JP3720716B2 - 料金収受システム用車載器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高度道路交通システム等に用いられる料金収受システム用車載器に関し、特に自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる料金収受システム用車載器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の料金収受システム用車載器10を示すブロック図である。図4において、無線通信制御部1は、マイコン2により制御され、図示しないアンテナを介して、路上機と無線データの送受信を行う。記憶媒体インターフェース3は、物理的装着部を有し、この物理的装着部は、図示しないICカードと接続され、料金収受に必要な情報を読みとる。ヒューマンインターフェース(以後、HMIとする)4は、運転者に情報を通知する。及び運転者の操作を入力する機器であり、例えば発光素子、ディスプレー、音声発生装置並びにスイッチ等からなる。
【0003】
図5は自動料金収受機能を有する料金所の路上機から制御されるアンテナを含む概略構成図である。まず、車両は、予告アンテナ101と無線通信を行い自動料金収受の可否を路上機により判定される。そして、、運転者へ車両指示情報により、自動収受車線への通行可否、進行方向(左車線へ、右車線へ、徐行)等の指示がなされる。この指示は、HMI4に表示される。運転者は、この指示に基づいて車両を移動させる。その後、料金所アンテナ102と無線通信を行い自動料金収受されることとなる。自動料金収受が終わると路上機から運転者へ車両指示情報により、通行可否(通行可能、停止)の指示がなされる。車載器10は、車両指示情報をHMI4に表示させて運転者に通知する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の従来料金収受システム用車載器においては、路上機から車載器10のHMI4を介して車両指示情報を運転者に通知する。しかしながら、目新しい自動料金収受システム、不慣れな料金所、運転者の運転状況等により、指示情報の見落とし、運転ミス、ヒューマンエラー等が発生する。これにより、車両指示情報と車両の動作とが異なる場合が生じることがある。そして、このようなことがあると、自動料金収受が不可となったり、車両の通行が指示通りでないために、危険になるといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、車両指示情報と車両の動作をモニタすることにより、車両の異常動作があれば、運転者に警告、注意を促し、自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる料金収受システム用車載器を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る料金収受システム用車載器は、車両に搭載され、アンテナを介して路上機とデータの送受を行う無線通信制御部と、運転者が情報を受け取ったり或いは操作入力をするヒューマンインターフェースと、車両に接続され車両の少なくとも車速、進行方向情報を得る外部インターフェースと、無線通信制御部、ヒューマンインターフェース及び外部インターフェースとを制御するマイコンとを有し、路上機との間で自動的に料金収受処理を行う料金収受システム用車載器であって、マイコンは、路上機から得た車両指示情報と外部インターフェースから得た車両の動作が異なる場合、ヒューマンインターフェースを介して運転者に通知あるいは警報をする。
【0007】
車両指示情報が「停止」の場合、マイコンは、車両速度が一定時間内に減速しない場合、運転者に指示情報「停止」を促す緊急警報を通知する。
【0008】
車両指示情報が「通過可」の場合、マイコンは、車両速度がゼロとなった場合、運転者に指示情報「通過可」を再度通知する。
【0009】
車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、マイコンは、車両進行方向が一定時間内に右進した時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する。
【0010】
車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、マイコンは、車両が一定時間内に左車線に移行しない時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する。
【0011】
車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、マイコンは、車両進行方向が一定時間内に左進した時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する。
【0012】
車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、マイコンは、車両が一定時間内に右車線へ移行しない時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する。
【0013】
車両指示情報が「徐行」の場合、マイコンは、車両速度が一定時間内に徐行速度以下にならない場合、運転者に指示情報「徐行」を再度通知する。
【0014】
マイコンは、運転者の操作入力により、直前に受け取った車両指示情報を運転者に再度通知する。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の料金収受システム用車載器を示すブロック図である。図1において、無線通信制御部1は、マイコン2により制御され、図示しないアンテナを介して、路上機と無線データの送受信を行う。記憶媒体インターフェース3は、物理的装着部を有し、この物理的装着部は、図示しないICカードと接続され、料金収受に必要な情報を読みとる。HMI4は、運転者に情報を通知する。及び運転者の操作を入力する機器であり、例えば発光素子、ディスプレー、音声発生装置並びにスイッチ等からなる。外部インターフェース6は、車両情報センサ30の車載器インターフェース8に接続され車両の動作情報を得る。車両情報センサ30は、車両の動作情報、すなわち、発進、停止、加速、減速、車速、車線変更、進行方向、方向変換、車両の位置を検出できるもので、他には、ナビゲーションシステム等でも良い。
【0016】
図2は料金収受システム用車載器の動作を示すフローチャートである。図2において、まず、マイコン2は、無線通信制御部1を介して路上機から受け取った車両指示情報を記憶する(ステップS1)。次に、車両指示情報をHMIに表示させ、運転者に情報を通知する(ステップS2)。
【0017】
次に、車両情報センサ30から車両の動作情報を得る(ステップS3)。そして、車両指示情報と車両の動作情報とを比較して、車両が車両指示情報通りに動いているか判断する(ステップS4)。そして、車両が車両指示情報通りに動いていない場合、車両指示情報をHMI4に再度表示させ、同時に必要であれば警告もする(ステップS5)。警告については、ランプ点灯、警告音、警告音声等で警告する。その後、料金の収受が完了するか、または、予告領域を通過するまで(ステップS6)、車両が車両指示情報通りに動いていない場合には、車両指示情報をHMIに再度表示、あるいは警告を繰り返す。
【0018】
次に、ステップS5の警告/再通知について、具体的に述べる。車両指示情報が「停止」の場合、車両速度が一定時間内(t0)に減速しない場合、運転者に「停止」を促す緊急警報を出す。一定時間t0は、車両速度に依存するが、現状車両速度の積算による距離測定において、無線通信エリア突入時から料金所ブース本体までの区間、数メートルに要する時間とする。
【0019】
また、車両指示情報が「通過可」の場合(料金所路上機)、車両速度が一定時間内(t1)にゼロとなった場合、再度、運転者に車両指示情報「通過可」を通知する。一定時間t1は、現状車両速度に依存するが、現状車両速度の積算による距離測定において、無線通信エリア突入時から料金所ブース本体までの区間、数メートルに要する時間とする。
【0020】
さらに、車両指示情報が「左車線へ進行」の場合(予告路上機)、車両速度が一定時間内(t2)に右進となった場合、再度、運転者に車両指示情報「左車線へ進行」を通知する。一定時間t2は、現状車両速度に依存するが、現状車両速度の積算による距離測定において、無線通信エリア通過後、約20メートルに要する時間とする。またナビゲーションシステム等の車両位置のデータから左側車線に車両が移行しない場合も同様とする。
【0021】
また、車両指示情報が「右車線へ進行」の場合(予告路上機)、車両速度が一定時間内(t2)に左進となった場合、再度、運転者に車両指示情報「右車線へ進行」を通知する。またナビゲーションシステム等の車両位置のデータから右側車線に車両が移行しない場合も同様とする。
【0022】
さらに、車両指示情報が「徐行」の場合(予告路上機)、車両速度が一定時間内(t2)に徐行速度(概ね時速10km)とならない場合、再度、運転者に車両指示情報「徐行」を通知する。
【0023】
図3は運転者からの操作入力による車両指示情報の再通知の処理の流れを示すフローチャートである。ステップ1,2及び6は、図2と同様である。HMI4に表示される車両指示情報は、所定の時間の後消える。その際、運転者からの操作入力が有れば(ステップS11)、マイコン2は、HMI4に車両指示情報を再度表示する。
【0024】
このように本実施の形態の料金収受システム用車載器は、車両に搭載され、アンテナを介して路上機とデータの送受を行う無線通信制御部1と、運転者が情報を受け取ったり或いは操作入力をするヒューマンインターフェース4と、車両に接続され車両の動作情報を得る外部インターフェース6と、無線通信制御部1、ヒューマンインターフェース4及び外部インターフェース6とを制御するマイコン2とを有し、路上機との間で自動的に料金収受処理を行う料金収受システム用車載器であって、マイコン2は、路上機から得た車両指示情報と外部インターフェース6から得た車両の動作が異なる場合、ヒューマンインターフェース4を介して運転者に通知あるいは警報をする。このように、料金収受システム用車載器において、車両指示情報と車両の動作をモニタすることにより、車両の異常動作があれば、運転者に警告、注意を促し、自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる。
【0025】
また、マイコン2は、運転者の操作入力により、直前に受け取った車両指示情報を運転者に再度通知する。そのため、車両指示情報を運転者からの操作入力により再通知することにより、自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明に係る料金収受システム用車載器は、車両に搭載され、アンテナを介して路上機とデータの送受を行う無線通信制御部と、運転者が情報を受け取ったり或いは操作入力をするヒューマンインターフェースと、車両に接続され車両の少なくとも車速、進行方向情報を得る外部インターフェースと、無線通信制御部、ヒューマンインターフェース及び外部インターフェースとを制御するマイコンとを有し、路上機との間で自動的に料金収受処理を行う料金収受システム用車載器であって、マイコンは、路上機から得た車両指示情報と外部インターフェースから得た車両の動作が異なる場合、ヒューマンインターフェースを介して運転者に通知あるいは警報をする。このように、料金収受システム用車載器において、車両指示情報と車両の動作をモニタすることにより、車両の異常動作があれば、運転者に警告、注意を促し、自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる。
【0027】
車両指示情報が「停止」の場合、マイコンは、車両速度が一定時間内に減速しない場合、運転者に指示情報「停止」を促す緊急警報を通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0028】
車両指示情報が「通過可」の場合、マイコンは、車両速度がゼロとなった場合、運転者に指示情報「通過可」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0029】
車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、マイコンは、車両進行方向が一定時間内に右進した時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0030】
車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、マイコンは、車両が一定時間内に左車線に移行しない時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0031】
車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、マイコンは、車両進行方向が一定時間内に左進した時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0032】
車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、マイコンは、車両が一定時間内に右車線へ移行しない時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0033】
車両指示情報が「徐行」の場合、マイコンは、車両速度が一定時間内に徐行速度以下にならない場合、運転者に指示情報「徐行」を再度通知する。そのため、より具体的に運転者に指示情報を通知することができる。
【0034】
マイコンは、運転者の操作入力により、直前に受け取った車両指示情報を運転者に再度通知する。そのため、車両指示情報を運転者からの操作入力により再通知することにより、自動料金収受の失敗の可能性を低減させるともに、ヒューマンエラーによる車両事故等の危険の可能性を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の料金収受システム用車載器を示すブロック図である。
【図2】 料金収受システム用車載器の動作を示すフローチャートである。
【図3】 運転者からの操作入力による車両指示情報の再通知の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】 従来の料金収受システム用車載器10を示すブロック図である。
【図5】 自動料金収受機能を有する料金所の路上機から制御されるアンテナを含む概略構成図である。
【符号の説明】
1 無線通信制御部、2 マイコン、4 ヒューマンインターフェース(HMI)、6 外部インターフェース。
Claims (9)
- 車両に搭載され、
アンテナを介して路上機とデータの送受を行う無線通信制御部と、運転者が情報を受け取ったり或いは操作入力をするヒューマンインターフェースと、上記車両に接続され車両の少なくとも車速、進行方向情報を得る外部インターフェースと、上記無線通信制御部、ヒューマンインターフェース及び外部インターフェースとを制御するマイコンとを有し、
上記路上機との間で自動的に料金収受処理を行う料金収受システム用車載器であって、
上記マイコンは、路上機から得た車両指示情報と上記外部インターフェースから得た車両の動作が異なる場合、上記ヒューマンインターフェースを介して運転者に通知あるいは警報をする
ことを特徴とする料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「停止」の場合、上記マイコンは、車両速度が一定時間内に減速しない場合、運転者に指示情報「停止」を促す緊急警報を通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「通過可」の場合、上記マイコンは、車両速度がゼロとなった場合、運転者に指示情報「通過可」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、上記マイコンは、車両進行方向が一定時間内に右進した時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「左車線へ進行」の場合、上記マイコンは、車両が一定時間内に左車線に移行しない時、運転者に指示情報「左車線へ進行」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、上記マイコンは、車両進行方向が一定時間内に左進した時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「右車線へ進行」の場合、上記マイコンは、車両が一定時間内に右車線へ移行しない時、運転者に指示情報「右車線へ進行」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記車両指示情報が「徐行」の場合、上記マイコンは、車両速度が一定時間内に徐行速度以下にならない場合、運転者に指示情報「徐行」を再度通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム用車載器。 - 上記マイコンは、運転者の操作入力により、直前に受け取った車両指示情報を運転者に再度通知する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の料金収受システム用車載器。
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-
2001
- 2001-02-13 JP JP2001035621A patent/JP3720716B2/ja not_active Expired - Lifetime
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