JP3718438B2 - ディスク誤挿入防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク誤挿入防止装置に係り、より詳細にはディスク記録再生装置の本体内にディスクを収納した後、挿入口で新たなディスクの誤挿入を防止する誤挿入防止突起を備えたディスク誤挿入防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、CD、DVDなどのディスクを記録再生するディスク記録再生装置の本体内には、所定のディスクを挿入してターンテーブルなどの記録再生位置に設置(ローディング)した際、再び、挿入口に誤って新たなディスクを挿入しないように防止するディスク誤挿入防止装置を備えている。この従来のディスク誤挿入防止装置は、本体内に所定のディスクを収納した後、挿入口に誤挿入防止突起を突出させて新たなディスクが挿入しないように防止する構造を備えている。図7は、このような従来のディスク誤挿入防止装置を示す斜視図である。また、図8は、図7に示したディスク誤挿入防止装置の動作を示す図であり、図8(a)はディスク1を挿入する前の状態を、図8(b)はディスク1を収納した後の状態を、図8(c)はディスク1−1を収納した後に新たなディスク1−2を誤挿入した状態を各々示している。
【0003】
図7に示すように、従来のディスク誤挿入防止装置は、CD、DVDなどのディスクを記録再生するディスク記録再生装置の本体(図示せず)内に収納されており、この本体内の挿入口(図示せず)に配置されてディスク1を収納する固定シャシ60と、この固定シャシ60内に浮動状態に支持されてターンテーブル76などの記録再生部品を備えてディスク1を設置(ローディング)して記録再生する移動シャシ70と、この移動シャシ70に回動可能に支持されてディスク1を引き込むローラ82または誤挿入防止突起84のいずれかを回動により出没させるアーム部材80とを備えている。
【0004】
ここで、固定シャシ60は、本体内の挿入口に配置されてディスク1を収納するとともに、ディスク1に傷等のダメージを与えないように挿入口の上部に突出して円滑に案内するディスクガイド62を備えている。また、移動シャシ70は、固定シャシ60内にダンパ74を介して浮動状態に支持されてディスク1を設置するターンテーブル76などの記録再生部品を配置しており、ディスク1の記録再生時に外部からの振動や衝撃を吸収できるように形成している。
【0005】
また、アーム部材80は、移動シャシ70の軸80aにより回動可能に軸支されており、この軸80aを支点にして一端側にディスク1を引き込むローラ82と、他端側にディスク1−1の収納後に新たなディスク1−2が誤挿入(二重入れ:図8(b)参照)されることを防止する誤挿入防止突起84とを各々設けている。ここで、ローラ82は、軸80aを支点に回動してディスクガイド62に向かって上昇し、ディスクガイド62とともにディスク1を挟んでターンテーブル76に搬送するように形成している。また、誤挿入防止突起84は、軸80aを支点に回動して、ディスク1の誤挿入を防止する挿入口の開口位置に突出して停止するように形成している。
【0006】
このような構成からなる従来のディスク誤挿入防止装置を用いる場合、まず、図8(a)に示すように、軸80aを支点にアーム部材80を回動してローラ82をディスクガイド62に向かって上昇させてディスク1を引き込む状態にする。そして、ディスク1を挿入口に挿入すると、ディスク1がディスクガイド62とローラ82との間に挟まれてローラ82の回転によりターンテーブル76に搬送される。この際、アーム部材80は、図8(b)に示すように、ディスク1−1がターンテーブル76に搬送されると同時に軸80aを中心に回動し、ローラ82を降下させて誤挿入防止突起84を上昇させることで新たなディスク1−2が誤挿入しないように防止する。
【0007】
このように、従来のディスク誤挿入防止装置は、所定のディスク1−1を収納した後にアーム部材80を回動させて挿入口に誤挿入防止突起84を突出させることで、新たなディスク1−2が誤挿入しないように防止していた。
しかしながら、従来のディスク誤挿入防止装置では、図8(c)に示すように、アーム部材80を支持する移動シャシ70が固定シャシ60内に浮動(フローティング)状態で支持されているため、ディスク1−1を収納した後にアーム部材80とディスクガイド62との間に新たなディスク1−2を差し込むことで、このディスク1−2が移動シャシ70とともにアーム部材80を押し下げて固定シャシ60内に誤挿入してしまうことがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のディスク誤挿入防止装置では、図8(c)に示したように、ディスク1−1を収納した後に新たなディスク1−2をアーム部材80とディスクガイド62との間に差し込むことで、この新たなディスク1−2がアーム部材80を押し下げて固定シャシ60内に誤挿入してしまうため、固定シャシ60内で動作中の内部装置を破損、またはディスクの傷などの悪影響を与えるという不具合があった。
本発明はこのような課題を解決し、ディスクを収納した後に新たなディスクの誤挿入を確実に抑えて装置及びディスクに与える悪影響を防止するディスク誤挿入防止装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、ディスク記録再生装置の本体内にディスクを収納した後に挿入口で新たなディスクの誤挿入を防止する誤挿入防止突起を備えたディスク誤挿入防止装置であって、本体内の挿入口に配置されてディスクを収納するとともに挿入口の上部に突出する第1誤挿入防止突起を備えた固定シャシと、この固定シャシ内に浮動状態に支持されて側面及び少なくとも上面を有して内部にターンテーブルなどの部品を設けてディスクを設置して記録再生する移動シャシと、この移動シャシ内に回動可能に支持してディスクを引き込むローラ及び第2誤挿入防止突起を有して交互にいずれかが挿入口に出没するように回動するアーム部材とを備え、移動シャシは挿入口に延在する上面に切り欠き部を設けて第1誤挿入防止突起を挿通するように介在させるとともに、挿入口で新たなディスクの誤挿入を防止する際に第2誤挿入防止突起の先端を上面まで延在して重なるように設ける。
ここで、第1誤挿入防止突起と切り欠き部とは、固定シャシ及び移動シャシの上面に各々少なくとも一箇所以上設けることが好ましい。また、第1誤挿入防止突起は、固定シャシに別部品、一体成型品、曲げ、または絞りのいずれかにより突出させて設けることが好ましい。また、ディスクは、CD、DVDなどのディスクであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した第2誤挿入防止突起34をディスク1の誤挿入を防止する位置に回動させた状態を示す図である。また、図3は、図1に示したディスク誤挿入防止装置の動作を示す図であり、図3(a)はディスク1を挿入する前の状態を、図3(b)はディスク1を挿入する途中の状態を、図3(c)はディスク1を収納した後の状態を各々示している。また、図4は、図3(c)に示した第2誤挿入防止突起34により新たなディスク1−2の誤挿入を防止する状態を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態は、図7に示した従来技術と同様に、CD、DVDなどのディスクを記録再生するディスク記録再生装置の本体(図示せず)内に収納されており、この本体内の挿入口(図示せず)に配置されてディスク1を収納する固定シャシ10と、この固定シャシ10内に浮動状態に支持されてターンテーブル26などの記録再生部品を備えてディスク1を設置(ローディング)して記録再生する移動シャシ20と、この移動シャシ20に回動可能に支持されてディスク1を引き込むローラ32または第2誤挿入防止突起34のいずれかを回動により出没させるアーム部材30とを備えている。
【0012】
ここで、移動シャシ20は、図7に示した従来技術とは異なり、側面21及び上面22を備えて内部にターンテーブル26などの記録再生部品を設けている。また、固定シャシ10は、本体内の挿入口に第1誤挿入防止突起12を一体に(図1では2箇所)形成し、この第1誤挿入防止突起12が移動シャシ20の上面22を貫通して挿通するように設けている。この固定シャシ10は、例えば、樹脂成形により第1誤挿入防止突起12を一体に形成している。そして、移動シャシ20は、上面22に前述した第1誤挿入防止突起12が貫通して挿通するように切り欠き部22aを設けている。また、移動シャシ20は、内部の上面22にディスク1を円滑に案内するディスクガイド28(図3(a)参照)を備えている。そして、この移動シャシ20は、従来技術と同様に、固定シャシ10内にダンパ24を介して浮動(フローティング)状態に支持されており、ディスク1の記録再生時に外部からの振動や衝撃を吸収できるように形成している。
【0013】
また、アーム部材30は、図7に示した従来技術と同様に、移動シャシ20の軸30aに回動可能に軸支されており、この軸30aを支点にして一端側にディスク1を引き込むローラ32と、他端側にディスク1−1の収納後に新たなディスク1−2の誤挿入(二重入れ:図4参照)を防止する第2誤挿入防止突起34とを各々設けている。ここで、ローラ32は、軸30aを支点に回動して移動シャシ20の上面22に向かって上昇し、ディスクガイド28(図3(a)参照)とともにディスク1を挟んでターンテーブル26に搬送するように形成している。また、第2誤挿入防止突起34は、軸30aを支点に回動し、図2に示すように、ディスク1の誤挿入を防止する挿入口の開口位置に突出して停止するように形成している。この際、第2誤挿入防止突起34は、挿入口に突出する先端が移動シャシ20の上面22まで延在して重なるように形成している。従って、ディスク1を無理に差し込んだ場合、図8(c)に示した従来技術とは異なり、第1誤挿入防止突起12と移動シャシ20の上面22との間にディスク1を差し込めないため(図4参照)、このディスク1が移動シャシ20を押し下げて誤挿入することを確実に防止することができる。また同様に、第2誤挿入防止突起34と移動シャシ20の上面22との間にもディスク1を差し込みできない。
【0014】
このような構成からなる本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態を用いる場合、まず、図3(a)に示すように、軸30aを支点にアーム部材30を回動してローラ32を移動シャシ20の上面22に向かって上昇させてディスク1を引き込む状態にする。そして、ディスク1が挿入口に挿入されると、図3(b)に示すように、ディスクガイド28とローラ32との間にディスク1が挟まれてローラ32の回転によりターンテーブル26に搬送される。また、アーム部材30は、ディスク1がターンテーブル26に搬送されると、図3(c)に示すように、軸30aを中心に回動することでローラ32を降下させるとともに第2誤挿入防止突起34を上昇させる。これにより本実施の形態では、図4に示すように、第2誤挿入防止突起34が新たなディスク1−2の誤挿入を確実に防止し、移動シャシ20内でターンテーブル26に設置したディスク1−1の所定情報を安全に記録再生することができる。
【0015】
このように、本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態によると、図4に示すように、移動シャシ20の上面22を第2誤挿入防止突起34と固定シャシ10内の第1誤挿入防止突起12とに重なるように設けているため、新たなディスク1−2が第2誤挿入防止突起34と移動シャシ20の上面22との間に差し込まれてアーム部材30を押し下げて誤挿入することを抑えるとともに、第1誤挿入防止突起12と固定シャシ10の上面22との間に差し込まれて移動シャシ20を押し下げて誤挿入することを抑え、固定シャシ10内で動作中の内部装置を破損、またはディスクの傷などの悪影響を与えることを防止できる。
【0016】
ここで、図1に示した固定シャシ10に第1誤挿入防止突起12を樹脂成形により一体に形成した実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、固定シャシをプレス品などの板金材で形成して曲げ、絞りなどの加工により第1誤挿入防止突起を形成、または第1誤挿入防止突起を別部品により形成しても良い。図5は、このように曲げ、絞りによる第1誤挿入防止突起42を備えた板金材からなる固定シャシの他の実施例を示す図である。また、図6は、第1誤挿入防止突起52を別部品により形成した固定シャシの更なる他の実施例を示す図である。
【0017】
図5に示すように、固定シャシの他の実施例は、プレス品などの板金材により形成しており、ディスク1を出し入れする挿入口の上部に曲げ加工により一体に形成した第1誤挿入防止突起42a、または挿入口の上部を凹状に絞り加工した第1誤挿入防止突起42bを各々設けている。一方、図6に示すように、固定シャシの更なる他の実施例では、ディスク1を出し入れする挿入口の上部に別部品をネジ止め、またはカシメなどにより固定した第1誤挿入防止突起52を設けている。
【0018】
このように、固定シャシ40、50に曲げ、絞り、または別部品のいずれかによる第1誤挿入防止突起42、52を設けた場合、図1に示した固定シャシと同様の効果が得られるとともに、第1誤挿入防止突起42、52を種々の形状で自由に形成でき、且つ、固定シャシ40、50を板金材により形成することで外部からの衝撃に耐えうる耐久性の高い製品を形成することができる。
【0019】
以上、本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、第1誤挿入防止突起を固定シャシの挿入口上部に2箇所突出させて設けた実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、第1誤挿入防止突起を複数、または中心位置に設置することで誤挿入の防止効果を高めても良い。
【0020】
【発明の効果】
このように本発明によるディスク誤挿入防止装置によれば、第1誤挿入防止突起と第2誤挿入防止突起とを固定シャシ内で移動シャシの上面に重なるように設けているため、ディスクが第1誤挿入防止突起と移動シャシの上面との間、及び第2誤挿入防止突起と移動シャシの上面との間に差し込まれて移動シャシとともにアーム部材を押し下げて誤挿入することを抑え、固定シャシ内で動作中の内部装置を破損、またはディスクの傷などの悪影響を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディスク誤挿入防止装置の実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1に示した第2誤挿入防止突起をディスクの誤挿入を防止する位置に回動させた状態を示す図。
【図3】図1に示したディスク誤挿入防止装置の動作を示す図。
【図4】図3(c)に示した第2誤挿入防止突起によりディスクの誤挿入を防止する状態を示す図。
【図5】曲げ、絞りによる第1誤挿入防止突起を備えた板金材からなる固定シャシの他の実施例を示す図。
【図6】第1誤挿入防止突起を別部品により形成した固定シャシの更なる他の実施例を示す図。
【図7】従来のディスク誤挿入防止装置を示す斜視図。
【図8】図7に示したディスク誤挿入防止装置の動作を示す図。
【符号の説明】
1 ディスク
10 固定シャシ
12 第1誤挿入防止突起
20 移動シャシ
21 側面
22 上面
22a 切り欠き部
24 ダンパ
26 ターンテーブル
30 アーム部材
30a 軸
32 ローラ
34 第2誤挿入防止突起

Claims (4)

  1. ディスク記録再生装置の本体内にディスクを収納した後、挿入口で新たなディスクの誤挿入を防止する誤挿入防止突起を備えたディスク誤挿入防止装置において、
    前記本体内の挿入口に配置されて前記ディスクを収納するとともに前記挿入口の上部に突出する第1誤挿入防止突起を備えた固定シャシと、
    前記固定シャシ内に浮動状態に支持されて側面及び少なくとも上面を有して内部にターンテーブルなどの部品を設け、前記ディスクを設置して記録再生する移動シャシと、
    前記移動シャシ内に回動可能に支持して前記ディスクを引き込むローラ及び第2誤挿入防止突起を有して交互にいずれかが前記挿入口に出没するように回動するアーム部材とを備え、
    前記移動シャシは、前記挿入口に延在する上面に切り欠き部を設けて前記第1誤挿入防止突起を挿通するように介在させるとともに、前記挿入口で新たなディスクの誤挿入を防止する際に前記第2誤挿入防止突起の先端を前記上面まで延在して重なるように設けたことを特徴とするディスク誤挿入防止装置。
  2. 請求項1に記載のディスク誤挿入防止装置において、
    前記第1誤挿入防止突起と切り欠き部とは、前記固定シャシ及び移動シャシの上面に各々少なくとも一箇所以上設けたことを特徴とするディスク誤挿入防止装置。
  3. 請求項1に記載のディスク誤挿入防止装置において、
    前記第1誤挿入防止突起は、前記固定シャシに一体成型品、曲げ、絞り、または別部品のいずれかにより突出させて設けたことを特徴とするディスク誤挿入防止装置。
  4. 請求項1に記載のディスク誤挿入防止装置において、
    前記ディスクは、CD、DVDなどのディスクであることを特徴とするディスク誤挿入防止装置。
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