JP3719397B2 - 記録媒体交換式記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープカートリッジなどの記録媒体を多数収容するとともに、これら記録媒体を交換して記録再生を行なう記録媒体交換式記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の記録媒体交換式記録再生装置は、例えばテープカートリッジを複数収容するカセットマガジンと、テープカートリッジに対して記録再生を行なう記録再生機構と、カセットマガジンに収容されている各テープカートリッジを取り出して記録再生機構に装着するとともに、記録再生機構に装着されているテープカートリッジを取り外してカセットマガジンに収容する搬送機構などを備えている。
そして、前記カセットマガジンは、前記テープカートリッジをその厚さ方向に1列に並べて収容するように縦長に構成され、前記搬送機構によってテープカートリッジが搬送される搬送空間は前記カセットマガジンの隣の箇所でカセットマガジンに沿って縦長に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように縦長のカセットマガジンと縦長の搬送空間を単に並べて構成した従来の記録媒体交換式記録再生装置では、搬送空間がカセットマガジンとほぼ同じ長さを必要とするため、たとえば、収容するテープカートリッジの数を多くしようとすると、カセットマガジンの長さが大きくなり、これに追従して搬送空間の長さも大きくなり、装置が大型化する不具合がある。
また、搬送空間が長くなると、例えば、搬送機構を構成するガイドロッドなどが長くなり、収容するテープカートリッジの数を多くしようとすると、テープカートリッジの搬送時間が長くなって再生や記録を短時間で行なえず、その対策として、搬送機構を構成するモータの容量も大きくする必要が生じる等、軽量化やコストの面でも不具合がある。
本発明は、このような従来技術の課題を解決しようとするものであり、その目的とするところは、マガジンに収容する記録媒体の数を多くした場合であっても、装置の小型化を図れ、また、再生や記録を短時間で行なえ、軽量化やコストの面でも有利な記録媒体交換式記録再生装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の記録媒体交換式記録再生装置は、情報の記録、再生が可能で互いに直交する2つの方向の向きで特定される姿勢が識別可能な記録媒体を挿入取出し可能に収容する複数の収容部材が直線状に並べられることで構成された縦長の2つの第1、第2マガジンと、前記記録媒体が装着される装着部を有し、前記記録媒体が前記装着部に装着された状態で前記記録媒体に対する記録および/または再生を行なう記録再生機構と、前記記録媒体を保持する保持部を有し前記保持部により前記記録媒体を前記収容部材と記録再生機構との間で移動する移動機構と、前記各収容部材と前記保持部との間で前記記録媒体の受け渡しを行なう受け渡し機構とを備えている。前記第1、第2マガジンは、それらの長手方向が平行するように対向して配置され、前記第1、第2マガジンの間に、これら第1、第2マガジンの長手方向に沿って延在する搬送空間が設けられている。そして、前記保持部による前記記録媒体の移動は前記搬送空間において行なわれ、前記第1、第2マガジンに収容されている前記記録媒体の姿勢と、前記保持部に保持されている前記記録媒体の姿勢とが同じであり、前記記録媒体は、前記記録媒体が前記保持部で保持されて前記搬送空間を移動される姿勢のまま前記装着部に装着され、前記第1、第2マガジン、前記記録再生機構、前記移動機構、前記受け渡し機構、前記搬送空間を収容する筐体が設けられ、前記第1マガジンまたは第2マガジンの長手方向の端部に前記受け渡し機構との間で前記記録媒体の受け渡しを可能とした取出し部が設けられ、前記取出し部は前記筐体の外部に取出し可能で、筐体の外部に取出した状態で前記取出し部に受け渡された記録媒体を交換できるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記第1、第2マガジンの間にこれらの長手方向に沿って搬送空間が延在され、前記記録媒体は、前記受け渡し機構によって、第1、第2マガジンと前記移動機構との間で受け渡される。前記移動機構に収容された記録媒体は、前記搬送空間を移動機構によって移動され、前記記録再生機構の装着部に装着される。
したがって、前記記録媒体を1列に並べて収容するマガジンを設け、記録媒体の搬送空間を前記マガジンの長手方向に沿って設ける場合に比較して搬送空間をほぼ1/2とすることができる。
また、第1、第2マガジンに収容された記録媒体の姿勢、移動機構に収容された記録媒体の姿勢、装着部に装着されている記録媒体の姿勢がすべて同じとなるため、記録媒体の姿勢を反転する機構を設ける必要が無くなり、構成が簡素化でき、かつ、記録媒体を装着部に着脱する際に要する動作時間を短縮できる。
また、取出し部により、筐体内に収容されている記録媒体のうち所望の記録媒体を外部に取出して交換することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図、図2は第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の平面図、図3は第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の左側面図、図4は第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め前方から見た斜視図、図5は第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め後方から見た斜視図である。
図1乃至図5に示されているように、記録媒体交換式記録再生装置10は、複数の記録媒体(後述するテープカートリッジ2)を収容するとともに、これら収容した記録媒体を取出して記録再生を行なうものであり、筐体12、複数のテープカートリッジ2を上下方向に並べて収容する第1、第2マガジン14、16、前記第1、第2マガジン14、16の間に設けられた搬送空間17、前記搬送空間17の下方に配設された記録再生機構18、前記搬送空間17を上下する移動機構20、前記移動機構20と第1、第2マガジン14、16との間でテープカートリッジ2を受け渡す受け渡し機構25、ロック機構40(図33)、不図示の制御部および操作部などを備えて構成されている。
【0006】
第1の実施の形態では、情報の記録、再生が可能な記録媒体としてテープカートリッジを用いており、まず、このテープカートリッジ2から説明する。
図6はテープカートリッジの外観図であり、図6(A)は平面図、図6(B)は左側面図、図6(C)は右側面図、図6(D)は背面図、図6(E)は底面図である。図7はテープカートリッジの斜視図であり、図7(A)は斜め上方から見た状態を示す斜視図、図7(B)は斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
テープカートリッジ2は、図6、図7に示されているように、ケース202とケース202内に収容される図略の磁気記録テープとを備え、前記ケース202は、左右方向の幅Wと、前記左右方向と直交する前後方向の長さLと、前記左右方向および前後方向と直交する上下方向の厚さTを有し、ほぼ矩形板状を呈しており、前記左右方向の幅Wは、前後方向の長さLよりも大きく形成されている。ケース202は、ケース本体203と裏蓋214と開閉蓋216からなり、ケース本体203は上面204と、上面204の幅方向両側に接続された左右の側面206、208と、上面204の後側に接続された後面210と、側面206、208および後面210の下端を接続する下面212とから構成され、開閉蓋216は、蓋上面204、側面206、208、下面212の前部で囲まれた部分を開閉するように構成されている。
【0007】
ケース本体203内には幅W方向に間隔をおいて2つのリール217が配設され、磁気記録テープは前記開閉蓋216と裏蓋214との間の空間を通ってこれらリール217に巻回されている。2つのリール217の軸受部219は、それぞれケース202の下面の孔220を介して回転可能に支持され、また、軸受部219はケース本体203の下面212の下方に露出している。この軸受部219には後述する記録再生機構18のリール軸1808に一体的に係合される係合部が設けられている。
開閉蓋216は、2つの腕部216A、216Bを介してケース本体203の側面206、208に揺動可能に連結され、開閉蓋216が図7、図8に示すようにケース本体203の前部に位置した閉状態で、テープ走行部分214に位置するテープ部分を覆い、開閉蓋216がケース本体208の上方に揺動した開状態で、テープ走行部分214に位置するテープ部分を露出させるように構成され、開閉蓋216は常時閉じた状態に付勢されている。
このような構成からなるテープカートリッジ2は、従来市販されているデータ記録用のデータカートリッジ(データ8mmカセット)や動画および音声記録用のデジタルビデオテープカートリッジと同様で、これら市販品を用いることができる。第1の実施の形態では、テープカートリッジ2として前記データカートリッジと同等なものを使用した場合について説明する。
【0008】
なお、前記腕部216A、216Bが配設される側面206、208の箇所は、腕部216A、216Bの表面と側面206、208の表面が同一面上に位置するように薄肉に形成されており、腕部216A、216Bの基端の表面と、薄肉に形成された側面206、208の後端との間に凹部218、220が形成されている。
また、蓋部材216の腕部216A、216Bには、その厚さ方向に貫通する孔222、224が形成されている。
また、側壁206、208の後寄りの箇所には上下方向に延在する断面V字状の凹溝226、228が形成されている。
また、下面の4隅寄り箇所のうち、後面210寄り2箇所には、このテープカートリッジ2が記録再生機構18に装着される際に位置決めを行なうための位置決め孔234、236が設けられている。
また、前記テープカートリッジ2の姿勢は、互いに直交する2つの方向(例えば前後方向と左右方向、あるいは、上下方向と左右方向)の向きで識別可能に構成されており、テープカートリッジ2が前記記録再生機構に装着される際の姿勢は、前記2つの方向の向きで特定されるように構成されている。
【0009】
次に、前記筐体12について説明する。
筐体12は、図1乃至図5に示すように、左右方向に幅を有し前後方向に長さを有する矩形板状の底壁1202、底壁1202の幅方向の両端から起立された左右の側壁1204、1206、底壁1202の後縁部の左右から起立された左右の後壁1208、これら側壁1204、1206、後壁1208の上端を接続する上壁1212、底壁1202の前縁の左側部分と左側の側壁1204の前縁とを接続する左側の補強板1214、底壁1202の前縁の右側部分と右側の側壁1206の前縁とを接続する右側の補強板1216などを備えて構成されている。
【0010】
次に、前記第1、第2マガジン14、16について説明する。
前記第1、第2マガジン14、16は図1に示されているように、前記テープカートリッジ2を挿入取出し可能に収容する複数の収容部材26が直線状に並べられることで、上下に縦長に構成されている。
前記第1、第2マガジン14、16は、それらの長手方向が平行するように筐体12の内部の左右に間隔をおいて配置され、筐体12の内部でこれら第1、第2マガジン14、16の間に、これら第1、第2マガジン14、16の長手方向すなわち上下方向に沿って延在する搬送空間17が設けられている。
以下では、第1マガジン14を構成するマガジンブロック28について説明する。
【0011】
前記各収容部材26は、図8乃至図10に示すように、マガジンブロック28に一体に設けられている。
マガジンブロック28は、矩形板状の取付板2802と、この取付板2802の一方の面に上下に間隔をおいて突設された複数の支持片2808と、取付板2082の他方の面に設けられた取付脚部2806とを備え、複数の支持片2808の基部は、取付板2802の一方の面の縁部から起立され上下に延在する補強板2804と一体化され補強されている。
マガジンブロック28は、前記取付脚部2806が筐体12の後壁1208の前面にねじにより取着されることで筐体12に配設され、これにより複数の支持片2808が筐体12の内部左右で後部から前方に向けて水平に突設されることになる。
前記収容部材26は隣り合う上下2つの支持片2808によって構成され、上下2つの支持片2808の間にテープカートリッジ2を挿入取出し可能に収容する収容空間27が設けられ、収容空間27は前部と左右側部が開放状に形成されている。
そして、図1、図2に示されているように、第1マガジン14では、テープカートリッジ2は、開閉蓋216を搬送空間17に臨ませた状態で各収容空間27に収容され、第2マガジン16では、テープカートリッジ2は、後面210を搬送空間17に臨ませた状態で各収容空間27に収容されるように構成されている。
【0012】
図8乃至図10に示すように、各支持片2808は、平面視ほぼ矩形板状を呈し、各支持片2808は、上面2822と下面2824を有し、互いに上下に隣接する支持片2808の上面2822と下面2824の間に、テープカートリッジ2の厚さTよりもやや大きな間隔T1が形成されるように設けられている。そして、テープカートリッジ2が搬送空間17と収容空間27の間で移送される際に、ガイド面として機能する。
各支持片2808の4辺のうち、筐体12の後壁1208に臨む辺には側縁部2810が設けられ、筐体12の左側の側壁1204(あるいは右側の側壁1206)に臨む辺には側縁部2812が設けられ、筐体12の前部に臨む辺には前記側縁部2810に対向する側縁部2816が設けられ、前記搬送空間17に臨む辺には側縁部2820が設けられている。
そして、前記全ての支持片2808の各側縁部2810は取り付け板2802から構成され、各支持片2808は取り付け板2802によって一体的に連結されている。また、前記各側縁部2812のほぼ1/3は、前記取付板2802に連結された保持板2804から構成され、各支持片2808は補強板2804によっても一体的に連結されている。
第1の実施の形態では、補強板2804によって側縁部2812のほぼ1/3程度が構成されている関係上、各支持片2808は取付板2802および補強板2804により片持ち支持されている。
前記側縁部2812の部分で補強板2804から構成されていない部分には、支持片2808の厚さ方向の上下に突出する壁部2814が側縁部2812の延在方向に沿って設けられている。この壁部2814を含む側縁部2812は、テープカートリッジ2が搬送空間17から収容空間27に移送される際に、テープカートリッジ2の後面210に当接して収容空間27外への落下を防止するものである。
【0013】
前記側縁部2816は支持片2808の厚さ方向の上下に突出して延在形成された壁部2818から構成されている。この壁部2818は、テープカートリッジ2が搬送空間17と収容空間27の間を移送される際に、テープカートリッジ2の側面208を案内するガイド壁として機能するとともに、テープカートリッジ2の側面208に当接して収容空間27外への落下を防止するものである。
前記壁部2818のうち、前記収容空間27に臨む面で搬送空間17に臨む部分には、前記テープカートリッジ2が搬送空間17から収容空間27に挿入される際にテープカートリッジ2の側面208を円滑に案内するように搬送空間17に向かうに従って側縁部2810から次第に離れるテーパ面が形成されている。
【0014】
前記側縁部2820は、搬送空間17から収容空間27に挿入されるテープカートリッジ2の上面204または下面212を円滑に案内するように搬送空間17に向かうに従って肉薄となるように、その上下面がそれぞれテーパ面で形成されている。
また、前記側縁部2820のうち、取付板2802寄りの部分は搬送空間17に向かって延出された延出部2812として形成され、この延出部2812は搬送空間17と収容空間27の間を移送されるテープカートリッジ2の上面204または下面212を円滑に案内するように搬送空間17に向かうに従って肉薄となるように、その上下面がそれぞれテーパ面で形成されている。
前記側縁部2810、すなわち取付板2802は搬送空間17と収容空間27の間を移送されるテープカートリッジ2の側面206を案内するガイド壁として機能するとともに、テープカートリッジ2の側面206に当接して収容空間27外への落下を防止するものである。
また、取付板2802のうち、搬送空間17に臨む側縁部2803は前記延出部2812と同じ位置まで延出されており、側縁部2803は搬送空間17から収容空間27に挿入されるテープカートリッジ2の側面206を円滑に案内するように、搬送空間17に向かうに従って前記側縁部2816から次第に離れるテーパ面が形成されている。
【0015】
そして、図8に示すように、取付板2802から壁部2818までの幅W1がテープカートリッジ2のケース202の幅Wとほぼ同じとなり、壁部2814から側縁部2820までの長さL1がテープカートリッジ2のケース202の長さLとほぼ同じになるように構成され、これによりテープカートリッジ2が収容空間27に円滑に出し入れでき、かつ、がたつくことなく収容されるように構成されている。なお、上下に隣接する支持片2808の壁部2814の間、壁部2818の間、側縁部2820の間には空隙が形成されている。
また、図9に示されているように、補強板2804の外面と各支持片2808の壁部2814の外面にわたって例えば金属板などからなるくし歯状の補強部材2826が配設されている。この補強部材2826は、ねじなど固着手段によって補強板2804と各支持片2808の壁部2814に取着されている。この補強部材2826は支持片2808の撓みを防止するように機能している。
また、補強板2804の外面には、収容空間27に収容されたテープカートリッジ2のケース202の後面210に当接して、テープカートリッジ2を収容部材26から搬送空間17に向けて付勢する付勢部材2828が設けられている。図8乃至図11に示されているように、壁部2818には係合部材2830と付勢部材2832が設けられている。係合部材2830は、一端にテープカートリッジ2の凹部220に係脱可能な係合爪2830Aが設けられ、他端に係合爪2830Aの係合状態を解除するために押圧される押圧凸部2830Bが設けられ、それらの中央部分を支点として壁部2818に揺動可能に設けられている。付勢部材2832は、係合爪2830Aを係合方向に付勢するように構成されている。
【0016】
テープカートリッジ2は、搬送空間17から収容空間27に挿入される際、後面210が付勢部材2828に当接された状態でテープカートリッジ2の凹部220が係合部材2830に係合されることで収容部材26に収容保持されるようになっている。なお、この状態から押圧凸部2830Bを押してやると、係合部材2830と凹部220の係合が解除され、付勢部材2828によりテープカートリッジ2が搬送空間17側に僅かにスライドする。
そして、収容空間27に収容されたテープカートリッジ2は、収容空間27内でその上面204と下面212が水平方向に沿った状態で、上面204と下面212が隣接する支持片2808の下面2824と上面2822にそれぞれ当接されることで上下方向の位置が位置決めされ、側面206、208が取付板2802、壁部2818にそれぞれ当接されることで幅方向の位置が位置決めされ、付勢部材2828で付勢されたテープカートリッジ2の凹部220が係合部材2830に係合されることで前後方向の位置が位置決めされている。なお、前後方向の位置が位置決めされた状態でテープカートリッジ2の後面210とマガジンブロック28の壁部2814との間には若干の隙間が形成されるようになっている。
【0017】
第2マガジン16は、第1マガジン14とほぼ同様の構成となっているため、共通する部分の説明を省略する。第2マガジン16が第1マガジン14と異なるのは、図12に示されているように、第2マガジン16の収容部材26に収容されるテープカートリッジ2は、その後面210が搬送空間17に臨ませて配設される関係上、係合部材2830がテープカートリッジ2の開閉蓋216の孔224に係合することと、付勢部材2828がテープカートリッジ2の開閉蓋216に当接してテープカートリッジ2を収容空間27から搬送空間17に向けて付勢することである。
また、前記第1マガジン14に収容されているテープカートリッジ2は開閉蓋216を搬送空間17に臨ませ、前記第2マガジン16に収容されているテープカートリッジ2は後面210を搬送空間17に臨ませていることからわかるように第1、第2マガジン14、16に収容されているテープカートリッジ2の開閉蓋216と後面210の位置関係は同一となっており、言い換えると、筐体12の前方から見た場合に、前記第1マガジン14に収容されているテープカートリッジ2と第2マガジン16に収容されているテープカートリッジ2は共に開閉蓋216を右側に位置させた状態となっている。
【0018】
第1の実施の形態では、図1に示されているように、第1マガジン14には11個のテープカートリッジ2が収容可能に、第2マガジン16には10個のテープカートリッジ2が収容可能となるように収容部材26が設けられている。
第1、第2マガジン14、16は、各収容部材26に収容されたテープカートリッジ2の厚さ方向の中心位置と幅方向の中心位置が互いに一致するように構成されている。
【0019】
次に、移動機構20について説明する。
移動機構20は、図13乃至図17に示されているように、テープカートリッジ2を保持して搬送空間17を上下に移動する保持部22と、保持部22を案内する案内部23と、保持部22を移動させる駆動部24から構成されている。
前記案内部23は、第1ロッド2302、ガイドレール2304などを含んで構成されている。
前記第1ロッド2302は、筐体12の上壁1212および底壁1202の前部で左右方向の中央に両端が取着され上下方向に延在して設けられている。
前記ガイドレール2304は、側壁1206の前部内側で上下方向に延在して設けられている。
【0020】
前記保持部22は、図23乃至図25に示されているように、フレーム2202の本体片部2210、第1保持板2204、第2保持板2206などにより構成されている。
フレーム2202は、図19に示されているように、横片部2208と、本体片部2210と、連結片部2212とを備えている。
前記横片部2208は、筐体12の左右の側壁1204、1206間に延在して設けられ、前記本体片部2210は、横片部2208の上縁部の長手方向の中間箇所から水平方向で前記搬送空間17内に向かって矩形板状を呈するように延出され、前記連結片部2212は、本体片部2210の後部に位置する横片部2208部分から後方に突設して設けられ、この連結片部2212は、上下に間隔をおいて二つ設けられている。
前記横片部2208の延在方向の一端2208Aにはローラ2208Bが設けられ、このローラ2208Bは図22、図23に示されているように前記ガイドレール2304に移動可能に結合されている。また、図18に示されているように前記上下の連結片部2212にはそれぞれメタル軸受2212Aが取着され、これらメタル軸受2212Aには前記第1ロッド2302が摺動可能に結合されている。したがって、ローラ2208Bがガイドレール2304に結合し、また、メタル軸受2212Aが第1ロッド2302に結合することで、保持部22は筐体12の内部で水平状態を保って上下に移動可能に配設されることになる。
また、横片部2208には、その延在方向の中心を中心として対称的な位置に2つの溝部2208C、2208Dが設けられている。2つの溝部2208C、2208Dは、横片部2208の延在方向、すなわち左右方向に延在し、横片部2208の厚さ方向に貫通して設けられている。
【0021】
前記本体片部2210は、横片部2208の上縁部の長手方向の中間箇所から水平方向に前記搬送空間17内に向かって矩形板状を呈するように延出され、本体片部2210の左右方向の幅は搬送空間17の左右幅よりも小さく形成されている。
また、図25に示されているように横片部2208の下縁部の箇所と、本体片部2210の横片部2208と反対側の箇所とには、後述するロック機構40に係合される被係合部2202A、2202Bがそれぞれ設けられている。
本体片部2210には、図19乃至図21に示されているように第1保持板2204と第2保持板2206が取着されている。第1保持板2204と第2保持板2206との間にはテープカートリッジ2を挿入取出し可能に収容する収容空間29が形成され、この収容空間29には第1マガジン14、第2マガジン16の何れからでもテープカートリッジ2の移動が可能となるように、前部及び左右側部が開放状に形成されている。
【0022】
第1保持板2204は、図18乃至図21に示されているように、水平方向に延在するほぼ矩形板状を呈する本体板部2204A、本体板部2204Aのうち横片部2208寄りの側縁部から立ち上げられた側壁部2204B、側壁部2204Bと反対側の側縁部から立ち下げられた側壁部2204Cなどを備えて構成されている。
第1保持板2204の本体片部2210に対する取着は、前記本体板部2204Aの四隅寄りの箇所がスペーサ2204Dを介して本体片部2210の下面側に取付けられることによってなされている。この第1保持板2204の取付は、前記本体板部2204Aが前記本体片部2210と平行をなし水平方向に延在するようになされる。
第1保持板2204は、テープカートリッジ2が第1、第2マガジン14、16の収容空間27と収容空間29の間で移送される際、本体板部2204Aの下面2204A1がテープカートリッジ2の上面204を案内するガイド板として機能するようになっている。
【0023】
本体板部2204Aの第1マガジン14に臨む側縁部には、図19、図25に示されているように、前記第1マガジン14から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の上面204を円滑に案内するように、第1マガジン14に近づくにしたがって上方に傾斜する2つの案内片2204Eがテープカートリッジ2の幅方向に間隔をおいて設けられている。
本体板部2204Aの第2マガジン16に臨む側縁部には、前記第2マガジン16から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の上面204を円滑に案内するように、第2マガジン16に近づくにしたがって上方に傾斜する2つの案内片2204Fがテープカートリッジ2の幅方向に間隔をおいて設けられている。
側壁部2204Bの第1マガジン14に臨む端部には、前記第1マガジン14から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の側面208を円滑に案内するように、テープカートリッジ2の幅方向外方に傾斜する案内片2204Gが設けられている。
側壁部2204Bの第2マガジン16に臨む端部には、前記第2マガジン16から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の側面208を円滑に案内するように、第2マガジン16に近づくにしたがってテープカートリッジ2の幅方向外方に傾斜する案内片2204Hが設けられている。
また、図19、図22、図25に示されているように、前記本体板部2204Aのテープカートリッジ2の幅方向の両端寄りの箇所には2つの窓2204Iが設けられ、第1保持板2204の上面の幅方向の両端寄りの箇所に2つの付勢部材2204Jが取着されている。
前記各付勢部材2204Jの端部2204J1は前記窓2204Iを介して収容空間29内に突出するように配設され、これにより収容空間29に収容されたテープカートリッジ2の上面204を下方に押圧するようになっている。すなわち、前記各付勢部材2204J1による前記テープカートリッジ2に対する付勢方向は、保持部22の移動方向、つまりテープカートリッジ2の搬送空間17における移動方向と平行をなしている。
【0024】
第2保持板2206は、図18乃至図21に示されているように、水平方向に延在する本体板部2206A、本体板部2206Aのうち横片部2208寄りの側縁部から立ち下げられた側壁部2206B、側壁部2206Bと反対側の側縁部から立ち上げられた側壁部2206C、側壁部2206Cからテープカートリッジ2の幅方向外方に屈曲された片部2206Dなどを備えて構成されている。また、図19、図25に示されているように、前記本体板部2206Aは、前記収容空間29に収容されたテープカートリッジ2の各軸受部219を後述する記録再生機構18の各リール軸1808に嵌合させるために、2つの円弧状の切り欠き2206A1が形成されている。
第2保持板2206の本体片部2210に対する取着は、図20、図21に示されているように前記側壁部2206Bが前記本体片部2210の下方に位置する横片部2208の後面側の箇所に取付けられるとともに、前記片部2206Dが前記本体片部2210の下面側の箇所に取付けられることによってなされている。この第2保持板2206の取付は、前記本体板部2206Aが前記本体板部2204Aと平行をなし水平方向に延在するとともに、前記本体板部2206Aの上面と、前記本体板部2204Aの下面との間にテープカートリッジ2のケース202の厚さT(前記上面204と下面212の間の寸法)よりもやや大きな間隔T2が形成され、これにより前記収容空間29が本体板部2206Aの上面と、前記本体板部2204Aの下面との間に形成されるように構成されている。ここで、前記2つの付勢部材2204Jの端部2204J1の作用により前記収容空間29に収容されたテープカートリッジ2は、その下面212が前記第2保持板2206の本体板部2206Aの上面に押し付けられて上下方向の位置が位置決めされ、本体板部2206Aの上面がテープカートリッジ2の上下方向の基準面とされる。つまり、テープカートリッジ2の上下方向の中心位置が前記第1保持板2204と第2保持板2206との間隔T2の中心位置よりも下方寄りに位置決めされることになる。
第2保持板2206は、テープカートリッジ2が第1、第2マガジン14、16の収容空間27と収容空間29の間で移送される際、本体板部2206Aの上面がテープカートリッジ2の下面212を案内するガイド板として機能するようになっている。
【0025】
本体板部2206Aの第1マガジン14に臨む側縁部には、図19、図25に示されているように、前記第1マガジン14から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の上面204を円滑に案内するように、第1マガジン14に近づくにしたがって下方に傾斜する2つの案内片2206Eがテープカートリッジ2の幅方向に間隔をおいて設けられている。
本体板部2206Aの第2マガジン16に臨む側縁部には、前記第2マガジン16から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の下面212を円滑に案内するように、第2マガジン16に近づくにしたがって下方に傾斜する3つの案内片2206Fがテープカートリッジ2の幅方向に間隔をおいて設けられている。
側壁部2206Cの第1マガジン14に臨む端部には、前記第1マガジン14から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の側面208を円滑に案内するように、テープカートリッジ2の幅方向外側に傾斜する案内片2206Gが設けられている。
側壁部2206Cの第2マガジン16に臨む端部には、前記第2マガジン16から前記収容空間29に移送されるテープカートリッジ2の側面208を円滑に案内するように、テープカートリッジ2の幅方向外側に傾斜する案内片2206Hが設けられている。
【0026】
また、第2保持板2206の側壁部2206Cのうち案内片2206G寄りの箇所には窓2206Iが設けられ、側壁部2206Cの外側の箇所には、付勢部材2206Jが取着されている。
付勢部材2206Jの端部にはローラ2206Kが回転可能に設けられ、このローラ2206Kが前記窓2206Iを介して収容空間29内に突出するように配設され、これにより収容空間29に収容されたテープカートリッジ2の凹溝226に係合することでテープカートリッジ2の挿入取出し方向の位置が位置決めされるようになっている。
なお、本体片部2210、第1、第2保持板2204、2206からなる保持部22の左右方向の幅は、第1、第2マガジン14、16の左右方向の幅よりも小さな寸法に形成され、搬送空間17内を上下方向に移動可能に構成されている。
【0027】
ここで図20、図21に示されているように、前記本体片部2210は前記横片部2208に対して片持ち支持されている。前記第1保持板2204と第2保持板2206は前記本体片部2210に取着されていることから、第1、第2保持板2204、2206も前記横片部2208に対して片持ち支持されている。すなわち、保持部22の固定端は、第1、第2保持板2204、2206のうち、横片部2208寄りに位置する部分から構成され、保持部22の自由端は、第1、第2保持板2204、2206のうち、前記固定端の反対側に位置する部分から構成され、前記本体片部2210、第1、第2保持板2204、2206からなる保持部22は全体として前記横片部2208に対して片持ち支持されている。
一方、前述したようにマガジンブロック28の各支持片2808は取付板2802および補強板2804により片持ち支持されている。各支持片2808の固定端は、取付板2802および補強板2804に接続されている部分であり、各支持片2808の自由端は前記固定端の反対側の部分である。
このように保持部22の自由端と、第1、第2マガジン14の各支持片2808の自由端が逆向きになるように配設されている。
【0028】
駆動部24は、図13乃至図17に示されているように、パルスモータからなる第1モータ2402、減速機構2404、駆動プーリ2410、従動プーリ2412、歯付ベルト2414、スリット板2416、センサ2418などを備えて構成されている。
第1モータ2402と減速機構2404と駆動プーリ2410は、筐体12の上壁12の上面の前部に配設され、従動プーリ2412は、筐体12の底壁1202の上面箇所に回転可能に設けられている。
前記歯付ベルト2414は駆動プーリ2410と従動プーリ2412間に掛装され、歯付ベルト2414の一部は、フレーム2202の横片部2208に取付金具2416によって固定されている。
第1モータ2402の駆動力は、減速機構2404を構成する2つの歯車2406、2408により減速された後、駆動プーリ2410に伝達され、歯付ベルト2414が駆動プーリ2410と従動プーリ2412間を移動し、これによりフレーム2202、すなわち保持部22が上下に移動されるように構成されている。
スリット板2416は、径方向に延在するスリットが周方向に一定間隔をおいて形成された円板から構成され、前記歯車2406の回転軸に取着されている。センサ2418は、筐体12の上壁1212に取着され、前記スリット板2416のスリットの通過を検出することで前記歯車2406、すなわち第1モータ2402の回転量に対応する検出信号を出力するように構成されている。センサ2418から出力された検出信号は後述する制御部に入力され、第1モータ2402の制御に用いられる。
【0029】
次に、受け渡し機構25の構成について説明する。
受け渡し機構25は、図13乃至図15、図22乃至図25に示されているように、テープカートリッジ2を第1マガジン14と移動機構20の保持部22との間で受け渡しするための第1受け渡し部材30、テープカートリッジ2を第2マガジン16と移動機構20の保持部22との間で受け渡しするための第2受け渡し部材32、これら第1、第2受け渡し部材30、32を案内する案内部34、第1受け渡し部材30を移動させる第1駆動部36、第2受け渡し部材32を移動させる第2駆動部38から構成されている。
案内部34は、フレーム2202の横片部2208と平行方向に延在し、両端が横片部2208の両端にそれぞれ取着された第2ロッド3402(特許請求の範囲の案内部材に相当)から構成されている。
第1、第2受け渡し部材30、32は、図22乃至図25に示されているように、互いに対称的な形状であるため、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
各受け渡し部材30、32は、フレーム2202の横片部2208に平行に配設される直線状の基片部3102と、この基片部3102の両端から突出され横片部2208の長手方向に間隔をおいた内側受け渡し片部3104および外側受け渡し片部3106から構成されている。
内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106の間の寸法は、第1、第2マガジン14、16をまたぎつつ上下方向に移動できるように第1、第2マガジン14、16の左右方向の幅よりも大きな寸法で形成され、また、保持部22の収容されたテープカートリッジ2を後述する記録再生機構18に装着する際に、保持部22と干渉しないように、保持部22の左右方向の幅よりも大きな寸法で形成されている。
【0030】
前記基片部3102の両端には連結片3108が設けられ、前記各連結片部3108にはメタル軸受3112が取着され、これらメタル軸受3112には前記第2ロッド3402が摺動可能に結合され、メタル軸受3112が第2ロッド3402に結合することで、各受け渡し部材30、32は筐体12の内部で左右方向に移動可能に、かつ、第2ロッド3402の軸線回りに回動可能に配設されている。
また、第2ロッド3402に結合された各受け渡し部材30、32のうち、基片部3102は、前記内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106が前記第1、第2マガジン14、16をまたぎつつ上下方向に移動できるように第1、第2マガジン14、16よりも前方に配設されている。
したがって、前記駆動部24によるフレーム2202の移動により、フレーム2202を介して各受け渡し部材30、32も保持部22と一体的に上下に移動されるように構成されている。
【0031】
図24、図25に示されているように、前記基片部3102の第1マガジン14、第2マガジン16に対面する箇所にはカム部材3110が取着されている。カム部材3110は、第1、第2マガジン14、16のマガジンブロック28の係合部材2830の押圧凸部2830Bを押圧することで、係合爪2830Aのテープカートリッジ2の凹部220、孔224に対する係合を解除するようになっている。
各受け渡し部材30、32の基片部3102のうち、内側受け渡し片部3104および外側受け渡し片部3106と反対側の箇所には、筐体12の前部に向けて係合ピン3116が設けられている。係合ピン3116は、前述した2つの溝部2208C、2208Dを挿通して横片部2208の前面側にまで突出している。
【0032】
図24、図25に示されているように、各受け渡し部材30、32の基片部3102のうち、前記外側受け渡し片部3106が接続されている側の端部の下面から前記外側受け渡し片部3106と直交して下方に突出する係合ピン3118が設けられている。
一方、前記横片部2208のうち、前記各係合ピン3118に面した箇所には、2つの案内部材2214が前記横片部2208の長手方向に延在してそれぞれ設けられている。
各案内部材2214には、前記横片部2208の長手方向に沿って直線状に延在する案内溝2216が上方に開放して設けられ、前記案内溝2216によって前記係合ピン3118が直線状に案内されるようになっている。前記案内溝2216の所定位置には切り欠き2218が形成され、この切り欠き2218を介して前記係合ピン3118が案内溝2216からその外方に移動し得るようになっている。前記切り欠き2218は第1、第2受け渡し部材30、32が後述する第1、第2位置に位置したときの前記係合ピン3118の位置と一致する箇所に設けられている。
そして、前記係合ピン3118が案内溝2216に係合することによって、前記各受け渡し部材30、32はロッド3402を中心とする回転が阻止され、内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106が水平方向に延在する姿勢を保持するように構成されるとともに、前記各係合ピン3118が各切り欠き2218の箇所で前記案内溝2216の外方に移動することで前記内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106が上方に回動可能となるように構成されている。
【0033】
また、図22に示されているように、前記横片部2208の前面側には前記各係合ピン3118を付勢する2つの受け渡し部材用付勢手段2220が設けられている。
前記各受け渡し部材用付勢部材2220は、前記各係合ピン3118が前記各切り欠き2218の箇所に位置した状態で、前記各係合ピン3116に当接することによって、第1、第2受け渡し部材30、32を内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106が水平方向に延在する姿勢に付勢するように構成されている。
前記受け渡し部材用付勢手段2220は、第1可動部材2222と、第2可動部材2224と、付勢部材2226とを備えて構成されている。
第1可動部材2222は、横片部2208の前面の、横片部2208の長手方向の端部に近い箇所に突設された第1軸2228に軸支され、第2可動部材2224は、横片部2208の前面の横片部2208の長手方向の中心に近い箇所に突設された第2軸2230に軸支されている。第1、第2可動部材2222、2224は、前記係合ピン3116に当接する当接面2222A、2224Aが設けられている。
【0034】
また、第1可動部材2222の端部には連結部2222Bが設けられ、第2可動部材2224の端部には前記連結部2222Bと連結される連結部2224Bが設けられている。第1、第2可動部材2222、2224は、前記連結部2222Bと連結部2224Bが連結されることで第1軸2228、第2軸2230を中心に連動して揺動するように構成されている。
また、付勢部材2226はコイルばねなどから構成され、各第1可動部材2222と横片部2208の箇所との間に設けられている。
筐体12の正面から見て左側(図22の左側)に設けられた第1可動部材2222と第2可動部材2224は、前記付勢部材2226の付勢力によってそれぞれ時計回り方向と反時計回り方向に付勢されるが、前記第1可動部材2222の部分2222Cが前記横片部2208から前方に突設された規制片部2208Eに当接されることで第1、第2可動部材2222、2224は当接面2222A、2224Aがともに水平方向に延在する水平姿勢に保持される。
一方、筐体12の正面から見て右側(図22の右側)に設けられた第1可動部材2222と第2可動部材2224は、前記付勢部材2226の付勢力によってそれぞれ反時計回り方向と時計回り方向に付勢されるが、前記第2可動部材2224の部分2224Cが前記横片部2208から前方に突設された規制片部2208Fに当接されることで第1、第2可動部材2222、2224は当接面2222A、2224Aがともに水平方向に延在する水平姿勢に保持される。
【0035】
前記第1、第2可動部材2222、2224が前記水平姿勢に保持された状態で前記当接面2222A、2224Aに前記係合ピン3116が当接することで、前記第1、第2受け渡し部材30、32は、内側受け渡し片3104と外側受け渡し片3106が水平方向に延在する姿勢に保持される。
したがって、前記第1、第2可動部材2222、2224が前記付勢部材2226の付勢に抗して回動され前記当接面2222A、2224Aが前記係合ピン3116から離間する方向に移動すると、前記当接面2222A、2224Aによる前記係合ピン3116に対する規制が解除され、係合ピン3116は回動可能な状態となる。
また、筐体12の底壁1212には、前記第1、第2可動部材2222、2224の箇所に当接可能な不図示の当接部材が設けられている。後述するようにテープカートリッジ2の記録再生機構18に対する装着のために前記保持部22、すなわちフレーム2202が下降する過程で前記当接部材が前記第1、第2可動部材2222、2224の下部に当接すると、第1、第2受け渡し部材30、32が前記付勢部材2226の付勢に抗して回動され前記各当接面2222A、2224Aが前記係合ピン3116から離間する方向に移動する。そして、前記当接面2222A、2224Aによる前記係合ピン3116の回動阻止状態が解除される。
なお、この際、第1、第2受け渡し部材30、32は後述する第1、第2位置の何れかに位置し、したがって前記係合ピン3118は前記切り欠き2218の位置に位置している。
【0036】
第1駆動部36は、図13乃至図15、図26、図27に示されているように、第1受け渡し部材30に結合して駆動力を伝達するスライド部材3502、ラック部材3504、ガイド部材3506、スライド部材3502を左右方向に案内する第3、第4ロッド3508、3510、モータ3512、減速機構3514などを備えて構成されている。
第3ロッド3508は、筐体12の側壁1204、1206の上部の前部に両端が取着され左右方向に延在して設けられている。第4ロッド3510は、筐体12の側壁1204、1206の下部の前部に両端が取着され左右方向に延在して設けられている。
スライド部材3502は、左右方向に延在する横片部3502Aと、横片部3502Aの左端部から上方に延在する縦片部3502Bとから構成されている。ラック部材3504は横片部3502Aの後面側に取着され、ラック部材3504は横片部3502Aに沿って左右方向に延在するラック3504Aを有している。
ガイド部材3506は縦片部3502Bの後面側に取着され、ガイド部材3506は後面側に設けられ後方に開放された凹状のガイド溝3506Aと上端部に設けられ上方に開放された凹状のガイド溝3506Bとを有している。
前記ガイド部材3506のガイド溝3506Bが第3ロッド3508に摺動可能に挿通され、ラック部材3504に左右方向に延在して設けられた挿通孔3506Cに第4ロッド3510が摺動可能に挿通され、これにより、スライド部材3502は、筐体12の前部寄りの位置で横片部3502Aが左右方向に延在し、かつ、縦片部3502Bが鉛直方向に延在した状態を保持しつつ左右方向に移動可能に配設されている。
前記ガイド部材3506のガイド溝3506Aには、前記横片部2208の前面から長溝2208Cを介して突出している係合ピン3116が上下方向に摺動可能に左右方向に移動不能に係合されている。
【0037】
したがって、ガイド部材3506と第1受け渡し部材30の結合は、前記係合ピン3116がガイド溝3506Aに係合されることによって行なわれ、これにより第1受け渡し部材30の上下の位置に拘わらずスライド部材3502と一体的に第1受け渡し部材30が左右方向に移動されるように構成されている。
前記モータ3512、減速機構3514は、筐体12の底壁1202の上面の前部に配設されている。減速機構3514は、モータ3512の駆動軸に取着されたウォーム歯車3514A、4つの歯車3514B、3514C、3514D、3514Eから構成されている。歯車3514Eはラック3504Aに噛合している。
モータ3512の駆動力は、減速機構3514により減速された後、ラック3504Aに伝達され、ラック3504A、すなわちスライド部材3502が左右方向に移動し、これにより第1受け渡し部材30が左右方向に移動されるように構成されている。
なお、前記第1駆動部36によって第1受け渡し部材30が内側受け渡し片3104と外側受け渡し片3106の間に第1マガジン14を挟む(またぐ)第1位置(図2参照)に位置決めされたときに、内側受け渡し片3104と第1マガジン14との間、および、外側受け渡し片3106と第1マガジン14との間に、それぞれ隙間が確保され、第1マガジン14を挟んだ状態で上下に移動できるように構成されている。
また、前記第1駆動部36によって第1受け渡し部材30が内側受け渡し片3104と外側受け渡し片3106の間に保持部22を挟む(またぐ)第2位置(図35参照)に位置決めされたときに、内側受け渡し片3104と保持部22との間、外側受け渡し片3106と保持部22との間、外側受け渡し片3106と第1マガジン14との間、内側受け渡し片3104と第2マガジン16との間、内側受け渡し片3104と第2受け渡し部材32の内側受け渡し片部3104との間に、それぞれ隙間が確保され、保持部22を挟んだ状態で該保持部22と一体的に上下に移動できるように構成されている。
【0038】
図28に示されているように、第2受け渡し部材32を移動させる第2駆動部38は、スライド部材3502、ラック部材3504、ガイド部材3506、第3、第4ロッド3508、3510、モータ3512、減速機構3514、スリット片部3516、センサ3518などを備えて構成されている。
第2駆動部38が第1駆動部36と異なるのは、スライド部材3502の横片部3502Aと縦片部3502Bの上下関係が前記第1駆動部のスライド部材3502と逆になっていることである。このため、スライド部材3502の横片部3502Aに取着されたラック部材3504の挿通孔に第3ロッド3508が摺動可能に挿通され、ガイド部材3506の下端部に設けられ下方に開放されたガイド溝3506Bが第4ロッド3510に摺動可能に挿通されている。
図29には、第2受け渡し部材32の係合ピン3116と、ガイド部材3506のガイド溝3506Aとの係合状態が示されている。
すなわち、前記ガイド部材3506のガイド溝3506Aには、前記横片部2208の前面から長溝2208Cを介して突出している係合ピン3116が上下方向に摺動可能に左右方向に移動不能に係合されている。
したがって、ガイド部材3506と第2受け渡し部材32の結合は、前記係合ピン3116がガイド溝3506Aに係合されることによって行なわれ、これにより第2受け渡し部材32の上下の位置に拘わらずスライド部材3502と一体的に第2受け渡し部材32が左右方向に移動されるように構成されている。
また、前記横片部3502Aに取着されたラック部材3502が上方に位置している構成のため、モータ3512、減速機構3514が筐体12の上壁1212の上面の前部に配設されている。
スリット片部3516は、図28に示されているようにスライド部材3502の上部に突設されスライド部材3502の長手方向と平行に延在して設けられており、複数のスリットが前記長手方向に間隔をおいて形成されている。センサ3518は、筐体12の上壁1212に取着され、前記スリット片部3516のスリットの通過を検出することで前記スライド部材3502の位置に対応する検出信号を出力するように構成されている。センサ3518から出力された検出信号は後述する制御部に入力され、モータ3512の制御に用いられる。
なお、図27には図示されていないが、第1駆動部36にも前記スリット片部3516とセンサ3518と同様の構成が設けられており、前記センサの検出信号が前記制御部によって前記第1駆動部36のモータ3512の制御に用いられている。
【0039】
なお、前記第2駆動部38によって第2受け渡し部材32が内側受け渡し片3104と外側受け渡し片3106の間に第2マガジン16を挟む第1位置に位置決めされ、内側受け渡し片3104と第1マガジン14との間、および、外側受け渡し片3106と第1マガジン14との間に、それぞれ隙間が確保され、第1マガジン14を挟んだ状態で上下に移動できるように構成されている。
また、前記第2駆動部38によって第2受け渡し部材32が内側受け渡し片3104と外側受け渡し片3106の間に保持部22を挟む第2位置に位置決めされたときに、内側受け渡し片3104と保持部22との間、外側受け渡し片3106と保持部22との間、外側受け渡し片3106と第2マガジン16との間、内側受け渡し片3104と第1マガジン14との間、内側受け渡し片3104と第1受け渡し部材30の内側受け渡し片部3104との間に、それぞれ隙間が確保され、かつ、保持部22を挟んだ状態で該保持部22と一体的に上下に移動できるように構成されている。
【0040】
次に、記録再生機構18について説明する。
記録再生機構18は、図1、図2、図5、図15などに示されているように、筐体12の底壁1202の上面に配設されている。
また、記録再生機構18は、図30乃至図32に示されているように、搬送空間17の下部に臨む箇所に設けられテープカートリッジ2が装着される装着部1802、前記装着部1802に接続され回転式ヘッド1803を有する記録再生部1804、上記回転式ヘッド1803の上方を覆うように水平方向に延在されるカバー1806、記録再生部1804に隣接する電源部1807などを有して構成されている。記録再生部1804は、装着部1802に接続して設けられ、第2マガジン16の下部と筐体12の底壁1202との間に形成される空間に延在されている。
そして、保持部22がテープカートリッジ2を収容保持した状態で搬送空間17内を下方に移動することにより、保持部22に収容された状態でテープカートリッジ2が前記装着部1802に装着されるように構成されている。
装着部1802には、テープカートリッジ2の下面212側に臨む2つのリール217の軸受部219に係脱可能に連結される2つのリール軸1808が設けられている。
また、装着部1802には、テープカートリッジ2の下面212に設けられた前記位置決め孔234、236に嵌合してテープカートリッジの上下方向と水平方向の位置決めを行なう図略の2つの位置決めピンが上方に向けて突設されるとともに、前記テープカートリッジ2の下面212に当接して上下方向の位置決めを行なう図略の当接部とが設けられている。
【0041】
前記各位置決めピンは前記位置決め孔234、236より径の小さな小径部と、位置決め孔234、236よりも径が大きな大径部と、前記小径部と大径部の間に形成される環状の段部とを有し、前記小径部が位置決め孔に挿通されることにより水平方向の位置決めがなされるとともに、前記当接部が前記下面212に当接し、かつ、前記段部が前記位置決め孔の縁部に当接することで上下方向の位置決めがなされるように構成されている。
また、装着部1802には、テープカートリッジ2が装着部2に装着される際にテープカートリッジ2の開閉蓋216の箇所に当接することで前記開閉蓋216を開放させる図略の凸部が設けられている。
したがって、装着部1802に対するテープカートリッジ2の装着は、保持部22に保持収容されたテープカートリッジ2が搬送空間17内を下方に移動し、位置決め孔234、236が前記各位置決めピンに嵌合し、前記下面212が前記当接部に当接し、開閉蓋216が前記凸部で跳ね上げられ、前記各リール軸1808が前記各軸受部219に嵌合されることによって行なわれる。
この際、前記保持部22の第1保持板2204に設けられた各付勢部材2204Jの端部2204J1によってテープカートリッジ2の上面204が下方に押圧されることでテープカートリッジ2が装着部1802へ押圧され装着が確実に行なわれる。
記録再生部1804は、装着部1802に装着されたテープカートリッジ2からテープを引き出して回転式ヘッド1803に押圧させるローディング動作を行ない、ローディングされたテープに対して回転式ヘッド1803による記録または再生が行なわれるようになっている。
【0042】
前記ロック機構40は、保持部22が搬送空間17内の最下位位置、すなわちテープカートリッジ2を記録再生機構18に装着するときと同じ位置にある状態で保持部22を固定する機能を有している。
ロック機構40は、図33に示されているように、2つのロック爪4002、4004、減速機構4006、伝達軸4008、モータ4010、支持柱4012などから構成されている。
前記ロック爪4002、4004は、前記底壁1202の上面の前部と後部に設けられており、前記被係合部2202A、2202Bに係脱可能に構成されている。減速機構4006、伝達軸4008、モータ4010、支持柱4012は、前記底壁1202の上面に設けられている。図32に示されているように、前記支持柱4012は、前記保持部22が後述する最下位位置に位置決めされたときに、保持部22の本体片部2210の箇所2210Aに支持柱4012の上端が当接されるように構成されている。
モータ4010の駆動力は、減速機構4006を構成するウォーム歯車4006Aと3つの歯車4006B、4006C、4006Dにより減速された後、ロック爪4004に伝達されるとともに、伝達軸4008を介してロック爪4002に伝達され、これによりロック爪4002、4004が前記被係合部2202A、2202Bに係合されることで保持部22が移動不能に固定され、また、上記係合が解除されることで保持部22が搬送空間17で移動可能となるように構成されている。
記録媒体交換式記録再生装置10の動作停止を指示する操作が後述する操作部に対してなされると、後述する制御部の制御により、前記第1、第2駆動部36、38によって前記第1、第2受け渡し部材30、32が図2に示すように前記第1位置に位置決めされるとともに、前記駆動部24によって保持部22が前記最下位位置に位置決めされ、前記保持部22の箇所2210Aが前記支持柱4012の上端に当接される。
そして、前記ロック機構40のロック爪4002、4004が前記被係合部2202A、2202Bに係合され保持部22が移動不能に固定される。次いで、記録媒体交換式記録再生装置10の電源がオフされる。
これにより、記録媒体交換式記録再生装置10の電源がオフされている間は、保持部22は、前記ロック爪4002、4004と支持柱4012とに挟み込まれた状態となり前記最下位位置に確実に位置決めされる。また、記録媒体交換式記録再生装置10の電源が投入されると、制御部の制御によりロック機構40のロック爪4002、4004による前記被係合部2202A、2202Bの係合が解除され、保持部22の移動が可能となるように構成されている。
【0043】
次に、前記制御部について説明する。
前記制御部は、前記駆動部24、前記第1、第2駆動部36、38、前記記録再生機構18、前記ロック機構40を制御するもので、例えば、CPUなどから構成され筐体12の適宜箇所に設けられている。
前記制御部は、前記センサ2418の検出信号を計数して前記保持部22の位置を認識するとともに、パルスモータである第1モータ2402の回転量を制御することによって保持部22の移動方向、移動量を制御する。
したがって、前記制御部は、保持部22の所定の基準位置を原点とし、その原点からの相対位置を前記検出信号を計数することによって前記保持部22の位置を認識するように構成されている。第1の実施の形態では、前記最下位位置を前記原点として前記検出信号の計数を行なうものとする。
また、前記センサ3518の検出信号に基づいて前記第1、第2駆動部36、38のモータ3512モータに与える駆動信号を制御することによって第1、第2受け渡し部材30、32の移動方向、移動量を制御する。
また、前記ロック機構40のモータ4010に与える駆動信号を制御することによってロック爪4002、4004の移動方向、移動量を制御する。
また、前記操作部は、所望のテープカートリッジ2の記録、再生、早送り、巻き戻しなどの動作、電源のオン・オフなどを操作するための操作ボタンなどを有して構成され、筐体12の適宜箇所に操作可能に設けられている。
【0044】
次に、記録媒体交換式記録再生装置の動作について説明する。
まず、操作部の操作により、第1マガジン14の収容されている所望のテープカートリッジ2を記録再生機構18によって記録または再生させる動作について説明する。
前記第1、第2受け渡し部材30、32が前記第1位置にある状態で、駆動部24が制御されることにより所望のテープカートリッジ2が収容されている収容空間27の高さに対応する位置に保持部22を上方に移動させる。
すなわち、図36(A)に示されているように、マガジンブロック28の支持片2808の上面2822と下面2824の間隔T1の中心位置(一点鎖線)と、保持部22の前記第1保持板2204の本体板部2204Aと第2保持板2206の本体板部2206Aとの間隔T2の中心位置(一点鎖線)とが一致するように保持部22を移動させる。これにより第1、第2受け渡し部材30、32も保持部22と共に一体的に上方に移動される。
【0045】
次いで、図34に示されているように前記第1駆動部36を動作させることにより、第1受け渡し部材30を第1マガジン14側から保持部22に向けて右方向に移動させる。
第1受け渡し部材30が筐体12の内部で左右方向に移動する際に、内側受け渡し片部3104と外側受け渡し片部3106は、前記本体板部2206Aの上面と、前記本体板部2204Aの下面との間隔T2のほぼ中心位置を通過する。この際、第1受け渡し部材30と一体的に移動するカム部材3110が所望のテープカートリッジ2の凹部220に係合されている係合部材2830の押圧凸部2830Bを押圧することにより、係合爪2830Aのテープカートリッジ2の凹部220に対する係合がいったん解除され、テープカートリッジ2の水平方向への移動が可能な状態となる。
そして、第1受け渡し部材30の外側受け渡し片3106がテープカートリッジ2の後面210に当接して搬送空間17に向けて押圧することにより、テープカートリッジ2は第1マガジン14の収容空間27から保持部22の収容空間29に向けて移送される。
テープカートリッジ2の上面204、下面212、側面206、208は、それぞれマガジンブロック28の支持片2808の下面、上面、壁部2802、2818に案内されるとともに、保持部22の本体板部2204A、2206A、側壁部2204B、2206Cに案内されて収容空間29内に収容される。
図35に示されているように、第1受け渡し部材30が搬送空間17内へ移動された段階でカム部材3110の前記押圧凸部2830Bへの押圧が解除されているため、第1マガジン14の係合爪2830Aは収容空間27内に突出した状態に戻っている。
【0046】
このようなテープカートリッジ2の受け渡し時、第1の実施の形態では、保持部22の自由端22Bと、第1、第2マガジン14の各支持片2808の自由端2808Bを逆向きにしたので、次のような効果が奏される。
図40(A)、(B)は、図を簡単にするために、保持部22については第1、第2保持板2204、2206、横片部2208のみが示され、前記マガジンブロック28については取付板2802、支持片2808、壁部2818のみが示され、図40(A)はテープカートリッジ2が保持部22からマガジンブロック28へ移送される前の状態を示し、図40(B)はテープカートリッジ2が保持部22からマガジンブロック28へ移送される途中の状態を示している。
ここで、仮に、保持部22の収容空間29と支持片2808間の収容空間27との上下方向の位置がずれた状態でテープカートリッジ2の移送が行なわれたとしても、図40(B)に示されているように、保持部22と支持片2808の前記テープカートリッジ2に臨む部分が、移送される前記テープカートリッジ2の部分に当接されることによって、前記自由端22B、2808Bがテープカートリッジ2の移動方向に対して直交する方向(上下方向)に変位して逃げる。したがって、テープカートリッジ2が支持片2808の部分に引っかかることなく保持部22からマガジンブロック28へ円滑に移送される。
なお、テープカートリッジ2が支持片2808間の収容空間27から保持部22の収容空間29に移送される際も保持部22と支持片2808の前記テープカートリッジ2に臨む部分が、移送される前記テープカートリッジ2の部分に当接されることによって、前記自由端22B、2808Bが変位することは同様であり、テープカートリッジ2が保持部22の部分に引っかかることなくマガジンブロック28から保持部22へ円滑に移送される。
また、このように保持部22の収容空間29と支持片2808間の収容空間27との上下方向の位置が多少ずれていてもテープカートリッジ2の移送を円滑に行なうことができるため、各支持片2208の寸法精度や保持部22の駆動精度の許容度を大きくとることができるという効果もある。
【0047】
上記のようにテープカートリッジ2が収容空間29に収容されると、テープカートリッジ2の凹溝226に保持部22に設けられた前記ローラ2206Kが係合することでテープカートリッジ2の収容空間29内でのテープカートリッジ2の前後方向の位置が保持される。
この際、第2受け渡し部材32は、第1受け渡し部材30の移動に伴い、前記第1位置における左右方向の位置よりも更に第2マガジン16寄りに移動される。これは第1受け渡し部材30の内側受け渡し片部3104が第2受け渡し片部32の内側受け渡し片部3104に当接し、前記第1位置にある第2受け渡し片部32の内側受け渡し片部3104の位置よりもに更に第2マガジン16寄りに移動するためである。
この結果、第2マガジン16に収容されているテープカートリッジ2は、その後面210が第2受け渡し部材32の内側受け渡し片3104によって押圧されるため、テープカートリッジ2の開閉蓋216が付勢部材2828に押圧された状態でマガジンブロック28の壁部2814に向けていったん変位された状態となる。
【0048】
次いで、図35に示されているように、第1駆動部36が制御され、第1受け渡し部材30が前記第2位置に位置決めされる。さらに第2駆動部38が制御され第2受け渡し部材32の内側受け渡し片部3104がテープカートリッジ2の後面210から離れる。これにより、前記第2マガジン16に収容されているテープカートリッジ2は、第2マガジン16方向の押圧力が解除されるので付勢部材2828の作用によって搬送空間17方向に変位して当初の位置に戻る。
【0049】
この状態から駆動部24が制御部によって制御されることにより、テープカートリッジ2が収容された保持部22、第1、第2受け渡し部材30、32が搬送空間17内を下方に移動しテープカートリッジ2が装着部1802側に向けて移動される。
図31、図32に示されているように、テープカートリッジ2が装着部1802に装着される際、第1、第2受け渡し部材30、32の受け渡し片3104、3106は、カバー1806に干渉する位置となっている。しかしながら、各受け渡し片3104、3106がカバー1806に当接した状態で保持部22がさらに下方に移動することで、前記第1、第2受け渡し部材30、32は前記第2ロッド3402の軸線回り上方に回動される。これにより、各受け渡し片3104、3106がカバー1806から逃げるため、第1、第2受け渡し部材30、32とカバー1806の干渉による動作上の支障は回避されている。
そして、保持部22の下方への移動に伴い装着部1802の各リール軸1808が前記テープカートリッジ2の各軸受部219に嵌合し、テープカートリッジ2が装着される。
テープカートリッジ2が装着部1802に装着されると、記録再生部1804によるローディング動作、記録または再生動作が行なわれる。
【0050】
次に、記録再生機構18の記録再生部1804による記録または再生動作が終了すると、テープカートリッジ2は元のマガジンの収容空間に戻される。
すなわち、記録再生部1804によりローディングされていたテープがテープカートリッジ2内に収容される。
次いで、駆動部24が制御されることによって保持部22が搬送空間17内を上方に移動され、装着部1802の各リール軸1808と前記テープカートリッジ2の各軸受部219との嵌合が解除され、また、保持部22が上方に移動することにより、各内側受け渡し片3106とカバー1806の当接が解除されると、前記第1、第2受け渡し部材30、32は前記受け渡し部材用付勢手段2220により水平方向に延在する姿勢に復帰する。
そして、保持部22の更なる上方への移動により、保持部22は、前記テープカートリッジ2が収容されていた収容空間27の高さに対応する箇所に位置する。
この場合、前述したように、前記収容空間29に収容されたテープカートリッジ2は、その上下方向の中心位置が前記本体板部2206Aの上面と、前記本体板部2204Aの下面との間の間隔T2の中心位置よりも下方寄りに位置決めされている。
したがって、図36(A)に示されているように、前記本体板部2204Aと本体板部2206Aとの間隔T2の中心位置がマガジンブロック28の支持片2208の上面2822と下面2824との間隔T1の中心位置と一致するように保持部22を位置決めしたのでは、前記保持部22に保持されているテープカートリッジ2の下面212の位置が支持片2208の上面2822の位置よりも下方に位置することになり、テープカートリッジ2が保持部22からマガジンブロック28へ移送される際に、テープカートリッジ2が前記支持片2808の側縁部2820に引っかかるなどして円滑な受け渡しが阻害されるおそれがある。
したがって、第1の実施の形態では、図36(B)に示されているように、前記第2保持板2206の本体板部2206Aの上面と、前記マガジンブロック28の支持片2808の上面2822との位置が一致するように保持部22の位置決めを行なう。これにより、テープカートリッジ2は前記支持片2808の側縁部2820に引っかかることなく、保持部22からマガジンブロック28への受け渡しが円滑に行なわれる。
【0051】
次いで、前記第1駆動部36を動作させることにより、第1受け渡し部材30を前記第2位置から第1マガジン14側に向けて移動させる。すなわち、第1受け渡し部材30の内側受け渡し片3104がテープカートリッジ2の開閉蓋216に当接して保持部22の収容空間29から第1マガジン14の収容空間27に向けて押圧することにより、テープカートリッジ2は保持部22の収容空間29から第1マガジン14の収容空間27に向けて移送される。
この際、第1受け渡し部材30と一体的に移動するカム部材3110が収容空間27に対応する係合部材2830の押圧凸部2830Bを押圧することにより、係合爪2830Aが収容空間27の外方に退避され、テープカートリッジ2の側壁208に対する係合爪2830Aの接触が回避されることにより、係合爪2830Aやテープカートリッジ2の損傷、異常音の発生が防止される。
第1受け渡し部材30によって、テープカートリッジ2が第1マガジン14の収容空間27に向けて移動される過程で、カム部材3110による押圧凸部2830Bの押圧が解除され、テープカートリッジ2の凹部220が係合部材2830の係合爪2830Aによって係合されるが、その位置からさらにテープカートリッジ2を付勢部材2828の付勢力に抗して移動させることで係合爪2830Aの係合を確実に行なわせる。これにより、テープカートリッジ2は第1マガジン14の収容空間27に収容される。
そして、第1駆動部36を制御して、第1受け渡し部材30を搬送空間17方向に移動させ前記第1位置まで戻す。
【0052】
次に、第2マガジン16と保持部22との間で行なわれるテープカートリッジ2の受け渡し動作と記録再生機構18における記録再生動作について説明する。図37、図38に示されているように、第2マガジン16から保持部22へのテープカートリッジ2の移送を行なう際の動作については、第1受け渡し部材30の代わりに第2受け渡し部材32が駆動されること以外は、前述した第1マガジン14から保持部22へのテープカートリッジ2の移送の動作と同様である。保持部22に収容されたテープカートリッジ2が記録再生機構18へ装着される動作と記録または再生動作については、テープカートリッジ2が装着部1802に装着される際、第2受け渡し部材32の外側受け渡し片3106のみが、カバー1806に干渉する位置となっており、第1受け渡し部材30の内側受け渡し片3104は、前記カバー1806から離間した位置にある点が前述した動作と異なっている。
このため、第2受け渡し部材32のみがカバー1806に当接して回動され、第2受け渡し部材32とカバー1806の干渉による動作上の支障が回避される。
また、テープカートリッジ2が記録再生機構18から取外される動作については前述した動作と同様である。
また、保持部22から第2マガジン16へのテープカートリッジ2の移送を行なう際の動作についても第2受け渡し部材32が動作されること以外は前述した動作と同様である。
【0053】
次に、前記ロック機構40の動作について説明する。
記録媒体交換式記録再生装置10の電源がオフされる前に、前記制御部は、前記ロック機構40によって保持部22を最下位位置にロックする。これにより、記録媒体交換式記録再生装置10が輸送されるなどして振動が加わる環境下におかれた場合でも、保持部22が不用意に移動して損傷を受けることを防止することができる。
また、前記ロック機構40によって前記保持部22を最下位位置に固定することで記録媒体交換式記録再生装置10の動作時間を短縮化を図っている。
すなわち、前記制御部は、前記保持部22の前記最下位位置を前記原点として前記センサ2418からの前記検出信号の計数を行なう。このため、記録媒体交換式記録再生装置10の電源を投入して直ぐに駆動部24を駆動して保持部22を最下位位置の原点に位置決めして制御部による計数値を初期化する初期化動作が必要である。したがって、記録媒体交換式記録再生装置10の電源投入の毎、記録再生動作を開始するまでに初期化動作のための時間が必要となるが、第1の実施の形態では前記初期化動作を省略することができる。以下、これについて説明する。
記録媒体交換式記録再生装置10を組み立てる過程において、次のような作業を行なう。すなわち、保持部22を最下位位置に位置決めするとともに、ロック機構40によって保持部22をロックする。次に、第1モータ2402に電源が供給され励磁されている状態でセンサ2418から検出信号が出力される位置となるようにスリット板2416の前記歯車2406の回転軸に対する回転位置を決めて、その状態でスリット板2416を前記回転軸に固定する。
このように構成することで、保持部22がロック機構40によってロックされた状態で記録媒体交換式記録再生装置10に電源を投入し、第1モータ2402が励磁されると、保持部22の最下位位置が正確に再現されることになる。したがって、記録媒体交換式記録再生装置10の電源を投入すれば、保持部22は常に最下位位置である原点に正確に位置決めされているから、前記初期化動作を省略することができ、前記センサ2418からの検出信号に基づく計数動作を直ぐに開始して、保持部22を所望の位置に移動させることができる。
また、前記センサ2418としては、絶対位置を検出する方式の高価なセンサを用いる必要が無いので、安価なインクリメンタル方式のセンサを用いることが可能となる。
なお、ロック機構40による保持部22の最下位位置でのロックは、記録媒体交換式記録再生装置10の電源オフ時に限らず、保持部22の動作がしばらく休止されるような状況時に行なうようにしてもよいことはもちろんである。
【0054】
以上詳述したように、第1の実施の形態の媒体交換式記録再生装置によれば、第1、第2マガジン14、16の間に、これら第1、第2マガジン14、16の長手方向に沿って延在する搬送空間17が設けられ、保持部22によるテープカートリッジ2の移動がこの搬送空間17で行なわれる。
このため、カセットマガジンをテープカートリッジのケースの厚さ方向に1列に並べ、テープカセットの搬送空間をカセットマガジンに沿って設けた前記従来装置と違って、搬送空間をほぼ1/2とすることができ、装置の小型化を実現できる。
また、テープカートリッジ2の移動距離を前記従来装置に比較してほぼ1/2とすることができるため、テープカートリッジ2を搬送するために要する時間を短縮することができ、したがって、再生、記録を従来に比べて短時間で行なうことが可能となる。
また、保持部22の移動距離を前記従来装置に比較してほぼ1/2とすることができるため、保持部22を駆動するためのモータのトルクが従来装置と比較して少ないものを採用でき、また、第1ロッドなどを短縮でき、部品コストの削減化、軽量化を図る上で有利となる。
また、第1、第2マガジン14、16に収容されたテープカートリッジ2の姿勢、保持部22に保持されているテープカートリッジ2の姿勢、装着部1802に装着されているテープカートリッジ2の姿勢をすべて同じとしたため、テープカートリッジ2の姿勢を反転する機構を設ける必要が無くなり、構成を簡素化でき、かつ、テープカートリッジ2を記録再生機構18の装着部1802に装着したり取り外したりする際に要する動作時間も短縮することができる。
また、前記テープカートリッジ2の前記装着部1802への脱着動作と、前記開閉蓋216の開閉動作は、テープカートリッジ2を搬送空間17に沿って一方向に移動することで行なわれる。したがって、いわゆるフロントローディング機構、すなわちテープカートリッジを所定方向にいったん引込む引込み動作を行ない、次いで前記所定方向と直交する方向に移動させることでテープカートリッジの記録再生機構に対する装着を行なう従来の記録再生装置と異なり、前記引込み動作が不要となるため、機構の簡素化と小型化を実現することができる。
また、第1の実施の形態においては、第2マガジン16の下部のみに記録再生機構18の記録再生部1804を配置し、前記第1マガジン14の下方には記録再生機構18が位置しないようにしたので、第1マガジン14の下部には記録再生部1804の厚さの分だけ第2マガジン16よりも多い収容部材26を設けることができ、テープカートリッジ2を多数収容する上で有利である。
また、前記第1マガジン14の下部に設けた記録再生部1804の厚さの分の分だけ多く設けられた収容部材26には、特定用途、例えば記録再生機構18のクリーニング用のテープカートリッジを収容することができる。
また、前記第1マガジン14の下部に設けた記録再生部1804の厚さの分の分だけ多く設けられた収容部材26を、予めテープカートリッジ2が収容されない空きスペースとして確保しておき、この空きスペースを利用して第1、第2マガジン14、16に収容されている各テープカートリッジ2の入れ替えを行なうことも可能である。
すなわち、使用頻度の高いテープカートリッジ2から順番に記録再生機構18に近い収容空間27に収容されるように、テープカートリッジ2を入れ替えれば、テープカートリッジ2を記録再生機構18に装着したり取り外したりする際に要する動作時間を短縮する上で有利となる。
【0055】
図39は、記録媒体交換式記録再生装置10をパーソナルコンピュータ100の外部記憶装置として使用した場合について示している。
記録媒体交換式記録再生装置10は、前記筐体12にはカバー13が装着されることで筐体12の内部が外部から閉塞され、いわゆるはめごろし構造となるように構成されている。
前記パーソナルコンピュータ100は、マザーボードやハードディスクドライブ装置などを内蔵した本体110、キーボード120、マウス130、ディスプレイ装置140などを備えている。前記本体110は、上下の高さと、左右の幅と、前後の長さを有した直方体状を呈している。
前記記録媒体交換式記録再生装置10が前記本体110と同等の高さ、幅および長さを有して構成されていれば、机上などに本体110と並べて配置することができ、パーソナルコンピュータ100と記録媒体交換式記録再生装置10を限られたスペースでコンパクトに配置することができる。
【0056】
具体的に説明すると、広く知られているパーソナルコンピュータ用のマイクロATXと呼ばれるマザーボードは、縦横の寸法が244mm角であり、前記マザーボードを内蔵した、いわゆるマイクロタワーサイズのパーソナルコンピュータの本体に並べた際に、前記本体と同等の高さ、幅および長さを有するように本発明の記録媒体交換式記録再生装置は構成されている。
また、前記本体110と記録媒体交換式記録再生装置10はその底面の投影面積がほぼ同一であるため、これら本体110と記録媒体交換式記録再生装置10を上下に積み重ねるようにして一体化することも可能である。
この場合、本体110と記録媒体交換式記録再生装置10を接続ケーブルを用いること無く接続することにより、大記憶容量を有するパーソナルコンピュータを構成することができる。
【0057】
また、本発明の記録媒体交換式記録再生装置において、データカートリッジ(データ8mmカセット)をテープカートリッジ2として用いることにより、テレビ番組を長時間録画再生することができ、以下に説明するような録画予約不要な番組記録再生システムを構築することが可能となる。
すなわち、前記データカートリッジは、1巻当たり50GB〜100GBの記憶容量を有しているため、第1の実施の形態の場合には、記録媒体交換式記録再生装置がデータカートリッジ20巻分の記憶容量、つまり1TB(テラバイト)〜2TBの記憶容量を有することになる。
前記1TB〜2TBの記憶容量は、例えば6Mbps程度のビットレートのMPEG2で圧縮された動画像を約370時間〜740時間記録することができる記憶容量である。
したがって、テレビ放送を1日当たり約10時間、5チャンネル分毎日録画して1週間〜2週間分の動画像を記録することが可能となり、このような番組の録画を繰り返して行なえば、常に1週間〜2週間前までの任意の番組を再生して見ることができ、テレビ番組を予約録画する必要がなくなるという番組記録再生システムを構築することができる。
【0058】
なお、第1の実施の形態では、テープカートリッジ2としてデータカートリッジ(データ8mmカセット)を用いて説明したが、前記データカートリッジは開閉蓋216のロック機構を有しているのが一般的である。しかしながら、第1の実施の形態では、前記テープカートリッジ2がロック機構を有しないものとして説明した。これは、前記ロック機構がテープカートリッジ2を記録再生装置などから取り外したときに不用意に開閉蓋216が開くことを防止するためのものであり、前記はめごろし構造ではテープカートリッジ2をユーザーが取出すことはなく、前記ロック機構が不要となるからである。
しかしながら、本発明においては、前記ロック機構を有する通常のテープカートリッジ2を用いるとともに、前記テープカートリッジ2が前記記録再生機構40に装着される直前に前記ロック機構のロックを解除するロック解除手段を設けてもよい。
【0059】
また、本発明の記録媒体交換式記録再生装置は、大量のビデオソフトを記録または再生するビデオ装置として構成することも可能である。
テープカートリッジ2として動画および音声を記録するビデオテープカートリッジを使用し、記録再生機構18によって前記各テープカートリッジ2の記録再生を行なうように構成すれば、多数のテープカートリッジ2を第1、第2マガジン14、16に収容しているので、映画やドラマなどのビデオソフトを大量に記録したり再生することができる。また、大量のビデオソフトを収容することによって、ビデオソフトの視聴、記録に際してテープカートリッジ2を着脱する手間が不要となる。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図41は、第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図、図42は第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置で受け渡し部材が第1マガジン側に位置した状態を斜め前方から見た斜視図、図43は図42を上方から見た平面図、図44は第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置で受け渡し部材が第2マガジン側に位置した状態を斜め前方から見た斜視図、図45は図44を上方から見た平面図、図46はスライド部材と受け渡し部材の係合状態を説明するための斜視図である。
なお、図41乃至図46において、第1の実施の形態と同様な部材、箇所には、第1の実施の形態と同一の符号を付して説明する。
【0061】
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、図41、図42に示すように、第1、第2マガジン14、16と保持部22との間でテープカートリッジ2を受け渡す受け渡し機構25Aが単一の受け渡し部材33で構成され、第1、第2マガジン14、16に前記受け渡し部材33が通過するための移動空間19が設けられている点であり、その他の点においては前記第1の実施の形態と同様である。
すなわち、前記受け渡し部材33は前記第1マガジン14および第2マガジン16並びに搬送空間17に沿ってそれぞれ移動可能に配設されるとともに、前記第1マガジン14と前記搬送空間17との間、および第2マガジン16と搬送空間17との間で移動可能に配設されている。
そして、前記受け渡し部材33は、前記移動空間を介して第1マガジン14と第2マガジン16との間を移動するように構成されている。
【0062】
前記移動空間19は、前記第1、第2マガジン14、16の長手方向の中間箇所において収容部材26の間に設けられ、前記長手方向と直交する方向に延在している。
各移動空間19は、前記搬送空間17を挟んで前記長手方向の同じ位置に位置しており、これら移動空間19を通って前記受け渡し機構25Aの単一の受け渡し部材33が前記長手方向と直交する方向に移動可能となるように構成されている。
【0063】
前記受け渡し機構25Aは、図41、図43に示されているように、テープカートリッジ2を第1マガジン14と第2マガジン16と保持部22との間で受け渡しするための単一の受け渡し部材33と、受け渡し部材33を案内する案内部34、受け渡し部材33を移動させる駆動部37から構成されている。
【0064】
案内部34は、フレーム2202の横片部2208と平行方向に延在し、両端が横片部2208の両端にそれぞれ取着された第2ロッド3402(特許請求の範囲の案内部材に相当)(図46参照)から構成されている。
図43、図46に示すように、前記受け渡し部材33は、フレーム2202の横片部2208に平行に配設される直線状の基片部3102と、この基片部3102の両端から突出され横片部2208の長手方向に間隔をおいた左右2つの受け渡し片部3107から構成されている。
2つの受け渡し片部3107の間の寸法は、第1、第2マガジン14、16をまたぎつつ上下方向に移動できるように第1、第2マガジン14、16の左右方向の幅よりも大きな寸法で形成され、また、保持部22の収容されたテープカートリッジ2を後述する記録再生機構18に装着する際に、保持部22と干渉しないように、保持部22の左右方向の幅よりも大きな寸法で形成されている。
【0065】
図43、図46に示すように、前記基片部3102の両端には連結片3108が設けられ、前記各連結片部3108にはメタル軸受3112が取着され、これらメタル軸受3112には前記第2ロッド3402が摺動可能に結合され、メタル軸受3112が第2ロッド3402に結合することで、受け渡し部材33は筐体12の内部で第2ロッド3402に沿って左右方向に移動可能に、かつ、第2ロッド3402の軸線回りに回動可能に配設されている。
また、第2ロッド3402に結合された受け渡し部材33の基片部3102は、前記2つの受け渡し片部3107が前記第1、第2マガジン14、16をまたぎつつ上下方向に移動できるように第1、第2マガジン14、16よりも前方に配設されている。
したがって、前記駆動部24によるフレーム2202の移動により、フレーム2202を介して受け渡し部材33も保持部22と一体的に上下に移動されるように構成されている。
【0066】
図46に示されているように、前記基片部3102の第1マガジン14、第2マガジン16に対面する箇所にはカム部材3110が取着されている。カム部材3110は、第1、第2マガジン14、16のマガジンブロック28の係合部材2830の押圧凸部2830Bを押圧することで、係合爪2830Aのテープカートリッジ2の凹部220、孔224に対する係合を解除するようになっている。
受け渡し部材33の基片部3102の箇所で2つの受け渡し片部3107と反対側の箇所には、筐体12の前部に向けて係合ピン3116が設けられている。係合ピン3116は、横片部2208に設けられた溝部2208Gを挿通して横片部2208の前面側にまで突出している。
なお、各受け渡し片部3107が第2ロッド3402回りに回動可能に連結された状態で回動方向に回動される構成については第1の実施の形態と同様である。
【0067】
駆動部37は、図43、図44に示されているように、受け渡し部材33に結合して駆動力を伝達するスライド部材3702、雌ねじ部3704、ガイド部材3706(図46参照)、駆動軸3708、スライド部材3702を左右方向に案内するロッド3710、モータ3712、減速機構3714などを備えて構成されている。
駆動軸3708は、外周に雄ねじが形成され、筐体12の側壁1204、1206の上部の前部に両端が回動可能に取着され左右方向に延在して設けられている。
ロッド3710は、筐体12の側壁1204、1206の下部の前部に両端が取着され左右方向に延在して設けられている。
スライド部材3702は、左右方向に延在する横片部3702Aと、横片部3702Aの右端部から下方に延在する縦片部3702Bとから構成されている。雌ねじ部3704は横片部3702Aの後面側に設けられ、前記駆動軸3708の雄ねじに螺合している。
図46に示すように、前記ガイド部材3706は、スライド部材3702の縦片部3702Bの後面側に設けられ後方に開放された凹状のガイド溝3706Aを有している。
前記スライド部材3702の縦片部3702Bの下部は、前記ロッド3710に対して摺動可能に連結され、これにより、スライド部材3702は、筐体12の前部寄りの位置で横片部3702Aが左右方向に延在し、かつ、縦片部3702Bが鉛直方向に延在した状態を保持しつつ左右方向に移動可能に配設されている。
図46に示すように、前記ガイド部材3706のガイド溝3706Aには係合ピン3116が上下方向に摺動可能に左右方向に移動不能に係合されている。なお、図46では、図示を省略しているが、前記係合ピン3116は、第1の実施の形態と同様に、フレーム2202の横片部2208の前面から溝部2208Gを介して突出されている。
【0068】
したがって、ガイド部材3706と受け渡し部材33の結合は、前記係合ピン3116がガイド溝3706Aに係合されることによって行なわれ、これにより受け渡し部材33の上下の位置に拘わらずスライド部材3702と一体的に受け渡し部材33が左右方向に移動されるように構成されている。
前記モータ3712、減速機構3714は、筐体12の上壁1212の上面の右側前部に配設されている。減速機構3714は、モータ3712の駆動軸に取着されたウォーム歯車と前記駆動軸3708に設けられた歯車とから構成されている。
モータ3712の駆動力は、減速機構3714により減速された後、前記駆動軸3708を介して雌ねじ部3704に伝達されることにより、スライド部材3702が左右方向に移動し、これにより受け渡し部材33が左右方向に移動されるように構成されている。
なお、スライド部材3702のスライド方向の位置検出を行うためのスリットやセンサの構成は第1の実施の形態と同様であり、センサの検出信号に基づいてモータ3712の制御が行なわれる点も第1の実施の形態と同様である。
【0069】
なお、前記駆動部37によって受け渡し部材33が各受け渡し片3107の間に第1マガジン14を挟む(またぐ)第1位置(図43参照)に位置決めされたときに、各受け渡し片3107と第1マガジン14との間に、それぞれ隙間が確保され、第1マガジン14を挟んだ状態で上下に移動できるように構成されている。同様に、前記駆動部37によって受け渡し部材33が各受け渡し片3107の間に第2マガジン16を挟む(またぐ)第3位置(図45参照)に位置決めされたときに、各受け渡し片3107と第2マガジン16との間に、それぞれ隙間が確保され、第2マガジン16を挟んだ状態で上下に移動できるように構成されている。
また、前記駆動部37によって受け渡し部材33が各受け渡し片3107の間に保持部22を挟む(またぐ)第2位置に位置決めされたときに、各受け渡し片3107と保持部22との間、一方の受け渡し片3107と第1マガジン14との間、他方の受け渡し片3107と第2マガジン16との間に、それぞれ隙間が確保され、保持部22を挟んだ状態で該保持部22と一体的に上下に移動できるように構成されている。
すなわち、受け渡し部材33は、第1マガジン14および第2マガジン16並びに搬送空間17に沿ってそれぞれ移動可能に配設されている。
記録再生機構18、ロック機構40、制御部については第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0070】
次に、記録媒体交換式記録再生装置の動作について説明する。
なお、第1の実施の形態と重複する動作についてはその説明を省略する。
まず、操作部の操作により、第1マガジン14の収容されている所望のテープカートリッジ2を記録再生機構18によって記録または再生させる動作について説明する。
初期状態として、保持部22が最下位位置に位置し、前記受け渡し部材33が各受け渡し片3107の間に保持部22を挟んだ第2位置にあり、保持部22にはテープカートリッジ2が収容されておらず、したがって記録再生機構18にテープカートリッジ2が装着されていないものとする。
この状態で、駆動部24が制御されることにより前記移動空間19の高さに対応する位置に保持部22を上方に移動させる。
次いで、駆動部37が制御されることにより受け渡し部材33を保持部22から第1マガジン14側に向けて左方向に移動させる。これにより、受け渡し部材33は、移動空間19を通って各受け渡し片3107が第1マガジン14を跨ぐ第1位置(図43)に位置決めされる。
次いで、受け渡し部材33が第1位置にある状態で、駆動部24が制御されることにより所望のテープカートリッジ2が収容されている収容空間27の高さに対応する位置に保持部22を移動させる。これにより受け渡し部材33も保持部22とともに移動される。
【0071】
次いで、前記駆動部37を動作させることにより、受け渡し部材33を第1マガジン14側から保持部22に向けて右方向に移動させる。
受け渡し部材33が筐体12の内部で左右方向に移動する際に、各受け渡し片部3107は、前記本体板部2206Aの上面と、前記本体板部2204Aの下面との間隔T2のほぼ中心位置を通過する。
そして、受け渡し部材33の左側の受け渡し片3107がテープカートリッジ2の後面210に当接して搬送空間17に向けて押圧することにより、テープカートリッジ2は第1マガジン14の収容空間27から保持部22の収容空間29に向けて移送される。
テープカートリッジ2の上面204、下面212、側面206、208は、それぞれマガジンブロック28の支持片2808の下面、上面、壁部2802、2818に案内されるとともに、保持部22の本体板部2204A、2206A、側壁部2204B、2206Cに案内されて収容空間29内に収容される。
【0072】
上記のようにテープカートリッジ2が収容空間29に収容されると、テープカートリッジ2の凹溝226に保持部22に設けられた前記ローラ2206Kが係合することでテープカートリッジ2の収容空間29内でのテープカートリッジ2の前後方向の位置が保持される。
次いで、駆動部37が制御され、受け渡し部材33が前記第2位置に位置決めされる。
【0073】
この状態から駆動部24が制御部によって制御されることにより、テープカートリッジ2が収容された保持部22、受け渡し部材33が搬送空間17内を下方に移動しテープカートリッジ2が装着部1802側に向けて移動される。
テープカートリッジ2が装着部1802に装着される際、受け渡し部材33の各受け渡し片3107は、カバー1806に干渉する位置となっている。しかしながら、各受け渡し片3107がカバー1806に当接した状態で保持部22がさらに下方に移動することで、前記受け渡し部材33は前記第2ロッド3402の軸線回り上方に回動される。これにより、各受け渡し片3107がカバー1806から逃げるため、受け渡し部材33とカバー1806の干渉による動作上の支障は回避されている。
そして、保持部22の下方への移動に伴い装着部1802の各リール軸1808が前記テープカートリッジ2の各軸受部219に嵌合し、テープカートリッジ2が装着される。
テープカートリッジ2が装着部1802に装着されると、記録再生部1804によるローディング動作、記録または再生動作が行なわれる。
【0074】
次に、記録再生機構18の記録再生部1804による記録または再生動作が終了すると、テープカートリッジ2は元のマガジンの収容空間に戻される。
すなわち、記録再生部1804によりローディングされていたテープがテープカートリッジ2内に収容される。
次いで、駆動部24が制御されることによって保持部22が搬送空間17内を上方に移動され、装着部1802の各リール軸1808と前記テープカートリッジ2の各軸受部219との嵌合が解除され、また、保持部22が上方に移動することにより、各受け渡し片3107とカバー1806の当接が解除されると、受け渡し部材33は前記受け渡し部材用付勢手段により水平方向に延在する姿勢に復帰する。
そして、保持部22の更なる上方への移動により、保持部22は、前記テープカートリッジ2が収容されていた収容空間27の高さに対応する箇所に位置する。
【0075】
次いで、前記駆動部37を動作させることにより、受け渡し部材33を前記第2位置から第1マガジン14側に向けて移動させる。すなわち、受け渡し部材33の右側の受け渡し片3107がテープカートリッジ2の開閉蓋216に当接して保持部22の収容空間29から第1マガジン14の収容空間27に向けて押圧することにより、テープカートリッジ2は保持部22の収容空間29から第1マガジン14の収容空間27に向けて移送される。これにより、テープカートリッジ2は第1マガジン14の収容空間27に収容され、受け渡し部材33は前記第1位置に位置決めされる。
【0076】
次に、第2マガジン16と保持部22との間で行なわれるテープカートリッジ2の受け渡し動作と記録再生機構18における記録再生動作について説明する。
図44、図45に示されているように、第2マガジン16から保持部22へのテープカートリッジ2の移送を行なう際の動作については、受け渡し部材33が移動空間19を通って第2マガジン16側に移動すること以外は、前述した第1マガジン14から保持部22へのテープカートリッジ2の移送の動作と同様である。
また、テープカートリッジ2が記録再生機構18から取外される動作については前述した動作と同様である。
また、保持部22から第2マガジン16へのテープカートリッジ2の移送を行なう際の動作についても受け渡し部材33が保持部22から第2マガジン16へ移動されること以外は前述した動作と同様である。
【0077】
以上詳述したように、第2の実施の形態の媒体交換式記録再生装置によれば、第1の実施の形態の効果に加えて次の効果を奏することができる。
すなわち、受け渡し機構が単一の受け渡し部材を有する構成であるため、受け渡し機構の部品点数の削減を削減でき軽量化とコストダウンを図る上で有利である。
また、第1、第2マガジン14、16の少なくとも1つの収容空間27をテープカートリッジ2を収容しない空きスペースとしておくことにより、第1、第2マガジン14、16に収容されている所望のテープカートリッジ2の収容位置を互いに入れ替えることができる。
すなわち、位置を入れ替えたい2つのテープカートリッジ2のうちの一方のテープカートリッジ2を前記空きスペースに収容させた状態で、位置を入れ替えたい他方テープカートリッジ2を一方のテープカートリッジ2が収容されていた収容空間27に収容する。次いで、空きスペースに収容されていた一方のテープカートリッジ2を他方のテープカートリッジ2が収容されていた収容空間27に収容させればよい。
【0078】
なお、第2の実施の形態では、移動空間19を第1、第2マガジン14、16の長手方向の中間箇所に設けたが、移動空間19は、第1、第2マガジン14、16の長手方向の端部に位置する収容部材26の外側に設けてもよい。
また、第1、第2マガジン14、16の各収容空間27のうち、各1箇所をテープカートリッジ2を収容しない空間として設定しておき、これら空いている収容空間27を移動空間19として使用するようにしてもよい。
【0079】
第1、第2の実施の形態では、記録媒体交換式記録再生装置10がはめごろし構造となっているため、ユーザーがテープカートリッジを記録媒体交換式記録再生装置10から取り外すことができないものとして説明したが、記録媒体交換式記録再生装置10の筐体12やカバーに開口部(スリット部)を設け、この開口部を介して第1、第2マガジン14、16に収容されているテープカートリッジ2を交換できるように構成してもよい。
また、前記筐体12に取着されている第1、第2マガジン14、16の一部または全部を、前記筐体12の外側から交換できるような構造としてもかまわない。
また、次に述べる第3の実施の形態のように、テープカートリッジ2を筐体12の外部から交換できるように構成することもできる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
図47は、第3の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図、図48は第3の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め前方から見た斜視図、図49は第3の実施の形態の取出し部を説明するための拡大斜視図である。
なお、図47乃至図49において、第2の実施の形態と同じ部分または相当する部分には、第2の実施の形態を示す図41乃至図46と同一の符号を付して説明する。
【0081】
第3の実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、図47、図48に示すように、前記第1マガジン14の長手方向の端部に前記受け渡し機構25Aとの間でテープカートリッジ2の受け渡しを可能とした取出し部50が設けられている点である。
【0082】
図47、図48に示すように、前記取出し部50は、筐体12の側壁1204の下部に設けられた開口1204Aを介して第1マガジン14の長手方向と直交する方向に出没可能に設けられたトレー5002と、該トレー5002に設けられテープカートリッジ2を収容する収容空間5004を備えている。
前記取出し部50は、前記トレー5002が筐体12内に収容された状態で、前記収容空間5004が第1マガジン14の長手方向の下端部に位置し、受け渡し機構25Aによって、保持部22に収容されているテープカートリッジ2が収容空間5004に受け渡されるとともに、収容空間5004に収容されているテープカートリッジ2が保持部22に受け渡されるように構成されている。
取出し部50は、筐体12内から外方に取出された状態で収容空間5004に収容されているテープカートリッジ2を交換することができるように構成されている。
【0083】
取出し部50の外側に面した箇所には、取出し部50を筐体12の外側に取出すために手を掛ける取手部5006が設けられている。
また、取出し部50が筐体12に収容された状態をロックする不図示のロック機構が設けられている。このロック機構は、後述するように前記制御部によってロックとロック解除が制御されるように構成されている。
図49に示すように、開口1204Aの上方の筐体12の外側箇所には、前記ロック機構のロック状態を解除させるためのロック解除ボタン5008、前記ロック機構がロック状態にあることを示すロックランプ5010、前記ロック機構がロック解除状態にあることを示すロック解除ランプ5012が設けられている。
ロック解除ボタン5008を操作したときに出力される操作信号は前記制御部に入力され、ロックランプ5010とロック解除ランプ5012を作動させるための駆動信号は制御部から入力されるように構成されている。
【0084】
次に、テープカートリッジ2の取出し動作について説明する。
通常、前記制御部によって、ロック機構はロック状態に制御され、ロックランプ5010は点灯状態に、ロック解除ランプ5012は滅灯状態にそれぞれ制御されている。
次に、前記操作部を操作して所望のテープカートリッジ2の取出しを指令すると、前記制御部は、前記移動機構20および受け渡し機構25Aを動作させて、所望のテープカートリッジ2を第1マガジン14または第2マガジン16から取出して保持部22に受け渡し、次いで、保持部22から取出し部50に受け渡す。
次いで、前記ロック機構のロックを解除して、ロックランプ5010を滅灯状態に、ロック解除ランプ5012を点灯状態に制御する。
操作者がロック解除ランプ5012の点灯を視認した後、ロック解除ボタン5008を操作すると、制御部はロック解除ボタン5008から入力される操作信号に基づいてロック機構を解除させ、取出し部50の取出しが可能となる。
【0085】
したがって、上述の構成によれば、記録媒体交換式記録再生装置10Bの筐体12内に収容されているテープカートリッジ2のうち、所望のテープカートリッジ2を外部に取出して交換することができる。
【0086】
また、第3の実施の形態において、特定のテープカートリッジ2についてその取出しを禁止するように構成することも可能である。以下、特定のテープカートリッジ2の取出しを禁止する構成について説明する。
なお、取出しを禁止するテープカートリッジ2とは、例えば著作権上複製が禁止されているもの、リージョナルコードのように使用する地域が特定されているもの、あるいはペアレントロックのように許可されない人による取出しが禁止されているものなどがある。
前記制御部(制御手段)は、取出しを禁止するテープカートリッジ2の取出しを操作部から指令されると、前記ロック機構のロックを解除せず、ロックランプ5010を点灯状態のまま維持するとともに、ロック解除ランプ5012を所定時間点滅させることによってロック解除が禁止されている旨、すなわち指定したテープカートリッジ2の取出しが禁止されている旨を報知するように構成される。
このような構成によれば、予め取出しが禁止されているテープカートリッジ2を記録媒体交換式記録再生装置10Bの筐体12の外に取出すことを禁止することができる。また、取出し使用者は、ロックランプ5010とロック解除ランプ5012の状態を視認することでテープカートリッジ2が取出し禁止であることを認識することができる。
【0087】
なお、前記取出し部50は、前記第1の実施の形態で示した記録媒体交換式記録再生装置の構成に適用することもできる。この場合には、第1、第2マガジン14、16のそれぞれの端部に取出し部50を設けることにより、第1、第2マガジン14、16のテープカートリッジ2を取出すことが可能となる。
【0088】
なお、第1乃至第3の実施の形態では、記録媒体交換式記録再生装置の記録再生機構が記録と再生の双方を行なうものとして説明したが、記録再生機構が記録と再生の何れか一方のみを行なうものであってもよい。
また、第1乃至第3の実施の形態では、前記記録媒体としてテープカートリッジを使用する記録媒体交換式記録再生装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、フロッピーディスク、ミニディスク、MO、DVDなどのように、情報を記録するディスク状の媒体と、この媒体を収容するケースとを備え、記録再生機構の装着部に対する着脱が特定の姿勢で行なわれる記録媒体を使用する形式の記録媒体交換式記録再生装置に適用することができる。このような記録媒体交換式記録再生装置の場合、記録再生機構の装着部には前記ディスク状の媒体を装着して回転駆動する回転駆動機構が設けられる。
また、記録媒体として、半導体メモリと、この半導体メモリを収容し外面に前記半導体メモリに対する記録再生を行なうための接続端子が設けられたケースとを備えた例えば半導体メモリカードを使用する形式の記録媒体交換式記録再生装置に適用することも可能である。このような記録媒体交換式記録再生装置の場合、前記記録再生機構の装着部には前記接続端子が装着されるコネクタが設けられ、前記半導体カードは、前記装着部に対する着脱が特定の姿勢で行なわれる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録媒体を収容する縦長のマガジンを2つ設け、これらマガジンの間に記録媒体の搬送空間を設けるようにした。
このため、記録媒体の搬送空間を前記マガジンの長手方向に沿って設ける従来装置に比較して搬送空間をほぼ1/2とすることができるので、マガジンに収容する記録媒体の数を多くした場合であっても、記録媒体交換式記録再生装置を小型化することができる。
また、前記保持部の移動距離を前記従来装置に比較してほぼ1/2とすることができるため、再生、記録を短時間で行なえ、また、移動機構も小型化できるので、部品コストの削減化、軽量化を図る上で有利となり、また、記録媒体を装着部に着脱する際に要する動作時間を短縮する上でも有利となる。
また、取出し部を設けたので、筐体内に収容されている記録媒体のうち所望の記録媒体を外部に取出して交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図である。
【図2】第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の平面図である。
【図3】第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の左側面図である。
【図4】第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め前方から見た斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め後方から見た斜視図である。
【図6】テープカートリッジの外観図であり、図6(A)は平面図、図6(B)は左側面図、図6(C)は右側面図、図6(D)は背面図、図6(E)は底面図である。
【図7】テープカートリッジの斜視図であり、図7(A)は斜め上方から見た状態を示す斜視図、図7(B)は斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】第1マガジンを構成するマガジンブロックをテープカートリッジの挿入取り出しが可能な方向に対して斜め上方から見た斜視図である。
【図9】図8に示したマガジンブロックを鉛直方向の軸線回りに180度回転した状態で見た斜視図である。
【図10】マガジンブロックとテープカートリッジの位置関係を示す斜視図である。
【図11】第1マガジンを構成するマガジンブロックにテープカートリッジが収容された状態を示す斜視図である。
【図12】第2マガジンを構成するマガジンブロックにテープカートリッジが収容された状態を示す斜視図である。
【図13】第1、第2マガジン、移動機構、受け渡し機構、ロック機構などの構成を説明する正面図である。
【図14】第1、第2マガジン、移動機構、受け渡し機構などの構成を説明する平面図である。
【図15】第1マガジン、移動機構、受け渡し機構、記録再生機構などの構成を説明する左側面図である。
【図16】第1、第2マガジンと保持部の位置関係を説明する平面図である。
【図17】移動機構の駆動部の構成を示す斜視図である。
【図18】移動機構の一部分の構成を示す正面図である。
【図19】移動機構の一部分の構成を示す平面図である。
【図20】図19を矢印A1方向から見た側面図である。
【図21】図19を矢印A2方向から見た側面図である。
【図22】移動機構および受け渡し機構の一部分を斜め前方から見た状態を示す斜視図である。
【図23】図22において付勢手段を取り外した状態を示す斜視図である。
【図24】移動機構および受け渡し機構の一部分を斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
【図25】移動機構および受け渡し機構の一部分を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図26】2つのスライド部材と第3、第4ロッドの構成を示す概略斜視図である。
【図27】第1駆動部の構成を示す斜視図である。
【図28】第2駆動部の構成を示す斜視図である。
【図29】ガイド部材と第2受け渡し部材の係合状態を説明するための斜視図である。
【図30】記録再生機構の構成を示す斜視図である。
【図31】移動機構、受け渡し機構および記録再生機構の動作を説明する斜視図である。
【図32】記録再生機構に対する装着動作を説明する斜視図である。
【図33】ロック機構の構成を説明する斜視図である。
【図34】第1マガジンから保持部へのテープカートリッジの移送が完了した状態を説明する説明図であり、図34(A)は平面図、図34(B)は正面図である。
【図35】第1、第2受け渡し部材が保持部の上下方向の移動可能な位置に移動された状態を説明する説明図であり、図35(A)は平面図、図35(B)は正面図である。
【図36】第1マガジンと保持部の高さ方向の位置関係を示す図であり、図36(A)は第1マガジンから保持部へのテープカートリッジが移送される前の状態を示す説明図であり、図36(B)は保持部から第1マガジンへのテープカートリッジが移送される前の状態を示す説明図である。
【図37】第2マガジンから保持部へのテープカートリッジの移送が完了した状態を説明する説明図であり、図37(A)は平面図、図37(B)は正面図である。図28は第1、第2受け渡し部材が保持部の上下方向の移動可能な位置に移動された状態を示す説明図である。
【図38】第1、第2受け渡し部材が保持部の上下方向の移動可能な位置に移動された状態を示す説明図であり、図38(A)は平面図、図38(B)は正面図である。
【図39】記録媒体交換式記録再生装置がパーソナルコンピュータの外部記憶装置として設置された状態を示す斜視図である。
【図40】保持部とマガジンブロックの各支持片との位置関係を示す説明図であり、図40(A)はテープカートリッジの移送前の状態を示す説明図、図40(B)はテープカートリッジ2の移送中の状態を示す説明図である。
【図41】第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図である。
【図42】第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置で受け渡し部材が第1マガジン側に位置した状態を斜め前方から見た斜視図である。
【図43】図42を上方から見た平面図である。
【図44】第2の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置で受け渡し部材が第2マガジン側に位置した状態を斜め前方から見た斜視図である。
【図45】図44を上方から見た平面図である。
【図46】スライド部材と受け渡し部材の係合状態を説明するための斜視図である。
【図47】第3の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置の正面図
【図48】第3の実施の形態の記録媒体交換式記録再生装置を斜め前方から見た斜視図である。
【図49】第3の実施の形態の取出し部を説明するための拡大斜視図である。
【符号の説明】
2……テープカートリッジ、10……記録媒体交換式記録再生装置、14……第1マガジン、16……第2マガジン、17……搬送空間、18……記録再生機構、20……移動機構、22……保持部、23……案内部、24……駆動部、25……受け渡し機構、25A……受け渡し機構、26……収容部材、27……収容空間、28……マガジンブロック、2808……支持片、29……収容空間、30……第1受け渡し部材、32……第2受け渡し部材、33……受け渡し部材、34……案内部、36……第1駆動部、38……第2駆動部、40……ロック機構、50……取出し部。
Claims (22)
- 情報の記録、再生が可能で互いに直交する2つの方向の向きで特定される姿勢が識別可能な記録媒体を挿入取出し可能に収容する複数の収容部材が直線状に並べられることで構成された縦長の2つの第1、第2マガジンと、
前記記録媒体が装着される装着部を有し、前記記録媒体が前記装着部に装着された状態で前記記録媒体に対する記録および/または再生を行なう記録再生機構と、
前記記録媒体を保持する保持部を有し前記保持部により前記記録媒体を前記収容部材と記録再生機構との間で移動する移動機構と、
前記各収容部材と前記保持部との間で前記記録媒体の受け渡しを行なう受け渡し機構とを備え、
前記第1、第2マガジンは、それらの長手方向が平行するように対向して配置され、
前記第1、第2マガジンの間に、これら第1、第2マガジンの長手方向に沿って延在する搬送空間が設けられ、
前記保持部による前記記録媒体の移動は前記搬送空間において行なわれ、
前記第1、第2マガジンに収容されている前記記録媒体の姿勢と、前記保持部に保持されている前記記録媒体の姿勢とが同じであり、
前記記録媒体は、前記記録媒体が前記保持部で保持されて前記搬送空間を移動される姿勢のまま前記装着部に装着され、
前記第1、第2マガジン、前記記録再生機構、前記移動機構、前記受け渡し機構、前記搬送空間を収容する筐体が設けられ、
前記第1マガジンまたは第2マガジンの長手方向の端部に前記受け渡し機構との間で前記記録媒体の受け渡しを可能とした取出し部が設けられ、
前記取出し部は前記筐体の外部に取出し可能で、筐体の外部に取出した状態で前記取出し部に受け渡された記録媒体を交換できるように構成されている、
ことを特徴とする記録媒体交換式記録再生装置。 - 前記受け渡し機構は、前記記録媒体を前記第1マガジンと前記保持部との間で受け渡しするための第1受け渡し部材と、前記記録媒体を前記第2マガジンと前記保持部との間で受け渡しするための第2受け渡し部材とを備え、前記第1受け渡し部材は前記第1マガジンの長手方向と直交する方向で前記第1マガジンと前記保持部との間を移動可能に構成され、前記第2受け渡し部材は第2マガジンの長手方向と直交する方向で前記第2マガジンと前記保持部との間を移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記記録再生機構の装着部は前記搬送空間の長手方向の端部の一方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2マガジンと、前記記録再生機構と、前記移動機構と、前記受け渡し機構と、前記搬送空間とを内部に収容する筐体を備え、前記筐体は前記第1、第2マガジンの長手方向の一方の側に前記長手方向と直交する方向に延在する壁部を有し、前記装着部は前記壁部上に設けられ、前記装着部を挟んで前記第1、第2マガジンの一方と前記壁部との間に形成される空間に前記記録再生機構の部分が延在して設けられ、前記装着部を挟んで前記第1、第2マガジンの他方の壁部上に、前記第1、第2マガジンの他方を構成する収容部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2マガジンは、それらマガジンの長手方向に間隔をおいて配置された複数の支持片を備え、前記収容部材は隣り合う2つの前記支持片によって構成され、隣り合う2つの前記支持片の間に前記記録媒体を挿入取出し可能に収容する収容空間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2受け渡し部材は、前記第1、第2マガジンが並べられた方向と直交する方向でかつ前記第1、第2マガジンの長手方向と直交する方向に延在する2つの受け渡し片部から構成され、前記記録媒体の前記第1、第2マガジンと前記移動機構との間での受け渡しは、前記2つの受け渡し片部の間に前記記録媒体が挟まれた状態で前記第1、第2受け渡し部材を移動させることによって行なわれることを特徴とする請求項2記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記2つの受け渡し片部の間は、前記2つの受け渡し片部が前記第1、第2マガジンを挟んだ状態で第1、第2マガジンに沿って移動可能な寸法で形成されていることを特徴とする請求項6記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記受け渡し機構は前記第1、第2受け渡し部材を案内する案内部を有し、前記案内部は前記搬送空間に沿って保持部と一体的に移動し前記第1、第2マガジンが並べられた方向と平行する方向に延在する案内部材から構成され、前記第1、第2受け渡し部材は前記案内部材に該案内部材の延在方向に移動可能に取着されていることを特徴とする請求項6記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2受け渡し部材は前記案内部材に対して前記案内部材の軸線回りに回動可能に取着されるとともに、前記2つの受け渡し片部が前記第1、第2マガジンの長手方向と直交する方向に延在する姿勢を保持するように付勢され、かつ、前記2つの受け渡し片部の間に前記保持部を挟んだときに前記2つの受け渡し片部が前記保持部と干渉しない寸法で形成されていることを特徴とする請求項8記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記保持部に保持された前記記録媒体が前記装着部へ装着される際に、前記第1、第2受け渡し部材の少なくとも一方の前記受け渡し片部が前記記録再生機構の箇所に当接することにより、前記第1、第2受け渡し部材の少なくとも一方が前記記録再生機構の箇所から退避するように回動されることを特徴とする請求項9記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記記録媒体は、ケースと該ケース内に収容される磁気記録テープとを備えたテープカートリッジであることを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記ケースは、前後方向の長さを有した矩形板状に形成され、前方に開閉蓋が後方に後面がそれぞれ設けられ、前記第1、第2マガジンの一方に収容されている前記テープカートリッジは前記開閉蓋を前記搬送空間に臨ませており、前記第1、第2マガジンの他方に収容されている前記テープカートリッジは後面を搬送空間に臨ませていることを特徴とする請求項11記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記装着部は前記搬送空間の長手方向の端部の一方の箇所に2つのリール軸を臨ませて設けられ、前記ケースは前記前後方向と直交する方向の一方の側に上面を他方の側に下面を有し、前記テープカートリッジは前記ケース内に磁気記録テープが巻回され回転可能に設けられた2つのリールと、前記各リールに設けられ前記ケースの下面から外方に臨むように設けられた2つの軸受部とを有し、前記テープカートリッジの前記装着部への装着は前記各軸受部が前記各リール軸に嵌合されることで行なわれることを特徴とする請求項12記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2マガジンに収容されている記録媒体のうち予め取出し禁止に指定されている記録媒体の前記取出し部への受け渡しが指示されたときに前記取出し部の前記筐体の外部への取出しを禁止する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 予め取出し禁止に指定されている記録媒体は、著作権上複製が禁止されている記録媒体、使用する地域が特定されている記録媒体、許可されない人による取出しが禁止されている記録媒体の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記受け渡し機構は、前記記録媒体を前記第1マガジンと第2マガジンと前記保持部との間で受け渡しするための単一の受け渡し部材を備え、前記受け渡し部材は前記第1マガジンおよび第2マガジン並びに搬送空間に沿ってそれぞれ移動可能に配設されるとともに、前記第1マガジンと前記搬送空間との間、および第2マガジンと搬送空間との間で移動可能に配設され、前記受け渡し部材は、前記第1、第2マガジンが並べられた方向と直交する方向でかつ前記第1、第2マガジンの長手方向と直交する方向に延在する2つの受け渡し片部から構成され、前記記録媒体の前記第1、第2マガジンと前記移動機構との間での受け渡しは、前記2つの受け渡し片部の間に前記記録媒体が挟まれた状態で前記受け渡し部材を移動させることによって行なわれ、前記第1マガジンおよび第2マガジンには前記記録媒体が収容されず前記記録媒体を挟んでいない状態の前記2つの受け渡し片部が前記第1、第2マガジンが並べられた方向に移動するための移動空間が設けられていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記2つの受け渡し片部の間は、前記2つの受け渡し片部が前記第1、第2マガジンを挟んだ状態で第1、第2マガジンに沿って移動可能な寸法で形成されていることを特徴とする請求項16記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記受け渡し機構は前記受け渡し部材を案内する案内部を有し、前記案内部は前記搬送空間に沿って保持部と一体的に移動し前記第1、第2マガジンが並べられた方向と平行する方向に延在する案内部材から構成され、前記受け渡し部材は前記案内部材に該案内部材の延在方向に移動可能に取着されていることを特徴とする請求項16記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記受け渡し部材は前記案内部材に対して前記案内部材の軸線回りに回動可能に取着されるとともに、前記2つの受け渡し片部が前記第1、第2マガジンが並べられた方向と直交する方向でかつ前記第1、第2マガジンの長手方向と直交する方向に延在する姿勢を保持するように付勢され、かつ、前記2つの受け渡し片部の間に前記保持部を挟んだときに前記2つの受け渡し片部が前記保持部と干渉しない寸法で形成されていることを特徴とする請求項18記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記保持部に保持された前記記録媒体が前記装着部へ装着される際に、前記受け渡し部材の少なくとも一方の前記受け渡し片部が前記記録再生機構の箇所に当接することにより、前記受け渡し部材が前記記録再生機構の箇所から退避するように回動されることを特徴とする請求項19記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記移動空間は、前記第1、第2マガジンの長手方向の中間箇所において前記収容部材の間に設けられ、または、前記第1、第2マガジンの長手方向の端部に位置する収容部材の外側に設けられていることを特徴とする請求項16記載の記録媒体交換式記録再生装置。
- 前記第1、第2マガジンは、それらマガジンの長手方向に間隔をおいて配置された複数の支持片を備え、前記収容部材は隣り合う2つの前記支持片によって構成され、隣り合う2つの前記支持片の間に前記記録媒体を挿入取出し可能に収容する収容空間が形成され、前記移動空間は、前記収容空間によって構成されていることを特徴とする請求項16記載の記録媒体交換式記録再生装置。
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