JP3719264B2 - 使い捨て液体吸収物品及びその製造のための方法及び装置 - Google Patents

Description

技術分野
本発明は添付された請求の範囲第１項の前文（preamble）に従った液体吸収物品に関する。
また本発明は添付された請求の範囲第６項及び第９項のそれぞれに従った液体吸収物品の製造のための方法及び装置に関する。
さらに詳しくは本発明は主に生理用ナプキンに使用することを意図した漏れバリヤーを与えた物品に関する。但し、失禁保護、おむつなどの如き他のタイプの吸収物品にももちろん使用することができる。
縁部の漏れは主に生理用ナプキンについて普遍的な問題である。なぜならば月経血の斑点は除去することが難しく、使用者は極度に困惑させられた経験を持っているからである。生理用ナプキンはおむつなどとは対照的に、使用者自身によって、パンティに直接固定される。女性のパンティのサイズ及び形状は大きく変化するので、生理用ナプキンの位置が最適なものより劣ってしまい、時間とともに、そして異なる使用者間で位置が変化することが容易に起こる。漏れの危険を増加する別の要因は生理用ナプキンが使用中変形し、又はパンティ内のそれの元の位置から離れて動くことである。生理用ナプキンの間違った位置又は変形の負の影響は生理用ナプキンの縦側縁の各側に高くした縁漏れバリヤーを設けることによってある程度軽減することができる。たとえ偶然に生理用ナプキンが縁部分の近くで湿潤されるような位置をとったとしても、それによって液体が縁部を越えて流れ、使用者の衣類の汚れを生じるのを防止することができる。
縁漏れバリヤーはさらに生理用ナプキンの縦方向における液体の広がりを制御するために効果的である。これは高い液体広がり能力を有する吸収コアを持つことが多い今日一般に使用されている極端に薄い生理用ナプキンと組合せると特に有用である。かかる吸収コアでの欠点はそれらが通常全ての方向に等しく液体を広げることである。これによって液体が生理用ナプキンの側縁に到達するとすぐに漏れが起こる。
発明の背景
多数の異なる高くした縁漏れバリヤーが従来技術で知られており、例えばＷＯ９３／１２７９５を参照すると、生理用ナプキンのカバーの折り曲げられた部分によって形成された、生理用ナプキン上の縁漏れバリヤーを教示している。各端で固定され予め応力を与えられた弾性コードは形成された折った部分の内側に沿って広がり、バリヤーを使用中高くさせ続ける。コード手段の端の安全な固定を確実にすることは生理用ナプキンの製造に対して大きく要求する。さらに、コードは横向きに平らになることを妨害しない。さらに、横に折った部分はバリヤー壁内の弾性コードの作用によって形成されるが、それは使用者に不快なものとして感じさせる。
現在の生理用ナプキンにおける別の問題は表面材料がしばしば高い液体透過性、高い表面乾燥度及び小さな再湿潤（即ち、液体が層を通って再び押し戻される小さな危険性）に関して好ましい性質を有する孔あきプラスチック層から構成されることである。かかる材料は多くの使用者によって“プラスチック的”なものとして感じられ、それゆえ不織布材料（繊維布）のより“織物的な”ストリップを生理用ナプキンの縁部分に与えることが一般的になっている。かかる“織物的な縁”を記載する文献の例はＳＥ−Ｂ−９００３４９Ｄ−１があり、それは極めて限定された液体停止効果を生じる平らな折った部分を有する縁部分を教示している。
発明の概要
本発明の目的は統合された弾力作用によって横方向におけると同様に高さ方向での圧搾（squeeze）を効果的に防止する縁漏れバリヤーを液体吸収物品に与えることである。
前記目的は本発明による液体吸収物品によって達成され、その特徴は添付の請求の範囲第１項から明らかである。前記目的は本発明による液体吸収物品の製造のための方法及び装置によっても達成され、その方法及び装置は請求の範囲第６項及び第９項それぞれから明らかである。
【図面の簡単な説明】
本発明は添付図面を参照して一連の具体例でより詳細に以下説明されるだろう。
図１は生理用ナプキンの形の本発明による液体吸収物品の透視図である。
図２は第１例における（縦方向）弾性手段を有する縁バリヤー（縦方向液体バリヤー手段）を示す図１における線II−IIに沿った断面図である。
図３は第２例における（縦方向）弾性手段を有する図２に相当する一部断面図である。
図４は本発明による吸収物品の製造装置の概略的な透視図である。
図５及び図６は本発明に含まれる折りたたみ装置（folding device）を示したものである。
図７は本発明による折りたたみ装置及び折り曲げ装置（fold-over device）の透視図を示したものである。
図８及び図９はそれぞれ折り曲げ装置の側面図及び上面図である。
好適な例の記述
図１及び図２に示された生理用ナプキンは液体のための実質的に縦長の吸収体１及びそれを囲むカバー２を一般的に含む。示された例では、カバーは使用中使用者に面している液体透過性カバーシート３を与えられている。液体透過性シート３は非吸収布又は孔あきプラスチックフィルムから好適に構成される。カバーは例えばプラスチックフィルム又は疎水性繊維布から作られた、好ましくは液体を通さないカバーシート４も与えられ、前記カバーシート４は使用中の使用者から離れて面している。示された例では液体透過性カバーシート３は生理用ナプキンの中央部分にわたって、その長さにわたって完全に（その幅にわたってではない）広がり、一方液体を通さないカバーシート４は吸収体１の縦縁５，６の外側に広がる。示された例では、カバーは例えばポリマーの繊維布（不織布）のような皮膚に優しい“織物的な”材料の二つの縁ストリップ７，８によって囲まれており、それは外側縁部分９，１０に沿って生理用ナプキンの出縁状の縦方向縁部分１１，１２を形成する液体を通さないシートと結合される。示された例では、縦方向縁部分は翼状の出っ張り１１′，１２′をそれぞれ与えられ、それらはパンティの縁を越えて折り曲げた後、接着剤によって生理用ナプキンを固定するためにしっかりと固定することができる。カバー２内の異なるシート間の結合は例えば超音波によって材料を溶融温度に加熱することによって達成される。同様の方式では、縁ストリップ７，８の内部縁部分１３，１４は液体透過性カバーシート３の縦方向縁部分１５，１６と結合される。溶接（即ちシートを一緒に溶融すること）の代わりに、もちろん接着を使用してもよい。さらに、カバーシート３は縁ストリップ７，８の下で完全に広がってもよく、第２カバーシート４に直接結合されてもよい。
縦縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）１７，１８を形成するために、縁ストリップ７，８は折り返されて溝１７″，１８″を囲む完全に閉じられたトンネル形状を形成し、内部縁部分１５，１６は液体透過性シート３と縁ストリップの下側の間に挿入され、例えば熱又は超音波の適用を通して溶接または接着によってそれに結合される。トンネル形状は単にカバーシート３によって又は前記シートと縁ストリップ７，８によって形成されてもよく、それは例えばベースシートとしてシート３でオメガ形状に折り曲げられてもよい。
本発明によれば、折り曲げられた縁ストリップ７，８は（縦方向）弾性手段又は充填材料を与えられ、それらは図２に示された例ではベローズ（bellows）形状の断面に折り曲げられ、横方向及び高さ方向の圧搾を防止し直立状態で縁バリヤーを保持する例えば繊維布（不織布）から作られたストリップ２４，２５を含む。
図２における例によれば、織物縁を高くした縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）の組合せが達成されている。主な構成要素は外側溝内の折り曲げられた材料である。折り曲げられた材料は形成されたトンネル壁１７′，１８′に対して弾性的な支持を与えるために一定の内部弾力作用を有するタイプのものからなるべきである。さらに、折り曲げられた材料は使用中その特性を維持するように湿潤に対して実質的に不感受性にすべきである。これまで試験された材料はポリプロピレン繊維の熱結合不織布材料である。一方、相対的に高い内部弾力作用を有する他のタイプの繊維は、弾力作用を増加するために（例えば被覆で）処理された材料と同様にもちろん適用可能である。従って各ストリップ２４，２５はストリップの縦方向を横切る内部弾力作用を有するＶ−又はＺ−（ジグザグ）形状の断面を持つ１以上の縦方向の折られた部分を与えられる。ストリップはトンネル壁１７′，１８′に少なくとも部分的に隣接するそれらの縁部分２４′，２４″，２５′，２５″でしっかりと固定される。示された例では、折り曲げられたストリップ２４，２５は“直立した”状態にされ、それらは一定の平坦化（それは販売パッケージで行なわれる）の後であっても弾性作用によって持ち上げられトンネル壁１７′，１８′を支持する。しかしながら、高い弾力作用は材料の内部弾性変形抵抗及び折り曲げによって他の横方向にも達成される。
バリヤーはその設計のために、下にある吸収体によって液体が吸収される時間を十分に持つために液体の広がりを停止又は遅くすることができる。バリヤーは液体不透過性又は疎水性材料から作られることによってほぼ液体を通さなくすることができる。また材料の折り曲げ及びバリヤーの厚さは液体停止効果に寄与する。しかしながら、たとえバリヤーが蒸気透過性であっても不利はない。
図３は第２例における縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）１７を示したものであり、（縦方向）弾性手段は例えば発泡材料又は繊維材料のコードから構成され、断面図に見られるように全ての方向のバリヤーに弾力作用、即ち横方向の弾性を生じる。コードは製造中、溝の横方向寸法以下の横方向寸法になるまで予備延伸される（即ち、縦方向に予め応力を与えられる）ことが有利である。コードは荷重を除去された後横方向に寸法増加を生じるので横方向の弾力作用が生じ、それによってトンネル壁に対する機械的な固定を生じる。
さらに、両例の弾性手段はそれらがバリヤーの壁にしっかり取り付けられる必要はなく、それによって不必要な緊張が避けられるという点で共通する。
図４を参照すると、本発明による液体吸収物品の製造のための方法及び装置が記載されている。ここで、本発明の記述は縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）１７，１８を支持するカバー２の部分の製造に限定されないことに注意すべきである。その他、吸収体、液体を通さないシート４及び他のカバーとともにそれらの結合は先行技術で知られているが、詳細な説明はしない。
図４による装置は貯蔵ロール２１から連続的に巻き出された一つの同一の材料ライン２０から開始する。外側縁切断カッターローラー２２，２３はバリヤー内に充填物又は弾性手段を形成するために二つの外側縁ストリップ２４，２５を切断するための装置に含まれる。中央の切断カッターローラー２６は材料ライン２７を二つの部分２８，２９に分割し、縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）１７，１８内にトンネル部分を持つ縁ストリップ７，８を形成する。
外側縁ストリップ２４，２５はストリップをベローズ形状の断面に折るためにそれら自身の折りたたみのための装置３０，３１にそれぞれ供給される。それらは以下詳細に記載されるだろう。
また折り曲げ装置３２，３３はラインの各部分２８，２９のための装置に含まれ、その装置ではバリヤーは折りたたまれた外側縁ストリップを挿入された状態でトンネル形状に折り曲げることによって形成される。それらは以下詳細に記載されるだろう。
別の貯蔵ロール（図示せず）から、液体透過性カバーシート３を形成する材料ライン３４が与えられる。組合されるバリヤー１７，１８を有する完成した縁ストリップ７，８は材料ライン３４の幅に調整された距離を置いて供給され、それと結合され、材料ライン３４の縦縁３５，３６と折り曲げられた縁ストリップ７，８の結合のための結合装置３５を通過させられる。装置３５は例えば超音波を利用する加熱及びエンボスを組合せた装置からなる。
示された例の折りたたみ装置３０，３１は図５及び図６において最も良くわかるように互いにかみ合わせているジグザグ形状の軌道３８を持つ二つの回転ローラー３６，３７を含む。ストリップ２４，２５がこれらのローラーを通して供給されるとき、それらは軌道の断面（即ち、ジグザグ形状又はベローズ形状）と同じ形状を与えられ、その後ストリップは折り曲げ装置３２，３３上に供給される（図７参照）。
図７，図８及び図９に示された例では、折り曲げ装置３２は折り曲げプレート配列を含み、その主要部分は供給方向４１に実質的に横方向に（矢印４０参照）伸びる間隙状縦型外側開放シュート３９から構成される。さらに、水平面（供給面）に非対称に設けられた二つの方向変換縁４２，４３が含まれ、一方シュート３９の入口は水平面に対して斜めへの方向変換縁４４，４５を二つ設けている。
シュート３９の縦方向に沿って引かれている縁ストリップによって、縁ストリップの折り曲げられた部分は形成される。図７から、ベローズ形状に折られたストリップ２４は折りたたみ装置３０からシュート３９内にいくぶん曲げられて供給され、それによってストリップはシュートの底４６の方に案内され押しつけられることは明らかである。これによって、充填材料が封止されたシート間に捕えられる危険性なしでトンネルが続いて閉じられることを保証する。
本発明は上で述べ添付の図面に示された例に限定されないが、添付の請求の範囲内で変更することができる。例えば、縁漏れバリヤー（縦方向液体バリヤー手段）はカバーシート３だけの折り曲げによって形成することができる。ストリップ２４，２５は全てではないが、折ることと組合せてらせん状にしてもよい。折り曲げは横方向に延長してもよい。折り曲げられたストリップは次に示された折りたたみ角度に置いてもよい。例えば“ストリップの設置（laying）”は９０°に又は例えば４５°の傾きで斜めに折り曲げてもよい。バリヤーは別々に延長してもよく、それらは例えば物品の縦方向に沿って横に延長したり又は湾曲させてもよい。バリヤーは例えばおしめ、失禁保護帯のような他の物品にも含めてもよく、それによってバリヤーはかなり大きな寸法で設計してもよい。

Claims (12)

1. 使用者によって装着されるべき使い捨て液体吸収物品であって、実質的に縦長の吸収体とそれを囲むカバーを含み、前記カバーは、使用中の使用者に面する第１側、及び使用中の使用者から離れて面する第２側を有し、前記第１側は液体透過性第１カバーシートを示し、前記第２側は第２カバーシートを示し、
   前記第１側に少なくとも一つの縦方向液体バリヤー手段が与えられており、前記縦方向液体バリヤー手段は、縦方向トンネル壁を有する溝を形成するようにトンネル形状に折り曲げられた材料層によって形成された部分を含み、
   トンネル形状に折り曲げられた前記部分が折り曲げられた部分のトンネル壁に対して物品の縦方向を横切る全ての方向に作用する弾力作用を有する縦方向弾性手段を囲み、
   負荷を受けていない状態の前記縦方向弾性手段が溝の横方向寸法より大きい横方向寸法を示し、これによりトンネル壁に対して縦方向に機械的に固定し及び固定することを意図されることを特徴とする使い捨て液体吸収物品。
2. 前記縦方向弾性手段がその縦軸に沿って折り曲げられた、ストリップ材料を含むことを特徴とする請求の範囲第１項記載の物品。
3. 前記縦方向弾性手段が繊維布からなることを特徴とする請求の範囲第１項記載の物品。
4. 前記縦方向弾性手段が繊維又は発泡材料の弾性ストリップからなることを特徴とする請求の範囲第１項記載の物品。
5. カバーの二つの縁部分を形成する二つの縦縁ストリップをさらに含む請求の範囲第２項記載の物品において、前記縁ストリップの縦部分が前記トンネル形状の部分を形成することを特徴とする物品。
6. 使用者によって装着されるべき使い捨て液体吸収物品の製造方法であって、前記物品は実質的に縦長の吸収体とそれを囲むカバーを含み、前記カバーは、使用中の使用者に面する第１側、及び使用中の使用者から離れて面する第２側を有し、前記第１側上に液体透過第１カバーシートを設け、前記第２側に第２カバーシートを設け、前記第１側に、トンネル形状に材料の部分を折り曲げることによって形成された少なくとも一つの縦方向液体バリヤー手段を配列し、それにより縦方向に閉じられたトンネル壁を形成する場合において、前記方法は以下の工程を含むことを特徴とする使い捨て液体吸収物品の製造方法：
   折り曲げられるべき部分を開いて保持し；
   前記縦方向弾性手段を折り曲げられるべき部分の中へ挿入し、ここで前記縦方向弾性手段は、横方向寸法を減少させるように予め応力を与えられており、
   折り曲げられるべき部分を折り曲げて、折り曲げられた部分に、前記縦方向弾性手段を囲む前記トンネル形状を与え、ここで前記縦方向弾性手段は負荷を受けていない状態で、縦方向に閉じられたトンネル壁によって形成された溝の横方向寸法より大きい横方向寸法を有し、これによりトンネル壁に対する縦方向の機械的な固定を与える。
7. 前記縦方向弾性手段がストリップ材料を折ることによって形成されることを特徴とする請求の範囲第６項記載の方法。
8. 前記ストリップ材料が前記材料の外側縁部分を切断することによって形成されることを特徴とする請求の範囲第７項記載の方法。
9. 使用者によって装着されるべき使い捨て物品の製造装置であって、前記物品は実質的に縦長の吸収体とそれを囲むカバーを含み、前記カバーは、使用中の使用者に面する第１側、及び使用中の使用者から離れて面する第２側を有し、前記第１側に液体透過第１カバーシートを設け、前記第２側に第２カバーシートを設け、前記第１側は、材料ラインの部分をトンネル形状に折り曲げることによって形成された少なくとも一つの縦方向液体バリヤー手段を含み、前記縦方向液体バリヤー手段が縦方向に閉じられたトンネル壁を形成する場合において、その製造装置が：
   前記折り曲げられるべき部分を開放折り曲げ状態に形成するための折り曲げ装置；
   横方向寸法を減少させるように予め応力を与えられている前記縦方向弾性手段を連続的に供給するための装置；
   及び折った部分をトンネル形状に封止するための装置
   を含むことを特徴とする製造装置。
10. 製造装置がストリップ材料を縦に折ることによって前記縦方向弾性手段を形成するための折りたたみ装置をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第９項記載の製造装置。
11. 折り曲げ装置が間隙を形成された開放シュートへの入口の方に材料ラインを方向変換させるための方向変換縁を有する折り曲げプレート配置を含むことを特徴とする請求の範囲第９記載の製造装置。
12. 製造装置が、前記縦方向弾性手段を形成するための外側縁ストリップを前記材料ラインから切断するための、外側縁切断手段を含むことを特徴とする請求の範囲第９項記載の製造装置。

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