JPH0713473A - ホログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法

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JPH0713473A
JPH0713473A JP15496493A JP15496493A JPH0713473A JP H0713473 A JPH0713473 A JP H0713473A JP 15496493 A JP15496493 A JP 15496493A JP 15496493 A JP15496493 A JP 15496493A JP H0713473 A JPH0713473 A JP H0713473A
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JP
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hologram
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meth
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JP15496493A
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Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長波長領域において優れた感度を与えるととも
に、高解像度、高回折効率を示すホログラム記録材料お
よびそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法を提
供することを目的とする。 【構成】ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上
のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個以上有する化合物(B)、アザポルフィリン誘導体
(C)とスルホニウム有機ホウ素錯体(D)との組合せ
によりなるホログラム記録材料において、ビニルモノマ
ーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共
重合体である高分子化合物(A)の屈折率と重合可能な
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合
物(B)の屈折率との屈折率差が0.005以上である
ことを特徴とするホログラム記録材料と、該ホログラム
記録材料をホログラム露光の後、光および(または)熱
を加える体積位相型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的安定性や耐環境
特性に優れ、長波長領域において高い感度特性を持ち、
且つ解像度、回折効率及び透明性に優れたホログラム記
録材料及びそれを用いた簡便な体積位相型ホログラムの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラム記録用材料として、漂
白処理銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一
般に使用されてきた。しかし、これを用いたホログラム
材料は、ともに煩雑な湿式現像処理を必要とし、さらに
解像度または耐環境特性、例えば耐湿性、耐候性に劣る
という問題点を有していた。
【0003】この様な問題点を解決すべく、フォトポリ
マーを用いたホログラム記録材料が提案されている。例
えば特公昭62−22152号公報においては、2個以
上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体、非架
橋性の重合体および開始剤との組み合わせを特徴とする
ホログラム記録材料が開示されている。当該公知技術に
従えば、回折効率、解像度及び耐環境特性などの点にお
いて優れたホログラムを製造することができるが、長波
長領域における感度特性に劣る、あるいはホログラムの
製造において湿式処理工程を採用しているなどの製造上
の煩雑性、また、溶媒浸漬操作時に生じる空隙やひび割
れに起因する現像むらや、白化による透明性の低下など
の問題が生じるなどの欠点を有していた。また、使用さ
れる重合体が非架橋性であるために、硬化膜の強度に劣
るという欠点があった。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において複雑
なあるいは煩雑な湿式処理工程を必要としない、唯一の
処理工程として干渉露光のみでホログラムを製造するこ
とが可能なフォトポリマーを使ったホログラム記録材料
(および)あるいはその製造法が開示されている。例え
ば、特開平2−3081号公報あるいは特開平2−30
82号公報においては、ポリマーあるいはモノマーのど
ちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子を含む置換基
を有することを特徴とする熱可塑性ポリマーと液体エチ
レン性モノマー、及び光開始剤から構成されるホログラ
ム記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが
開示されている。この公知技術に従えば、高回折効率、
高解像度、耐環境特性及び透明性に優れたホログラムが
製造されることが、SPIE「Practical H
olography IV」,第1212巻,30頁
(1990年)及び「Journal of Imag
ing Science」,第35巻,19頁及び25
頁(1991年)にて実証されている。しかしながら、
該ホログラム記録材料の長波長領域の波長光の露光にお
いては露光エネルギーを数100mJ/cm2 も要し、
感度特性に劣るという欠点を有していた。この様な欠点
は、ホログラムの複製において、露光時間の短縮ができ
ないなどの生産工程上の問題となり、感度特性をより一
層向上させることが望まれた。
【0005】また、特開平2−51188号公報におい
ては、屈折率に差がある分子内に1個以上の重合性炭素
−炭素二重結合を有する化合物の複数からなるホログラ
ム用組成物が開示されてる。この公知技術に従えば、煩
雑な処理工程を必要としない高解像度及び高回折効率の
ホログラムが製造されるが、分子内に1個以上の重合性
炭素−炭素二重結合を有する化合物の一つとして、ガラ
ス転移温度の低いウレタンアクリレートを使用している
ため、ホログラムの耐熱特性において劣るという欠点を
有していた。
【0006】さらに、特開平3−36582号公報及び
特開平3−249785号公報においては、屈折率と重
合性の違うアリルモノマーとアクリルモノマーとを組み
合わせることを特徴とするホログラム記録材料が開示さ
れている。この公知技術に従えば、高い回折効率の体積
位相型ホログラムが製造可能であることは、「ホログラ
フィック・ディスプレイ研究会会報」,第10巻,第1
号,3頁(1990年)にて実証されている。しかしな
がら、該公知技術においては、流動性を有するモノマー
を主成分として使用しているため、ホログラム露光前に
加熱処理をするなどの感光膜の流動性を抑制するための
処理を予め行う必要があり、操作が煩雑になったり、膜
厚の制御が難しいなどの欠点を有していた。
【0007】長波長領域の波長光に対しての感度特性を
与えるために、特開平4−174887号公報において
は、アズレニウム有機ホウ素錯体、線状ポリマーバイン
ダー及び不飽和結合を少なくとも1個以上有するモノマ
ーからなるホログラム記録媒体が開示されているが、露
光エネルギーを数100mJ/cm2も要し、ホログラ
ムの複製において露光時間を短縮するため感度特性をよ
り一層向上させることが望まれた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐環境特性
に優れ、また長波長領域において高感度、且つ解像度、
回折効率及び透明性において優れた特性を持つホログラ
ム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの簡
便な製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の第一の発明は、ビニル
モノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマ
ーの共重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)、アザポルフィリン誘導体(C)及びスルホニウ
ム有機ホウ素錯体(D)からなる組成物であって、ホロ
グラム露光による高分子化合物(A)の屈折率と化合物
(B)の重合体の屈折率との屈折率差が0.005以上
であることを特徴とするホログラム記録材料であり、本
発明の第二の発明は、基材上に、請求項1記載のホログ
ラム記録材料を形成し、該記録材料をホログラム露光し
た後、光および(または)熱を加えることを特徴とする
体積位相型ホログラムの製造方法である。
【0011】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
先ず、本発明で使用されるビニルモノマーの単一重合体
または2成分以上のビニルモノマーの共重合体である高
分子化合物(A)を例示する。この様なビニルモノマー
の重合体としては、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、ドデシル、2−メチルブチル、3−メ
チルブチル、2−エチルブチル、1,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルヘキシル、2−メチルペンチル、シクロ
ヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、ジシクロペン
タニル、テトラヒドロフルフリールなどの鎖状、分枝状
及び環状アルキルの(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーの重合体、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプ
ロピル、4−ヒドロキシブチル、グリセロール、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2’−ヒドロキシプロピルフタ
レートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマーの重合体、フェニル、4−メトキシカルボニ
ルフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ブ
トキシカルボニルフェニル、4−tert−ブチルフェ
ニル、ベンジル、4−フェニルエチル、4−フェノキシ
ジエチレングルコール、4−フェノキシテトラエチレン
グリコール、4−フェノキシヘキサエチレングリコー
ル、4−ビフェニリルなどの芳香環を含有する(メタ)
アクリル酸エステルモノマーの重合体、グリシジル(メ
タ)アクリレートなどのエポキシ基を含有する(メタ)
アクリル酸エステルモノマーの重合体、フェロセニルメ
チル、フェロセニルエチルなどの鉄原子を含有する(メ
タ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、トリフルオ
ロエチル、テトラフルオロプロピル、ヘプタデカフルオ
ロデシル、オクタフルオロペンチル、2,3−ジブロモ
プロピルなどのハロゲン原子を含有する(メタ)アクリ
ル酸エステルの重合体、トリメトキシシリルプロピルな
どのアルコキシシラン基を含有する(メタ)アクリル酸
エステルの重合体、N,N−ジメチルアミノエチル、
N,N−ジエチルアミノエチル、t−ブチルアミノエチ
ルなどのアミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマーの重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸などの
カルボキシル基を含有するビニルモノマーの重合体、エ
チレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレートなど
のリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの
重合体、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、
スチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシメ
チルスチレン、4−ブロモスチレン、クロロメチルスチ
レン、パーフルオロスチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、
ビニルピリジン、ビニルピロリジン、ビニルブチラー
ル、ビニルアセタールなどのビニルモノマーの重合体が
挙げられ、またこれらの2成分以上の共重合体が挙げら
れる。
【0012】次に、本発明において使用されるビニルモ
ノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマー
の共重合体で架橋可能な(メタ)アクリロイル基を有す
る高分子化合物としては、前記ビニルモノマーの重合体
の内、水酸基、カルボキシル基、リン酸基、クロロメチ
ル基あるいはエポキシ基などの官能基を有するビニルモ
ノマーを単位として含む高分子化合物に、(メタ)アク
リロイル基を導入することによって得られる。この様な
反応性高分子は、例えば、機能性高分子シリーズ「反応
性高分子」,岩倉義男,栗田恵輔著,講談社サイエンテ
ィフィク(1977年)、あるいは機能性シリーズ「感
光性高分子」,永末元太郎,乾英夫著,講談社サイエン
ティフィク(1977年)に記載されている方法にて合
成することができる。
【0013】本発明で使用の重合性エチレン性不飽和結
合を少なくとも1個以上有する化合物(B)としては、
単官能または多官能ビニルモノマーの他にオリゴマーを
含むものであり、さらに高分子量化合物であってもよ
い。次にこれらの化合物を例示する。
【0014】(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和酸化合物、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート
などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、テ
トラヒドロフリル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリ
ノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾー
ル等のビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物、例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカ
ンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコ
ール、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポ
リ(メタ)アクリルエステル類、トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)ア
クリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート
などのフッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物、
2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリ
ブロモフェノールトリエチレンオキシド(メタ)アクリ
レート、p−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクレー
ト、テトラブロモビスフェノールAエチ(プロピ)レン
オキシド変性ジ(メタ)アクリレートなどの臭素原子含
有(メタ)アクリレート化合物、フェニル(メタ)アク
リレート、4−メトキシカルボニルフェニル(メタ)ア
クリレート、4−エトキシカルボニルフェニル(メタ)
アクリレート、4−ブトキシカルボニルフェニル(メ
タ)アクリレート、4−tert−ブチルフェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4
−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニ
ルエチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコール(メタ)アクリレート、4−フェノキシ
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−
フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、4−ビフェニリル(メタ)アクリレート、フタル
酸エピクロルヒドリン変性ジ(メタ)アクリレートなど
の芳香環を含有する(メタ)アクリレート化合物、芳香
族ポリヒドロキシ化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾ
ルシン、カテコール、ピロガロール等のジあるいはポリ
(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌル酸のエチ
(プロピ)レンオキシド変性(メタ)アクリレート、ビ
スフェノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル化エポシキ樹脂、
フェロセニルメチル(メタ)アクリレート、フェロセニ
ルエチル(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリ
レートなどの重金属原子含有(メタ)アクリレート化合
物などが挙げられる。
【0015】本発明で使用のアザポルフィリン誘導体
(C)は、一般式(1)
【0016】一般式(1)
【化1】
【0017】(式(1)中、環A1〜A4は、それぞれ
独立に、一般式(2)ないし一般式(9)
【0018】一般式(2)
【化2】
【0019】一般式(3)
【化3】
【0020】一般式(4)
【化4】
【0021】一般式(5)
【化5】
【0022】一般式(6)
【化6】
【0023】一般式(7)
【化7】
【0024】一般式(8)
【化8】
【0025】一般式(9)
【化9】
【0026】を表わす。
【0027】R1〜R58はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子ならびに有機残基を表わし、R1とR2、R
2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9、R
11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R19
とR20、R20とR21、R21とR22、R25とR26、R29
30、R30とR31、R34とR35、R36とR37、R37とR
38、R38とR39、R41とR42、R42とR43、R43
44、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R50とR
51、R51とR52、R52とR53、R54とR55、R55
56、R56とR57がそれぞれ一体となった環状構造であ
ってもよい。Mは、2つの水素原子あるいは置換基を持
っていてもよい2価以上の価数をもつ原子を表わす。Y
およびZは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、酸素原子
ならびにハロゲン原子、酸素原子以外の有機残基を表わ
すが、このうち、Mと直接結合している有機残基中の原
子は、酸素原子、窒素原子、炭素原子または硫黄原子に
限られる。)
【0028】次に、一般式(1)における置換基につい
て説明すると、R1〜R58は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、および有機残基を表わす。このう
ち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等であり、また有機残基としては、
置換基を持っていてもよいアルキル基、置換基を持って
いてもよいアリール基、置換基を持っていてもよいビニ
ル基、ニトロ基、水酸基、置換基を持っていてもよいア
ルコキシ基、置換基を持っていてもよいアリールオキシ
基、置換基を持っていてもよいアシルオキシ基、置換基
を持っていてもよいアシル基、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、カルバモイル基、メルカプト基、置換基
を持っていてもよいアルキルチオ基、置換基を持ってい
てもよいアリールチオ基、置換スルフィニル基、置換ス
ルホニル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、チ
オカルボン酸基、ジチオカルボン酸基、チオカルバモイ
ル基、シアノ基、置換基を持っていてもよいアミノ基、
置換アゾ基、置換基を持っていてもよいホスフィノ基、
置換基を持っていてもよいホスホノ基、置換シリル基、
置換シロキシ基、置換基を持っていてもよい複素環基な
どが挙げられる。
【0029】さらに、上記の有機残基について詳細に説
明すると、置換基を持っていてもよいアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブ
チル基、オクチル基、ステアリル基、シクロヘキシル
基、メンチル基、ボルニル基、アリル基、ベンジル基、
トリフルオロメチル基、トリクロロメチ基、メトキシメ
チル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシメチル基等で
あり、置換基を持っていてもよいアリール基としては、
フェニル基、トリル基、ナフチル基、クメニル基、トリ
クロロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メシチル
基、カルボキシフェニル基等であり、置換基を持ってい
てもよいビニル基としては、ビニル基、ブテニル基、2
−ブロモエテニル基、2−カルボキシエテニル基等であ
り、置換基を持っていてもよいアルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基、ベンジル
オキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基等であり、置換基
を持っていてもよいアリールオキシ基としては、フェノ
キシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、4−ブ
ロモフェノキシ基、ナフチルオキシ基等であり、 置換
基を持っていてもよいアシルオキシ基としては、アセト
キシ基、ベンゾイルオキシ基、フォルミルオキシ基、ア
クリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等であ
り、置換基を持っていてもよいアシル基としては、ホル
ミル基、アセチル基、ブチロイル基、ラウロイル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、オレオイル基、ベン
ゾイル基、シンナモイル基等であり、カルボン酸エステ
ル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、フェノキシカルボニル基等であり、置換基を持
っていてもよいアルキルチオ基としてはメチルチオ基、
エチルチオ基、ヒドロキシメチルチオ基等であり、置換
基を持っていてもよいアリールチオ基としては、フェニ
ルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、ナフチルチオ
基等であり、置換スルフィニル基としては、メチルスル
フィニル基、フェニルスルフィニル基、ヒドリキシエチ
ルスルフィニル基等であり、置換スルホニル基として
は、メチルスルフォニル基、ベンゼンスルフォニル基、
トシル基、スルファモイル基等であり、スルホン酸エス
テル基としては、メトキシスルフォニル基、エトキシス
ルフォニル基、フェノキシスルフォニル基等であり、置
換基を持っていてもよいアミノ基としては、アミノ基、
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、トル
イジノ基等であり、置換アゾ基としては、フェニルアゾ
基、ナフチルアゾ基等であり、置換基を持っていてもよ
いホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ基、ジフ
ェニルホスフィノ基等であり、置換基を持っていてもよ
いホスホノ基としては、ホスホノ基、ジメチルホスホノ
基、ジフェニルホスホノ基等であり、置換シリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等であ
り、置換シロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、
トリエチルシロキシ基等であり、置換基を持っていても
よい複素環基としては、フリル基、チエニル基、ピリジ
ル基、ピロリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、メチ
ルキノリル基、フェニルチアゾリル基、クロロベンゾチ
アゾリル基、メチルオキサゾリル基、メチルイミダゾリ
ル基等が挙げられる。
【0030】また、一般式(1)において、R1とR2
2とR3、R3とR4、R6とR7、R 7とR8、R8とR9
11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R
19とR20、R20とR21、R21とR22、R25とR26、R29
とR30、R30とR31、R34とR35、R36とR37、R37
38、R38とR39、R41とR42、R42とR43、R43とR
44、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R50
51、R51とR52、R52とR53、R54とR55、R55とR
56、R56とR57がそれぞれ一体となった環状構造であっ
てもよく、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基
等のアルキレン基、エチレンジオキシ基、エチレンジア
ミノ基、ジュロリジル基などの環状置換基等が挙げられ
る。
【0031】また、一般式(1)において、Mは、2つ
の水素原子あるいは置換基を持っていてもよい2価以上
の原子を表わし、Zn、Pd、Cd、Mg、Al、T
i、Ge、Sn、V、Si等が挙げられる。また、Yお
よびZは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、酸素原子な
らびにハロゲン原子、酸素原子以外の有機残基を表わす
が、例えばハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等であり、また、ハロゲン原
子、酸素原子以外の有機残基としては、置換基を持って
いてもよいアルキル基、置換基を持っていてもよいアリ
ール基、水酸基、置換基を持っていてもよいアルコキシ
基、置換基を持っていてもよいアリールオキシ基、カル
ボン酸基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、メ
ルカプト基、置換基を持っていてもよいアルキルチオ
基、置換基を持っていてもよいアリールチオ基、置換ス
ルホニル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ス
ルファモイル基、置換基を持っていてもよいアミノ基、
置換基を持っていてもよい複素環基、−OSO2
59基、−0−PR6061基、−0(P=O)R6263
(ただし、R59〜R63は置換基を持っていてもよいアル
キル基、置換基を持っていてもよいアリール基、水酸
基、置換基を持っていてもよいアルコキシ基、置換基を
持っていてもよいアリールオキシ基、置換基を持ってい
てもよい複素環基である)等である。ただし、このうち
Mと直接結合している有機残基中の原子は、酸素原子、
窒素原子、炭素原子または硫黄原子に限られる。
【0032】本発明で使用する一般式(1)で表わされ
るアザポルフィリン系化合物の代表例として、化合物
(a)ないし化合物(i)を次に示す。
【0033】化合物(a)
【化10】
【0034】化合物(b)
【化11】
【0035】化合物(c)
【化12】
【0036】化合物(d)
【化13】
【0037】化合物(e)
【化14】
【0038】化合物(f)
【化15】
【0039】化合物(g)
【化16】
【0040】化合物(h)
【化17】
【0041】化合物(i)
【化18】
【0042】化合物(j)
【化19】
【0043】次に、本発明で使用のスルホニウム有機ホ
ウ素錯体(D)は、一般式(10)
【0044】一般式(10)
【化20】 (式中R64、R65およびR66はそれぞれ独立に、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を
有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい脂環
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置
換基を有してもよいアミノ基より選ばれる基を、R67
酸素原子もしくは孤立電子対を、R 68、R69、R70およ
びR71はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキ
ル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有し
てもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニ
ル基より選ばれる基を示し、R64、R65およびR66はそ
の2個以上の基が結合している環状構造であってもよ
く、R64、R65およびR 66の二つ以上が同時に置換基を
有してもよいアリール基となることはなく、R68
69、R70およびR71全てが同時に置換基を有してもよ
いアリール基となることはない。)で表されるスルホニ
ウム有機ホウ素錯体またはオキソスルホニウム有機ホウ
素錯体から選ばれるスルホニウム有機ホウ素錯体を示
す。一般式(10)で表されるスルホニウム有機ホウ素
錯体は、特願平4−56831号にて記載の方法に従い
合成することができる。
【0045】一般式(10)におけるスルホニウムまた
はオキソスルホニウムカチオン上の置換基R64、R65
よびR66において、置換基を有してもよいアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル
基、ベンジル基、アセトニル基、フェナシル基、サリチ
ル基、アニシル基、シアノメチル基、クロロメチル基、
ブロモメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基、メンチル基、ピナニル基等が、
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル
基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、p−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、フェナントリル基、p−シアノフ
ェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル
基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−フェニルチオ
フェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基と
しては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル
基、3,3−ジシアノ−1−プロペニル基等が、置換基
を有してもよい脂環基としては、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、1−シ
クロヘキセニル基等が、置換基を有してもよいアルコキ
シル基としてはメトキシ基、tert−ブトキシ基、ベ
ンジルオキシ基等が、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、
p−フルオロフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基等
が、置換基を有してもよいアルキルチオ基としては、メ
チルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等が、置換基
を有してもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ
基、p−トリルチオ基、p−シアノフェニルチオ基等
が、置換基を有してもよいアミノ基としては、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シクロヘキシ
ルアミノ基、アニリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基
等が挙げられ、さらにR64、R65およびR66はその2個
以上の基が結合している環状構造であってもよく、例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1,4−ジ
クロロテトラメチレン基等の置換基を有してもよいアル
キレン基、エチレンジオキシ基、ジエチレンジオキシ
基、アジポイル基、エチレンジチオ基等が挙げられる。
【0046】また、一般式(10)における有機ホウ素
アニオン上の置換基R68、R69、R 70およびR71におい
て、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル基、ベンジル
基等が、置換基を有してもよいアリール基としては、フ
ェニル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、ク
メニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、2,
4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、p−フル
オロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフ
ェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基とし
ては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基等
が、置換基を有してもよいアルキニル基としては、エテ
ニル基、2−tert−ブチルエテニル基、2−フェニ
ルエテニル基等が挙げられる。
【0047】一般式(10)において特に好ましい構造
としては、R64、R65およびR66のうち少なくとも1つ
が、置換基を有してもよいアリル基、置換基を有しても
よいベンジル基、置換基を有しても良いビニル基、もし
くは置換基を有してもよいフェナシル基のいずれかであ
り、R68が置換基を有してもよいアルキル基であり、R
69、R70およびR71が置換基を有してもよいアリール基
である構造である。
【0048】この理由として、一般式(10)で示され
るスルホニウム有機ホウ素錯体が、アザポルフィリン誘
導体(C)によって効果的に光増感分解されることが要
求されるが、R64、R65およびR66の内、少なくとも一
つに、置換基を有してもよいアリル基、置換基を有して
もよいベンジル基、置換基を有してもよいビニル基、も
しくは置換基を有してもよいフェナシル基を導入するこ
とによって、一般式(10)で示される重合開始剤の電
子受容性が高まり、且つ、これらの基が優先的且つ効率
的にスルホニウムまたはオキソスルホニウムカチオンか
ら分解する性質を帯びることによって、フリーラジカル
の発生効率が高まると考えられ、その結果感度の向上を
図ることが可能となるからである。
【0049】具体的な化合物(k)ないし化合物(p)
を次に示す。
【0050】化合物(k)
【化21】
【0051】化合物(l)
【化22】
【0052】化合物(m)
【化23】
【0053】化合物(n)
【化24】
【0054】化合物(o)
【化25】
【0055】化合物(p)
【化26】
【0056】化合物(q)
【化27】
【0057】本発明で使用のホログラム記録用感光材料
は、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上のビ
ニルモノマーの共重合体である高分子化合物(A)、重
合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
する化合物(B)、およびアザポルフィリン誘導体
(C)とスルホニウム有機ホウ素錯体(D)からなる光
重合開始剤を、任意の濃度で適当な溶媒中に溶解させ、
得られた溶液をガラス板等の基板上に皮膜状に塗布して
得ることができるが、ビニルモノマーの単一重合体また
は2成分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子
化合物(A)の屈折率と、重合可能なエチレン性不飽和
結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)の屈折率
との屈折率差が0.005以上であることが好ましく、
さらに屈折率差が0.02以上であることがより好まし
い。上記各成分の配合比に特定の制限はないが、照射用
レーザー光の透過率が1%以上となるようにアザポルフ
ィリン誘導体(C)の濃度を調製することが好ましい。
さらに必要に応じて、各種添加剤、例えば可塑剤、連鎖
移動剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤等を
添加してもよい。
【0058】ビニルモノマーの単一重合体または2成分
以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)の全感光材料中に占める量は、高回折効率を有す
るホログラム記録を行なうためには、10〜90重量
%、好ましくは、30〜70重量%である。重合可能な
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合
物(B)の使用量は、支持体であるビニルモノマーの単
一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体
である高分子化合物(A)100重量部に対し10〜2
00重量部、好ましくは40〜150重量部である。上
記範囲を逸脱すると高い回折効率の維持および感度特性
の向上が困難となるので好ましくない。
【0059】本発明で使用の光重合開始剤のうち、一般
式(1)のアザポルフィリン誘導体(C)は、ビニルモ
ノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマー
の共重合体である高分子化合物(A)100重量部に対
し、0.1〜30重量部、好ましくは、0.5〜15重
量部の範囲で使用される。使用量は感光層膜厚と該膜厚
の光学密度によって制限を受ける。即ち、光学密度が2
を越さない範囲で使用することが好ましい。またスルホ
ニウム有機ホウ素錯体(D)は、ビニルモノマーの単一
重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体で
ある高分子化合物(A)100重量部に対し、0.1〜
20重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲で使用さ
れる。
【0060】上記のような組成比のホログラム記録感光
材料を適当な溶媒に溶解させた感光液をスピンコータ
ー、ロールコーター、ナイフコーターまたはバーコータ
ーなどを用いることによって、直接ガラス板、プラスチ
ックフィルムなどの基材上に感光膜を形成する。さら
に、その上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよ
い。保護層は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリエチ
レンテレフタレートなどのプラスチック製のフィルムま
たは板を貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗工して
もよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保
護層と感光膜の間(および)または、基材と感光膜の間
に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在
させてもよい。
【0061】以上にようにして得られたホログラム記録
感光材料によって形成された感光板またはフィルムは、
振動の影響を受けないようホルダーに固定したのち、H
e−Neレーザー、Krイオンレーザー、ルビーレーザ
ーなどの可視光レーザーを照射し体積位相型ホログラム
記録を行なう。第1図に光学系の一例を示す。
【0062】ホログラム記録された感光板またはフィル
ムは、未露光部分または露光量の少ない部分の定着のた
め、光および(または)熱を加えることを必要とする。
光は、可視光レーザーの他、カーボンアーク、高圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ラン
プ、タングステンランプなどの可視光および(または)
紫外光を用いる。熱は、40℃から160℃の間で加熱
するのが好ましい。ホログラム記録された感光板または
フィルムに、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に
加えてもよい。また、光および(または)熱を加える前
後に、保護膜を剥離する操作をおこなってもよい。
【作用】本発明で使用のホログラム記録材料は、ビニル
モノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマ
ーの共重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物
(B)、アザポルフィリン誘導体(C)とスルホニウム
有機ホウ素錯体(D)との組合せを含むことを特徴とす
る。
【0063】ホログラム記録において、該光重合性のホ
ログラム記録材料にレーザー光を照射すると、該レーザ
ー照射部位中干渉作用の強い部位においては、重合可能
なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化
合物(B)の重合反応が生じ、その際に、干渉作用の弱
い部位にある重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有する化合物(B)は、該レーザー光の干
渉作用の強い部位へ拡散し重合する。従って、該レーザ
ー光の干渉作用の強い部位では、干渉作用の弱い部位に
比べ密度が向上し、その結果両部位間に屈折率差が生じ
ホログラムが記録される。この時、ビニルモノマーの単
一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体
である高分子化合物(A)の屈折率と、重合可能なエチ
レン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)の屈折率との屈折率差が0.005以上である場
合、該レーザー光の干渉作用の強い部位と弱い部位の屈
折率差が大きくなり、回折効率の高い体積位相型ホログ
ラムが製造されたものと推量される。さらにホログラム
記録後、光および(または)熱による後処理工程を加え
ることにより未反応であった重合可能なエチレン性不飽
和結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)の重合
が促進され、化学的に安定な且つ経時変化のないホログ
ラムが製造される。この時、ビニルモノマーの単一重合
体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体である
高分子化合物(A)が、架橋可能な(メタ)アクリロイ
ル基を有する場合においては、(A)と(B)との間で
架橋反応が生じ、さらに化学的に安定な且つ経時変化の
ないホログラムが製造される。また、この後処理工程、
特に光照射によって、着色成分として残存していたアザ
ポルフィリン誘導体(C)が効果的に消色され、ホログ
ラムの透明性を向上させることになる。
【0064】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。 実施例1〜10 ポリ酢酸ビニル(PVAc)を100重量部、フェノキ
シエチルアクリレート(POEA)を90部、一般式
(1)で表されるアザポルフィリン誘導体(化合物aな
いし化合物j)を3部、スルホニウム有機ホウ素錯体
(化合物k)を5部、テトラクロロエタンを900部か
らなる感光液を100×125×3mmのガラス板上
に、感光液乾燥後の膜厚が15μmとなるように4ミル
アプリケーターを用いて塗布し、ホログラム記録用感光
板を作成した。さらに、3ミルアプリケーターでポリビ
ニルアルコールの5%水溶液を塗布した。この感光板
に、第1図に示すホログラム作成用光学系を用いて二光
束干渉によるホログラム露光を行った。その際、実施例
1ないし6、9および10ではKrイオンレーザーの6
76nm光を用い、実施例7および8ではKrイオンレ
ーザーの752nm光を用いた。ホログラム露光を実施
した後、更に二光束の一方を遮断してホログラム露光と
同じ露光時間に晒し、その後120℃オーブンに1時間
おいた。
【0065】回折効率は、日本分光工業(株)製ART
25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅3mmの
スリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心に
した半径20cmの円周上に設置できる。幅0.3mm
の単色光を試料に45度の角度で入射し、試料からの回
折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料
を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効
率とした。表1に、最大回折効率を与える露光エネルギ
ー量、回折効率およびプレイバック波長をまとめて示し
た。
【0066】実施例11〜16 実施例1におけるスルホニウム有機ホウ素錯体(k)
を、スルホニウム有機ホウ素錯体(l)ないし(q)に
替えた他は、実施例1と同様の方法で操作した時の、感
度特性、回折効率およびプレイバック波長を表2にまと
めて示した。
【0067】実施例17 実施例1における重合可能なモノマーを、テトラブロモ
ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジメタクリレー
トに替えた他は、実施例1と同様の方法で操作した時
の、感度特性、回折効率およびプレイバック波長を表3
にまとめて示した。
【0068】実施例18 実施例1における重合可能なモノマーを、トリブロモフ
ェノールトリエチレンオキシド変性アクリレートに替え
た他は、実施例1と同様の方法で操作した時の、感度特
性、回折効率およびプレイバック波長を表3にまとめて
示した。
【0069】実施例19 実施例1における重合可能なモノマーを、フェロセニル
エチルメタクリレート50部とシクロヘキシルアクリレ
ート50部の混合物に替えた他は、実施例1と同様の方
法で操作した時の、感度特性、回折効率およびプレイバ
ック波長を表3にまとめて示した。
【0070】実施例20 実施例1における重合可能なモノマーを、N−ビニルカ
ルバゾール50部とシクロヘキシルアクリレート50部
の混合物に替えた他は、実施例1と同様の方法で操作し
た時の、感度特性、回折効率およびプレイバック波長を
表3にまとめて示した。
【0071】実施例21 実施例1におけるPVAcを、ポリビニルブチラール
(PVB)に替えた他は、実施例1と同様の方法で操作
した時の、感度特性、回折効率およびプレイバック波長
を表3にまとめて示した。
【0072】実施例22 実施例1におけるPVAcを、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)に替えた他は、実施例1と同様の方法で
操作した時の、感度特性、回折効率およびプレイバック
波長を表3にまとめて示した。
【0073】実施例23 実施例1におけるPVAcを、メチルメタクリレートと
クロロメチルスチレンとのモル比で8対2の共重合体に
アクリル酸カリウムをジメチルホルムアミド中、酸素存
在化、60℃で反応させアクリロリル基を導入した高分
子化合物(化合物r)に替えた他は、実施例1と同様の
方法で操作した時の、感度特性、回折効率およびプレイ
バック波長を表3にまとめて示した。
【0074】化合物(r)
【化28】
【0075】実施例24 実施例1におけるPVAcを、メチルメタクリレートと
グリシジルメタクリレートとのモル比で8対2の共重合
体に、ジメチルアニリンを触媒としてアクリル酸をトル
エン中、酸素存在化、60℃で反応させ、アクリロリル
基を導入した高分子化合物(化合物s)に替えた他は、
実施例1と同様の方法で操作した時の、感度特性、回折
効率およびプレイバック波長を表3にまとめて示した。
【0076】化合物(s)
【化29】
【0077】実施例25 実施例1におけるPVAcを、メチルメタクリレートと
2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比で8対
2の共重合体に、アクリル酸クロライドをジメチルホル
ムアミド中、酸素存在化、室温で反応させ、アクリロリ
ル基を導入した高分子化合物(化合物t)に替えた他
は、実施例1と同様の方法で操作した時の、感度特性、
回折効率およびプレイバック波長を表3にまとめて示し
た。
【0078】化合物(t)
【化30】
【0079】実施例26 実施例1におけるPVAcを、鹸化度10%のPVAc
に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートメチ
ルメタクリレートをジオキサン中、酸素およびスス触媒
の存在化、室温で反応させメタクリロイル基を導入した
高分子化合物(化合物u)に替えた他は、実施例1と同
様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率およびプ
レイバック波長を表3にまとめて示した。
【0080】化合物(u)
【化31】
【0081】実施例27 実施例1におけるPVAcをポリ(p−ブロモフェニル
メタクリレート)に、POEAをトリフルオロエチルア
クリレートに替えた他は、実施例1と同様の方法で操作
した時の、感度特性、回折効率およびプレイバック波長
を表3にまとめて示した。
【0082】実施例28 実施例27におけるポリ(p−ブロモフェニルメタクリ
レート)をポリ(スチレン)に替えた他は、実施例27
と同様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率およ
びプレイバック波長を表3にまとめて示した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明に依り、高感度で、化学的に安定
であり、かつ高解像度、高回折効率、高透明性を有する
体積位相型ホログラムを簡便に製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホログラム作成用二光束露光装置のブロック
【符号の説明】
1:レーザー発振装置 2:ミラー 3:レンズ 4:スペイシャルフィルター 5:ガラス板 6:感光膜 7:保護膜(ポリビニルアルコール膜)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルモノマーの単一重合体または2成
    分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
    (A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
    1個以上有する化合物(B)、アザポルフィリン誘導体
    (C)及びスルホニウム有機ホウ素錯体(D)からなる
    組成物であって、ホログラム露光による高分子化合物
    (A)の屈折率と化合物(B)の重合体の屈折率との屈
    折率差が0.005以上であることを特徴とするホログ
    ラム記録材料。
  2. 【請求項2】 基材上に、請求項1記載のホログラム記
    録材料を形成し、該記録材料をホログラム露光した後、
    光および(または)熱を加えることを特徴とする体積位
    相型ホログラムの製造方法。
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