JP3718518B2 - 光屈折率変調重合体、光屈折率変調重合体組成物および屈折率制御方法 - Google Patents

光屈折率変調重合体、光屈折率変調重合体組成物および屈折率制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線などの放射線を照射することにより屈折率が増加する光屈折率変調重合体ないし光屈折率重合体組成物とこれらの屈折率制御方法とに関する。
従来、光ファイバをはじめ、光回折格子、光メモリ、光集積回路などの種々の光デバイスの研究開発が盛んである。これらの光デバイスの材料として、最近では、加工性、柔軟性などにすぐれるポリマー材料が注目されている。
光デバイスの作製に当たっては、デバイス中の屈折率を精密かつ任意に制御する技術が必要不可欠である。このような技術として、たとえば、無機材料の場合には、ゲルマニウムをドープしたガラスに光を照射することにより、屈折率を変化させて、光回折格子を作製する方法が知られている。
ポリマー材料の場合には、光化学反応活性な低分子をポリマー中に分散させた材料に対してレーザー光を照射して、フォトクロミック反応(フォトブリーチング)を誘起し、それに伴い屈折率を変化させて光回折格子を作製する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、上記フォトブリーチングを利用して、屈折率が材料中で連続的に変化した、いわゆる屈折率分布型材料(GRIN材料)を製造する技術も開示されている(特許文献2参照)。

これらの技術では、低分子をドープするか、または低分子をポリマー分子中に導入した材料を用いており、場合によりその低分子による光吸収が大きくなり、デバイスの十分な透明性が得られないことがあった。
さらに、従来より、代表的な光学用ポリマーとして知られるポリメチルメタクリレート(PMMA)に関し、低分子を導入することなく光照射のみにより屈折率を高くする試みがなされている。しかし、この技術は、325nmの光の照射により0.051という光デバイスにとって十分に大きい屈折率差が得られるものの、PMMAに反応性を付与するため、モノマーであるメチルメタクリレートをあらかじめ酸化してから重合させており、そのため、作製に長時間を要し、工程も煩雑になる問題があった。
また、モノマーであるメチルメタクリレートを酸化しないで重合した場合は、PMMAの屈折率は上記光を照射しても全く増加しないとの報告がなされている(非特許文献1参照)。さらに、照射する光の波長をより短くした場合は、たとえば、0.2537μmの照射では、PMMAの主鎖を切断し、密度を下げる傾向があるとされ(非特許文献2参照)、Lorentz−Lorenzの式から屈折率を上げることは不可能であることが示唆されている。
特開平7−92313号公報(第2〜3頁) 特開平9−178901号公報(第2〜6頁) M.J.Bowden,E.A.Chandross,I.P.Kaminow,「Applied Optics」vol.13,p.113(1974) W.J.Tomlinson,I.P.Kaminow,E.A.Chandross,R.L.Fork,W.T.Silfvast,「Applied Physics Letters」vol.16,p.486(1970)
上述のように、従来の屈折率制御方法では、その方法で作製される光デバイスが十分に透明でない場合があり、またモノマーをあらかじめ酸化する必要があるなど、工程が煩雑で効率が悪くなる場合があった。
本発明は、このような事情に照らし、あらかじめ酸化させるなどの煩雑な工程が必要でなく、効率的に屈折率を変化させることができ、また光デバイスを作製した場合にその透明性にすぐれるポリマー光学成形体の屈折率制御方法とこれに用いる光屈折率変調重合体ないし光屈折率変調重合体組成物を提供することを目的としている。

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の重合方法により分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する重合体を効率良く得る方法を見い出し、この重合体ないしその重合体組成物からなるフィルムに紫外線などの放射線を照射して側鎖ビニル基を架橋反応させると、密度変化が大きくなって、屈折率を効率的に変化(増加)でき、しかも照射後でも透明性にすぐれる新規なポリマー光学成形体の屈折率制御方法が得られることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(a)つぎの式(1);

CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

で表されるアクリル・ビニル単量体のホモ重合体、(b)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上の共重合体、または(c)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上との共重合体のいずれかの重合体であって、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存しており、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上であることを特徴とする光屈折率変調重合体に係るものである。
また、本発明は、上記構成の光屈折率変調重合体と、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤の中から選ばれる少なくとも1種を含み、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)であることを特徴とする光屈折率変調重合体組成物に係るものである。

さらに、本発明は、(a)つぎの式(1);

CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

で表されるアクリル・ビニル単量体のホモ重合体、(b)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上の共重合体、または(c)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上との共重合体のいずれかの重合体であって、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存している重合体と、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤の中から選ばれる少なくとも1種を含み、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)であることを特徴とする光屈折率変調重合体組成物に係るものである。
また、本発明は、上記各構成の光屈折率変調重合体または光屈折率変調重合体組成物に対し、放射線を照射することにより、屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)とすることを特徴とする屈折率制御方法に係るものである。

とくに、本発明は、放射線が紫外線であり、また紫外線の照射光量が10J/cm2 以下である上記構成の屈折率制御方法を提供できるものである。
さらに、本発明は、(a)′つぎの式(1);

CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

で表されるアクリル・ビニル単量体の1種、(b)′式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上、または(c)′式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上のいずれかである単量体を、重合開始剤として、希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒を使用して、アニオン重合させることを特徴とする光屈折率変調重合体の製造方法に係るものである。

とくに、本発明は、希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒が、つぎの式(2);
(Cp1)(Cp2)Mr−(R)p・(L)q …(2)
(式中、Cp1,Cp2は、相互に独立して、非置換のシクロペンタジエニルまたは置 換されたシクロペンタジエニルであり、Cp1とCp2とは直接または連結基を介し て結合していてもよい。Mrはr価の希土類金属原子でrは2〜4の整数である。R は水素原子または炭素数1〜3の直鎖アルキル基である。Lは配位能を有する溶媒で ある。pはRの数、qはLの数で、それぞれ0〜2の整数であり、上記rに対してr =p+2となるように選択される。)
で表される金属錯体化合物である上記構成の光屈折率変調重合体の製造方法を提供できるものである。
以上のように、本発明の分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する光屈折率変調重合体ないし光屈折率変調重合体組成物によれば、従来のようにあらかじめ酸化させるなどの煩雑な工程を経ることなく、その成形体に紫外線などの放射線を適宜の照射量で照射することにより、その屈折率を任意に増加させることができる。

また、上記重合体の共重合成分として各種の単量体をランダムないしブロック共重合させることにより、より高効率で屈折率変化を引き起こすことができる。

さらに、この本発明では、成形体に他の低分子をドープすることがないので、光デバイスを作製した場合にその透明性にすぐれている。また、本発明により得られる屈折率差は0.005以上であり、光デバイスにとって十分に大きい値である。
本発明は、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する重合体に対し、放射線を照射して、上記側鎖ビニル基の架橋反応を誘起させ、密度変化によりポリマー光学成形体の屈折率を増加させることを骨子とする。
ここで、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する重合体としては、ポリビニルメタクリレート(以下、PVMAという)が好適に用いられる。PVMAは、光学ポリマーの中でもすぐれた透明性を有し、また複屈折が起こりにくく、さらに成形性が良好で機械的強度もバランスしている。放射線照射により得られる屈折率差も最も大きいため、本発明においてとくに好ましく用いられる。また、上記PVMAを構成成分とした共重合体も好ましい。
放射線としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線、紫外線などがあるが、とくに紫外線が望ましい。これは、紫外線によると照射装置を簡素化でき、またフィルムの劣化が起こりにくいなどの利点があるためである。

紫外線の波長は、側鎖ビニル基の架橋反応にて重合体を構造変化させ、その密度変化を大きくできる波長であれば、とくに限定されることなく、設定可能である。具体的には、照射強度などとの関係で一概には決められないが、好ましくは200〜450nm、とくに250〜350nmである。

紫外線の光源としては、照射する波長を考慮して適宜選択される。具体例として、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線レーザーなどを挙げることができる。また、照射するに当たり、特定の波長を照射するために、波長フィルタを用いることができる。
紫外線の照射強度は、小さすぎると分子内にラジカル重合性基を有する重合体の光化学反応を誘起することができず、したがって屈折率変化を得ることができないため、不適であり、逆に強度が大きすぎると、成形体が不透明となったり、脆くなる場合があるため、これらを考慮して、適宜設定される。

具体的には、照射する波長によっても異なるが、0.001〜3W/cm2 程度とするのが適当であり、好ましくは0.1〜1W/cm2 である。
紫外線を照射する時間は、得ようとする屈折率差を考慮して適宜設定される。すなわち、本発明の方法では、成形体の屈折率は紫外線の照射によって連続的に増加するので、照射時間を適当な値に設定することにより、屈折率を任意に制御できる。具体的な照射時間は、紫外線の照射波長・強度によって異なるが、たとえば、PVMAの成形体に280〜300nmを含む紫外線を300mW/cm2 の強度で照射して、屈折率を0.01増加させるときの照射時間は、約0.5〜2分間程度とするのが適当である。
紫外線の積算光量は、10J/cm2 以下、とくに5J/cm2 とするのが望ましい。10J/cm2 を超える照射ではフィルムの劣化が起こる場合があり、またそれに要する時間やコストの面からも実用的でない。

また、紫外線を照射する際には、成形体の温度を高くして行うことができる。これにより分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する重合体の反応性が高まり、屈折率をより効率的に変化させることができる。具体的な温度は、成形体の溶融温度を超えない範囲で適宜設定することができるが、たとえば、PVMAからなる成形体の場合、約40〜70℃が適当である。

さらに、このような紫外線照射による屈折率の増加においては、その使用実施形態の汎用性を考慮し、不活性ガス存在下で行う必要性はとくにないが、望ましくは窒素やアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行うのがよく、この場合フィルムと空気界面での表面酸化が抑制されるため、より低照度で大きな屈折率変化が得やすい。
このような条件で紫外線を照射することにより、重合体分子内に残存するラジカル重合性の側鎖ビニル基が架橋反応して、これにより密度が上がり、成形体の屈折率を増加させることができる。上記の架橋反応は、成形体の一部を架橋させるなど、密度が大きくなる反応であれば、有効に利用することができる。

なお、本発明の方法により、最大0.01以上の屈折率の増加を得ることができるが、実際には0.005以上の屈折率差を得ることができれば、光フアイバ、光回折格子などの光デバイスにとって、十分に高い値である。
本発明において、光屈折率変調重合体の屈折率は、m−Line法(プリズムカップリング法)を用いて、He−Neレーザー(波長633nm)で測定される。この場合、TE(トランスバース・エレクトリック)モード(材料のフィルム面と平行方向の光の偏波モード)およびTM(トランスバース・マグネチック)モード(材料のフィルム面と垂直方向の偏波モード)での測定が可能であるが、本発明では、TEモードでの屈折率によりその増加分を評価する。
とくに光導波路・光集積回路においては、TEモードとTMモード屈折率の差が大きいと、光の伝播損失が大きくなり、光情報に位相が生じるため、好ましくない。よって、TEモードとTMモードの屈折率の差が小さい、つまり材料の偏波依存性ロス(Polarization Dependent Loss:PDL)が少ない材料が求められる。したがって、TEモードとTMモードの屈折率の差は、0.00100以下、好ましくは0.00080以下であるのが望ましい。

本発明の光屈折率変調材料は、前記の式(1)にみられるようにアクリル系材料からなるため、光導波路材料として汎用されている材料と比較して、複屈折が小さいことから、PDLが小さく有利である。
本発明の上記の屈折率制御方法を利用すると、種々の光デバイスを作製できる。たとえば、板状の成形体にマスクを介して紫外線を照射して屈折率の高い部分を形成して、光導波路・光集積回路とすることができる。

また、ファイバ状の成形体に干渉縞とした紫外線を照射してファイバの長さ方向に屈折率を周期的に変化させて、光回折格子を作製できる。さらに、紫外線をレンズなどで集光し、その焦点近傍のみが分極率を大きくする反応が誘起可能である条件となるように設定して、成形体の深さ方向での特定位置の屈折率を増加させることもできる。この方法は、3次元光メモリの作製や光ファイバのコア部の形成に利用できる。
本発明の光屈折率変調重合体は、上記した分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存する重合体、つまり、つぎの式(1);
CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20の飽和または不飽和炭 化水素基であって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)
で表されるアクリル・ビニル単量体を必須成分とした単量体の重合体であって、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存してなるものである。

これには、(a)上記の式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体のホモ重合体、(b)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上の共重合体、または(c)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上との共重合体が含まれる。また、上記の両共重合体は、ブロック重合体であってもランダム重合体であってもよい。
上記の式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体としては、たとえば、ビニルメタクリレート、ビニルエチルメタクリレート、ビニルオクチルメタクリレート、ビニルヘキシルメタクリレート、ビニルブチルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルエチルアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。汎用性や入手性の面より、とくにビニルメタクリレートを使用するのが望ましい。
上記のアクリル・ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、アニオン重合用の触媒に対し、不活性または触媒を失活させないものであれば使用できる。共重合性の面よりメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリレート類が好ましい。トリフルオロエチルメタクリレートなどのハロゲン原子を含むものやジエチルアミノエチルメタクリレートなどのヘテロ原子を含むものも使用できる。触媒を失活させる官能基を有するものでも、官能基をキャップすることで使用でき、たとえばヒドロキシエチルメタクリレート類などは水酸基をあらかじめトリメチルシリル基などでキャップすれば使用でき、同様にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸類も使用できる。
式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体とこれ以外の上記単量体との割合は、放射線照射前後で所望の屈折率変化が損なわれなければ、とくに限定されない。一般には、後者の単量体が単量体全体の10〜70モル%、とくに10〜50モル%となるようにすると、前者の単量体の側鎖ビニル基の反応性を低下させることなく共重合化のメリットを発揮させることができる。

つまり、成形体のフィルム物性、透明性、製造コストなどの点より、成形体を構成するポリマー材料の種類が最適化され、また共重合化により側鎖ビニル基の初期反応性が向上するため、より低放射線照度で屈折率変化を可能とできる組み合わせが存在する。
本発明において、上記の光屈折率変調重合体を得るには、アニオン系重合開始剤が好適に使用される。ラジカル重合開始剤では重合中に側鎖ビニル基も消費されてしまうため、屈折率変化に使用するビニル基を得ることができず、また溶剤に不溶なネットワークポリマー(ゲル)になってしまう。また、汎用的なアニオン重合開始剤である有機金属化合物としてのBuLiやグリニヤー試薬などは、側鎖ビニル基の一部が重合中に架橋反応してしまい、また得られる重合体の収率や分子量が低くなるため、好ましくない。
このため、本発明では、上記重合体を得るためのアニオン重合開始剤として、希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒を使用する。

ここで、希土類金属とは、Sc、Y、ランタノイドまたはアクチノイドなどの13族金属を指し、活性中心とは、単量体に配位または結合して直接重合反応を開始する部位をいう。このような金属錯体触媒は、いわゆるメタロセン触媒と呼ばれており、これには、シクロペンタジエニルと金属イオンとの錯体、インデニルと金属イオンとの錯体、フルオレニルと金属イオンとの錯体などが挙げられる。これらの中でも、シクロペンタジエニルと金属イオンとの錯体がとくに好ましい。
このような金属錯体触媒としては、
(Cp1)(Cp2)Mr−(R)p・(L)q …(2)
(式中、Cp1,Cp2は、相互に独立して、非置換のシクロペンタジエニルまたは置 換されたシクロペンタジエニルであり、Cp1とCp2とは直接または連結基を介し て結合していてもよい。Mrはr価の希土類金属原子でrは2〜4の整数である。R は水素原子または炭素数1〜3の直鎖アルキル基である。Lは配位能を有する溶媒で ある。pはRの数、qはLの数で、それぞれ0〜2の整数であり、上記rに対してr =p+2となるように選択される。)
で表される金属錯体化合物が好ましく用いられる。
上記の式(2)おいて、Cp1またはCp2が置換されたシクロペンタジエニルである場合、置換基としてはメチル基またはトリメチルシリル基が好ましい。置換基の数としては3〜5が好ましい。

Cp1またはCp2には、C5 5 、C5 (CH3 5 、C5 2 (CH3 3 、C5 (CH2 CH3 5 、C5 2 (CH2 CH3 3 、C5 2 〔CH(CH3 2 3 、C5 2 〔Si(C H3 3 3 5 2 〔CH(CH3 2 3 などがある。
Cp1とCp2とは、直接または連結基を介して結合していてもよく、とくに連結基を介して結合しているのが望ましい。

連結基としては、−(CH2 )n〔Si(CH3 2 〕m−〔n、mはそれぞれ0〜3の整数であり、(m+n)は1〜3である〕が好ましく、とくにジメチルシリル基(nが0でmが1)、ジメチレン(nが2でmが0)であるのが好ましい。また、連結基は、エーテル性の酸素原子などのヘテロ原子を含む基であってもよい。
また、上記の式(2)おいて、Mは活性中心となるr価の希土類金属原子で、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、ルテチウム(Lu)が好ましい。その価数(r)は2、3または4であり、とくに2または3が好ましい。

Rは、水素原子または炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、メチル基が好ましい。Lは配位能を有する溶媒であり、ヘテロ原子を含む溶媒が好ましく、エーテル系溶媒が好ましい。エーテル系溶媒は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテル系溶媒、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどが好ましい。
上記の式(2)で表される金属錯体化合物の中でも、
(Cp※)2 SmIII −(CH3 )・(THF) …(3)
(Cp※)2 YbIII −(CH3 )・(THF) …(4)
(Cp※)2 III −(CH3 )・(THF) …(5)
(式中、Cp※は1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニルであり、T HFはテトラヒドロフランである。)
のうちのいずれかで表される金属錯体化合物がとくに好ましい。
本発明において、重合開始剤として使用する上記した希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒は、重合性単量体に対し、0.01〜10モル%の使用量とするのが好ましく、とくに0.1〜5モル%の使用量とするのが好ましい。この金属錯体触媒の使用量が過少ではアニオン重合を進めにくく、また過多となると分子量や分子量分布などの重合体の特性に支障をきたしやすい。
アニオン重合は、無水かつ無酸素の条件下で行うのが望ましい。また、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。さらに、重合反応は溶媒の存在下で実施するのが望ましく、溶媒は非極性溶媒が好ましく、とくにベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系非極性溶媒が好ましい。

重合時の重合性単量体の量は、溶媒中5〜30重量%とするのがよい。5重量%未満では分子量を十分に大きくできないおそれがあり、30重量%を超えると重合中に系の粘性が上がり、重合転化率が低下するおそれがある。
重合温度は、100℃以下とするのが好ましく、とくに−95℃〜+30℃程度とするのが好ましく、最も好ましくは−95℃〜−25℃とするのがよい。低温で重合反応を行うほど、生成重合体の立体規則性が向上し、後述するシンジオタクティシティーが向上する傾向がみられる。
このようにして得られる重合体は、重合体分子内に未反応のラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存しており、その残存率は90%以上であるのが好ましく、さらに95%以上であるのが望ましい。

ここで、未反応のラジカル重合性の側鎖ビニルの残存率は、たとえば1H−NMRにより求めることができる。たとえば、ポリビニルメタクリレート(PVMA)の場合、ビニル基由来のプロトンに帰属されるピーク(4.9ppm付近)と、α位のメチル基由来のプロトンに帰属されるピーク(1.3〜0.6ppm)との面積比より、算出することができる。
また、上記アニオン重合方法により得られる本発明の光屈折率変調重合体は、単量体の選択により、立体規則性がシンジオタクティシティー(rr)で70%以上であるのが望ましい。そうであることにより、重合体のガラス転移点(Tg)がはるかに高くなり、耐熱性にすぐれたものとなる。

すなわち、希土類金属を活性中心とする金属メタロセン錯体触媒の存在下に重合して得られる光屈折率変調重合体、つまり分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基を有する重合体は、シンジオタクティシティー(rr)が70%以上となりうる。
一般に、シンジオタクティシティーとは、以下のように説明される。

鎖状重合体分子の主鎖を形成する繰り返し単位の炭素原子に2種の異なる原子または原子団(置換基)が結合していると、この炭素原子を中心にして立体異性が生じる。このとき、任意の繰り返し単位において、主鎖に沿って隣の単位が常に反対の立体配置を採るものをシンジオタクティック、主鎖に沿って隣の単位が常に同じ立体配置を採るものをアイソタクティック、主鎖に沿って隣の単位の立体配置が任意であるものをアタクティック、とそれぞれいう。また、ポリマー鎖中の全立体配置のシンジオタクティック部分の割合をシンジオタクティシティー、アイソタクティック部分の割合をアイソタクティシティー、アタクティック部分の割合をアタクティシティー、とそれぞれいう。
シンジオタクティシティーは、ポリマーの立体規則性を表す指標である。

本発明におけるシンジオタクティシティーの値は、重合体を構成する単量体由来の重合単位の全量のうち、シンジオタクティックなトリアドの重合単位の割合をモル%で表した値である。この明細書において、トリアドとは、重合体の繰り返し単位の3つからなる連鎖をいう。3つの繰り返し単位のカルボニル基のα−炭素(不斉炭素)の立体配置の一方をd、他方をlと表現した場合、dddまたはlllで連なる連鎖をアイソタクティックなトリアド、dldまたはldlで連なる連鎖をシンジオタクティックなトリアド、ddl、lld、dll、lddで連なる連鎖をヘテロタクティックなトリアドという。
シンジオタクティシティーは、核磁気共鳴スペクトル(NMR)法により、求められる。すなわち、本発明の重合体をこれを溶解する重水素化溶媒で溶解または膨潤させ、1H−NMR法または13C−NMR法により測定し、シンジオタクティシティー、アイソタクティシティー、アタクティシティーを反映するシグナルの積分値を測定し、これらの比を求めることにより、算出できる。
本発明の重合体が重水素化溶媒に難溶性である場合には、必要に応じて、重水素化溶媒または重水素化されていない溶媒を追加して、用いてもよい。重水素化されていない溶媒を用いる場合は、NMRの測定に影響を及ぼさない原子を含む溶媒を選択するのが好ましく、たとえば1H−NMRスペクトルデータに影響をおよぼさない重クロロホルム、重ベンゼンが挙げられる。

なお、NMRにおける測定核の選択は、重合体のスペクトルパターンに応じて適宜変更することができる。基本的には、1H−NMRスペクトルによるのが好ましく、1H−NMRデータにおける必要なピークが、他の不要なピークと重なる場合または1H−NMRでは測定できない場合には、13C−NMRスペクトルによるのが好ましい。
具体的には、ビニル(メタ)アクリレート単量体のカルボニル基のα−炭素に結合する置換基Xが水素原子またはメチル基である場合、このXに由来する1H−NMRのシグナルは、シンジオタクティックなトリアド中の水素原子、アイソタクティックなトリアド中の水素原子、アタクティックなトリアド中の水素原子で異なるケミカルシフトを持つことを利用し、これらのシグナルの面積比を求めることにより、シンジオタクティックなトリアド(rr)、アタクティック(ヘテロタクティックともいう)なトリアド(mr)、アイソタクティックなトリアド(mm)の割合(rr/mr/mm)が求められる。

なお、NMRスペクトルの帰属の参考として、新版高分子分析ハンドブック、日本分析化学会編(1995)、Mackromol.Chem.,Rapid.Commun.,14,719(1993)を使用した。
また、ビニル(メタ)アクリレート単量体のカルボニル基のα−炭素に結合する置換基がフッ素原子またはトリフルオロオメチル基である場合のシンジオタクティシティーは、13C−NMRピークの面積比によって求められる。

すなわち、カルボニル基のα−炭素の13C−NMRシグナルが、シンジオタクティックなトリアド中の炭素原子、アイソタクティックなトリアド中の炭素原子、アタクティックなトリアド中の炭素原子で異なることを利用して、これらのピークの面積比を求めることにより、(rr/mr/mm)が求められる。
本発明におけるシンジオタクティシティーは、このように求められる各タクティシティーから、〔rr/(rr+mr+mm)〕×100(%)として、算出される値である。本発明の製造方法により得られる重合体は、このシンジオタクティシティー(rr)が、70%以上という高い値をとることにより、アタクティックなポリマーと比べて、耐熱性や強度の点ですぐれたものとなる。シンジオタクティシティーが高いほど、これらの物性が向上する。
本発明の重合体は、従来の重合体に比べて、耐熱性や強度の面で、優位な物性を有している。また、本発明の重合体は、数平均分子量が2,000以上であり、分子量が高いほど、強度および物性の面で望ましいことから、とくに2万以上であるのが好ましく、通常50万以下であるのがよい。
このように構成される本発明の光屈折率変調重合体は、放射線を照射することで0.005以上、好ましくは0.01以上の屈折率増加(Δn)を示すことが必要である。0.005以上の屈折率差を得ることができれば、光ファイバー、光回折格子などの光デバイスに適用できる。なお、この際の放射線の照射量としては、たとえば紫外線の場合、10J/cm2 以下、好ましくは5J/cm2 以下であるのがよい。10J/cm2 を超えて紫外線を照射しないといけない場合、フィルムが黄変して透明性を損なったり、形状が変化(シュリンク)する場合がある。
本発明においては、上記の光屈折率変調重合体に、必要に応じて、光の作用によりラジカル種を発生して重合を開始させる、いわゆる光開始剤を配合できる。また、光開始助剤としての光増感剤を配合できる。さらに、連鎖移動剤を配合してもよい。このような光開始剤、光増感剤または連鎖移動剤を配合することにより、側鎖ビニル基の架橋反応性が向上し、屈折率変化(増加)をより良く引き起こすことができる。
上記の光開始剤、増感剤または連鎖移動剤は、目的に応じて、任意に使用できる。たとえば、紫外領域に吸収を有し、ラジカルを発生する光開始剤としては、水素引抜き型のベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系などが挙げられ、分子内開裂型としては、ベンゾイン系、アルキルフェノン系などが挙げられる〔参考文献:光硬化技術実用ガイド(テクノネット社)2002〕。

光増感剤(光開始助剤)としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアミン系化合物や、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどのアミノ化合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない〔参考文献:紫外線硬化システム(総合技術センター)平成2年〕。
また、米国特許第3,652,275号明細書には、光開始剤と併用して、連鎖移動剤が光硬化システムとして有効であるとの記載がある。

このような連鎖移動剤としては、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、N−フェニルグリシン、1,1−ジメチル−3,5−ジケトシクロヘキセン、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、4−アセトアミドチオフエノール、メルカプトコハク酸、ドデカンチオール、β−メルカプトエタノール、2−メルカプトエタンスルホン酸、1−フエニル−4H−テトラゾール−5−チオール、6−メルカプトプリンモノハイドレート、ビス−(5−メルカプト−1,3,4−チオジアゾール−2−イル、2−メルカプト−5−ニトロベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−スルホ−6−クロロベンズオキサゾールなどからなる群より選ばれるものが挙げられる。ポリマーとの相溶性、反応促進性や汎用性の観点から、特に好ましい化合物は、2−メルカプトベンズオキサゾール(2−MBO)、2−メルカプトベンズイミダゾール(2−MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−MBT)およびトリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネートなどである。
なお、本発明では、放射線として主に紫外線領域の光を利用した屈折率の増加について記載しているが、その屈折率の増加の原理からすれば、紫外線以外の領域の光(たとえば可視領域)でも、その波長に吸収があり、開始剤を励起できる組み合わせを用いることにより、屈折率の増加が期待されることは容易に想像される。

また、既述のとおり、本発明においては、紫外線以外の放射線として、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などを使用できるものである。
さらに、本発明では、上記した光屈折率変調重合体のように、重合体単体で屈折率増加(Δn)が0.005以上であるような重合体でなくとも、前記の光開始剤、光増感剤、連鎖移動剤の中から選ばれる少なくとも1種を配合した光屈折率変調重合体組成物とすることにより、本発明の目的を達成することもできる。

このような組成物においても、放射線照射後に0.005以上(好ましくは0.01以上)の屈折率増加(Δn)を得るため、放射線の照射量は、たとえば紫外線の場合、10J/cm2 以下、好ましくは5J/cm2 以下であるのがよい。
以下に、本発明の実施例として、重合体として、PVMAつまりビニルメタクリレートのホモ重合体(実施例1)、ビニルメタクリレートと他の単量体とのランダム共重合体(実施例2〜4)、ビニルメタクリレートと他の単量体とのブロック共重合体(実施例8,9)を使用し、これらの光屈折率変調重合体ないし重合体組成物に対して、紫外線照射により屈折率を増加させる例について、記載する。

また、重合体としてPVMAを使用し、紫外線照射を窒素ガス雰囲気下で行った例(実施例5〜7)についても記載する。さらに比較のため、ポリメチルメタクリレートに対し紫外線照射を行ったときの例(比較例1)も、併せて記載する。
<触媒の合成>
配位アニオン重合触媒を、以下のように合成した。

アルゴン置換した1リットルのフラスコに、SmI2 3.9616gと、テトラヒドロフラン330mlを加え、撹拌しながら、ペンタメチルシクロペンタジエニルカリウム塩〔(C5 Me5 )K〕45.858gを加え、室温で反応させ、その後、THFを減圧除去し、固形物にトルエンを加えて、上澄みを回収し、減圧乾燥させたのち、THFとヘキサンで〔(C5 Me5 2 Sm(THF)2 〕の再結晶を行った。この〔(C5 Me5 2 Sm(THF)2 〕2.5gを、トルエン60mlに溶解し、トリエチルアルミニウム2.2mlを加え、撹拌して反応を行った。沈殿物を除去したのち、再結晶を行ない、(C5 Me5 2 SmMe(THF)を得た。
<PVMAの合成>
十分に水分、空気を除いたシュレンク管に、十分に乾燥、脱気したトルエンを80ml加え、CaH2 で乾燥後、蒸留精製したビニルメタクリレート20ml(18.7g/166.4ミリモル)を加えた。内温を−78℃に調整したのち、前記の方法で合成した触媒である(C5 Me5 2 SmMe(THF)0.189g(0.373ミリモル)を乾燥トルエン5mlで希釈したものを仕込み、重合を開始した。触媒量は、単量体/触媒比が446となるようにし、理論分子量を約50,000に設定した。重合温度−78℃で3時間反応させたのち、反応系にメタノールを加えて重合反応を停止した。さらに、メタノールを加えて生成した重合体(ポリビニルメタクリレート)を沈降させて単離し、酢酸エチルに溶解したのち、再度メタノールで再沈殿させて、精製した。

重合体の乾燥は、減圧乾燥により行った。生成した重合体の収量は18.7g(収率>99重量%)であった。また、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により求めた数平均分子量(Mn)は77,000、重量平均分子量(Mw)は115,000で、分子量分布(Mw/Mn)は1.49であった。さらに、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率〔ビニル基の残存率(%)=ビニル基(4.9ppm)/メチル基(1.3〜0.6ppm)×100〕は100%であり、主鎖の立体規則性は、シンジオタクティシティー(rr)が92%であった。

上記重合体(ポリビニルメタクリレート)の1H−NMRチャートを、図1に示した。また、この1H−NMRチャートにおけるタクティシティーの算出に用いた主鎖メチル基の拡大図を、図2に示した。上記タクティシティーの算出には、1.2〜0.9ppmに検出されるポリビニルメタクリレートの主鎖のメチル基〔1.19ppm付近(mm)、1.07ppm(mr)、0.92ppm(rr)〕の積分曲線を用いた。

つぎに、このようにして得たポリビニルメタクリレート(PVMA)約0.1gを酢酸エチル50mlに浸漬し、2日間振騰した。酢酸エチル不溶成分を抽出し十分に乾燥させ、その重さを酢酸エチル溶解前の全重合体量で割り、不溶成分の割合(ゲル分率)を求めたところ、0重量%であった。
<光照射サンプルの作製>
上記のPVMA0.1gを酢酸エチル0.4mlに入れ、撹拌して完全に溶解させた。つぎに、クリーンルーム内において、このPVMA/酢酸エチル溶液をスピンコーター(MIKASA製の商品名「スピンコーター1H−DX」)にてシリコンウエハにスピンコートした。スピンコートの条件は2,000rpm、2秒とし、その後、80℃に設定したホットプレート上で、約4分間溶媒を乾燥させた。さらに、スピンコートしたものを50℃で5時間真空乾燥し、シリコンウエハ基板上に厚さが約7μmのPVMAフィルムを得た。なお、上記のシリコンウエハ基板は、とくに洗浄処理をせずに使用した。

つぎに、このシリコンウエハ基板上のPVMAフィルムに対して紫外線を照射した。照射に当たっては、UV照射装置CV−110Q−G〔装置型式名;フユージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製〕を用い、光源にはメタルハライドランプを使用した。なお、メタルハライドランプは波長が250〜450nmの光を発しているが、あらかじめPVMAの紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、280〜300nmで側鎖ビニル基の吸収を示したため、他の波長の照射の影響はないと判断し、波長フィルターはとくに使用しなかった。

また、照射強度は、高エネルギー用UVラジオメーター、UVパワーパック照射測定器〔商品名;フユージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製〕により測定した。紫外線照射は、Dバルブ、出力55%、照射距離25mm、ライン速度2m/分の条件でフィルターを使用せずに行った。この条件での積算光量は4.242J/cm2 であった。各波長での照度と光量を表1に示す。
表1
┌──────────┬─────────┬─────────┐
│ UV波長帯域 │ 照度(W/cm2 )│ 光量(J/cm2 )│
├──────────┼─────────┼─────────┤
│UVA (320〜390nm)│ 1.373 │ 1.971 │
│ │ │ │
│UVB (280〜320nm)│ 0.725 │ 0.962 │
│ │ │ │
│UVC (250〜260nm)│ 0.071 │ 0.100 │
│ │ │ │
│UVV (395〜445nm)│ 0.861 │ 1.209 │
├──────────┼─────────┼─────────┤
│ 積算量 │ − │ 4.242 │
└──────────┴─────────┴─────────┘
紫外線の各照射時間におけるPVMAフィルムの屈折率を、m−Line法(プリズムカップリング法)を用いて、He−Neレーザー(波長633nm)、TE(トランスバース・エレクトリック)モード(材料のフィルム面と平行方向の光の偏波モード)およびTM(トランスバース・マグネチック)モード(材料のフィルム面と垂直方向の光の偏波モード)で測定した。結果は、表2に示されるとおりであった。
表2
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49510 │ − │ 1.49486 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.50399 │ 0.00899 │ 1.50505 │ 0.01019 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.50599 │ 0.01089 │ 1.50609 │ 0.01123 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、通算8.4J/cm2 の積算光量の照射により、屈折率をTEモードで1.49510から1.50599(屈折率差0.01089)まで増加でき、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.0001と非常に小さかった。

つぎに、上記通算8.4J/cm2 の積算光量の照射時におけるフィルムの透明性およびヘイズ値を、反射・透過率計HR−100型〔装置型式名;村上色彩技術研究所(株)製〕を用いて、評価した。その結果、紫外線照射後の全光線透過率は92%であり、ヘイズ値は3%であった。
<VMAと他の単量体とのランダム共重合体の合成>
実施例1で合成した触媒を用いて、ビニルメタクリレート(VMA)とメチルメタクリレート(MMA)とのランダム共重合体を合成した。

十分に水分、空気を除いたシュレンク管に、十分に乾燥、脱気したトルエンを50ml加え、CaH2 で乾燥後、蒸留精製したVMA7.5ml(7.0g/62.4ミリモル)、MMA7.5ml(7.0g/70.1ミリモル)を加えた。内温を−78℃に調整したのち、触媒として(C5 Me5 2 SmMe(THF)0.198g(0.390ミリモル)を乾燥トルエン5mlで希釈したものを仕込み、重合を開始した。触媒量は、単量体/触媒比が160(VMA)と180(MMA)となるようにし、理論分子量を約36,000に設定した。重合温度−78℃で3時間反応させたのち、反応系にメタノールを加えて重合反応を停止した。さらにメタノールを加えて生成した重合体を沈降させて単離し、酢酸エチルに溶解したのち、再度メタノールで再沈殿させて精製した。得られた重合体(VMA−MMAランダム共重合体)を減圧乾燥した。

この重合体はVMAとMMAとの共重合比率(モル%)が47:53であった。重合体の収量は8.0g(収率57.1重量%)であった。GPCによる数平均分子量(Mn)は35,900、重量平均分子量(Mw)は43,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.44であった。また、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率〔ビニル基の残存率(%)=ビニル基(4.9ppm)/メチル基(1.3〜0.6ppm)×100〕は100%であり、主鎖の立体規則性は、MMAと併せて、シンジオタクティシティー(rr)が90%であった。

つぎに、このようにして得られた重合体(VMA−MMAランダム共重合体)約0.1gを酢酸エチル50mlに浸漬し、2日間振騰させた。酢酸エチル不溶成分を抽出し十分に乾燥させ、その重さを酢酸エチル溶解前の全重合体量で割り、不溶成分の割合(ゲル分率)を求めた結果、0重量%であった。
<光照射サンプルの作製>
上記のVMA−MMAランダム共重合体に、光開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1(チバガイギー社製の「イルガキュアー907」)を、上記ランダム共重合体に対して1重量%配合し、実施例1と同様にして、シリコンウエハ基板上にフィルムを作製し、紫外線照射による屈折率変化を、m−Line法(プリズムカップリング法)により測定した。この結果は、表3に示されるとおりであった。
表3
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49427 │ − │ 1.49440 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.50502 │ 0.01075 │ 1.50525 │ 0.01085 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.50403 │ 0.00976 │ 1.50415 │ 0.00975 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、VMA−MMAランダム共重合体を使用した実施例2は、通算4.2J/cm2 の積算光量の照射により、屈折率をTEモードで1.49427から1.50502(屈折率差0.01075)まで増加させることができ、光デバイスヘの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。上記0.01の屈折率変化を得たときの紫外線の照射量は、実施例1でほぼ同じ屈折率変化を得るのに必要な紫外線照射量よりも低く、より低照度で効率良く屈折率変化を得ることが可能となった。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00023と非常に小さいものであった。さらに、このときのフィルムの全光線透過率およびヘイズ値を前記と同様にして調べた結果、全光線透過率は92%、ヘイズ値は3%であった。
<VMAと他の単量体とのランダム共重合体の合成>
単量体組成を、VMA10ml(83.2ミリモル)およびN′,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMMA)2.8ml(16.64ミリモル)に変更し、触媒である(C5 Me5 2 SmMe(THF)の量を0.095g(0.187ミリモル)に、トルエンの量を51mlに、それぞれ変更した以外は、実施例2と同様にして、VMA−DMMAランダム共重合体を得た。

この重合体はVMAとDMMAとの共重合比率(モル%)が83:17であった。重合体の収量は5.45g(収率45.6重量%)であった。また、GPCによる数平均分子量(Mn)は65,000、重量平均分子量(Mw)は91,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.41であった。また、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率は100%であり、主鎖の立体規則性は、シンジオタクティシティー(rr)が92%であった。さらに、この重合体の不溶成分の割合(ゲル分率)を前記と同様に測定したところ、0重量%であった。
<光照射サンプルの作製>
つぎに、このVMA−DMMAランダム共重合体を用いて、実施例2と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、紫外線照射による屈折率変化を、m−Line法(プリズムカップリング法)により、測定した。この測定結果は、表4に示されるとおりであった。
表4
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49536 │ − │ 1.49542 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.50440 │ 0.00904 │ 1.50466 │ 0.00924 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.50573 │ 0.01037 │ 1.50583 │ 0.01041 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、VMA−DMMAランダム共重合体を用いた実施例3では、通算8.4J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.49536から1.50573(屈折率差0.01037)まで増加させることができ、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00010と非常に小さいものであった。さらに、このときのフィルムの全光線透過率およびヘイズ値を前記と同様に調べた結果、全光線透過率は90%、ヘイズ値は2%であった。
<VMAと他の単量体とのランダム共重合体の合成>
単量体組成を、VMA5ml(41.6ミリモル)およびパーフルオロオクチルエチルメタクリレート(共栄社化学製の商品名「ライトエステルFM−108」)(以下、PFMAという)5ml(15.59ミリモル)に変更し、触媒である(C5 Me5 2 SmMe(THF)の量を0.095g(0.187ミリモル)に、トルエンの量を40mlに、それぞれ変更した以外は、実施例2と同様にして、VMA−PFMAランダム共重合体を得た。

この重合体はVMAとPFMAとの共重合比率(モル%)が73:27であった。重合体の収量は2.81g(収率21.7重量%)であった。また、GPCによる数平均分子量(Mn)は41,900、重量平均分子量(Mw)は56,200であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.34であった。また、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率は100%であり、主鎖の立体規則性は、シンジオタクティシティー(rr)が90%であった。さらに、この重合体の不溶成分の割合(ゲル分率)を前記と同様に測定したところ、0重量%であった。
<光照射サンプルの作製>
つぎに、このVMA−PFMAランダム共重合体を用いて、実施例2と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、紫外線照射による屈折率変化を、m−Line法(プリズムカップリング法)により、測定した。この測定結果は、表5に示されるとおりであった。
表5
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.47425 │ − │ 1.47492 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.48630 │ 0.01205 │ 1.48656 │ 0.01164 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.48304 │ 0.00879 │ 1.48334 │ 0.00842 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、VMA−PFMAランダム共重合体を用いた実施例4では、通算8.4J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.47425から1.48304(屈折率差0.00879)まで増加させることができ、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00030と非常に小さいものであった。さらに、このときのフィルムの全光線透過率およびヘイズ値を前記と同様に調べた結果、全光線透過率は90%、ヘイズ値は3%であった。
実施例1で得たPVMAに、光開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1(チバガイギー社製の「イルガキュアー907」)をあらかじめ酢酸エチルに1重量%で溶解させたものを、PVMAに対して、固形分で1重量%になるよう配合し、実施例1と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、紫外線照射を窒素ガス雰囲気下で行うようにした以外は、実施例1と同様にして、フィルムの屈折率変化を測定した。この結果は、表6および図3に示されるとおりであった。








表6
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49325 │ − │ 1.49291 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 0.050│ 1.49986 │ 0.00661 │ 1.50015 │ 0.00724 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.100│ 1.49906 │ 0.00581 │ 1.49879 │ 0.00588 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.200│ 1.49925 │ 0.00600 │ 1.49694 │ 0.00403 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.500│ 1.50288 │ 0.00963 │ 1.50347 │ 0.01056 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.750│ 1.50242 │ 0.00917 │ 1.50375 │ 0.01084 │
│ │ │ │ │ │
│ 1.000│ 1.50319 │ 0.00994 │ 1.50372 │ 0.01081 │
│ │ │ │ │ │
│ 2.000│ 1.50294 │ 0.00969 │ 1.50381 │ 0.01090 │
│ │ │ │ │ │
│ 4.000│ 1.50271 │ 0.00946 │ 1.50315 │ 0.01024 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、光開始剤を配合し紫外線照射を窒素ガス雰囲気下で行った実施例5では、通算0.5J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.49325から1.50288(屈折率差0.00963)まで増加でき、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。このときの紫外線照射量は、窒素ガス雰囲気としなかった実施例1でほぼ同じ屈折率変化を得るのに必要な紫外線照射量よりも低く、より低照度で効率良く屈折率変化を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00059と非常に小さいものであった。
連鎖移動剤として2−メルカプトベンゾチアゾール0.001g(1重量%)を配合した以外は、実施例5と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、実施例5と同様に窒素ガス雰囲気下で紫外線照射を行い、フィルムの屈折率変化を測定した。この測定結果は、表7および図3に示されるとおりであった。
連鎖移動剤としてトリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート0.001g(1重量%)を配合した以外は、実施例5と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、実施例5と同様に窒素ガス雰囲気下で紫外線照射を行い、フィルムの屈折率変化を測定した。この測定結果は、表8および図3に示されるとおりであった。

表7
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49355 │ − │ 1.49374 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 0.050│ 1.49701 │ 0.00346 │ 1.49762 │ 0.00388 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.100│ 1.50019 │ 0.00664 │ 1.50106 │ 0.00732 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.200│ 1.50695 │ 0.01340 │ 1.50759 │ 0.01385 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.500│ 1.50654 │ 0.01299 │ 1.50631 │ 0.01257 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.750│ 1.50625 │ 0.01270 │ 1.50621 │ 0.01247 │
│ │ │ │ │ │
│ 1.000│ 1.50550 │ 0.01195 │ 1.50501 │ 0.01127 │
│ │ │ │ │ │
│ 2.000│ 1.50547 │ 0.01192 │ 1.50578 │ 0.01204 │
│ │ │ │ │ │
│ 4.000│ 1.50633 │ 0.01278 │ 1.50646 │ 0.01272 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
表8
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49245 │ − │ 1.49261 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 0.050│ 1.49977 │ 0.00732 │ 1.49981 │ 0.00720 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.100│ 1.50413 │ 0.01168 │ 1.50421 │ 0.01160 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.200│ 1.50787 │ 0.01542 │ 1.50769 │ 0.01508 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.500│ 1.50845 │ 0.01600 │ 1.50882 │ 0.01621 │
│ │ │ │ │ │
│ 0.750│ 1.50842 │ 0.01597 │ 1.50862 │ 0.01601 │
│ │ │ │ │ │
│ 1.000│ 1.50728 │ 0.01483 │ 1.50745 │ 0.01484 │
│ │ │ │ │ │
│ 2.000│ 1.50807 │ 0.01562 │ 1.50832 │ 0.01571 │
│ │ │ │ │ │
│ 4.000│ 1.50823 │ 0.01578 │ 1.50833 │ 0.01572 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、PVMAに連鎖移動剤を加えた実施例6,7のうち、実施例6では通算0.5J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.49355から1.50654(屈折率差0.01299)まで増加させることができ、また実施例7では通算0.5J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.49245から1.50845(屈折率差0.01600)まで増加させることができ、いずれも、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。これらの屈折率変化量は、連鎖移動剤を加えない実施例5の場合よりも大きく、さらに低照度で効率良く屈折率変化を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は、実施例6で0.00023、実施例7で0.00037であり、いずれも、非常に小さいものであった。
<VMAと他の単量体とのブロック共重合体の合成>
実施例1で合成した触媒を用い、VMAとMMAとのブロック共重合体を合成した。

十分に水分、空気を除いたシュレンク管に、十分に乾燥、脱気したトルエンを50ml加えて、CaH2 で乾燥後、蒸留精製したMMA(メチルメタクリレート)7.5ml(7.0g/70.1ミリモル)を加えた。内温を−78℃に調整したのち、触媒として(C5 Me5 2 SmMe(THF)0.198g(0.390ミリモル)の乾燥トルエン5mlで希釈したものを仕込み、重合を開始した。触媒量は、モノマー/触媒比が160(VMA)と180(MMA)となるようにし、理論分子量を約36,000に設定した。重合温度−78℃で3時間反応させたのち、CaH2 で乾燥後、蒸留精製したVMA(ビニルメタクリレート)7.5ml(7.0g/62.4ミリモル)を加えて、さらに、−78℃で5時間重合し、反応系にメタノールを加えて重合反応を停止した。その後、メタノールを加えて生成した重合体を沈降させて単離し、酢酸エチルに溶解したのち、再度メタノールで再沈殿させて、精製した。

得られた重合体(VMA−MMAブロック共重合体)を減圧乾燥した。このブロック共重合体はVMAとMMAとの共重合比率(モル%)が47:53であった。重合体の収量は13.4g(収率95.6重量%)であった。また、GPCにより求めた数平均分子量(Mn)は35,900、重量平均分子量(Mw)は43,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.44であった。また、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率は100%であり、主鎖の立体規則性は、MMAと併せてシンジオタクティシティー(rr)が90%であった。さらに、この重合体の不溶成分の割合(ゲル分率)を前記と同様に測定したところ、0重量%であった。
<光照射サンプルの作成>
つぎに、このVMA−MMAブロック共重合体に、光開始剤としてチバガイギー社製の「イルガキュアー907」を、共重合体に対して1重量%配合し、実施例1と同様にしてシリコンウエハ基板上にフィルムを作成した。このフィルムについて、紫外線照射による屈折率変化を、m−line法(プリズムカップリング法)により、測定した。その結果は、表9に示されるとおりであった。




表9
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.49406 │ − │ 1.49422 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.49813 │ 0.00407 │ 1.49833 │ 0.00411 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.50054 │ 0.00648 │ 1.50078 │ 0.00656 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、VMA−MMAブロック共重合体を使用した実施例8では、通算8.4J/cm2 の積算光量の紫外線照射により、屈折率(TEモード)を1.49406から1.50054(屈折率差0.00648)まで増加させることができ、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00024と非常に小さいものであった。さらに、このときのフィルムの全光線透過率およびヘイズ値を前記と同様に調べた結果、全光線透過率は89%、ヘイズ値は3%であった。
<VMAと他の単量体とのブロック共重合体の合成>
MMAに代え、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(前出のPFMA、実施例4に記載のものと同じ)を使用し、単量体組成を、VMA5ml(41.6ミリモル)とパーフルオロオクチルエチルメタクリレート(PFMA)5ml(15.59ミリモル)に変更し、シュレンク管に加えるトルエンの量を90mlに、触媒である(C5 Me5 )SmMe(THF)の量を0.095g(0.187ミリモル)に、それぞれ、変更した以外は、実施例8と同様にして、VMA−PFMAブロック共重合体を得た。

このブロック共重合体はVMAとPFMAとの共重合比率(モル%)が73:27であった。重合体の収量は3.20g(収率24.7重量%)であった。また、GPCによる数平均分子量(Mn)は36,900、重量平均分子量(Mw)は28,300であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.30であった。また、1H−NMRにより求めた重合体中のラジカル重合性の側鎖ビニル基の残存率は100%であり、主鎖の立体規則性は、シンジオタクティシティー(rr)が91%であった。さらに、この重合体の不溶成分の割合(ゲル分率)を前記と同様に測定したところ、0重量%であった。
<光照射サンプルの作成>
つぎに、このVMA−PFMAブロック共重合体を用いて、実施例8と同様にして、光照射サンプルとしてのフィルムを作製した。このフィルムについて、紫外線照射による屈折率変化を、m−Line法(プリズムカップリング法)により、測定した。この測定結果は、表10に示されるとおりであった。



表10
┌──────┬─────┬──────┬─────┬──────┐
│積算光量 │TEモード│ Δn │TMモード│ Δn │
│(J/cm2 )│ │(屈折率差)│ │(屈折率差)│
├──────┼─────┼──────┼─────┼──────┤
│ 0 │ 1.46621 │ − │ 1.46615 │ − │
│ │ │ │ │ │
│ 4.2 │ 1.46913 │ 0.00292 │ 1.46903 │ 0.00288 │
│ │ │ │ │ │
│ 8.4 │ 1.47333 │ 0.00712 │ 1.47199 │ 0.00584 │
└──────┴─────┴──────┴─────┴──────┘
上記の結果から明らかなように、VMA−PFMAブロック共重合体を使用した実施例9では、通算8.4J/cm2 の積算光量の照射により、屈折率(TEモード)を1.46621から1.47333(屈折率差0.00712)まで増加させることができ、光デバイスへの応用にとって十分に大きな値を得ることができた。また、このときの複屈折(TM−TEの絶対値)は0.00134と非常に小さいものであった。さらに、このときのフィルムの全光線透過率およびヘイズ値を前記と同様にして調べた結果、全光線透過率は88%、ヘイズ値は3%であった。
比較例1
実施例1と同様に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(和光薬工業社製のLot TCR2105)フィルムに対し、紫外線を照射した。その結果、105J/cm2 の積算光量によっても、PMMAフィルムの屈折率はほとんど変化しなかった。また、紫外線照射後のPMMAを採取して、IR、NMRにより同定したところ、密度変化を起こす架橋反応や分極率が大きくなるような反応はほとんど生じていないことが判明した。
実施例1で得た光屈折率変調重合体(ポリビニルメタクリレート:PVMA)の1H−NMRチャートを示す特性図である。 図1の1H−NMRチャートにおけるタクティシティーの算出に用いた主鎖メチル基の拡大図である。 実施例5(加速剤としての連鎖移動剤なし)および実施例6,7(加速剤としての連鎖移動剤あり)のポリビニルメタクリレート(PVMA)フィルムに窒素ガス雰囲気下で紫外線を照射したときの紫外線の積算光量と屈折率差との関係を示す特性図である。

Claims (16)

  1. (a)つぎの式(1);

    CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

    (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

    で表されるアクリル・ビニル単量体のホモ重合体、(b)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上の共重合体、または(c)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上との共重合体のいずれかの重合体であって、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存しており、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)であることを特徴とする光屈折率変調重合体。

  2. 分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が90%以上残存している請求項1に記載の光屈折率変調重合体。
  3. 立体規則性が、シンジオタクティシティー(rr)で70%以上である請求項1または2に記載の光屈折率変調重合体。
  4. 放射線が紫外線である請求項1〜のいずれかに記載の光屈折率変調重合体。
  5. 紫外線を10J/cm2 以下の照射光量で照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)である請求項に記載の光屈折率変調重合体。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の光屈折率変調重合体と、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤の中から選ばれる少なくとも1種を含み、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)であることを特徴とする光屈折率変調重合体組成物。
  7. (a)つぎの式(1);

    CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

    (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

    で表されるアクリル・ビニル単量体のホモ重合体、(b)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上の共重合体、または(c)式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上との共重合体のいずれかの重合体であって、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が残存している重合体と、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤の中から選ばれる少なくとも1種を含み、放射線を照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)であることを特徴とする光屈折率変調重合体組成物。

  8. 重合体は、分子内にラジカル重合性の側鎖ビニル基が90%以上残存している請求項に記載の光屈折率変調重合体組成物。
  9. 重合体は、立体規則性がシンジオタクティシティー(rr)で70%以上である請求項7または8に記載の光屈折率変調重合体組成物。
  10. 放射線が紫外線である請求項6〜9のいずれかに記載の光屈折率変調重合体組成物。
  11. 紫外線を10J/cm2 以下の照射光量で照射したときの屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)である請求項10に記載の光屈折率変調重合体組成物。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の光屈折率変調重合体または請求項6〜11のいずれかに記載の光屈折率変調重合体組成物に対し、放射線を照射することにより、屈折率増加(Δn)が照射前後で0.005以上(m−Line法によるTEモードで測定)とすることを特徴とする屈折率制御方法。
  13. 放射線が紫外線である請求項12に記載の屈折率制御方法。
  14. 紫外線の照射光量が10J/cm2 以下である請求項13に記載の屈折率制御方法。
  15. (a)′つぎの式(1);

    CH2 =C(R1 )C(=O)O−R2 =CH2 … (1)

    (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜20不飽和炭化水素基で あって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい)

    で表されるアクリル・ビニル単量体の1種、(b)′式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の2種以上、または(c)′式(1)で表されるアクリル・ビニル単量体の1種または2種以上とこれ以外の単量体の1種または2種以上のいずれかである単量体を、重合開始剤として、希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒を使用して、アニオン重合させることにより、請求項1〜5のいずれかに記載の光屈折率変調重合体を得ることを特徴とする光屈折率変調重合体の製造方法。

  16. 希土類金属を活性中心とする金属錯体触媒は、つぎの式(2);

    (Cp1)(Cp2)Mr−(R)p・(L)q …(2)

    (式中、Cp1,Cp2は、相互に独立して、非置換のシクロペンタジエニルまたは置 換されたシクロペンタジエニルであり、Cp1とCp2とは直接または連結基を介し て結合していてもよい。Mrはr価の希土類金属原子でrは2〜4の整数である。R は水素原子または炭素数1〜3の直鎖アルキル基である。Lは配位能を有する溶媒で ある。pはRの数、qはLの数で、それぞれ0〜2の整数であり、上記rに対してr =p+2となるように選択される。)

    で表される金属錯体化合物である請求項15に記載の光屈折率変調重合体の製造方法。
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