JP3720259B2 - 鉄道軌道の曲線形状データ取得装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両上にセンサと演算・記憶装置を配置し、計測されるセンサのデータに基づいて演算することにより、鉄道軌道1の曲率ρ、カントC等の曲線形状データを精度よく取得し、走行位置に対応したこれらの曲線データを記憶する鉄道軌道の曲線形状データ取得装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道軌道1の構造は、図2に示す如く、基本的には直線と曲線との連鎖からなる。しかして直線部から入って入口緩和曲線部に至り、それから本体の円曲線部に続き、次いで出口緩和曲線部を経由して再び直線部となる。鉄道軌道1はこのようにして、直線と曲線の連鎖によって始点から終点に至る。
【0003】
そしてこの曲線部では、図3に示す如く、軌道面が内側に傾斜され、外側の軌道1が内側より高くなるように高低差が設けられ、カントCが設定されている。
【0004】
それにより、曲線部を走行中において、車体2に働く遠心力と重力の合力が、車体床面に垂直に作用するようにされている。
【0005】
そのため車両が曲線部を高速度で通過することができるばかりではなく、例え高速度で通過したとしても、乗客が遠心力によって振られたりすることがなく、乗り心地が悪くならない。
【0006】
ここで、更に高速で曲線部を通過するためには、カントCの量を大きくしてやればよい。しかしながら曲線部では、当然のことながら低速で通過する場合や、あるいはそこで停車する場合もあり得る。そのようなときには車体2が内側に転倒するおそれがあるため、カントCの量はその上限値を制限せざるを得ない。
【0007】
ここで曲率ρとカントCのデータ推移としては、図7の如く、直線部から入口緩和曲線部を経て円曲線部に至りそこから出口緩和曲線部を経過して再び直線部に至るまでが模式的に示されている。
【0008】
鉄道軌道1は、かかる曲率ρとカントCとを有する曲線と、直線との連鎖から構成されて、始点から終点に至る。
【0009】
ところで現在では、走行時間短縮のため、更に高速度走行が要求され、曲線部に入るたびに速度を低下させるということが許されない情勢にある。
【0010】
しかしてこの最大カント量で定められる均衡速度以上の速度で曲線部を走行しようとすると、そのカントCでは相殺できない超過の遠心力が発生する。そのため高速走行が危険であったり、また乗客の乗り心地が悪くなったりしてしまう。
【0011】
そこでこのような超過の遠心力を受けた場合、その超過遠心力と重力との合力が車体床面に垂直に働くようにするべく、台車はそのままで、車体だけが更に傾斜するように設計された、図4に示す如く、振り子式車両が知られている。
【0012】
この振り子式車両により、曲線部にも関わらずに高速で走行通過でき、しかも乗客に、乗り心地が悪くなったり、不快感を与えない。
【0013】
この振り子式車両においては、台車枠6はコイルばねやゴム等からなる軸ばね7を介して、車輪軸8に支持されている。また台車枠6はコロ等を有する傾斜装置5と例えば弓形の傾斜はり4とを具備し、空気ばね等からなるまくらばね3を介して車体2を支持している。
【0014】
ここで、図5に示す如く、車体を傾斜させる振り子機構としては、自然振り子方式と、制御振り子方式がある。
【0015】
この自然振り子方式は、曲線通過時に発生する遠心力を利用して車体を適切に傾斜させて、遠心加速度を打ち消す振り子機構を有している。しかしながらこの振り子機構は、摩擦抵抗等により、必ずしも遠心力に追従して直ちに車体が傾斜するわけではない。時間遅れのために、傾斜の立ち上がり部や立ち下がり部で、振り遅れや振り戻しが発生したりするので、走行、あるいは乗り心地の上で、必ずしも良好ではない。
【0016】
一方制御振り子方式は、作動機構を有しており、この作動機構が振り子機構を制御して車体を傾斜させるものであって、超過の遠心加速度を理想的に打ち消すことができる。
【0017】
しかしてその制御機構は、車体左右定常加速度を検出してフィードバックし、傾斜角度を算出して制御するものと、走行路線である鉄道軌道1の曲率ρやカントC等の曲線形状のデータを予め記憶して、走行位置に対応して最適の傾斜角度を算出して制御するものとがある。
【0018】
そこでこの曲線部の曲線形状データであるカントCと、曲率ρ等を予め求める必要がでてくる。
【0019】
そのためには台車にジャイロ等を取り付けて、ロール角を直接計測することが考えられるが、汎用のジャイロではドリフトが避けられないため、例えば振り子式車両の車体傾斜を行うために必要な精度のデータが得られない。
【0020】
また高精度のジャイロを用いれば可能ではあろうが、非常に高価なため、鉄道車両に用いるには現実的ではない。
【0021】
またカントCを求めるには、レートジャイロでロール角速度を求め、それを積分することでも原理的には可能である。しかしながら積分誤差等があり、データの精度や、信頼性には問題が残こる。
【0022】
以下に、鉄道軌道1の曲率ρ、カントC等の曲線形状データを取得するための従来の装置に関して、概略的に説明する。
【0023】
1.特開平6−107172号公報(発明の名称:曲線情報算出方法及び車体傾斜制御方法)について
この発明は、床面左右定常加速度、走行速度、車体傾斜角度を測定できる測定手段を搭載した鉄道車両を軌道上を2回走行させ、各測定手段の値に基づいて、曲率半径Rとカント量Cとを特定の演算式により演算して求めるものである。
【0024】
2.特開平6−207830号公報(発明の名称:線路形状計測装置と計測方法)について
この発明は、列車の速度検出器及び3方向の加速度検出器と、列車箱体の各軸回りの角速度検出器と、この箱体の台車上における上下動を検出する変位量検出器とを有し、各検出データを演算・記憶部に入力して、線路のカントを演算するものであるが、上下動の変位量を検出するにあたりばね変位を実測することが必要であり、また3方向の加速度、角速度を検出するので多数のセンサを必要としている。
【0025】
3.特開平7−108933号公報(発明の名称:鉄道車両の走行位置補正方法)について
車体の傾斜角検出器と車体床面平行左右方向の加速度検出器とから計算された曲線半径と、車輪の回転数検出器から車輪回転数を求めて得られる走行距離とから計算された車両走行位置を、車両に予め搭載してある線路データの曲線半径や曲線位置と比較して、搭載データ中に対応する曲線がある場合には、実測値と搭載データの曲線位置の差を補正量として車両の走行位置を補正するものである。
【0026】
4.特開平8−207764号公報(発明の名称:軌道の曲線路情報算出方法及びその算出方法を利用した車体傾斜制御方法)について
先の特開平6−107172号の発明とほぼ同内容であり、床面左右定常加速度、走行速度、車体−台車間の傾斜角を検出し、そのデータを特定の連立方程式に代入して曲線半径とカント量を求めるようになっている。しかしながら連立方程式であるから、少なくとも2回以上計測しないと、曲線半径とカントを求めることができない。
【0027】
5.特開2000−6805号(発明の名称:軌道走行車両の曲線検知方法および車体傾斜制御装置)について
この発明は、先頭車両の前後の台車にジャイロセンサを設けて、ヨー角速度を検知し、ヨー角速度の前後の差から、曲率を求めるものである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、高価とならないリーズナブルな各種センサを車両上に適切に配置して、車両上で計測、取得されるデータから、新規なカントCの演算式により、曲率ρ、カントC等の曲線形状データを一回の走行で精度よく取得して、しかも安価な鉄道軌道の曲線形状データ取得装置を提供するものである。
【0029】
以下に、従来技術のいくつかの問題点を概略説明する。
【0030】
さきの1.特開平6−107172号公報(発明の名称:曲線情報算出方法及び車体傾斜制御方法)では、少なくとも2回以上走行しないと、曲率半径とカントを求めることができない。また軸ばねやまくらばねのたわみによるロール角が考慮されていないので、求められるカントの精度が低いものであった。
【0031】
2.特開平6−207830号公報(発明の名称:線路形状計測装置と計測方法)では、ばね変位を実測する必要があり、そのためのセンサが必要である。また3方向の加速度と角速度を実測するため、多くの計測センサが必要で、費用がかかる。更に角速度を求める代わりにジャイロを用いて角度を求める場合には、ドリフト補正の必要が生ずるので処理が面倒である。
【0032】
3.特開平7−108933号公報(発明の名称:鉄道車両の走行位置補正方法)では、カントを求める関係式も記載されてはいるが、軸ばねのたわみが考慮されておらず、車両諸元から求めることもされていない。
【0033】
4.特開平8−207764号(発明の名称:軌道の曲線路情報算出方法及びその算出方法を利用した車体傾斜制御方法)では、さきの1.特開平6−107172号公報(発明の名称:曲線情報算出方法及び車体傾斜制御方法)のものと略同様であり、2回走行しないと曲線半径Rとカント量Cが求められない。
【0034】
またまくらばねのたわみによる傾斜角は実測しているが、軸ばねのたわみは考慮されていない。しかしながら、振り子式車両で車体傾斜制御を行うためには軸ばねのたわみも考慮すべき要素と考えられる。
【0035】
5.特開2000−6805号(発明の名称:軌道走行車両の曲線検地方法および車体傾斜制御装置)では、2つの台車に取り付けたジャイロのロール角を平均してカントを求めている。ところで、ジャイロは高精度のものは非常に高価であり、ドリフトの影響を除去するための処理が必要となる。
【0036】
しかしながら本願発明では、ジャイロによるロール角は使用しない新規な演算式によりカントCを簡便に求めるものである。
【0037】
従って、本願発明は、高価とならないリーズナブルなセンサ部を車両上に適切に配置して、車両上から計測されるデータから、新規なカントの演算式より、この曲線形状データを、一回の走行で精度よく取得でき、しかも安価な装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解消し、上記の目的を達成するために、鉄道軌道の曲線形状データの取得装置は、演算・記憶部20と、センサ部00とから構成され、演算・記憶部20と、センサ部00とは、振り子式車両に搭載され、
センサ部00は、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ09と、傾斜角センサ11と、車体左右振動加速度センサ12とから構成され、
演算・記憶部20は、曲率演算部21と、カント演算部22と、記憶部23とを具備し、曲率演算部21は、車体ヨー角速度センサ09からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ10からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
カント演算部は22は、この曲率ρと、傾斜角センサ11からの振り子式車両における台車枠(6)に対する傾斜はり(4)の傾斜角φt(rad)と、車体左右振動加速度センサ12からの車体左右定常加速度A(m/S2 )とが入力されたときには、式(1)よりカントCを演算して出力し、
C=(ρV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・・(1)
但し、q2はまくらばねによる付加係数であり、該q2はF2Mg(F2はまくらばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、qはばねによる付加係数でq1+q2、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
記憶部23は、位置に対応した鉄道軌道1の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する鉄道軌道の曲線形状データ取得装置である。
【0039】
ここでカントCは、センサ部00としてまくらばねロール角センサ13を付加して、そのまくらばねロール角φaを利用して、他の新規な演算式からも求めることができる。即ち上記鉄道軌道1の曲線形状データ取得装置において、演算・記憶部20と、センサ部00とから構成され、演算・記憶部20と、センサ部00とは、振り子式車両に搭載され、
センサ部00は、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ09と、傾斜角センサ11と、車体左右振動加速度センサ12と、更に付加されたまくらばねロール角センサ13とから構成され、
演算・記憶部(20)は、曲率演算部(21)と、カント演算部(22)と、記憶部(23)とを具備し、
曲率演算部(21)は、車体ヨー角速度センサ(09)からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ(10)からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
カント演算部は(22)は、この曲率ρと、傾斜角センサ(11)からの振り子式車両における台車枠(6)に対する傾斜はり(4)の傾斜角φt(rad)と、車体左右振動加速度センサ(12)からの車体左右定常加速度A(m/s2 )と、更にまくらばねロール角センサ(13)からのまくらばねロール角φa(rad)とが入力されたときには、式(2)よりカントCを演算して出力し、
C=(ρV2 −(A−g(φa−φt))/(1+q1))G/g(m)・・(2)
但し、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車 体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
記憶部(23)は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する鉄道軌道の曲線形状データ取得装置である。
【0040】
以上は振り子式車両に搭載されるタイプのものであるが、通常(非振り子式)車両に搭載することもできる。
【0041】
その場合は、傾斜角センサ11による傾斜角φtが常に0であるものとして、カントCを求める式を実行すればよい。しかしてこの場合は、車体2の傾斜角φtが常に0であるから、傾斜角センサ11は車両に搭載する必要がない。
【0042】
即ち上記と同様の鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、演算・記憶部20と、センサ部00とから構成されるものではあるが、この演算・記憶部20とセンサ部00とは、通常(非振り子式)車両に搭載されるものであって、
センサ部00は、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ09と、車体左右振動加速度センサ12とから構成され、
演算・記憶部20は、曲率演算部21と、カント演算部22と、記憶部23とを具備し、曲率演算部21は、車体ヨー角速度センサ09からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ10からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
カント演算部は22は、車体2の傾斜角φt(rad)=0として、この曲率ρと、車体左右振動加速度センサ12からの車体左右定常加速度A(m/s2 )とが入力されたときには、式(1)よりカントCを演算して出力し、
C=(ρV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・・(1)
但し、q2はまくらばねによる付加係数であり、該q2はF2Mg(F2はまくらばねによる車体の角変位)、qはばねによる付加係数でq1+q2、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
記憶部23は、位置に対応した鉄道軌道1の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する鉄道軌道の曲線形状データ取得装置である。
【0043】
また上記と同様の通常(非振り子式)車両に搭載される鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、演算・記憶部20と、センサ部00とから構成されるものではあるが、センサ部00には、更にまくらばねロール角センサ13が付加され、カントCを求める演算式は他のものが利用されるものである。
【0044】
演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とは、通常(非振り子式)車両に搭載され、
センサ部00は、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ09と、車体左右振動加速度センサ12と、更にまくらばねロール角センサ13とから構成され、
演算・記憶部20は、曲率演算部21と、カント演算部22と、記憶部23とを具備し、曲率演算部21は、車体ヨー角速度センサ09からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ10からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
カント演算部は22は、車体2の傾斜角φt(rad)=0として、この曲率ρと、車体左右振動加速度センサ12からの車体左右定常加速度A(m/s2 )と、更にまくらばねロール角センサ13からのまくらばねロール角φa(rad)とが入力されたときには、式(2)よりカントCを演算して出力し、
C=(ρV2 −(A−g(φa一φt))/(1+q1))G/g(m)・・(2)
但し、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車 体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
記憶部23は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する鉄道軌道の曲線形状データ取得装置である。
【0045】
【発明の実施の形態】
先ず本願発明の第1の実施の形態を説明する。
【0046】
図1、図4を参照して、2は車体、00はセンサ部、20は演算・記憶部である。
【0047】
本願発明の第1の実施の形態の鉄道軌道の曲線形状データ取得装置は、センサ部00と、演算・記憶部20とから構成され、振り子式車両に搭載されるものである。
【0048】
センサ部00は、車体2に取り付けた車体ヨー角速度センサ09及び車体左右振動加速度センサ12と、車輪軸8または主電動機軸に取り付けた速度センサ10と、台車枠6に設けた車体2の傾斜装置5によって作動する、例えば弓形等の傾斜はり4に取り付けられた傾斜角センサ11とから構成される。
【0049】
車体ヨー角速度センサ09は、図6に示す車体2のヨー角α(rad)の時間的変化即ちヨー角速度θ(rad/s)を検出して出力する。ここではヨー角速度θ(rad/s)の検出であるから、例えばジャイロ等によりヨー角α(rad)自体を直接検出する場合に比べて、ドリフト等の影響を受けない。
【0050】
速度センサ10は、例えば車輪軸8または主電動機軸の回転数に基づき、車輪径等を利用して車体2の車速度V(m/s)を検出して出力する。
【0051】
傾斜角センサ11は、例えば傾斜はり4に取り付けられ、図5に示す如く、振り子式車両における傾斜装置5による車体2の傾斜角φt(rad)を検出して出力する。
【0052】
演算・記憶部20は、曲率演算部21と、カント演算部22と、記憶部23とを具備しており、センサ部00からの検出データを入力して、鉄道軌道1の曲率ρ(1/m)とカントC(m)とを演算して、そのデータを軌道1に沿ってその位置に対応して記憶する。
【0053】
曲率演算部21は、速度センサ10によって得られる車速度Vと、ヨー角速度センサ9によって得られる車体ヨー角速度θとが入力されたとき、演算式 ρ=θ/V(1/m) により曲率ρを演算して出力する。この曲率演算式自体は周知である。
【0054】
カント演算部22は、本願発明に係る新規な演算式(1)によって、カントCを演算するものである。
【0055】
カントCは、カント演算部22に、曲率ρ、傾斜角センサ11によって得られる傾斜角φt、車体左右振動加速度センサ12によって得られる車体左右定常加速度Aの各値を入力することにより、次の式(1)から求められる。
【0056】
ここで車体左右定常加速度Aは、車体左右振動加速度センサ12によって得られる車体左右振動加速度から、微少変化分を除去した定常成分であって、車体床面に平行な加速度に相当するものである。
【0057】
C=(pV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・(1)
但し、q2はまくらばね3による付加係数、qはばね(軸ばね7とまくらばね3)による付加係数でq1+q2、q1は軸ばね7による付加係数である。なお、q1,q2,qは実測または車両諸元から計算で求めることのできる無次元の数である。またGは軌間であり、例えば在来線の場合は1.067m、新幹線の場合は1.435mである。gは重力加速度9.81m/S2 の定数である。
【0058】
記憶部23は、鉄道軌道1に沿って、距離または時間に対応した位置毎にカントC、曲率ρの値を順次記憶しておくものである。
【0059】
ここで位置情報は、例えば、基準位置情報を車両外部から取り込んだり、速度センサ10を作動させるための、時間情報と、車輪軸の回転数と車輪径とから求められる走行距離等とから決定することができる。
【0060】
このようにして本願発明の第1の実施の形態に基づく鉄道軌道の曲線形状データ取得装置は、一回の走行により、鉄道軌道1に沿ってカントCと、曲率ρの値を取得することができる。
【0061】
次いで本願発明の第2の実施の形態を説明する。
【0062】
この第2の実施の形態は、図8を参照して、各種センサ00として、第1の実施の形態のものと比べて、更にまくらばねロール角センサ13が付加されたものである。そこでまくらばねロール角φaを検出し、出力されたその値を利用し、カントCを他の新規な式(2)により演算して求めるものである。
【0063】
しかして、カント演算部22は、このまくらばねロール角φaのデータを入力し、新規の演算式(2)によって、カントCを求め、出力することができる。
【0064】
C=(ρV2 −(A−g(φa−φt))/(1+q1))G/g(m)・(2)
但し、q1、G、gは、第1の実施の形態のものと同様のものである。
【0065】
このようにして本願発明の第2の実施の形態に基づく鉄道軌道1の曲線形状データ取得装置は、まくらばねロール角φaの影響を加味して、一回の走行によって、鉄道軌道1に沿ってカントCと、曲率ρのデータを取得することができ、そのデータを走行距離に対応して、記憶しておくことができるものである。
【0066】
曲率ρの演算式は、第1の実施の形態と同じものである。
【0067】
次いで本願発明の第3の実施の形態を説明する。
【0068】
この第3の実施の形態は、鉄道軌道の曲線形状データ取得装置を、前記の第1、第2のものとは異なり、通常(非振り子式)車両に搭載するものである。
【0069】
従って演算・記憶部20とセンサ部00とは、通常(非振り子式)車両に搭載される。この場合は、常に車体2の傾斜角φt(rad)=0であり、センサ部00において、傾斜角センサ11は不要となる。
【0070】
よってセンサ部00は、傾斜角センサ11が削除されて、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ9と、車体左右振動加速度センサ12とから構成されるものとなる。
【0071】
そして演算・記憶部20は、センサ部00から計測されたデータを入力して、曲率演算部22が曲率を演算して出力し、カント演算部22が、車体2の傾斜角φt(rad)=0として、カントCを求める式(1)の演算を実行して、出力することとなる。
【0072】
曲率ρを求める演算式は、第1、第2の実施の形態の場合と同じである。曲率ρとカントCのデータを記憶することも同様である。
【0073】
次いで本願発明の第4の実施の形態を説明する。
【0074】
この第4の実施の形態は、第3の実施に形態と同様に、通常(非振り子式)車両に搭載するものである。この場合も、常に車体2の傾斜角φt(rad)=0であり、センサ部00において、傾斜角センサ11は不要である。
【0075】
またはセンサ部00として、第2の実施の形態と同様に、まくらばねロール角センサ13を付加する。従って、センサ部00は、速度センサ10と、車体ヨー角速度センサ9と、車体左右振動加速度センサ12と、付加されたまくらばねロール角センサ13とから構成される。
【0076】
カント演算部22は、第2の実施の形態と同様に、このまくらばねロール角センサ13からのまくらばねロール角φa(rad)を更に付加入力して、車体2の傾斜角φt(rad)=0として、カントCを求める(2)式の演算を実行し、出カすればよい。
【0077】
C=(ρV2 −(A−g(φa−φt))/(1+q1))G/g(m)・(2)
但し、q1、G、gは、第1の実施の形態と同様のものである。
【0078】
曲率ρを求める演算式は第1、第2、第3の実施の形態の場合と同じである。
【0079】
曲率ρとカントCのデータを記憶することも同様である。
【0080】
次いで以下において、図10を参照して、ばねによる付加係数q1、q2、qを車両諸元から求める求め方を説明する。
【0081】
ここで車両諸元とは、車体の質量M(kg)、軸ばね7の回転中心と車体重心の高さ距離h1(m)、まくらばね3の回転中心と車体重心の高さ距離h2(m)、軸ばね定数k1(N/m)、まくらばね定数k2(N/m)、軸ばね7の左右間隔2b1(m)、まくらばね3の左右間隔2b2(m)である。
【0082】
またgは重力加速度9.81(m/s2 )である。
【0083】
ここで車体重心に単位の横力を加えたとき、軸ばね7による車体の角変位をF1(rad/N)とし、まくらばね3による車体の角変位はF2(rad/N)とする。すると、車体重心に単位の横力を加えたときのばね全体による車体の角変位はF(rad/N)となる。
【0084】
このようにすると、
(1)軸ばね7による付加係数q1(無次元量)は、
q1=F1Mg
F1=h1/(2k1b12
(2)まくらばね3による付加係数q2(無次元量)は、
q2=F2Mg
F2=h2/(2k2b22
(3)ばねによる付加係数q(無次元数)は、
q=q1+q2=(F1+F2)Mg=FMg
F=F1+F2
とすることができる。ここで、例えばq1=0.03、q2=0.07である。
【0085】
次いで、曲率ρとカントCを求める式(1)及び式(2)の導出法について説明する。
【0086】
(1)曲率ρについて
図9を参照して、曲率半径Rと、車体ヨー角αと、走行距離Lとから、
L=R×α・・・・・・・・(3)
が導ける。この式の両辺を時間tで割ると
L/t=R×α/t・・・・(4)
となる。
【0087】
ここで、車体ヨー角速度θと車速度V及び曲率半径Rは次式で定義される。
【0088】
θ=α/t・・・・・・・・(5)
V=L/t・・・・・・・・(6)
R=1/ρ・・・・・・・・(7)
これら式(5)、(6)、(7)を式(3)に代入して整理すると、曲率ρを与える次の式(8)が導ける。
【0089】
ρ=θ/V・・・・・・・・(8)
この式自体は周知である。
【0090】
(2)カントCについて
2.1 まくらばねロール角φaを実測しないとき(第1、3の実施の形態)
図10を参照して、車体2の床面に平行な加速度を車体左右定常加速度A、車体の左右加速度を超過遠心加速度Auとして定義する。
【0091】
ここで超過遠心加速度Auは左右加速度として軸ばね7に作用するので、その付加係数をq1とする。また左右加速度A2はまくらばね3に作用するので、その付加係数をq2とする。
【0092】
車体2の傾斜角をφtとする。
【0093】
また床面に平行な成分を求めるにあたり、φtが小さい場合には、sinφt≒φtとすることができる。
【0094】
すると、車体左右定常加速度A=超過遠心加速度+軸ばね7のロールによる付加加速度+まくらばね3のロールによる付加加速度−傾斜角φtに基づく付加加速度
となる。
【0095】
これを記号化して整理すると、
A=Au+q1×Au+q2×A2−g×φt・・・・・・・(9)
となる。
【0096】
ところで、超過遠心加速度Auと、左右加速度A2とは、次の関係にあることが既に知られている。
【0097】
Au=ρ×V2 −g×C/G・・・・・・・・・・・・・・・(10)
A2=Au−g×φt ・・・・・・・・・・・・・・・(11)
ここで、gは重力加速度、Gは軌間である。
【0098】
式(11)を式(9)に代入すると、
A=(1+q1+q2)×Au−g×(1+q2)×φt・・(13)
となる。
【0099】
付加係数q1、q2は、実測、あるいは既に説明したように車両諸元から計算で求められる一定の無次元の数値である。
【0100】
一方、q=q1+q2であるから、これからq1を消去すると
A=(1+q)×Au−g×(1+q2)×φt・・・・・・(14)
となる。
【0101】
この式(14)に式(10)を代入して、カントCを求めると、
C=(ρV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・(1)
なる式(1)が導かれる。
【0102】
2.2 まくらばねロール角φaを実測するとき(第2、第4の実施の形態)
この場合は、まくらばねロールによる付加加速度の代わりに、実測されたまくらばねロール角φaを用いる。即ち式(14)に代えて、
A=(1+q1)×Au+g×(φa−φt)・・・・・・・(15)
を用いる。
【0103】
この式(15)に式(10)を代入して、カントCを求めると、
C=(ρV2 −(A−g(φa−φt))/(1+q1))G/g(m)・(2)
となる式(2)が得られる。
【0104】
なお本願発明の第1第2の実施の形態においては、センサ部00及び演算・記憶部20は、振り子式車両車両に搭載することを前提として、カントC、曲率ρ等の鉄道軌道1の曲線形状データを取得することができるものとした。
【0105】
ここで、センサ部00及び演算・記憶部20を通常(非振り子式)車両に搭載した場合は、車体の傾斜角φtは常に0であるから、カントCを求める演算式(1)(2)は、傾斜角センサ11からの車体の傾斜角φtを常に0として、演算実施することができる。
【0106】
そしてこの場合、車体の傾斜角φtを0とするならば、傾斜角センサ11を搭載しないものと等価であり、即ち搭載しなくてもよいとすることができる。
【0107】
また演算・記憶部20として、マイクロコンピュータの如きソフトウエアで動作するものを採用することができる。その場合は、曲率演算部21、カント演算部22は、それぞれその機能を実行する如く動作し、記憶部23はプログラムや各種データを記録するメモリや記憶装置とすることができる。
【0108】
【発明の効果】
第1、第2の実施の形態に示されるが如き本願発明にあっては、振り子式車両に搭載されものであり、高精度ジャイロ等の高価なセンサを用いずに、安価な各センサを車両上に適切に配置しており、カントCを求める新規の演算式を用い、計測されるデータに基づいて、線路の位置に対応した鉄道軌道1の曲率ρ、カントC等の曲線形状データを、一回の走行で精度よく取得し、記憶できる安価な鉄道軌道1の曲線形状データ取得装置を提供できる。
【0109】
特に第2の実施の形態のものにあっては、まくらばねロール角センサを搭載してまくらばねロール角φaを実測しているので、カントCの演算式として、式(1)とは別の式(2)が利用でき、演算装置の処理負担が小さくなる。
【0110】
第3、第4の実施の形態に示されるが如き本願発明にあっては、通常(非振り子式)の車両に搭載されものであるから、傾斜角センサ11は搭載する必要がなく、車体の傾斜角φtを0として、カントCを求める演算式を実行すればよく、より簡単で安価な構成で実施できる。
【0111】
また特に第4の実施の形態のものにあっては、第2の実施の形態のものと同様に、まくらばねロール角センサを搭載してまくらばねロール角φaを実測しているので、カントCの演算式として、式(1)とは別の式(2)が利用でき、演算装置の処理負担が小さくなる。
【0112】
従って振り子式車両の車体傾斜制御の実行は、実際の鉄道軌道1の状況に即して、本装置で求めた高精度の曲率ρ、カントC等の曲線形状データを利用することができるので、精度よく実現できることとなり、鉄道軌道1の曲線部を高速で走行でき、従って全体の旅行時間を短縮でき、しかも旅客の乗り心地向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鉄道軌道1の曲線形状データ取得装置に関する第1、第3の実施の形態の構成図である。
【図2】 鉄道軌道1及びその曲線部の模式構造図である。
【図3】 カントCの模式構造図である。
【図4】 振り子式車両の模式構造図である。
【図5】 傾斜装置による車体の傾斜角φtを示す説明図である。
【図6】 車体ヨー角速度θの説明図である。
【図7】 曲率ρとカントCの説明図である。
【図8】 鉄道軌道1の曲線形状データ取得装置に関する第2、第4の実施の形態の構成図である。
【図9】 曲率ρの説明図である。
【図10】 ばね変位の説明図である。
【符号の説明】
1 鉄道軌道
2 車体
3 まくらばね
4 傾斜はり
5 傾斜装置
6 台車枠
7 軸ばね
8 車輪軸
00 センサ部
09 車体ヨー角速度センサ
10 速度センサ
11 傾斜角センサ
12 車体左右振動加速度センサ
13 まくらばねロール角センサ
20 演算・記憶部
21 曲率演算部
22 カント演算部
23 記憶部

Claims (4)

  1. 演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とから構成される鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、
    演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とは、振り子式車両に搭載され、
    センサ部(00)は、速度センサ(10)と、車体ヨー角速度センサ(09)と、傾斜角センサ(11)と、車体左右振動加速度センサ(12)とから構成され、
    演算・記憶部(20)は、曲率演算部(21)と、カント演算部(22)と、記憶部(23)とを具備し、
    曲率演算部(21)は、車体ヨー角速度センサ(09)からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ(10)からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
    カント演算部は(22)は、この曲率ρと、傾斜角センサ(11)からの振り子式車両における台車枠(6)に対する傾斜はり(4)の傾斜角φt(rad)と、車体左右振動加速度センサ(12)からの車体左右定常加速度A(m/s2 )とが入力されたときには、式(1)よりカントCを演算して出力し、
    C=(ρV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・・(1)
    但し、q2はまくらばねによる付加係数であり、該q2はF2Mg(F2はまくらばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、qはばねによる付加係数でq1+q2、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
    記憶部(23)は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する
    鉄道軌道の曲線形状データ取得装置。
  2. 演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とから構成される鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、
    演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とは、振り子式車両に搭載され、
    センサ部(00)は、速度センサ(10)と、車体ヨー角速度センサ(09)と、傾斜角センサ(11)と、車体左右振動加速度センサ(12)と、まくらばねロール角センサ(13)とから構成され、
    演算・記憶部(20)は、曲率演算部(21)と、カント演算部(22)と、記憶部(23)とを具備し、
    曲率演算部(21)は、車体ヨー角速度センサ(09)からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ(10)からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
    カント演算部は(22)は、この曲率ρと、傾斜角センサ(11)からの振り子式車両における台車枠(6)に対する傾斜はり(4)の傾斜角φt(rad)と、車体左右振動加速度センサ(12)からの車体左右定常加速度A(m/s2 )と、まくらばねロール角センサ(13)からのまくらばねロール角φa(rad)とが入力されたときには、式(2)よりカントCを演算して出力し、
    C=(ρV2 −(A−g(φa−φt))/(1+q1))G/g(m)・・(2)
    但し、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
    記憶部(23)は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する
    鉄道軌道の曲線形状データ取得装置。
  3. 演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とから構成される鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、
    演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とは、通常(非振り子式)車両に搭載され、
    センサ部(00)は、速度センサ(10)と、車体ヨー角速度センサ(09)と、車体左右振動加速度センサ(12)とから構成され、
    演算・記憶部(20)は、曲率演算部(21)と、カント演算部(22)と、記憶部(23)とを具備し、
    曲率演算部(21)は、車体ヨー角速度センサ(09)からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ(10)からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
    カント演算部は(22)は、車体(2)の傾斜角φt(rad)=0として、この曲率ρと、車体左右振動加速度センサ(12)からの車体左右定常加速度A(m/S2 )とが入力されたときには、式(1)よりカントCを演算して出力し、
    C=(ρV2 −(A+g(1+q2)φt)/(1+q))G/g(m)・・(1)
    但し、q2はまくらばねによる付加係数であり、該q2はF2Mg(F2はまくらばねによる車体の角変位)、qはばねによる付加係数でq1+q2、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
    記憶部(23)は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する
    鉄道軌道の曲線形状データ取得装置。
  4. 演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とから構成される鉄道軌道の曲線形状データ取得装置であって、
    演算・記憶部(20)と、センサ部(00)とは、通常(非振り子式)車両に搭載され、
    センサ部(00)は、速度センサ(10)と、車体ヨー角速度センサ(09)と、車体左右振動加速度センサ(12)と、まくらばねロール角センサ(13)とから構成され、
    演算・記憶部(20)は、曲率演算部(21)と、カント演算部(22)と、記憶部(23)とを具備し、
    曲率演算部(21)は、車体ヨー角速度センサ(09)からの車体ヨー角速度θ(rad/s)と、速度センサ(10)からの車速度V(m/s)とが入力されたときには、曲率ρを式 ρ=θ/V(1/m) より求めて出力し、
    カント演算部は(22)は、車体(2)の傾斜角φt(rad)=0として、この曲率ρと、車体左右振動加速度センサ(12)からの車体左右定常加速度A(m/s2 )と、まくらばねロール角センサ(13)からのまくらばねロール角φa(rad)とが入力されたときには、式(2)よりカントCを演算して出力し、
    C=(ρV2 −(A−g(φa一φt))/(1+q1))G/g(m)・・(2)
    但し、q1は軸ばねによる付加係数であり、該q1はF1Mg(F1は軸ばねによる車体の角変位、Mは車体の質量、gは重力加速度)、Gは軌間、gは重力加速度である。
    記憶部(23)は、位置に対応した鉄道軌道(1)の曲率ρ及びカントCのデータを記憶する
    鉄道軌道の曲線形状データ取得装置。
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