JP3719390B2 - 棺桶 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、棺桶に関し、詳しくは、固定用金具を使用せず可燃材料のみで構成し、容易に組立て可能な棺桶に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遺体を納め火葬に付する棺桶は、主構造を木製とし可燃材料によって箱体が製造されている。図7(a)は従来の棺桶100の正面図、(b)はその平面図を示す。直方体に形成された棺桶100は、蓋50と、側板1、1と、妻板3、3と底面2から構成されている。又、蓋50には遺体を拝顔するための扉51が設けられている。従来、側板1と妻板3との接合部、底板2と、側板1または妻板3との接合部は釘により固定されていた。このため、箱体の組立には50本程度の釘や、装飾用の金具などが使用されていた。これらの釘、金具は火葬後に不燃物として残るため、遺族による収骨の前に火葬場の職員が手間をかけて回収していた。このため、遺族を待たせる問題と共に回収した金属の処分を行なわねばならない問題があった。
【0003】
また、葬祭事業者にあっては、棺の組立に当たり、多数の釘うちの手間がかかる問題があった。又、釘うち音を発生するため、予め、保管倉庫などで組み立ててから遺体納棺場所まで運ばねばならなかった。このため、嵩ばり、一人では運搬できない問題があった。
【0004】
前記組立の問題を解決するため、特開平8−299396号広報によれば、予め浅底の箱形状の妻、側基板に、蝶番で側板、妻板を取りつけて、内側に倒伏させておく折畳自在な棺桶が提案されている。この発明によれば組み立ての容易さと嵩張る問題は解決するが、釘、蝶番等の金具が多量に使用されている点と製作コストに問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような問題に鑑みてなされたものであり、保管に当たり少ない体積で運搬・保管容易であって、釘金具を用いず、組立が容易に短時間で行なうことができる棺桶を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の棺桶は、棺桶の長側面を構成する左右2枚の側板と、棺桶の短側面を構成する第一と第二の前後2枚の妻板と、棺桶の底を構成する底板とからなり、
前記側板は、側板下端付近に長手方向に設けた前記底板を嵌入可能な底板長手溝と、底板長手溝の略中央の溝上端に設けた底板ガイド部材と、側板の長手の両端に設けた妻板嵌合凹部とを備え、
前記第一の妻板は、妻板下端に前記底板を嵌入可能な底板溝と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記第二の妻板は、妻板下端に前記底板を保持する支持板と、該支持板に載置された前記底板を固定する底板固定部材を挿入する留め孔と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記底板は、側板の底板長手溝に嵌入した時、前記底板ガイド部材にクサビ状に当接して挿入寸法を規制すると共に左右両側板間の寸法を規制するガイド部材を長手方向の略中央の両側付近に備え、
前記左右両側板の前部に、上方から前記第一の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、次に、前記側板長手溝と前記側板溝に前記底板を嵌入させ、次に、前記左右両側板の後部に、下方から前記第二の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、最後に底板固定部材を前記第二の妻板の留め孔に挿入することにより組立可能であることを特徴とする。
【0007】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、側板、第一の妻板に設けられた溝と、第二の妻板に設けられた支持板により底板が固定され、側板の妻板嵌合凹部と妻板の両側に突出した側板嵌合凸部とが嵌合されることにより、釘などの金属製固定部材を一切使用せずに遺体納棺に耐える十分強固な棺桶を容易に短時間で組み立てることができる。
【0009】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えることにより、白木調の荘厳な棺桶を、低コストで提供することができる。
【0010】
このため、葬祭事業者の保管・運搬・組み立てのコストを低減し、さらに、火葬場での、金属類回収の手間と時間をなくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来の技術の説明と同じ部材については同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明の棺桶100を示し、図1(a)は蓋部50を外した状態の平面図である。図1(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のc部拡大断面図、(e)は(a)のe部の模式図である。
【0013】
図1(a)において、1は左右の側板、2は底板、3は第一の妻板、4は第二の妻板、5は底板固定部材を示す。図に示すように本発明の棺桶100は、長側面を構成する左右2枚の側板1と、棺桶100の短側面を構成する第一と第二の前後2枚の妻板3、4と、棺桶の底を構成する底板2とから構成されている。左右の側板1、1の表面下端には化粧算木1a、前後の妻板3、4の表面下端には化粧算木3a、4aが設けられている。側板1に備えた底板ガイド部材1cと、底板2に備えたガイド部材2cはそれぞれの略中央でクサビ状に当接し底板挿入寸法と、左右側板の間隔寸法を規制している。
【0014】
図1(b)は図1(a)のA−A断面を示す。図示するように底板2は、第一の妻板3の底板溝3bに挿入して前部が固定され、第二の妻板4の支持板4bに載置され、留め孔4cに挿入された底板固定部材5で後部が固定される。さらに、側板1と底板2は側板に設けられた底板ガイド部材1cと、底板に設けられたガイド部材2cがクサビ状に当接し、底板2が側板1の底板長手溝12から外れない様に規制されている。
【0015】
図1(c)は、図1(a)のB−B断面を示す。図示するように底板2は、左右両側板1、1の底板長手溝12に挿入されて左右が固定されている。
【0016】
図1(d)は、図1(a)のc部の拡大断面を示す。この実施の形態で側板1は、枠材10に表面が桐材などの化粧合板11が張られたパネルで形成し、その端部枠材10に妻板3、4と嵌合する妻板嵌合凹部10aを形成している。妻板嵌合凹部10aは、溝の入口より奥が広い形状の台形断面または、円形断面として、上方または下方から妻板3、4を挿入して嵌合した時、釘などで固定しなくとも左右に分離しない。
同様に妻板3は、枠材30に表面が桐材などの化粧合板31が張られたパネルで形成し、その端部枠材30に側板1と嵌合する側板嵌合凸部30aを形成している。側板嵌合凸部30aは、先端が広い台形断面に形成している。
【0017】
図1(e)は、図1(a)のe部の拡大模式図である。図に示すように、側板1に設けられた底板ガイド部材1cは、底板2に設けられたガイド部材2cと当接する先端が側板1面に向かって切り込まれた片刃ポケットを形成し、反対に、底板2に設けられたガイド部材2cは底板内側に向かって切り込まれた片刃のクサビを形成し、底板2を側板1の底板長手溝12に挿入した時、前記ガイド部材2c先端の片刃のクサビが、側板1の底板ガイド部材1cの先端の片刃ポケットにスライドしながら当接して底板2が、側板1の底板長手溝12から外れない様に規制する。このため、従来は、側板と底板の接続に多数使用されていた釘を全く用いないで、組み立て固定することができる。
【0018】
図2は、本発明の側板1を示す。(a)は側板1の内面を示す平面図で、両端部に妻板3、4と嵌合するための妻板嵌合凹部10a、下端部には、底板2を挿入するための底板長手溝12を設け、底板長手溝12の略中央の溝上端に底板ガイド部材1cを備えている。(b)は、(a)の正面図である。(b)に示すように側板1の表面の下部には化粧算木1aを設けている。化粧算木1aは、棺桶100の下部の四隅に化粧金具(金色紙など可燃材で形成)などを配設して荘厳感を醸し出すことができる。本発明の実施に当たってこのような化粧部材はこれに限るものではない。又、設けなくても良いことは言うまでもない。
【0019】
図3は、底板2を示す。底板2は、内面に桐材などの化粧合板を貼ったパネルまたは、合板で、遺体の重量に耐える強度を有する板であれば良い。底板2の長手方向略中央の両端に、ガイド部材2cを備える。ガイド部材2cは、底板2の内側に向かう片刃のクサビ状に形成され、底板2の長手端部から、側板1に設けた底板長手溝12の溝の深さに相当する寸法内側に接着固定されて設けられている。
【0020】
図4(a)は、第一の妻板3の内面を示す平面図である。30aは両側端に設けられた側板嵌合凸部、3bは、底板2を嵌入可能な底板溝である。3aは、妻板表面底部に設けた化粧算木である。(b)は、(a)のA−A断面を示す。(c)は(a)の側面を示す。(d)は第一の妻板の正面図である。(d)に示すように側板嵌合凸部30aは、先端が広い台形断面に形成している。
【0021】
図5(a)は、第二の妻板4の内面を示す平面図である。30aは両側端に設けられた側板嵌合凸部、4bは、底板2を保持する支持板である。4aは、妻板表面底部に設けた化粧算木である。4cは支持板4bに載置された底板2を固定する底板固定部材5を挿入するための留め孔である。前記底板固定部材5は可燃材で棒状に形成された木釘または竹釘を用いる。(b)は、(a)の側面図、(c)は(a)の正面図を示す。
【0022】
次に、本発明の棺桶100の組み立て工程を図6を参照して詳細に説明する。
【0023】
まず、▲1▼左右の側板1、1を内面を対向させ、底板長手溝12が下になるようにして平行に立てる。
【0024】
次に、▲2▼第一の妻板3を上方から左右側板1、1の前方の妻板嵌合凹部10aに側板嵌合凸部3aを嵌めて嵌入する。
【0025】
次に、▲3▼左右側板1、1の後方から、側板1の底板長手溝12に底板2を挿入し、底板2の先端が第一の妻板3の底板溝3bに嵌入するまで挿入する。この時、底板ガイド部材1cが形成する片刃ポケットにガイド部材2cの片刃クサビがスライドして当接して底板と側板が離れない様に規制される。また、底板2が底板溝3bに嵌入し、第一の妻板3が左右側板1から抜けない様に規制される。
【0026】
次に、▲4▼第2の妻板4を下方から左右側板1、1の後方の妻板嵌合凹部10aに側板嵌合凸部3aを嵌めて嵌入する。
【0027】
次に、▲5▼底板固定部材5を第二の妻板4の留め孔4cに挿入し底板2を固定する。この時底板2は、底部が第二の妻板4の支持板に載置され、上部が底板固定部材5により挟まれて固定される。また、第二の妻板4は、固定された底板2により側板1から抜けない様に固定される。
【0028】
以上▲1▼〜▲5▼の工程で棺桶本体が完成する。更に、予め作成された蓋50を被せる。なお、化粧算木1a、3a、4aで形成された四隅に化粧金具(金色紙などの可燃材で形成)を貼り付けるなどの装飾を飾ることで、荘厳な雰囲気に化粧し、さらに、棺内側に、白布を貼付けるなどの装飾を施しても良い。これらの装飾は、組立て前に予め設けておくことが望ましい。
【0029】
以上の、嵌め込み、挿入の簡単な工程で短時間に、確実に組み立てることができるため、納棺の現場まで、組立て前の部品梱包状態で運搬することができる。
【0030】
また、釘などの金属部材を一切使用しないため、組み立て時の打撃音もなく、静かな現場でも組み立てができ、さらに、火葬場において、火葬後の不燃金属回収の手間・時間をなくすることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば以下の効果を奏する。すなわち、側板、第一の妻板に設けられた溝と、第二の妻板に設けられた支持板により底板が固定され、側板の妻板嵌合凹部と妻板の両側に突出した側板嵌合凸部とが嵌合されることにより、釘などの金属製固定部材を一切使用せずに遺体納棺に耐える十分強固な棺桶を容易に短時間で組み立てることができる。
【0032】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えることにより、白木調の荘厳な棺桶を、低コストで提供することができる。
【0033】
このため、葬祭事業者の保管・運搬・組み立てのコストを低減し、さらに、火葬場での、金属類回収の手間と時間をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棺桶100を示し、(a)は蓋部50を外した状態の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のc部拡大断面図、(e)は(a)のe部の模式図である。
【図2】本発明の側板1を示し、(a)は内側の平面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明の底板2の平面図である。
【図4】本発明の第一の妻板3を示し、(a)は内側の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は側面図、(d)は正面図である。
【図5】本発明の第2の妻板4を示し、(a)は内側の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図6】本発明の棺桶100の組立工程を説明する模式図である。
【図7】従来の棺桶を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 側板
1a、3a、4a 化粧算木
1c 底板ガイド部材
2 底板
2c ガイド部材
3 第一の妻板
3b 底板溝
4 第2の妻板
4b 支持板
4c 留め孔
5 底板固定部材
10 枠材
10a 妻板嵌合凹部
11 化粧合板
12 底板長手溝
30 枠材
30a 側板嵌合凸部
31 化粧合板
50 蓋
51 扉
100 棺桶
【発明の属する技術分野】
本発明は、棺桶に関し、詳しくは、固定用金具を使用せず可燃材料のみで構成し、容易に組立て可能な棺桶に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遺体を納め火葬に付する棺桶は、主構造を木製とし可燃材料によって箱体が製造されている。図7(a)は従来の棺桶100の正面図、(b)はその平面図を示す。直方体に形成された棺桶100は、蓋50と、側板1、1と、妻板3、3と底面2から構成されている。又、蓋50には遺体を拝顔するための扉51が設けられている。従来、側板1と妻板3との接合部、底板2と、側板1または妻板3との接合部は釘により固定されていた。このため、箱体の組立には50本程度の釘や、装飾用の金具などが使用されていた。これらの釘、金具は火葬後に不燃物として残るため、遺族による収骨の前に火葬場の職員が手間をかけて回収していた。このため、遺族を待たせる問題と共に回収した金属の処分を行なわねばならない問題があった。
【0003】
また、葬祭事業者にあっては、棺の組立に当たり、多数の釘うちの手間がかかる問題があった。又、釘うち音を発生するため、予め、保管倉庫などで組み立ててから遺体納棺場所まで運ばねばならなかった。このため、嵩ばり、一人では運搬できない問題があった。
【0004】
前記組立の問題を解決するため、特開平8−299396号広報によれば、予め浅底の箱形状の妻、側基板に、蝶番で側板、妻板を取りつけて、内側に倒伏させておく折畳自在な棺桶が提案されている。この発明によれば組み立ての容易さと嵩張る問題は解決するが、釘、蝶番等の金具が多量に使用されている点と製作コストに問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような問題に鑑みてなされたものであり、保管に当たり少ない体積で運搬・保管容易であって、釘金具を用いず、組立が容易に短時間で行なうことができる棺桶を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の棺桶は、棺桶の長側面を構成する左右2枚の側板と、棺桶の短側面を構成する第一と第二の前後2枚の妻板と、棺桶の底を構成する底板とからなり、
前記側板は、側板下端付近に長手方向に設けた前記底板を嵌入可能な底板長手溝と、底板長手溝の略中央の溝上端に設けた底板ガイド部材と、側板の長手の両端に設けた妻板嵌合凹部とを備え、
前記第一の妻板は、妻板下端に前記底板を嵌入可能な底板溝と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記第二の妻板は、妻板下端に前記底板を保持する支持板と、該支持板に載置された前記底板を固定する底板固定部材を挿入する留め孔と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記底板は、側板の底板長手溝に嵌入した時、前記底板ガイド部材にクサビ状に当接して挿入寸法を規制すると共に左右両側板間の寸法を規制するガイド部材を長手方向の略中央の両側付近に備え、
前記左右両側板の前部に、上方から前記第一の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、次に、前記側板長手溝と前記側板溝に前記底板を嵌入させ、次に、前記左右両側板の後部に、下方から前記第二の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、最後に底板固定部材を前記第二の妻板の留め孔に挿入することにより組立可能であることを特徴とする。
【0007】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、側板、第一の妻板に設けられた溝と、第二の妻板に設けられた支持板により底板が固定され、側板の妻板嵌合凹部と妻板の両側に突出した側板嵌合凸部とが嵌合されることにより、釘などの金属製固定部材を一切使用せずに遺体納棺に耐える十分強固な棺桶を容易に短時間で組み立てることができる。
【0009】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えることにより、白木調の荘厳な棺桶を、低コストで提供することができる。
【0010】
このため、葬祭事業者の保管・運搬・組み立てのコストを低減し、さらに、火葬場での、金属類回収の手間と時間をなくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来の技術の説明と同じ部材については同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明の棺桶100を示し、図1(a)は蓋部50を外した状態の平面図である。図1(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のc部拡大断面図、(e)は(a)のe部の模式図である。
【0013】
図1(a)において、1は左右の側板、2は底板、3は第一の妻板、4は第二の妻板、5は底板固定部材を示す。図に示すように本発明の棺桶100は、長側面を構成する左右2枚の側板1と、棺桶100の短側面を構成する第一と第二の前後2枚の妻板3、4と、棺桶の底を構成する底板2とから構成されている。左右の側板1、1の表面下端には化粧算木1a、前後の妻板3、4の表面下端には化粧算木3a、4aが設けられている。側板1に備えた底板ガイド部材1cと、底板2に備えたガイド部材2cはそれぞれの略中央でクサビ状に当接し底板挿入寸法と、左右側板の間隔寸法を規制している。
【0014】
図1(b)は図1(a)のA−A断面を示す。図示するように底板2は、第一の妻板3の底板溝3bに挿入して前部が固定され、第二の妻板4の支持板4bに載置され、留め孔4cに挿入された底板固定部材5で後部が固定される。さらに、側板1と底板2は側板に設けられた底板ガイド部材1cと、底板に設けられたガイド部材2cがクサビ状に当接し、底板2が側板1の底板長手溝12から外れない様に規制されている。
【0015】
図1(c)は、図1(a)のB−B断面を示す。図示するように底板2は、左右両側板1、1の底板長手溝12に挿入されて左右が固定されている。
【0016】
図1(d)は、図1(a)のc部の拡大断面を示す。この実施の形態で側板1は、枠材10に表面が桐材などの化粧合板11が張られたパネルで形成し、その端部枠材10に妻板3、4と嵌合する妻板嵌合凹部10aを形成している。妻板嵌合凹部10aは、溝の入口より奥が広い形状の台形断面または、円形断面として、上方または下方から妻板3、4を挿入して嵌合した時、釘などで固定しなくとも左右に分離しない。
同様に妻板3は、枠材30に表面が桐材などの化粧合板31が張られたパネルで形成し、その端部枠材30に側板1と嵌合する側板嵌合凸部30aを形成している。側板嵌合凸部30aは、先端が広い台形断面に形成している。
【0017】
図1(e)は、図1(a)のe部の拡大模式図である。図に示すように、側板1に設けられた底板ガイド部材1cは、底板2に設けられたガイド部材2cと当接する先端が側板1面に向かって切り込まれた片刃ポケットを形成し、反対に、底板2に設けられたガイド部材2cは底板内側に向かって切り込まれた片刃のクサビを形成し、底板2を側板1の底板長手溝12に挿入した時、前記ガイド部材2c先端の片刃のクサビが、側板1の底板ガイド部材1cの先端の片刃ポケットにスライドしながら当接して底板2が、側板1の底板長手溝12から外れない様に規制する。このため、従来は、側板と底板の接続に多数使用されていた釘を全く用いないで、組み立て固定することができる。
【0018】
図2は、本発明の側板1を示す。(a)は側板1の内面を示す平面図で、両端部に妻板3、4と嵌合するための妻板嵌合凹部10a、下端部には、底板2を挿入するための底板長手溝12を設け、底板長手溝12の略中央の溝上端に底板ガイド部材1cを備えている。(b)は、(a)の正面図である。(b)に示すように側板1の表面の下部には化粧算木1aを設けている。化粧算木1aは、棺桶100の下部の四隅に化粧金具(金色紙など可燃材で形成)などを配設して荘厳感を醸し出すことができる。本発明の実施に当たってこのような化粧部材はこれに限るものではない。又、設けなくても良いことは言うまでもない。
【0019】
図3は、底板2を示す。底板2は、内面に桐材などの化粧合板を貼ったパネルまたは、合板で、遺体の重量に耐える強度を有する板であれば良い。底板2の長手方向略中央の両端に、ガイド部材2cを備える。ガイド部材2cは、底板2の内側に向かう片刃のクサビ状に形成され、底板2の長手端部から、側板1に設けた底板長手溝12の溝の深さに相当する寸法内側に接着固定されて設けられている。
【0020】
図4(a)は、第一の妻板3の内面を示す平面図である。30aは両側端に設けられた側板嵌合凸部、3bは、底板2を嵌入可能な底板溝である。3aは、妻板表面底部に設けた化粧算木である。(b)は、(a)のA−A断面を示す。(c)は(a)の側面を示す。(d)は第一の妻板の正面図である。(d)に示すように側板嵌合凸部30aは、先端が広い台形断面に形成している。
【0021】
図5(a)は、第二の妻板4の内面を示す平面図である。30aは両側端に設けられた側板嵌合凸部、4bは、底板2を保持する支持板である。4aは、妻板表面底部に設けた化粧算木である。4cは支持板4bに載置された底板2を固定する底板固定部材5を挿入するための留め孔である。前記底板固定部材5は可燃材で棒状に形成された木釘または竹釘を用いる。(b)は、(a)の側面図、(c)は(a)の正面図を示す。
【0022】
次に、本発明の棺桶100の組み立て工程を図6を参照して詳細に説明する。
【0023】
まず、▲1▼左右の側板1、1を内面を対向させ、底板長手溝12が下になるようにして平行に立てる。
【0024】
次に、▲2▼第一の妻板3を上方から左右側板1、1の前方の妻板嵌合凹部10aに側板嵌合凸部3aを嵌めて嵌入する。
【0025】
次に、▲3▼左右側板1、1の後方から、側板1の底板長手溝12に底板2を挿入し、底板2の先端が第一の妻板3の底板溝3bに嵌入するまで挿入する。この時、底板ガイド部材1cが形成する片刃ポケットにガイド部材2cの片刃クサビがスライドして当接して底板と側板が離れない様に規制される。また、底板2が底板溝3bに嵌入し、第一の妻板3が左右側板1から抜けない様に規制される。
【0026】
次に、▲4▼第2の妻板4を下方から左右側板1、1の後方の妻板嵌合凹部10aに側板嵌合凸部3aを嵌めて嵌入する。
【0027】
次に、▲5▼底板固定部材5を第二の妻板4の留め孔4cに挿入し底板2を固定する。この時底板2は、底部が第二の妻板4の支持板に載置され、上部が底板固定部材5により挟まれて固定される。また、第二の妻板4は、固定された底板2により側板1から抜けない様に固定される。
【0028】
以上▲1▼〜▲5▼の工程で棺桶本体が完成する。更に、予め作成された蓋50を被せる。なお、化粧算木1a、3a、4aで形成された四隅に化粧金具(金色紙などの可燃材で形成)を貼り付けるなどの装飾を飾ることで、荘厳な雰囲気に化粧し、さらに、棺内側に、白布を貼付けるなどの装飾を施しても良い。これらの装飾は、組立て前に予め設けておくことが望ましい。
【0029】
以上の、嵌め込み、挿入の簡単な工程で短時間に、確実に組み立てることができるため、納棺の現場まで、組立て前の部品梱包状態で運搬することができる。
【0030】
また、釘などの金属部材を一切使用しないため、組み立て時の打撃音もなく、静かな現場でも組み立てができ、さらに、火葬場において、火葬後の不燃金属回収の手間・時間をなくすることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば以下の効果を奏する。すなわち、側板、第一の妻板に設けられた溝と、第二の妻板に設けられた支持板により底板が固定され、側板の妻板嵌合凹部と妻板の両側に突出した側板嵌合凸部とが嵌合されることにより、釘などの金属製固定部材を一切使用せずに遺体納棺に耐える十分強固な棺桶を容易に短時間で組み立てることができる。
【0032】
また、前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えることにより、白木調の荘厳な棺桶を、低コストで提供することができる。
【0033】
このため、葬祭事業者の保管・運搬・組み立てのコストを低減し、さらに、火葬場での、金属類回収の手間と時間をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棺桶100を示し、(a)は蓋部50を外した状態の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のc部拡大断面図、(e)は(a)のe部の模式図である。
【図2】本発明の側板1を示し、(a)は内側の平面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明の底板2の平面図である。
【図4】本発明の第一の妻板3を示し、(a)は内側の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は側面図、(d)は正面図である。
【図5】本発明の第2の妻板4を示し、(a)は内側の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図6】本発明の棺桶100の組立工程を説明する模式図である。
【図7】従来の棺桶を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 側板
1a、3a、4a 化粧算木
1c 底板ガイド部材
2 底板
2c ガイド部材
3 第一の妻板
3b 底板溝
4 第2の妻板
4b 支持板
4c 留め孔
5 底板固定部材
10 枠材
10a 妻板嵌合凹部
11 化粧合板
12 底板長手溝
30 枠材
30a 側板嵌合凸部
31 化粧合板
50 蓋
51 扉
100 棺桶
Claims (2)
- 棺桶の長側面を構成する左右2枚の側板と、棺桶の短側面を構成する第一と第二の前後2枚の妻板と、棺桶の底を構成する底板とからなり、
前記側板は、側板下端付近に長手方向に設けた前記底板を嵌入可能な底板長手溝と、底板長手溝の略中央の溝上端に設けた底板ガイド部材と、側板の長手の両端に設けた妻板嵌合凹部とを備え、
前記第一の妻板は、妻板下端に前記底板を嵌入可能な底板溝と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記第二の妻板は、妻板下端に前記底板を保持する支持板と、該支持板に載置された前記底板を固定する底板固定部材を挿入する留め孔と、妻板の両側面に突設した側板嵌合凸部とを備え、
前記底板は、側板の底板長手溝に嵌入した時、前記底板ガイド部材にクサビ状に当接して挿入寸法を規制すると共に左右両側板間の寸法を規制するガイド部材を長手方向の略中央の両側付近に備え、
前記左右両側板の前部に、上方から前記第一の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、次に、前記側板長手溝と前記側板溝に前記底板を嵌入させ、次に、前記左右両側板の後部に、下方から前記第二の妻板を挿入し妻板嵌合凹部と側板嵌合凸部とを嵌合し、最後に底板固定部材を前記第二の妻板の留め孔に挿入することにより組立可能であることを特徴とする棺桶。 - 前記側板および第一、第二の妻板は、化粧合板であって表面の底部に化粧算木を備えていることを特徴とする請求項1記載の棺桶。
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