JP3719824B2 - グラウトの比率制御装置 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラウトの比率制御装置に関するもので、さらに詳しくは、土木工事における地質改良、地盤改良、岩盤補強、地中杭構築などに使用されるグラウト注入装置において、複数種類のグラウトを混合して濃度の調整をする場合や硬化時間の調整をする場合などに用いられるグラウトの比率制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木工事において、地質改良、地盤改良、岩盤補強、地中杭構築などのため地中に、セメントミルク、水ガラス、粘土またはこれらの混合物からなるグラウトが注入される。このグラウトは、地山、地盤、岩盤などの多様な地質構造の変化や作業工程などに応じて適切な圧力・流量で注入されるべきことは勿論であるが、注入すべきグラウトの濃度や硬化時間もまた適切に計画し、管理、施工されることが要求される。
【0003】
従来のグラウト注入工法においては、あらかじめボーリングなどによって、注入の対象となる地山、地盤、岩盤などの平均的な性質を把握するか、または類似の施工例の実績値を参照して、注入すべきグラウトの濃度や硬化時間を調整して注入施工を行っている。さらに、注入深度・注入工程に応じてグラウトの濃度や硬化時間を調整することも行われている。
【0004】
例えば、ダム土木工事における地盤改良では、最初は、濃度の低いグラウトを注入し、段階的に濃度の高いものへ切り換えてゆく。また、都市土木工事において、水ガラス主体のグラウト注入を行う場合には、硬化剤、促進剤などを含む混合液の量を変更して硬化時間の長いものから短いものへ切り換えてゆく。
【0005】
このようなグラウトの注入において、従来のグラウトの濃度や硬化時間の調整は、1バッチ単位でA液(例えば、グラウト原料)とB液(例えば、濃度や硬化時間の調整のためのB液)の量を目的に応じて算出して計量し、混合、撹拌して圧送するかまたは供給槽に蓄える方法であった(例えば、特公昭63−46207号)。
【0006】
グラウト注入工事において、地山の性質は、同一施工現場であっても注入孔の位置が異なれば変化するのが当然であるが、同一注入孔においても深度が異なれば多様に変化し、そのため注入するグラウトの浸透状態は変化し、適切なグラウトの濃度や硬化時間も注入工程の進捗に応じて刻々と変化させることが必要である。
【0007】
従来のダム建設工事における地盤改良グラウト注入工事においては、適切なグラウトの比率制御装置が提供されていないために、個々の注入孔における地山の性質の変化に関わりなく、全ての注入孔について同一の基準に基づき、注入深度に応じた段階的な変化を与えて注入施工がなされている。
【0008】
以上のようなバッチ方式を、図5に基づきさらに詳しく説明する。
なお、図5において、実際にはホッパー1から掘削機13までに至る流路には、セメント、希釈液5および生成されたグラウトの調整やバッチ処理制御のため、弁類などが何個所かに設けられているが、説明を簡単にするため、それらを省略して図示しており、後述の図1においても同様である。
【0009】
ホッパー1には、グラウトA液を生成するためのセメントなどの原料が貯蔵され、このホッパー1から生成すべきグラウト濃度や硬化時間に応じた量の原料がコンベア2を介して計量槽3に供給される。
規定量の原料が計量槽3からさらに撹拌槽4に供給され、水などの希釈液5を撹拌槽4の規定レベルまで供給して撹拌機6を運転して十分に撹拌する。
このようにして、撹拌槽4内に、注入すべき規定濃度または規定硬化時間のグラウトが1バッチ分量だけ生成される。
【0010】
生成されたグラウトは、撹拌槽4からバッファータンク7に送られ、さらに注入ポンプ8によって掘削機13に圧送され、掘削パイプ14を介して地山15の規定深度の位置16から注入されて地山の地盤や岩盤などの内部に浸透する。
バッファータンク7内のグラウトは、自動戻り弁9からの戻り液の循環で撹拌することが多い。しかし、タンク容量によっては、別途に撹拌機を設けて行うこともある。
図5中、自動戻り弁9、流量検出器10、圧力検出器11および流量圧力調節器12は、地山15の状態に応じて注入圧力や流量を管理したり、制御するための機器である。
【0011】
前記したバッチ方式の他に、グラウトの濃度や硬化時間を任意に調整して適切な注入施工を行うべく、A液用とB液用の独立して駆動する2台のポンプを使用して調整する方法が試みられている。
この方式は、グラウトA液の流量を測定し、かつ、希望するグラウトの濃度や硬化時間に応じた比率係数を演算によって求めて、グラウトB液ポンプの流量制御装置に与え、両液を混合、撹拌して希望のグラウトを生成する方法である。
【0012】
さらに、図6に示すように、2台のポンプ17、27を連動して調整する方法が試みられている。
これは、2台のポンプ17、27のピストンロッド43、53間を比率調整棒21で連結し、支点25を所定の位置に移動調整することにより、比率m:nに対応したストロークが得られるようにしたもので、各ポンプ17、27は、調整されたピストンストロークに対応して所定量のA液とB液を吐出して、希望する濃度または硬化時間のグラウトが得られるものである。ポンプ17、27の運転速度を変えれば、A液とB液の比率を変えずに合計した総量だけが変えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバッチ方式のグラウト濃度調整方法では、必要に応じてきめ細かく適切な濃度に調整したグラウトを必要量だけ供給することが困難であり、理想的なグラウト注入施工を行うことはできなかった。
【0014】
グラウトA液用とB液用の2台のポンプを設ける方式において、それぞれ個別に運転速度の調整をする方法は、追随性および現場における取り扱いに難点がある上、任意に連続的な濃度値が得にくく、さらには濃度調整後のグラウト吐出流量を一定または必要量に制御することが困難であり、グラウト注入工法として普及するには至っていない。
【0015】
また、連動する2台のポンプ方式においては、原理的には公知の技術を応用して実現することが可能であるが、支点25の移動調整機構が、強度上においても、構造的にも極めて複雑で、しかも、操作性が悪く、普及していないのが現状である。
【0016】
本発明の第1の目的は、土木工事のグラウト注入施工において、取り扱いが簡便、容易で、さらに注入孔へのグラウトの連続供給を止めることなく、グラウトの濃度や硬化時間を任意に調整することのできる安価なグラウトの比率制御装置を提供することにある。
【0017】
本発明の第2の目的は、グラウトを同一注入孔へ注入する過程において、注入工程を中断することなく連続的にきめ細かくグラウトの濃度や硬化時間の調整が可能であり、注入工程の進捗状態および対象となる地山、岩盤の性状変化に応じて、その時々に応じた最適のグラウトを理想的に注入し得るグラウトの比率制御装置を提供することである。
【0018】
本発明の第3の目的は、グラウトの濃度や硬化時間の設定値を任意に変更してもグラウト生成量に変化を与えず、またグラウト生成量を任意に変更しても設定したグラウトの濃度や硬化時間に影響を与えない簡便なグラウトの比率制御装置を提供することにある。
【0019】
本発明の第4の目的は、グラウトの濃度や硬化時間および生成量を、任意、連続的に、簡便、容易に変更可能とすることにより、グラウト注入工事における施工労務の負担を軽減し、省力化を図るグラウトの比率制御装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、グラウトA液系統とグラウトB液系統との少なくとも2系統を有し、各系統に挿入されたポンプから吐出された液体を混合して所定の比率のグラウトを得るようにしたグラウトの比率制御装置において、前記各系統のポンプに、吐出流量を制御する制御回路を結合し、この制御回路は、前記各系統のポンプをそれぞれ駆動するポンプモータに、速度制御するためのモータインバータをそれぞれ結合し、これらモータインバータに、ポテンシオメータからなる流量設定信号出力手段をそれぞれ結合し、このポテンシオメータは、それぞれの摺動子が機械的に連動して、同一の操作ノブで同時に作動するように構成し、これらのポテンシオメータがそれぞれ対応する各ポンプのモータインバータに独立して流量設定信号を与えるようにしたことを特徴とするグラウトの比率制御装置である。
【0021】
グラウト注入工事に使用されるポンプがプランジャー形式であり、吐出圧力の脈動は大きいが、ポンプの運転速度と吐出流量は比例関係にあり、吐出量を測定しなくても運転速度を制御、管理することにより吐出流量の管理が可能であることに着目し、A液用とB液用の2台のポンプを用意し、連動して運転速度を調整することにより、任意の濃度や硬化時間のグラウトを任意の必要量だけ得ることができる。
【0022】
A液用とB液用の各ポンプの駆動機には、モータインバータによって速度制御される3相誘導電動機を採用する。モータインバータへの速度指令信号は、機械的に連動するポテンシオメータから、直接出力するかまたは他の電気信号に変換して出力する。各ポテンシオメータは、A液とB液の比率を1個の操作ノブで調整できるように、操作ノブの同一操作方向に対して電気抵抗値の増減が互いに逆となる接続をして、各系統の吐出量の増減方向が、互いに逆となるようにする。
【0023】
A液とB液の吐出量は、直接測定することなく、モータインバータによるポンプの運転速度を管理することにより行い、ポンプの吐出量測定を省いても流量測定を行ったと同等以上の効果、性能が得られる。
【0024】
各ポテンシオメータに与える速度設定用の基準電圧を、同時に変更できる回路構成を採用し、予め設定したグラウトの濃度や硬化時間に関わるA液とB液の吐出比率に影響を与えることなく、グラウト生成量を容易に調整することを可能としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるグラウトの比率制御装置の実施例を図1ないし図4に基づき説明する。
図1は、本発明によるグラウトの比率制御装置全体の説明図である。この図1では、説明を簡単にするため、グラウトA液系統19とグラウトB液系統29とをそれぞれ1系統ずつで構成する場合について図示したが、後述するように各系統19、29は、1系統ずつに限定されるものではない。
【0026】
本発明における比率調整には、少なくともグラウトの濃度を調整する場合と、硬化時間を調整する場合とを含む。
グラウトの濃度を調整する場合において、グラウトA液とは、例えば、注入すべきグラウトの濃度より充分高く、かつ、一定濃度に調整されたものをいい、また、グラウトB液とは、前記グラウトA液を希釈するためのもので、注入すべきグラウトの濃度より低く、かつ、一定濃度に調整されたものをいい、このグラウトB液には、水なども希釈液に含むものとする。
グラウトの硬化時間を調整する場合において、グラウトA液とは、グラウトの主剤をいい、また、グラウトB液とは、硬化剤、促進剤などを含むものをいう。なお、硬化時間を調整する場合において、硬化時間が充分長い(数時間から1日以上)場合には、図1に示すように、バッファータンクでA液とB液を混合してから地盤へ圧送する方法が採用されるが、硬化時間が充分短い(数10分から数時間以内)場合には、図4に示すように、掘削パイプ14の先端から地盤へ注入する直前に混合される方法が採用される。
【0027】
以下、図1に示す装置により、グラウトの濃度を調整する場合を例として説明すると、グラウトA液系統19においては、ホッパー1からのセメントなどの原料が、コンベア2を介して計量槽3に供給されて計量され、または、水ガラスなどは別の手段によって、A液撹拌槽4に送られる。このA液撹拌槽4には、また、規定量の水などの希釈液5が加えられて、撹拌機6で撹拌され、注入すべきグラウトの濃度より充分高く、かつ、規定濃度を保って保有される。
【0028】
グラウトB液系統29では、図示されていないホッパーからまたはグラウトA液系統19のホッパー1からの原料が、コンベア22を介して計量槽23に供給されて計量され、B液撹拌槽24に送られる。このB液撹拌槽24には、また、規定量の水などの希釈液5が加えられて、撹拌機26で撹拌され、注入すべきグラウトの濃度より充分低く、かつ、規定濃度を保って保有される。
説明を簡単にするため、両系統19、29とも供給原料が1種類の場合としたが、この供給原料は、1種類に限定されるものではなく、供給手段もホッパー、コンベアを必ずしも必要とするものではなく、また、他の薬剤、薬液などを併せて供給する場合であってもよい。
【0029】
図1において、グラウトA液系統19に挿入されたグラウトA液ポンプ18と、グラウトB液系統29に挿入されたグラウトB液ポンプ28は、それぞれ連動して制御されるように、後述の制御装置20に結合されている。これらのポンプ18、28には、グラウトを圧送するため、例えば、プランジャーポンプが用いられる。
前記グラウトA液系統19のA液撹拌槽4と、グラウトB液系統29のB液撹拌槽24のそれぞれに、規定濃度のグラウトA液と、グラウトB液が保有されている状態で、グラウトA液ポンプ18とグラウトB液ポンプ28とを同時に運転して両液をバッファータンク7に送り込んで撹拌すれば、両液の供給量比率、すなわち、運転速度比に応じた濃度のグラウトが生成される。両ポンプ18、28の運転速度比を変更すれば、異なる濃度のグラウトが生成できる。
【0030】
そこで、本発明では、グラウトA液ポンプ18とグラウトB液ポンプ28の運転速度を、制御回路20により連動して同時に制御を行い、かつ、速度変更する場合に、それぞれの運転速度の増減方向が逆方向となるよう、任意、随時に運転速度の変更を可能とし、簡便、用意に任意濃度のグラウトを生成することができるグラウトの比率制御装置を提供するものである。
【0031】
図2は、前記制御回路20の詳細を示すもので、グラウトA液用モータインバータ35の入力端子33には、流量設定信号出力手段としてのポテンシオメータ31が結合され、また、出力端子34には、3相誘導電動機からなるグラウトA液ポンプモータ36が結合され、このポンプモータ36により前記グラウトA液ポンプ18が駆動されるようになっている。
同様に、グラウトB液用モータインバータ45の入力端子43には、流量設定信号出力手段としてのポテンシオメータ41が結合され、また、出力端子44には、3相誘導電動機からなるグラウトB液ポンプモータ46が結合され、このポンプモータ46により前記グラウトB液ポンプ28が駆動されるようになっている。前記ポテンシオメータ31、41とモータインバータ35、45の間に、図示しない抵抗/電圧変換器、抵抗/電流変換器などが介在するものであってもよい。
【0032】
前記A液ポンプモータ36とB液ポンプモータ46は、それぞれに対応するポテンシオメータ31、41から運転速度設定信号(流量設定信号)が与えられると、対応するモータインバータ35、45の出力周波数が変化し、それに応じて可変速運転する。
【0033】
前記ポテンシオメータ31、41は、機械的に連動しており、一方のポテンシオメータ31の摺動子32を図2中で時計回りの方向、すなわち、端子aから端子b側に摺動すれば、同時に他方のポテンシオメータ41の摺動子42も端子aから端子b側に摺動するように構成されている。
前記両ポテンシオメータ31、41の固定端子a、b間には、それぞれ直流基準電源30、40が接続されるが、一方のポテンシオメータ31では、固定端子b側にプラス(+)、固定端子a側にマイナス(−)が印加されるように接続され、また、他方のポテンシオメータ41では、その逆に固定端子a側にプラス(+)、固定端子b側にマイナス(−)が印加されるように接続されている。
すなわち、連動しているポテンシオメータ31、41の操作ノブを、それぞれの摺動子32、42が、図中で時計回りに摺動するよう操作すれば、A液用モータインバータ35に速度信号を与えるポテンシオメータ31の摺動端子cの電圧は、プラス側へ上昇し、逆に、B液用インバータ45に速度信号を与えるポテンシオメータ41の摺動端子cの電圧は、マイナス側へ下降する。
【0034】
前記各モータインバータ35、45は、速度信号電圧が上昇すればモータの速度も上昇し、信号電圧が下降すればモータの速度も下降する方向に周波数出力を発するものとする。また、両ポテンシオメータ31、41に共通の操作ノブを、それぞれの摺動子32、42が時計回りに動くよう操作すれば、A液ポンプメータ36の運転速度は上昇し、B液ポンプメータ46の運転速度は下降する。
そして、それぞれのポテンシオメータ31、41は、同じ直線特性であり、与えられている基準電圧が同じ値であるとすれば、それぞれの摺動子32、42が端子a、b間の中間抵抗値になる位置に至ったときに、同じ値の速度信号電圧を発し、それぞれのポンプモータ36、46は、同じ速度で運転をすることになる。ただし、両モータインバータ35、45の入出力特性が同じであり、両モータ36、46の極数も同じであるとする。
【0035】
以上の説明では、2個のポテンシオメータ31、41が機械的に連動して同一方向に回転する操作ノブを持つものとして説明したが、2個のポテンシオメータ31、41が同一の回転軸を共有する構造のものであっても、異なる回転軸を歯車、リンクなどによって連動させる構造のものであっても、直線スライドするものであってもよい。
【0036】
また、連動する2個のポテンシオメータ31、41の回転方向が同一方向ではなく、逆方向である場合には、印加する基準電圧の極性を考慮して一方のポテンシオメータによる設定信号電圧が他方と逆になる接続をすればよい。
【0037】
さらに、前記実施例では、各系統19、29のポテンシオメータ31、41は、操作ノブによる同一操作方向に対して電気抵抗値の増減が互いに逆となる接続をして、各系統19、29のポンプ吐出流量の増減方向が、互いに逆となるようにしたが、これに限られるものではなく、各系統19、29のポテンシオメータ31、41は、操作ノブによる同一操作方向に対して電気抵抗値の増減が互いに同一となる接続をし、一方のポテンシオメータ31の吐出量設定信号に対して他方のポテンシオメータ41を反転して出力することにより各系統19、29のポンプ吐出流量の増減方向が、互いに逆となるようにすることもできる。
【0038】
さらにまた、ポテンシオメータ31、41の操作の動きは、回転運動に限らず、前述のように直線運動であってもよく、また、本発明のグラウトの比率制御装置に使用するポテンシオメータの数も2個に限定されるものではなく、複数個を機械的に連動させ、少なくともそのうちの1個以上が、共有する操作ノブの同一操作方向に操作したとき、出力の増減方向が他と異なる方向であればよい。
【0039】
このようにして、複数のポンプモータ36、46の運転速度を、機械的に連動した複数のポテンシオメータ31、41に共通する1個の操作ノブを任意に動かすことにより、少なくともそのうちの1台をその他と増減の方向が逆になるように、同時に変化させることができる。
各ポンプ18、28から吐出されるグラウトA液量とグラウトB液量の比率は、モータインバータ35、45に与える速度信号電圧の比率、すなわちポンプ18、28の運転速度の比率であり、それらの吐出液を混合して撹拌することにより、希望する任意濃度のグラウトを生成することができる。
【0040】
図3は、グラウト濃度を設定するための流量設定信号出力手段である2個のポテンシオメータ31、41の機能を説明する図であり、横軸は、左端子aを反時計回り端部、右端子bを時計回り端部とする運転速度比率の軸であり、縦軸は、グラウトA液およびグラウトB液のポンプ運転速度設定電圧V、すなわち両ポンプ18、28の吐出量を示す軸である。
なお、説明を簡単にするため、両ポンプ18、28の運転速度と吐出量の関係は同一であるとする。
【0041】
図3における縦軸のポンプ18、28の設定速度は、各ポンプ18、28の吐出量と考えてもよく、グラウトA液は、ノブの操作位置の左端子aで零、右端子bで最大量であり、B液は、左端子aで最大量、右端子bで零である。
操作の中間位置では、A液とB液が等量であり、2液を等量混合した時の濃度のグラウトが生成される。
図3における実線特性線A、Bからも明らかなように、A、B両液を混合して生成されるグラウトの濃度は、ポテンシオメータ31、41の共通ノブを設定する位置によって、低濃度液の濃度から高濃度液の濃度の間で任意に得ることができる。
【0042】
この図3において、両ポンプ18、28の最大吐出量が同じであるものを選ぶことにより、横軸の操作ノブの位置をどこにとっても、両液の合計量Tは一定であり変化しない。そのため、設定する濃度値に関わりなく生成するグラウトの総量は一定であり、濃度設定を変更する毎に生成すべきグラウト量の補正を行う必要がない。
【0043】
前記各系統19、29のポテンシオメータ31、41に印加される基準電圧Vを任意に変更する手段を具備せしめることにより、2個のポテンシオメータ31、41に与える基準電圧Vを個別に調整して左右端子a、b間におけるA液またはB液の最大値を変更し、ポンプ18、28の特性に合わせた生成濃度範囲を決めることも可能である。
例えば、図3において、A液の最大値をVa1、Bの最大値をVb1のように異なる値を与えたとすれば、A、B両液は、それぞれ点線特性線で示すように、A1、B1のように変化し、両液の合計量は、T1のように濃度設定比率を変更する毎に生成すべきグラウト量も変化する。
また、2個のポテンシオメータ31、41に与えた同じ基準電圧V2を一体に調整すれば、A液とB液の吐出・混合比率を変えることなく、生成される両液の合計量T2を任意に変更し、必要な濃度のグラウトを、必要な時に必要なだけ生成することが可能である。
【0044】
図1に示した実施例では、グラウトB液系統29に保有するグラウトB液は、グラウトの低濃度液としたが、水などの希釈液5のみであることもあり、この場合、コンベア22、計量槽23および低濃度撹拌槽24は不要である。
【0045】
つぎに、グラウトの硬化時間を調整する場合を例として説明する。
グラウトA液は、例えば主剤(シリカゾルなど)に水を加えたものとし、また、グラウトB液は、例えば硬化剤、促進剤、助剤、水を加えたものとする。
これらのA液とB液との混合割合を上記した方法と同様にして調整することにより、硬化時間を調整することができる。この場合において、硬化時間が充分長い(数時間から数日以上)場合には、図1に示すように、バッファータンクでA液とB液を混合してから地盤へ圧送する方法が採用される。
しかし、硬化時間が充分短い(数10分から数時間以内)場合には、バッファータンクや途中の流路で固結するおそれがあるので、図4に示すように、2重管を用い、A液は、A液流路37を通って送り出され、B液は、B液流路38を通って送り出され、掘削パイプ16の先端から地盤へ注入する直前に混合される方法が採用される。
【0046】
前記実施例では、グラウトA液系統19とグラウトB液系統29とをそれぞれ1系統ずつで構成する場合、すなわち、A液撹拌槽4およびB液撹拌槽24には、それぞれ濃度や配合比が予め一定のものとして設定されたA液とB液が収納されているものとしたが、このような固定的な場合に限られるものではなく、A液撹拌槽4および/またはB液撹拌槽24の前段および/または後段においても、濃度や硬化時間の調整をするために本発明による比率調整装置を介在してもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、グラウトA液系統とグラウトB液系統との少なくとも2系統のポンプに、吐出流量を制御する制御回路を結合し、この制御回路は、各系統のポンプをそれぞれ駆動するポンプモータに、速度制御するためのモータインバータをそれぞれ結合し、これらモータインバータに、流量設定信号出力手段としてのポテンシオメータをそれぞれ結合し、それぞれのポテンシオメータを互いに逆動作するように連動せしめた。そのため、土木工事のグラウト注入施工における取り扱いが簡便、かつ、容易で、さらに注入孔へのグラウトの連続供給を止めることなく、グラウトの濃度や硬化時間を任意に調整可能で、しかも安価なグラウトの比率制御装置を提供することができる。
【0048】
グラウトの注入工程が進捗中であっても、注入対象である地山、土質の性質の変化に応じて、任意に、連続的に刻々と最適濃度、最適硬化時間のグラウトを必要量だけ生成、供給することができる。
【0049】
グラウトの濃度や硬化時間の設定は、共通する1個の操作ノブを任意の位置に動かすだけでよく、さらに、同じ最大吐出量のポンプを選べば、設定値を任意に変更しても生成されるグラウト総量に影響を与えないので、生成量補正操作などの必要がなく、高度な技術、熟練を必要とせず、取り扱いが極めて簡便であり、グラウト注入工事従事者の負担を軽減することができる。
【0050】
本発明によるグラウトの比率制御装置は、構成機器の点数が少なく単純であり、一方の流体の流量を測定し、設定した比率係数をその値に乗じて他方の流量を演算設定して流量調節する公知の技術による濃度調節法に比べて極めて安価に装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグラウトの比率制御装置の一実施例を示す全体の説明図である。
【図2】本発明による制御回路のブロック図である。
【図3】本発明のグラウトの比率制御装置における2個のポテンシオメータの機能の説明図である。
【図4】本発明によるグラウトの比率制御装置の他の実施例を示す説明図である。
【図5】従来のバッチ方式によるグラウト注入工法の説明図である。
【図6】従来の比例制御によるグラウト注入工法の説明図である。
【符号の説明】
1…ホッパー、2…コンベア、3…計量槽、4…A液撹拌槽、5…希釈液、6…撹拌機、7…バッファータンク、8…注入ポンプ、9…自動戻り弁、10…流量検出器、11…圧力検出器、12…流量・圧力調節器、13…掘削機、14…掘削パイプ、15…地山、16…規定深度の位置、17…A液プランジャーポンプ、18…グラウトA液ポンプ、19…グラウトA液系統、20…制御回路、21…比率調整棒、22…コンベア、23…計量槽、24…B液撹拌槽、25…支点、27…B液プランジャーポンプ、28…グラウトB液ポンプ、29…グラウトB液系統、30…電源、31…ポテンシオメータ、32…摺動子、33…入力端子、34…出力端子、35…グラウトA液用モータインバータ、36…グラウトA液ポンプモータ、37…A液流路、38…B液流路、40…電源、41…ポテンシオメータ、42…摺動子、43…ピストンロッド、44…出力端子、45…グラウトB液用モータインバータ、46…グラウトB液ポンプモータ、53…ピストンロッド。

Claims (5)

  1. グラウトA液系統とグラウトB液系統との少なくとも2系統を有し、各系統に挿入されたポンプから吐出された液体を混合して所定の比率のグラウトを得るようにしたグラウトの比率制御装置において、前記各系統のポンプに、吐出流量を制御する制御回路を結合し、この制御回路は、前記各系統のポンプをそれぞれ駆動するポンプモータに、速度制御するためのモータインバータをそれぞれ結合し、これらモータインバータに、流量設定信号出力手段をそれぞれ結合し、それぞれの流量設定信号出力手段を互いに逆動作するように連動せしめてなることを特徴とするグラウトの比率制御装置。
  2. 各系統の流量設定信号出力手段は、ポテンシオメータからなり、このポテンシオメータは、それぞれの摺動子が機械的に連動して、同一の操作ノブで同時に作動するように構成し、これらのポテンシオメータがそれぞれ対応する各ポンプのモータインバータに独立して流量設定信号を与えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のグラウトの比率制御装置。
  3. 各系統の流量設定信号出力手段は、ポテンシオメータからなり、このポテンシオメータは、それぞれの摺動子が機械的に連動して、同一の操作ノブで同時に作動するように構成し、これらのポテンシオメータがそれぞれ対応する各ポンプのモータインバータに独立して流量設定信号を与え、かつ、操作ノブによる同一操作方向に対して電気抵抗値の増減が互いに逆となる接続をして、各系統のポンプ吐出流量の増減方向が、互いに逆となるようにしたことを特徴とする請求項1記載のグラウトの比率制御装置。
  4. 各系統の流量設定信号出力手段は、ポテンシオメータからなり、このポテンシオメータは、それぞれの摺動子が機械的に連動して、同一の操作ノブで同時に作動するように構成し、これらのポテンシオメータがそれぞれ対応する各ポンプのモータインバータに独立して流量設定信号を与え、かつ、操作ノブによる同一操作方向に対して電気抵抗値の増減が互いに同一となる接続をし、一方のポテンシオメータの吐出量設定信号に対して他方を反転して出力することにより各系統のポンプ吐出流量の増減方向が、互いに逆となるようにしたことを特徴とする請求項1記載のグラウトの比率制御装置。
  5. 各ポテンシオメータに与える基準電圧を、任意に変更する手段を具備してなることを特徴とする請求項2、3または4記載のグラウトの比率制御装置。
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