JP3721861B2 - 印刷装置の文字列処理方法およびその装置 - Google Patents

印刷装置の文字列処理方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字列を印刷対象物に印刷する印刷装置の文字列処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、任意の文字列を入力して印刷する印刷装置が知られている。また、同じ文字列を複数回連続して印刷する印刷装置も知られている。また、特にテープ印刷装置において、任意の1個の文字列を印刷するときの印刷長さとして定長を設定できるものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定長を設定でき、かつ、複数個の文字列を登録文字列として登録しておいて、そのうちの任意の1個以上を選択して印刷対象物に印刷できる印刷装置であっても、選択された登録文字列によっては、各文字列の印刷長さが、予め設定された定長の範囲に入らない場合がある。
【0004】
本発明は、定長を設定でき、かつ、複数個の文字列を登録文字列として登録しておいて、そのうちの任意の1個以上を選択して印刷対象物に印刷可能な印刷装置に適用されることにより、いずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷できる文字列処理方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の文字列処理方法は、n(nは2以上の整数)個の登録文字列のうちの任意のm(mは1≦m≦nとなる整数)個を選択してテープに印刷可能な印刷装置の文字列処理方法であって、1個の文字列を印刷するときの印刷長さとして定長を設定する定長設定工程と、任意の文字列を登録のための候補文字列として入力する候補文字列入力工程と、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録するための登録指示を行う登録指示工程と、前記定長が設定された後に前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かを判別する定長印刷可否判別工程と、前記判別により印刷可能と判別されたときに、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録する文字列登録工程と、前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするカット工程と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の文字列処理装置は、n(nは2以上の整数)個の登録文字列のうちの任意のm(mは1≦m≦nとなる整数)個を選択してテープに印刷可能な印刷装置の文字列処理装置であって、1個の文字列を印刷するときの印刷長さとして定長を設定する定長設定手段と、任意の文字列を登録のための候補文字列として入力する候補文字列入力手段と、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録するための登録指示を行う登録指示手段と、前記定長が設定された後に前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かを判別する定長印刷可否判別手段と、前記判別により印刷可能と判別されたときに、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録する文字列登録手段と、前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするカット手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この文字列処理方法およびその装置では、任意の文字列を候補文字列として入力し、候補文字列を登録文字列の1個として登録するための登録指示を行い、定長が設定された後に登録指示が行われたときに、候補文字列が定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、候補文字列が定長に印刷可能と判別されたときに、候補文字列を登録文字列の1個として登録する。すなわち、登録指示に先立って定長が設定され、その後に登録指示が行われた場合、入力した候補文字列がその定長に印刷可能か否かを判別して、印刷可能と判別されたときに候補文字列を登録文字列として登録する。この場合、印刷不可能のときの処理を別にすれば、定長の範囲に印刷可能な文字列のみ登録することも可能になるので、登録文字列のうちのどれを選択しても、定長の範囲に印刷できるようにすることができる。したがって、定長を設定でき、かつ、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、n個のうちの任意のm個(任意の1個以上)の登録文字列を選択して印刷対象物に印刷可能な印刷装置に、この文字列処理方法およびその装置を適用することにより、いずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷可能とすることができる。また、この文字列処理方法およびその装置では、mが複数(2≦m)のときに、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするので、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、この文字列処理方法およびその装置では、印刷対象物がテープなので、テープ印刷装置に適用できる。
また、上述の文字列処理方法において、前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷するカットマーク印刷工程をさらに備えたことが好ましい。
また、上述の文字列処理装置において、前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷するカットマーク印刷手段をさらに備えたことが好ましい。
この文字列処理方法およびその装置では、mが複数(2≦m)のときに、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷するので、ユーザは、印刷されたカットマークに従って、印刷対象物であるテープを容易にカットでき、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。
【0009】
また、上述の文字列処理装置において、前記判別により前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する定長印刷不可報知手段をさらに備えたことが好ましい。
【0010】
この文字列処理装置では、定長が設定された後に登録指示が行われ、かつ、候補文字列が定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する。これにより、ユーザは、候補文字列が定長に印刷不可能であることを把握でき、候補文字列を編集し直して定長の範囲に印刷可能にするなどの措置を行うことができ、登録して印刷するまで待つことなく、即座に対応することが可能になる。なお、この場合、その印刷長さ(任意長)または定長を超える長さ、それらに対応する文字数(すなわち何文字削除すれば良いか等の情報)等を付加して報知すれば、その後の編集等に便利であり、さらに好ましい。
【0012】
また、上述した各文字列処理装置において、前記文字列登録手段は、前記判別により前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、前記候補文字列の登録を中止することが好ましい。
【0013】
この文字列処理装置では、定長が設定された後に登録指示が行われ、かつ、候補文字列が定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、候補文字列の登録を中止するので、定長の範囲に印刷可能な文字列のみを登録でき、これにより、登録文字列のうちのどれを選択しても、定長の範囲に印刷できるようになる。したがって、この文字列処理方法およびその装置を適用した印刷装置では、いずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷できる。
【0015】
また、上述した各文字列処理装置において、前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに、前記登録を強制する強制登録を指示可能な強制登録指示手段をさらに備え、前記文字列登録手段は、前記強制登録が指示されたときに、その指示に従って、前記候補文字列の登録を行うことが好ましい。
【0016】
この文字列処理装置では、候補文字列が定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに、登録を強制する強制登録を指示可能であり、強制登録が指示されたときには、その指示に従って、候補文字列の登録を行う。この場合、強制登録の指示は、前述の登録指示の後に行っても良いし、前に行っても良い。すなわち、例えば前述のように印刷不可能である旨が報知される場合、ユーザは、印刷不可能であることを知った上でとりあえず(強制)登録しておき、その後(例えば後日)、読み出して編集し直したり、あるいは登録後に定長値を設定し直したりすることができる。また、強制的に登録するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、登録指示前に指示できるようにしても良い。そして、これらにより、この文字列処理装置を適用した印刷装置の操作性を向上できる。
【0018】
また、上述した各文字列処理装置において、前記文字列登録手段は、前記定長が設定されないまま前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列の登録を行うことが好ましい。
【0019】
この文字列処理装置では、定長が設定されないまま登録指示が行われたときに、候補文字列の登録を行う。定長が設定されないまま登録指示が行われた場合とは、登録指示の前後に拘らず定長設定が行われない場合、または、登録指示の後に定長設定が行われる場合、のいずれかである。前者では、実印刷長に拘らず登録して印刷できるので、任意長の場合等に利用できる。後者では、とりあえず任意長のまま登録するので、後に定長が設定されたときに印刷可能か否かの判別(チェック)対象とすることができる。なお、この場合、候補文字列を登録文字列として登録するとともに、それをそのまま印刷したときの印刷長さ(任意長)を登録しておけば、後のチェック等に利用できるので、好ましい。
【0021】
また、上述した各文字列処理装置において、前記m個の登録文字列を印刷対象として選択する印刷文字列選択手段と、前記m個の登録文字列を前記テープに連続的に印刷する印刷手段と、をさらに備えたことが好ましい。
【0022】
この文字列処理装置では、m個の登録文字列を印刷対象として選択し、m個の登録文字列をテープに連続的に印刷するので、さらに印刷装置に適用し易くなる。また、この適用により、印刷装置では、n個のうちの任意のm個の登録文字列を選択して、m個の登録文字列をテープに連続的に印刷できる。
【0032】
また、上述した各文字列処理装置において、前記n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能な登録削除手段をさらに備えたことが好ましい。
【0033】
この文字列処理装置は、n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能な登録削除手段をさらに備えたことにより、任意の文字列を登録文字列として自由自在に登録したり削除したりすることができ、これを適用した印刷装置の操作性をさらに向上させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る文字列処理方法およびその装置を適用したテープ印刷装置について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1は、テープ印刷装置の制御系のブロック図である。
【0035】
このテープ印刷装置1は、キー入力した所望の文字などに基づいて作成した印刷画像を、テープTにサーマル方式でカラー印刷すると共に、このテープTの印刷部分を切断してラベルを作成するものである。
【0036】
テープTは、基材テープとその裏面に塗着した粘着層と粘着層に貼着した剥離紙テープとで構成され、基材テープは、紙やコート層を有する紙、あるいはコート層を有するフィルム等のインクを十分吸収できる素材で構成される。粘着層は、ラベルとしての印刷テープをファイルなどの貼付対象物に貼り付けるためのものであり、また剥離紙テープは、この粘着層にゴミなどが付着するのを防止するためのものである。テープTには、テープ幅4.5mm〜48mm程度の各種のものが用意され、それぞれテープカートリッジ5に収容された状態で提供され、テープ幅に応じて幅方向24ドット〜1024ドット程度の解像度の印刷画像が印刷される。なお、これらのテープTには、材質の異なるものや、地色が白色以外のものなども用意されており、将来採用されるものも含めれば、少なくとも数十種類のものが使用可能となっている。
【0037】
図1に示すように、テープ印刷装置1は、基本的な構成として、キーボード3やディスプレイ4を有してユーザとのインタフェースを行う操作部11、サーマル方式の印刷ヘッド7によりテープカートリッジ5のテープTに印刷を行う印刷部12、印刷後のテープTの切断を行う切断部13、各種センサを有して各種検出を行う検出部14、各種ドライバを有して各部回路を駆動する駆動部270、外部メモリ(ファイルパック)を着脱可能な外部メモリ装着部280、電源部290、および、テープ印刷装置1内の各部を制御する制御部200を備えている。このため、装置内部には、印刷部12、切断部13、検出部14、外部メモリ装着部280などの他、図外の回路基板が収納されている。この回路基板には、電源部290の他、駆動部270や制御部200の各回路などが搭載されている。電源部290の電源ユニットは、ACアダプタ接続口や外部から着脱可能なニッカド電池等の電池に接続され、テープ印刷装置1内の各部に電力を供給する。
【0038】
詳細な図示はしないが、まず、印刷部12では、テープカートリッジ5は、カートリッジケースの内部にテープTとインクリボンRとを収容して構成されており、印刷部12のポケットに配設されたヘッドユニットに差し込むための貫通孔が形成され、ポケットの位置決めピンに差し込まれるテープリールおよびポケットの巻取り駆動軸に差し込まれるリボン巻取りリールが収納され、また、テープTとインクリボンRとが重なる部分には、ヘッドユニットに内蔵された印刷ヘッド(サーマルヘッド)7に対応してポケットのプラテン駆動軸に差し込まれるプラテンローラが収納されている。
【0039】
テープカートリッジ5には、内蔵するテープTの相異なる幅等の種別を識別できるように、裏面に小さな複数の孔が設けられ、上記のポケットには、この孔の有無を検出するマイクロスイッチなどのテープ識別センサが設けられていて、これにより、テープTの種別を検出できるようになっている。また、ポケットには、環境(周囲)温度を検出して報告するサーミスタなどの周囲温度センサが設けられていて、周囲温度を検出して制御部200に報告する。また、印刷ヘッド7の表面に密着してサーミスタなどのヘッド表面温度センサが設けられていて、サーマルヘッド7の表面温度を検出して制御部200に報告する。装置ケースには、ポケットと装置外部とを連通するテープ排出口が形成され、テープ排出口には、送りだしたテープTを切断するテープカッタが臨んでいる。
【0040】
テープカートリッジ5がポケットに装着されると、ヘッドユニットにテープカートリッジ5の貫通孔が、位置決めピンにテープリールが、プラテン駆動軸にプラテンローラが、巻取り駆動軸にリボン巻取りリールが、それぞれ差し込まれ、テープTおよびインクリボンRの送りが可能になる。また、この状態でテープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド7がプラテンローラに当接して、印刷が可能になる。テープTはテープリールから繰り出され、インクリボンRはリボンリールから繰り出され、テープTと重なって併走した後、リボン巻取りリールに巻き取られる。すなわち、プラテンローラとリボン巻取りリールとが同期して回転することにより、テープTとインクリボンRとが同時に送られ、かつこれらに同期して印刷ヘッド7が駆動することで、印刷が行われる。
【0041】
テープ印刷装置1では、ユーザは、印刷部12のポケットにテープカートリッジ5を装着した後、キーボード3により所望のキャラクタ(文字、数字、記号、図形等)などの印刷画像の情報を入力し、同時にディスプレイ4により入力結果を確認すると共に編集を行う。その後、キーボード3を介して印刷を指示すると、印刷部12のテープ送り部が駆動され、テープカートリッジ5からテープTを繰り出すと同時に、印刷ヘッド7が駆動して、テープTに所望の印刷を行う。そして、テープTの印刷済み部分は、印刷動作に並行してテープ排出口から随時外部に送り出される。このようにして、所望の印刷が完了すると、プラテンローラの回転(リボン巻取りリールも同期回転する)を所定時間続行することでテープTの送りが続行され、余白分を含むテープ長さに適合した所定の切断位置がテープカッタの位置まで送られる。
【0042】
印刷部12のテープ送り部は、上記のポケットの側方に配設したテープフィードモータ(TFモータ)を動力(駆動)源として、上記のプラテン駆動軸および巻取り駆動軸を回転させるものであり、ポケットの側方から下方に亘る空間に配設されている。テープ送り部は、TFモータ、プラテン駆動軸、巻取り駆動軸、TFモータの動力を各駆動軸に伝達する減速歯車列、およびこれらを支持するシャーシとを備えている。
【0043】
なお、本実施形態におけるTFモータは、DCモータで構成され、印刷部12のテープ送り部は、TFモータ(DCモータ)の回転数を検出するためのエンコーダをさらに備え、エンコーダは、円盤状の周方向の4箇所に検出開口が形成され、DCモータの主軸の先端に固着されている。この回転速度センサは、上述のエンコーダの検出開口に臨むフォトセンサと、フォトセンサを支持すると共にその間で光電変換を行うセンサ回路基板とを備えている。フォトセンサには、発光素子と受光素子とが対向配置され、発光素子の光が回転するエンコーダ(の円盤周方向)の検出開口を通過して受光素子に受光されることにより、DCモータの回転数(パルス数)が検出される。すなわち、受光素子で受光された光の明滅が、センサ回路基板により光電変換され、パルス信号として制御部200に出力される。もちろん、パルス制御信号により所定のステップ(パルス)数だけステップ送りしやすいように、上記のTFモータをステッピングモータ(パルスモータ)で構成して、上記のエンコーダや回転速度センサを省略した構成にすることもできる。
【0044】
図1では、制御系の説明の便宜上、検出部14が、上述したテープ識別センサ、周囲温度センサ、ヘッド表面温度センサ、および回転速度センサを備えているものとしている。ここで、検出部14は、これらのセンサにより検出した各種検出信号を制御部200に報告する。なお、実状に合わせて、テープ印刷装置1の各部に電力を供給する電源部290の電源ユニットに接続されてその電位変動を検出する電圧センサ等の他のセンサを設けることもできるし、また、上記TFモータがパルスモータの場合には回転速度センサを省略するなど、一部を省略した構成とすることもできる。
【0045】
次に、切断部13は、テープカッタとそれを切断動作させるカッタモータとを備えている。このため、定長印刷時等における自動カットの場合、印刷が終了して余白分だけテープ送りされ、それが停止すると同時に、カッタモータが駆動され、テープTの切断が行われる。なお、テープ印刷装置1では、このカッタによる切断動作を手動でも行えるように、カットキーを設け、モード設定によって、自動/手動を切り替えられるようにしている。このため、任意長印刷時等における手動カットの場合、印刷が完了した時点で、ユーザが、カットキーを押すことで、テープカッタが作動し、テープTが所望の長さに切断される。
【0046】
駆動部270は、ディスプレイドライバ、ヘッドドライバ、モータドライバを備え、ディスプレイドライバは、制御部200から出力される制御信号に基づき、その指示に従って、操作部11のディスプレイ4を駆動する。同様に、ヘッドドライバは、制御部200の指示に従って、印刷部12の印刷ヘッド7を駆動する。また、モータドライバは、印刷部12のTFモータを駆動するTFモータドライバと、切断部13のカッタモータを駆動するカッタモータドライバとを有し、制御部200の指示に従って、各モータを駆動する。
【0047】
次に、テープ印刷装置1では、ユーザは、後述のRAM240の補助記憶として、文書ファイル等を多数記憶可能な外部メモリ(以下「ファイルパック」)281を着脱自在に装着できるようになっている。このファイルパック281は、SRAMを1つまたは複数(例えば2個)搭載して構成され、テープ印刷装置1から外しても記憶したデータを保持しておくように電池等によりバックアップされている。また、外部メモリ装着部280のポケットにファイルパック281を装着すると、ユーザからはRAM240の記憶領域の一部(例えば1つのディレクトリ等)に見えるように機能し、制御処理の作業領域として使用される。
【0048】
また、操作部11は、キーボード3とディスプレイ4とを備えている。ディスプレイ4は、横方向(X方向)約8cm×縦方向(Y方向)4cmの長方形の形状の内側に、例えば198ドット×64ドットの表示画像データを表示可能な表示画面41を有し、ユーザがキーボード3からデータを入力して、文字、数字、記号、簡易図形等のキャラクタ(以下、これらを代表して「文字」といい、キャラクタの意味で使用)を配置した文字列画像やそれを含む印刷画像を表現するマトリクスデータを作成・編集したり、その結果等を視認したり、キーボード3から各種指令・選択指示等を入力したりする際などに用いられる。
【0049】
キーボード3には、(いずれも図示しない)アルファベットキー群311、記号キー群312(スペースキー312Sを含む)、数字キー群313、平仮名や片仮名等の仮名キー群314、および外字を呼び出して選択するための外字キー群315等を含む文字キー群31の他、各種の動作モードなどを指定するための機能キー群32などが配列されている。
【0050】
機能キー群32には、図外の電源キー321、印刷動作を指示するための印刷キー322、テキスト入力時のデータ確定や改行および選択画面における各種モードの選択指示のための選択キー323、印刷画像データの印刷色やその中間色(混色)を指定するための色指定キー324、文字色や背景色を設定するための色設定キー325、並びに、それぞれ上(「↑」)、下(「↓」)、左(「←」)、右(「→」)方向へのカーソル移動や表示画面41の表示範囲を移動させるための4個のカーソルキー330(330U、330D、330L、330R:以下「カーソル「↑」キー330U」などという。ただし、代表して表現するときは「カーソルキー330」という。)が含まれる。
【0051】
機能キー群32には、さらに、各種指示を取り消すための取消キー326、各キーの役割を変更したり、描画登録画像データや外字登録画像データの修正等に用いられるシフトキー327、テキスト入力画面や選択画面と印刷画像データの表示画面(イメージ画面)とを相互に切り換えるためのイメージキー328、印刷画像データとイメージ画面に表示する表示画像データとの大きさの比率を変更するための比率変更(ズーム)キー329、各種スタイルを設定するためのスタイルキー331、ファイル操作のためのファイルキー332、背景画選択のためのイラストキー333、テープTを手動でカットするためのカットキー340、外字登録操作のための外字キー341、かな漢字変換等の各種変換操作のための変換キー342、ファイルパック281を初期化したりその設定を変更するためのパックキー343、地紋印刷や定長印刷などの書式設定のための書式キー344、基礎となる印刷画像を任意の拡大率で拡大して印刷する拡大印刷を指示する拡大印刷キー345、連続印刷する文字列を登録するための連続登録キー346、その登録された文字列を印刷するための登録印刷キー347、並びに、その登録された文字列を削除するための連続削除キー348キーが含まれる。
【0052】
なお、当然ながら、一般的なキーボードと同様に、これらのキー入力は、各キー入力毎に個別にキーを設けて入力しても良いし、シフトキー327等と組み合わせてより少ない数のキーを用いて入力しても良い。ここでは、理解を容易にするために上記の分だけキーがあるものとして説明する。
【0053】
図1に示すように、キーボード3は、上述のような種々の指令およびデータを制御部200に入力する。
【0054】
制御部200は、CPU210、ROM220、キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)230、RAM240、入出力制御回路(IOC)250を備え、互いに内部バス260により接続されている。
【0055】
ROM220は、CPU210で処理する制御プログラムを記憶する制御プログラム領域221の他、仮名漢字変換テーブル(辞書)、色変換テーブル、文字修飾テーブルなどを含む制御データを記憶する制御データ領域222を有している。CG−ROM230は、テープ印刷装置1に用意されている文字等のフォントデータを記憶していて、文字等を特定するコードデータが与えられたときに、対応するフォントデータを出力する。
【0056】
RAM240は、電源キー321の操作により電源がオフにされても、記憶したデータを保持しておくようにバックアップされていて、各種フラグ等として使用される各種レジスタ群241、ユーザがキーボード3から入力した文字等のテキストデータを記憶するテキストデータ領域242、ディスプレイ4の表示画面の表示画像データを記憶する表示画像データ領域243、印刷画像データを記憶する印刷画像データ領域244、描画登録画像データを記憶する描画登録画像データ領域245、外字登録画像データを記憶する外字登録画像データ領域246、背景画の候補となる背景画像データや対応する文字色データを記憶する背景画像データ領域247、文字展開バッファ、色変換バッファ、基本色別配置バッファ、印刷バッファなどの各種バッファ領域248などの領域を有し、制御処理のための作業領域として使用される。
【0057】
IOC250には、CPU21の機能を補うとともに各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。例えば、種々の計時を行うタイマなどもIOC250内の機能として組み込まれている。このため、IOC250は、検出部14の各種センサやキーボード3と接続され、検出部14からの各種検出信号およびキーボード3からの各種指令や入力データなどをそのままあるいは加工して内部バス260に取り込むとともに、CPU210と連動して、CPU210等から内部バス260に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部270に出力する。
【0058】
また、IOC250は、外部メモリ装着部280と接続され、RAM240に対するアクセスのうち、実際にはファイルパック281に対するアクセスとなるデータの入出力を制御し、これにより、ファイルパック281を装着したときに、ユーザからは外見上(ファイル等の扱い上)、RAM240を増設した(RA240のメモリ容量を増加させた)ように見えるように制御する。そこで、以下、特に断らない限り、RAM240にはファイルパック281分のメモリ容量を含み、RAM240内にファイルパック281に記憶したデータがあるものとして説明する(理解しやすいように、ファイルパック領域249として図示するが、実際には上記の各領域の一部または全部を分担させることもできる)。
【0059】
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、IOC250を介してテープ印刷装置1内の各部から各種信号・データ等を入力し、CG−ROM230からのフォントデータ、RAM240(上述のように、ファイルパック領域249(ファイルパック281分)を含む)内の各種データ等を処理し、IOC250を介してテープ印刷装置1内の各部に各種信号・データ等を出力することにより、印刷の位置制御、表示画面41の表示制御等を行うとともに、印刷ヘッド7を制御して所定の印刷条件でテープTに印刷するなど、テープ印刷装置1全体を制御している。
【0060】
次に、テープ印刷装置1の制御全体の処理フローについて、図2を参照して説明する。電源キー321を押すこと(電源オン)により処理が開始すると、同図に示すように、まず、テープ印刷装置1を、前回の電源オフ時の状態に戻すために、退避していた各制御フラグを復旧するなどの初期設定を行い(S1)、次に、前回の表示画面を初期画面として表示する(S2)。図2のその後の処理、すなわちキー入力か否かの判断分岐(S3)および各種割込処理(S4)は、概念的に示した処理である。実際には、テープ印刷装置1では、初期画面表示(S2)が終了すると、キー入力割込を許可し、キー入力割込が発生するまでは、そのままの状態を維持し(S3:No)、何らかのキー入力割込が発生すると(S3:Yes)、それぞれの割込処理に移行して(S4)、その割込処理が終了すると、再度、その状態を維持する(S3:No)。
【0061】
上述のように、テープ印刷装置1では、主な処理を割込処理により行うので、印刷画像作成・印刷の準備ができていれば、ユーザが任意の時点で印刷キー322を押すことにより、印刷処理割込が発生して、印刷処理が起動され、印刷画像データに基づいて印刷画像の印刷ができる。すなわち、印刷に至るまでの操作手順は、ユーザが任意に選択できる。
【0062】
例えば図3に示すように、1行目の文字(キャラクタ)列「ABCDE」を入力後のテキスト編集画面表示の状態で(画面T10:以下、ディスプレイ4の表示画面41の表示状態を画面T××で表現し、参照番号としてはT××のみで示す。また、カーソル位置はカーソルKで図示する。)、ユーザにより印刷キー322が押されると、「印刷中」のメッセージの表示とともに文字列「ABCDE」の文字列画像を印刷画像として印刷し(T11)、印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る(T12:T10と同じ)。ただし、この種の文字列画像の印刷は従来と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0063】
なお、正確には、表示画像や印刷画像は、表示された画像自体または印刷された画像自体を指し、装置内では、表示画像を表現する表示画像データや印刷画像を表現する印刷画像データを扱う。すなわち、装置内で作成・修正・登録等の処理の対象となるのは画像データであり、画像自体ではないが、以下では説明を簡略化して、「〜画像を表現する〜画像データ」をその画像自体と同様に「〜画像」という。
【0064】
図4に示すように、まず、上記と同様のテキスト編集画面を表示した状態で(T10)、ユーザにより書式キー344が押されると(操作されると)、同図に示すように、各種の書式を選択して設定するための「書式」の第1階層の選択画面を表示する(T20)。なお、テープ印刷装置1では、ユーザは、キー入力による各種指示を取消キー326により取り消すことができ、この第1階層の状態(T20)から取消キー326を押すことにより、元のテキスト編集画面表示(T10)に戻すことができる(以下、特に断らないかぎり取消キー326による作用は同様なので、説明は省略する)。
【0065】
この選択画面(T20)では、「書式」の選択肢として、例えば「地紋印刷」、「定長印刷」、「総長印刷」、「余白」、「終わり?」(図6のT24〜T25参照)などの選択肢を表示する。ユーザはこれらの選択肢のうちのいずれかを、カーソルキー330を操作して反転表示または点滅表示(点網掛けで図示)させ、選択キー323を押すことにより、反転表示または点滅表示された選択肢を選択・指定できる。各選択画面に遷移した直後には、直近に選択(アクセス)された選択肢(それがない場合は初期設定によりデフォルトで選択される選択肢)が反転表示され、ユーザがカーソルキー330を操作して他の選択肢を表示させたときには、直近に選択された選択肢ではないので、点滅表示される。テープ印刷装置1の選択画面における反転表示または点滅表示された選択肢は、その状態での選択キー323の操作で選択される選択肢なので、以下「選択表示」という。また、以下の説明では、直近に選択されたか否かは関係しないので、全て点滅表示(点網掛けで図示)とする。
【0066】
上記の状態で(T20)、ユーザによりカーソル「↓」キー330Dまたはカーソル「→」キー330Rが押されると、「総長印刷」が選択表示された状態となる。また逆にカーソル「↑」キー330Uまたはカーソル「←」キー330Lが押されると、「地紋印刷」が選択表示された状態となる。ただし、ここでは、「定長印刷」を設定するため、「定長印刷」を選択表示された状態で(T20)、選択キー323が押された(操作された)ことにする。「定長印刷」が選択表示された状態で(T20)、ユーザにより選択キー323が押されると、「定長印刷」が選択され、その第2階層の選択画面に画面遷移する(T21:図5、図6と共通)。
【0067】
この第2階層の「定長印刷」の選択画面では、図5に示すように、定長を設定しない(任意長となる)「しない」、結果的に定長値L0=20cmの設定となる「A4ファイル」、定長値L0=15cmの設定となる「B5ファイル」、定長値L0=8.5cmの設定となる「5.25FD」、定長値L0=6.5cmの設定となる「3.5FD」、定長値L0=14cmの設定となる「VHS/β」、定長値L0=7.0cmの設定となる「8mmビデオ」、定長値L0=9.5cmの設定となる「音楽テープ」などの他、数値の選択肢「1.0cm」、「1.1cm」、……などの選択肢を表示する。
【0068】
すなわち、例えば「しない」が選択表示された状態で(T21)、カーソル「↓」キー330Dまたはカーソル「→」キー330Rが押されると、「A4ファイル」が選択表示された状態となる(T30)。また、同様に、「A4ファイル」が選択表示された状態で(T30)、カーソル「↑」キー330Uまたはカーソル「←」キー330Lが押されると、「しない」が選択表示された状態となる(T21)。なお、以下、効率的に記載(説明)するため、カーソル「↓」キー330Dまたはカーソル「→」キー330Rをカーソルキー330DRといい、同図に示すように右下向きの黒三角表示のキーで図示する。また、同様に、カーソル「↑」キー330Uまたはカーソル「←」キー330Lをカーソルキー330ULといい、左上向きの黒三角表示のキーで図示する。
【0069】
ここで、同様に、「A4ファイル」が選択表示された状態で(T30)、カーソルキー330DRが操作されると、次の選択肢「B5ファイル」が選択表示される(T31)。以下同様に、カーソルキー330DRが操作される毎に、「5.25FD」、「3.5FD」、「VHS/β」、「8mmビデオ」、「音楽テープ」、「1.0cm」、「1.1cm」、……のように、全ての選択肢が選択表示され(T31〜T34)、ユーザは各選択表示状態で選択キー323を押す(操作する)ことにより、任意の選択肢を選択できる。また、例えば「1.0cm」が選択表示された状態(T34)から、カーソルキー330ULが操作される毎に、逆順に、「音楽テープ」、「8mmビデオ」、「VHS/β」、「3.5FD」、「5.25FD」、「B5ファイル」、「A4ファイル」、「しない」のように、選択肢が選択表示される。すなわち、ユーザは、カーソルキー330(カーソルキー330DRまたはカーソルキー330UL)および選択キー323の操作で、任意の選択肢を選択表示させて選択できる。なお、これらの選択肢を、最後の選択肢の次が最初の選択肢となるようにサイクリックに表示させることもできる。
【0070】
ここで、図6に示すように、例えば「8mmビデオ」が選択表示された状態で(T33)、ユーザにより選択キー323が押されると、「8mmビデオ」が選択され、すなわち定長値L0=7.0cmが設定され、その第3階層の選択画面に画面遷移する(T40)。この第3階層の「8mmビデオ」の選択画面では、文字間均等割付を示す「均等」、定長範囲内の前側に寄せる割付を示す「前寄せ」、中央に寄せる割付(いわゆるセンタリング)を示す「中寄せ」、後側に寄せる割付を示す「後寄せ」などの選択肢を表示する(T40〜T41)。ここで、例えば「中寄せ」が選択表示された状態で(T41)、ユーザにより選択キー323が押されると、「中寄せ」が選択され、定長印刷の設定(定長の設定)を終了して、「書式」の第1階層の選択画面に戻る(T24:図4のT20と同じ)。
【0071】
一方、図4に示すように、「定長印刷」の第2階層の選択画面では(T21)、数字キー群313を押す(操作する)ことにより、定長値L0を数字により直接入力(直接設定)することもできる。ここで、例えばユーザにより数字キー群313の「4」が押されると、「4cm」を表示し、この状態で(T22)、選択キー323が押されると、定長値L0=4cmが設定され、その第3階層の選択画面に画面遷移する(T23)。この第3階層の「定長4cm」の選択画面では、図6で上述の「8mmビデオ」の選択画面と同様に、「均等」、「前寄せ」、「中寄せ」、「後寄せ」などの選択肢を表示するので、例えば「均等」が選択表示された状態で(T23)、ユーザにより選択キー323が押されると、「均等」が選択され、定長印刷の設定(定長の設定)を終了して、「書式」の第1階層の選択画面に戻る(T24:T20と同じ:図6と共通)。
【0072】
ここで、前述のように、「書式」の第1階層の選択画面では、「地紋印刷」、「定長印刷」、「総長印刷」、「余白」、「終わり?」などの選択肢が選択できるので、「定長印刷」が選択表示された状態(T24)から、ユーザは、カーソルキー330(カーソルキー330DRまたはカーソルキー330UL)および選択キー323の操作で、任意の選択肢を選択表示させて選択できる。そして、図6に示すように、ユーザのカーソルキー330の操作により「終わり?」が選択表示された状態で(T25)、ユーザにより選択キー323が押されると、「終わり?」が選択され、すなわち書式の設定を終了して、テキスト編集画面に戻る(T26:T10と同じ)。
【0073】
上述のように、テープ印刷装置1では、定長を設定できる。また、図8〜図11で後述のように、複数個の文字列を登録文字列として登録しておいて、そのうちの任意の1個以上を選択してテープ(印刷対象物)Tに(連続して)印刷できる。また、所定の文字列処理方法を採用することにより、複数個の登録文字列のうちのいずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷できる。以下、この文字列処理方法について説明する。
【0074】
なお、ここで、文字列としては1行である必要はなく、テープTの幅に印刷できる範囲である限りの複数行で良いが、後述のテキスト選択等では、各文字列の代表として、その1行目を表示するので、説明を簡単にするため、以下では、1行の文字列を使用して説明する。また、図4〜図6で前述の「書式」の設定では、前述の「定長設定」のほか、「地紋印刷」、「総長印刷」、「余白」等を設定できるが、「地紋印刷」については以下の説明には関係しないので、説明を省略する。また、「総長印刷」については、後述する。また、「余白」は任意長印刷、定長印刷、総長印刷等における各文字列の印刷画像の上下と前後(図示上の左右)に所定の余白を設ける(設定する)ためのものであり、実際には、印刷長さや定長印刷時の文字サイズの決定等に関係してくるものではあるが、以下では、簡単に1文字当たり1cmの印刷長さが必要なものとして、「余白」の設定については無視して説明する。すなわち、実際に「余白」が設定された場合には、以下の説明における印刷長さ等にその設定された余白の長さが加わる、またはその分だけ文字間や文字サイズが小さくなるものと考えれば、以下の説明の本質には余り関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0075】
ここで、上述のように1文字当たり1cm(以下「1cm/1文字」)が必要とすると(以下の説明を簡易的に行うための前提とすると)、図4で前述の例のように、定長値L0=4cmを設定した場合、4文字までなら定長の範囲に印刷できる。そこで、以下、定長値L0=4cmが設定されている場合(すなわち上記の前提「1cm/1文字」が成立するものとして、4文字まで定長の範囲に印刷可能)を例に挙げて説明する。
【0076】
例えば図7に示すように、ユーザにより1行の文字列「山田太郎」が入力された後のテキスト編集画面を表示した状態で(T50)、連続登録キー346が押されると(操作されると)、定長の範囲に印刷可能なので(上記の前提「1cm/1文字」では4文字であれば定長値L0=4cmの定長の範囲に印刷可能なので)、この文字列「山田太郎」を登録文字列の1個(例えば登録番号「01」の登録文字列)として登録する(T51)。
【0077】
上述のように、テープ印刷装置1(正確にはテープ印刷装置1で採用している文字列処理方法:以下省略)では、任意の文字列(例えば上記の文字列「山田太郎」)を候補文字列として入力し、定長(上記の例では4cm:定長値L0=4cm)が設定された後に(ただし、候補文字列の入力との前後関係は問わない)、候補文字列を登録文字列の1個として登録するための連続登録キー346が押されると(登録指示が行われると)、候補文字列が定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、候補文字列が定長に印刷可能と判別されたときに、候補文字列を登録文字列の1個として登録する。すなわち、登録指示(連続登録キー346の押下)に先立って定長が設定され、その後に登録指示が行われた場合、入力した候補文字列がその定長に印刷可能か否かを判別して、印刷可能と判別されたときに候補文字列を登録文字列として登録する。
【0078】
この場合、後述のように、印刷不可能のときの処理を別にしておくことにより、定長の範囲に印刷可能な文字列のみ登録することも可能になるので、登録文字列のうちのどれを選択しても、定長の範囲に印刷できるようにすることができる。したがって、定長を設定でき、かつ、n(nは2以上の整数:複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、n個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数:任意の1個以上)の登録文字列を選択してテープ(印刷対象物)Tに印刷可能なテープ印刷装置(印刷装置)1に、この文字列処理方法を採用(適用)することにより、いずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷可能とすることができる。
【0079】
例えば図7に示すように、次に、ユーザにより1行の文字列「設計チーム」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T52)、連続登録キー346が押されると(操作されると)、(定長値L0=4cmの)定長の範囲には印刷不可能(前述の前提「1cm/1文字」では定長値L0=4cmの定長の範囲に5文字は印刷不可能)なので、「定長オーバー」および「登録不可」のメッセージを表示するとともに、その文字列「設計チーム」の登録を中止する(T53)。この場合、ユーザは、そのメッセージ「定長オーバー」により、入力した候補文字列「設計チーム」が設定されている定長(4cm)の範囲に印刷不可能であることを把握でき、また、その結果、登録が行われなかったことを把握できる。もっとも、ここでは「登録不可」のメッセージによりさらに明示するようにしている。ここで、ユーザにより何らかのキー(以下「ANYキー」)3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(T54)。
【0080】
すなわち、テープ印刷装置1では、定長(上記の例では定長値L0=4cm)が設定された後に連続登録キー346が押されると(登録指示が行われると)、候補文字列(上記の例では文字列「設計チーム」)が定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、候補文字列が定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する(上記の例ではメッセージ「定長オーバー」を表示する)。これにより、ユーザは、候補文字列が定長に印刷不可能であることを把握でき、候補文字列を編集し直して定長の範囲に印刷可能にするなどの措置を行うことができ、登録して印刷するまで待つことなく、即座に対応することが可能になる。
【0081】
なお、上記の例の場合、例えば「定長オーバー」および「登録不可」の間に「印刷長さ5cm」、「1cmオーバー」、「1文字オーバー」など、その印刷長さ(任意長)または定長を超える長さ、それらに対応する文字数(すなわち何文字削除すれば良いか等の情報)等を付加して報知すれば、その後の編集等に便利であり、さらに好ましい。
【0082】
同様にして、例えば図7に示すように、次に、ユーザにより1行の文字列「取扱注意」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T55)、連続登録キー346が押されると(操作されると)、(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能なので、この文字列「取扱注意」を登録文字列の1個(例えば登録番号「02」の登録文字列)として登録する(T56)。また、同様にして、次に、例えば1行の文字列「管理者」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(図8のT57参照)、連続登録キー346が押されると、(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能なので、この文字列「管理者」を登録文字列の1個(例えば登録番号「03」の登録文字列)として登録する。
【0083】
すなわち、ここまでの登録により、登録番号「01」の登録文字列として文字列「山田太郎」が、登録番号「02」の登録文字列として文字列「取扱注意」が、登録番号「03」の登録文字列として文字列「管理者」が、それぞれ登録される。これらの登録文字列(登録番号「01」の)「山田太郎」、(登録番号「02」の)「取扱注意」、および(登録番号「03」の)「管理者」は、いずれも(例えば定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能な文字列となる。
【0084】
上述のように、テープ印刷装置1では、(例えば定長値L0=4cmの)定長が設定された後に連続登録キー346が押され(登録指示が行われ)、かつ、候補文字列が(前述の文字列「設計チーム」の場合のように)定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、候補文字列の登録を中止するので、定長の範囲に印刷可能な文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)のみを登録でき、これにより、登録文字列のうちのどれを選択しても、定長の範囲に印刷できるようになる。したがって、この(文字列処理方法を採用した)テープ印刷装置1では、いずれの登録文字列を選択して印刷しても各文字列が定長の範囲に入るように印刷できる。
【0085】
ところで、上記の登録までを、テープ印刷装置1で採用している文字列処理方法として把握することもできるし、その後の印刷の処理までを文字列処理方法として把握することもできる。登録と印刷とを分けるのも説明が面倒かつ煩雑となるので、以下では、登録〜印刷までの処理を文字列処理方法として説明する。そこで、上述のように登録されたn個(上記の例ではn=3個)の登録文字列の印刷に関する処理について以下に説明する。
【0086】
例えば図8に示すように、上記の最後の(登録番号「03」の)登録文字列「管理者」を登録直後のテキスト編集画面を表示した状態で(T57)、ユーザにより登録印刷キー347が押されると(操作されると)、n(=3)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面に画面遷移する(T58)。この選択画面(T58)では、例えば「すべて」、「一部」などの選択肢を表示する。ここで、例えば「すべて」が選択表示された状態で(T58)、ユーザにより選択キー323が押されると、「すべて」、すなわちn個のすべてをm(=n)個の印刷対象として選択し、「印刷中」のメッセージの表示とともに、m(上記の例では、m=n=3)個の登録文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)の文字列画像を印刷画像として印刷し(T59)、印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る(T60:T57と同じ)。
【0087】
この場合、図1で前述のように自動カット(オートカット)が設定されていると、印刷後にはテープTのカットが自動的に行われて、図9(a)〜(c)に示すようなラベルR0〜R8などが作成される。同図(b)は、図4で前述のように(例えば定長値L0=4cmの)定長を設定し、かつ、割付として「均等」を選択した場合の印刷結果の例を示し、同様に、同図(a)は「中寄せ」、同図(c)は「前寄せ」の割付を選択した場合の印刷結果の例を示している。なお、テープ印刷装置の種類によっては、オートカットの代わりに手動カットの目安となるカットマークを付して印刷するものもあるので、そのようなテープ印刷装置では、例えば「均等」の割付を選択した場合、同図(d)のようにカットマークCmを付して印刷することになる。この場合も、m(=3)個の各登録文字列は、同図(e)に示すように、それぞれ(例えば定長値L0=4cmの)定長の範囲に入るように印刷される(すなわち合計の長さ(後述の実印刷長)Lr=3×L0=12cmで印刷される)。
【0088】
一方、図8で前述の、n(=3)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面で(T58:図8と図10で共通)、例えば図10に示すように、ユーザによりカーソルキー330DRが押され、「一部」が選択表示され、この状態で(T61)、ユーザにより選択キー323が押されると、下位階層の「テキスト選択」の選択画面に画面遷移する(T62)。この選択画面では、n(上記の例では、n=3)個の登録文字列(上記の例では「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)がその登録番号とともに選択肢として表示されるので、ユーザはそのうちのm個を選択できる。
【0089】
例えば登録番号「01」の「山田太郎」が印刷対象となる場合、それが選択表示された状態で(T62)、ユーザによりスペースキー312Sが押されると、それを印刷対象として、すなわち印刷対象のm個の登録文字列のうちの1個として選択し、その旨を示す「*」を表示する(T63)。また、ユーザは同様にカーソル操作により他の印刷対象を選択表示させ、連続して選択できる。例えば上記の状態で(T63)、ユーザによりカーソルキー330DRが2回押されると、登録番号「03」の「管理者」を選択表示し、その状態で(T64)、ユーザによりスペースキー312Sが押されると、それを印刷対象のm個のうちの1個として選択し、その旨を示す「*」を表示する(T65)。
【0090】
そして、この状態では(T65)、印刷対象として登録番号「01」の「山田太郎」と、登録番号「03」の「管理者」とが、m(ここではm=2)個の印刷対象として選択されているので、この状態で(T65)、ユーザにより選択キー323が押されると、「印刷中」のメッセージの表示とともに、n(上記の例では、n=3)個の登録文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)のうちの印刷対象であるm(=2)の登録文字列(「山田太郎」、「管理者」)の文字列画像を印刷画像として印刷し(T59:図8と共通)、印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る(図8のT60:T57と同じ)。
【0091】
この場合、オートカットでは、印刷後にテープTのカットが自動的に行われて、図11(a)〜(c)に示すようなラベルR0、R2、R3、R5、R6、R8などが作成される。図9で前述と同様に、図4(b)は(例えば定長値L0=4cmの)定長を設定し、かつ、割付として「均等」を選択した場合、同図(a)は「中寄せ」、同図(c)は「前寄せ」の割付を選択した場合の印刷結果の例を示している。また、同様に、カットマーク印刷では、例えば「均等」の割付を選択した場合、同図(d)のようにカットマークCmを付して印刷することになる。この場合も、m(=2)個の各登録文字列は、同図(e)に示すように、それぞれ(例えば定長値L0=4cmの)定長の範囲に入るように印刷される(すなわち合計の長さ(後述の実印刷長)Lr=2×L0=8cmで印刷される)。
【0092】
上述のように、テープ印刷装置1では、n個のうちの任意のm個の登録文字列を印刷対象として選択して、そのm個の登録文字列をテープ(印刷対象物)Tに連続的に印刷でき、また、印刷対象物がテープTなので、カットによりラベルを作成できる。また、オートカットでは、mが複数(2≦m)のときにも、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするので、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、手動カットの場合でも、カットマークCmを付すようにすれば、mが単数のときばかりでなく、mが複数(2≦m)のときでも、そのm個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークCmを印刷することにより、ユーザは、印刷されたカットマークCmに従って、印刷対象物であるテープTを容易にカットでき、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。
【0093】
なお、図10で前述の印刷対象として選択された選択肢が選択表示された状態で(T63またはT65)、ユーザによりスペースキー312Sが押されると、その選択を取り消して、「*」の表示を削除して元の状態に戻す(T62またはT64)。すなわち、ユーザはスペースキー312Sの操作で印刷対象を選択したりその選択を取り消したりすることができる。また、印刷指示の前にm個の登録文字列の選択を行えるようにしても良い。この場合、例えば印刷のためのテキスト選択のための所定のキー等を設け、テキスト編集画面を表示した状態でその所定のキーが押されたときには、図10で前述の印刷のためのテキスト選択の画面(T62〜T65)と同様の画面に遷移させ、選択後には、元のテキスト編集画面に戻るようにすれば良い。これにより、印刷の指示をしなくても予め印刷対象の登録文字列を選択しておくことができる。
【0094】
また、印刷対象の登録文字列を選択する場合、例えば選択した順に番号等を付して、印刷の際にはその順に印刷できるようにしても良い。また、この場合、選択された選択肢には「*」のような記号でなく、図示の登録番号と同様の番号を、選択順を示す番号として表示するようにして、選択された旨ばかりでなく、その選択順をも同時に把握できるようにすることが好ましい。この場合、例えば最初に(選択順01番として)登録番号「03」の「管理者」、次に(選択順02番として)登録番号「01」の「山田太郎」を選択すれば、印刷の際には「管理者」の次に「山田太郎」を連続して印刷することになる。オートカットの場合にはカットしてラベルとなるので余り関係はないものの、手動の場合、「管理者」「山田太郎」をカットしないまま貼るなどの利用方法も採用できる。
【0095】
また、上述の例では、図7で前述のように、候補文字列(例えば文字列「設計チーム」)が定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する(メッセージ「定長オーバー」を表示する)とともに、その候補文字列の登録を中止したが、強制的に登録できるようにしても良い。例えば図12に示すように、前述の候補文字列「設計チーム」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T52:図7と共通)、連続登録キー346が押されたときに(登録指示が行われたときに)、図7と同様の「定長オーバー」のメッセージの表示とともに、強制登録を行うか否かをユーザに問い合わせる「登録?」のメッセージを表示する(T66)。ここで、ユーザにより選択キー323が押されると、「定長オーバー」であっても強制的に登録して、元のテキスト編集画面に戻る(T54:図7と共通)。一方、上記の状態で(T66)、ユーザによりその他のキー(以下、選択キー323以外のキーの意味で「その他ANYキー3S2」という)が押されると、図7の例と同様に登録を中止して、元のテキスト編集画面に戻る(T54)。
【0096】
この例の場合、候補文字列が定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに、登録を強制する強制登録を指示可能であり、強制登録が指示されたときには、その指示に従って、候補文字列の登録を行う。特に上記の例のように「定長オーバー」のメッセージが表示される(印刷不可能である旨が報知される)場合、ユーザは、印刷不可能であることを知った上でとりあえず(強制)登録しておき、その後(例えば後日)、読み出して編集し直したり、あるいは登録後に定長値を設定し直したりすることができる。一方、強制登録の指示は、上記のように登録指示の後ばかりでなく、登録指示の前に行えるようにすることもできる。例えば強制的に登録するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、登録指示前に指示できるようにしても良い。そして、これらの文字列処理方法を採用した場合、テープ印刷装置1の操作性を向上できる。ただし、本実施形態のテープ印刷装置1では、図7で前述の文字処理方法を採用しているものとして説明を続ける。
【0097】
なお、このテープ印刷装置1では、n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除できる。例えば図8と同じ登録番号「03」の登録文字列「管理者」を登録直後のテキスト編集画面を表示した状態で(T57:図8と図13で共通)、図13に示すように、ユーザにより連続削除キー348が押されると(操作されると)、n(=3)個のうちの任意のk個の登録文字列を削除対象として選択するための選択画面に画面遷移する(T67)。この選択画面(T67)では、図8で前述の印刷の場合(T58)と同様に、例えば「すべて」、「一部」などの選択肢を表示する。また、同様に、例えば「すべて」が選択表示された状態で(T67)、ユーザにより選択キー323が押されると、「すべて」、すなわちn個のすべてをk(=n)個の削除対象として選択し、n(上記の例では、n=3)個の登録文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)の全てを登録から削除し、元のテキスト編集画面に戻る(T68:T57と同じ)。
【0098】
また、同様に、上記の選択画面で(T67:図13と図14で共通)、例えば図14に示すように、ユーザによりカーソルキー330DRが押され、「一部」が選択表示され、この状態で(T70)、ユーザにより選択キー323が押されると、図9で前述と同様の下位階層の「テキスト選択」の選択画面に画面遷移する(T71)。この選択画面では、n(上記の例では、n=3)個の登録文字列(上記の例では「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)がその登録番号とともに選択肢として表示されるので、ユーザはそのうちのk個を選択できる。印刷対象でなく削除対象を選択すること以外は、図10で前述の印刷の場合と同様であり、例えば同様に登録番号「01」の「山田太郎」と登録番号「03」の「管理者」を選択した場合(T71〜T74)、それらを削除対象のk個として、その旨を示す「*」を表示する(T74)。
【0099】
そして、この状態では(T74)、削除対象として登録番号「01」の「山田太郎」と、登録番号「03」の「管理者」とが、k(ここではk=2)個の削除対象として選択されているので、ユーザにより選択キー323が押されると、n(=3)個の登録文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」)のうちの削除対象であるk(=2)の登録文字列(「山田太郎」、「管理者」)を登録から削除して、元のテキスト編集画面に戻る(T75:図13のT68と同じ:T57と同じ)。なお、図13や図14に点線で示すように、登録文字列を削除した際に元の情報を一時的に覚えておいて、選択キー323が押された直後(削除した直後:T68、T75)であれば、取消キー326により元の状態に戻れるようにすれば、誤操作等に対処し易く便利である。
【0100】
上述のように、テープ印刷装置1では、n(上記の例ではn=3)個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数:上記の例ではk=2)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能であり、この結果、任意の文字列を登録文字列として自由自在に登録したり削除したりすることができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0101】
ところで、上述の各例では、図4で前述の「定長印刷」において定長値L0=4cmを設定してから、各候補文字列を入力して登録する場合について説明したが、テープ印刷装置1では、定長が設定されないまま連続登録キーが押されたとき(すなわち、定長が設定されないまま登録指示が行われたとき)に、候補文字列の登録を行う。定長が設定されないまま登録指示が行われた場合とは、登録指示の前後に拘らず定長設定が行われない場合、または、登録指示の後に定長設定が行われる場合、のいずれかである。前者では、各文字列を印刷するときの実印刷長に拘らず登録して印刷できるので、任意長の場合等に利用できる。後者では、とりあえず任意長のまま登録するので、後に定長が設定されたときに印刷可能か否かの判別(チェック)対象とすることができる。なお、この場合、候補文字列を登録文字列として登録するとともに、それをそのまま印刷したときの印刷長さ(任意長)を登録しておけば、後のチェック等に利用できるので、好ましい。
【0102】
ここで、図12で前述の例のように、定長の範囲に印刷不可能と判別された文字列を強制的に登録する機能がある場合(以下「強制登録の場合」)や、上記のように任意長に利用できるようにしてある場合(以下「任意長登録の場合」)などのように、定長の範囲に印刷不可能な文字列が登録文字列として登録されている可能性がある場合、印刷前に定長を設定したときには、定長の範囲に印刷可能なもののみ印刷できるようにすれば便利である。そこで、そのようなテープ印刷装置1を、上述の実施形態(以下「第1実施形態」)に対して、第2実施形態のテープ印刷装置1として、以下に説明する。
【0103】
すなわち、第2実施形態のテープ印刷装置1では、所定の文字列処理方法の採用により、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちのm個(任意の1個以上)を選択して、選択された登録文字列のうちの定長の範囲に印刷可能なもののみを抜粋して印刷できる。
【0104】
まず、本実施形態のテープ印刷装置1では、第1実施形態と同様に、任意の文字列を入力して登録文字列の1個として登録する。ここでは、図7で前述の例に合わせて、「山田太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理者」を候補文字列として入力した例について説明する。また、同様の定長値L0=4cmの定長を設定し、前述の「1cm/1文字」の前提で説明する。ただし、上記の強制登録の場合や任意長登録の場合のように、その(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷不可能な「設計チーム」も登録し、登録文字列としては、登録番号「01」に文字列「山田太郎」、登録番号「02」に文字列「設計チーム」、登録番号「03」に文字列「取扱注意」、登録番号「04」に文字列「管理者」を登録する。例えば任意長登録の場合、前述の図7と同様に各候補文字列が入力され、それぞれのテキスト編集画面の状態で、ユーザにより連続登録キー346が押されると、「定長オーバー」等の表示(図7のT53)等をすることなく、そのまま上記のように、すなわち登録番号「01」〜「04」の順に、「山田太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理者」を登録する。
【0105】
そこで、図8で前述と同様に、最後の(ここでは登録番号「04」の)登録文字列「管理者」を登録直後のテキスト編集画面を表示した状態で(図8のT57と同じ)、ユーザにより登録印刷キー347が押されると、n(ここではn=4)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面に画面遷移する(T58:図8と図15で共通)。例えば図15に示すように、「すべて」が選択表示された状態で(T58)、ユーザにより選択キー323が押されると、n個のすべてをm(=n)個の印刷対象として選択し、まず、「登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、この文字列は前述のように(4文字以内なので)定長の範囲に印刷可能なので、ここでは、「印刷中」のメッセージの表示とともに、「登録No.01」を表示し、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」の文字列画像を印刷画像として印刷する(T80)。
【0106】
上述のように、このテープ印刷装置1では、任意の文字列(例えば上記の4個の文字列「山田太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理者」)を入力して(それぞれ)登録文字列の1個として登録し、登録印刷キー347が押されると(登録文字列の印刷指示が行われると)、m(ここではm=n=4)個の登録文字列を印刷対象として選択し、定長(ここでは定長値L0=4cm)が設定された後に(ただし、m個の登録文字列の入力〜登録〜選択と定長の設定や印刷指示との前後関係は問わない)、登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)たときに、m個の各登録文字列(ここではまず文字列「山田太郎」)について、(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、各登録文字列(ここでは「山田太郎」)について、定長の範囲に印刷可能と判別されたときに、その登録文字列を印刷する。すなわち、印刷指示(登録印刷キー347の押下)に先立って定長が設定され、その後に印刷指示が行われた場合、選択されたm個の各登録文字列(例えば最初の文字列「山田太郎」)について、定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、印刷可能と判別されたときに、その登録文字列(「山田太郎」)を印刷する。
【0107】
この場合、後述のように、(また、第1実施形態の登録のときと同様に)印刷不可能のときの処理を別にしておくことにより、定長の範囲に印刷可能な登録文字列のみを印刷することも可能になるので、登録文字列のうちの定長の範囲に印刷可能なもののみを抜粋して印刷できるようにすることができる。したがって、定長を設定できるテープ印刷装置(印刷装置)1に、この文字列処理方法を採用(適用)することにより、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、n個のうちの任意のm個(任意の1個以上)の登録文字列を選択して、m個の(選択された)登録文字列のうちの定長の範囲に印刷可能なもののみを抜粋して印刷可能とすることができる。
【0108】
例えば図15に示すように、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」の印刷が終了すると、次に、次の登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、この文字列は前述のように定長の範囲に印刷不可能なので、ここでは、「定長オーバー」、「登録No.02」および「印刷不可」のメッセージを表示するとともに、その文字列「設計チーム」の印刷を省略して(T81)次の処理に移行する。この場合、ユーザは、そのメッセージ「定長オーバー」により、登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」が設定されている定長(4cm)の範囲に印刷不可能であることを把握でき、また、その結果、印刷が行われなかったことを把握できる。もっとも、ここでは「登録No.02」や「印刷不可」のメッセージによりさらに明示するようにしている。
【0109】
すなわち、このテープ印刷装置1では、(例えば4cmの)定長が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)、m個の各登録文字列(ここでは文字列「設計チーム」)について、定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する(メッセージ「定長オーバー」を表示する)。これにより、ユーザは、各登録文字列(ここでは「設計チーム」)が定長の範囲に印刷不可能であることを把握できる。また、後述のように、印刷不可能な登録文字列の印刷を省略して次の登録文字列の印刷に移行したり、強制的に印刷したり、その時点で全体の印刷を中止したりするなど、適宜対処し易くなる。なお、この場合、(また、第1実施形態の登録のときと同様に)その印刷長さ(任意長)または定長を超える長さ、それらに対応する文字数(すなわち何文字削除すれば良いか等の情報)等を付加して報知すれば、その後の編集等に便利であり、さらに好ましい。
【0110】
また、同様にして、例えば図15に示すように、登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」の印刷を省略した後には、次に、次の登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、この文字列は前述のように定長の範囲に印刷可能なので、登録番号「01」の「山田太郎」と同様に、「印刷中」および「登録No.03」を表示し、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」の文字列画像を印刷画像として印刷する(T82)。また、同様にして、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」の印刷が終了すると、次に、次の登録番号「04」の登録文字列「管理者」が定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、この文字列は前述のように定長の範囲に印刷可能なので、「印刷中」および「登録No.04」を表示し、登録番号「04」の登録文字列「管理者」の文字列画像を印刷画像として印刷する(T83)。そして、この印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る(T60:図8と共通:T57と同じ)。
【0111】
すなわち、ここまでの印刷により、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」、登録番号「04」の登録文字列「管理者」のn(=4)個の登録文字列のうちの、(例えば定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能な文字列、すなわち「山田太郎」、「取扱注意」、「管理者」のみが印刷され、第1実施形態の図9で前述したのと同様の印刷結果が得られる。
【0112】
上述の例では、n個の登録文字列の全て(「すべて」)を印刷対象として選択した場合(m=nの場合)について説明したが、「一部」を選択した場合にも同様になる。ここでは、理解し易いように、図7や上述の例と一部を変更して、すなわち登録番号「04」の登録文字列を「管理責任者」に変更して、登録番号「01」〜「04」の順に、「山田太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理責任者」を登録した例について説明する。図15で前述と同様の印刷対象を選択するための選択画面において、「すべて」が選択表示された状態から(TT58)、ユーザによりカーソル330DRが押されると、図10で前述のように「一部」が選択表示された状態(T61)となり、ここで、ユーザにより選択キー323が押されると、「一部」が選択され、その下位階層であるテキスト選択の選択画面に画面遷移する(図10のT62〜T65相当)。
【0113】
ここで、前述の図10と同様のテキスト選択によって、ユーザにより登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」、登録番号「04」の登録文字列「管理責任者」の(m=)3個の登録文字列が印刷対象として選択されると(テキスト選択後に選択キー323が押されると)、まず、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別する。この文字列「山田太郎」は前述のように定長の範囲に印刷可能なので、「印刷中」および「登録No.01」を表示し、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」の文字列画像を印刷画像として印刷する。この印刷が終了すると、次の登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」は印刷対象として選択されていないので、次に、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別し、この文字列「取扱注意」は定長の範囲に印刷可能なので、「印刷中」および「登録No.03」を表示し、登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」の文字列画像を印刷画像として印刷する。
【0114】
登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」の印刷が終了すると、次に、登録番号「04」の登録文字列「管理責任者」が(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能か否かを判別する。この文字列は(5文字であり、前述の「1cm/1文字」の前提では定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷不可能なので、ここでは、「定長オーバー」、「登録No.04」および「印刷不可」のメッセージを表示するとともに、その文字列「管理責任者」の印刷を省略して次の処理に移行する。この場合、この文字列「管理責任者」は印刷対象として選択されたm(=3)個のうちの最後の登録文字列なので、次の処理として印刷を終了して、元のテキスト編集画面に戻る。そして、これらの処理により、(定長値L0=4cmの)定長の範囲に印刷可能な登録文字列「山田太郎」、「取扱注意」のみが、図16に示すように、その定長の範囲に入るように印刷される(オートカットでは図(a)〜(c)、カットマーク印刷では(d)のようになる:ただし、定長の範囲内の割付は図9と対応している。また、この場合、合計の長さ(実印刷長)Lr=2×L0=8cmとなる)。
【0115】
上述のように、このテープ印刷装置1では、(例えば定長値L0=4cmの)定長が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)、かつ、m(「すべて」を選択した前者の例ではm=n=4、「一部」を選択した後者の例ではm=3)個の各登録文字列について、(例えば前者の例の「設計チーム」、後者の例の「管理責任者」のように)定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その登録文字列の印刷を省略して次の処理に移行する。この場合、(後者の例のように)定長の範囲に印刷不可能と判別された登録文字列がm個のうちの最後の登録文字列であれば、次の処理として印刷の終了処理に移行する(印刷を終了する)。一方、(前者の例のように)m個のうちの最初または途中の登録文字列であれば、次の登録文字列の印刷処理に移行する。この場合、次の登録文字列についても、定長の範囲に印刷可能であれば印刷し、印刷不可能であれば印刷を省略して次の処理に移行することになる。したがって、このテープ印刷装置1では、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、n個のうちの任意のm個(任意の1個以上)の登録文字列を選択して、m個の(選択された)登録文字列のうちの定長の範囲に印刷可能なもののみを抜粋して印刷できる。
【0116】
なお、上述の例では、図15で前述のように、m個の各登録文字列(例えば文字列「設計チーム」)について、定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する(メッセージ「定長オーバー」を表示する)とともに、その登録文字列の印刷を省略したが、強制的に印刷できるようにしても良い。例えば図17に示すように、登録番号「01」の登録文字列「山田太郎」の印刷が終了し(T80)、登録番号「02」の登録文字列「設計チーム」について、定長の範囲に印刷不可能であること判別されたときに、図15と同様の「定長オーバー」のメッセージの表示とともに、強制印刷を行うか否かをユーザに問い合わせる「印刷?」のメッセージを表示する(T84)。ここで、ユーザにより選択キー323が押されると、「定長オーバー」であっても強制的に印刷して、すなわち定長が設定されないときの印刷長さ(任意長)で印刷して(T85)、次の処理(次の印刷:T82:図15と同じ)に移行する。一方、上記の状態で(T84)、ユーザによりその他のキー(ここでは、取消キー326の押下も意味を持つので、選択キー323および取消キー326以外のキーを以下「その他ANYキー」3S3という)が押されると、図15の例と同様に印刷を省略して次の処理に移行する(T82)。
【0117】
この例の場合、m個の各登録文字列について、定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに、その登録文字列の印刷を強行する強制印刷を指示可能であり、強制印刷が指示された場合、m個の各登録文字列について、定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その登録文字列を定長が設定されないときの印刷長さ(任意長)で印刷する。すなわち、強制印刷が指示された場合、定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに印刷が行われるが、定長の範囲に印刷可能であるときには、その定長に従って印刷でき、一方、定長の範囲に印刷不可能であるときには、任意長で印刷できる。これにより、ユーザは、その任意長の印刷結果等から印刷不可能な程度を把握して、その登録文字列の編集をし直すなどの対処をすることができる。また、定長の範囲に印刷可能な登録文字列については、当初の目的通りの定長印刷ができる。
【0118】
特に上記の例のように「定長オーバー」のメッセージが表示される(定長の範囲に印刷不可能である旨が報知される)場合、ユーザは、定長の範囲に印刷不可能であることを知った上でとりあえず任意長で印刷でき、その後(例えば後日)、編集し直したり、あるいは定長値を設定し直したりすることができる。一方、強制印刷の指示は、上記のように印刷指示の後ばかりでなく、印刷指示の前に行えるようにすることもできる。例えば強制的に印刷するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、印刷指示前に指示できるようにしても良い。
【0119】
また、図17で上述の例では、強制印刷を行うか否かをユーザに問い合わせる状態で(T84)、ユーザによりその他ANYキー3S3が押されたときに、その印刷を省略したが、印刷処理全体、すなわちm個の登録文字列の印刷をその時点で中止(以下「強制中止」)して、元のテキスト編集画面(T60:図8、図15と同じ)に戻るようにしても良い(同図の点線参照)。また、例えば「印刷?」の代わりに「印刷(P)/中止(S)?」などのメッセージを表示するようにして、文字「P」のキーが押されたときには強制印刷(同図の選択キー323が押されたときと同じ)を行い、文字「S」のキーが押されたときには印刷を強制中止し(同図の点線参照)、その他のキーが押されたときにはその文字列の印刷を省略して次の処理に移行する(同図のその他ANYキー3S3が押されたときと同じ)、などのように選択できるようにしても良い。
【0120】
上記の例の場合、m個の各登録文字列について、定長の範囲に印刷不可能であると判別されたときに、m個の登録文字列の印刷をその時点で中止する強制中止を指示可能であり、強制中止が指示された場合、その指示に従って、m個の登録文字列の印刷をその時点で中止する。特に上記の例のように「定長オーバー」のメッセージが表示される(定長の範囲に印刷不可能である旨が報知される)場合、ユーザは、その時点で強制中止を指示し、その印刷不可能とされた登録文字列を読み出して編集し直したり、あるいは定長値を設定し直したりすることができる。また、この強制中止の指示も、印刷指示の後ばかりでなく、印刷指示の前に行えるようにすることができ、例えば強制的に中止するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、印刷指示前に指示できるようにしても良い。そして、上記のように強制印刷や強制中止などをできるようにすれば、テープ印刷装置1の操作性を向上できる。なお、上述の例では、定長の範囲に印刷可能で印刷中にもその旨の表示を行ったが(例えば図15、図17のT80、T82等)、定長の範囲に印刷不可能のときのみその旨を報知する(例えば図15のT81、図17のT84等)ようにしても良い。
【0121】
ところで、テープ印刷装置1では、定長が設定されないまま登録印刷キー347が押されたときに(印刷指示が行われたときに)、m個の各登録文字列の長さに沿った印刷長さ(任意長)の印刷を行う。すなわち、定長が設定されないまま印刷指示が行われたときには任意長の印刷を行うので、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておくことにより、そのうちの任意のm個(任意の1個以上)を選択して、定長印刷ばかりでなく、任意長印刷にも適用でき、これにより利便性を向上させている。
【0122】
また、上述の各例では、少なくとも(n=)1個以上の登録文字列が登録されている場合について説明したが、登録印刷キー347が押された(印刷指示が行われた)時点で、登録文字列として登録された文字列がない場合、その旨を表示(報知)する。例えば図18に示すように、前述と同様のテキスト編集画面を表示した状態で(T57:図8等と同じ)、登録印刷キー347が押されると(印刷指示が行われると)、登録文字列として登録された文字列がない場合には、「登録テキストなし」のメッセージを表示する(T86)。この状態でANYキー3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(T87:T57と同じ)。すなわち、この場合、登録文字列として登録された文字列がない旨を表示(報知)するので、これにより、ユーザは、登録文字列がないことを把握でき、新たな文字列を入力・編集して登録文字列として登録するなど、適宜対処し易くなる。
【0123】
また、本実施形態のテープ印刷装置1においても、第1実施形態と同様の各種の応用が可能であり、同様の作用・効果が得られる。例えば任意の文字列を登録文字列の1個として登録するときに、定長の設定がない場合の各文字列の長さに沿った印刷長さである任意長を登録することにより、定長が設定された場合には、その定長の範囲に印刷可能か否かを判断するための参考とすることができ、また、上記のように任意長印刷のときには、その印刷長の参考とすることができる。
【0124】
また、印刷対象物がテープTなので、カットによりラベルを作成でき、オートカットでは、mが複数(2≦m)のときにも、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするので、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、手動カットの場合でも、カットマークを付すようにすれば、mが単数のときばかりでなく、mが複数(2≦m)のときでも、そのm個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷することにより、ユーザは、印刷されたカットマークに従って、印刷対象物であるテープを容易にカットでき、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。
【0125】
また、図13や図14で前述したのと同様に、このテープ印刷装置1でも、n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能であり、これにより、任意の文字列を登録文字列として自由自在に登録したり削除したりすることができ、操作性をさらに向上させている。
【0126】
ところで、一般的に、テープ印刷装置では、図9等でも図示のようにテープに印刷した各文字列の部分をカットし、ラベルとして所望の箇所に貼るが、各文字列を印刷した各ラベルをその所望の箇所の幅や長さに合わせて貼るために、それらのラベル長の総和(実印刷長)を所定の長さ(総長)以下にできれば便利である。これに対し、前述の定長印刷のように、個別の文字列を印刷するときの印刷長さ(定長)を設定できても、複数個の文字列を連続して印刷する場合の所望の長さ(総長)を設定できるものは知られていない。そこで、そのようなテープ印刷装置を、第3実施形態のテープ印刷装置1として、以下に説明する。
【0127】
すなわち、第3実施形態のテープ印刷装置1では、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちのm個(任意の1個以上)を選択してテープ(印刷対象物)Tに連続印刷可能な印刷装置(例えば、第1、第2実施形態で前述のテープ印刷装置1)に、所定の文字列処理方法を採用(適用)することにより、m個(任意の1個以上)の登録文字列を選択して印刷しても、それらの実印刷長が予め設定された総長の範囲に入るように印刷できるようにしている。
【0128】
前述の第1、第2実施形態では、主に定長を設定した場合について説明したので、ここでは、まず、定長を設定しない場合の登録〜印刷の例について説明しておく。また、ここでは、理解し易いように、図7等で前述の例と一部を変更して、すなわち、登録番号「01」〜「03」の順に、文字列「山田 太郎」、「取扱注意」、「管理責任者」を入力した例について説明する。ただし、前述と同様に簡易に説明するため、前述の「1cm/1文字」の前提で説明する。すなわち、上記の文字列「山田 太郎」の印刷長さ(任意長)L1=5cm、文字列「取扱注意」の印刷長さ(任意長)L2=4cm、文字列「管理責任者」の印刷長さ(任意長)L3=5cmとする。
【0129】
まず、前述の定長(印刷)も後述する総長(印刷)も設定されていないものとして、図7で前述したのと同様に、上記の(n=)3個の文字列「山田 太郎」、「取扱注意」、「管理責任者」を登録する場合について説明する。例えば図19に示すように、まず、ユーザにより1行の文字列「山田 太郎」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T90)、連続登録キー346が押されると(操作されると)、この文字列「山田 太郎」を登録文字列の1個(例えば登録番号「01」の登録文字列)として登録する(T91)。続いて、文字列「取扱注意」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T92)、連続登録キー346が押されると、この文字列「取扱注意」を例えば登録番号「02」の登録文字列として登録する(T93)。また、同様にして、次に、文字列「管理責任者」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T94)、連続登録キー346が押されると、この文字列「管理責任者」を例えば登録番号「03」の登録文字列として登録する(T95)。そして、ここまでの登録により、登録番号「01」の登録文字列として文字列「山田 太郎」が、登録番号「02」の登録文字列として文字列「取扱注意」が、登録番号「03」の登録文字列として文字列「管理責任者」が、それぞれ登録される。
【0130】
この状態で、図8等で前述のようにユーザにより登録印刷キー347が押されると、n(=3)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面に画面遷移するので、「すべて」が選択表示された状態で、ユーザにより選択キー323が押されると、「すべて」、すなわちn個のすべてをm(=n)個の印刷対象として選択し、「印刷中」のメッセージの表示とともに、m(=n=3)個の登録文字列(「山田太郎」、「取扱注意」、「管理責任者」)の文字列画像を印刷画像として印刷し、印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る。この場合、オートカットでは、印刷後にはテープTのカットが自動的に行われて、図20(a)に示すような任意長印刷によるラベルR9〜R11などが作成され、カットマーク印刷では、同図(b)のようにカットマークCmを付して印刷される。この場合、m(=3)個の各登録文字列の印刷長さの総和である実印刷長Lr=L1+L2+L3=5+4+5=14cmで印刷される(同図(c)参照)。
【0131】
もちろん、前述の図10と同様に、n(=3)個のうちの任意のm個の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面で「一部」を選択することにより、(n=)3個の登録文字列(上記の例では「山田 太郎」、「取扱注意」、「管理責任者」)のうちの例えば(m=)2個の登録文字列(例えば「山田 太郎」、「管理責任者」)を選択することもできる。また、前述のように、印刷対象として選択した順に番号等を付して、印刷の際にはその順に印刷できるようにしても良く、この場合、選択された選択肢には選択順を示す番号として表示するようにして、選択された旨ばかりでなく、その選択順をも同時に把握できるようにしても良い。この場合、例えば最初に(選択順01番として)登録番号「03」の「管理責任者」、次に(選択順02番として)登録番号「01」の「山田 太郎」を選択すれば、印刷の際には「管理責任者」の次に「山田太郎」を連続して印刷することになり、「管理責任者」「山田太郎」をカットしないまま貼るなどの利用方法も採用できる。
【0132】
次に、本実施形態の特徴に関係する総長(印刷)の設定について説明する。例えば図21に示すように、図4で前述の「書式」の第1階層の選択画面で「定長印刷」を選択表示した状態で(T20:図4と共通)、ユーザによりカーソルキー330DRが押され(操作され)、「総長印刷」が選択表示され(T100)、選択キー323が押されると(操作されると)、「総長印刷」が選択され、その第2階層の選択画面に画面遷移する(T101)。
【0133】
この第2階層の「総長印刷」の選択画面では、「定長印刷」の場合と同様に、総長を設定しない(任意長となる)「しない」、結果的に総長値LT=20cmの設定となる「A4ファイル」、などの選択肢を表示するが、前述の「定長印刷」の場合と同様なので、ここでは説明は省略する。一方、この第2階層の「総長印刷」の選択画面においても、「定長印刷」の場合と同様に、数字キー群313を押す(操作する)ことにより、総長値LTを数字により直接入力(直接設定)することができ、例えばユーザにより数字キー群313の「12」(「1」の次に「2」)が押されると、「12cm」を表示し、この状態で(T102)、選択キー323が押されると、総長値LT=12cmが設定され、「総長印刷」の場合には、ここで、総長印刷の設定(総長の設定)を終了して、「書式」の第1階層の選択画面に戻る(T103:T100と同じ)。そして、図6で前述のように、ここで、ユーザのカーソルキー330の操作により「終わり?」が選択表示され、この状態で(T25:図6と共通)、ユーザにより選択キー323が押されると、「終わり?」が選択され、すなわち書式の設定を終了して、テキスト編集画面に戻る(図6のT26)。
【0134】
上述のように、このテープ印刷装置1では、m個の登録文字列を連続印刷するときの全体の所望の印刷長さを総長として設定できる。そこで、例えば上記のように総長値LT=12cmの総長が設定された後に図19で前述のような文字列の登録を行う場合、前述のように、まず、候補文字列「山田 太郎」を登録番号「01」の登録文字列として登録し、続いて、候補文字列「取扱注意」を登録番号「02」の登録文字列として登録しても、ここまでの登録では、実印刷長Lr=L1+L2=5+4=9cm(≦LT=12cm)なので、それぞれ登録文字列の1個として登録する。
【0135】
言い替えると、このテープ印刷装置1では、m個の登録文字列を連続印刷するときの全体の所望の印刷長さを総長として設定可能であり、任意の文字列(上記の例では、候補文字列「取扱注意」)を候補文字列として入力し、候補文字列を登録文字列の1個として登録するために連続登録キー346が押されると(登録指示が行われると)、既登録の全ての登録文字列(上記の例では登録文字列「山田 太郎」)の印刷長さの総和(上記の例ではL1=5cm)に候補文字列(「取扱注意」)を単独で印刷するときの印刷長さ(L2=4cm)を加算した実印刷長Lr(上記の例では、Lr=L1+L2=5+4=9cm)を算定し、(上記の例のように)総長LT(=12cm)が設定された後に連続登録キー346が押された(登録指示が行われた)ときに、実印刷長Lrが総長LT以下(Lr≦LT)か否かを判別し、実印刷長が総長以下と判別されたときに、候補文字列(上記の例では文字列「取扱注意」)を登録文字列の1個として登録する。
【0136】
すなわち、登録指示(連続登録キー346の押下)に先立って総長LTが設定され、その後に登録指示が行われた場合、入力した候補文字列を登録文字列に加えても(登録しても)、登録文字列の全てを連続印刷するときの印刷長さの総和(実印刷長Lr)が、設定された総長LT以下と成るか否かを判別して、総長以下と成るときに、候補文字列を登録文字列の1個として登録する。この場合、後述のように、実印刷長が総長以下とならないときの処理を別にしておくことにより、全て(n個全て)の登録文字列を印刷対象として選択しても、総長の範囲内に印刷可能とすることができる。したがって、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちの任意のm個(任意の1個以上)を選択してテープ(印刷対象物)Tに連続印刷可能なテープ印刷装置(印刷装置)1に、この文字列処理方法を採用(適用)することにより、いずれの登録文字列を選択して印刷しても、それらの実印刷長Lrが予め設定された総長LTの範囲に入るように印刷可能とすることができる。
【0137】
上述の「山田 太郎」を登録番号「01」の登録文字列として登録し、続いて、候補文字列「取扱注意」を登録番号「02」の登録文字列として登録した後、前述の図19と同様に、例えば図22に示すように、ユーザにより文字列「管理責任者」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T94:図19と同じ)、連続登録キー346が押されると、既登録の全ての登録文字列(上記の例では登録文字列「山田 太郎」および「取扱注意」)の印刷長さの総和(上記の例ではL1+L2=5+4=9cm)に候補文字列(「管理責任者」)を単独で印刷するときの印刷長さ(L3=5cm)を加算した実印刷長Lr(上記の例では、Lr=L1+L2+L3=5+4+5=14cm:図20(b)(c)参照)を算定し、実印刷長Lrが総長LT以下(Lr≦LT)とならないので、「総長オーバー」および「登録不可」のメッセージを表示するとともに、その文字列「管理責任者」の登録を中止する(T110)。この場合、ユーザは、そのメッセージ「総長オーバー」により、入力した候補文字列「管理責任者」を登録すると設定されている総長(12cm)の範囲に印刷不可能であることを把握でき、また、その結果、登録が行われなかったことを把握できる。もっとも、ここでは「登録不可」のメッセージによりさらに明示するようにしている。ここで、ユーザによりANYキー3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(T111:T94と同じ)。
【0138】
すなわち、このテープ印刷装置1では、総長(上記の例では総長値LT=12cm)が設定された後に連続登録キー346が押され(登録指示が行われ)、かつ、実印刷長Lrが総長LT以下でないと判別されたときに、その旨を報知する(上記の例ではメッセージ「総長オーバー」を表示する)。これにより、ユーザは、候補文字列(「管理責任者」)を登録すると登録文字列の実印刷長Lrが総長LT以下にならないことを把握でき、登録しても総長LTの範囲に印刷可能なように候補文字列を編集し直すなどの措置を行うことができ、登録して印刷するまで待つことなく、即座に対応することが可能になる。
【0139】
例えば図22に示すように、文字列「管理責任者」が入力された状態から(T111)、ユーザの編集により(文字列中の「責任」の削除により)文字列「管理者」が入力された状態となり、その状態で(T112)、連続登録キー346が押されると(登録指示が行われると)、既登録の全ての登録文字列(「山田 太郎」および「取扱注意」)の印刷長さの総和(L1+L2=5+4=9cm)に候補文字列(「管理者」)を単独で印刷するときの印刷長さ(L4=3cm)を加算した実印刷長Lr(=L1+L2+L4=5+4+3=12cm:図20(d)(e)参照)を算定し、実印刷長Lr(=12cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)となるので、候補文字列「管理者」を登録文字列の1個として登録する(T113)。
【0140】
なお、上記の例の場合、実印刷長Lrが総長LT以下でない旨の報知(表示)として(T110)、例えば「総長オーバー」および「登録不可」の間に「印刷長さ14cm」、「2cmオーバー」、「2文字オーバー」など、総長を超える長さやそれに対応する文字数(すなわち何文字削除すれば良いか)等の情報を付加して報知すれば、その後の編集等に便利であり、さらに好ましい。
【0141】
上述のように、テープ印刷装置1では、(例えば総長値LT=12cmの)総長が設定された後に連続登録キー346が押され(登録指示が行われ)、かつ、実印刷長Lrが総長LT以下でないと判別されたときに、候補文字列(例えば上述の文字列「管理責任者」)の登録を中止する。これにより、全て(n個全て)の登録文字列を印刷対象として選択しても、総長LTの範囲内に印刷できるようになる。したがって、このテープ印刷装置1では、任意のm個(任意の1個以上)の登録文字列を選択して印刷しても、それらの実印刷長Lrが予め設定された総長LTの範囲に入るように印刷できる(図20(d)(e)参照)。
【0142】
なお、上述の例では、実印刷長Lrが総長LT以下でないと判別されたときに、候補文字列(例えば上述の文字列「管理責任者」)の登録を中止したが、強制的に登録できるようにしても良い。例えば図23に示すように、前述の候補文字列「設計チーム」が入力され、そのテキスト編集画面を表示した状態で(T94:図22と共通)、連続登録キー346が押されたときに(登録指示が行われたときに)、図22と同様の「総長オーバー」のメッセージの表示とともに、強制登録を行うか否かをユーザに問い合わせる「登録?」のメッセージを表示する(T114)。ここで、ユーザにより選択キー323が押されると、「総長オーバー」であっても強制的に登録して、元のテキスト編集画面に戻る(T115:図19のT95、図22のT111等と同じ)。一方、上記の状態で(T114)、ユーザによりその他ANYキー3S2が押されると、図22の例と同様に登録を中止して、元のテキスト編集画面に戻る(T115)。
【0143】
この例の場合、候補文字列を登録したとしたときの実印刷長Lrが総長LT以下か否かに拘らずに、登録を強制する強制登録を指示可能であり、強制登録が指示されたときには、その指示に従って、候補文字列の登録を行う。特に上記の例のように「総長オーバー」のメッセージが表示される(実印刷長が総長以下でない旨が報知される)場合、ユーザは、総長の範囲に印刷不可能であることを知った上でとりあえず(強制)登録しておき、その後(例えば後日)、読み出して編集し直したり、あるいは登録後に総長値を設定し直したり、印刷対象として選択する登録文字列の種類や数を変更したりすることができる。一方、強制登録の指示は、上記のように登録指示の後ばかりでなく、登録指示の前に行えるようにすることもできる。例えば強制的に登録するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、登録指示前に指示できるようにしても良い。そして、これらの文字列処理方法を採用した場合、テープ印刷装置1の操作性を向上できる。
【0144】
なお、本実施形態のテープ印刷装置1においても、第1実施形態と同様に、上記の登録までを、テープ印刷装置1で採用している文字列処理方法として把握することもできるし、その後の印刷の処理までを文字列処理方法として把握することもできるので、登録〜印刷までの処理を文字列処理方法として説明すると、本実施形態においても、第1実施形態や第2実施形態と同様の各種の応用が可能であり、同様の作用・効果が得られる。
【0145】
例えば印刷対象物がテープTなので、カットによりラベルを作成でき、オートカットでは、mが複数(2≦m)のときにも、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするので、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、手動カットの場合でも、カットマークを付すようにすれば、mが単数のときばかりでなく、mが複数(2≦m)のときでも、そのm個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷することにより、ユーザは、印刷されたカットマークに従って、印刷対象物であるテープを容易にカットでき、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、図13や図14で前述したのと同様に、このテープ印刷装置1でも、n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能であり、これにより、任意の文字列を登録文字列として自由自在に登録したり削除したりすることができ、操作性をさらに向上させている。
【0146】
また、図19〜図20でも前述のように、(定長が設定されない場合と同様に)、このテープ印刷装置1では、総長が設定されないまま連続登録キー346が押されたとき(すなわち、総長が設定されないまま登録指示が行われたとき)に、候補文字列の登録を行う。総長が設定されないまま登録指示が行われた場合とは、登録指示の前後に拘らず総長設定が行われない場合、または、登録指示の後に総長設定が行われる場合、のいずれかである。前者では、候補文字列の長さに拘らず登録して印刷できるので、総長に拘らず印刷したい場合等に利用できる。後者では、とりあえず登録するので、後に総長が設定されたときに、その範囲に印刷可能か否かの判別(チェック)対象とすることができる。なお、この場合も、候補文字列を登録文字列として登録するとともに、それをそのまま印刷したときの印刷長さ(任意長)を登録しておけば、後のチェック等に利用できるので、好ましい。
【0147】
ここで、図23で前述の例のように、登録すると総長の範囲に印刷不可能になると判別された文字列を強制登録する場合や、図19で前述の例のように、総長が設定されないまま任意長登録された場合などのように、連続印刷すると総長の範囲に印刷不可能な登録文字列として登録されている可能性がある場合、印刷前に総長を設定したときには、総長の範囲に印刷できるようにすれば便利である。そこで、そのようなテープ印刷装置1を、第4実施形態のテープ印刷装置1として、以下に説明する。
【0148】
すなわち、第4実施形態のテープ印刷装置1では、所定の文字列処理方法の採用により、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちのm個(任意の1個以上)を選択して、それらの実印刷長が予め設定された総長の範囲に入るようにテープ(印刷対象物)Tに連続印刷できる。
【0149】
まず、本実施形態のテープ印刷装置1では、第1〜第3実施形態と同様に、任意の文字列を入力して登録文字列の1個として登録する。ここでは、図19で前述の例に図7で前述の例を組み合わせて、「山田 太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理責任者」を候補文字列として入力した例について説明する。また、第3実施形態と同様の総長値LT=12cmの定長を設定し、前述の「1cm/1文字」の前提で説明する。このため、登録文字列としては、登録番号「01」に任意長L1=5cmの文字列「山田太郎」、登録番号「02」に任意長L2=5cmの文字列「設計チーム」、登録番号「03」に任意長L3=4cmの文字列「取扱注意」、登録番号「04」に任意長L4=5cmの文字列「管理責任者」を登録する。例えば定長や総長を設定することなく、前述の図7や図19と同様に各候補文字列が入力され、それぞれのテキスト編集画面の状態で、ユーザにより連続登録キー346が押されると、そのまま上記のように、すなわち登録番号「01」〜「04」の順に、「山田 太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理責任者」を登録する。
【0150】
ここで、例えば図24に示すように、図8で前述と同様に、最後の(ここでは登録番号「04」の)登録文字列「管理責任者」を登録直後のテキスト編集画面を表示した状態で(T120:図19のT95と同じ)、ユーザにより登録印刷キー347が押されると、n(ここではn=4)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面に画面遷移する(T121:図8等のT58等と同じ)。
【0151】
例えば図24に示すように、「すべて」が選択表示された状態で(T121)、ユーザにより選択キー323が押されると、n個のすべてをm(=n=4)個の印刷対象として選択し、実印刷長Lr(=L1+L2+L3+L4=5+5+4+5=19cm)を算定し、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)か否かを判別し、ここでは、実印刷長Lr(=19cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)ではないので、「総長オーバー」および「印刷不可」のメッセージを表示するとともに、印刷を中止する(T122)。この場合、ユーザは、そのメッセージ「総長オーバー」により、印刷対象として選択したm(=4)の印刷長さの総和である実印刷長Lrが総長LT以下でないこと、すなわちm個の登録文字列は、総長(12cm)の範囲に印刷不可能であることを把握でき、また、その結果、印刷が行われなかったことを把握できる。もっとも、ここでは「印刷不可」のメッセージによりさらに明示するようにしている。ここで、ユーザによりANYキー3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(T123:T120と同じ)。
【0152】
上述のように、このテープ印刷装置1では、総長(上記の例では総長値LT=12cm)が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)、かつ、実印刷長Lrが総長LT以下でないと判別されたときに、その旨を報知する(上記の例ではメッセージ「総長オーバー」を表示する)。これにより、ユーザは、m個の登録文字列が総長(12cm)の範囲に印刷不可能であることを把握できる。また、上述の例のように、その時点で印刷を中止したり、後述のように、強制的に印刷したりするなど、適宜対処し易くなる。なお、この場合、総長を超える長さやそれに対応する文字数(すなわち何文字削除すれば良いか)等の情報を付加して報知すれば、その後の編集等に便利であり、さらに好ましい。
【0153】
また、上述の例の場合、総長LT(=12cm)が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)、かつ、実印刷長Lr(=19cm)が総長LT以下でないと判別されたときに、m個の登録文字列の印刷を中止するので、総長LTの範囲に印刷可能な場合にのみ印刷できるようになる。したがって、このテープ印刷装置1では、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちの任意のm個(任意の1個以上)を選択して、それらの実印刷長Lrが予め設定された総長LTの範囲に入るように、テープ(印刷対象物)Tに連続印刷できる。
【0154】
なお、第2実施形態で前述したのと同様に、実印刷長Lrが総長LT以下でないと判別されたときに、強制印刷する機能を設けることもできる。この場合、図25に示すように、上記の図24の例と同様に、総長(上記の例では総長値LT=12cm)が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)、「すべて」が選択表示された状態で(T121:図24と同じ)、ユーザにより選択キー323が押されて、n個のすべてをm(=n=4)個の印刷対象として選択し、実印刷長Lr(=19cm)を算定し、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)か否かを判別し、実印刷長Lr(=19cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)ではないので、「総長オーバー」のメッセージの表示とともに、強制印刷を行うか否かをユーザに問い合わせる「印刷?」のメッセージを表示する(T124)。ここで、ユーザにより選択キー323が押されると、「総長オーバー」であっても強制的に印刷して(T125)、元のテキスト編集画面に戻る(T126:図24のT120と同じ)。一方、上記の状態で(T124)、ユーザによりその他ANYキー3S2が押されると、図24の例と同様に印刷登録を中止して、元のテキスト編集画面に戻る(T126)。
【0155】
この例の場合、実印刷長Lrが総長LT以下か否か、すなわち、m個の登録文字列が総長LTの範囲に印刷可能か否かに拘らずに、m個の登録文字列の印刷を強制する強制印刷を指示可能であり、強制印刷が指示されたときに、その指示に従って、m個の登録文字列を連続印刷する。すなわち、実印刷長Lrが総長LT以下か否かに拘らずに印刷したい場合等に利用できる。特に上記の例のように「総長オーバー」のメッセージが表示される(実印刷長Lrが総長LT以下でない旨が報知される)場合、ユーザは、総長の範囲に印刷不可能であることを知った上でとりあえず(強制)印刷しておき、その後に、各登録文字列を編集し直したり、あるいは総長値を設定し直したり、印刷対象として選択する登録文字列の種類や数を変更したりすることができる。一方、強制印刷の指示は、上記のように印刷指示の後ばかりでなく、印刷指示の前に行えるようにすることもできる。例えば強制的に印刷するためのモード等を設けて、予めそのモード等を設定しておくことにより、印刷指示前に指示できるようにしても良い。そして、これらの文字列処理方法を採用した場合、テープ印刷装置1の操作性を向上できる。ただし、本実施形態のテープ印刷装置1では、図24で前述の文字処理方法を採用しているものとして説明を続ける。
【0156】
ここで、図10で前述したのと同様に、印刷対象としては任意のm個を選択することができる。この場合、図24で前述の、n(上記の例ではn=4)個のうちの任意のm個(mは1≦m≦nとなる整数)の登録文字列を印刷対象として選択するための選択画面で(T121:図24と図26で共通)、例えば図26に示すように、「一部」が選択表示され、この状態で(T130:図10のT60と同じ)、ユーザにより選択キー323が押されると、下位階層の「テキスト選択」の選択画面に画面遷移する(T131)。ここでは、前述の図10と同様に、例えば登録番号「01」の「山田 太郎」を印刷対象のm個の登録文字列のうちの1個として選択し(T131〜T132)、続いて、登録番号「03」の「取扱注意」を選択し(T133〜T134:T134は図27と共通)、続いて、例えば図27に示すように、登録番号「04」の「管理責任者」を選択できる(T135〜T136)。
【0157】
そして、この状態では(T136)、印刷対象として登録番号「01」の「山田 太郎」と、登録番号「03」の「取扱注意」と、登録番号「04」の「管理責任者」とが、m(ここではm=3)個の印刷対象として選択されているので、この状態で(T136)、ユーザにより選択キー323が押されると、実印刷長Lr(=L1+L3+L4=5+4+5=14cm)を算定し、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)か否かを判別し、ここでは、実印刷長Lr(=14cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)ではないので(図20(a)〜(c)参照)、「総長オーバー」および「印刷不可」のメッセージを表示するとともに、印刷を中止する(T137:図24のT122と同じ)。前述の図24と同様に、ここで、ユーザによりANYキー3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(T138:図24のT123と同じ)。
【0158】
上記の例の場合、もちろん、前述の図25と同様に、強制印刷の機能を有していれば印刷が可能ではあるが、それでは、設定された総長LT(=12cm)の範囲に印刷できない(図20(a)〜(c)参照)。この場合、図22で前述のように、例えば登録番号「03」の「管理責任者」を「管理者」に編集し直せば、総長LTの範囲に印刷できる(図20(d)(e)参照)。ただし、その点については前述したので、ここでは印刷対象のm個の選択を変更する場合について説明する。
【0159】
すなわち、図26〜図27で上述したのと同様にして、「一部」が選択表示された状態で(図26のT130)、ユーザにより選択キー323が押され、下位階層の「テキスト選択」の選択画面に画面遷移した後(T131)、例えば登録番号「01」の「山田 太郎」を印刷対象のm個の登録文字列のうちの1個として選択するが(T131〜T132)、この状態で(T132)、ユーザは、カーソルキー330DRを3回押すことにより、続く登録番号「02」および「03」は選択せずに、次の登録番号「04」の文字列「管理責任者」を選択表示させることができる。すなわち、上記の状態で(T132)、ユーザによりカーソルキー330DRが3回押されると、登録番号「04」の文字列「管理責任者」を選択表示するので、登録番号「04」の「管理責任者」を選択できる(図27のT135およびT136から登録番号「03」の「*」を削除した表示となる)。
【0160】
そして、この状態では、印刷対象として登録番号「01」の「山田 太郎」と、登録番号「04」の「管理責任者」とが、m(ここではm=2)個の印刷対象として選択されているので、この状態で、ユーザにより選択キー323が押されると、実印刷長Lr(=L1+L4=5+5=10cm)を算定し、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)か否かを判別し、ここでは、実印刷長Lr(=10cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)となるので、「印刷中」のメッセージの表示とともに、m(=2)個の登録文字列(「山田 太郎」、「管理責任者」)を連続して印刷し(図28参照)、元のテキスト画面に戻る(図24のT123と同じ)。
【0161】
上述のように、このテープ印刷装置1では、m個の登録文字列を連続印刷するときの全体の所望の印刷長さを総長LT(例えば上記の例ではLT=12cm)として設定可能であり、任意の文字列(例えば上記の4個の文字列「山田 太郎」、「設計チーム」、「取扱注意」、「管理責任者」)を入力して(それぞれ)登録文字列の1個として登録し、登録印刷キー347が押されると(登録文字列の印刷指示が行われると)、m(上記ではm=2)個の登録文字列(「山田 太郎」、「管理責任者」)を印刷対象として選択し、m個の全ての登録文字列の印刷長さの総和である実印刷長Lr(=10cm)を算定し、総長LT(=12cm)が設定された後に登録印刷キー347が押され(印刷指示が行われ)たときに、実印刷長Lrが総長LT以下か否かを判別し、実印刷長Lrが総長LT以下と判別されたときに、m(=2)個の登録文字列を連続印刷する。
【0162】
すなわち、印刷指示(登録印刷キー347の押下)に先立って総長が設定され、その後に印刷指示が行われた場合、実印刷長が総長以下か否かを判別し、総長以下と判別されたときに、m個の登録文字列を連続印刷するので、この場合、予め設定された総長の範囲に入るようにテープ(印刷対象物)Tに連続印刷できる。また、上述のように、実印刷長が総長以下とならないときの処理を別にしておく(例えば印刷を中止する)ことにより、総長の範囲に印刷可能な場合にのみ印刷することも可能になる。したがって、このテープ印刷装置1では、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておき、そのうちの任意のm個(任意の1個以上)を選択して、それらの実印刷長が予め設定された総長の範囲に入るように、テープ(印刷対象物)Tに連続印刷できる。
【0163】
なお、m個の登録文字列の選択〜実印刷長の算定と印刷指示との前後関係は適宜変更(交換)できる。すなわち、上述のように、印刷指示後にm個の登録文字列を選択しても良いし、印刷指示前に予めm個を選択しておいても良い。後者のようにする場合、第2実施形態でも前述のように、例えば印刷のためのテキスト選択のための所定のキー等を設け、テキスト編集画面を表示した状態でその所定のキーが押されたときには、図10や図26〜図27で前述の印刷のためのテキスト選択の画面と同様の画面に遷移させ、選択後には、元のテキスト編集画面に戻るようにすれば良い。これにより、印刷の指示をしなくても予め印刷対象の登録文字列を選択しておくことができる。
【0164】
また、同様に、印刷対象の登録文字列を選択する場合、その選択順を付して、印刷の際にはその順に印刷できるようにしたり、選択された選択肢に「*」のような記号でなく、選択順を示す番号を表示して、その選択順をも同時に把握できるようにしても良い。上記の例では、例えば最初に(選択順01番として)登録番号「04」の「管理責任者」、次に(選択順02番として)登録番号「01」の「山田 太郎」を選択すれば、印刷の際には「管理責任者」の次に「山田 太郎」を連続して印刷することになり、「管理責任者」「山田太郎」をカットしないまま貼るなどの利用方法も採用できる。また、上述の後者の場合(印刷指示前に予めm個を選択する場合)、実印刷長の算定は、m個が選択された時点で行っても良いし、印刷指示が行われた時点で行っても良い。また、定長が設定された場合、m個の各登録文字列の印刷長さを定長とし、実印刷長はその定長のm倍として算定可能となる(図9(e)、図11(e)、図16(e)等参照)。
【0165】
また、図24や図27で前述の例では、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)ではないと判別したときに「総長オーバー」および「印刷不可」のメッセージを表示するとともに、印刷を中止し(図24のT122、図27のT137)、その後、ユーザによりANYキー3S1が押されると、元のテキスト編集画面に戻る(図24のT123、図27のT138)としたが、テキスト編集画面に戻るのではなく、印刷対象のm個の登録文字列の選択をし直せるようにしても良い。
【0166】
この場合、例えば図27に対応して図29に示すように、「総長オーバー」および「印刷不可」のメッセージを表示して、印刷を中止した状態で(T137:図27と共通)、ユーザによりANYキー3S1が押されると、図10や図26〜図27で前述のテキスト選択の画面と同様の画面に遷移し(T140)、図27でm(=3)個のうちの1個として選択した登録番号「03」の登録文字列「取扱注意」の選択を外す(「*」が削除される)ことにより(T140〜T142)、結果的に、印刷対象として登録番号「01」の「山田 太郎」と、登録番号「04」の「管理責任者」とが、m(ここではm=2)個の印刷対象として選択される。この状態で(T142)、ユーザにより選択キー323が押されると、前述と例と同様に、実印刷長Lr(=L1+L4=5+5=10cm)を算定し、実印刷長Lrが総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)か否かを判別し、ここでは、実印刷長Lr(=10cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)となるので、「印刷中」のメッセージの表示とともに、m(=2)個の登録文字列(「山田 太郎」、「管理責任者」)を連続して印刷し(T143:図28参照)、元のテキスト画面に戻る(図27のT138等と同じ)。すなわち、設定された総長LT(=12cm)の範囲にm(ここではm=2)個の登録文字列を印刷できる。
【0167】
図24の例に対しても同様であり、例えば図30に示すように、「総長オーバー」および「印刷不可」のメッセージを表示して、印刷を中止した状態で(T122:図24と共通)、ユーザによりANYキー3S1が押されると、同様のテキスト選択の画面に遷移するので(T150:図26のT131と同じ)、図24で「すべて」、すなわちm(=n=4)個を選択していたのに対して、改めて印刷対象として登録番号「01」の「山田 太郎」と、登録番号「04」の「管理責任者」とを、m(ここではm=2)個の印刷対象として選択でき(T150〜T153)、この状態で(T153)、ユーザにより選択キー323が押されると、実印刷長Lrを算定し、実印刷長Lrが総長LT以下(Lr≦LT)か否かを判別し、実印刷長Lr(=10cm)が総長LT(=12cm)以下(Lr≦LT)となるので、「印刷中」のメッセージの表示とともに、m(=2)個の登録文字列(「山田 太郎」、「管理責任者」)を連続して印刷し(T154:図28参照)、元のテキスト画面に戻る(図24のT123等と同じ)。すなわち、設定された総長LT(=12cm)の範囲にm(ここではm=2)個の登録文字列を印刷できる。
【0168】
ところで、図19〜図20で前述したのと同様に、このテープ印刷装置1では、総長が設定されないまま登録印刷キー347が押されたときに(印刷指示が行われたときに)、m個の登録文字列を連続印刷する。したがって、n(複数)個の文字列を登録文字列として登録しておくことにより、総長を設定する場合ばかりでなく、設定しない場合にも、任意のm個(任意の1個以上)を選択して連続印刷でき、これにより利便性を向上させている。
【0169】
また、本実施形態のテープ印刷装置1においても、前述の各実施形態と同様の各種の応用が可能であり、同様の作用・効果が得られる。例えば任意の文字列を登録文字列の1個として登録するときに、その任意の文字列の長さに沿った印刷長さである任意長を登録することにより、これを実印刷長を算定するときの参考とすることができる。また、図18で前述のように、登録印刷キー347が押された(印刷指示が行われた)時点で、登録文字列として登録された文字列がない場合、その旨を表示(報知)することにより、ユーザは、登録文字列がないことを把握でき、新たな文字列を入力・編集して登録文字列として登録するなど、適宜対処し易くなる。
【0170】
また、印刷対象物がテープTなので、カットによりラベルを作成でき、オートカットでは、mが複数(2≦m)のときにも、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするので、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。また、手動カットの場合でも、m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷することにより、ユーザは、印刷されたカットマークに従って、印刷対象物であるテープを容易にカットでき、m個の各登録文字列を印刷したラベル等を容易に作成できる。
【0171】
また、図13や図14で前述したのと同様に、このテープ印刷装置1でも、n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能であり、これにより、任意の文字列を登録文字列として自由自在に登録したり削除したりすることができ、操作性をさらに向上させている。
【0172】
なお、上述の実施形態では、サーマル方式のテープ印刷装置の例を挙げたが、他の方式においても、登録文字列の画像を印刷するときの印刷長さとして定長を設定するテープ印刷装置であれば、同様に適用できる。また、印刷対象物としてもテープばかりでなく、任意の印刷対象物を選択できるので、テープ印刷装置ばかりでなく、他の印刷対象物に印刷する任意の印刷装置にも同様に適用できる。もちろん、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【0173】
【発明の効果】
上述のように、本発明の印刷装置の文字列処理方法およびその装置は、定長を設定でき、かつ、複数個の文字列を登録文字列として登録しておいて、そのうちの任意の1個以上を選択して印刷対象物に印刷可能な印刷装置に適用されることにより、いずれの登録文字列を選択して印刷しても定長の範囲に入るように印刷できる、などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る文字列処理方法およびその装置を適用したテープ印刷装置の制御系のブロック図である。
【図2】図1のテープ印刷装置の制御全体の概念的処理を示すフローチャートである。
【図3】印刷をするときの一例を示す、表示画面およびその表示画面上での典型的な操作の説明図である。
【図4】定長を設定するときの一例を示す、図3と同様の説明図である。
【図5】定長の選択肢を説明するための図4と同様の説明図である。
【図6】図4に続く別の例を示す、図4と同様の説明図である。
【図7】候補文字列を登録文字列として登録するときの一例を示す、図3と同様の説明図である。
【図8】登録文字列を印刷するときの一例を示す、図3と同様の説明図である。
【図9】印刷結果の一例を示す説明図である。
【図10】別の一例を示す、図8と同様の説明図である。
【図11】図10に対応して別の一例を示す、図9と同様の説明図である。
【図12】図7の一部に対応して、定長の範囲に印刷不可能な候補文字列を強制登録可能な一例を示す、図7と同様の説明図である。
【図13】登録文字列を削除するときの一例を示す、図3と同様の説明図である。
【図14】別の一例を示す、図13と同様の説明図である。
【図15】さらに別の一例を示す、図8と同様の説明図である。
【図16】図15に対応して別の一例を示す、図9と同様の説明図である。
【図17】図15の一部に対応して、定長の範囲に印刷不可能な登録文字列を強制印刷可能な一例を示す、図15と同様の説明図である。
【図18】さらに別の一例として、登録文字列として登録された文字列がない場合の一例を示す、図8と同様の説明図である。
【図19】別の一例として、定長や総長が設定されていない場合の一例を示す、図7と同様の説明図である。
【図20】さらに別の一例を示す、図9と同様の説明図である。
【図21】総長を設定するときの一例を示す、図3と同様の説明図である。
【図22】さらに別の一例として、総長が設定されている場合の一例を示す、図7と同様の説明図である。
【図23】図22の一部に対応して、総長の範囲に印刷不可能となる候補文字列を強制登録可能な一例を示す、図22と同様の説明図である。
【図24】さらに別の一例を示す、図8と同様の説明図である。
【図25】図24の一部に対応して、総長の範囲に印刷不可能な登録文字列を強制印刷可能な一例を示す、図24と同様の説明図である。
【図26】さらに別の一例を示す、図8と同様の説明図である。
【図27】図26に続く、図26と同様の説明図である。
【図28】さらに別の一例を示す、図9と同様の説明図である。
【図29】図27に対応して、総長の範囲に印刷不可能なことが判別された後に、印刷対象の登録文字列を選択し直すときの一例を示す、図27に続く図27と同様の説明図である。
【図30】図24に対応する一例を示す、図29と同様の説明図である。
【符号の説明】
1 テープ印刷装置
3 キーボード
4 ディスプレイ
5 テープカートリッジ
7 印刷ヘッド
11 操作部
12 印刷部
13 切断部
14 検出部
41 表示画面
200 制御部
210 CPU
220 ROM
230 キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)
240 RAM
250 入出力制御回路(IOC)
260 内部バス
270 駆動部
280 外部メモリ装着部
290 電源部
T テープ

Claims (10)

  1. n(nは2以上の整数)個の登録文字列のうちの任意のm(mは1≦m≦nとなる整数)個を選択してテープに印刷可能な印刷装置の文字列処理方法であって、
    1個の文字列を印刷するときの印刷長さとして定長を設定する定長設定工程と、
    任意の文字列を登録のための候補文字列として入力する候補文字列入力工程と、
    前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録するための登録指示を行う登録指示工程と、
    前記定長が設定された後に前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かを判別する定長印刷可否判別工程と、
    前記判別により印刷可能と判別されたときに、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録する文字列登録工程と、
    前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするカット工程と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置の文字列処理方法。
  2. 前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷するカットマーク印刷工程をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置の文字列処理方法。
  3. n(nは2以上の整数)個の登録文字列のうちの任意のm(mは1≦m≦nとなる整数)個を選択してテープに印刷可能な印刷装置の文字列処理装置であって、
    1個の文字列を印刷するときの印刷長さとして定長を設定する定長設定手段と、
    任意の文字列を登録のための候補文字列として入力する候補文字列入力手段と、
    前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録するための登録指示を行う登録指示手段と、
    前記定長が設定された後に前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かを判別する定長印刷可否判別手段と、
    前記判別により印刷可能と判別されたときに、前記候補文字列を前記登録文字列の1個として登録する文字列登録手段と、
    前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間を自動的にカットするカット手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置の文字列処理装置。
  4. 前記mが複数(2≦m)のときに、前記m個の各登録文字列の印刷結果の各画像の相互間をカットするためのカットマークを印刷するカットマーク印刷手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項3に記載の印刷装置の文字列処理装置。
  5. 前記判別により前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、その旨を報知する定長印刷不可報知手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項3または4に記載の印刷装置の文字列処理装置。
  6. 前記文字列登録手段は、前記判別により前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷不可能と判別されたときに、前記候補文字列の登録を中止することを特徴とする、請求項3、4または5に記載の印刷装置の文字列処理装置。
  7. 前記候補文字列が前記定長の範囲に印刷可能か否かに拘らずに、前記登録を強制する強制登録を指示可能な強制登録指示手段をさらに備え、
    前記文字列登録手段は、前記強制登録が指示されたときに、その指示に従って、前記候補文字列の登録を行うことを特徴とする、請求項3ないし6のいずれかに記載の印刷装置の文字列処理装置。
  8. 前記文字列登録手段は、前記定長が設定されないまま前記登録指示が行われたときに、前記候補文字列の登録を行うことを特徴とする、請求項3ないし7のいずれかに記載の印刷装置の文字列処理装置。
  9. 前記m個の登録文字列を印刷対象として選択する印刷文字列選択手段と、
    前記m個の登録文字列を前記テープに連続的に印刷する印刷手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする、請求項3ないし8のいずれかに記載の印刷装置の文字列処理装置。
  10. 前記n個の登録文字列のうちの任意のk(kは1≦k≦nとなる整数)個の登録文字列を選択して、その登録を削除可能な登録削除手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項3ないし9のいずれかに記載の印刷装置の文字列処理装置。
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