JP3721774B2 - サスペンションスプリングアッパマウント構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルスプリングからなるサスペンションスプリングの上端部を車体側部材にマウントする際のサスペンションスプリングアッパマウント構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
サスペンションスプリングは、下端部をサスペンション部材に取り付けられて上方に延び、その上端部をスプリングブラケットを介して車体側部材に取り付けられてマウントされる。
【0003】
上記スプリングブラケットは、従来、図8及び図9に記載されるような構造となっている。即ち、スプリングブラケット50は、その中央部に下方に突出したコーン状のスプリングガイド部51を備えると共に、その外周部には、環状のスプリング着座部52が形成されている。さらに、上記スプリング着座部52の周方向数カ所(図8では3か所)は、さらに側方に張り出して車体取付け部53を形成し、その各車体取付け部53にボルト取付け穴54が開設されて構成される。
【0004】
そして、上記スプリングブラケット50のスプリングガイド部51を、サスペンションスプリングの上端部内周側に略同軸に差し込んで、サスペンションスプリングの上端部をスプリング着座部52にシートラバー55を介して当接させて、スプリングブラケット50をサスペンションスプリングの上端部に取り付ける。
【0005】
また、スプリングブラケット50の車体取付け部53に設けられたボルト取付け穴54に対し、車体側部材の取付け面から下方に向けて突出するスタッドボルトを貫通させて当該スプリングブラケット50の位置決めをすると共に、各スタッドボルトにナットを締結し、当該スタッドボルトを介してスプリングブラケット50と車体側部材とが接合され取り付けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなサスペンションスプリングアッパマウント構造では、スプリングブラケット50の外周に複数個の車体取付け部53を張り出し、その複数の車体取付け部53を介して車体側にボルト接合する構造であるため、その張り出した部分だけ、車体側部材側のサスペンションスプリングの取付けに占有する空間が大きくなると共に、スプリングブラケット50等のマウント構造自体も大きく設計せざるを得ないという問題がある。
【0007】
また、車体側部材の取付け面の一部が斜面になっているなど,複雑な形状の場合には、スプリングブラケット50取付け用のスタッドボルトを垂直下方等、所望の取付け軸方向に設定して車体側部材に固定することが困難であるので手間が掛かり、また、スタッドボルトの取付け位置が限定されるという問題がある。
【0008】
即ち、例えば、リアサスペンション側においては、トランクルームの空間を確保するために車体側部材の取付け面の一部(車体後方側)を斜面に成形する必要がある場合があり、このような場合には、スタッドボルトを垂直下方に軸を向けて設置することは手間が掛かる作業となる。また、斜面に直角な方向(平坦面に配置したボルトの軸線と交差する方向)にボルトを配置すると、ナットによる締結が困難な作業となる。
【0009】
これらを解消するために、本発明者らは、特願平9−007999号明細書に記載のサスペンションスプリングアッパマウント構造を提示した。これは、図10に示すように、スプリングブラケット50の中央部上面に、サスペンションスプリングの着座部よりも内周側位置から上方に突出するピン60を設けておき、そのピン60を車体側部材に開設した取付け穴61に下側から貫通させて両者を接合させるものである。なお、抜け止め手段62によってピン60が取付け穴61から抜けないようにする。
【0010】
このようにすることで、上記従来のようにスプリングブラケット50の外周に取付けのための張出部分53が不要となり、スプリングブラケット取付け部の占める空間が小さく且つマウント構造自体が小さく設計可能になるというものである。
【0011】
しかしながら、サスペンションスプリングからの反力による摩擦でスプリングブラケット50は横方向に移動しにくくはなっているものの、上述のようなピン60及び取付け穴61を使用した接合構造では、スプリングブラケット50の横方向への変位を規制する作用は少ないため、スプリングブラケット50が許容以上に横方向へ変位するおそれがある。このため、本構造では、スプリングブラケット50の横方向への移動を規制する外壁63を車体側に設ける必要がある。さらに、スプリングブラケット50の上記外壁63との当接部の剛性を高めるために、環状のスプリング着座部52の外周から下方に向かう当接用の芯部64を設ける必要があり、例えばスプリングブラケット50を鉄製とすると、当接用の芯部64を設ける分だけ加工工程が増加すると共にスプリングブラケット50の重量増加に繋がる。また、特願平9−007999号明細書に記載のサスペンションスプリングアッパマウント構造では、スプリングブラケット50の外周に回動規制手段を設けているため、その分大きくなる。
【0012】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、車体側部材側の取付け構造を小型・簡素化すると共に取付けが容易なサスペンションスプリングアッパマウント構造を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載のサスペンションスプリングアッパマウント構造は、軸を略上下に向けたサスペンションスプリングの上端部を、スプリングブラケットを介して車体側部材に取り付けるサスペンションスプリングアッパマウント構造において、
上記サスペンションスプリングの着座部よりも内周側位置で車体側部材から下方に突設し且つ車体側部材にボルト接合された車体側ブラケットを設け、その車体側ブラケットの側面から外周側に張り出した張出部を上記スプリングブラケットの内周面に当接させるとともに、上記スプリングブラケット内周面における上記車体側ブラケットが接触する部分を弾性体から構成し、上記スプリングブラケットを車体側部材下面に対しては弾性部材を介して当接するだけとしたことを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記車体側ブラケットは、1箇所に限定されず、2か所以上の場合も含む。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記車体側ブラケットに対するスプリングブラケットの回動を規制する回動規制手段を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対して、車体側ブラケットにスプリングブラケットを取り付けた状態で、当該スプリングブラケットの下方への移動を拘束する抜け止め手段を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した構成に対して、上記車体側ブラケットの張出部よりも上方で、スプリングブラケットの内周面から車体側ブラケット側に張り出し且つ可撓性をもった突起部で抜け止め手段を構成することを特徴とするものである。
【0018】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載した構成に対して、上記車体側ブラケットの張出部先端部は上反りしていることを特徴とするものである。
【0020】
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載した構成に対して、上記車体側ブラケットの車体側部材への取付け点を一か所とし車体側ブラケットは当該取付け点で車体側部材にボルト接合されると共に、平面視,その取付け点と所定間隔だけ離れた位置に車体側部材に対する車体側ブラケットの位置を規制する掛止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明を採用すれば、スプリングの着座部よりも内周側位置でスプリングブラケットと車体側部材とが接合されるので、スプリングブラケットに従来のような外周への張り出した部分が不要になって、マウント構造自体が小さく設計可能になると共に、スプリングブラケットの車体合わせ面を小さく設定できて、例えば,トレッド違いに対応された取付け点を車両左右方向位置違いにとった場合の対応も容易になるという効果がある。
【0023】
しかも、サスペンションスプリング反力による押付け力に抗してスプリングブラケットが横方向に変位しようとしても、スプリングブラケット内周面が車体側ブラケット側面に当接して規制されるために、スプリングブラケットが横方向に変位する心配がない。この結果、特願平9−007999号明細書のような外壁を設ける必要もなく、またスプリングブラケットの外側(外壁との当接部)の剛性を高く設定する必要もない。
また、上記車体側ブラケットの張出部の先端部のみがスプリングブラケットの内周面に当接する。つまり、車体側ブラケットの側面全面をスプリングブラケットの内周面に当接する必要がなくなり、車体側ブラケットにスプリングブラケットを挿入する際の摩擦が小さくなる結果、車体側部材から突出する車体側ブラケットへスプリングブラケットを取り付け易くなると共にスプリングブラケットの位置決めも容易になるという効果がある。
そして、スプリングブラケットにおける車体側ブラケットとの接触部分を弾性体としているから、車体側ブラケットがスプリングブラケット内周面に当たる際の異音発生が防止されるという効果がある。このことは、車体側ブラケット側面とスプリングブラケット内周面との間の当接部に若干の遊びを持たせることも可能となり、スプリングブラケットの取付けが容易となる。
さらに、スプリングブラケットが上下動して車体側部材の取付け面と当接するようなことがあっても弾性部材で異音発生が防止されるという効果がある。
【0024】
このとき、請求項2に記載の発明を採用すると、上記効果に加えて、回転規制手段によって車体側部材に対しスプリングブラケットが回動変位することが防止されるという効果がある。
【0025】
即ち、周方向の位置も調整してスプリングブラケットを車体側部材の取付け面に取り付けることが容易となる。
さらに、本発明では、車体側ブラケットとスプリングブラケットとの間に、つまり、スプリング着座部の内周側に回動規制手段を設けることができる。
【0026】
また、請求項3に記載した発明を採用すると、抜け止め手段によって車体側ブラケットからスプリングブラケットが脱落しなくなり、先にスプリングブラケットを車体側に組み付けてから、そのスプリングブラケットに下側からサスペンションスプリングの上端部を着座させることができて、取付け作業が容易になるという効果がある。
【0028】
また、請求項4に記載した発明を採用すると、上記車体側ブラケットの張出部よりも上方にゴムなどからなる可撓性の突起部を設けるだけで抜け止め手段が構成され、しかも、下側からスプリングブラケット内周面を車体側ブラケットに挿入するだけで、当該スプリングブラケットが車体側部材に仮止めされた状態となる。この結果、スプリングブラケットの車体側部材への取付けが容易となるという効果がある。
【0029】
また、請求項5に記載した発明を採用すると、車体側ブラケットの張出部先端部を上反りさせることで、車体側ブラケットにスプリングブラケット内周面を挿入して組付ける際に、張出部先端でスプリングブラケット内周面を削ることが防止されるという効果がある。
【0032】
また、請求項6に記載した発明を採用すると、車体側ブラケットは、1本のボルトで車体側に取り付けられることで、車体側ブラケットの取付けが容易となる。しかも、掛止手段を設けることで、上記取付け点が偏心していても、確実に正しい位置に車体側ブラケットを取り付けることができると共に、取付け後においても、上記のようにボルトによる取付け位置を一か所としても車体側ブラケットが取付け点回りに回動変位することが防止されるという効果がある。
【0033】
このことは、従来のようにスプリングブラケット外周部に複数の取付け点を設ける必要がある従来のマウント構造と比較しても、スプリングブラケットの横変位を規制できるにも関わらず、車体側ブラケットを介したスプリングブラケットの車体側取付け点を1つとすることができるという効果がある。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、ダブルウィッシュボーン式の左後輪用のサスペンション装置を例に挙げて説明する。
【0036】
図1は、本実施形態のサスペンション装置を示す概略平面図である。
すなわち、車輪1を回転自在に支持するアクスル2の下部後側は、サイドロッド3を通じて、サスペンションメンバ等の車体側部材4に上下揺動可能に連結される。アクスル2の下部前側は、ロアリンク5及びトレーリングアーム7を通じて上下揺動可能状態に車体側部材4に連結される。また、アクスル2の上部は、Aアームからなるアッパリンク6を通じて車体側部材4に連結される。
【0037】
また、上記アクスル2の上部には、ショックアブソーバ8の下端部が連結されている。ショックアブソーバ8は、軸を略上下に向けて配置され、その上端部がマウントラバーを介して車体側部材に連結されている。
【0038】
ここで、9はスタビライザであって、コンロッドを介してアッパリンク6に接続されている。また、10はドライブシャフトであって、その車輪側取付け部は、等速ジョイントを介して揺動可能に車輪1のハブに接続され、また、車体側取付け部は、等速ジョイントを介して揺動可能でデフ11に接続されている。
【0039】
また、上記サスペンション部材の一つであるサイドロッド3の中央部には、サスペンションスプリングであるコイルスプリング12の下端部が支持されている。そのコイルスプリング12は、軸を上下に向けて延在し、その上端部がスプリングブラケット13を介して車体側部材4に取り付けられている。
【0040】
本実施形態のスプリングブラケット13は、平面図である図2、車体後方からみた断面図である図3、及び車体側方からみた断面図である図4に示されるような構成となっている。
【0041】
即ち、スプリングブラケット13は、中央部に配置されるスプリングガイド部13a、及びそのスプリングガイド部13aの外周に位置するスプリング着座部13bを備える。
【0042】
スプリングガイド部13aは、下方に向けて小径となるコーン状の筒部材から構成され、コイルスプリング12の上端部内に対し略同軸に上側から挿入可能となっている。
【0043】
また、スプリング着座部13bは、上記スプリングガイド部13aの上端部に連続して当該スプリングガイド部13aの外周側に環状に配置された板部材から構成され、その下面に、シートラバー13cが加硫接着されていると共に、その上面及び外側面にも弾性体であるマウントラバー13dが加硫接着している。
【0044】
ここで、コイルスプリング12が着座するシートラバー13cの着座部とスプリングガイド部13aとの間に対して、シートラバー13cの内周側および外周側にスリットを設けることによって、コイルスプリング12の荷重成分を逃がすことでシートラバー13cの耐久性を向上させてもよい。もっとも、着座部とシートラバー13cの径方向端面との間の距離が大きい場合には、上記スリットを設けなくても問題がない。
【0045】
ここで、本実施形態では、トランクルーム等の空問を確保するために、車体後方側の取付け面が車体後方に向けて下向きの斜面となっているために、上記車体側方からみた図4に示すように、本実施形態のスプリング着座部13bの上面も車体後方側が当該車体後方に向けて下向きの斜面を形成するように加工されている。
【0046】
また、上記スプリングブラケット13内周面上部にも接合用ラバー13eが加硫接着している。この接合用ラバー13eは、図2に示すように、円周方向で3つに分割され、その境界部にはラバーが被着しない代わりに、その境界部分位置で、スプリングガイド部13a内面を内径方向に向けて張り出させて突起部13fを構成し、その突起部13fが回動規制手段を構成している。なお、上記突起部13fを設ける境界部は、周方向に互いに異なる角度で隣合うようにすることで回動し難くする。
【0047】
また、上記接合用ラバー13eは、所定高さで円周方向に沿って延びる段部13hが形成され、その段部13hが、抜け止め手段を構成している。
そのスプリングブラケット13の内周面が、車体側部材4から突出する車体側ブラケットに接合され、その車体側ブラケットを通じて車体側部材4に組み付けられる。
【0048】
車体側部材4から突出する上記車体側ブラケットは、本実施形態では、車体側方からみた断面図である図5に示すように、略キャップ状の固定用ワッシャ14で構成され、その下端部外周に張出部を構成する外向きフランジ15が形成されている。その外向きフランジ15は、その先端部が上反りしていると共に、上記接合用段部13hに係合可能な大きさに設定されている。
【0049】
ここで、上述のように車体後方側の取付け面は車体後方に向けて下向きの斜面となっているために、上記図5に示すように、本実施形態の固定用ワッシャ14の上面も車体後方側が当該車体後方に向けて下向きの斜面14aを形成するように加工されている。
【0050】
また、上記固定用ワッシャ14の側面のうち、上記スプリングガイド部13aの突起部13fと対向する部分は、当該突起部13fを挿入できる大きさの上下に延びる凹部14bとなっていて、その凹部14bに上記突起部13fが係合することで固定用ワッシャ14に対するスプリングブラケット13の周方向への回動が規制される。凹部14bは、回動規制手段を構成する。
【0051】
その固定用ワッシャ14の上面には、図6及び図7に示すように、取付け点位置にボルト穴16が偏心して開設されていると共に、そのボルト穴16と所定距離を開けた位置にワッシャ側の掛止手段である掛止部17が設けられている。その掛止部17は、ワッシャ14の上面から上方に車体側部材4の厚さ分だけ突出し、その先端部が鉤状に水平に延びて構成される。
【0052】
上記固定用ワッシャ14を固定する車体側部材4にも、固定用ワッシャ14のボルト穴16と同軸となるボルト穴4aが開口していると共に、上記ワッシャ側の掛止部17を引っかける掛止穴4bが設けられて構成される。そして、固定用ワッシャ14は、掛止部17が掛止穴4bに掛止されると共に、ボルト穴16を貫通するボルト20によって締結されることで車体側部材4に固定され、その固定用ワッシャ14の凹部14b内に各突起部13fが入り込んだ状態で、固定用ワッシャ14の外向きフランジ15の先端部が上記接合用ラバー13eの段部13hに係合して取り付けられた状態となっている。
【0053】
次に、上記スプリングブラケット13の車体側部材4への組付け等について説明する。
まず、車体側部材4に固定用ワッシャ14を取り付ける。すなわち、掛止穴4bに掛止部17を挿入して位置決めをしたのちに、車体側部材4のボルト穴16と固定用ワッシャ14のボルト穴16を同軸にしてボルト20を挿入し仮締めする。なお、ナット21については、予め車体側部材4の上面に固定しておき、下側からボルト締めすることで締結可能としておく。
【0054】
そして、再度,固定用ワッシャ14の位置を微調整したのちにボルト20を本締めして当該固定用ワッシャ14を車体側部材4から突出した状態とする。
これによって、固定用ワッシャ14は、簡易に位置決めされると共に車体側に剛に結合された状態となる。なお、1本のボルト締結で十分に固定用ワッシャ14の回動を規制できる場合には、上記掛止部17で回動を規制させる必要はない。
【0055】
次に、固定用ワッシャ14と略同軸にして当該固定用ワッシャ14に下側からスプリングブラケット13を嵌め込む。このとき、スプリングブラケット13は、固定用ワッシャ14の外向きフランジ15によって、段部13hよりも上側の接合用ラバー13eが順次,撓みつつ挿入され、段部13hに外向きフランジ15が入り込むことで組み付けられる。つまり、スプリングブラケット13を固定用ワッシャ14と略同軸にして上昇させるだけで簡単に当該スプリングブラケット13は固定用ワッシャ14からの脱落が防止された状態で取り付けられる。
【0056】
しかも、外向きフランジ15の先端部は上反りしているので、上記取付けの際に段部13hよりも上側の接合用ラバー13eを削ることが防止される。
このとき、固定用ワッシャ14の凹部14bに沿ってスプリングブラケット13の突起部13fを入り込ませることで、凹部14bが案内路となって自動的に正しい位置でスプリングブラケット13は固定用ワッシャ14を介して車体側部材4に仮固定されると共に、当該スプリングブラケット13は、上記凹部14bと突起部13fによって固定用ワッシャ14、更には車体側部材4に対して回動が規制された状態で取り付けられた状態となる。しかも、このように、スプリング着座部13bよりも内周側で回動を規制しているので、回動規制手段を設けてもマウント構造が大型化することもない。
【0057】
このように、下側からスプリングブラケット13を嵌め込むだけで、つまりワンタッチで、スプリングブラケット13が、車体側部材4から突設した固定用ワッシャ14に回動が規制された状態で組み付けられる。
【0058】
次に、下側からサスペンションスプリングであるコイルスプリング12の上端部を上記スプリング着座部13bに当接して組み付ける。そしてコイルスプリング12からの反力によってスプリングブラケット13の上面は車体側部材4の下面に押しつけられる。
【0059】
以上のような構成では、スプリング着座部13bよりも内周側位置で車体側部材4から突出する固定用ワッシャ14にスプリングブラケット13を接合する構造であるので、従来のようなスプリング着座部13bの外周に車体取付け用の張出部分が不要となって、アッパマウント構造に要する空間を小さく設計することができる。
【0060】
また車体側部材4側であっても、スプリングブラケット13を嵌合するための車体側ブラケットを設けるだけであるので、車体側部材4の取付け面の一部が斜面等となっていても、マウントのための構造が簡素化して加工が容易になると共に、コイルスプリング12の上端部をマウントするために占有する空間を小さく設計することが可能となる。
【0061】
次に、上述のようなサスペンションスプリングのアッパマウント構造におけるサスペンションの動作との関係での作用や効果等について説明する。
上記構成のアッパマウント構造においては、車輪1がフルリバウンドした際でもスプリング荷重があるので、コイルスプリング12の反力によって、スプリングブラケット13は、固定用ワッシャ14に押しつけられて上下方向の取付け位置が保持される。
【0062】
また、上記構造では、スプリングブラケット13は、固定用ワッシャ14に対し上下方向には所定の変位を許容された状態で接合しているので、車輪1のバウンド・リバウンド等の振動によって、固定用ワッシャ14とスプリングブラケット13との接触によって異音を発生するおそれがあるが、本実施の形態では、両者4,14の間にマウントラバー13dが介装されているため、上述のような接合を採用しても、金属接触が回避されて異音発生が回避される。
【0063】
また、上記構成のサスペンション形式に関わらず、バウンド・リバウンドするにつれて、車体に対し車輪1は車体前後方向に変位するため、当該バウンド・リバウンドによるサスペンションストロークによって、当該コイルスプリング12もストロークするときに胴曲がり等が発生して偏荷重が発生する。
【0064】
この偏荷重の発生によって、固定用ワッシャ14とスプリングブラケット13との間に、横方向(特に車幅方向)の相対変位を起こすような外力が入力されるが、車体側部材4下面とマウントラバー13dとの間の大きな摩擦によって当該横方向へのずれが防止される。
【0065】
また、上記偏荷重が大きくて、上記スプリングブラケット13が横方向に変位しても、スプリングブラケット13の内周面が固定用ワッシャ14の外向きフランジ15に当接することで、上記横方向の変位が規制される。なお、この当接も、接合用ラバー13eを介した接触となるので異音発生は防止される。
【0066】
また、上述のような偏荷重等の発生によって、固定用ワッシャ14周りにスプリングブラケット13が回動するおそれがあるが、スプリングブラケット13が周方向に変位しようとしても、スプリングブラケット13に設けた突起部13fが固定用ワッシャ14の凹部14bに規制されて周方向の回動変位が所定範囲に規制される。なお、上記突起部13fが凹部14bに所定の間隙を持って係合している場合には、上記突起部13fの外面にもラバーを被着して異音発生を防止する。
【0067】
このことは、上述のようにトランクルームを設ける等のために車体側部材4の一部が斜面を形成せざるを得ない場合でも、その斜面部における荷重の集中やシートラバー13cでの荷重の集中が回避されて、この集中荷重によるシートラバー13cや車体側取付け部(斜面部)の耐久性劣化を防止できる。
【0068】
なお、上記実施の形態では、固定用ワッシャ14の車体側取付け点を1つとした場合で説明しているが、取付け点を2つとしてもよい。
また、上記実施の形態では、固定用ワッシャ14の側面に凹部14bを設けスプリングブラケット13の内周面に突起部13fを設けることで回転規制手段としているが、固定用ワッシャ14の側面に突起部を設けスプリングブラケット13の内周面に凹部を設けることで回転規制手段としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るサスペンション装置を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスプリングブラケットを示す平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るスプリングブラケットを固定用ワッシャに組み付けた車体側方からみた断面である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るスプリングブラケットと固定用ワッシャとの関係を示す平面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るボルト穴と掛止部との関係を示す断面図である。
【図8】従来のスプリングブラケットを示す平面図である。
【図9】図8におけるC−C断面図である。
【図10】従来のスプリングブラケットを示す側面からみた断面図である。
【符号の説明】
4 車体側部材
4a ボルト穴
4b 掛止穴(掛止手段)
12 コイルスプリング(サスペンションスプリング)
13 スプリングブラケット
13a スプリングガイド部
13b スプリング着座部
13c シートラバー
13d マウントラバー(弾性体)
13e 接合用ラバー
13f 突起部(回動規制手段)
13h 段部(抜け止め手段)
14 固定用ワッシャ(車体側ブラケット)
14b 凹部(回動規制手段)
15 外向きフランジ(張出部)
16 ボルト穴
17 掛止部(掛止手段)
Claims (6)
- 軸を略上下に向けたサスペンションスプリングの上端部を、スプリングブラケットを介して車体側部材に取り付けるサスペンションスプリングアッパマウント構造において、
上記サスペンションスプリングの着座部よりも内周側位置で車体側部材から下方に突設し且つ車体側部材にボルト接合された車体側ブラケットを設け、その車体側ブラケットの側面から外周側に張り出した張出部を上記スプリングブラケットの内周面に当接させるとともに、上記スプリングブラケット内周面における上記車体側ブラケットが接触する部分を弾性体から構成し、上記スプリングブラケットを車体側部材下面に対しては弾性部材を介して当接するだけとしたことを特徴とするサスペンションスプリングアッパマウント構造。 - 上記車体側ブラケットに対するスプリングブラケットの回動を規制する回動規制手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載したサスペンションスプリングアッパマウント構造。
- 車体側ブラケットにスプリングブラケットを取り付けた状態で、当該スプリングブラケットの下方への移動を拘束する抜け止め手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したサスペンションスプリングアッパマウント構造。
- 上記車体側ブラケットの張出部よりも上方で、スプリングブラケットの内周面から車体側ブラケット側に張り出し且つ可撓性をもった突起部で抜け止め手段を構成することを特徴とする請求項3に記載したサスペンションスプリングアッパマウント構造。
- 上記車体側ブラケットの張出部先端部は上反りしていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載したサスペンションスプリングアッパマウント構造。
- 上記車体側ブラケットの車体側部材への取付け点を一か所とし当該取付け点で車体側ブラケットは車体側部材にボルト接合されると共に、平面視,その取付け点と所定間隔だけ離れた位置に車体側部材に対する車体側ブラケットの位置を規制する掛止手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載したサスペンションスプリングアッパマウント構造。
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-
1998
- 1998-03-30 JP JP08436198A patent/JP3721774B2/ja not_active Expired - Lifetime
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