補強板、Ｅ…エンジン。
Claims (10)
- エアクリーナを収納したエアクリーナ収納部と、該エアクリーナ収納部に連結して設けられ車両用の電子制御装置を収納した制御装置収納部とを備え、前記エアクリーナ収納部にてエンジン直上に固定され、前記電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される吸気モジュールであって、前記制御装置収納部に補強部材を設けたことを特徴とする電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- 前記補強部材を制御装置収納部の外周面又は内周面に設けた請求項１記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- エアクリーナ収納部から制御装置収納部に向かう長手方向に沿って前記補強部材を設けた請求項１又は２記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- 前記補強部材が制御装置収納部のケーシングより突出した補強リブであり、該補強リブの肉厚を前記ケーシングの肉厚よりも小さくした請求項１乃至３の何れかに記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- 前記補強部材を制御装置収納部と別体とし、当該制御装置収納部を覆うよう組み付けた請求項１記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- 前記補強部材は制御装置収納部側よりも高強度の材質よりなる請求項５記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- 前記補強部材は放熱特性の良い材質よりなる請求項６記載の電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- エアクリーナを収納したエアクリーナ収納部と、該エアクリーナ収納部に連結して設けられ車両用の電子制御装置を収納した制御装置収納部とを備え、前記エアクリーナ収納部にてエンジン直上に固定され、前記電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される吸気モジュールであって、前記制御装置収納部において電子制御装置の回路基板と平行な面の肉厚を大きくしたことを特徴とする電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- エアクリーナを収納したエアクリーナ収納部と、該エアクリーナ収納部に連結して設けられ車両用の電子制御装置を収納した制御装置収納部とを備え、前記エアクリーナ収納部にてエンジン直上に固定され、前記電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される吸気モジュールであって、エアクリーナ収納部と制御装置収納部との間に易変形部を設けたことを特徴とする電子制御装置一体式の吸気モジュール。
- エアクリーナを収納したエアクリーナ収納部と、該エアクリーナ収納部に連結して設けられ車両用の電子制御装置を収納した制御装置収納部とを備え、前記エアクリーナ収納部にてエンジン直上に固定され、前記電子制御装置収容部がエンジンから離れて配置される吸気モジュールであって、前記電子制御装置の回路基板に補強板を重ね合わせたことを特徴とする電子制御装置一体式の吸気モジュール。
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