JP3719468B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧燃料を一種のサージタンクであるコモンレールに蓄圧し、この蓄圧された高圧燃料を電磁制御式のインジェクタから噴射するようにした蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高圧供給ポンプによってコモンレールに高圧燃料を加圧圧送して蓄圧し、この蓄圧された高圧燃料を電磁制御式のインジェクタに供給し、インジェクタから内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)に噴射する燃料噴射装置として、特開平5−133296号公報、特開平1−232161号公報に示されるものが知られている。
【0003】
特開平5−133296号公報および特開平1−232161号公報に開示されている燃料噴射装置は、噴孔を開閉する弁部材の反噴孔側に高圧燃料を導入する圧力制御室を有し、この圧力制御室と低圧側とを電磁二方弁で断続することにより、弁部材による噴孔の開閉を制御している。そして、電磁弁の可動部材と弁座としての非可動部材とが平面同士で密着することにより圧力制御室と低圧側との連通が遮断される構造である。シート部を平面状に加工することは、円錐状のシート面を有する可動部材および非可動部材のシート部の加工よりも容易である。また、シート面積を広くできるためシート部における摩耗が減少し、良好なシール性を維持できる。
【0004】
しかしながら、特開平5−133296号公報に開示されているものでは、圧力制御室の燃料圧力から可動部材のシート部が受ける力は電磁弁の開弁方向に作用するので可動部材を非可動部材に着座させるばね力が大きくなる。このため、このばね力に抗して非可動部材から可動部材を離座させる電磁弁の吸引力を増加する必要があるので電磁弁の体格が大きくなるという問題がある。
【0005】
また、特開平1−232161号公報に開示されているものでは、高圧燃料の圧力として500kg/cm2(約50MPa )程度を開示しているが、100MPa 以上の高圧燃料を切り換える電磁二方弁に用いるには、可動部材と非可動部材との接触面積を著しく大きくし過ぎると電磁弁の開弁方向に働く油圧荷重が大きくなるので実用上適さないと考えられる。また、可動部材の設定ストローク量が小さい場合や開弁直後の低ストローク時には可動部材と非可動部材との対向面積が大きいので流量係数が極めて小さくなることにより圧力損失が必要以上に大きくなり過ぎるという問題がある。このため、可動部材が非可動部材から離座しても開放圧力が十分に下がらなかったり、電磁弁に開弁信号が送出されたあとも実際に圧力が下がるまでに時間遅れが発生するという問題がある。さらに、燃料溝により可動部材を非可動部材から離座し易い構成にすることは、逆に言えば可動部材が非可動部材に着座するときに反発力となって働くので、着座時の可動部材の跳ね上がり低減効果は期待できない。また、可動部材と非可動部材との接触面積を開口面積に較べ著しく大きくすることによりインジェクタの径が大きくなるので、小型ディーゼルエンジンへの使用に適さない。
【0006】
本出願人は、このような問題を解決する燃料噴射装置を、特願平7−190464号明細書で開示している。この燃料噴射装置では、電磁弁の可動部材と非可動部材との密着領域内において燃料逃し通路を設けることにより、密着面積を小さくするとともに、シート面圧を上昇させることなく確実なシール性を確保している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願平7−190464号明細書に示される燃料噴射装置では、可動部材の表面に対して垂直方向に流速が大きい燃料が衝突するので、燃料中に異物(以下、「異物」をコンタミという)が混入している場合可動部材の表面が摩耗する。燃料中に混入したコンタミの中で粒径が約2μm以下の小さなものは、インジェクタに取り付けられた燃料フィルタを通り抜けインジェクタ内部に侵入可能である。コンタミの中でも硬い成分である砂すなわちセラミック系のものがインジェクタ内部に侵入すると可動部材を激しく摩耗させる。可動部材が摩耗するとこの摩耗部に侵入するコンタミにより非可動部材も摩耗する。特願平7−190464号明細書に示される燃料噴射装置のように可動部材と非可動部材との密着領域内において燃料逃し通路を設けたものではシート面積が小さくなっているので、シート部の摩耗により燃料のリーク量が増加しやすく、その結果燃料噴射特性が変化する。
【0008】
可動部材に鉄鋼を使用した場合、比較的に硬度が高い高速度工具鋼でもその硬度はHv=700〜800程度であるので、セラミック系コンタミの硬度がHv=1000〜2000なのに対し圧倒的に硬度が低い。したがって、セラミック系のコンタミによる可動部材の摩耗が大きくなるので耐久性が低下する。可動部材の摩耗が大きくなると、可動部材の摩耗部に浸入するコンタミにより非可動部材の摩耗も大きくなる。
【0009】
非可動部材とのシート部が平坦に形成され、回動自在に支持される球状部材を有する可動部材の場合、可動部材が非可動部材に着座するときに球状部材の傾きにより球状部材の平面部よりも平面部外周のエッジ部が先に非可動部材に衝突することがある。すると、球状部材のエッジ部あるいはエッジ部が衝突する非可動部材のシート部が極度に摩耗することにより、シート面積が減少しシート面圧が増加する。シート面圧が増加することにより、可動部材のシート部または非可動部材のシート部の摩耗または破損がさらに激しくなる。上記のように耐久性に劣る材質で可動部材および非可動部材を形成すると、使用中に燃料リーク量が著しく増加し、燃料噴射特性が大きく変化するという間題点がある。
【0010】
さらに、電磁弁の非可動部材に燃料逃し通路を設け、可動部材とのシート部の面積を小さくした場合、電磁弁閉弁時、あるいは閉弁直前の可動部材の低リフト時において、圧力制御室と低圧空間とを連通可能な連通路近傍の薄肉部が連通路内部の燃料圧力により変形し易く、破壊強度に対する信頼性が低いという問題がある。
【0011】
特開平5−99095号公報および特開平7−63135号公報に開示されている燃料噴射装置においては、噴孔を開閉する弁部材および弁座部の少なくとも一方の表面部分を耐摩耗性および耐食性を有する非導電性材料で形成するか、または少なくともいずれか一方に所定硬度の高硬度材皮膜を形成することによりシート部の耐久性を保持しようとしている。
【0012】
しかしながら、特開平5−99095号公報および特開平7−63135号公報に開示されている燃料噴射装置では、噴孔を開閉する弁部材と弁座部とは平面同士による密着ではなく、球面と円錐面、または円錐面と円錐面との当接である。したがって、平面加工をする場合に比べシート部の加工精度を向上させることが困難である。
【0013】
さらに、電磁弁の可動部材と非可動部材とのいずれか一方あるいは両方のシート部に所定硬度の高硬度材皮膜を形成した場合、例えば皮膜の蒸着方向に対して平行な面のように、皮膜の膜厚の不均一な箇所があると燃料の流れを妨げ、皮膜が燃料の流れにより剥離し易いという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、燃料リーク量を低減し小型化可能で加工が容易であり、高い耐久性を有する燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1、2または7記載の燃料噴射装置によると、圧力制御室の燃料から電磁弁の可動部材が開弁方向に受ける力を小さくでき、シート面圧を上昇させることなく確実なシール性が確保できる。したがって、可動部材を閉弁方向に付勢する付勢力を小さくすることが可能となるので、この付勢力に抗して可動部材を吸引する電磁弁の磁力を低減できる。以上の作用によりシート部の耐久性が向上するとともに電磁弁のソレノイド部分を小型化可能である。
【0015】
また、電磁弁閉弁時の高圧燃料のシール性が向上すると高圧燃料のリーク量が減少するため、本発明を採用することによってコモンレールに高圧燃料を供給する高圧ポンプの負荷を軽減し、駆動トルクを低下できるので高圧ポンプの小型化が可能となる。
また、可動部材のシート部を耐摩耗性を有する材質で形成することにより、平面弁座との衝突による可動部材の摩耗を低減できる。さらに、燃料中に混入している硬度の高いセラミック系のコンタミが可動部材に衝突しても可動部材の摩耗量を低減できる。したがって、シート面積が減少してシート面圧が増加することを防止できるので、燃料リーク量の増加を抑制し、燃料噴射特性を高精度に保持可能である。
【0016】
このように耐摩耗性に優れた材質として、TiN 、CrN 、DLC(Dimond Like Carbon) のいずれか一種による硬質皮膜か、あるいはセラミックまたは超硬合金を用いることが望ましい。
本発明の請求項記載の燃料噴射装置によると、可動部材に加え平面弁座のシート部を耐摩耗性を有する材質で形成することにより、可動部材との衝突による平面弁座の摩耗を低減できる。さらに、燃料中に混入しているコンタミによる平面弁座の摩耗を低減できる。
【0017】
本発明の請求項4または5記載の燃料噴射装置によると、圧力制御室の燃料から電磁弁の可動部材が開弁方向に受ける力を小さくでき、シート面圧を上昇させることなく確実なシール性が確保できる。したがって、可動部材を閉弁方向に付勢する付勢力を小さくすることが可能となるので、この付勢力に抗して可動部材を吸引する電磁弁の磁力を低減できる。以上の作用によりシート部分の耐久性が向上するとともに電磁弁のソレノイド部分を小型化可能である。
【0018】
また、電磁弁閉弁時の高圧燃料のシール性が向上すると高圧燃料のリーク量が減少するため、本発明を採用することによってコモンレールに高圧燃料を供給する高圧ポンプの負荷を軽減し、駆動トルクを低下できるので高圧ポンプの小型化が可能となる。
また、平面弁座の可動部材とのシート部を耐摩耗性を有する材質で形成することにより、可動部材との衝突による平面弁座の摩耗を低減できる。さらに、燃料中に混入しているコンタミによる平面弁座の摩耗を低減できる。したがって、シート面積が減少してシート面圧が増加することを防止できるので、燃料リーク量の増加を抑制し燃料噴射特性を高精度に保持可能である。
【0019】
本発明の請求項記載の燃料噴射装置によると、平面弁座と当接する球状部材が軸部材に回動自在に支持されることにより、球状部材の動きにより球状部材と平面弁座とが平面同士で良好に密着する。さらに、球状部材のシート部が耐摩耗性を有する材質で形成されているので球状部材の平面部外周が平面弁座と衝突しても球状部材の平面部外周が摩耗しにくいという効果がある。
【0020】
本発明の請求項8または9記載の燃料噴射装置によると、圧力制御室の燃料から電磁弁の可動部材が開弁方向に受ける力を小さくでき、シート面圧を上昇させることなく確実なシール性が確保できる。したがって、可動部材を閉弁方向に付勢する付勢力を小さくすることが可能となるので、この付勢力に抗して可動部材を吸引する電磁弁の磁力を低減できる。以上の作用によりシート部分の耐久性が向上するとともに電磁弁のソレノイド部分を小型化可能である。
【0021】
また、電磁弁閉弁時の高圧燃料のシール性が向上すると高圧燃料のリーク量が減少するため、本発明を採用することによってコモンレールに高圧燃料を供給する高圧ポンプの負荷を軽減し、駆動トルクを低下できるので高圧ポンプの小型化が可能となる。
また、可動部材と平面弁座との少なくともいずれか一方のシート部に耐摩耗性を有する皮膜を形成することにより、可動部材と平面弁座との衝突による可動部材あるいは平面弁座の摩耗を低減できる。さらに、燃料中に混入しているコンタミによる可動部材あるいは平面弁座の摩耗を低減できる。したがって、シート面積が減少してシート面圧が増加することを防止できるので、燃料リーク量の増加を抑制し燃料噴射特性を高精度に保持可能である。
【0022】
本発明の請求項10記載の燃料噴射装置によると、燃料逃し通路を有する部材のシート部に形成される皮膜と燃料逃し通路を形成する側壁に形成される皮膜とは膜厚が略同一であり連続するので、電磁弁開弁時の側壁近傍の燃料の流れを妨げることがなく、皮膜の剥離を防止することができる。
本発明の請求項11または12記載の燃料噴射装置によると、圧力制御室の燃料から電磁弁の可動部材が開弁方向に受ける力を小さくでき、シート面圧を上昇させることなく確実なシール性が確保できる。したがって、可動部材を閉弁方向に付勢する付勢力を小さくすることが可能となるので、この付勢力に抗して可動部材を吸引する電磁弁の磁力を低減できる。以上の作用によりシート部分の耐久性が向上するとともに電磁弁のソレノイド部分を小型化可能である。
【0023】
また、電磁弁閉弁時の高圧燃料のシール性が向上すると高圧燃料のリーク量が減少するため、本発明を採用することによってコモンレールに高圧燃料を供給する高圧ポンプの負荷を軽減し、駆動トルクを低下できるので高圧ポンプの小型化が可能となる。
また、燃料逃し通路を平面弁座に形成し、平面弁座の少なくとも連通路と燃料逃し通路との間に平面弁座よりも硬い材質で皮膜を形成することにより、連通路近傍の薄肉部の連通路内部の燃料圧力に対する破壊強度を向上することができる。したがって、連通路近傍の薄肉部が連通路内部の燃料圧力により変形するのを抑制し、破壊強度に対する信頼性を向上することができ、閉弁時のシール性をより確実なものとすることができる。
【0024】
本発明燃料噴射装置は、密着領域の少なくとも一部の最外縁が残留するように、燃料逃し通路が形成されることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による燃料噴射装置を図1〜図4に示す。
図3に示すインジェクタ1には、図示しないコモンレールで蓄圧された一定圧の高圧燃料が図示しない燃料配管を介して燃料フィルタ60を通って供給されている。
【0026】
インジェクタ1の噴孔側に設けられた噴射ノズル10のノズルボディ11には、噴孔11aを開閉するニードル弁20が往復移動可能に収容されている。ノズルボディ11およびインジェクタボディ13はパッキンチップ12を挟んでリテーニングナット14で結合されている。ニードル弁20の反噴孔側にはプレッシャピン21が配設されており、プレッシャピン21の反噴孔側にはプレッシャピン21に接触あるいは連結する制御ピストン22が配設されている。ニードル弁20、プレッシャピン21および制御ピストン22は、特許請求の範囲に記載した「弁部材」を構成している。プレッシャピン21はスプリング23内に貫挿されており、スプリング23はプレッシャピン21を図3の下方、つまり噴孔閉塞方向に付勢している。制御ピストン22の反噴孔側には圧力制御室61が設けられている。
【0027】
燃料フィルタ60とインジェクタボディ13の内周面との隙間は25μm程度に設定されており、この隙間に燃料を通すことで燃料中のコンタミを濾過する。燃料フィルタ60から導入された高圧燃料は、高圧燃料通路62と高圧燃料通路63に分岐する。高圧燃料通路62に分岐した高圧燃料はニードル弁20の周囲に環状に形成された燃料溜まり24に供給され、高圧燃料通路63に分岐した高圧燃料は圧力制御室61に供給されている。燃料溜まり24内の高圧燃料の圧力は図3の上方、つまり燃料溜まり24と噴孔11aとが連通するリフト方向にニードル弁20を付勢し、圧力制御室61内の高圧燃料の圧力は図3の下方、つまりニードル弁20が噴孔11aを閉塞する方向に制御ピストン22を付勢する。
【0028】
図4に示すように、高圧燃料通路63と圧力制御室61とは高圧燃料通路63から圧力制御室61への流入燃料量を規制する第1の絞り部としての第1の絞り孔65で連通されている。平面弁座としての平板プレート51には平板プレート51を軸方向に貫通し第1の絞り孔65よりも通路抵抗の小さい第2の絞り部としての第2の絞り孔66が形成されている。
【0029】
低圧燃料通路64は制御ピストン22およびニードル弁20の摺動クリアランスからのリーク燃料を回収するための燃料通路であり、低圧燃料室67に連通している。低圧燃料通路68は低圧燃料室67に連通し、インジェクタ内の余剰燃料を外部に排出するための通路である。低圧燃料通路64、低圧燃料室67および低圧燃料通路68は、特許請求の範囲に記載した「低圧空間」を構成している。
【0030】
電磁弁30は、圧力制御室61と低圧燃料室67とを断続する電磁二方弁であり、リーテーニングナット52とインジェクタボディ13との間に配設されている。電磁コイル32はコア31内に巻装されており、コネクタ33から電力が供給される。可動部材40はシャフト41、支持部材42、球状部材43およびプッシュロッド44からなり、シリンダ53に往復移動可能に支持されている。シャフト41の電磁コイル32側にはアーマチャ34が固定されている。シャフト41および支持部材42は特許請求の範囲に記載した「軸部材」を構成する。可動部材40のリフト量はスペーサ54の軸長を変更することにより調整できる。
【0031】
図1に示すように、シャフト41の先端部には円筒状に形成された支持部材42が圧入または溶接等で固定されている。支持部材42と球状部材43との間には数μmのクリアランスが形成されており、球状部材43はシャフト41の先端に形成された円錐状凹面41aと支持部材42の内壁とにより回動自在に組み付けられている。支持部材42の先端部をかしめることにより球状部材43は支持部材42からの脱落を防止されている。球状部材43は、セラミックまたは超硬合金の球の一部分に平面部43aが加工された構造になっている。
【0032】
シリンダ53とインジェクタボディ13との間には平板プレート51が挟持されている。平板プレート51には平板プレート51を軸方向に貫通する第2の絞り孔66が形成されており、圧力制御室61と低圧燃料室67とを連通可能である。図4に示す平板プレート51は、後述する環状溝等を省略している。
図2の(B)に示すように、平板プレート51は母材70の表面に硬質皮膜71をコーティングして形成されている。母材70には焼き戻し温度が500〜650℃と高い高速度工具鋼や高温戻しダイス鋼等を用いることが好ましい。母材70の球状部材43とのシート部にTiN 、CrN 、DLC 等の中から一種がコーティングされ硬質皮膜71を形成している。TiN 、CrN 、DLC の硬度範囲はHV=1000〜3000である。母材70を図2に示す形状に加工後、真空アーク放電を利用し、陰極に取り付けた皮膜材料を蒸気化またはイオン化して母材70上に皮膜を形成するイオンプレーティング法の一種であるAIP 法により硬質皮膜71が形成される。
【0033】
球状部材43をTiN 、CrN 、DLC 等の硬質皮膜でコーティングを施した鋼で構成することも可能であるし、平板プレート51をセラミックまたは超硬合金で形成することも可能である。
図1および図2に示すように、平板プレート51の球状部材43とのシート部には、第2の絞り孔66の開口周囲に環状の座面51aが形成されている。この環状座面51aの外周側に環状の溝が形成され、この環状溝により環状溝通路51bが形成されている。前記環状溝から径方向外側に向けて放射状に十字状の溝が形成されており、この十字状溝により燃料溝通路51cが形成されている。燃料溝通路51cの一端は環状溝通路51bと連通し燃料溝通路51cの他端は低圧燃料室67に連通している。環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cは、特許請求の範囲に記載した「燃料逃し通路」を構成している。環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cは球状部材43と平板プレート51との密着領域内に形成されており、球状部材43が平板プレート51に着座した状態においても低圧燃料室67と連通している。環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cにより扇状の座面51dが区切られている。
【0034】
座面51aと座面51dとの平面高さは同一高さに設定されており、電磁二方弁の閉弁時の球状部材43と平板プレート51との接触は、環状溝を挟んで内側および外側の両座面で行われる構成となっている。
座面51aの外周縁から径方向外側に向けてから環状溝通路51bの深さが次第に深くなるようにテーパ面72が形成されている。このような構成にしたのは次に述べる理由からである。
【0035】
圧力制御室61は100MPa 以上の高圧になるため、第2の絞り孔66近傍の座面51aには大きな力が加わり弾性変形してしまう可能性がある。第1実施例の如く、座面51aの外周縁に続いてテーパ面72を設け第2の絞り孔66近傍の径方向の肉厚を大きくとることによって、座面51aの変形を抑制し閉弁時のシール性をより確実にできる。
【0036】
球状部材43の平面部43aは座面51aと座面51dの一部とに着座可能であり、球状部材43が平板プレート51に着座すると第2の絞り孔66と環状溝通路51bとの連通が遮断される。
図1に示す各寸法の具体例を次に示す。平面部43aの直径D1 =1.6mm、球状部材43の直径D2 =2.0mm、第2の絞り孔66の径D3 =0.35mm、環状溝通路51bの内径D4 =0.5mm、環状溝通路51bの外径D5 =1.0mm、制御ピストン22の径D6 =4.5mmである。また、球状部材43の削り代=0.4mm、第1の絞り孔65の径=0.25mm、可動部材40のリフト量=0.12mmである。
【0037】
テーパ面を形成しない構成でシール性を確認した結果、圧力制御室内の燃料圧力が150MPa 程度まで良好なシール性を得るためには、第2の絞り孔周囲の径方向の座面の厚みが約0.2mm以上必要である。0.1mm程度であれば、本実施例のように環状の座面51aの外周縁からテーパ面72を設ける形状が有効となる。
【0038】
次に、燃料噴射装置の作動について説明する。
(1) 電磁コイル32への通電オフ時、スプリング45の付勢力によりプッシュロッド44が図3の下方に押下され、球状部材43が平板プレート51に着座する。図1に示す球状部材43の平面部43aが平板プレート51の座面51a、51dに当接することにより、圧力制御室61と低圧燃料室67との連通が遮断される。スプリング45のセット荷重は65Nに設定されており、インジェクタ使用時における圧力制御室61の最大圧力が150MPa になったときに可動部材40が開弁方向に受ける油圧荷重21.1Nよりも大きく設定されているので、コイル32への通電をオフした状態で可動部材40がリフトすることはない。
【0039】
制御ピストン22の受圧面積はニードル弁20の受圧面積よりも大きく、スプリング23の付勢力は噴孔閉塞方向に働いているので、圧力制御室61の燃料圧力から制御ピストン22が噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢力との和は、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20がリフト方向に受ける力よりも大きい。したがって、エンジン始動直後における高圧燃料通路62、63の圧力上昇速度が約25〜30MPa/sec 程度の状態においても、ニードル弁20により噴孔11aは閉塞され燃料噴射は行われない。
【0040】
(2) 電磁コイル32への通電をオンすると、コイル32に発生するアーマチャ34を吸引する電磁力は約100Nに設定されているので、この電磁力と圧力制御室61の燃料圧力から可動部材40が開弁方向に受ける力との和がスプリング45の付勢力よりも大きくなるので可動部材40が平板プレート51から離座する。球状部材43が平板プレート51から離座すると、第2の絞り孔66と低圧燃料室67とが連通し、第2の絞り孔66、低圧燃料室67、低圧燃料通路68、封止部材55に形成された燃料回収通路55aを経て圧力制御室61内の高圧燃料がインジェクタ1から排出される。第2の絞り孔66の通路抵抗は第1の絞り孔65の通路抵抗よりも小さいので、球状部材43が平板プレート51から離座し圧力制御室61と低圧燃料室67とが連通すると圧力制御室61の燃料圧力が低下する。圧力制御室61の燃料圧力が低下し、圧力制御室61の燃料圧力から制御ピストン22が噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢力との和が、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20がリフト方向に受ける力よりも小さくなると、ニードル弁20がリフトし、噴孔11aから燃料が噴射される。
【0041】
次に、燃料逃し通路の有無による燃料噴射装置の作用および効果の相違点について説明する。
図5の(A)は、圧力制御室61内の高圧燃料によって、球状部材43の平面部43aに作用する圧力分布を示したものであり、環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cがない場合と比較してその分布形態の違いを模式的に表したものである。図5の(B)は、第1実施例に用いた寸法諸元のものに対して、圧力分布の理論値を計算した結果である。さらに図6は、図5の圧力分布を受けた場合の平面部43aが開弁方向に受ける油圧荷重を平面部43a全域で積分して求めた値を示したものである。
【0042】
電磁弁30が閉弁し高圧燃料をシールしている場合、高圧燃料はある圧力分布をもって球状部材43と平板プレート51との密着平面内に回り込む。第1実施例では、この密着平面内に設けられた環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cが低圧燃料室67に連通していることにより、環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cは低圧燃料室67内の圧力(ドレン圧≒0)まで降圧する。したがってその圧力分布は、図5に示すように、第2の絞り孔66から環状溝通路51bまでをLOG関数でつないだ平行円盤間の隙間流れであらわされる周知の圧力分布を得る。
【0043】
一方、低圧燃料室67と連通する環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cが構成されていない従来のインジェクタの場合、図5の(B)に示した点線のように球状部材の平面部の外周縁部まで密着平面内の圧力がドレン圧にまで降圧しないため、上記圧力分布は半径方向に長い分布を有することになる。
図6より、燃料逃し通路が有る場合に電磁弁開弁方向に発生する油圧力は、燃料逃し通路がない場合に比較して70%以上も低減できることが分かる。このため、電磁弁閉弁方向に可動部材40を付勢するスプリング45の付勢力を小さくできるとともに、スプリング45の付勢力に抗して可動部材40をリフトさせる電磁コイル32の磁力も小さくできるので、電磁弁の体格を小型化できる。以上の効果は、球状部材の平面部43aと平板プレート51のいずれかを小径化することによっても得ることができる。ただし、平面部43aと平板プレート51のいずれかを小径化することにより電磁弁閉弁時のシート面積を極端に小さくすると、シート面圧が極端に上昇するため初期性能を得ることができても耐久性に問題が生じるので実用上適さない。
【0044】
また、電磁弁閉弁直前の状態における球状部材43と平板プレート51との間隔が極めて小さい場合においても、当然同様の効果が得られることは言うまでもない。さらには、低圧燃料室67に連通する環状溝通路51bおよび燃料溝通路51cは、第2の絞り孔66を中心にして十字状に延びる点対称位置に配設されているため、平面部43aに働く圧力分布も対称形となって分布する。すなわち、平面部43aの中心から径方向に向けて対称形の圧力分布を得ることができるので、電磁弁開閉弁時において球状部材43の傾きや偏心が発生しにくく、安定した開閉弁制御が可能となっている。
【0045】
さらに、円錐状凹面41aを有するシャフト41に球状凸面を有する球状部材43が回動自在に収容され、球状部材43の平面部43aが平板プレート51に着座する構成であるため、着座時の軸ずれを吸収でき、球状部材43により圧力制御室61と低圧側とを確実にシールできるとともに、電磁弁30の作動中に球状部材43が流体によって動くことがなく安定した制御をも可能とする。したがって、この構造は本実施例に示す球状部材のみに限定されて使用されるものでなく、例えばボール弁の先端形状に応用しても良好な結果が得られることは言うまでもない。
【0046】
次に、球状部材43および平板プレート51のシート部を耐摩耗性に優れた材質で形成したことによる第1実施例の効果を比較例と比較して説明する。図7、図8および図9に示す比較例は、球状部材101を軸受用鋼球(SUJ2)、平板プレート110を高速度工具鋼(SKH2)または炭素工具鋼(SK4F)で形成したものである。軸受用鋼球、高速度工具鋼および炭素工具鋼の硬度は、それぞれHV=700〜800である。第1実施例としては、球状部材43はセラミック(Si3N4)で形成し、平板プレート51は高速度工具鋼(SKH2)の母材70にTiN をコーティングして硬質皮膜を形成したものを用いる。TiN による硬質皮膜71の硬度はHV=2200〜2800である。
【0047】
球状部材および平板プレートのシート部の摩耗は、(1) 球状部材と平板プレートとの衝突、(2) 燃料中に混入したコンタミの衝突の二つの要因により発生する。
(1) 可動部材100が平板プレート110に着座する場合、球状部材101の平面部101aの中心が第2の絞り孔102の中心からずれていると、図7の(A)および図8の(A)に示すように、球状部材101が傾き平面部101aの外周縁部(以下、エッジという)101bが平板プレート110の平面部110aに衝突しやすい。その結果、図7の(B)に示すようにエッジ101bが摩耗する。すると、図7の(A)に示す摩耗前のシート径d1 に対し、図7の(B)に示す摩耗後のシート径d2 が小さくなる。
【0048】
また、平板プレート110の平面部110aもエッジ101bの衝突により、図8の(B)に示すようにえぐられるように摩耗する。すると、摩耗前の図8の(A)に示すシート径d1 に対し、摩耗後のシート径d3 が小さくなる。
シート径が小さくなるとシート面積が小さくなりシート面圧が上昇するので、球状部材101および平板プレート110のシート部の摩耗が加速度的に進行する。また、球状部材101および平板プレート110のシート部が衝突時の衝撃により疲労破壊を起こしやすい状態になる。
【0049】
(2) 球状部材101および平板プレート110は燃料中に混入したコンタミによっても摩耗する。自動車の燃料タンク中には、燃料の補給時あるいは配管接続部の取り外しによって混入した砂に代表されるセラミック系のコンタミが存在する。これらの平均的な硬度は約Hv=1000〜2000と非常に硬い。これらコンタミの中で、インジェクタに取り付けた燃料フィルタの25μmの隙間を通過可能な粒径の小さいものはインジェンタの内部に侵入する。図9の(A)に示すように、コンタミが高圧燃料とともに球状部材101に対して垂直方向から衝突すると、第2の絞り孔102に面した平面部101aが点線で示すように激しく摩耗する。平面部101aが摩耗すると、図9の(B)に示すように平面部101aの摩耗部を燃料とともにコンタミが流れてゆくことにより、球状部材101および平板プレート110が点線で示すようにさらに摩耗する。
【0050】
本実施例および比較例の球状部材における摩耗量δを比較した結果を図10に示す。図10に記載されたAは、本実施例と比較例とを空気中にて107 回作動させた場合を示し、球状部材が平板プレートに衝突することにより生じる球状部材の摩耗量を示している。Bは、コンタミ(アルミナAl2O3 、粒径0.39μm)を混入した燃料の供給圧力が120MPa となるように設定し24時間作動させた場合の摩耗量を示している。本実施例のセラミックで形成した球状部材は、AおよびBのどちらの条件においても比較例に対して摩耗量が圧倒的に少ないことがわかる。
【0051】
本実施例および比較例による、時間経過にともなう燃料リーク量および噴射量の変化を図11に示す。本実施例と比較例との加工寸法に違いがあるので、摩耗前の燃料リーク量および燃料噴射量は一致していないが、時間経過にともなう燃料リーク量および燃料噴射量の変化の違いをみることができる。比較例では6時間で急増したリーク量が、本実施例では24時間を経過してもほとんど増加していない。また、比較例では噴射量も増加しているのに対し、本実施例ではほとんど変化していない。球状部材に摩耗が生じると、球状部材と平板プレートとのシート性能が著しく低下し、インジェクタのリーク量および噴射量を増加させることがわかる。このように、球状部材をセラミックで形成することによりシート部分の耐久性は著しく向上する。
【0052】
本実施例および比較例の平板プレートにおける摩耗量の違いを図12に示す。図12は、本実施例と比較例とを空気中にて107 回作動させた場合の平板プレートの摩耗量δを示している。本実施例では、高速度工具鋼にTiN コーティングを施すことにより平板プレートの表面を高硬度に形成しているので、球状部材のエッジ部分で平板プレートをえぐるような損傷が少ない。したがってシート面積の減少が少ないので、燃料リーク量を低減し燃料噴射特性を高精度に制御できる。
【0053】
本発明の第1実施例によると、電磁弁閉弁時、あるいは閉弁直前の可動部材の低リフト時においても、可動部材40に発生する開弁方向に作用する圧力分布を半径方向に短くできるためスプリング45の付勢力に抗して可動部材40をリフトさせる電磁コイル32の吸引力が小さくなるので電磁コイル32を小型化することができる。これは、座面51aに加えて扇状の座面51dの一部に可動部材40を密着させる構成であるためシート面圧を上昇させることなく実現できるので、耐久性を損なうことがないことは言うまでもない。また、電磁弁閉弁時の高圧燃料のシールを確実にすることができるため、高圧燃料のリーク量を低減でき、コモンレールに高圧燃料を供給するための高圧ポンプの負荷を軽減することができるので、高圧ポンプの駆動トルクを小さくできるとともに高圧ポンプの体格も小さくできる。
【0054】
また、球状部材43の中心軸に対して半径方向に等しい圧力分布となるため、球状部材43の傾きや偏心が発生しにくく、安定した開閉弁制御が可能となる。これにより、均一な噴射量を得ることができ、安定した噴射量制御を実現できる。特に微少量噴射制御を安定して行うことができる。
さらに、球状部材着座時の軸ずれが吸収できるため、確実にシート面を密着することができ、球状部材着座時の燃料リーク量をほぼゼロにすることも可能であり、高圧燃料のリーク量を低減できる。
【0055】
また第1実施例では、球状部材43と平板プレート51との密着領域内に環状溝通路51bおよび燃料溝通路51dを形成したことにより、球状部材43と平板プレート51とのシート面積を減少させる構成となっている。このような構成においては、球状部材43と平板プレート51とのシート部の摩耗によるシート面積の減少が燃料リーク量の増加をまねき、燃料噴射特性を変化させる要因となる。しかしながら、球状部材43と平板プレート51とのシート部が耐摩耗性に優れた材質で形成されていることにより、シート面積の減少を防止し、燃料噴射特性を高精度に保持できる。
【0056】
上述の如く、第1実施例による燃料噴射装置は、安価な手法で電磁弁からの燃料リーク量を低減できる上、コモンレールに高圧燃料を供給する高圧ポンプの体格を小型化することが可能で、安定した燃料噴射制御を小さな電磁力で駆動できる。さらには高い耐久性をも兼ね備えている。
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図13に示す。第2実施例は、平板プレート51の環状溝通路51bの角部を直角に形成したものであり、その他の構成は第1実施例と同一である。
【0057】
環状溝通路51bの角部を直角に形成したことにより第2の絞り孔66近傍の径方向の肉圧が第1実施例に比べて小さくなる。したがって、圧力制御室内の燃料圧力が150MPa 程度まで良好なシール性を得るためには、径方向の座面51aの厚みが約0.2mm以上必要である。
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図14に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0058】
第3実施例では、平板プレート80に設けた第2の絞り孔66を中心として燃料通路51cを放射状に等間隔に五本設けている。これは、可動部材40に発生する圧力分布の半径方向長さを確実に短くするための実施例を示したものであり、特に150MPa 以上の高圧を制御する場合に有効である。すなわち、これは150MPa 以上の高圧を制御するときに環状溝通路51bを完全にドレン圧まで下げる手法である。ただし、燃料通路本数は多いほどその効果は大きく、五本に限るものではない。
【0059】
以上説明した第1実施例〜第3実施例では、支持部材とシャフトとを別体に形成しているため、シャフトの熱処理工程が極めて容易となる。シャフトは、電磁弁30の作動に伴うガイド部分(摺動部分)の耐久性と、球状部材との高応力発生面(接触面)の耐久性を確保することを目的に熱処理されている。このため、第1実施例のように最終工程にてシャフト先端をかしめて球状部材の脱落を防止する場合、例えば合金綱を材料にかしめ先端部を防炭処理した後、浸炭熱処理を実施することになる。しかしながら、球状部材の直径は、第1実施例で示したφ2.0mmと如く極めて小さいため、シャフト先端の防炭処理長さが小さく、この作業に時間を要してしまう。そこで第1実施例〜第3実施例では、円筒状の支持部材をシャフトと別体に設けることにより、シャフトの熱処理作業が容易になる。シャフトには組付け工程前に焼き入れ処理がなされており、その熱処理工程は極めて容易に行うことができる。
【0060】
また、第1実施例〜第3実施例では、圧入または溶接によりシャフトに支持部材を取付けたが、本発明ではねじ結合によりシャフトに支持部材を取付けることも可能である。
(第4実施例)
本発明の第4実施例を図15および図16に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。第1実施例〜第3実施例では、平板プレート側に燃料逃し通路を設けたが、第4実施例では球状部材側に燃料逃し通路を設けている。図15に示す球状部材91は、高速度工具鋼や高温戻しダイス鋼等からなる母材のシート部側にTiN 、CrN 、DLC 等の中から一種がコーティングされ硬質皮膜を形成している。図16に示す平板プレート96は、セラミックまたは超硬合金により形成されている。
【0061】
図15の(B)に示すように、シャフト90は第1実施例におけるシャフト41と支持部材42とを兼ねている。球状部材91の平面部の中央部には円形の当接面92が形成され、この当接面92の周囲に環状の環状溝通路93が形成されている。この環状溝通路93に連通し、当接面92を中心にして放射状に三本の燃料溝通路94が等間隔に設けられている。球状部材に放射状に形成される燃料溝通路の本数は、三本に限るものではない。扇状の座面95は環状溝通路93および燃料溝通路94に囲まれている。
【0062】
図16の(A)および(B)に示すように、平板プレート96には、第2の絞り孔66が形成さているだけである。
第4実施例では、平板プレート96に第2の絞り孔66だけが形成されているため、第1実施例〜第3実施例のように燃料溝通路近傍に薄肉部をもたないのでより良好なシール性が確保できる。
【0063】
以上説明した本発明の上記各実施例では、球状部材および平板プレートのシート部をいずれも耐摩耗性を有する材質で形成したが、球状部材および平板プレートの少なくともいずれか一方を耐摩耗性を有する材質で形成することによっても、球状部材と平板プレートとのシート部における摩耗を減少し、燃料噴射特性を高精度に制御することができる。
【0064】
(第5実施例)
本発明の第5実施例を図17に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
第5実施例では、平板プレート51には平板プレート51を軸方向に貫通する第2の絞り孔66が形成されており、圧力制御室61と低圧燃料室67とを連通可能である。また、平板プレート51の環状溝通路51bの底面と扇状の座面51dとの間には側壁51eが設けられている。第2の絞り孔66近傍の座面51aと扇状の座面51dとの平面高さhは同一高さに設定されており、座面51aの上面幅wは平面高さhよりも小さく設定されている。図17の(B)における各寸法の具体例は、平面高さh=0.1mmであり、上面幅w=0.08mmである。ここで、第2の絞り孔66は特許請求の範囲に記載した「連通路」を構成し、平面高さhは特許請求の範囲に記載された「燃料逃し通路の深さ」に相当する。
【0065】
平板プレート51は高速度工具鋼や高温戻しダイス鋼等からなる母材70の表面にTiN 、CrN 、DLC 等の中から一種がコーティングされ硬質皮膜71を形成している。硬質皮膜71の硬度範囲はHV=1000〜3000であり、母材70の硬度はHV=700〜800程度である。母材70を図17に示す形状に加工後、真空アーク放電を利用し、陰極に取り付けた皮膜材料を蒸気化またはイオン化して母材70上に皮膜を形成するイオンプレーティング法の一種であるAIP 法により硬質皮膜71が形成される。このため硬質皮膜71は、例えば蒸着により形成された皮膜に比べて膜厚が均一に形成され、特に側壁51e近傍が連続的に形成される。さらに、第2の絞り孔66近傍の薄肉部および座面51aの破壊強度を向上している。
【0066】
第5実施例では、硬質皮膜71は膜厚が均一に連続的に形成されているので、電磁弁開弁時の側壁51e近傍の燃料の流れを妨げることがなく、硬質皮膜71の剥離を防止することができる。
さらに、電磁弁閉弁時、あるいは閉弁直前の可動部材の低リフト時において、第2の絞り孔66近傍の薄肉部および座面51aが第2の絞り孔66内部の制御室圧により変形するのを硬質皮膜71により抑制しているので、第2の絞り孔66近傍の薄肉部および座面51aの破壊強度に対する信頼性を向上することができ、閉弁時のシール性をより確実なものとすることができる。
【0067】
さらにまた、座面51aの上面幅wは平面高さhよりも小さく設定されているため、可動部材40に発生する開弁方向に作用する圧力分布を半径方向に短くできる。したがって、スプリング45の付勢力に抗して可動部材40をリフトさせる電磁コイル32の吸引力が小さくなるので、電磁コイル32を比較的小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による蓄圧式燃料噴射装置における電磁弁の主要部を示す斜視図である。
【図2】第1実施例の平板プレートを示すものであり、(A)は平面図を示し、(B)は(A)のB−B線断面図を示す。
【図3】第1実施例の蓄圧式燃料噴射装置を示す断面図である。
【図4】第1実施例の蓄圧式燃料噴射装置の主要部を示す断面図である。
【図5】第1実施例の電磁弁におけるシート部の圧力分布を示し、(A)は断面形状と圧力分布との位置関係を示し、(B)はシート部の半径方向距離と圧力との関係を示す特性図である。
【図6】燃料逃し通路が有る場合と無い場合の油圧荷重の違いを示す特性図である。
【図7】(A)は第1実施例における球状部材の回動状態を示す模式的断面図であり、(B)は球状部材の外周縁部の摩耗を示す模式的断面図である。
【図8】(A)は第1実施例における球状部材の回動状態を示す模式的断面図であり、(B)は平板プレートの摩耗状態を示す模式的断面図である。
【図9】(A)は第1実施例における燃料中のコンタミによる球状部材の摩耗状態を示す模式的断面図であり、(B)は球状部材および平板プレートの摩耗を示す模式的断面図である。
【図10】球状部材の材質による摩耗の違いを示す特性図である。
【図11】噴射量およびリーク量の経時変化を示す特性図である。
【図12】平板プレートの材質による摩耗の違いを示す特性図である。
【図13】第2実施例の平板プレートを示すものであり、(A)は平面図を示し、(B)は(A)のB−B線断面図を示す。
【図14】第3実施例の平板プレートを示すものであり、(A)は平面図を示し、(B)は(A)のB−B線断面図を示す。
【図15】第4実施例の球状部材を示すものであり、(A)は側面図を示し、(B)は(A)のB方向矢視図を示す。
【図16】第4実施例の平板プレートを示すものであり、(A)は平面図を示し、(B)は(A)のB−B線断面図を示す。
【図17】第5実施例の平板プレートを示すものであり、(A)は平面図を示し、(B)は(A)のB−B線断面図を示す。
【符号の説明】
1 インジェクタ
10 噴射ノズル
11a 噴孔
20 ニードル弁(弁部材)
21 プレッシャピン(弁部材)
22 制御ピストン(弁部材)
30 電磁弁
40 可動部材
41 シャフト(軸部材)
41a 円錐状凹面
42 支持部材(軸部材)
43 球状部材
43a 平面部(シート部)
51 平板プレート(平面弁座)
51a、51d 座面(シート部)
51b 環状溝通路(燃料逃し通路)
51c 燃料溝通路(燃料逃し通路)
51e 側壁
62、63 高圧燃料通路
64、68 低圧燃料通路
65 第1の絞り孔
66 第2の絞り孔(連通路)
67 低圧燃料室
70 母材
71 硬質皮膜
80 平板プレート(平面弁座)
91 球状部材
96 平板プレート(平面弁座)

Claims (12)

  1. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材が前記平面弁座に着座したときに前記可動部材と前記平面弁座とが密着している部分の外周縁内に前記低圧空間と連通する燃料逃し通路が前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方に形成されており、
    前記可動部材の少なくとも前記平面弁座とのシート部耐摩耗性を有する材質で形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方は、前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着することで前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する環状の第一の座面と、前記第一の座面の環外において前記第一の座面から離間して形成され前記第一の座面とともに前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着する第二の座面と、前記第一の座面と前記第二の座面とのに形成され前記低圧空間と連通する燃料逃し通路とを有し、
    前記可動部材の少なくとも前記平面弁座とのシート部が耐摩耗性を有する材質で形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 前記平面弁座の少なくとも前記可動部材とのシート部を耐摩耗性を有する材質で形成することを特徴とする請求項1または2記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  4. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材が前記平面弁座に着座したときに前記可動部材と前記平面弁座とが密着している部分の外周縁内に前記低圧空間と連通する燃料逃し通路が前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方に形成されており、
    前記平面弁座の少なくとも前記可動部材とのシート部が耐摩耗性を有する材質で形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  5. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方は、前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着することで前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する環状の第一の座面と、前記第一の座面の環外において前記第一の座面から離間して形成され前記第一の座面とともに前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着する第二の座面と、前記第一の座面と前記第二の座面との間に形成され前記低圧空間と連通する燃料逃し通路とを有し、
    前記平面弁座の少なくとも前記可動部材とのシート部が耐摩耗性を有する材質で形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 前記球状部材は、前記平面弁座と平面同士で密着する平面部および前記軸部材と摺動する球状凸面部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  7. 前記耐摩耗性を有する材質は、TiN、CrN、DLCのいずれか一種による硬質皮膜か、あるいはセラミックまたは超硬合金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  8. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材が前記平面弁座に着座したときに前記可動部材と前記平面弁座とが密着している部分の外周縁内に前記低圧空間と連通する燃料逃し通路が前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方に形成されており、
    前記可動部材と前記平面弁座との少なくともいずれか一方のシート部に耐摩耗性を有する皮膜が形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  9. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材または前記平面弁座のいずれか一方は、前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着することで前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する環状の第一の座面と、前記第一の座面の環外において前記第一の座面から離間して形成され前記第一の座面とともに前記可動部材または前記平面弁座のいずれか他方に平面同士で密着する第二の座面と、前記第一の座面と前記第二の座面との間に形成され前記低圧空間と連通する燃料逃し通路とを有し、
    前記可動部材と前記平面弁座との少なくともいずれか一方のシート部に耐摩耗性を有する皮膜が形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  10. 前記燃料逃し通路を有する部材のシート部と、前記燃料逃し通路を形成する側壁とに耐摩耗性を有する皮膜を形成し、
    前記燃料逃し通路を有する部材のシート部に形成される皮膜と前記側壁に形成される皮膜とは、膜厚が略同一であり、連続することを特徴とする求項8または9記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  11. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記可動部材が前記平面弁座に着座したときに前記可動部材と前記平面弁座とが密着している部分の外周縁内に前記低圧空間と連通する燃料逃し通路が前記平面弁座に形成されており、
    前記平面弁座の少なくとも前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路と前記燃料逃し通路との間に前記平面弁座の母材よりも硬い材質で皮膜が形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  12. コモンレールで蓄圧された高圧燃料をインジェクタの噴射ノズルから内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    噴射ノズルの噴孔に高圧燃料を供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室と低圧燃料通路または低圧燃料室からなる低圧空間とを断続する電磁弁とを備え、
    前記電磁弁は、前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路周囲に形成された平面弁座、および前記平面弁座に平面同士で密着することにより前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する可動部材を有し、
    前記可動部材は、前記平面弁座に着座する球状部材および前記球状部材を摺動自在に配された円柱形状の軸部材を有し、
    前記球状部材は、前記軸部材により回動自在に支持されており、前記平面弁座とのシート部に平面部を有しており、
    前記平面弁座は、前記可動部材に平面同士で密着することで前記圧力制御室と前記低圧空間との連通を遮断する環状の第一の座面と、前記第一の座面の環外において前記第一の座面から離間して形成され前記第一の座面とともに前記可動部材に平面同士で密着する第二の座面と、前記第一の座面と前記第二の座面との間に形成され前記低圧空間と連通する燃料逃し通路とを有し、
    前記平面弁座の少なくとも前記圧力制御室と前記低圧空間とを連通可能な連通路と前記燃料逃し通路との間に前記平面弁座の母材よりも硬い材質で皮膜が形成されると共に、前記可動部材の前記平面弁座とのシート部の硬度が前記平面弁座の前記可動部材とのシート部の硬度よりも小さくされることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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