JP3719367B2 - デコード装置及び記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体から読み取られたデータを再生するためのデコード装置に関するものである。特に、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)されて記録されているデータをデュアルPLL方式により処理するためのものである。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disk)に代表される光ディスク、MO(Magneto-Optical )ディスクに代表される光磁気ディスク等(ここでは、これらを記録媒体ということにする)では、PWM方式によりデータが記録されている。これは、PPM(Pulse Position Modulation )方式に比べて、高密度で記録することができるからである。このようなPWM方式で記録されたデータを処理する方法、それを利用した読み取り装置(以下、デコード装置という)として、例えば特開平8−279252号や特開平8−255437に記載されているものがある。
【0003】
一般的にこのようなデコード装置では、まず、記録媒体に記録された2値のデータ(“0”と“1”)を電圧レベル(HレベルとLレベル)に変換する。PWM方式では、“1”を検出する度に電圧レベルが反転するように記録されている。したがって、“1”が検出される度に電圧レベルが立ち上がったり、立ち下がったりする。この立ち上がりをリーディングエッジ(Leading Edge)、立ち下がりをトレーリングエッジ(Trailing Edge ) という。
【0004】
図8はPWM方式のデータを説明するための図である。デュアルPLL(Phase Lock Loop )方式によれば、リーディングエッジとトレーリングエッジとを、それぞれ別の基準クロック周波数(これらをRclkLEとRclkTEとする)に基づいてサンプリングしながら、それぞれ別の基準電圧に基づいて検出している。そして、それぞれリーディングエッジのデータ信号(以下、RDDTLEという)とトレーリングエッジのデータ信号(以下、RDDTTEという)として送信する。これらを合成し、媒体に記録されたデータ(以下、RD(Read Data )という)として後段部に送信する。後段部では、PWM方式のデータをPPM方式のデータに変換し、デコード回路において、最終的にデータ再生される。ここで、RclkLEとRclkTEとは、基本的に同周波数のクロックである(ただし、位相は異なっている場合がある)。信号中の直流成分によりレベル変動した信号波形では、1つの基準電圧に基づいてリーディングエッジとトレーリングエッジとを検出しようとすると、その間隔がずれてしまう。そのため、後段部において、PWM方式のデータをPPM方式のデータに変換する際にその間隔のずれがデータに大きく影響を及ぼしてしまう。そこで、デュアルPLLのように、それぞれ別の基準電圧で検出することで間隔ずれを回避し、信頼性の高いデータを得られるようにする。
【0005】
図9は記録されたデータのセクタにおけるフォーマットを表す図である。各セクタ90は、ID部91とデータ部92から構成される。ID部91は、さらに、SM(Sector Mark )部91a、0101…の繰り返しのデータで構成される第1VFO(Variable Frequency Oscillator )91b、第1AM(Address Mark)部91c、第1ID部91d、第2VFO部91e、第2AM部91f、第2ID部91g、PA(Post Amble)91h及びODF(Offset Derection Flag )部91iで構成される。
【0006】
データ部92は、さらに、第3VFO92a、同期をとるためのSync部92b、実際にコンピュータ等が用いて処理するための実データ部分である実データ部92c、再同期をとるためのResync部92d、誤り検査符号であるCRC(Cyclic Redundancy Check )部92e、誤り訂正符号であるECC(Error Correction Code )部92f、ポストアンブル部(PA)92g及びBUFF(Buffer)部92hで構成されている。
【0007】
次に、特開平8−255437に記載されているデコード装置について説明する。このデコード装置は、RDDTLEとRDDTTEとを合成させる前に、RDDTLEの送信タイミングを調整することで、RDDTLEとRDDTTEとを同期させて合成させるものである。ここで、この装置におけるRDDTLEの送信タイミングは、基準とするクロックの違いを含めたRDDTLEとRDDTTEとの間の全ての位相ずれを一度に調整するものである。そして、それらを合成したRDを送信する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のデコード装置は、同期をさせるための回路が複雑で規模が大きく、しかもそのために消費する電力も大きいという問題点があった。その上、装置の構成上、信号入力から出力までの遅延が大きくなるという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明では回路構成を単純化し、回路規模を小さくすることができ、そして、消費電力を小さくできるようなデコード装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデコード装置は、パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLL方式のデコード装置であって、2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部と、クロック系変換部によりあるクロック信号に同期した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを備えたものである。
本発明においては、パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLLタイプのデコード装置であって、2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部とクロック系変換部によりあるクロック信号に同期した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを独立して備え、回路の単純化、小規模化及びそれによる省電力化を図る。
【0011】
また、本発明に係るデコード装置のクロック系変換部は、あるクロック信号を含む2つのクロック信号のそれぞれに基づいて入力される2つのデータ信号のうち、あるクロック信号とは別のクロック信号に基づいて入力されるデータ信号を、あるクロック信号に同期するように変換するクロック系変換手段と、あるクロック信号で入力されるデータ信号を、クロック系変換手段の変換タイミングに基づいて遅延させる遅延手段とから構成される。
本発明のクロック系変換部では、クロック系変換手段は、あるクロック信号に基づいて入力されなかったデータ信号をあるクロック信号に基づくように変換する。一方、遅延手段は、あるクロック信号に基づいて入力されたデータ信号を、クロック系変換手段により変換されたデータ信号が、クロック系変換手段を通過することにより遅れた分だけ遅延させ、双方のデータ信号の遅延タイミングを合わせる。
【0012】
また、本発明に係るデコード装置の位相調整部は、クロック系変換部が変換した2つのデータ信号の位相差を検出する位相差検出手段と、位相差検出手段が検出した位相差に基づいて、2つのデータ信号を同位相に補正する位相補正手段と、位相補正手段により同位相に補正された2つのデータ信号を合成する合成手段とから構成される。
本発明の位相調整部では、位相差検出手段がクロック系変換部が変換した2つのデータ信号の間の位相差を検出する。また、位相補正手段は、位相差検出手段が検出した位相差に基づいて2つのデータ信号を同位相に補正する。そして、補正した2つのデータ信号を合成手段が合成する。
【0013】
また、本発明に係るデコード装置では、クロック系変換部が変換した2つのデータ信号をさらに2系統に分け、また、位相補正手段を位相補正回路2つで構成し、さらに2つのデータ信号を遅延させるための遅延手段を備え、一方の2つのデータ信号は、一方の位相補正回路に入力されて補正された上で位相差検出手段に入力され位相差検出され、他方の2つのデータ信号は、遅延手段で遅延された後に、他方の位相補正回路により補正され、合成手段で合成される。
本発明においては、クロック系変換部が変換した2つのデータ信号をさらに2系統に分ける。そして、一方の2つのデータ信号は、一方の位相補正回路に入力されて補正された上で位相差検出手段に入力され位相差検出される。算出された位相差はこの一方の位相補正回路において後のデータ信号に反映される。他方の2つのデータ信号は、遅延手段で遅延された後に、他方の位相補正回路により補正され、合成手段で合成されて後段の装置で用いられる。
【0014】
また、本発明に係るデコード装置の位相差検出手段は、あらかじめ定められた比較データパターン及びカウンタを少なくとも有し、2つのデータ信号の一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、他方のデータ信号と比較データパターンとが一致するまでのカウント数及び2つのデータ信号の一致の順序に基づいて位相差を検出するものである。
本発明においては、位相差検出手段は、あらかじめ定められた比較データパターン及びカウンタを有している。そして、2つのデータ信号と比較データパターンとを比較する。一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、他方のデータ信号と比較データパターンとが一致するまでのカウント数及びその順序に基づいて位相差を検出する。
【0015】
また、本発明に係るデコード装置の位相差検出手段は、2つのデータ信号の一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、あらかじめ定められた時間以内に他方のデータ信号と比較データパターンとが一致しなければ、あらためて2つのデータ信号と比較データパターンとの比較を行うものである。
本発明においては、あらかじめ時間を定めておき、一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、その時間内に他方のデータ信号と比較データパターンとが一致しなければ、何らかの原因で波形が乱れ、データが一致しなかったものとして、あらためて比較をやり直す。
【0016】
また、本発明に係るデコード装置の位相差検出手段は、検出動作期間が設定され、その期間内で位相差検出を行うものである。
本発明においては、例えば設定したウィンドウにより、検出動作期間を定め、効率的な位相差検出を図る。
【0017】
また、本発明に係るデコード装置の位相差検出手段は、ある検出動作期間内に位相差を検出すると、その検出動作期間での位相差検出を終了するものである。本発明において、位相差検出手段は、補正の安定を図るため、ある検出動作期間内に位相差を検出すると、その検出動作期間での位相差検出を終了する。
【0018】
また、本発明に係るデコード装置における検出動作期間は、Resyncのデータ又はVFOのデータ部分を含むデータ信号の入力に基づいて設定されるものである。
データ全体に対して位相差の検出ができるように、データの前半に存在するVFOのデータ部分とデータの後半部分に存在するResyncのデータ部分とにおいて位相差を検出する。
【0019】
また、本発明に係るデコード装置における検出動作期間は、Syncのデータ、AMのデータ及びResyncのデータ部分を含むデータ信号の入力に基づいて設定されるものである。
データ全体に対して位相差の検出ができるように、データの前半に存在するSyncのデータ部分及びAMのデータ部分とデータの後半部分に存在するResyncのデータ部分とにおいて位相差を検出する。
【0020】
また、本発明に係るデコード装置は、パルス幅変調で記録された信号を、その立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLL方式のデコード装置であって、2つのクロック信号のそれぞれに基づいて入力される2つのデータ信号のうち、どちらか一方のクロック信号に基づくように、他方のクロック信号に基づくデータ信号を変換するクロック系変換手段と、クロック系変換手段が変換したデータ信号とは別のデータ信号を、クロック系変換手段の変換タイミングに基づいて遅延させる第1の遅延手段と、位相差信号が入力されると、クロック系変換手段及び第1の遅延手段から送信された2つのデータ信号をそれぞれ2系統に分けた、一方の2つのデータ信号を補正する第1の位相補正手段と、第1の位相補正手段が補正した2つのデータ信号の位相差を検出し、位相差信号を送信する位相差検出手段と、他方の2つのデータ信号を遅延させる第2の遅延手段と、第2の遅延手段により遅延された2つのデータ信号の位相差を位相差信号に基づいて補正する第2の位相補正手段と、第2の位相補正手段により補正された2つのデータ信号を合成する合成手段とを備えている。
本発明においては、クロック系変換手段は、あるクロック信号に基づいて入力されなかったデータ信号をあるクロック信号に基づくように変換する。一方、第1の遅延手段は、あるクロック信号に基づいて入力されたデータ信号を、クロック系変換手段により変換されたデータ信号が、クロック系変換手段を通過することにより遅れた分だけ遅延させ、双方のデータ信号の遅延タイミングを合わせる。2つのデータ信号をさらに2系統に分ける。そして、一方の2つのデータ信号は、第1の位相補正手段に入力されて補正された上で位相差検出手段に入力され位相差検出される。算出された位相差は第1の位相補正手段において後のデータ信号に反映される。他方の2つのデータ信号は、第2の遅延手段で遅延された後に、第2の補正手段により補正され、合成手段で合成されて後段の装置で用いられる。
【0021】
また、本発明に係るでは、処理した信号に基づいて、信号中に含まれる同期パターンのデータを検出するものである。
本発明においては、デュアルPLL方式で処理した信号で同期パターンのデータを検出するが、その際に、シングルPLLと同じ検出タイミングで行う。
【0022】
また、本発明に係る記憶装置は、パルス幅変調で記録された信号を、その立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、2つのデータ信号を、あるクロック信号に基づくように変換するクロック系変換部と、クロック系変換部が変換した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを備えたデコード手段を有している。
本発明においては、パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLLタイプのデコード装置であって、2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部とクロック系変換部によりあるクロック信号に同期した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを独立して備えたデコード手段を有する記憶装置を構成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係るデコード装置のブロック図である。図1において、1はクロック系変換手段である。クロック系変換手段は、RclkLEで同期しているRDDTLEを、RclkTEに同期させる。2は例えばシフトレジスタで構成される第1遅延手段である。RDDTLEがクロック系変換手段1を通過することにより生じる遅延に対応させてRDDTTEを遅延させる。クロック系変換手段1及び第1遅延手段2でクロック系変換部を構成する。
【0024】
3は第2遅延手段である。RDDTLEを一時的に保存するバッファA0(BufferA0)及びRDDTTEを一時的に保存するバッファA1(BufferA1)を有している。位相補正時に起こる信号の乱れを、後段の装置が用いるResync等のデータ部分に及ぼさないようにするためのものである。4及び5は位相補正手段である。後述する位相差検出手段6が算出したRDDTLEとRDDTTEとの位相差に基づいて、これらが同位相になるように補正する。ここで、位相補正手段5は、位相差検出の結果をフィードバックし、その後に入力されるRDDTLE及びRDDTTEに対して、その位相補正を反映させるために設けられている。また、位相補正手段4は、後述する合成手段7がRDを作成するための補正を行うために設けられている。このように、位相補正手段を位相補正手段4及び5の2つで構成したのは、前述したように、位相補正手段5から出力される信号をそのまま合成したのでは、本装置の後段の装置で用いられるResync等のデータ部分を乱してしまうからである。そのため、RDを作成するために第2遅延手段3を通過した信号を用いる必要があり、その位相補正をするための手段として位相補正手段4が設けられているのである。
【0025】
6は位相差検出手段である。位相差検出手段6は、バッファ部6Aとパターン比較部6B及び位相差検出部6Cで構成される。バッファ部6Aは、RDDTLEを一時的に保存するバッファ0(Buffer0)及びRDDTTEを一時的に保存するバッファ1(Buffer1)を有している。パターン比較部6Bは、VFO及びResyncのデータ部分について、あらかじめ定められたパターンと比較し、その比較に基づいてstrtn信号又はstrtp信号を送信する。位相差検出部6Cは、少なくともカウンタを有しており、strtn信号又はstrtp信号に基づいて、RDDTLEとRDDTTEとの間の位相差を算出する。また、7は合成手段である。同位相に補正されたRDDTLEとRDDTTEとを合成し、RDを作成する。この第2遅延手段3、位相補正手段4及び5、位相差検出手段6並びに合成手段7で位相調整部を構成する。
【0026】
本実施の形態のデコード装置は、クロック系変換手段1によりRDDTLEをRclkTEに同期させた後に、位相差検出手段6で位相差を検出する。そして、検出した位相差に基づいて位相補正手段4及び5が送信されるRDDTLEとRDDTTEとの間の位相差を補正する。クロック系を変換する部分と位相補正をする部分とをそれぞれ別手段で構成することで、従来より単純な構成となる。また、位相差検出手段6では、第1第2及び第3VFOの各データ部分で各セクタの前半部分の位相差検出を行い、Resyncによるデータ部分で各セクタの後半部分の位相差検出を行う。これにより、セクタ全体(記録媒体に記録されたデータ全体)の位相差検出をカバーする。ここでは、特にAMのデータ部分及びSyncのデータ部分を用いていない。これは、これらのデータは、図9をみればわかるように、第1第2及び第3VFOの各データ部分のすぐ後に続くデータだからである。そのため、本実施の形態ではこれらのデータ部分で位相差を検出しない。
【0027】
図2はクロック系変換手段1の構成を表す図である。クロック系変換手段1は、カウンタ1及びカウンタ0、ゲート1及びゲート0、8ビット分のレジスタ(Dフリップフロップ)、8つのアンド回路、OR回路並びに出力用のレジスタ(O−reg)で構成されている。このクロック系変換手段1において、RclkLEで同期しているRDDTLEは、をRclkTEで同期するように変換される。そして、カウンタ0とカウンタ1との初期値をずらすことにより、あるレジスタに対するデータ書き込みタイミングとデータ読み出しタイミングとを約4クロック分ずらせる。このように、約4クロック分ずらせることにより、RDDTLEが入力されるレジスタとRDDTLEが出力するレジスタとが異なり、出力(読み出されたデータ)が安定する。また、例えば、ディスクの欠陥等により、読み出されるデータが“0”又は“1”が一定期間続くと、PLLは位相比較ができず、RclkLEとRclkTEとの周波数に差が生じることがある。一方のカウントのタイミングが速くなったり遅くなったりして2つのカウンタ値が同じになると、同じレジスタに対してゲート0とゲート1とがほぼ同時に開いてしまい、書き込みと読み出しのタイミングがほぼ同時になってしまうためクロック系変換手段1のメカニズムが破綻する。そこで、このため、ゲート0とゲート1の立ち上がり時間の差がほぼ最大となる約4クロック分ずらすことでマージンを最大にすることができる。ただ、常に4クロックずらすというわけではなく、レジスタ数等により変化させてよい。
【0028】
図3は、クロック系変換手段1に入出力される各信号等の関係を表すタイムチャートである。図2及び図3に基づいて、クロック系変換手段1の動作について説明する。カウンタ0及びカウンタ1は、0〜7の循環カウンタである。0からカウントアップし、7の次はまた0に戻ってカウントを行う。ここで、カウンタ1はRclkLEの立ち下がりでカウントする。そして、カウンタ1がカウントする時に、そのカウント値に対応したゲート1のゲートが立ち上がる(開く)。このとき、ゲートに対応したレジスタ(reg0〜reg7)だけにRDDTLEのデータが入力される。カウンタ1が1をカウントすると、ゲート1[0]が立ち上がり、レジスタ0だけにその時のRDDTLEのデータであるdata00が入力される。また、カウンタ1が2をカウントするときにはゲート1[1]が立ち上がり、レジスタ1だけにその時のRDDTLEのデータであるdata10が入力される。同様に、data20、data30、data40、data50、data60及びdata70が、それぞれレジスタ2、レジスタ3、レジスタ4、レジスタ5、レジスタ6及びレジスタ7に入力される。また、data07がレジスタ7に入力されると、その次のRDDTLEのデータであるdata10がレジスタ1に入力される。
【0029】
一方、カウンタ0はRclkTEの立ち下がりでカウントする。そして、カウンタ0がカウントする時に、そのカウント値に対応したゲート0のゲートが立ち上がる(開く)。そのゲートにより信号が入力されるアンド回路だけがレジスタに記憶されたRDDTLEのデータを通過させる。カウンタ0が1をカウントすると、ゲート0[0]が立ち上がり、レジスタ0と接続されたアンド回路が、レジスタ0に記憶されたRDDTLEのデータであるdata00を通過させる。また、カウンタ0が2をカウントすると、ゲート0[1]が立ち上がり、レジスタ1と接続されたアンド回路が、レジスタ1に記憶されたRDDTLEのデータであるdata10を通過させる。このようにして、レジスタ2、レジスタ3、レジスタ4、レジスタ5、レジスタ6及びレジスタ7にそれぞれ記憶されたdata20、data30、data40、data50、data60及びdata70が、対応するゲートの立ち上がりによりアンド回路を通過する。また、レジスタ7に記憶されたdata07が通過すると、カウンタ0が1をカウントし、ゲート0[0]が立ち上がるので、レジスタ1に記憶されたdata10が通過する。通過したRDDTLEのデータはOR回路を通過し、O−regでRclkTEの立ち上がりにあわせて出力される。このようにして、RclkLEに同期したRDDTLEが出力される。ここで、前述したように、カウンタ1のカウント値とカウンタ0のカウント値とを4ずらせておく。これにより、4クロック分遅れたRDDTLEがクロック系変換手段1から、RclkTEに同期して出力することになる。
【0030】
前述したように、RDDTLEはクロック系変換手段1を通過することにより、RclkLEに同期するものの約4クロック分遅延する(位相が遅れる)。そのため、何もしなければRDDTTEの方がその分進んでしまう。後段の位相差補正は、位相の進み又は遅れを判断できるほどのずれを補正するものなので、これだけ大きな位相のずれに対して補正を行うことができない。これを補正するために設けたのがシフトレジスタで構成される第1遅延手段2である。第1遅延手段2は、RDDTLEがクロック系変換手段1を通過した位相のずれの時間分だけRDDTTEを遅延させる。
【0031】
クロック系変換手段1によりRclkTEに同期したRDDTLE及び第1遅延手段2により遅延されたRDDTTEは、第2遅延手段3及び位相補正手段5に入力される。図1では第2遅延手段3は、24ビットの2つのバッファ(BufferA0及びBufferA1)で構成されている。ここで、先ほど若干説明したが、この第2遅延手段3が設けられている理由を再度詳述する。位相補正手段5は後述するような位相補正動作を行うが、位相補正動作を行う際に、位相補正手段5を通過する信号が乱れてしまう。ここで、後述するように、RDDTLE及びRDDTTEとの位相差の検出は、位相差検出手段6がVFOとResyncのデータ部分を検出して行うことになっている。そのため、位相差が検出され、それがすぐに位相補正動作に反映されると、VFOとResyncのデータ部分の信号が位相補正手段4を通過している際に位相補正を行ってしまう場合がある。VFOのデータ部分は本装置の前段の装置が必要とするデータなので特に問題はないが、Resyncは本装置の後段にある装置が必要とするデータなので、データが乱れると問題がある。そこで、位相補正を行う時にResyncのデータ部分の信号が位相補正手段4を通過しないように、第2遅延手段3を設け、信号を遅延させるのである。
【0032】
次に位相補正手段5の動作であるが、ここでは、この装置において最初にRDDTLE及びRDDTTEが入力された段階であるとする。そのため、位相差検出手段6による位相差の検出はなされていないものとし、この時点では位相補正手段5は位相補正を行わないものとする(位相補正手段5は、後述する位相補正手段4と同様の動作を行うので、位相補正手段4の動作説明と共に説明する)。
【0033】
位相補正手段5を通過したRDDTLE及びRDDTTEはバッファ部6Aに入力される。バッファ部6Aにおいて、RDDTLE及びRDDTTEはそれぞれバッファ0及びバッファ1に16ビット分蓄えられる。本来、16ビットという記憶量では、Resyncのデータ部分を全てカバーできない。ただ、Resyncのデータ部分は他のデータ部分とは異なり特徴となるデータパターンを有している。その部分を検出できれば位相差の検出が問題なく行えるので、本実施の形態では、それぞれの記憶量を16ビットとしている。
【0034】
図4は、パターン比較部6BにおけるResyncのデータ部分によるパターン比較の動作状態の遷移を表す図である。動作状態は5状態からなる。パターン比較による状態遷移はステートマシンにより行われる。図4は、Resyncデータ部分におけるRDDTLEとRDDTTEとをあらかじめ定めたパターンと比較し、その結果に基づいて状態を遷移するものである。ここでResyncデータ部分におけるパターンを2パターン定めておき、これをRSa及びRSbとする。ここで、バッファ0の内容(RDDTLE)がRSaと一致するならば、バッファ1の内容(RDDTTE)はRSbと一致する。逆に、バッファ1の内容がRSaと一致するならば、バッファ0の内容はRSbと一致する。なお、ここではResyncのデータ部分との比較を、VFOのデータ部分との比較よりも先に説明するが、実際には、データフォーマットの関係上、VFOのデータ部分との比較の方が必ず先に行われる。
【0035】
次に図4に基づいてパターン比較部6Bのパターン検出について説明する。まず、初期状態S0がある。パターン比較部6Bは、Resyncウィンドウ信号が立ちあがる(Resyncウィンドウが開く)と比較動作を開始する。パターン比較部6Bは、バッファ0の内容及びバッファ1の内容、RSa及びRSbとを相互に比較する。先にバッファ0の内容がRSaと一致したと判断すると、strtn信号(パルス信号)を出力し、S1に状態遷移する。そして、バッファ1の内容がRSbと一致するか一定の時間が経過すると、S0に状態遷移する。ここでバッファ1の内容がRSbと一致したと判断すると、strtp信号(パルス信号)を出力してからS0に遷移する(位相差がなく、時間的に同時に一致した場合も同様とする)。また、先にバッファ0の内容がRSbと一致したと判断すると、strtn信号を出力し、S2に状態遷移する。そして、バッファ1の内容がRSaと一致するか一定の時間が経過(タイムアウト)すると、S0に状態遷移する。バッファ1の内容がRSaと一致した場合には、strtp信号を出力して状態S0に遷移する。次に、先にバッファ1の内容がRSaと一致したと判断すると、strtp信号を出力し、S3に状態遷移する。そして、バッファ0の内容がRSbと一致するか一定の時間が経過すると、S0に状態遷移する。ここで、バッファ0の内容がRSbと一致した場合には、strtn信号(パルス信号)を出力して状態S0に遷移する。また、先にバッファ1の内容がRSbと一致したと判断すると、strtp信号を出力し、S4に状態遷移する。そして、バッファ0の内容がRSaと一致するか一定の時間が経過すると、S0に状態遷移する。ここで、バッファ0の内容がRSbと一致した場合には、strtn信号(パルス信号)を出力して状態S0に遷移する。
【0036】
次にVFOによる位相合わせについて説明する。パターン比較部6Bは、VFOウィンドウが立ちあがると比較動作を開始する。VFOのデータ部分は、位相は異なる場合があるものの、RDDTLE、RDDTTEとも同パターンとなる。そのため、5状態のステートマシンは必要ない。バッファ0のデータ内容(RDDTLE)が先にあるパターン(これをVFOaとする)と一致したと判断するか、バッファ1のデータ内容(RDDTTE)が先にあるパターン(これをVFObとする)と一致したと判断するかによって、出力する信号を区別する。バッファ0のデータ内容(RDDTLE)が先にVFOaと一致したと判断するとstrtn信号を出力する。また、バッファ1のデータ内容(RDDTTE)が先にVFObと一致したと判断するとstrtp信号を出力する。
【0037】
図5は、位相差検出部6Cによる位相差検出の動作状態の遷移を表す図である。動作状態は4状態からなる。位相差検出の状態遷移もステートマシンにより行われる。まず、初期状態SA0がある。パターン比較部6Bは、前述したようにバッファ0とパターンとが一致したと判断するとstrtn信号を出力し、バッファ1とパターンとが一致したと判断するとstrtp信号を出力する。位相差検出部6Cは、先にstrtp信号が入力されたと判断するとSA1に状態遷移し、また、先にstrtn信号が入力されたと判断するとSA2に状態遷移する。そして、カウントを開始する。
【0038】
状態SA1において、位相差検出部6Cは、strtn信号が入力されたか、また、カウントが上限値(limit)になったかどうかを判断する。strtn信号が入力されたと判断するとlag信号とその時のカウント値とを出力してSA3に状態遷移する。また、カウントが上限値になったと判断するとSA0に状態遷移する。
【0039】
また、状態SA2においても同様に、位相差検出部6Cは、strtp信号が入力されたか、また、カウントが上限値(limit)になったかどうかを判断する。strtp信号が入力されたと判断するとlead信号とその時のカウント値とを出力してSA3に状態遷移する。また、カウントが上限値になったと判断するとSA0に状態遷移する。
【0040】
状態SA3において、位相差検出部6Cは、Resyncの位相差を検出している場合は、Resyncウィンドウ信号が立ち下がった(Resyncウィンドウが閉じた)と判断すると、SA0に状態遷移する。またVFOの位相差を検出している場合は、VFOウィンドウ信号が立ち下がった(VFOウィンドウが閉じた)と判断すると、SA0に状態遷移する。
【0041】
図6は位相差検出部6Cにおける各信号を表す図である。ここでは、strtn信号が先に入力され、その後にstrtp信号が入力されたので、lead信号が送信されることになる。しかもカウント値は2であるので、RDDTLEの方が位相が2進んでいることを示している。
【0042】
図7は、位相補正手段4及び合成手段7の構成を表す図である。図では、位相補正手段4は、5段のレジスタ(Dフリップフロップ)、5つのアンド回路、OR回路、5ビット分のシフトレジスタ及び位相制御回路で構成されている。位相補正手段5も同様の構成である。また、合成手段7はOR回路で構成されている。ここで各レジスタを構成するDフリップフロップはRclkTEに同期して動作するものとする。
【0043】
まず、RclkTEに同期し、第2遅延手段3で遅延されたRDDTLEは、5段のレジスタに入力される。各レジスタはRclkTEに同期して動作するので、1段目のレジスタが送信したRDDTLEのデータを5段目のレジスタが送信するのは5クロック後となる。つまり、各レジスタによって送信タイミングが5段階に分かれる。それぞれのレジスタにより送信されたデータ信号は5つのアンド回路にそれぞれ入力され、アンド回路の一方の入力信号となる。
【0044】
一方、5ビット分のシフトレジスタは、あるレジスタだけにデータ“1”が記憶されている(残りのレジスタには“0”が記憶されている)。シフトレジスタのそれぞれのレジスタに記憶されたデータは、アンド回路の他方の入力信号となる。位相制御回路は、位相差検出部6Cが送信したlead信号又はlag信号並びにカウント値に基づいて制御信号を送信して、5ビット分のレジスタの中で、唯一“1”が記憶されるレジスタをシフト制御により選択する。
【0045】
前述したように、5つのアンド回路のそれぞれには、一方にRDDTLEのデータが入力され、他方に5ビット分のシフトレジスタのレジスタのそれぞれのデータが入力される。したがって、5ビット分のシフトレジスタのうち、データ“1”が記憶されているレジスタと接続されたアンド回路だけがRDDTLEのデータを通過させることができる。つまり、通過するデータは5段階のうちから選択され、そのため5段階の位相調整ができる。初期段階(補正なし)の状態では中心のレジスタだけにデータ“1”が記憶されている。そのため、5段のうち3段目のレジスタが送信するデータ信号が位相差0のデータ信号を表す。この場合、位相差0及び前後2段階の位相調整が可能である。また、RDDTTEについては、RDDTLEについて、5段のうち3段目のレジスタが送信するRDDTLEが位相差0としていることから、3段のレジスタで遅延させて調整している。
【0046】
図7では、lead信号が送信されると、データ“1”が記憶されるレジスタを上にシフトさせる。つまり、RDDTLEの位相を1クロック分又は2クロック分遅くするのである。逆にlag信号が送信されると、データ“1”が記憶されるレジスタを下にシフトさせる。つまり、RDDTLEの位相を1クロック分又は2クロック分はやくするのである。何クロック分位相を調整するかは、カウント値に基づいて行われる。アンド回路を通過したRDDTLEのデータはOR回路を通過し、合成手段7でRDDTTEと合成され、RDとして後段の回路に送信される。
【0047】
次に、位相差検出手段6と位相補正手段5との動作を具体例に基づいて説明する。この具体例ではVFOに基づいてパターン比較し、位相を補正することにする。ここで、バッファ0に対する比較の基準パターンを“1000100010001000”とする。また、バッファ1に対する比較の基準パターンを“0010001000100010”とする。そして、ある時刻、バッファ0の内容が“1000100010001000”の時、バッファ1の内容は“0001000100010001”であるとする。また、ここでは、許容位相差を設定し、これを1とする。VFOのデータ部分において位相が2クロックずれていると、バッファ0の内容とバッファ1の内容とが同一になってしまう。しかも、これでは位相が進んでいるのか遅れているのかが判断できない。その判断を行えるようにするために、VFOのデータ部分の比較において、許容位相差は1でなければならないのである(Resyncのデータ部分は位相差が2クロックあっても判断できるので、許容位相差は2でもよい)。この位相差の最大許容は、位相補正手段4又は5を構成するシフトレジスタを構成するレジスタの数に依存する。
【0048】
パターン比較部6Bは、VFOウィンドウが開いている間、比較を行う。その中のある時刻において、基準パターンとバッファ0の内容とを比較する。ここで基準パターンとバッファ0の内容とは一致し、基準パターンとバッファ1の内容とは一致しないので、strtn信号を出力する。位相検出部6Cはそれによりカウントを始める。次の信号入力によってシフトしたバッファ1の内容と基準パターンとは一致するので、パターン比較部6Bはstrtp信号を出力する。このとき、カウントは1である。ここで、strtp信号の方がstrtn信号より後で送信されたので、RDDTLEの方が位相が1クロック分進んでいることになる。そこで、位相差検出部6Cはカウント値1と共にlead信号を位相補正手段4及び位相補正手段5に送信する。
【0049】
位相補正手段4は、カウント値1とlead信号を受信したので、3ビット分のシフトレジスタの3つのレジスタのうち、RDDTLEの位相を遅らせる方向(図7に対応させると上の方)のレジスタにデータ“1”を記憶させる。そして、位相補正手段4から出力されるRDDTLEを1クロック分遅くする。RDDTLEに対して位相が1クロック分遅れたRDDTTEは、そのまま合成手段7に入力される。これで位相補正されたことになり、RDDTLEとRDDTTEとは同位相で合成手段7に入力されることになる。
【0050】
合成手段7は、入力された信号をOR演算して出力する。これが、最終的に媒体に記録されたPWMのデータを処理した信号であるRDとなる。出力されたRDにより、Sync及びResyncのパターンが検出される。このデコード装置は、従来に比べて回路が単純であり、また全ての手段を合計しても、用いられているレジスタ等の数が少ない。そのため、RDDTLEとRDDTTEとが入力され、合成されてRDとして出力されるまでの信号の遅延を抑えることができる。したがって、後段の装置がシングルPLL及びデュアルPLLのどちらに対応しているものでも適用することができる。
【0051】
一方、位相補正手段5も同様に、lead信号とカウント値とが送信され、RDDTLEが入力されてくるレジスタとは反対のレジスタ方向に1つタップを切り換える。これにより、検出した結果がフィードバックされ、次の位相差検出に反映される(その後位相差が生じなければ位相差は0のままである)。
【0052】
以上のように第1の実施の形態によれば、クロック系変換手段1がRclkLEのクロックに基づいているRDDTLEをRclkTEのクロックに基づくように変換し、第1遅延手段2がその変換分だけRDDTTEを遅延させ、位相差検出手段6において検出した位相差を位相補正手段4で補正し、合成手段7で合成させてRDとして出力するようにしたので、デュアルPLL方式で信頼性の高いRDを得ることができる。しかも、クロック系変換部と位相調整部とが独立しているので回路構成及び動作が単純であり、省スペース化及び省電力化を図ることができる。また、障害の際の原因究明を簡単に行える。それに、第2遅延手段3、バッファ部6A等に代表されるようなレジスタ部分の格納ビット数をできるだけ抑え、RDDTLE及びRDDTTEが入力されてからRDが出力されるまでの装置全体の遅延を少なくしたので、後段の装置において、同期パターン(Sync及びResync)の検出をシングルPLLと同一タイミングで行うことができ、ウィンドウの設定を容易に行えるので、他の装置の開発工数も削減できる。また、第2遅延手段3が、位相補正手段4へのRDDTLE及びRDDTTEを遅延させ、位相差検出手段6がResyncのデータ部分に基づいて検出した位相差の補正を位相補正手段4が反映させた際に生じる信号の乱れがResyncのデータ部分に及ぶのを防ぐので、後段の装置において乱れのないResyncのデータ部分による同期パターン検出を行うことができる。
【0053】
さらに位相差検出手段6のパターン比較部6BにおいてRDDTLE及びRDDTTEのどちらもパターンと比較し、先にパターン検出した方に基づいてstrtp信号又はstrtn信号のどちらかを送信するようにし、ある時間内に他方の信号が送信されなければ、あらためて比較を行うようにしたので、比較の機会を多くすることができ、信頼性を高めることができる。また、位相差検出部6Cにおいて、strtp信号又はstrtn信号のどちらの信号でもカウンタはスタートし、またストップするので、RDDTLE及びRDDTTEのそれぞれに対してカウンタを設けることもなく、回路構成を単純にすることができる。また、同ウィンドウ(検出動作期間)内で一度位相差を検出すると、そのウィンドウ内では検出は行わないので、ノイズ等により、本来検出対象とはならない部分で誤って検出してしまうこともなく、安定した補正を行うことができる。
【0054】
実施の形態2.
上述の実施の形態では、位相差検出手段6における位相差検出対象をVFOのデータ部分とResyncのデータ部分としたが、これをAMのデータ部分やSyncのデータ部分も含めたり、VFOのデータ部分の代わりにこれらを用いてもよい。
【0055】
実施の形態3.
上述の実施の形態では、CDやMOを用いたディスクドライブ装置に適用することを前提として説明している。しかし、本発明のようなデコード装置は、データを記憶又は再生する記憶装置の一部を構成するものであってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLLタイプのデコード装置で、2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部とクロック系変換部によりあるクロック信号に同期した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを独立して備えるようにしたので、高信頼性、回路の単純化、小規模化及びそれによる省電力化を図ることができる。また、また、障害の際の原因究明を簡単に行える。
【0057】
また、本発明のクロック系変換部によれば、クロック系変換手段及び遅延手段による単純な構成で、2つのデータ信号が基づくクロック信号を同一にできる。
【0058】
また、本発明の位相調整部によれば、位相差検出手段がクロック系変換部が変換した2つのデータ信号の間の位相差を検出する。また、位相補正手段は、位相差検出手段が検出した位相差に基づいて2つのデータ信号を同位相に補正する。そして、補正した2つのデータ信号を合成手段が合成する。
また本発明の位相調整部によれば、位相差検出手段、位相補正手段及び合成手段による単純な構成で、2つのデータ信号の位相差を正しく補正できる。
【0059】
また、本発明によれば、クロック系変換部が変換した2つのデータ信号をさらに2系統に分け、一方の2つのデータ信号を位相差検出に用い、他方の2つのデータ信号は、遅延手段で遅延された後に、他方の位相補正回路により補正され、合成手段で合成されて後段の装置で用いるようにしたので、遅延手段が遅延させることにより、後段の装置が用いるデータ部分に位相補正の際に生ずるデータ信号の乱れを及ぼさず、後段の装置に正確なデータを送信することができる。
【0060】
また、本発明の位相差検出手段によれば、一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、他方のデータ信号と比較データパターンとが一致するまでのカウント数及びその順序に基づいて位相差を検出するようにしたので、2つのデータ信号のそれぞれに対してカウンタを設けることもなく、回路構成を単純にすることができる。
【0061】
本発明の位相差検出手段では、あらかじめ時間を定めておき、一方のデータ信号と比較データパターンとが一致してから、その時間内に他方のデータ信号と比較データパターンとが一致しなければ、あらためて比較をやり直すようにしたので、比較の機会を多くすることができ、信頼性を高めることができる。
【0062】
本発明の位相差検出手段では、ウィンドウ等により検出動作期間を定めるようにしたので、効率的な位相差検出を図ることができる。
【0063】
本発明の位相差検出手段では、ある検出動作期間内に位相差を検出すると、その検出動作期間での位相差検出を終了するようにしたので、例えばノイズ等による誤った検出を避けることができ、補正の安定を図ることができる。
【0064】
本発明の位相差検出手段では、データの前半に存在するVFOのデータ部分とデータの後半部分に存在するResyncのデータ部分とにおいて位相差を検出するようにしたので、データ全体に対して位相差の検出ができる。
【0065】
本発明の位相差検出手段では、データの前半に存在するSyncのデータ部分及びAMのデータ部分とデータの後半部分に存在するResyncのデータ部分とにおいて位相差を検出するようにしたので、データ全体に対して位相差の検出ができる。
【0066】
また、本発明によれば、クロック系変換手段及び第1の遅延手段により、2つのデータ信号のタイミングを合わせ、それらの2つのデータ信号をさらに2系統に分けて、一方は、第1の位相補正手段で補正した上で位相差検出手段に入力され位相差検出し、他方は、第2の遅延手段で遅延させた後に、第2の位相補正手段で補正して合成手段で合成させて出力するようにしたので、高信頼性、回路の単純化、小規模化及びそれによる省電力化を図ることができる。また、また、障害の際の原因究明を簡単に行える。後のデータに補正を反映させるための第1の位相補正手段と外部に出力するデータの補正をする第2の位相補正手段とを分けることで、出力するデータを正確なものにすることができる。
【0067】
また、本発明によれば、回路構成が単純なので、処理した信号で同期パターンのデータを検出する際に、シングルPLLと同じ検出タイミングで行うことができる。
【0068】
また、本発明によれば、パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLLタイプのデコード装置であって、2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部とクロック系変換部によりあるクロック信号に同期した2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部とを独立して備え、高信頼性、回路の単純化、小規模化及びそれによる省電力化を図ることができるデコード手段を有した記憶装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデコード装置のブロック図である。
【図2】クロック系変換手段1の構成を表す図である。
【図3】クロック系変換手段1に入出力される各信号等の関係を表すタイムチャートである。
【図4】パターン比較部6BにおけるResyncのデータ部分によるパターン比較の動作状態の遷移を表す図である。
【図5】位相差検出部6Cによる位相差検出の動作状態の遷移を表す図である。
【図6】位相差検出部6Cにおける各信号を表す図である。
【図7】位相補正手段4及び合成手段7の構成を表す図である。
【図8】PWM方式のデータを説明するための図である。
【図9】記録されたデータのセクタにおけるフォーマットを表す図である。
【符号の説明】
1 クロック系変換手段
2 第1遅延手段
3 第2遅延手段
4、5 位相補正手段
6 位相差検出手段
6A バッファ部
6B パターン比較部
6C 位相差検出部
7 合成手段
Claims (13)
- パルス幅変調で記録された信号をその立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLL方式のデコード装置において、
前記2つのデータ信号をあるクロック信号に同期させるクロック系変換部と、
該クロック系変換部により前記あるクロック信号に同期した前記2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部と
を備えたことを特徴とするデコード装置。 - 前記クロック系変換部は、
前記あるクロック信号を含む2つのクロック信号のそれぞれに基づいて入力される前記2つのデータ信号のうち、前記あるクロック信号とは別のクロック信号に基づいて入力されるデータ信号を、前記あるクロック信号に同期するように変換するクロック系変換手段と、
前記あるクロック信号で入力されるデータ信号を、前記クロック系変換手段の変換タイミングに基づいて遅延させる遅延手段と
から構成されることを特徴とする請求項1記載のデコード装置。 - 前記位相調整部は、
前記クロック系変換部が変換した前記2つのデータ信号の位相差を検出する位相差検出手段と、
該位相差検出手段が検出した位相差に基づいて、前記2つのデータ信号を同位相に補正する位相補正手段と、
該位相補正手段により同位相に補正された2つのデータ信号を合成する合成手段と
から構成されることを特徴とする請求項1記載のデコード装置。 - 前記クロック系変換部が変換した前記2つのデータ信号をさらに2系統に分け、また、前記位相補正手段を位相補正回路2つで構成し、さらに前記2つのデータ信号を遅延させるための遅延手段を備え、
一方の前記2つのデータ信号は、一方の位相補正回路に入力されて補正された上で前記位相差検出手段に入力され位相差検出され、
他方の前記2つのデータ信号は、前記遅延手段で遅延された後に、他方の位相補正回路により補正され、前記合成手段で合成されることを特徴とする請求項3記載のデコード装置。 - 前記位相差検出手段は、あらかじめ定められた比較データパターン及びカウンタを少なくとも有し、
前記2つのデータ信号の一方のデータ信号と前記比較データパターンとが一致してから、他方のデータ信号と前記比較データパターンとが一致するまでのカウント数及び前記2つのデータ信号の一致の順序に基づいて前記位相差を検出することを特徴とする請求項3記載のデコード装置。 - 前記位相差検出手段は、前記2つのデータ信号の一方のデータ信号と前記比較データパターンとが一致してから、あらかじめ定められた時間以内に他方のデータ信号と前記比較データパターンとが一致しなければ、あらためて前記2つのデータ信号と前記比較データパターンとの比較を行うことを特徴とする請求項5記載のデコード装置。
- 前記位相差検出手段は、検出動作期間が設定され、その期間内で位相差検出を行うことを特徴とする請求項5記載のデコード装置。
- 前記位相差検出手段は、ある検出動作期間内に位相差を検出すると、その検出動作期間での位相差検出を終了することを特徴とする請求項7記載のデコード装置。
- 前記検出動作期間は、Resyncのデータ又はVFOのデータ部分を含むデータ信号の入力に基づいて設定されることを特徴とする請求項7記載のデコード装置。
- 前記検出動作期間は、Syncのデータ、AMのデータ及びResyncのデータ部分を含むデータ信号の入力に基づいて設定されることを特徴とする請求項7記載のデコード装置。
- パルス幅変調で記録された信号を、その立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、再度合成して信号を処理するデュアルPLL方式のデコード装置において、
2つのクロック信号のそれぞれに基づいて入力される前記2つのデータ信号のうち、どちらか一方のクロック信号に基づくように、他方のクロック信号に基づくデータ信号を変換するクロック系変換手段と、
該クロック系変換手段が変換したデータ信号とは別のデータ信号を、前記クロック系変換手段の変換タイミングに基づいて遅延させる第1の遅延手段と、
位相差信号が入力されると、前記クロック系変換手段及び該第1の遅延手段から送信された前記2つのデータ信号をそれぞれ2系統に分けた、一方の前記2つのデータ信号を補正する第1の位相補正手段と、
該第1の位相補正手段が補正した前記2つのデータ信号の位相差を検出し、位相差信号を送信する位相差検出手段と、
他方の前記2つのデータ信号を遅延させる第2の遅延手段と、
該第2の遅延手段により遅延された前記2つのデータ信号の位相差を位相差信号に基づいて補正する第2の位相補正手段と、
該第2の位相補正手段により補正された2つのデータ信号を合成する合成手段と
を備えたことを特徴とするデコード装置。 - 前記処理した信号に基づいて、前記信号中に含まれるSyncのデータ及びResyncデータのパターンを検出することを特徴とする請求項1又は11記載のデコード装置。
- パルス幅変調で記録された信号を、その立ち上がり部分又は立ち下がり部分に基づいて2つのデータ信号に分け、前記2つのデータ信号を、あるクロック信号に基づくように変換するクロック系変換部と、
該クロック系変換部が変換した前記2つのデータ信号をさらに同位相に補正して合成する位相調整部と
を備えたデュアルPLL方式のデコード手段を有する記憶装置。
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