JP3718433B2 - 家禽の卵を選択的に分類するための方法および装置 - Google Patents
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Description
【0001】
発明の分野
本発明は、家禽卵を評価および治療するための方法および装置に関し、詳細には、卵の状態を決定し、このような決定に従って卵を扱いおよび治療するために、家禽卵を非侵襲的に透かし見るための方法および装置に関する。
【0002】
発明の背景
いくつかの観察可能な品質を基礎として家禽卵を区別することは、家禽工業において良く知られ長い間使用されている作業である。「透かし見」は、このような技法のための共通の名称であり、この用語の語源は、蝋燭からの光を使用して卵を検査する元来の作業に由来する。家禽卵に精通している者に知られているように、卵殻は、大部分の照明条件下では不透明に見えるにもかかわらず、卵殻は、実際にはある程度透明であり、直接光の前に置かれると、卵の中身が観察されることが可能である。
【0003】
大部分の場合、卵、特に人間の食用の「食卓用卵」を検査する目的は、有意の量の血液が存在する卵を識別し、次いで分離することにあり、このような卵自身は、時折、「血液」または「血液卵」と呼ばれる。これらの卵は、消費者の観点から望ましくなく、従って、任意の群の卵からこのような卵を除去することが、経済的に望ましい。
【0004】
Hebrankの米国特許第4,955,728号明細書および米国特許第4,914,672号明細書は、無精卵から生存卵を区別するために、赤外線検出器と、卵から放射される赤外線とを使用する透かし見装置を説明する。
【0005】
van Asseltらの米国特許第4,671,652号明細書が開示する透かし見装置では、複数の光源および対応する光検出器が、配列されて取付けられ、卵は、光源と光検出器との間の平箱上を通過する。
【0006】
多くの例において、孵化の前に、生存卵内に卵内注射を介して物質を導入することが望ましい。鳥類卵内への様々な物質の注射は、孵化後死亡率を低減するために、または、孵化された鳥の成長率を高めるために、商業的家禽工業において採用されている。同様に、生存卵内へのウイルスの注射が、ワクチンでの使用のためのウイルスを繁殖させるために利用されている。卵内注射のために利用または提案されている物質の例は、ワクチン、抗生物質およびビタミンを含む。卵内注射の卵内治療物質および方法の例は、Sharmaらの米国特許第4,458,630号明細書およびFredericksenら米国特許第5,028,421号明細書に説明され、これらの明細書の内容全体は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。注射治療の部位および時間の選択も、注射物質の効率および注射卵または治療胎児の死亡率に影響する。例えばSharmaらの米国特許第4,458,630号明細書、Hebrankの米国特許第5,158,038号明細書およびSheeksらの米国特許第5,158,038号明細書参照。本明細書で引用された米国特許明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとする。
【0007】
物質の卵内注射は、通常、(例えばパンチまたはドリルを使用して)卵殻を貫通する穴を形成するために卵殻を穿刺し、前記穴を通過させて卵の内部内に(そしていくつかの場合には卵内の鳥類胎児内に)注射針を延ばし、針を経て治療物質を注射することにより、行われる。鳥類卵の大端部を経て注射するために設計されている注射装置の1つの例が、Hebrankの米国特許第4,681,063号明細書に開示され、この装置は、相対的位置が固定される状態で卵および注射針を位置決めし、複数の卵の高速自動化注射のために設計されている。代替的に、Sarmaらの米国特許第4,458,630号明細書は、底部(小端部)注射装置を説明する。
【0008】
商業的家禽生産において、商業的ブロイラー卵の約60%〜90%しか、孵化しない。孵化しない卵は、(腐敗卵を含む)受精されなかった卵および(しばしば早期死亡、中期死亡、腐敗、および後半期死亡に分類される)死亡した受精卵を含む。無精卵は、平箱内にセットされたすべての卵の約5%〜約25%を含んで成ることもある。商業的家禽生産において遭遇する死亡卵および無精卵の数に起因して、治療物質を卵内に注射するための自動化された方法と、複数の卵のうちから、注射に適する卵を識別し、適すると識別された卵のみに選択的に注射するための自動化された方法との使用を増加することが、望ましい。
【0009】
Coadyらの米国特許第3,616,262号明細書は、透かし見ステーションおよび接種ステーションを含む卵搬送装置を開示する。透かし見ステーションにおいて、光が投射されて卵を透過し、人間すなわち操作員により推定され、操作員は、生育不可能と考えられるいかなる卵もマーキングする。生育不可能卵は、手作業で取除かれ、次いで、卵は、接種ステーションへ搬送される。
【0010】
発明の概要
本発明の実施例では、家禽卵を分類するための方法は、それぞれの卵がそれぞれ1つの物理的な卵個所を有する複数の卵を提供することと、卵の不透明度を測定することと、卵の温度を測定されることと、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、卵の不透明度を使用して複数の卵のうちの透明卵を識別することと、透明卵の識別を使用して複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、空間的温度傾向を使用して複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む。
【0011】
好ましくは、空間的温度傾向を決定するステップは、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製することを含む。生存卵を識別するステップは、測定温度と予測温度とを比較することを含むこともある。
【0012】
分類ステップは、透明卵の識別を使用して、相対的な卵個所における卵温度を補正することと、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含むこともある。生存卵を識別するステップは、閾値温度を決定することと、卵補正温度と閾値温度とを比較することと、閾値温度より高い卵補正温度を有する卵を生存卵として識別することとを含むこともある。
【0013】
本方法は、上下逆位卵を識別することと、温度傾向を決定する際に上下逆位卵の温度を除外することを含むこともある。
【0014】
本発明のさらなる実施例では、家禽卵を分類するための方法は、卵の不透明度を測定することと、卵の温度を測定することと、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、卵の不透明度を使用して、複数の卵のうちの透明卵を識別することと、卵の温度を使用して、複数の卵の生存卵を識別することとを含む。生存卵を識別するステップは、透明卵の識別により容易化される。
【0015】
分類ステップは、卵の残りの群を識別し、残りの群は透明卵を含まないことと、透明卵の温度を使用せず、残りの群の卵の温度を使用して、残りの群内の生存卵を識別することとを含む。本方法は、さらに、少なくとも1つの別のクラスの非生存卵、好ましくは早期死亡卵を識別することを含むこともある。卵は、生存卵の群、透明卵の群、および非生存卵および非透明卵の群を含む少なくとも3つの群に物理的に分離されることもある。
【0016】
本発明の別の実施例では、各卵が不透明度および温度を有する複数の卵を分類するための装置が、卵の不透明度を検出するための手段と、卵の温度を検出するための手段と、卵の不透明度および温度を使用して、卵を分類するための手段とを含む。分類手段は、卵の不透明度を使用して、複数の卵のうちの透明卵を識別し、卵の温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別する。生存卵の識別は、透明卵の識別により容易化される。
【0017】
分類手段は、透明卵の識別を使用して、相対的な卵個所における卵温度を補正し、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することもある。分類手段は、残りの群が透明卵を含まないところの残りの群の卵を識別し、透明卵の温度を使用せず、残りの群の卵の温度を使用して、残りの群内の生存卵を識別することもある。分類手段は、少なくとも1つの別のクラスの非生存卵、好ましくは死亡卵を識別することもある。本装置は、治療物質を生存卵に注射するために動作する注射器を含むこともある。
【0018】
好ましくは、卵の不透明度を検出するための手段は、卵の不透明度を検出し、卵不透明度に相応する不透明度信号を発生させる光透かし見システムを含み、卵の温度を検出する手段は、卵の温度を検出し、卵温度に相応する温度信号を発生させる熱的透かし見システムを含み、卵を分類するための手段は、不透明度信号および温度信号を受信し、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類する制御器を含み、前記制御器は、卵分類を基礎として制御信号を選択的に発生させるために動作する。光透かし見システムは、赤外線放射器および赤外線検出器を含んで成り、熱的透かし見システムは、赤外線センサを含んで成ることもある。
【0019】
本発明のさらなる実施例では、家禽卵を分類する方法は、それぞれの1つの物理的な卵個所を有する複数の卵を供給することと、卵の温度を測定することと、卵の温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、空間的温度傾向を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む。
【0020】
空間的温度傾向を決定するステップは、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製することを含む。分類ステップは、相対的な卵個所における卵温度を補正することと、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含むこともある。
【0021】
本発明の目的は、図および以下の好ましい実施例の詳細な説明を読むことにより、当業者に明白となる。
【0022】
好ましい実施例の詳細な説明
本発明は、以下、本発明の好ましい実施例が示されている添付図面を参照して、より詳細に説明される。本発明は、しかし、多数の異なる形で実施されることが可能であり、本明細書に記載の実施例に制限されると見なされるべきでなく、これらの実施例が提供される目的は、この開示が、完璧で完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えることにある。本明細書全体において、同一の参照番号は、同一の要素を示す。
【0023】
本発明は、鶏、七面鳥、鴨、ガチョウ、ウズラ、およびキジを含む任意のタイプの鳥類卵において実施されることが可能である。鶏卵は、特に好ましい。
【0024】
通常、卵は、正確にまたはおおよそ18日令に接種される。このような時点で、卵は、いくつかの普通認識されるタイプのうちの一つであろう。卵は、「生存」卵であることもあり、これは、卵が生育可能な胎児を有することを意味する。卵は、「透明な」すなわち「無精の」卵であることもあり、これは、卵が胎児を有しないことを意味する。より詳細には、「透明な」卵は、腐敗しなかった無精卵である。卵は、「早期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約1〜5日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「中期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約5〜15日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「後半期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約15〜18日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「腐敗」卵であることもあり、これは、卵が、(例えば卵殻内の亀裂の結果として)腐敗無精卵黄、または、代替的に、腐敗死亡胎児を含む。「早期死亡」卵、「中期死亡」卵または「後半期死亡」卵は、腐敗卵であることもあるが、本明細書においてこれらの用語は、腐敗しなかった卵を指す。卵は、「空の」卵であることもあり、これは、卵の中身の大部分が、例えば、卵殻が亀裂し、卵物質が、卵から漏洩した場所で欠失することを意味する。さらに、多数の卵検出および識別装置の観点から見て、卵トレイが、特定の個所で卵を欠失することもあり、この場合、この個所は、「欠失」個所と称せられる。卵が卵トレイ内に配置される際の配置が、卵が「上下逆位」卵となるように行われることもあり、これは、卵がトレイ内に配置される際の配置が、卵の気胞が、通常は太い端部が下に位置する状態で誤位置を取ることを意味する。透明卵、早期死亡卵、後半期死亡卵、および腐敗卵は、「非生存」卵として分類されることもある、何故ならばそれらの卵は、生存胎児を含まないからである。
【0025】
通常、卵は、比較的大きいインキュベーター内でインキュベートするためにラック台車内のラック上のトレイ内に保持されている。選択された時間に、通常は18日令に、卵のラック台車が、理想的には、不適当な卵(すなわち死亡卵、腐敗卵、空卵、および透明卵)を分離除去し、生存卵を接種し、セット用平箱から孵化バスケットへ卵を移送する。インキュベーション、扱いおよび測定のある実際上の面は、熱的透かし見装置を使用して生存卵と死亡卵とを区別するための方法および装置の精度を大幅に低減させることもある。卵の温度は、インキュベーター内の卵の相対的な個所に基づいて異なることもある。インキュベーターの外部の熱的環境が、劣悪にしか制御されないこともある。その結果、異なるトレイおよびトレイ分画は、しばしば、ラック台車内のそれらの位置および通気への曝露に依存して、異なる冷却率を経験する。
【0026】
例えば、Hebrankの米国特許第4,914,672号明細書に記載の透かし見方法および装置では、熱的透かし見システムは、底部から各卵の温度を測定する。熱的透かし見システムは、閾値温度を決定する。閾値温度より高い卵は、生存卵と見なされ、閾値温度より低い卵は(死亡卵および透明卵を含む)非生存卵と見なされる。
【0027】
選択された閾値温度の精度は、非均一な冷却条件により低減される可能性がある。生存卵を不適切に非生存卵として識別するリスクを最小化するために、閾値温度は、一般に、生存卵の予測温度より低く設定される。補正係数が、異なる卵または卵の異なる群における適切な閾値温度により良好に近似するために、適用されたが、これらの補正係数は、希望通りの精度ではない。
【0028】
生存卵を廃棄することは不利益であるが、ある非生存卵を保留することも不利益である。特に、腐敗卵および死亡卵が、保留および接種されると、接種針が、汚染されることもあり、これにより、後続の健康な生存卵が感染されるリスクが発生する。さらに、治療物質は、非生存卵内に注射される場合、浪費される。
【0029】
さらに、いくつかの例では、透明卵(すなわち、無精の非腐敗卵)および早期死亡卵を識別することが望ましいこともある。ブロイラーを生産するのには適さないが、これらの卵は、商業的食品サービスまたは低品質食品原料(例えば犬用食品)のために有用であることもある。腐敗卵からの細菌汚染の存在は、この食品原料の価値を低減させる。
【0030】
本発明は、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムの双方を使用する、卵のタイプを識別するための方法および装置に関する。光透かし見システムは、熱的透かし見システムの精度を向上させ、熱的透かし見システムが効果的に識別することが可能でない卵のタイプを識別することもある。本発明の方法および装置の使用により、不適切に廃棄される生存卵の数と、接種される腐敗卵および死亡卵の数とがそれぞれ、低減されることが可能である。加えて、透明卵および/または早期死亡卵が、確実的に識別され、他のタイプの卵から分離されることが可能である。
【0031】
好ましい実施例では、光透かし見システムは、透明卵を識別するために使用される。熱的透かし見システムは、閾値温度を使用して、非生存卵から生存卵を区別するために使用される。閾値温度は、好ましくは、トレイ内の卵のうちのすべてまたは選択されたものの温度を測定し、測定温度から、卵が生存することが期待される最低温度を導出することにより、決定される。この決定の精度は、光透かし見システムから収集されたデータの使用により、容易化される。このようにして、生存卵対非生存卵(すなわち死亡卵、空卵、欠失卵および透明卵)の識別が、より正確に行われることが可能であり、これにより、さもなければ接種針を汚染することもある不適切に保留された腐敗卵または死亡卵の数を低減させ、生存卵を廃棄する確立を最小化する。
【0032】
分類精度をさらに向上させるために、卵のうちの空間的温度傾向が、(例えば、インキュベーターおよび廊下内の非均一の通気に起因する)非均一な微小環境に起因する、平箱全体にわたる温度の変動に対処するために決定されることもある。好ましくは、温度傾向地図が、作製され、卵測定温度を評価するために使用される。閾値温度の決定は、卵測定温度を補正または補償することにより、容易化される。好ましくは、補正量が、少なくとも部分的に、光透かし見システムにより透明卵として識別された非生存卵を除いてすべての卵の温度を考慮することにより、決定される。
【0033】
さらなる好ましい実施例では、卵は、卵の測定温度を、温度傾向地図における対応する予測温度と比較することにより、分類される。好ましくは、予測温度は、少なくとも部分的に、光透かし見システムにより透明卵として識別された卵の温度を調整または除外することにより、決定される。
【0034】
空間的温度傾向の決定は、補正温度または予測温度の量を決定するために、または、その他の方法で分類を容易化するために、光透かし見システムおよび透明卵の識別を使用せずに、卵を分類するのに使用されることも可能である。前述の方法のうちのいずれかが、この方法で改変されることも可能である。
【0035】
生存卵として分類された卵は、治療物質などを接種することにより、治療されることもある。光透かし見システムは、透明卵および早期死亡卵を識別するので、これらの卵は、他の用途のために、他の非生存卵から分離されることもある。すなわち、非生存卵は、さらに、透明卵または早期死亡卵および非透明卵または早期死亡卵として分類されることもある。このようにして、光透かし見システムは、透明卵または死亡卵と、他の非生存卵とを高信頼性で区別することが可能でない熱的透かし見システムを補足する。選択的に、非生存卵は、さらに、無精卵および早期死亡卵または様々な段階の中期死亡卵として識別されることもある。分類された卵は、次いで、物理的に分離され、搬送され、このようにして、生存卵が、接種または他の治療のために適所に渡され、透明卵(および、選択的に、早期死亡卵)が、他の用途のために収集されるために分岐され、残りの非生存卵が、廃棄されるようにされる。
【0036】
上下逆位卵の場合、光透かし見システムが、卵が、生存卵または死亡卵と異なるところの透明卵であるかどうかを決定するために使用されることもある。選択的に、熱的透かし見システムが、卵が生存卵であるかまたは非生存卵であるかを決定するために、上下逆位卵の各端部における温度を測定するためのセンサを含むこともある。
【0037】
光透かし見システムが、さらに、前半期死亡卵、中期死亡卵、後半期死亡卵、腐敗卵および空卵の量または統計を評価するために使用されることもある。このような情報が、卵の群を評価する目的のために望まれることもある。
本方法および本装置の好ましい実施例の詳細において、前記方法および装置は、卵の1つの群内の卵を識別、分類、報告、仕分け、および接種または他の方法で治療する。本方法および装置の様々な態様および特徴が、前述の方法および装置とは別個に除去または使用されることが可能であることが分かる。本方法および装置は双方とも、卵のそれぞれまたは選択されたものを識別するために、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムの双方を採用する。本装置の制御器は、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムからの卵に関するデータを収集し、それらの分類法または前もって定められた標準またはパラメーターに従って、卵を分類し、卵を仕分けまたは治療する。
【0038】
図1において、本発明による装置10が、概念的に示されている。装置10は、好ましくは平箱12内で供給される複数の卵2を仕分けおよび治療するために使用される。装置10は、識別すなわち透かし見ステーション8(以後において「透かし見ステーション8」と称せられる)を含む。透かし見ステーション8は、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30を含む。光透かし見システム20および熱的透かし見システム30はそれぞれ、卵を評価し分類するために使用されることもある、卵の様々な特徴を評価するために用いられる。
【0039】
光透かし見システム20および熱的透かし見システム30は、制御器40に操作的に接続されている。制御器40は、透かし見ステーション8を制御し、透かし見ステーション8からの信号を処理する。制御器40は、透かし見ステーション8からの、卵のうちのそれぞれまたは選択されたものに関するデータを収集し分析することも行ない、このデータを使用して、タイプに関して卵を分類する。ディスプレー42およびユーザー制御インターフェース44が、オペレータが制御器40と対話することを可能にするために設けられている。
【0040】
仕分けステーション60は、透かし見ステーション8の下流に設けられている。前述のように、制御器40は、仕分けステーション60が、指示されたクラスの卵を除去することを惹起するために、各適切な卵の存在および相対位置に基づいて、選択的除去信号を発生させる。指示されたクラスは、好ましくは、透明卵を含み、他の非生存卵も含むこともある。
【0041】
治療ステーション50が、透かし見システム8の下流に設けられている。後述のように、制御器40は、治療ステーション50が、例えば、治療物質の接種により、指示されたクラスの卵を治療することを惹起するるために、各適切な卵の存在および相対位置に基づいて選択的治療信号を発生させる。
【0042】
搬送システム7は、卵を搬送して、ステーション8、50、および60のそれぞれを通過させるまたはそれぞれの間を通過させるために用いられる。搬送システム7は、それぞれステーション8、60および50に接続されているコンベヤ7A、7Bおよび7Cを含む。コンベヤ7A、7B、7Cは、別個のコンベヤであるか、または、連続的に形成されているコンベヤであることもある。
【0043】
図2〜5において、透かし見ステーション8および接続コンベヤ7Aが示されている。前述のように、透かし見システム8は、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30を含む。コンベヤ7Aは、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30のそれぞれにより、卵2の平箱12を搬送する。
【0044】
光透かし見システム20は、好ましくは、Hebrankらの米国特許第5,745,228号明細書に記載のように、光透かし見システムであり、前記明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとし、前記明細書において、光は、周囲光と異なる(そして好ましくは、周囲光より高い)周波数でパルス化されている。適切な光透かし見システムは、適切な改変を有する、Embrex, Inc. of Research Triangle Park, NCから入手可能なVaccine SaverTMワクチン送達システムの一部を形成する光透かし見システムを含む。概要的に見て、米国特許第5,745,228号明細書の光透かし見システムは、PCアナログ入力ボードと接続されている光検出器増幅器およびフィルタ回路に接続されている光検出器と、ディジタル出力ボードに接続されているIRすなわち赤外線エミッタドライバ回路に接続されている光エミッタ(赤外線エミッタ)とを含んで成る。光エミッタおよび光検出器は、卵の両側のうちの互いに反対の側に位置するように配置され、好ましくは、光検出器は卵の上方に位置し、光エミッタは卵の下方に位置するが、これらの位置は、重要でなく、逆位されることも可能であり、または、エミッタおよび検出器が、エミッタからの光が、卵を検出器に照射するかぎり、異なる配向で配置されことも可能である。入力ボードおよび出力ボードは、パーソナルコンピュータ内に設けられることも可能であり、この場合、システムの動作は、パーソナルコンピュータのディスプレイスクリーン上で監視される。
【0045】
動作中、光透かし見システム20は、単一の卵からの光の正確な測定を可能にするために時間を使用する。光は、各光エミッタから短いバースト(例えば50〜300マイクロ秒)で発生され、対応する光検出器は、その対応する光エミッタが動作する間にわたり監視するだけである。周囲光の作用を低減するために、光がオンでない場合の光検出器の出力量が、光がオンである場合の読取り値から減算される。好ましくは、光は、光エミッタから短いバーストで発生され、透水光検出器は、光のバーストが発生される直前、間、および直後に光レベルを監視する。卵の平箱は、平箱が識別器を通過する際に連続的に「走査され」、その際、各検出器・光源対は、少なくとも隣接する、好ましくはすべての他の対が、休止状態である間にのみ動作する。
【0046】
図2〜5を参照しての光透かし見システム20の構造の詳細において、光透かし見システム20は、コンベヤ7A上に取付けられている赤外線取付けブロック11および赤外線検出器取付けブロック21を含む。赤外線エミッタ取付けブロック11は、不透明バックプレート16から成り、バックプレート16には赤外線エミッタ17(Photonics Detectors, Inc. Par number PDI-E805)が取付けられている。これらのエミッタは、一体式レンズを含むが、非一体式レンズ系も、エミッタのために設けられることも可能である。これらのガリウム・砒素発光ダイオードは、880ナノメーターの波長を有する赤外線を放射し、約1マイクロ秒の作動時間でスイッチオンまたはスイッチオフされることが可能である。0.5インチ(1.27cm)の厚さを有する不透明重合体ブロック18は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック18を貫通して穿孔されている0.25インチ(0.635cm)の直径の穴を有する。(各エミッタの上方の0.25インチ(0.635cm)の円を除いて不透明である)0.040インチ(0.102cm)の厚さのポリカーボネートシート19が、ブロック18に上重ねに位置する。このようにして、取付けブロックの構造は、卵と光エミッタ17との間に位置する光学的アパーチュアを提供する。1つの実施例では、頭上投影機透明画のためのシートが、使用される。
【0047】
同様に、赤外線検出器取付けブロック21は、不透明バックプレート26から成り、このバックプレート26に赤外線検出器27(Texas Instruments Part number TSL261)が取付けられている。一体式レンズ系または非一体式レンズ系が、選択的に、検出器を設けられることが可能である。0.5インチ(1.27cm)の厚さの不透明重合体ブロック28は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック28を貫通して穿孔されている0.75インチ(1.905cm)の直径の穴28Aを有する。(各検出器の上方の0.25インチ(0.635cm)の円を除いて不透明である)0.040インチ(0.102cm)の厚さのポリカーボネートシート29が、ブロック28に上重ねに位置する。ポリカーボネートシートは、750〜2000ナノメーターの波長の透過率が約90%である光遮断性赤外線透過性重合体から成ることもある。エミッタからの赤外線は、約880ナノメーターの波長を有する。このようにして、シートは、少なくとも部分的に、周囲光を遮断およびろ波するために用いられる。この場合にも、取付けブロックの構造は、このようにして、卵と光検出器27との間に位置する光学アパーチュアを提供する。
【0048】
すべての場合において、不透明材料は、好ましくは、黒色である。本装置の構成形態は、卵の頂部から重合体フィルム29までの距離「a」は、1/2〜1インチ(1.27〜2.54cm)であるように、そして、卵の底部から重合体フィルム19までの距離「b」は、1/2〜1インチ(1.27〜2.54cm)であり、好ましくは、距離は0.5インチ(1.27cm)であるように定められている。いくつかの卵用平箱および様々な卵サイズが、この距離が、通常、3/8インチ〜1インチで変動することを惹起することに注意されたい。卵における目視領域のサイズは、通常、約0.1インチ(0.254cm)〜約0.3インチ(0.762cm)の直径である。より小さい領域は、通常、隣接の卵から反射された光をより良好に排除する。
【0049】
スイッチング回路が、100サイクル毎秒より大きい周波数で、好ましくは、200または400サイクル毎秒より大きい周波数で、エミッタ17からの光の強度を繰返すための光源と操作的に接続されている。電子フィルタが、光検出器27と操作的に接続され、電子フィルタの構成形態は、(すなわち検出器により検出されたより高いおよび/またはより低い周波数の光信号をろ波して除去することにより)周囲光から、光源から放射された光を区別するように定められている。すべては、従来の回路装置であることも可能であり、これらに対する多数の変形は、当業者には明白である。
【0050】
動作中、各エミッタは、通常、約250マイクロ秒にわたりターンオンされる。各光検出器27の出力は、(1.0kHz低域フィルタと組合せられた2kHz高域フィルタである)帯域フィルタにより増幅される。フィルタは、光エミッタからの光の250マイクロ秒パルスの検出を最大化し、一方、電子回路装置からの雑音または環境内の迷光を最小化する。各フィルタからの出力は、対応するエミッタがターンオンされた後約120マイクロ秒で標本化される。標本は、コンピュータによりデジタル化され記録される。第2の標本は、対応するエミッタがターンオフされた後約250マイクロ秒で採取される。光オン標本から減算される場合に光オフ標本は、識別器の周りの周囲光の排除を改善する。
【0051】
光エミッタ取付けブロック11の別の1つの実施例では、ダイオードが、不透明重合体ブロック18内に取付けられ、このブロック18は、ダイオードを位置決めし、作業環境内の水および塵埃からダイオードを保護する。各ダイオードの上方の平面状サファイアウィンドウは、ダイオードからの光に対して透明である。同様に、光検出器取付けブロック21は、不透明バックプレート26から成り、このバックプレート26にレンズ付赤外線検出器(IPL Part number IPL10530DAL)が取付けられている。0.6インチ(1.524cm)の厚さの不透明重合体ブロック28は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック28を貫通して穿孔された0.33インチ(0.838cm)の直径の穴を有する。透明サファイアウィンドウは、卵を透過する光が、卵の上方の検出器を照明することを可能にする。光エミッタのうちのいくつかは、卵の中心線から僅かにずれて設定され、このようにして、これらの光エミッタの放射線が、コンベヤベルトに当らないようにする。
【0052】
別の1つの実施例では、前述のように装置の動作中、各エミッタは、通常、約70マイクロ秒にわたりターンオンされる。各検出器からの出力は、対応するエミッタがターンオンされる直前におよびターンオンされた後約70マイクロ秒で標本化される。第3の標本は、対応するエミッタがターンオフされた後約70マイクロ秒で採取される。標本は、コンピュータによりデジタル化および記録される。光オフ標本は、識別器の周りの周囲光の排除を改善するために、平均化されて光オン標本から減算される。
【0053】
好ましい光透かし見システムが説明されたが、卵の不透明度を測定するための任意の他の適切な装置が、本発明の方法および装置で使用されることが可能である。このような他の適切な装置は、本明細書の説明を読むと、当業者には自明である。
【0054】
制御器40は、前述のように周囲光と異なる(そして好ましくは周囲光より高い)周波数で光をパルス化するために、赤外線エミッタ17に操作的に接続され、このエミッタ17を作動する。エミッタ17からの光の一部は、卵2を透過して伝送され、対応する検出器27により受光される。制御器40は、各検出器27に操作的に接続され、輝く卵の光レベル(すなわち放射照度)と、その結果の、検出器27における入射光の強度とに対応する、各検出器27により発生される信号を受信する。このようにして、制御器が、卵のそれぞれの不透明度の評価を行う光透かし見システム20により提供される。検出器が、それらの対応するエミッタ17と共直線で位置合せされることは必要でない、何故ならば、卵に入射する光は、卵殻および卵の中身により拡散されるからである。
【0055】
熱的透かし見システム30は、好ましくは、それぞれHebrankの米国特許第4,914,672号明細書および米国特許第4,955,728号明細書に説明されている熱的透かし見システムであり、それぞれの明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとする。熱的透かし見システム30は、取付けブラケット31と、平箱12の1つの行内の各卵2に対応する個所で前記ブラケット31内に取付けられている複数の赤外線熱的センサ37とを含む。熱的センサ37は、これらのセンサ37を通過する卵により放射された赤外線を測定するために動作する。制御器40は、センサ37における温度に対応する、センサ37からの信号を受信するために、赤外線熱的センサ37のそれぞれ操作的に接続されている。センサ37または制御器40のいずれかに接続されている手段が、通常は標準アルゴリズムおよび較正データを使用して、赤外線測定値を、対応する温度値に変換する。センサ37は、摂氏温度および華氏温度で出力信号を発生させ、さらなる変換を必要としない赤外線温度計であることもある。代替的に、温度測定は、卵の側面または無気泡端部に当接して配置されているサーミスタまたは熱電対などの接触形温度センサ(図示せず)によりまたは赤外線ビデオカメラにより行われることも可能である。
【0056】
本明細書において、「赤外線」との用語は、約2.5〜約50ミクロンの波長を有する電磁放射線(または換言すれば、約200〜約4000cm-1すなわち波数の周波数を有する電磁放射線を意味する。赤外線(IR)およびIRスペクトルに精通する者は分かるように、一般的に赤外線として特徴付けされる電磁放射線の周波数は、振動分子により放射または吸収され、このような振動は、一般に、物質の環境に対する物質の熱的状態に対応する。温度が零絶対温度を越えるすべての固体は、何らかの赤外線エネルギーを放出し、約3500K(3227゜Cすなわち5840°F)までの温度において、このような熱的放射線は、主に、電磁スペクトルの赤外線部分内に入る。このようにして、物体と、物体が放射する赤外線と間にはかなり直接的な関係が存在する。本発明では、8〜14ミクロンの範囲内の放射線の監視が、現在のところ、好ましい。
【0057】
電磁放射線に精通する者は分かるように、2.5ミクロンより小さい(通常は0.8〜2.5ミクロンまたは4000〜12500cm-1の)波長も、電磁スペクトルの「近赤外線」部分としても考えられ、振動的「上音」を表す。同様に、50ミクロンより長い(通常は50〜約1000ミクロンまたは10〜200cm-1の)波長は、電磁スペクトルの「遠赤外線」部分であると考えられ、分子回転に関連するエネルギーを表す。
【0058】
このようにして、「赤外線」との用語は、制限的ではなく説明的な意味で使用されることと、これらの特定の周波数の外部に属する、卵からの熱的放射線の測定は、本発明の範囲内にある。
【0059】
選択的に、熱的透かし見システム30は、各卵の両端における温度を検出するために配置されている熱的センサ37を含むこともある。このようにして、平箱内に上下逆位に配置されている卵の温度の正確な読取りが、行われることが可能である。制御器40は、互いに接続され互いに対向して位置する熱的センサ37の間の温度差から上下逆位の卵の存在を検出するために、そして、無気泡端部で測定された温度に従って卵を分類するために、プログラミングされなければならない。さらに、制御器40は、ディスプレイ44を介して、上下逆位の卵の存在および個所を報告するために動作することが可能である。
【0060】
好ましくは、卵は、本明細書に説明されているように、卵用平箱12内で搬送されるが、当業者に自明なように、適切な卵を識別するために透かし見ステーション8に複数の卵を経時的に提供する任意の手段が、本方法において使用されることが可能である。卵は、透かし見ステーション8の下を一度に1個通過するか、または、本明細書に説明されているように、透かし見ステーション8の構成形態は、多数の卵が、同時に透かし見ステーション8の下を通過することが可能である。
【0061】
卵の行を有する任意の平箱が、使用されることが可能であり、5つの行が、図2に概略的に示されている平箱12内に示されているが、平箱は、例えば7つの行の卵などの任意の数の行を含むことが可能であり、6つおよび7つの行が、最も普通である。互いに隣接する行内の卵は、「方形」平箱内におけるように互いに平行であることもあり、「オフセット」平箱(図示せず)内におけるように食い違いの位置関係にあることもある。適切な商業的平箱の例は、"CHICKMASTER 54"平箱、"JAMESWAY 42"平箱および"JAMESWAY 84"平箱を含む(それぞれの場合に数は、平箱により担持される卵の数を示す)が、これらに制限されない。図2および3に示されているように、平箱12は、開放底部設定平箱であり、それぞれの行が5つの卵を有する5つの行の固定配列で25の卵を担持する。
【0062】
平箱12は、コンベヤ7A上に載る。図示のように、コンベヤ7Aは、駆動チェーン13、チェーン駆動電動機14および、チェーン13の通路に隣接する案内レール22に沿って平箱を動かすチェーン駆動ドッグを含む。1つの代替的な好ましい実施例では、チェーン駆動装置およびドッグは、支持レール上に載る一対の重合体コンベヤベルトにより置換され、前記コンベヤベルトは、3/8インチ(0.9525cm)の直径であり、0.5インチ(1.27cm)のフレーム上に載る。このようなベルトは、卵注射装置、特にEMBREX INOVOJECTR卵注射装置上に見られるものであり、操作員の安全性および耐食性において他にひけをとらないので望ましい。卵用平箱は、通常、10〜20インチ(25.4〜50.8cm)毎秒の速度で動かされる。卵が平箱内に配置される際の配置は、好ましくは、卵の気泡端部が、熱的センサ37に隣接して通過しないように定められる。
【0063】
前述のように、赤外線エミッタ17、赤外線検出器27および赤外線熱的センサ37はそれぞれ、制御器40に接続されている。制御器40は、処理手段を含み、処理手段は、1)エミッタを作動および不作動するために制御信号を発生させ、2)検出器27およびセンサ37から信号を受信および処理し、3)各卵に対応するデータを処理および記憶し、4)治療ステーション50および仕分けステーション60を作動するために、制御信号を発生させる。制御器60は、好ましくは、マイクロプロセッサまたは、適切なソフトウェアを含む他の適切なプログラマブルまたは非プログラム式回路装置を有するPCを含む。制御器40は、エミッタを駆動し、検出器27およびセンサ37からの信号を受信、処理または他の方法で推定および評価するのに適する他の装置も含むこともある。適切な装置、回路装置およびソフトウェアは、前述の説明および以下の説明と、Hebrankらの米国特許第5,745,228号明細書およびHebrankの米国特許第4,955,728号明細書の開示を読むと、当業者には容易に明白になる。処理コンピュータおよび他の装置は、1つの共通のキャビネットまたは別個の複数のキャビネット内に収容されることが可能である。
【0064】
オペレータインターフェース44は、任意の適切なユーザインターフェース装置であり、好ましくは、タッチスクリーンまたはキーボードを含む。オペレータインターフェース44は、ユーザーが、制御器40から様々な情報を検索して、様々なパラメーターを設定するおよび/または制御器40をプログラム/再プログラムすることを可能にすることも可能である。オペレータインターフェース44は、例えばプリンタおよび、コンピュータネットワークへの接続装置などの他の周辺装置を含むこともある。
【0065】
図6において、卵は、前述の装置および以下の方法を使用して、推定され、分類され、仕分けされ、治療され、報告される。本方法は、熱的環境と無関係に非生存卵および特に透明卵は、これらの同一の条件下で生存卵に比してより低温であるという発見を前提とする。熱的環境および熱的履歴は、生存卵および非生存卵の双方の絶対温度に影響するので、1つの卵の個別の温度または冷却率の測定は、それだけでは、卵が生存卵か非生存卵かを決定するために十分な情報を提供しない。
【0066】
個別の卵温度が、卵の選択された群における卵閾値温度を決定するために監視および使用され、本明細書において、「閾値」との用語は、個別の卵の温度が比較される、群における相対的標準温度であって、任意の所与の卵が生存卵か非生存卵かを決定するための閾値を提供する相対的標準温度の計算を意味する。閾値温度は、少なくとも部分的に、透明卵と識別された卵の温度を評価することにより、決定される。
【0067】
いったん閾値温度が、決定されると、本発明の方法における次のステップは、各個別の卵温度と、選択された群の閾値温度との間の差を決定することにあり、次いで、各卵の、その結果の状態が、決定されることもある。分類された卵が、次いで、報告、仕分けおよび適切に治療される。
【0068】
本方法の詳細において、最初に、あるパラメーターまたは閾値が設定される(ブロック602)。これらのパラメーターは、生存卵、透明卵または腐敗卵を誤分類することに起因するコストの決定値または期待値を反映する誤差の所望のマージンを設定することもある。任意の分散を含む、検出器27に入射する光の強度のための所望の閾値が、設定される。閾値のうちのいくつかまたはすべては、オペレータにより設定されるか、または、固定閾値すなわちプリセット閾値であることもある。閾値のうちのいくつかまたはすべては、オペレータにより設定されこともあるが、測定周囲光、透明卵のための平均光レベル、または生存卵のための平均光レベルなどの他の条件を基礎として、制御器40により自動的に変更されることもある。検出器27に入射する光の強度は、それぞれの卵2の不透明度に逆比例する。すなわち、不透明度のより高い卵は、対応するエミッタ17からの光をより低い透過率で透過させ、これにより、透過率に相応して、対応する検出器27における光の強度を低減させる。閾値は、好ましくは、次のような関係の閾値Le、Lc、Lmd、Lfを含む。
【0069】
【表1】
ただし、
(1)Leより上では卵スロットは、空と見なされる。
(2)LeとLcとの間では卵は、空卵であると見なされる。
(3)LcとLmdとの間では卵は中期死亡卵と見なされる。
(4)Lfより下では卵は、受精卵または腐敗卵と見なされるが、透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵とは見なされない。
【0070】
付加的閾値も、使用されることもある。例えば、透明卵と早期死亡卵または前半期死亡卵と後半期死亡卵とを区別する閾値が設定されることもある。例えば、Lmd閾値は、Lfとしても用いられ、光点、対応する検出器27における光の強度がLmdより小さい卵は、中期死亡卵、生存卵、腐敗卵または後期死亡卵と見なされ、光の強度がLmdより大きいがLcより小さい卵は、透明卵および早期死亡卵と見なされる。
【0071】
ある温度に関連する値も、設定される(ブロック604)。例えば、卵温度のための標準偏差が、オペレータにより設定されるこもあり、または、固定すなわちプリセットされることもある。閾値温度も、透明卵または生存卵の変動の係数などの他の条件を基礎として、制御器40により自動的に変更されることもある。制御器は、生存卵および透明卵の測定温度から閾値温度を決定するためのアルゴリズムおよびルックアップテーブルを含むプログラムを備えることもある。
【0072】
卵2の平箱12は、コンベヤ7A上に置かれ、コンベヤ7Aは、光透かし見システム20に卵を搬送する。好ましくは、卵平箱12の前縁は、平箱12が固定ストップ(図示せず)へ向かって動いて当ることにより位置検出されるか、または、同様にコンピュータに接続されている光-光学装置(図示せず)が平箱の前縁を位置検出することにより位置検出される。通常、エミッタ17および検出器27の行が、その時点で平箱12の最前行と位置合せされる。平箱12は、次いで、コンベヤシステム7Aにより前方へ動かされ、一方、前記行の検出器27は、連続的に卵を操作する。制御器40に対応するソフトウェアは、行と行との間のマージンが検出器を通過して動く際に卵2と卵2との間を通過する強い光により、卵2の行の通路を定める。行の個所に対する検査として、コンピュータは、コンベヤ電動機の走行状態または停止状態も監視する。
【0073】
行毎に、コンベヤ7Aは、エミッタ17および検出器27の側を通過し、光透かし見システム20は、各卵および選択された卵の不透明度を測定し、対応する信号を発生させて制御器40に伝送する(ブロック608)。制御器40は、各卵のためのこのデータを処理、索引付けおよび格納し、これにより温度または熱的透かし見データセットを生成する。光識別器からの行検出データが、卵の位置が熱的センサの上方にわたり位置する際にコンベヤまたは信号を索引付けするのに使用され、これにより、熱的透かし見装置の精度を改善することもある。
【0074】
(光透かし見により)各卵またはある卵の不透明度を推定するステップと、(熱的透かし見により)各卵の温度を推定するステップとの終了後、制御器40は、各推定された卵のための温度プロファイルと、すべてのまたはある卵のための不透明度プロファイとを得る。制御器40は、前記データをプリセット位置と比較することにより、各卵プロファイルを評価する。1つの好ましい方法では、制御器40は、最初に、光透かし見データを使って卵を評価し、次いで、光透かし見データを考慮して、熱的透かし見データを使って卵を評価する。
【0075】
より詳細には、制御器40は、各推定された卵における光透かし見データを、光の強度閾値Le、Lc、Lmd、およびLfと比較し、比較結果に従って分類する(ブロック610)。所与の卵において、光の強度がLeを越える場合、卵は、平箱12内の空スロット(すなわち欠失)として分類される。光の強度がLeとLmdとの間にある場合、卵は、透明卵/早期死亡卵として分類される。光の強度がLmdとLfとの間にある場合、卵は、中期死亡卵として分類される。加えて、前述の好ましい光透かし見システムは、卵透明度の1次元画像の形状および強度により、中期死亡卵の齢の解明を可能にする。光の強度がLfより低い場合、卵は、受精卵または腐敗卵として分類されるが、不透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されない。
【0076】
制御器40は、次いで、光透かし見データからの卵の分類を使って、適切な閾値温度を決定し(ブロック616)、選択的に、熱的透かし見システム3024測定された温度値を補正または補償する(ブロック614)。後述のように、これは、異なる方法により達成される。
【0077】
1つの好ましい実施例(「方法A」)では、光透かし見システムにより透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されたすべての卵の温度は、この群内の温度の算術平均化により「非生存卵平均温度(ANLT)」を計算するのに使われる。ANLTに比して、(例えば5°F(2.78゜C)などの)指示量より大きい量だけより低温の任意の卵は、上下逆位と見なされる(ブロック612)。熱的検出器の第2の組が、設ける場合、各卵のそれぞれの端部における温度値の間の差は、上下逆位卵を識別および分類するのに使われることが可能である(ブロック612)。平箱内に非生存卵が僅かしか存在しないかまたは全く存在しない場合、上下逆位卵は、平箱上のすべての非透明非中期死亡卵の平均値に比して、例えば7度などの指示温度量より大きい量だけより低温であると識別される。代替的に、上下逆位卵が、卵測定最高温度に比して、例えば5度などの指示温度量より大きい量だけより高い測定温度を有する卵として識別されることもある。
【0078】
ANLTより高温である残りの卵(すなわち、透明卵、早期死亡卵、中期死亡卵または上下逆位卵として分類されなかった卵)は、これらの卵の測定温度の平均および標準偏差を計算することにより、「生存卵平均温度(ALT)」および「生存卵標準偏(LESD)」を計算するために使われる。非生存卵から生存卵を区別するために使われる「閾値温度(TT)」は、好ましくは、通常、ANLTとANLTとの間の中間に設定される。しかし、LESDが所定値より大きい場合、閾値温度(TT)は、生存卵が廃棄される可能性を低めるために、ANLTにより近い値に設定される。平箱が、非常に僅かな数の透明卵または中期死亡卵を有するかまたはこれらをまったく有しない場合、閾値温度は、ALTから温度増分を減算することにより、設定される。この増分は、プリセット値であるかまたは前の平箱からのデータを基礎としている。閾値温度(TT)は、次式により計算される。
TT=k*(ALT-ANLT)+ANLT
ただし、kは、好ましくは、0.1と0.5との間に設定される。所定値におけるまたはより近いLESDにおいて、kは、好ましくは、0.5に設定される。所定値より大きいLESDにおいて、kは、低められなければならない。オペレータは、kの値を入力するかまたはkは、自動的に、LESDの関数としてkを与えるルックアップテーブルから自動的に設定される。LESD所定値は、オペレータにより設定されるか、または、自動的に設定される。
【0079】
好ましくは、卵温度は、分類精度を改善するために、平箱内の卵の位置に関して補正または補償される(ブロック614)。例えば、低温であり動いている空気を有する孵化場の廊下内では、平箱の外側行上の卵は、平箱の中央の近傍に位置する卵より急速に冷却され、より低温になる。個別の卵温度は、卵補正温度を決定するために、好ましくは後述の方法で補正される。卵補正温度または補償温度は、ALT、ANLTおよび閾値温度(TT)を計算するために、卵測定温度の代りに使われる。卵補正温度は、非生存卵から生存卵を区別するために、閾値温度と比較するために卵測定温度のの代りに使われることもある。上下逆位卵が識別され、これにより、前記上下逆位卵を補正プロシージャーから取除くために、ANLTは、好ましくは、無補正の測定温度を使って計算され、前記無補正温度は上下逆位卵を識別するために、ANLTと比較される。
【0080】
いくつかの好ましい実施例では、温度補正は、光透かし見により透明卵であると決定されなかった卵のみを使って、行われる。より詳細には温度補正または温度補償は、「概然的生存卵および腐敗卵(PLR)」、すなわち光透かし見が、不透明卵、早期死亡卵、空卵または中期死亡卵ではないと決定した卵であって、(無補正の測定温度を使って)熱的透かし見が、上下逆位ではないと決定した卵のみを使って行われる。
【0081】
温度補正または温度補償は、熱的環境内の変動により惹起された、(例えば非透明卵またはPLRなどの)選択された卵のうちの卵の平箱の横断面にわたる温度傾向を確立することと、次いで、この傾向(以下において「予測温度」と称せられる)に関してすべての卵を正常化することとにより、達成される。これらの予測温度は、温度傾向地図(TTM)を形成する。予測温度は、二次元二次最小2乗適合式により表現されることが可能である。
TPredicted (i,j)=(cl*j2)+(c3*j2)+(c4*j)+c5
ただし、TPredicted (i,j)は、例えば行iおよび交差列jなどの位置iおよびjに位置される卵における予測温度であり、
c1〜c5は、各選択卵における予測温度と測定温度との間の差の二乗の和を最小化することにより計算された定数である。
【0082】
予測温度を計算した後、各卵における「補正温度(または補償温度)」は、卵の予測温度が平箱平均温度を上回る温度差を、卵の測定温度から減算することにより、計算される。すなわち、
TCorrected(i,j)=TMeasured(i,j)-[TPredicted(i,j)-TAverage for the flat]
ただし、TAverage for the flatは予測温度式の計算で用いられた、すべてのRAの温度の単純平均値である。
【0083】
非均一の熱的環境のための温度補正または温度補償は、通常、生存卵と非生存卵との間の温度差が、補正に影響することを許容されない場合にはより正確である。通常、平箱上の卵の70%〜90%が生存卵であり、5%〜25%が透明卵および早期死亡卵であり、5%未満g、例えば上下逆位卵などの)誤位置卵、中期死亡卵および腐敗卵である。予測温度の計算から誤位置卵、透明卵および早期死亡卵を取除くことにより、生存卵/死亡卵の温度変動の大部分は、予測温度から取除かれる。換言すれば、計算から非生存卵の大部分を取除くことにより、予測温度は、より正確になり、平箱の領域内の予測温度を歪めることもある非生存卵の群分けにより、より低い程度にしか影響されない。(生存卵または非生存卵である)すべての卵における個別の卵補正温度が、前述の方法で生存卵平均温度(ALT)および非生存卵平均温度(ANLT)を計算するために、卵測定温度の代りに用いられる。従って、算出閾値温度(TT)は、平箱のすべての卵に適用される補正プロシージャーを反映する。
【0084】
個所に応じて卵温度を補正または補償した後、閾値温度が計算されることが可能であり、生存卵対非生存卵としての卵の分類が、個別の卵補正温度を閾値温度と比較することにより、行われることが可能である(ブロック618)。閾値温度に等しいかまたは閾値温度を越える温度を有する卵は、生存卵として分類され、他のすべての卵は、非生存卵として分類される。LESDが、卵温度の補正が正確であることを確認するために参照されることもある。
【0085】
代替的に、図12において、卵は、平箱上の卵のうちの空間的温度傾向を確立することも含む次のプロシージャー(「方法B」)により分類されることもある。ブロック702〜724は、ブロック614、616または618が、ブロック715、717および719により置換される以外、ブロック602〜624に対応する。測定温度(TMeasured(i,j))は、熱的透かし見により各卵に対して得られる。透明卵は、前述の方法で、光透かし見データを用いて識別され、上下逆位卵は、前述の方法で、熱的透かし見データを用いて識別される。光透かし見データも、測距死亡卵、空卵および/または中期死亡卵を識別するために用いられることもある。早期死亡卵および/または中期死亡卵が、十分な信頼性で光透かし見により識別される場合、前記卵は、プロシージャーの残りの部分において、透明卵と同一の方法で治療され、「透明卵」との用語の使用は、このような卵を含むと理解されたい。
【0086】
制御器は、上下逆位卵または空卵ではない各卵における調整温度(Tadj(i,j))を含んで成る調整温度データセット(ATDS)を生成し(ブロック715)、この場合、
1.透明卵として識別された卵(そして、識別された場合、早期死亡卵および中期死亡卵)において、
(Tadj(i,j))= TMeasured(i,j)+X度
ただし、Xは、定数または算出値である。Xが定数の場合、好ましくは、約2°Fである。Xが、同一の条件下で(すなわち同一のミクロ環境内で)生存卵と透明卵との間の期待温度差を表す。
【0087】
2.空卵および上下逆位卵の温度が、前記卵が平箱内の空スロット(すなわち欠失卵)であるかのように除外される。
【0088】
3.残りの卵において、
(Tadj(i,j))= TMeasured(i,j)
【0089】
任意の早期死亡卵および/または中期死亡卵が、光透かし見データを用いて、前記卵であると識別されない場合、前記卵は、省略時解釈により設定される残りの卵内に含まれる。
【0090】
次いで、温度傾向地図(TTM)が、ATDSを用いて平箱のために生成される。好ましくは、TTMは、予測温度(TPredicted (i,j))が、各卵個所に対して決定されるのに用いられる1つの式または式群として表現される(ブロック717)。より好ましくは、TTMは、二次元二次最小自乗適合を用いて、次のように生成される。
TPredicted (i,j)=(c1*i2)+(c2*i)+(c3+j2)+(c4+j)+c5
ただし、c1〜c5は、各選択卵における予測温度と調整温度との間の差の二乗の和を最小化することにより、計算される定数である。
【0091】
TPredicted (i,j)は、卵の温度が前記傾向に追従する場合、(例えば行iおよび交差列jなどの)位置iおよびjに位置する卵の期待温度を表す。
【0092】
各卵の測定温度(TMeasured(i,j))は、次いで、その個所における卵における予測温度と比較される(ブロック719)。通常、所与の平箱内の卵の大部分(例えば70〜90%)は、生存卵であり、この場合、TPredicted (i,j)は、生存卵の期待温度の比較的近傍にある。しかし、TTMが、いくつかの非生存非透明卵の存在を反映することもあるので、所与の個所における生存卵のTMeasured(i,j)は、温度傾向分析を考慮して、同一の個所における生存卵の期待TMeasured(i,j)よりいくらか低いことが期待される。二次適合が、正確な温度分布に追従しないこともあるので、誤差が、生存卵予測温度が生存卵温度の上下に変動することを惹起することもある。特に、(例えば光透かし見により識別された透明卵および任意の他の非生存卵などの)非生存卵の大部分の温度は、TTMを生成するのに用いられるように調整され、平箱内の、光透かし見により識別された透明卵または他の非生存卵の存在が、生存卵の期待TMeasured(i,j)からTPredicted (i,j)を遠ざけるようにTPredicted (i,j)を歪める傾向が、最小化される。
【0093】
前述の観察を考慮して、卵は次のように評価されることが可能である。
1. TMeasured(i,j)≧TPredicted (i,j)の場合、卵は生存卵として分類される。
2. TMeasured(i,j)<TPredicted (i,j)-Y度の場合、卵は非生存卵として分類される。
【0094】
ただしYは、h生存非透明卵の存在(すなわち、ATDS内の非生存卵温度の存在)に起因して、TMeasured(i,j)とTPredicted (i,j)との間の期待分散に対処するように選択された定数である。Yも、死亡卵または腐敗卵を保留する(そして治療する)ことに抗する所望のバイアスに対して平衡されている、生存卵を廃棄することに抗する所望のバイアスを反映するように選択されている。
【0095】
光透かし見を用いて早期に透明卵と識別された卵は、TTMを用いて分類されない。
【0096】
TTMを用いての前述の方法(方法B)は、変更されることが可能である(以下、変更された方法は「方法C」と称せられる)。ATDSを生成する際に透明卵にX度を加算するのではなく、透明卵の温度は、空卵および上下逆位卵の温度と同一の方法でATDSから除外されることも可能である。
【0097】
前述の方法Bおよび方法Cは、分類決定から透明卵および他の非生存卵の温度を効率的に取除き、これにより、方法Aに関連して前述の精度の改善および他の長所を提供する。加えて、TTM(すなわち予測温度)を用いることにより、本方法は、平箱内の相対的個所(すなわち異なるミクロ環境)に関して卵の温度を補償または補正する。
【0098】
温度傾向が決定され、温度傾向地図が、光透かし見を用いることなしに、異なるミクロ環境に関して卵測定温度を補正または補償するために生成されることも可能である。例えば、前述の方法A、BおよびCのそれぞれは、変更されることが可能であり、その変更は、透明卵(または、光透かし見により識別されることが可能である他の非生存卵)の識別が、必要とされないように定められることが可能である。
【0099】
方法Bは、変更されることが可能であり(以下、変更れた方法は「方法D」と称せられる)、その変更は、TTMが、すべての卵(または、より好ましくは、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵)を用いて生成されるように定められることが可能である。換言すれば、方法Dにおいて、方法Bは、変更されることが可能であり、その変更は、すべての非上下逆位卵における、割当てられたTadj(i,j)が、TMeasured(i,j)に等しいように定められることが可能である。
【0100】
同様に、卵測定温度は、方法Aに関連して説明されたようにミクロ環境内での差に関して補正または補償されることが可能であるが、この場合の例外点は、温度補正が、不透明卵のみまたは概然的生存卵および腐敗卵(PLR)ではなく、すべての卵の(または、より好ましくは、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵)の測定温度を用いて行われることにある(以下、この変更された方法は、「方法E」と称せられる)。各卵の卵補正温度は、次いで、Hebrankの米国特許第4,914,672号明細書に記載の様々な方法または他の適切な方法のうちの一つを用いて、卵が生存卵かまたは非生存卵かを決定するために評価されることもある。例えば、測定温度ではなく、個別の卵補正温度が、閾値温度と比較されて、生存卵および非生存卵として卵を分類する。
【0101】
卵温度を補正または補償する前述の方法のそれぞれは、卵の平箱全体を評価することにより、または、所与の平箱の別個のセグメントすなわち部分を独立的に評価することにより、達成されることもある。例えば、7×24個の卵の平箱は、2つの7×12のセグメントとして評価されこともあり、この場合、卵を評価および分類する選択された方法は、あたかも各セグメントが1つの別個の平箱であるかのように、各セグメントに対して行われる。 前述の方法を用いて、平箱内の卵2のそれぞれは、生存卵または非生存卵として分類される。非生存卵は、さらに、光透かし見データを用いて、「透明卵または早期死亡卵」対「(透かし見の日付に依存して)中期死亡卵または後期死亡卵または腐敗卵」対「欠失卵」対「空卵」として分類されることもある。
【0102】
卵が、生存卵、透明卵、空卵、欠失卵、早期死亡卵、中期死亡卵、後期死亡卵または腐敗卵と識別された後、結果が、卵の群または群れにおける累積的統計と一緒に、(例えばパーソナルコンピュータモニターのスクリーンなどの)ディスプレイ42上にグラフィカルに表示される(ブロック620)。このような累積的統計は、分類データを用いて制御器により収集、計算および/または推定されることが可能である。累積的統計は、各群において、群れまたは平箱、受精卵のパーセンテージ、早期死亡卵のパーセンテージ、中期死亡卵のパーセンテージ、中期死亡卵のパーセンテージ、上下逆位卵のパーセンテージおよび腐敗卵のパーセンテージを含むこともある。これらの統計は、孵化場およびインキュベーター運営を監視および評価するのに有用である。
【0103】
平箱は、次いで、コンベヤ7B上に置かれ、コンベヤ7Bは、分類された卵の平箱を搬送して、仕分けステーション60を通過させる。仕分けステーション60は、物理的に、平箱12から透明卵および早期死亡卵を取除き、前記卵を制御器に案内する(ブロック622)。透明卵および早期死亡卵は、ブロイラーを孵化以外の目的のために使用されることもある。例えば、透明卵および早期死亡卵は、シャンプーおよびドッグフードの生産に使用されることもあり、腐敗卵により汚染されていないとより望ましい。仕分けステーション60は、空卵、腐敗卵、中期死亡卵および後期死亡卵も取除き、前記卵を1つの別個の収集器に案内する。
【0104】
仕分けステーション60は、Keromnesらの米国特許第4,681,063号明細書および米国特許第5,017,003号明細書に開示されている吸込形持上げ装置を採用することもあり、前記明細書全体は、引用する本願明細書の一部を成すものとする。卵を取除くための任意の他の適切な手段も、使用されることが可能であり、このような装置は、当業者には知られている。
【0105】
仕分けステーションは、好ましくは、自動的かつロボット的に動作する。代替的に、選択された卵は、ディスプレイ42上で識別され、選択的に、マークされ、手作業により取除かれる。仕分けステーション60は、治療ステーション50の下流に設けられ、この場合、非生存卵は、治療ステーションを通過するが、接種されない。
【0106】
仕分けステーション60の後に、平箱12は、コンベヤ7C上に置かれ、コンベヤ7Cは、平箱を搬送して、治療ステーションを通過させる(ブロック624)。平箱は、この時点で、取除かれなかったすべての卵、すなわち、生存卵と分類された卵を保留する。卵は、好ましくは、平箱内で前記卵の元の固定された配列位置に維持される。治療ステーション50は、任意の所望の適切な方法で、残りのランを治療することが可能である特に、治療ステーション50は、残りの「生存」卵に治療物質を注射することが考えられている。
【0107】
本明細書において、「治療物質」は、所望の結果を達成するために、卵内に注射される物質を指す。治療物質は、ワクチン、抗生物質、ビタミン、ウイルス、および免疫修飾物質を含むが、これらに制限されない。孵化された鳥における鳥類疾病の発生を抑圧するために卵内で使用されるように設計されたワクチンが、市販されている。通常、治療物質は、流体媒体内で分散され、例えば流体または懸濁液であるか、または、流体内に溶解された固体であるか、または、流体内に分散または懸濁されている微粒子物質である。
【0108】
本明細書において、「針」または「注射針」との用語は、卵の内部に治療物質を送達するために、卵内に挿入されるように設計されている器具を指す。多数の適切な針設計が、当業者に自明である。「注射ツール」との用語は、本明細書において、鳥類卵の殻を穿孔することと、卵内に治療物質を注射することとの双方のために設計された装置を表す。注射ツールは、卵殻内に穴を形成するためのパンチと、卵内に治療物質を注射するために、パンチにより形成された穴を貫通して挿入される注射針とを含んで成る。様々な設計の注射針、パンチ、および注射針が、当業者に自明である。
【0109】
本明細書において、「卵内注射」は、孵化前に卵内に物質を入れることを指す。物質は、卵の(例えば卵黄嚢、羊膜、尿膜などの)胎児外分画内に入れられるか、または、胎児自身内に入れられることもある。注射が達成された部位は、当業者に自明なように、注射された物質および所望の結果に依存して異なる。
【0110】
図7は、概略的に、治療ステーション50を示し、治療ステーション50は、本発明の選択的注射法を実施するのに使用されることが可能である。治療ステーション50は、適切であると識別された卵内に注射される治療物質を保持するための少なくとも1つの貯蔵容器57を含んで成る。コンベヤ7Cの一部を形成するコンベヤベルト53は、卵2の平箱12を動かすように形成されている。コンベヤに沿っての卵の走行方向は、図7において矢印により示されている。
【0111】
卵の平箱12が、治療ステーション50を通過して搬送されると、制御器40は、選択的に、注射信号を発生させて、治療ステーション50に伝送し、これにより、制御器により生存卵またはそうでないにせよ注射に適する卵と分類された卵に注射する。本明細書において、「注射信号の選択的発生(または選択的注射信号の発生」は、分類器により注射に適すると識別された卵のみの注射を惹起する信号の、制御器による発生を指す。当業者に自明なように、選択的注射信号の発生は、適切な卵の注射を惹起する信号を発生すること、または、適切でない卵の注射を阻止する信号を発生させることを含む、様々なアプローチにより達成されることが可能である。
【0112】
本明細書で説明される方法での使用のための1つの好ましい注射器INOVOJECTR自動化注射装置(Embrex, Inc., Research Triangel Park, North Carolina)。しかし、本明細書に記載のように、制御器40に操作的に接続されることが可能である任意の卵内注射装置が、本方法での使用に適する。適切な注射装置は、好ましくは、商業的卵搬送装置すなわち平箱と組合せて動作するように設計され、このような卵搬送装置の例は、本明細書で前述されている。
【0113】
好ましくは、注射器は、操作の速度を増加させるために、複数の注射針を含んで成る。注射器は、複数の卵に注射するために、同時にまたは順次に動作する複数の注射針を含んで成るか、または、複数の卵に注射するために使用される単一注射針を含んで成ることもある。
【0114】
図8に示されているように、治療ステーション50は、注射針(図示せず)が内部に配置されている注射ヘッド54を含んで成ることもある。注射ヘッドまたは注射針は、卵に注射するために動くことが可能である。各注射針は、注射される治療物質を含む貯蔵容器57と流体的に接続されている。単一の鋳造機が、注射ヘッド内のすべての注射針に供給することもあり、または、多数の貯蔵容器が利用されることもある。例示的な注射ヘッドが、図8に示され、この場合、コンベヤベルト53は、卵用平箱12を注射ヘッド54と位置合せした。各注射針(図示せず)は、卵の外側に当接して静止するように設計されている案内管59内に収容されている。各注射針は、流体ポンプ55と操作的に接続されている。各流体ポンプは、管57Aと流体的に接続され、管57Aは、治療物質を収容する貯蔵容器57と流体的に接続されている。適切な注射装置は、Hebrankの米国特許第4,681,063号明細書、Hebrankの米国特許第4,903,635号明細書、Paulの米国特許第5,136,979号明細書およびPaulの米国特許第5,176,101号明細書に説明されている。
【0115】
好ましくは、注射に適する卵は、分類ステップ、仕分けステップおよび治療ステップ全体にわたり、同一の平箱内の同一の分画内に位置し、このようにして、卵は、透かし見ステーション8から注射器へ通過する間にわたり、他の卵に対する相対的位置を変化させることを阻止される。好ましくは、注射ヘッド54の各針は、卵用平箱の1つの分画と位置合せされている(すなわち、前記平箱内に収容されている卵と位置合せされている)。
【0116】
適切であると識別された卵のみに治療物質を選択的に送達することは、当業者に自明である様々な手段のうちの任意のものにより達成されることが可能である。例は、個別に制御される流体ポンプ例えばソレノイド作動式ポンプ、または、貯蔵容器から対応する流体ポンプへの治療物質の流れを制御する個別の弁を含むが、これらに制限されない。代替的に、治療物質の選択的送達は、注射針または卵殻パンチを個別に制御することにより達成され、このようにして、パンチおよび/または針は、適切でないと識別された卵内に入らない。1つのさらなる代替として、卵は、針の個所、またはそうでないにせよ、たんにワクチン分配システムに対応するために、平箱内で再配置される(例えば、すべての卵が、平箱の一端に再配置される)こともある。
【0117】
治療ステーション50の設計は、卵が、中断されない流れで通過するように定められていることも可能である。卵が、注射されるために停止しなければならない場合、2つ以上の注射ヘッドを含んで成る装置の使用が、全体的操作の速度を増加させるために、望ましいことは当業者に自明である。
【0118】
搬送システム7は、コンベヤ7A、7B、7Cの独立的な運動を可能にし、このようにして、コンベヤ7A上に置かれた物品は、後続のコンベヤ7Bおよび7Cに自動的に到達する。コンベヤ7Aは、連続的な流れで透かし見システム8の下方を卵を通過させ、一方、下流のコンベヤ7Cは、注射ヘッド54と位置合せされている位置に卵用平箱を動かし、卵が注射される間にわたり停止する。コンベヤ7A、7B、および7Cの運動は、プログラム化またはコンピュータ化制御手段により案内されるか、または、オペレータにより手作業で制御されることもある。1つの好ましい実施例では、コンベヤベルト53は、フレーム56により制御され、フレーム56は、卵用平箱が容易に積込まれる高さに搬送手段を持上げる。
【0119】
当業者は分かるように、多数のコンベヤ設計が、本発明での使用に適する。コンベヤ7A、7B、7Cは、卵用平箱を受取り保持するように設計されているガイドレールか、または、卵用平箱を置くことが可能であるコンベヤベルトの形であることもある。コンベヤベルトまたはガイドレールは、搬送路に沿って複数の卵用平箱を均等に間隔を置いて配置するように作用するストップまたはガイドを含むこともある。
【0120】
本発明は、以下、次の非制限的な例を用いてより詳細に説明される。
【0121】
例1
七面鳥の卵の10行×5列(10×5)の配列の各卵が、熱的透かし見および光透かし見された。各卵は、次いで、割り開かれ、実際に生存卵(L)または非生存卵(NL)と確実に識別するために検査またはそうでないにせよ評価された。下記の表1は、卵のそれぞれの位置(i、j)と一緒に、卵の測定温度を列記する。図9は、無補正の測定温度の分布をグラフィカルに示す柱状図である。
【0122】
測定温度は、すべての卵の平均温度を計算することと、平均温度に比して少なくとも5°F(2.78℃)だけ低い温度を有する卵を、空卵または上下逆位として分類することとにより、上下逆位卵および空卵を識別するのに使用された。卵温度は、方法Eに関連して前述された補正法を使用して、配列内の個所に関して補正または補償された、すなわち、空卵または上下逆位卵として分類された卵以外のすべての卵が、計算で使用された。すなわち、現時点での判断としての透明卵、早期死亡卵および中期死亡卵の温度が、補正計算で使用された。光透かし見を利用せずに、この方法で補正された温度が、表1に列挙され、図1にグラフィカルに示されている。
【0123】
卵測定温度も、前述の方法Aにより、すなわち、光透かし見データを用いて、補正または補償された。卵は、光透かし見を用いて、透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵(これらは「C」と総称される)または、代替的に、暗卵(「D」)として分類された。測定温度が、次いで、前述の方法で空卵、上下逆位卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されなかった卵のみを用いて、補正された。表1は、光透かし見データを用いて補正された温度を列記する。図11は、これらの温度の分布をグラフィカルに示す。
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
図9と図10とを比較して、測定温度の補正または補償が、非生存卵から生存卵を区別するのに使用される、実際の生存卵の温度と実際の非生存卵の温度との重なりを低減させることが分かる。図10と図11とを比較して、光データを用いて測定温度を補正することは、光透かし見なしの補正に比して、非生存卵から生存卵を区別するのに使用される、実際の生存卵の温度と実際の非生存卵の温度との重なりを低減させることが分かる。
【0127】
このようにして、温度補正の精度と、計算プロシージャーから透明卵および早期死亡卵を取除くことの利点とが、無補正の結果、空卵および上下逆位卵以外のすべての卵を基礎としての補正の結果、および、予測温度および平均温度の計算で透明卵および早期死亡卵を用いない補正の結果を互いに比較する、図9、10および11の温度柱状図により示された。容易に分かるように、前記補正プロシージャーにより、生存卵/死亡卵の分類は、より明瞭に、そして、より詳細になり、計算から透明卵を取除くことは、分類精度を大幅に改善する。
【0128】
例2
下記の表2に記載の情報を用いて、卵は、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵を用いて、各卵の予測温度を含むTTMを生成するために、前述の方法Bを用いても、評価された。加えて、透明卵と識別された卵の温度は、Xのために2.0°F(1.111℃)の一定値を用いて、調整された。各卵において計算された予測温度が、表2内に列記されている。予測温度は、次いで、卵を生存卵および非生存卵として分類するために、対応する測定温度と比較された。定数Yは、1.0°F(0.556℃)に選択された。その結果の、対応する卵分類も、表2に列記されている。決定された分類と50の卵の実際の状態を比較すると、いかなる生存卵も非生存卵として分類されず、いかなる非生存卵も、生存卵として分類されなかったことが分かる。
【0129】
光透かし見センサおよび熱的透かし見センサの使用も、欠陥のあるまたは汚れた熱的センサまたは光センサの識別を容易化する。
【0130】
ある好ましい光透かし見システムおよび熱的透かし見システムが、本明細書において説明されたが、卵の不透明度および温度を推定するための任意の適切な手段が、使用されることが可能であることが分かる。すべてのこのような手段は、本発明内に含まれることとし、透かし見を用いる手段および方法は、本発明による卵の不透明度および温度を推定するための好ましい手段および方法であるにすぎない。
【0131】
前述の説明は、本発明を例示的に説明したものであり、本発明を制限するものではないとする。本発明のいくつかの例示的な実施例が、説明されたが、当業者は容易に分かるように、多数の変更が、本発明の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなしに、前記例示的実施例において可能である。従って、すべてのこのような変更は、請求の範囲内に定義されている本発明の範囲内に含まれることとする。請求の範囲において、手段プラス機能項は、記載の機能を行うと本明細書において説明された構造および構造的等価物だけでなく等価的構造もカバーするものとする。従って、前述の説明は、本発明を例示的に説明するものであり、開示された特定の実施例に制限されると解釈されてはならず、開示された実施例および他の実施例に対する変更は、添付の請求の範囲内に含まれるものとする。本発明は、次の請求の範囲により定義され、請求の範囲の等価物は、請求の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 家禽卵を選択的に分類し、仕分けし治療するための本発明による装置の概念図である。
【図2】 図1の装置の透かし見ステーション内の卵の平箱の上面図である。
【図3】 図2の3-3切断線に沿って切断して示す側面立面図である。
【図4】 図2の4-4切断線に沿って切断して示す端面立面図である。
【図5】 図1の装置の光源取付けブロックおよび光検出器取付けブロックの詳細図である。
【図6】 家禽卵を選択的に分類、仕分けおよび治療するための本発明の方法を示すフローチャートである。
【図7】 図1の装置の一部を形成する治療ステーションの側面立面図である。
【図8】 図7の治療ステーションの注射ヘッドの拡大図である。
【図9】 卵の1つの例示的な配列の測定温度の分布の柱状図である。
【図10】 温度が、光透かし見データを使用することなしに補正されたところの図9の前記配列の卵の補正温度の分布の柱状図である。
【図11】 温度が、光透かし見データを使用して補正されたところの図9の前記配列の卵の補正温度の分布の柱状図である。
【図12】 家禽卵を選択的に分類、仕分けおよび治療するための本発明の1つのさらなる方法を示すフローチャートである。
発明の分野
本発明は、家禽卵を評価および治療するための方法および装置に関し、詳細には、卵の状態を決定し、このような決定に従って卵を扱いおよび治療するために、家禽卵を非侵襲的に透かし見るための方法および装置に関する。
【0002】
発明の背景
いくつかの観察可能な品質を基礎として家禽卵を区別することは、家禽工業において良く知られ長い間使用されている作業である。「透かし見」は、このような技法のための共通の名称であり、この用語の語源は、蝋燭からの光を使用して卵を検査する元来の作業に由来する。家禽卵に精通している者に知られているように、卵殻は、大部分の照明条件下では不透明に見えるにもかかわらず、卵殻は、実際にはある程度透明であり、直接光の前に置かれると、卵の中身が観察されることが可能である。
【0003】
大部分の場合、卵、特に人間の食用の「食卓用卵」を検査する目的は、有意の量の血液が存在する卵を識別し、次いで分離することにあり、このような卵自身は、時折、「血液」または「血液卵」と呼ばれる。これらの卵は、消費者の観点から望ましくなく、従って、任意の群の卵からこのような卵を除去することが、経済的に望ましい。
【0004】
Hebrankの米国特許第4,955,728号明細書および米国特許第4,914,672号明細書は、無精卵から生存卵を区別するために、赤外線検出器と、卵から放射される赤外線とを使用する透かし見装置を説明する。
【0005】
van Asseltらの米国特許第4,671,652号明細書が開示する透かし見装置では、複数の光源および対応する光検出器が、配列されて取付けられ、卵は、光源と光検出器との間の平箱上を通過する。
【0006】
多くの例において、孵化の前に、生存卵内に卵内注射を介して物質を導入することが望ましい。鳥類卵内への様々な物質の注射は、孵化後死亡率を低減するために、または、孵化された鳥の成長率を高めるために、商業的家禽工業において採用されている。同様に、生存卵内へのウイルスの注射が、ワクチンでの使用のためのウイルスを繁殖させるために利用されている。卵内注射のために利用または提案されている物質の例は、ワクチン、抗生物質およびビタミンを含む。卵内注射の卵内治療物質および方法の例は、Sharmaらの米国特許第4,458,630号明細書およびFredericksenら米国特許第5,028,421号明細書に説明され、これらの明細書の内容全体は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。注射治療の部位および時間の選択も、注射物質の効率および注射卵または治療胎児の死亡率に影響する。例えばSharmaらの米国特許第4,458,630号明細書、Hebrankの米国特許第5,158,038号明細書およびSheeksらの米国特許第5,158,038号明細書参照。本明細書で引用された米国特許明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとする。
【0007】
物質の卵内注射は、通常、(例えばパンチまたはドリルを使用して)卵殻を貫通する穴を形成するために卵殻を穿刺し、前記穴を通過させて卵の内部内に(そしていくつかの場合には卵内の鳥類胎児内に)注射針を延ばし、針を経て治療物質を注射することにより、行われる。鳥類卵の大端部を経て注射するために設計されている注射装置の1つの例が、Hebrankの米国特許第4,681,063号明細書に開示され、この装置は、相対的位置が固定される状態で卵および注射針を位置決めし、複数の卵の高速自動化注射のために設計されている。代替的に、Sarmaらの米国特許第4,458,630号明細書は、底部(小端部)注射装置を説明する。
【0008】
商業的家禽生産において、商業的ブロイラー卵の約60%〜90%しか、孵化しない。孵化しない卵は、(腐敗卵を含む)受精されなかった卵および(しばしば早期死亡、中期死亡、腐敗、および後半期死亡に分類される)死亡した受精卵を含む。無精卵は、平箱内にセットされたすべての卵の約5%〜約25%を含んで成ることもある。商業的家禽生産において遭遇する死亡卵および無精卵の数に起因して、治療物質を卵内に注射するための自動化された方法と、複数の卵のうちから、注射に適する卵を識別し、適すると識別された卵のみに選択的に注射するための自動化された方法との使用を増加することが、望ましい。
【0009】
Coadyらの米国特許第3,616,262号明細書は、透かし見ステーションおよび接種ステーションを含む卵搬送装置を開示する。透かし見ステーションにおいて、光が投射されて卵を透過し、人間すなわち操作員により推定され、操作員は、生育不可能と考えられるいかなる卵もマーキングする。生育不可能卵は、手作業で取除かれ、次いで、卵は、接種ステーションへ搬送される。
【0010】
発明の概要
本発明の実施例では、家禽卵を分類するための方法は、それぞれの卵がそれぞれ1つの物理的な卵個所を有する複数の卵を提供することと、卵の不透明度を測定することと、卵の温度を測定されることと、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、卵の不透明度を使用して複数の卵のうちの透明卵を識別することと、透明卵の識別を使用して複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、空間的温度傾向を使用して複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む。
【0011】
好ましくは、空間的温度傾向を決定するステップは、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製することを含む。生存卵を識別するステップは、測定温度と予測温度とを比較することを含むこともある。
【0012】
分類ステップは、透明卵の識別を使用して、相対的な卵個所における卵温度を補正することと、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含むこともある。生存卵を識別するステップは、閾値温度を決定することと、卵補正温度と閾値温度とを比較することと、閾値温度より高い卵補正温度を有する卵を生存卵として識別することとを含むこともある。
【0013】
本方法は、上下逆位卵を識別することと、温度傾向を決定する際に上下逆位卵の温度を除外することを含むこともある。
【0014】
本発明のさらなる実施例では、家禽卵を分類するための方法は、卵の不透明度を測定することと、卵の温度を測定することと、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、卵の不透明度を使用して、複数の卵のうちの透明卵を識別することと、卵の温度を使用して、複数の卵の生存卵を識別することとを含む。生存卵を識別するステップは、透明卵の識別により容易化される。
【0015】
分類ステップは、卵の残りの群を識別し、残りの群は透明卵を含まないことと、透明卵の温度を使用せず、残りの群の卵の温度を使用して、残りの群内の生存卵を識別することとを含む。本方法は、さらに、少なくとも1つの別のクラスの非生存卵、好ましくは早期死亡卵を識別することを含むこともある。卵は、生存卵の群、透明卵の群、および非生存卵および非透明卵の群を含む少なくとも3つの群に物理的に分離されることもある。
【0016】
本発明の別の実施例では、各卵が不透明度および温度を有する複数の卵を分類するための装置が、卵の不透明度を検出するための手段と、卵の温度を検出するための手段と、卵の不透明度および温度を使用して、卵を分類するための手段とを含む。分類手段は、卵の不透明度を使用して、複数の卵のうちの透明卵を識別し、卵の温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別する。生存卵の識別は、透明卵の識別により容易化される。
【0017】
分類手段は、透明卵の識別を使用して、相対的な卵個所における卵温度を補正し、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することもある。分類手段は、残りの群が透明卵を含まないところの残りの群の卵を識別し、透明卵の温度を使用せず、残りの群の卵の温度を使用して、残りの群内の生存卵を識別することもある。分類手段は、少なくとも1つの別のクラスの非生存卵、好ましくは死亡卵を識別することもある。本装置は、治療物質を生存卵に注射するために動作する注射器を含むこともある。
【0018】
好ましくは、卵の不透明度を検出するための手段は、卵の不透明度を検出し、卵不透明度に相応する不透明度信号を発生させる光透かし見システムを含み、卵の温度を検出する手段は、卵の温度を検出し、卵温度に相応する温度信号を発生させる熱的透かし見システムを含み、卵を分類するための手段は、不透明度信号および温度信号を受信し、卵の不透明度および温度の関数として卵を分類する制御器を含み、前記制御器は、卵分類を基礎として制御信号を選択的に発生させるために動作する。光透かし見システムは、赤外線放射器および赤外線検出器を含んで成り、熱的透かし見システムは、赤外線センサを含んで成ることもある。
【0019】
本発明のさらなる実施例では、家禽卵を分類する方法は、それぞれの1つの物理的な卵個所を有する複数の卵を供給することと、卵の温度を測定することと、卵の温度の関数として卵を分類することとを含む。分類ステップは、複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、空間的温度傾向を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む。
【0020】
空間的温度傾向を決定するステップは、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製することを含む。分類ステップは、相対的な卵個所における卵温度を補正することと、卵補正温度を使用して、複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含むこともある。
【0021】
本発明の目的は、図および以下の好ましい実施例の詳細な説明を読むことにより、当業者に明白となる。
【0022】
好ましい実施例の詳細な説明
本発明は、以下、本発明の好ましい実施例が示されている添付図面を参照して、より詳細に説明される。本発明は、しかし、多数の異なる形で実施されることが可能であり、本明細書に記載の実施例に制限されると見なされるべきでなく、これらの実施例が提供される目的は、この開示が、完璧で完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えることにある。本明細書全体において、同一の参照番号は、同一の要素を示す。
【0023】
本発明は、鶏、七面鳥、鴨、ガチョウ、ウズラ、およびキジを含む任意のタイプの鳥類卵において実施されることが可能である。鶏卵は、特に好ましい。
【0024】
通常、卵は、正確にまたはおおよそ18日令に接種される。このような時点で、卵は、いくつかの普通認識されるタイプのうちの一つであろう。卵は、「生存」卵であることもあり、これは、卵が生育可能な胎児を有することを意味する。卵は、「透明な」すなわち「無精の」卵であることもあり、これは、卵が胎児を有しないことを意味する。より詳細には、「透明な」卵は、腐敗しなかった無精卵である。卵は、「早期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約1〜5日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「中期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約5〜15日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「後半期死亡」卵であることもあり、これは、卵が、約15〜18日令で死亡した胎児を有することを意味する。卵は、「腐敗」卵であることもあり、これは、卵が、(例えば卵殻内の亀裂の結果として)腐敗無精卵黄、または、代替的に、腐敗死亡胎児を含む。「早期死亡」卵、「中期死亡」卵または「後半期死亡」卵は、腐敗卵であることもあるが、本明細書においてこれらの用語は、腐敗しなかった卵を指す。卵は、「空の」卵であることもあり、これは、卵の中身の大部分が、例えば、卵殻が亀裂し、卵物質が、卵から漏洩した場所で欠失することを意味する。さらに、多数の卵検出および識別装置の観点から見て、卵トレイが、特定の個所で卵を欠失することもあり、この場合、この個所は、「欠失」個所と称せられる。卵が卵トレイ内に配置される際の配置が、卵が「上下逆位」卵となるように行われることもあり、これは、卵がトレイ内に配置される際の配置が、卵の気胞が、通常は太い端部が下に位置する状態で誤位置を取ることを意味する。透明卵、早期死亡卵、後半期死亡卵、および腐敗卵は、「非生存」卵として分類されることもある、何故ならばそれらの卵は、生存胎児を含まないからである。
【0025】
通常、卵は、比較的大きいインキュベーター内でインキュベートするためにラック台車内のラック上のトレイ内に保持されている。選択された時間に、通常は18日令に、卵のラック台車が、理想的には、不適当な卵(すなわち死亡卵、腐敗卵、空卵、および透明卵)を分離除去し、生存卵を接種し、セット用平箱から孵化バスケットへ卵を移送する。インキュベーション、扱いおよび測定のある実際上の面は、熱的透かし見装置を使用して生存卵と死亡卵とを区別するための方法および装置の精度を大幅に低減させることもある。卵の温度は、インキュベーター内の卵の相対的な個所に基づいて異なることもある。インキュベーターの外部の熱的環境が、劣悪にしか制御されないこともある。その結果、異なるトレイおよびトレイ分画は、しばしば、ラック台車内のそれらの位置および通気への曝露に依存して、異なる冷却率を経験する。
【0026】
例えば、Hebrankの米国特許第4,914,672号明細書に記載の透かし見方法および装置では、熱的透かし見システムは、底部から各卵の温度を測定する。熱的透かし見システムは、閾値温度を決定する。閾値温度より高い卵は、生存卵と見なされ、閾値温度より低い卵は(死亡卵および透明卵を含む)非生存卵と見なされる。
【0027】
選択された閾値温度の精度は、非均一な冷却条件により低減される可能性がある。生存卵を不適切に非生存卵として識別するリスクを最小化するために、閾値温度は、一般に、生存卵の予測温度より低く設定される。補正係数が、異なる卵または卵の異なる群における適切な閾値温度により良好に近似するために、適用されたが、これらの補正係数は、希望通りの精度ではない。
【0028】
生存卵を廃棄することは不利益であるが、ある非生存卵を保留することも不利益である。特に、腐敗卵および死亡卵が、保留および接種されると、接種針が、汚染されることもあり、これにより、後続の健康な生存卵が感染されるリスクが発生する。さらに、治療物質は、非生存卵内に注射される場合、浪費される。
【0029】
さらに、いくつかの例では、透明卵(すなわち、無精の非腐敗卵)および早期死亡卵を識別することが望ましいこともある。ブロイラーを生産するのには適さないが、これらの卵は、商業的食品サービスまたは低品質食品原料(例えば犬用食品)のために有用であることもある。腐敗卵からの細菌汚染の存在は、この食品原料の価値を低減させる。
【0030】
本発明は、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムの双方を使用する、卵のタイプを識別するための方法および装置に関する。光透かし見システムは、熱的透かし見システムの精度を向上させ、熱的透かし見システムが効果的に識別することが可能でない卵のタイプを識別することもある。本発明の方法および装置の使用により、不適切に廃棄される生存卵の数と、接種される腐敗卵および死亡卵の数とがそれぞれ、低減されることが可能である。加えて、透明卵および/または早期死亡卵が、確実的に識別され、他のタイプの卵から分離されることが可能である。
【0031】
好ましい実施例では、光透かし見システムは、透明卵を識別するために使用される。熱的透かし見システムは、閾値温度を使用して、非生存卵から生存卵を区別するために使用される。閾値温度は、好ましくは、トレイ内の卵のうちのすべてまたは選択されたものの温度を測定し、測定温度から、卵が生存することが期待される最低温度を導出することにより、決定される。この決定の精度は、光透かし見システムから収集されたデータの使用により、容易化される。このようにして、生存卵対非生存卵(すなわち死亡卵、空卵、欠失卵および透明卵)の識別が、より正確に行われることが可能であり、これにより、さもなければ接種針を汚染することもある不適切に保留された腐敗卵または死亡卵の数を低減させ、生存卵を廃棄する確立を最小化する。
【0032】
分類精度をさらに向上させるために、卵のうちの空間的温度傾向が、(例えば、インキュベーターおよび廊下内の非均一の通気に起因する)非均一な微小環境に起因する、平箱全体にわたる温度の変動に対処するために決定されることもある。好ましくは、温度傾向地図が、作製され、卵測定温度を評価するために使用される。閾値温度の決定は、卵測定温度を補正または補償することにより、容易化される。好ましくは、補正量が、少なくとも部分的に、光透かし見システムにより透明卵として識別された非生存卵を除いてすべての卵の温度を考慮することにより、決定される。
【0033】
さらなる好ましい実施例では、卵は、卵の測定温度を、温度傾向地図における対応する予測温度と比較することにより、分類される。好ましくは、予測温度は、少なくとも部分的に、光透かし見システムにより透明卵として識別された卵の温度を調整または除外することにより、決定される。
【0034】
空間的温度傾向の決定は、補正温度または予測温度の量を決定するために、または、その他の方法で分類を容易化するために、光透かし見システムおよび透明卵の識別を使用せずに、卵を分類するのに使用されることも可能である。前述の方法のうちのいずれかが、この方法で改変されることも可能である。
【0035】
生存卵として分類された卵は、治療物質などを接種することにより、治療されることもある。光透かし見システムは、透明卵および早期死亡卵を識別するので、これらの卵は、他の用途のために、他の非生存卵から分離されることもある。すなわち、非生存卵は、さらに、透明卵または早期死亡卵および非透明卵または早期死亡卵として分類されることもある。このようにして、光透かし見システムは、透明卵または死亡卵と、他の非生存卵とを高信頼性で区別することが可能でない熱的透かし見システムを補足する。選択的に、非生存卵は、さらに、無精卵および早期死亡卵または様々な段階の中期死亡卵として識別されることもある。分類された卵は、次いで、物理的に分離され、搬送され、このようにして、生存卵が、接種または他の治療のために適所に渡され、透明卵(および、選択的に、早期死亡卵)が、他の用途のために収集されるために分岐され、残りの非生存卵が、廃棄されるようにされる。
【0036】
上下逆位卵の場合、光透かし見システムが、卵が、生存卵または死亡卵と異なるところの透明卵であるかどうかを決定するために使用されることもある。選択的に、熱的透かし見システムが、卵が生存卵であるかまたは非生存卵であるかを決定するために、上下逆位卵の各端部における温度を測定するためのセンサを含むこともある。
【0037】
光透かし見システムが、さらに、前半期死亡卵、中期死亡卵、後半期死亡卵、腐敗卵および空卵の量または統計を評価するために使用されることもある。このような情報が、卵の群を評価する目的のために望まれることもある。
本方法および本装置の好ましい実施例の詳細において、前記方法および装置は、卵の1つの群内の卵を識別、分類、報告、仕分け、および接種または他の方法で治療する。本方法および装置の様々な態様および特徴が、前述の方法および装置とは別個に除去または使用されることが可能であることが分かる。本方法および装置は双方とも、卵のそれぞれまたは選択されたものを識別するために、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムの双方を採用する。本装置の制御器は、熱的透かし見システムおよび光透かし見システムからの卵に関するデータを収集し、それらの分類法または前もって定められた標準またはパラメーターに従って、卵を分類し、卵を仕分けまたは治療する。
【0038】
図1において、本発明による装置10が、概念的に示されている。装置10は、好ましくは平箱12内で供給される複数の卵2を仕分けおよび治療するために使用される。装置10は、識別すなわち透かし見ステーション8(以後において「透かし見ステーション8」と称せられる)を含む。透かし見ステーション8は、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30を含む。光透かし見システム20および熱的透かし見システム30はそれぞれ、卵を評価し分類するために使用されることもある、卵の様々な特徴を評価するために用いられる。
【0039】
光透かし見システム20および熱的透かし見システム30は、制御器40に操作的に接続されている。制御器40は、透かし見ステーション8を制御し、透かし見ステーション8からの信号を処理する。制御器40は、透かし見ステーション8からの、卵のうちのそれぞれまたは選択されたものに関するデータを収集し分析することも行ない、このデータを使用して、タイプに関して卵を分類する。ディスプレー42およびユーザー制御インターフェース44が、オペレータが制御器40と対話することを可能にするために設けられている。
【0040】
仕分けステーション60は、透かし見ステーション8の下流に設けられている。前述のように、制御器40は、仕分けステーション60が、指示されたクラスの卵を除去することを惹起するために、各適切な卵の存在および相対位置に基づいて、選択的除去信号を発生させる。指示されたクラスは、好ましくは、透明卵を含み、他の非生存卵も含むこともある。
【0041】
治療ステーション50が、透かし見システム8の下流に設けられている。後述のように、制御器40は、治療ステーション50が、例えば、治療物質の接種により、指示されたクラスの卵を治療することを惹起するるために、各適切な卵の存在および相対位置に基づいて選択的治療信号を発生させる。
【0042】
搬送システム7は、卵を搬送して、ステーション8、50、および60のそれぞれを通過させるまたはそれぞれの間を通過させるために用いられる。搬送システム7は、それぞれステーション8、60および50に接続されているコンベヤ7A、7Bおよび7Cを含む。コンベヤ7A、7B、7Cは、別個のコンベヤであるか、または、連続的に形成されているコンベヤであることもある。
【0043】
図2〜5において、透かし見ステーション8および接続コンベヤ7Aが示されている。前述のように、透かし見システム8は、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30を含む。コンベヤ7Aは、光透かし見システム20および熱的透かし見システム30のそれぞれにより、卵2の平箱12を搬送する。
【0044】
光透かし見システム20は、好ましくは、Hebrankらの米国特許第5,745,228号明細書に記載のように、光透かし見システムであり、前記明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとし、前記明細書において、光は、周囲光と異なる(そして好ましくは、周囲光より高い)周波数でパルス化されている。適切な光透かし見システムは、適切な改変を有する、Embrex, Inc. of Research Triangle Park, NCから入手可能なVaccine SaverTMワクチン送達システムの一部を形成する光透かし見システムを含む。概要的に見て、米国特許第5,745,228号明細書の光透かし見システムは、PCアナログ入力ボードと接続されている光検出器増幅器およびフィルタ回路に接続されている光検出器と、ディジタル出力ボードに接続されているIRすなわち赤外線エミッタドライバ回路に接続されている光エミッタ(赤外線エミッタ)とを含んで成る。光エミッタおよび光検出器は、卵の両側のうちの互いに反対の側に位置するように配置され、好ましくは、光検出器は卵の上方に位置し、光エミッタは卵の下方に位置するが、これらの位置は、重要でなく、逆位されることも可能であり、または、エミッタおよび検出器が、エミッタからの光が、卵を検出器に照射するかぎり、異なる配向で配置されことも可能である。入力ボードおよび出力ボードは、パーソナルコンピュータ内に設けられることも可能であり、この場合、システムの動作は、パーソナルコンピュータのディスプレイスクリーン上で監視される。
【0045】
動作中、光透かし見システム20は、単一の卵からの光の正確な測定を可能にするために時間を使用する。光は、各光エミッタから短いバースト(例えば50〜300マイクロ秒)で発生され、対応する光検出器は、その対応する光エミッタが動作する間にわたり監視するだけである。周囲光の作用を低減するために、光がオンでない場合の光検出器の出力量が、光がオンである場合の読取り値から減算される。好ましくは、光は、光エミッタから短いバーストで発生され、透水光検出器は、光のバーストが発生される直前、間、および直後に光レベルを監視する。卵の平箱は、平箱が識別器を通過する際に連続的に「走査され」、その際、各検出器・光源対は、少なくとも隣接する、好ましくはすべての他の対が、休止状態である間にのみ動作する。
【0046】
図2〜5を参照しての光透かし見システム20の構造の詳細において、光透かし見システム20は、コンベヤ7A上に取付けられている赤外線取付けブロック11および赤外線検出器取付けブロック21を含む。赤外線エミッタ取付けブロック11は、不透明バックプレート16から成り、バックプレート16には赤外線エミッタ17(Photonics Detectors, Inc. Par number PDI-E805)が取付けられている。これらのエミッタは、一体式レンズを含むが、非一体式レンズ系も、エミッタのために設けられることも可能である。これらのガリウム・砒素発光ダイオードは、880ナノメーターの波長を有する赤外線を放射し、約1マイクロ秒の作動時間でスイッチオンまたはスイッチオフされることが可能である。0.5インチ(1.27cm)の厚さを有する不透明重合体ブロック18は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック18を貫通して穿孔されている0.25インチ(0.635cm)の直径の穴を有する。(各エミッタの上方の0.25インチ(0.635cm)の円を除いて不透明である)0.040インチ(0.102cm)の厚さのポリカーボネートシート19が、ブロック18に上重ねに位置する。このようにして、取付けブロックの構造は、卵と光エミッタ17との間に位置する光学的アパーチュアを提供する。1つの実施例では、頭上投影機透明画のためのシートが、使用される。
【0047】
同様に、赤外線検出器取付けブロック21は、不透明バックプレート26から成り、このバックプレート26に赤外線検出器27(Texas Instruments Part number TSL261)が取付けられている。一体式レンズ系または非一体式レンズ系が、選択的に、検出器を設けられることが可能である。0.5インチ(1.27cm)の厚さの不透明重合体ブロック28は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック28を貫通して穿孔されている0.75インチ(1.905cm)の直径の穴28Aを有する。(各検出器の上方の0.25インチ(0.635cm)の円を除いて不透明である)0.040インチ(0.102cm)の厚さのポリカーボネートシート29が、ブロック28に上重ねに位置する。ポリカーボネートシートは、750〜2000ナノメーターの波長の透過率が約90%である光遮断性赤外線透過性重合体から成ることもある。エミッタからの赤外線は、約880ナノメーターの波長を有する。このようにして、シートは、少なくとも部分的に、周囲光を遮断およびろ波するために用いられる。この場合にも、取付けブロックの構造は、このようにして、卵と光検出器27との間に位置する光学アパーチュアを提供する。
【0048】
すべての場合において、不透明材料は、好ましくは、黒色である。本装置の構成形態は、卵の頂部から重合体フィルム29までの距離「a」は、1/2〜1インチ(1.27〜2.54cm)であるように、そして、卵の底部から重合体フィルム19までの距離「b」は、1/2〜1インチ(1.27〜2.54cm)であり、好ましくは、距離は0.5インチ(1.27cm)であるように定められている。いくつかの卵用平箱および様々な卵サイズが、この距離が、通常、3/8インチ〜1インチで変動することを惹起することに注意されたい。卵における目視領域のサイズは、通常、約0.1インチ(0.254cm)〜約0.3インチ(0.762cm)の直径である。より小さい領域は、通常、隣接の卵から反射された光をより良好に排除する。
【0049】
スイッチング回路が、100サイクル毎秒より大きい周波数で、好ましくは、200または400サイクル毎秒より大きい周波数で、エミッタ17からの光の強度を繰返すための光源と操作的に接続されている。電子フィルタが、光検出器27と操作的に接続され、電子フィルタの構成形態は、(すなわち検出器により検出されたより高いおよび/またはより低い周波数の光信号をろ波して除去することにより)周囲光から、光源から放射された光を区別するように定められている。すべては、従来の回路装置であることも可能であり、これらに対する多数の変形は、当業者には明白である。
【0050】
動作中、各エミッタは、通常、約250マイクロ秒にわたりターンオンされる。各光検出器27の出力は、(1.0kHz低域フィルタと組合せられた2kHz高域フィルタである)帯域フィルタにより増幅される。フィルタは、光エミッタからの光の250マイクロ秒パルスの検出を最大化し、一方、電子回路装置からの雑音または環境内の迷光を最小化する。各フィルタからの出力は、対応するエミッタがターンオンされた後約120マイクロ秒で標本化される。標本は、コンピュータによりデジタル化され記録される。第2の標本は、対応するエミッタがターンオフされた後約250マイクロ秒で採取される。光オン標本から減算される場合に光オフ標本は、識別器の周りの周囲光の排除を改善する。
【0051】
光エミッタ取付けブロック11の別の1つの実施例では、ダイオードが、不透明重合体ブロック18内に取付けられ、このブロック18は、ダイオードを位置決めし、作業環境内の水および塵埃からダイオードを保護する。各ダイオードの上方の平面状サファイアウィンドウは、ダイオードからの光に対して透明である。同様に、光検出器取付けブロック21は、不透明バックプレート26から成り、このバックプレート26にレンズ付赤外線検出器(IPL Part number IPL10530DAL)が取付けられている。0.6インチ(1.524cm)の厚さの不透明重合体ブロック28は、各エミッタに対応する位置関係でこのブロック28を貫通して穿孔された0.33インチ(0.838cm)の直径の穴を有する。透明サファイアウィンドウは、卵を透過する光が、卵の上方の検出器を照明することを可能にする。光エミッタのうちのいくつかは、卵の中心線から僅かにずれて設定され、このようにして、これらの光エミッタの放射線が、コンベヤベルトに当らないようにする。
【0052】
別の1つの実施例では、前述のように装置の動作中、各エミッタは、通常、約70マイクロ秒にわたりターンオンされる。各検出器からの出力は、対応するエミッタがターンオンされる直前におよびターンオンされた後約70マイクロ秒で標本化される。第3の標本は、対応するエミッタがターンオフされた後約70マイクロ秒で採取される。標本は、コンピュータによりデジタル化および記録される。光オフ標本は、識別器の周りの周囲光の排除を改善するために、平均化されて光オン標本から減算される。
【0053】
好ましい光透かし見システムが説明されたが、卵の不透明度を測定するための任意の他の適切な装置が、本発明の方法および装置で使用されることが可能である。このような他の適切な装置は、本明細書の説明を読むと、当業者には自明である。
【0054】
制御器40は、前述のように周囲光と異なる(そして好ましくは周囲光より高い)周波数で光をパルス化するために、赤外線エミッタ17に操作的に接続され、このエミッタ17を作動する。エミッタ17からの光の一部は、卵2を透過して伝送され、対応する検出器27により受光される。制御器40は、各検出器27に操作的に接続され、輝く卵の光レベル(すなわち放射照度)と、その結果の、検出器27における入射光の強度とに対応する、各検出器27により発生される信号を受信する。このようにして、制御器が、卵のそれぞれの不透明度の評価を行う光透かし見システム20により提供される。検出器が、それらの対応するエミッタ17と共直線で位置合せされることは必要でない、何故ならば、卵に入射する光は、卵殻および卵の中身により拡散されるからである。
【0055】
熱的透かし見システム30は、好ましくは、それぞれHebrankの米国特許第4,914,672号明細書および米国特許第4,955,728号明細書に説明されている熱的透かし見システムであり、それぞれの明細書全体は、引用することにより本願明細書の一部を成すものとする。熱的透かし見システム30は、取付けブラケット31と、平箱12の1つの行内の各卵2に対応する個所で前記ブラケット31内に取付けられている複数の赤外線熱的センサ37とを含む。熱的センサ37は、これらのセンサ37を通過する卵により放射された赤外線を測定するために動作する。制御器40は、センサ37における温度に対応する、センサ37からの信号を受信するために、赤外線熱的センサ37のそれぞれ操作的に接続されている。センサ37または制御器40のいずれかに接続されている手段が、通常は標準アルゴリズムおよび較正データを使用して、赤外線測定値を、対応する温度値に変換する。センサ37は、摂氏温度および華氏温度で出力信号を発生させ、さらなる変換を必要としない赤外線温度計であることもある。代替的に、温度測定は、卵の側面または無気泡端部に当接して配置されているサーミスタまたは熱電対などの接触形温度センサ(図示せず)によりまたは赤外線ビデオカメラにより行われることも可能である。
【0056】
本明細書において、「赤外線」との用語は、約2.5〜約50ミクロンの波長を有する電磁放射線(または換言すれば、約200〜約4000cm-1すなわち波数の周波数を有する電磁放射線を意味する。赤外線(IR)およびIRスペクトルに精通する者は分かるように、一般的に赤外線として特徴付けされる電磁放射線の周波数は、振動分子により放射または吸収され、このような振動は、一般に、物質の環境に対する物質の熱的状態に対応する。温度が零絶対温度を越えるすべての固体は、何らかの赤外線エネルギーを放出し、約3500K(3227゜Cすなわち5840°F)までの温度において、このような熱的放射線は、主に、電磁スペクトルの赤外線部分内に入る。このようにして、物体と、物体が放射する赤外線と間にはかなり直接的な関係が存在する。本発明では、8〜14ミクロンの範囲内の放射線の監視が、現在のところ、好ましい。
【0057】
電磁放射線に精通する者は分かるように、2.5ミクロンより小さい(通常は0.8〜2.5ミクロンまたは4000〜12500cm-1の)波長も、電磁スペクトルの「近赤外線」部分としても考えられ、振動的「上音」を表す。同様に、50ミクロンより長い(通常は50〜約1000ミクロンまたは10〜200cm-1の)波長は、電磁スペクトルの「遠赤外線」部分であると考えられ、分子回転に関連するエネルギーを表す。
【0058】
このようにして、「赤外線」との用語は、制限的ではなく説明的な意味で使用されることと、これらの特定の周波数の外部に属する、卵からの熱的放射線の測定は、本発明の範囲内にある。
【0059】
選択的に、熱的透かし見システム30は、各卵の両端における温度を検出するために配置されている熱的センサ37を含むこともある。このようにして、平箱内に上下逆位に配置されている卵の温度の正確な読取りが、行われることが可能である。制御器40は、互いに接続され互いに対向して位置する熱的センサ37の間の温度差から上下逆位の卵の存在を検出するために、そして、無気泡端部で測定された温度に従って卵を分類するために、プログラミングされなければならない。さらに、制御器40は、ディスプレイ44を介して、上下逆位の卵の存在および個所を報告するために動作することが可能である。
【0060】
好ましくは、卵は、本明細書に説明されているように、卵用平箱12内で搬送されるが、当業者に自明なように、適切な卵を識別するために透かし見ステーション8に複数の卵を経時的に提供する任意の手段が、本方法において使用されることが可能である。卵は、透かし見ステーション8の下を一度に1個通過するか、または、本明細書に説明されているように、透かし見ステーション8の構成形態は、多数の卵が、同時に透かし見ステーション8の下を通過することが可能である。
【0061】
卵の行を有する任意の平箱が、使用されることが可能であり、5つの行が、図2に概略的に示されている平箱12内に示されているが、平箱は、例えば7つの行の卵などの任意の数の行を含むことが可能であり、6つおよび7つの行が、最も普通である。互いに隣接する行内の卵は、「方形」平箱内におけるように互いに平行であることもあり、「オフセット」平箱(図示せず)内におけるように食い違いの位置関係にあることもある。適切な商業的平箱の例は、"CHICKMASTER 54"平箱、"JAMESWAY 42"平箱および"JAMESWAY 84"平箱を含む(それぞれの場合に数は、平箱により担持される卵の数を示す)が、これらに制限されない。図2および3に示されているように、平箱12は、開放底部設定平箱であり、それぞれの行が5つの卵を有する5つの行の固定配列で25の卵を担持する。
【0062】
平箱12は、コンベヤ7A上に載る。図示のように、コンベヤ7Aは、駆動チェーン13、チェーン駆動電動機14および、チェーン13の通路に隣接する案内レール22に沿って平箱を動かすチェーン駆動ドッグを含む。1つの代替的な好ましい実施例では、チェーン駆動装置およびドッグは、支持レール上に載る一対の重合体コンベヤベルトにより置換され、前記コンベヤベルトは、3/8インチ(0.9525cm)の直径であり、0.5インチ(1.27cm)のフレーム上に載る。このようなベルトは、卵注射装置、特にEMBREX INOVOJECTR卵注射装置上に見られるものであり、操作員の安全性および耐食性において他にひけをとらないので望ましい。卵用平箱は、通常、10〜20インチ(25.4〜50.8cm)毎秒の速度で動かされる。卵が平箱内に配置される際の配置は、好ましくは、卵の気泡端部が、熱的センサ37に隣接して通過しないように定められる。
【0063】
前述のように、赤外線エミッタ17、赤外線検出器27および赤外線熱的センサ37はそれぞれ、制御器40に接続されている。制御器40は、処理手段を含み、処理手段は、1)エミッタを作動および不作動するために制御信号を発生させ、2)検出器27およびセンサ37から信号を受信および処理し、3)各卵に対応するデータを処理および記憶し、4)治療ステーション50および仕分けステーション60を作動するために、制御信号を発生させる。制御器60は、好ましくは、マイクロプロセッサまたは、適切なソフトウェアを含む他の適切なプログラマブルまたは非プログラム式回路装置を有するPCを含む。制御器40は、エミッタを駆動し、検出器27およびセンサ37からの信号を受信、処理または他の方法で推定および評価するのに適する他の装置も含むこともある。適切な装置、回路装置およびソフトウェアは、前述の説明および以下の説明と、Hebrankらの米国特許第5,745,228号明細書およびHebrankの米国特許第4,955,728号明細書の開示を読むと、当業者には容易に明白になる。処理コンピュータおよび他の装置は、1つの共通のキャビネットまたは別個の複数のキャビネット内に収容されることが可能である。
【0064】
オペレータインターフェース44は、任意の適切なユーザインターフェース装置であり、好ましくは、タッチスクリーンまたはキーボードを含む。オペレータインターフェース44は、ユーザーが、制御器40から様々な情報を検索して、様々なパラメーターを設定するおよび/または制御器40をプログラム/再プログラムすることを可能にすることも可能である。オペレータインターフェース44は、例えばプリンタおよび、コンピュータネットワークへの接続装置などの他の周辺装置を含むこともある。
【0065】
図6において、卵は、前述の装置および以下の方法を使用して、推定され、分類され、仕分けされ、治療され、報告される。本方法は、熱的環境と無関係に非生存卵および特に透明卵は、これらの同一の条件下で生存卵に比してより低温であるという発見を前提とする。熱的環境および熱的履歴は、生存卵および非生存卵の双方の絶対温度に影響するので、1つの卵の個別の温度または冷却率の測定は、それだけでは、卵が生存卵か非生存卵かを決定するために十分な情報を提供しない。
【0066】
個別の卵温度が、卵の選択された群における卵閾値温度を決定するために監視および使用され、本明細書において、「閾値」との用語は、個別の卵の温度が比較される、群における相対的標準温度であって、任意の所与の卵が生存卵か非生存卵かを決定するための閾値を提供する相対的標準温度の計算を意味する。閾値温度は、少なくとも部分的に、透明卵と識別された卵の温度を評価することにより、決定される。
【0067】
いったん閾値温度が、決定されると、本発明の方法における次のステップは、各個別の卵温度と、選択された群の閾値温度との間の差を決定することにあり、次いで、各卵の、その結果の状態が、決定されることもある。分類された卵が、次いで、報告、仕分けおよび適切に治療される。
【0068】
本方法の詳細において、最初に、あるパラメーターまたは閾値が設定される(ブロック602)。これらのパラメーターは、生存卵、透明卵または腐敗卵を誤分類することに起因するコストの決定値または期待値を反映する誤差の所望のマージンを設定することもある。任意の分散を含む、検出器27に入射する光の強度のための所望の閾値が、設定される。閾値のうちのいくつかまたはすべては、オペレータにより設定されるか、または、固定閾値すなわちプリセット閾値であることもある。閾値のうちのいくつかまたはすべては、オペレータにより設定されこともあるが、測定周囲光、透明卵のための平均光レベル、または生存卵のための平均光レベルなどの他の条件を基礎として、制御器40により自動的に変更されることもある。検出器27に入射する光の強度は、それぞれの卵2の不透明度に逆比例する。すなわち、不透明度のより高い卵は、対応するエミッタ17からの光をより低い透過率で透過させ、これにより、透過率に相応して、対応する検出器27における光の強度を低減させる。閾値は、好ましくは、次のような関係の閾値Le、Lc、Lmd、Lfを含む。
【0069】
【表1】
ただし、
(1)Leより上では卵スロットは、空と見なされる。
(2)LeとLcとの間では卵は、空卵であると見なされる。
(3)LcとLmdとの間では卵は中期死亡卵と見なされる。
(4)Lfより下では卵は、受精卵または腐敗卵と見なされるが、透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵とは見なされない。
【0070】
付加的閾値も、使用されることもある。例えば、透明卵と早期死亡卵または前半期死亡卵と後半期死亡卵とを区別する閾値が設定されることもある。例えば、Lmd閾値は、Lfとしても用いられ、光点、対応する検出器27における光の強度がLmdより小さい卵は、中期死亡卵、生存卵、腐敗卵または後期死亡卵と見なされ、光の強度がLmdより大きいがLcより小さい卵は、透明卵および早期死亡卵と見なされる。
【0071】
ある温度に関連する値も、設定される(ブロック604)。例えば、卵温度のための標準偏差が、オペレータにより設定されるこもあり、または、固定すなわちプリセットされることもある。閾値温度も、透明卵または生存卵の変動の係数などの他の条件を基礎として、制御器40により自動的に変更されることもある。制御器は、生存卵および透明卵の測定温度から閾値温度を決定するためのアルゴリズムおよびルックアップテーブルを含むプログラムを備えることもある。
【0072】
卵2の平箱12は、コンベヤ7A上に置かれ、コンベヤ7Aは、光透かし見システム20に卵を搬送する。好ましくは、卵平箱12の前縁は、平箱12が固定ストップ(図示せず)へ向かって動いて当ることにより位置検出されるか、または、同様にコンピュータに接続されている光-光学装置(図示せず)が平箱の前縁を位置検出することにより位置検出される。通常、エミッタ17および検出器27の行が、その時点で平箱12の最前行と位置合せされる。平箱12は、次いで、コンベヤシステム7Aにより前方へ動かされ、一方、前記行の検出器27は、連続的に卵を操作する。制御器40に対応するソフトウェアは、行と行との間のマージンが検出器を通過して動く際に卵2と卵2との間を通過する強い光により、卵2の行の通路を定める。行の個所に対する検査として、コンピュータは、コンベヤ電動機の走行状態または停止状態も監視する。
【0073】
行毎に、コンベヤ7Aは、エミッタ17および検出器27の側を通過し、光透かし見システム20は、各卵および選択された卵の不透明度を測定し、対応する信号を発生させて制御器40に伝送する(ブロック608)。制御器40は、各卵のためのこのデータを処理、索引付けおよび格納し、これにより温度または熱的透かし見データセットを生成する。光識別器からの行検出データが、卵の位置が熱的センサの上方にわたり位置する際にコンベヤまたは信号を索引付けするのに使用され、これにより、熱的透かし見装置の精度を改善することもある。
【0074】
(光透かし見により)各卵またはある卵の不透明度を推定するステップと、(熱的透かし見により)各卵の温度を推定するステップとの終了後、制御器40は、各推定された卵のための温度プロファイルと、すべてのまたはある卵のための不透明度プロファイとを得る。制御器40は、前記データをプリセット位置と比較することにより、各卵プロファイルを評価する。1つの好ましい方法では、制御器40は、最初に、光透かし見データを使って卵を評価し、次いで、光透かし見データを考慮して、熱的透かし見データを使って卵を評価する。
【0075】
より詳細には、制御器40は、各推定された卵における光透かし見データを、光の強度閾値Le、Lc、Lmd、およびLfと比較し、比較結果に従って分類する(ブロック610)。所与の卵において、光の強度がLeを越える場合、卵は、平箱12内の空スロット(すなわち欠失)として分類される。光の強度がLeとLmdとの間にある場合、卵は、透明卵/早期死亡卵として分類される。光の強度がLmdとLfとの間にある場合、卵は、中期死亡卵として分類される。加えて、前述の好ましい光透かし見システムは、卵透明度の1次元画像の形状および強度により、中期死亡卵の齢の解明を可能にする。光の強度がLfより低い場合、卵は、受精卵または腐敗卵として分類されるが、不透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されない。
【0076】
制御器40は、次いで、光透かし見データからの卵の分類を使って、適切な閾値温度を決定し(ブロック616)、選択的に、熱的透かし見システム3024測定された温度値を補正または補償する(ブロック614)。後述のように、これは、異なる方法により達成される。
【0077】
1つの好ましい実施例(「方法A」)では、光透かし見システムにより透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されたすべての卵の温度は、この群内の温度の算術平均化により「非生存卵平均温度(ANLT)」を計算するのに使われる。ANLTに比して、(例えば5°F(2.78゜C)などの)指示量より大きい量だけより低温の任意の卵は、上下逆位と見なされる(ブロック612)。熱的検出器の第2の組が、設ける場合、各卵のそれぞれの端部における温度値の間の差は、上下逆位卵を識別および分類するのに使われることが可能である(ブロック612)。平箱内に非生存卵が僅かしか存在しないかまたは全く存在しない場合、上下逆位卵は、平箱上のすべての非透明非中期死亡卵の平均値に比して、例えば7度などの指示温度量より大きい量だけより低温であると識別される。代替的に、上下逆位卵が、卵測定最高温度に比して、例えば5度などの指示温度量より大きい量だけより高い測定温度を有する卵として識別されることもある。
【0078】
ANLTより高温である残りの卵(すなわち、透明卵、早期死亡卵、中期死亡卵または上下逆位卵として分類されなかった卵)は、これらの卵の測定温度の平均および標準偏差を計算することにより、「生存卵平均温度(ALT)」および「生存卵標準偏(LESD)」を計算するために使われる。非生存卵から生存卵を区別するために使われる「閾値温度(TT)」は、好ましくは、通常、ANLTとANLTとの間の中間に設定される。しかし、LESDが所定値より大きい場合、閾値温度(TT)は、生存卵が廃棄される可能性を低めるために、ANLTにより近い値に設定される。平箱が、非常に僅かな数の透明卵または中期死亡卵を有するかまたはこれらをまったく有しない場合、閾値温度は、ALTから温度増分を減算することにより、設定される。この増分は、プリセット値であるかまたは前の平箱からのデータを基礎としている。閾値温度(TT)は、次式により計算される。
TT=k*(ALT-ANLT)+ANLT
ただし、kは、好ましくは、0.1と0.5との間に設定される。所定値におけるまたはより近いLESDにおいて、kは、好ましくは、0.5に設定される。所定値より大きいLESDにおいて、kは、低められなければならない。オペレータは、kの値を入力するかまたはkは、自動的に、LESDの関数としてkを与えるルックアップテーブルから自動的に設定される。LESD所定値は、オペレータにより設定されるか、または、自動的に設定される。
【0079】
好ましくは、卵温度は、分類精度を改善するために、平箱内の卵の位置に関して補正または補償される(ブロック614)。例えば、低温であり動いている空気を有する孵化場の廊下内では、平箱の外側行上の卵は、平箱の中央の近傍に位置する卵より急速に冷却され、より低温になる。個別の卵温度は、卵補正温度を決定するために、好ましくは後述の方法で補正される。卵補正温度または補償温度は、ALT、ANLTおよび閾値温度(TT)を計算するために、卵測定温度の代りに使われる。卵補正温度は、非生存卵から生存卵を区別するために、閾値温度と比較するために卵測定温度のの代りに使われることもある。上下逆位卵が識別され、これにより、前記上下逆位卵を補正プロシージャーから取除くために、ANLTは、好ましくは、無補正の測定温度を使って計算され、前記無補正温度は上下逆位卵を識別するために、ANLTと比較される。
【0080】
いくつかの好ましい実施例では、温度補正は、光透かし見により透明卵であると決定されなかった卵のみを使って、行われる。より詳細には温度補正または温度補償は、「概然的生存卵および腐敗卵(PLR)」、すなわち光透かし見が、不透明卵、早期死亡卵、空卵または中期死亡卵ではないと決定した卵であって、(無補正の測定温度を使って)熱的透かし見が、上下逆位ではないと決定した卵のみを使って行われる。
【0081】
温度補正または温度補償は、熱的環境内の変動により惹起された、(例えば非透明卵またはPLRなどの)選択された卵のうちの卵の平箱の横断面にわたる温度傾向を確立することと、次いで、この傾向(以下において「予測温度」と称せられる)に関してすべての卵を正常化することとにより、達成される。これらの予測温度は、温度傾向地図(TTM)を形成する。予測温度は、二次元二次最小2乗適合式により表現されることが可能である。
TPredicted (i,j)=(cl*j2)+(c3*j2)+(c4*j)+c5
ただし、TPredicted (i,j)は、例えば行iおよび交差列jなどの位置iおよびjに位置される卵における予測温度であり、
c1〜c5は、各選択卵における予測温度と測定温度との間の差の二乗の和を最小化することにより計算された定数である。
【0082】
予測温度を計算した後、各卵における「補正温度(または補償温度)」は、卵の予測温度が平箱平均温度を上回る温度差を、卵の測定温度から減算することにより、計算される。すなわち、
TCorrected(i,j)=TMeasured(i,j)-[TPredicted(i,j)-TAverage for the flat]
ただし、TAverage for the flatは予測温度式の計算で用いられた、すべてのRAの温度の単純平均値である。
【0083】
非均一の熱的環境のための温度補正または温度補償は、通常、生存卵と非生存卵との間の温度差が、補正に影響することを許容されない場合にはより正確である。通常、平箱上の卵の70%〜90%が生存卵であり、5%〜25%が透明卵および早期死亡卵であり、5%未満g、例えば上下逆位卵などの)誤位置卵、中期死亡卵および腐敗卵である。予測温度の計算から誤位置卵、透明卵および早期死亡卵を取除くことにより、生存卵/死亡卵の温度変動の大部分は、予測温度から取除かれる。換言すれば、計算から非生存卵の大部分を取除くことにより、予測温度は、より正確になり、平箱の領域内の予測温度を歪めることもある非生存卵の群分けにより、より低い程度にしか影響されない。(生存卵または非生存卵である)すべての卵における個別の卵補正温度が、前述の方法で生存卵平均温度(ALT)および非生存卵平均温度(ANLT)を計算するために、卵測定温度の代りに用いられる。従って、算出閾値温度(TT)は、平箱のすべての卵に適用される補正プロシージャーを反映する。
【0084】
個所に応じて卵温度を補正または補償した後、閾値温度が計算されることが可能であり、生存卵対非生存卵としての卵の分類が、個別の卵補正温度を閾値温度と比較することにより、行われることが可能である(ブロック618)。閾値温度に等しいかまたは閾値温度を越える温度を有する卵は、生存卵として分類され、他のすべての卵は、非生存卵として分類される。LESDが、卵温度の補正が正確であることを確認するために参照されることもある。
【0085】
代替的に、図12において、卵は、平箱上の卵のうちの空間的温度傾向を確立することも含む次のプロシージャー(「方法B」)により分類されることもある。ブロック702〜724は、ブロック614、616または618が、ブロック715、717および719により置換される以外、ブロック602〜624に対応する。測定温度(TMeasured(i,j))は、熱的透かし見により各卵に対して得られる。透明卵は、前述の方法で、光透かし見データを用いて識別され、上下逆位卵は、前述の方法で、熱的透かし見データを用いて識別される。光透かし見データも、測距死亡卵、空卵および/または中期死亡卵を識別するために用いられることもある。早期死亡卵および/または中期死亡卵が、十分な信頼性で光透かし見により識別される場合、前記卵は、プロシージャーの残りの部分において、透明卵と同一の方法で治療され、「透明卵」との用語の使用は、このような卵を含むと理解されたい。
【0086】
制御器は、上下逆位卵または空卵ではない各卵における調整温度(Tadj(i,j))を含んで成る調整温度データセット(ATDS)を生成し(ブロック715)、この場合、
1.透明卵として識別された卵(そして、識別された場合、早期死亡卵および中期死亡卵)において、
(Tadj(i,j))= TMeasured(i,j)+X度
ただし、Xは、定数または算出値である。Xが定数の場合、好ましくは、約2°Fである。Xが、同一の条件下で(すなわち同一のミクロ環境内で)生存卵と透明卵との間の期待温度差を表す。
【0087】
2.空卵および上下逆位卵の温度が、前記卵が平箱内の空スロット(すなわち欠失卵)であるかのように除外される。
【0088】
3.残りの卵において、
(Tadj(i,j))= TMeasured(i,j)
【0089】
任意の早期死亡卵および/または中期死亡卵が、光透かし見データを用いて、前記卵であると識別されない場合、前記卵は、省略時解釈により設定される残りの卵内に含まれる。
【0090】
次いで、温度傾向地図(TTM)が、ATDSを用いて平箱のために生成される。好ましくは、TTMは、予測温度(TPredicted (i,j))が、各卵個所に対して決定されるのに用いられる1つの式または式群として表現される(ブロック717)。より好ましくは、TTMは、二次元二次最小自乗適合を用いて、次のように生成される。
TPredicted (i,j)=(c1*i2)+(c2*i)+(c3+j2)+(c4+j)+c5
ただし、c1〜c5は、各選択卵における予測温度と調整温度との間の差の二乗の和を最小化することにより、計算される定数である。
【0091】
TPredicted (i,j)は、卵の温度が前記傾向に追従する場合、(例えば行iおよび交差列jなどの)位置iおよびjに位置する卵の期待温度を表す。
【0092】
各卵の測定温度(TMeasured(i,j))は、次いで、その個所における卵における予測温度と比較される(ブロック719)。通常、所与の平箱内の卵の大部分(例えば70〜90%)は、生存卵であり、この場合、TPredicted (i,j)は、生存卵の期待温度の比較的近傍にある。しかし、TTMが、いくつかの非生存非透明卵の存在を反映することもあるので、所与の個所における生存卵のTMeasured(i,j)は、温度傾向分析を考慮して、同一の個所における生存卵の期待TMeasured(i,j)よりいくらか低いことが期待される。二次適合が、正確な温度分布に追従しないこともあるので、誤差が、生存卵予測温度が生存卵温度の上下に変動することを惹起することもある。特に、(例えば光透かし見により識別された透明卵および任意の他の非生存卵などの)非生存卵の大部分の温度は、TTMを生成するのに用いられるように調整され、平箱内の、光透かし見により識別された透明卵または他の非生存卵の存在が、生存卵の期待TMeasured(i,j)からTPredicted (i,j)を遠ざけるようにTPredicted (i,j)を歪める傾向が、最小化される。
【0093】
前述の観察を考慮して、卵は次のように評価されることが可能である。
1. TMeasured(i,j)≧TPredicted (i,j)の場合、卵は生存卵として分類される。
2. TMeasured(i,j)<TPredicted (i,j)-Y度の場合、卵は非生存卵として分類される。
【0094】
ただしYは、h生存非透明卵の存在(すなわち、ATDS内の非生存卵温度の存在)に起因して、TMeasured(i,j)とTPredicted (i,j)との間の期待分散に対処するように選択された定数である。Yも、死亡卵または腐敗卵を保留する(そして治療する)ことに抗する所望のバイアスに対して平衡されている、生存卵を廃棄することに抗する所望のバイアスを反映するように選択されている。
【0095】
光透かし見を用いて早期に透明卵と識別された卵は、TTMを用いて分類されない。
【0096】
TTMを用いての前述の方法(方法B)は、変更されることが可能である(以下、変更された方法は「方法C」と称せられる)。ATDSを生成する際に透明卵にX度を加算するのではなく、透明卵の温度は、空卵および上下逆位卵の温度と同一の方法でATDSから除外されることも可能である。
【0097】
前述の方法Bおよび方法Cは、分類決定から透明卵および他の非生存卵の温度を効率的に取除き、これにより、方法Aに関連して前述の精度の改善および他の長所を提供する。加えて、TTM(すなわち予測温度)を用いることにより、本方法は、平箱内の相対的個所(すなわち異なるミクロ環境)に関して卵の温度を補償または補正する。
【0098】
温度傾向が決定され、温度傾向地図が、光透かし見を用いることなしに、異なるミクロ環境に関して卵測定温度を補正または補償するために生成されることも可能である。例えば、前述の方法A、BおよびCのそれぞれは、変更されることが可能であり、その変更は、透明卵(または、光透かし見により識別されることが可能である他の非生存卵)の識別が、必要とされないように定められることが可能である。
【0099】
方法Bは、変更されることが可能であり(以下、変更れた方法は「方法D」と称せられる)、その変更は、TTMが、すべての卵(または、より好ましくは、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵)を用いて生成されるように定められることが可能である。換言すれば、方法Dにおいて、方法Bは、変更されることが可能であり、その変更は、すべての非上下逆位卵における、割当てられたTadj(i,j)が、TMeasured(i,j)に等しいように定められることが可能である。
【0100】
同様に、卵測定温度は、方法Aに関連して説明されたようにミクロ環境内での差に関して補正または補償されることが可能であるが、この場合の例外点は、温度補正が、不透明卵のみまたは概然的生存卵および腐敗卵(PLR)ではなく、すべての卵の(または、より好ましくは、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵)の測定温度を用いて行われることにある(以下、この変更された方法は、「方法E」と称せられる)。各卵の卵補正温度は、次いで、Hebrankの米国特許第4,914,672号明細書に記載の様々な方法または他の適切な方法のうちの一つを用いて、卵が生存卵かまたは非生存卵かを決定するために評価されることもある。例えば、測定温度ではなく、個別の卵補正温度が、閾値温度と比較されて、生存卵および非生存卵として卵を分類する。
【0101】
卵温度を補正または補償する前述の方法のそれぞれは、卵の平箱全体を評価することにより、または、所与の平箱の別個のセグメントすなわち部分を独立的に評価することにより、達成されることもある。例えば、7×24個の卵の平箱は、2つの7×12のセグメントとして評価されこともあり、この場合、卵を評価および分類する選択された方法は、あたかも各セグメントが1つの別個の平箱であるかのように、各セグメントに対して行われる。 前述の方法を用いて、平箱内の卵2のそれぞれは、生存卵または非生存卵として分類される。非生存卵は、さらに、光透かし見データを用いて、「透明卵または早期死亡卵」対「(透かし見の日付に依存して)中期死亡卵または後期死亡卵または腐敗卵」対「欠失卵」対「空卵」として分類されることもある。
【0102】
卵が、生存卵、透明卵、空卵、欠失卵、早期死亡卵、中期死亡卵、後期死亡卵または腐敗卵と識別された後、結果が、卵の群または群れにおける累積的統計と一緒に、(例えばパーソナルコンピュータモニターのスクリーンなどの)ディスプレイ42上にグラフィカルに表示される(ブロック620)。このような累積的統計は、分類データを用いて制御器により収集、計算および/または推定されることが可能である。累積的統計は、各群において、群れまたは平箱、受精卵のパーセンテージ、早期死亡卵のパーセンテージ、中期死亡卵のパーセンテージ、中期死亡卵のパーセンテージ、上下逆位卵のパーセンテージおよび腐敗卵のパーセンテージを含むこともある。これらの統計は、孵化場およびインキュベーター運営を監視および評価するのに有用である。
【0103】
平箱は、次いで、コンベヤ7B上に置かれ、コンベヤ7Bは、分類された卵の平箱を搬送して、仕分けステーション60を通過させる。仕分けステーション60は、物理的に、平箱12から透明卵および早期死亡卵を取除き、前記卵を制御器に案内する(ブロック622)。透明卵および早期死亡卵は、ブロイラーを孵化以外の目的のために使用されることもある。例えば、透明卵および早期死亡卵は、シャンプーおよびドッグフードの生産に使用されることもあり、腐敗卵により汚染されていないとより望ましい。仕分けステーション60は、空卵、腐敗卵、中期死亡卵および後期死亡卵も取除き、前記卵を1つの別個の収集器に案内する。
【0104】
仕分けステーション60は、Keromnesらの米国特許第4,681,063号明細書および米国特許第5,017,003号明細書に開示されている吸込形持上げ装置を採用することもあり、前記明細書全体は、引用する本願明細書の一部を成すものとする。卵を取除くための任意の他の適切な手段も、使用されることが可能であり、このような装置は、当業者には知られている。
【0105】
仕分けステーションは、好ましくは、自動的かつロボット的に動作する。代替的に、選択された卵は、ディスプレイ42上で識別され、選択的に、マークされ、手作業により取除かれる。仕分けステーション60は、治療ステーション50の下流に設けられ、この場合、非生存卵は、治療ステーションを通過するが、接種されない。
【0106】
仕分けステーション60の後に、平箱12は、コンベヤ7C上に置かれ、コンベヤ7Cは、平箱を搬送して、治療ステーションを通過させる(ブロック624)。平箱は、この時点で、取除かれなかったすべての卵、すなわち、生存卵と分類された卵を保留する。卵は、好ましくは、平箱内で前記卵の元の固定された配列位置に維持される。治療ステーション50は、任意の所望の適切な方法で、残りのランを治療することが可能である特に、治療ステーション50は、残りの「生存」卵に治療物質を注射することが考えられている。
【0107】
本明細書において、「治療物質」は、所望の結果を達成するために、卵内に注射される物質を指す。治療物質は、ワクチン、抗生物質、ビタミン、ウイルス、および免疫修飾物質を含むが、これらに制限されない。孵化された鳥における鳥類疾病の発生を抑圧するために卵内で使用されるように設計されたワクチンが、市販されている。通常、治療物質は、流体媒体内で分散され、例えば流体または懸濁液であるか、または、流体内に溶解された固体であるか、または、流体内に分散または懸濁されている微粒子物質である。
【0108】
本明細書において、「針」または「注射針」との用語は、卵の内部に治療物質を送達するために、卵内に挿入されるように設計されている器具を指す。多数の適切な針設計が、当業者に自明である。「注射ツール」との用語は、本明細書において、鳥類卵の殻を穿孔することと、卵内に治療物質を注射することとの双方のために設計された装置を表す。注射ツールは、卵殻内に穴を形成するためのパンチと、卵内に治療物質を注射するために、パンチにより形成された穴を貫通して挿入される注射針とを含んで成る。様々な設計の注射針、パンチ、および注射針が、当業者に自明である。
【0109】
本明細書において、「卵内注射」は、孵化前に卵内に物質を入れることを指す。物質は、卵の(例えば卵黄嚢、羊膜、尿膜などの)胎児外分画内に入れられるか、または、胎児自身内に入れられることもある。注射が達成された部位は、当業者に自明なように、注射された物質および所望の結果に依存して異なる。
【0110】
図7は、概略的に、治療ステーション50を示し、治療ステーション50は、本発明の選択的注射法を実施するのに使用されることが可能である。治療ステーション50は、適切であると識別された卵内に注射される治療物質を保持するための少なくとも1つの貯蔵容器57を含んで成る。コンベヤ7Cの一部を形成するコンベヤベルト53は、卵2の平箱12を動かすように形成されている。コンベヤに沿っての卵の走行方向は、図7において矢印により示されている。
【0111】
卵の平箱12が、治療ステーション50を通過して搬送されると、制御器40は、選択的に、注射信号を発生させて、治療ステーション50に伝送し、これにより、制御器により生存卵またはそうでないにせよ注射に適する卵と分類された卵に注射する。本明細書において、「注射信号の選択的発生(または選択的注射信号の発生」は、分類器により注射に適すると識別された卵のみの注射を惹起する信号の、制御器による発生を指す。当業者に自明なように、選択的注射信号の発生は、適切な卵の注射を惹起する信号を発生すること、または、適切でない卵の注射を阻止する信号を発生させることを含む、様々なアプローチにより達成されることが可能である。
【0112】
本明細書で説明される方法での使用のための1つの好ましい注射器INOVOJECTR自動化注射装置(Embrex, Inc., Research Triangel Park, North Carolina)。しかし、本明細書に記載のように、制御器40に操作的に接続されることが可能である任意の卵内注射装置が、本方法での使用に適する。適切な注射装置は、好ましくは、商業的卵搬送装置すなわち平箱と組合せて動作するように設計され、このような卵搬送装置の例は、本明細書で前述されている。
【0113】
好ましくは、注射器は、操作の速度を増加させるために、複数の注射針を含んで成る。注射器は、複数の卵に注射するために、同時にまたは順次に動作する複数の注射針を含んで成るか、または、複数の卵に注射するために使用される単一注射針を含んで成ることもある。
【0114】
図8に示されているように、治療ステーション50は、注射針(図示せず)が内部に配置されている注射ヘッド54を含んで成ることもある。注射ヘッドまたは注射針は、卵に注射するために動くことが可能である。各注射針は、注射される治療物質を含む貯蔵容器57と流体的に接続されている。単一の鋳造機が、注射ヘッド内のすべての注射針に供給することもあり、または、多数の貯蔵容器が利用されることもある。例示的な注射ヘッドが、図8に示され、この場合、コンベヤベルト53は、卵用平箱12を注射ヘッド54と位置合せした。各注射針(図示せず)は、卵の外側に当接して静止するように設計されている案内管59内に収容されている。各注射針は、流体ポンプ55と操作的に接続されている。各流体ポンプは、管57Aと流体的に接続され、管57Aは、治療物質を収容する貯蔵容器57と流体的に接続されている。適切な注射装置は、Hebrankの米国特許第4,681,063号明細書、Hebrankの米国特許第4,903,635号明細書、Paulの米国特許第5,136,979号明細書およびPaulの米国特許第5,176,101号明細書に説明されている。
【0115】
好ましくは、注射に適する卵は、分類ステップ、仕分けステップおよび治療ステップ全体にわたり、同一の平箱内の同一の分画内に位置し、このようにして、卵は、透かし見ステーション8から注射器へ通過する間にわたり、他の卵に対する相対的位置を変化させることを阻止される。好ましくは、注射ヘッド54の各針は、卵用平箱の1つの分画と位置合せされている(すなわち、前記平箱内に収容されている卵と位置合せされている)。
【0116】
適切であると識別された卵のみに治療物質を選択的に送達することは、当業者に自明である様々な手段のうちの任意のものにより達成されることが可能である。例は、個別に制御される流体ポンプ例えばソレノイド作動式ポンプ、または、貯蔵容器から対応する流体ポンプへの治療物質の流れを制御する個別の弁を含むが、これらに制限されない。代替的に、治療物質の選択的送達は、注射針または卵殻パンチを個別に制御することにより達成され、このようにして、パンチおよび/または針は、適切でないと識別された卵内に入らない。1つのさらなる代替として、卵は、針の個所、またはそうでないにせよ、たんにワクチン分配システムに対応するために、平箱内で再配置される(例えば、すべての卵が、平箱の一端に再配置される)こともある。
【0117】
治療ステーション50の設計は、卵が、中断されない流れで通過するように定められていることも可能である。卵が、注射されるために停止しなければならない場合、2つ以上の注射ヘッドを含んで成る装置の使用が、全体的操作の速度を増加させるために、望ましいことは当業者に自明である。
【0118】
搬送システム7は、コンベヤ7A、7B、7Cの独立的な運動を可能にし、このようにして、コンベヤ7A上に置かれた物品は、後続のコンベヤ7Bおよび7Cに自動的に到達する。コンベヤ7Aは、連続的な流れで透かし見システム8の下方を卵を通過させ、一方、下流のコンベヤ7Cは、注射ヘッド54と位置合せされている位置に卵用平箱を動かし、卵が注射される間にわたり停止する。コンベヤ7A、7B、および7Cの運動は、プログラム化またはコンピュータ化制御手段により案内されるか、または、オペレータにより手作業で制御されることもある。1つの好ましい実施例では、コンベヤベルト53は、フレーム56により制御され、フレーム56は、卵用平箱が容易に積込まれる高さに搬送手段を持上げる。
【0119】
当業者は分かるように、多数のコンベヤ設計が、本発明での使用に適する。コンベヤ7A、7B、7Cは、卵用平箱を受取り保持するように設計されているガイドレールか、または、卵用平箱を置くことが可能であるコンベヤベルトの形であることもある。コンベヤベルトまたはガイドレールは、搬送路に沿って複数の卵用平箱を均等に間隔を置いて配置するように作用するストップまたはガイドを含むこともある。
【0120】
本発明は、以下、次の非制限的な例を用いてより詳細に説明される。
【0121】
例1
七面鳥の卵の10行×5列(10×5)の配列の各卵が、熱的透かし見および光透かし見された。各卵は、次いで、割り開かれ、実際に生存卵(L)または非生存卵(NL)と確実に識別するために検査またはそうでないにせよ評価された。下記の表1は、卵のそれぞれの位置(i、j)と一緒に、卵の測定温度を列記する。図9は、無補正の測定温度の分布をグラフィカルに示す柱状図である。
【0122】
測定温度は、すべての卵の平均温度を計算することと、平均温度に比して少なくとも5°F(2.78℃)だけ低い温度を有する卵を、空卵または上下逆位として分類することとにより、上下逆位卵および空卵を識別するのに使用された。卵温度は、方法Eに関連して前述された補正法を使用して、配列内の個所に関して補正または補償された、すなわち、空卵または上下逆位卵として分類された卵以外のすべての卵が、計算で使用された。すなわち、現時点での判断としての透明卵、早期死亡卵および中期死亡卵の温度が、補正計算で使用された。光透かし見を利用せずに、この方法で補正された温度が、表1に列挙され、図1にグラフィカルに示されている。
【0123】
卵測定温度も、前述の方法Aにより、すなわち、光透かし見データを用いて、補正または補償された。卵は、光透かし見を用いて、透明卵、早期死亡卵または中期死亡卵(これらは「C」と総称される)または、代替的に、暗卵(「D」)として分類された。測定温度が、次いで、前述の方法で空卵、上下逆位卵、早期死亡卵または中期死亡卵として分類されなかった卵のみを用いて、補正された。表1は、光透かし見データを用いて補正された温度を列記する。図11は、これらの温度の分布をグラフィカルに示す。
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
図9と図10とを比較して、測定温度の補正または補償が、非生存卵から生存卵を区別するのに使用される、実際の生存卵の温度と実際の非生存卵の温度との重なりを低減させることが分かる。図10と図11とを比較して、光データを用いて測定温度を補正することは、光透かし見なしの補正に比して、非生存卵から生存卵を区別するのに使用される、実際の生存卵の温度と実際の非生存卵の温度との重なりを低減させることが分かる。
【0127】
このようにして、温度補正の精度と、計算プロシージャーから透明卵および早期死亡卵を取除くことの利点とが、無補正の結果、空卵および上下逆位卵以外のすべての卵を基礎としての補正の結果、および、予測温度および平均温度の計算で透明卵および早期死亡卵を用いない補正の結果を互いに比較する、図9、10および11の温度柱状図により示された。容易に分かるように、前記補正プロシージャーにより、生存卵/死亡卵の分類は、より明瞭に、そして、より詳細になり、計算から透明卵を取除くことは、分類精度を大幅に改善する。
【0128】
例2
下記の表2に記載の情報を用いて、卵は、上下逆位卵と識別された卵以外のすべての卵を用いて、各卵の予測温度を含むTTMを生成するために、前述の方法Bを用いても、評価された。加えて、透明卵と識別された卵の温度は、Xのために2.0°F(1.111℃)の一定値を用いて、調整された。各卵において計算された予測温度が、表2内に列記されている。予測温度は、次いで、卵を生存卵および非生存卵として分類するために、対応する測定温度と比較された。定数Yは、1.0°F(0.556℃)に選択された。その結果の、対応する卵分類も、表2に列記されている。決定された分類と50の卵の実際の状態を比較すると、いかなる生存卵も非生存卵として分類されず、いかなる非生存卵も、生存卵として分類されなかったことが分かる。
【0129】
光透かし見センサおよび熱的透かし見センサの使用も、欠陥のあるまたは汚れた熱的センサまたは光センサの識別を容易化する。
【0130】
ある好ましい光透かし見システムおよび熱的透かし見システムが、本明細書において説明されたが、卵の不透明度および温度を推定するための任意の適切な手段が、使用されることが可能であることが分かる。すべてのこのような手段は、本発明内に含まれることとし、透かし見を用いる手段および方法は、本発明による卵の不透明度および温度を推定するための好ましい手段および方法であるにすぎない。
【0131】
前述の説明は、本発明を例示的に説明したものであり、本発明を制限するものではないとする。本発明のいくつかの例示的な実施例が、説明されたが、当業者は容易に分かるように、多数の変更が、本発明の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなしに、前記例示的実施例において可能である。従って、すべてのこのような変更は、請求の範囲内に定義されている本発明の範囲内に含まれることとする。請求の範囲において、手段プラス機能項は、記載の機能を行うと本明細書において説明された構造および構造的等価物だけでなく等価的構造もカバーするものとする。従って、前述の説明は、本発明を例示的に説明するものであり、開示された特定の実施例に制限されると解釈されてはならず、開示された実施例および他の実施例に対する変更は、添付の請求の範囲内に含まれるものとする。本発明は、次の請求の範囲により定義され、請求の範囲の等価物は、請求の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 家禽卵を選択的に分類し、仕分けし治療するための本発明による装置の概念図である。
【図2】 図1の装置の透かし見ステーション内の卵の平箱の上面図である。
【図3】 図2の3-3切断線に沿って切断して示す側面立面図である。
【図4】 図2の4-4切断線に沿って切断して示す端面立面図である。
【図5】 図1の装置の光源取付けブロックおよび光検出器取付けブロックの詳細図である。
【図6】 家禽卵を選択的に分類、仕分けおよび治療するための本発明の方法を示すフローチャートである。
【図7】 図1の装置の一部を形成する治療ステーションの側面立面図である。
【図8】 図7の治療ステーションの注射ヘッドの拡大図である。
【図9】 卵の1つの例示的な配列の測定温度の分布の柱状図である。
【図10】 温度が、光透かし見データを使用することなしに補正されたところの図9の前記配列の卵の補正温度の分布の柱状図である。
【図11】 温度が、光透かし見データを使用して補正されたところの図9の前記配列の卵の補正温度の分布の柱状図である。
【図12】 家禽卵を選択的に分類、仕分けおよび治療するための本発明の1つのさらなる方法を示すフローチャートである。
Claims (37)
- 家禽の卵を分類するための方法であって、
前記卵の不透明度を測定するステップ(606、706)と、
前記卵の温度を測定するステップ(608、708)と、
前記卵の前記不透明度および前記温度の関数として前記卵を分類するステップと
を含んで成る方法。 - 前記分類ステップが、
前記卵の前記不透明度を使用して、前記複数の卵のうちの透明な卵を識別することと、
前記透明な卵の識別を使用して、前記複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、
前記空間的温度傾向を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む請求項1に記載の方法。 - 空間的温度傾向を決定する前記ステップが、各卵個所のための卵予測温度を含む温度傾向地図を作製することを含む請求項2に記載の方法。
- 各透明卵温度にある温度数を付加することにより前記透明卵の温度を調整するステップと、
前記調整された透明卵温度と、非透明卵のうちの少なくともいくつかのものの温度とを使用して、前記温度傾向地図を作製するステップを含む請求項3に記載の方法。 - 温度傾向地図を作製する前記ステップが、前記非透明卵のうちの少なくともいくつかのものの温度を使用し、前記透明卵の温度を除外して、前記温度傾向地図を作製することを含む請求項3に記載の方法。
- 前記複数の卵のうちの生存卵を識別する前記ステップが、前記卵の前記測定温度と前記卵予測温度とを比較することを含む請求項3に記載の方法。
- 前記分類ステップが、
前記透明卵の識別を使用して、相対的な前記卵個所における前記卵温度を補正することと、
前記卵補正温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む請求項2に記載の方法。 - 前記卵補正温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別する前記ステップが、
閾値温度を決定することと、
前記閾値温度と前記卵補正温度を比較することと、
前記閾値温度より高い卵補正温度を有する卵を、生存卵として分類することとを含む請求項7に記載の方法。 - 上下逆位卵を識別するステップを含み、前記空間的温度傾向を決定する前記ステップが、前記上下逆位卵の温度を除外して前記温度傾向決定することを含む請求項2に記載の方法。
- 前記分類ステップが、
前記卵の前記不透明度を使用して、前記複数の卵のうちの透明卵を識別することと、
前記卵の温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含み、
前記生存卵を識別する前記ステップが、前記透明卵の前記識別により容易化される請求項1に記載の方法。 - 前記分類ステップが、
前記卵の残りの群を識別し、前記残りの群は前記透明卵を含まないことと、
前記残りの群の前記卵の温度を使用し、前記透明卵の温度を除外して、前記残りの群内の生存卵を識別することとを含む請求項10に記載の方法。 - さらに、非生存卵の少なくとも1つの別のクラスを識別することを含む請求項10に記載の方法。
- 非生存卵の前記少なくとも1つの別のクラスが、早期死亡卵を含む請求項12に記載の方法。
- 少なくとも3つの群に前記卵を物理的に分離するステップを含み、前記3つの群が、生存卵の群、透明卵の群、および 非生存卵および非透明卵の群を含む請求項10に記載の方法。
- 前記分類ステップが、透明卵と少なくとも1つの別のクラスの卵とを区別することと、前記少なくとも1つの別のクラスの卵から前記透明卵を分離するステップを含めることを含む請求項1に記載の方法。
- 前記分類ステップが、生存卵と非生存卵とを区別することと、前記生存卵を治療するステップを含めることとを含む請求項1に記載の方法。
- 指示された群の卵の特徴を推定するために、前記卵の前記不透明度および前記温度を使用するステップを含み、前記特徴は、透明卵のパーセンテージ、上下逆位卵のパーセンテージ、早期死亡卵のパーセンテージ、中期死亡卵のパーセンテージおよび腐敗卵のパーセンテージのうちの少なくとも1つを含み、さらに、前記特徴を報告するステップを含む請求項1に記載の方法。
- 各卵が1つの不透明度および1つの温度を有する複数の家禽卵を分類するための装置(10)であって、前記装置(10)が、
a)前記卵の前記不透明度を検出するための手段(20)と、
b)前記卵の前記温度を検出するための手段(30)と、
c)前記卵の前記不透明度および前記温度を使用して、前記卵を分類するための手段(40)とを含んで成る装置(10)。 - 前記分類手段が、
前記卵の前記不透明度を使用して、前記複数の卵のうちの透明卵を識別し、
前記卵の前記温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別し、
前記生存卵の前記識別は、前記透明卵の前記識別により容易化される請求項18に記載の装置(10)。 - 前記分類手段が、
前記透明卵の前記識別を使用して、前記複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定し、
前記空間的温度傾向を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別する請求項19に記載の装置(10)。 - 前記分類手段が、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製する請求項20に記載の装置(10)。
- 前記分類手段が、前記卵の前記測定温度と前記卵予測温度とを比較する請求項21に記載の装置(10)。
- 前記複数の卵のそれぞれが、それぞれの物理的卵個所を有し、前記分類手段が、
前記透明卵の前記識別を使用して、相対的な前記卵個所における前記卵温度を補正し、
前記卵補正温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別する請求項19に記載の装置(10)。 - 前記分類手段が、
閾値温度を決定し、
前記閾値温度と前記卵補正温度を比較し、
前記閾値温度より高い前記卵補正温度を有する前記卵を、生存卵として分類する請求項23に記載の装置(10)。 - 前記分類手段が、
前記卵の残りの群を識別し、前記残りの群は透明卵を含まず、
前記残りの群の前記卵の温度を使用し、前記透明卵の前記温度を除外して、前記残りの群内の生存卵を識別する請求項19に記載の装置(10)。 - 前記分類手段が、非生存卵の少なくとも1つの別のクラスを識別する請求項19に記載の装置(10)。
- 前記非生存卵の前記少なくとも1つの別のクラスが、早期死亡卵を含む請求項26に記載の装置(10)。
- 生存卵に治療物質を注射するために動作する注射器(54)を含む請求項19に記載の装置(10)。
- 前記卵の前記不透明度を検出するための前記手段が、前記卵の前記不透明度を検出し、前記卵の前記不透明度に相応する不透明度信号を発生させる光透かし見システム(20)を含み、
前記卵の前記温度を検出するための前記手段が、前記卵の前記温度を検出し、前記卵温度に相応する温度信号を発生させる熱的透かし見システム(30)を含み、
前記卵を分類するための前記手段が、前記不透明度信号および前記温度信号を受信し、前記卵の前記不透明度および前記温度の関数として前記卵を分類する制御器(40)を含み、前記制御器(40)は、前記卵分類を基礎として制御信号を選択的に発生させるために動作する請求項19に記載の装置(10)。 - 前記光透かし見システム(20)が、赤外線放射器(17)および赤外線検出器を含んで成り、前記熱的透かし見システム(30)が、赤外線センサ(37)を含んで成る請求項29に記載の装置(10)。
- 異なるクラスの前記卵を互いから分離するために動作する仕分け手段を含む請求項18に記載の装置(10)。
- 前記卵を分類するための前記手段が、透明卵と少なくとも1つの別のクラスの卵とを区別し、前記仕分け手段が、少なくとも1つの別のクラスの卵から透明卵を分離する請求項31に記載の装置(10)。
- 前記分類手段が、生存卵と非生存卵とを区別し、前記装置(10)が、生存卵として分類された前記卵を治療するために動作し、非生存卵として分類された前記卵を治療するためには動作しない治療手段を含む請求項18に記載の装置(10)。
- 前記卵分類に関する情報を報告するための手段(42)を含む請求項18に記載の装置(10)。
- 家禽卵を分類するための方法であって、前記方法が、
それぞれの卵がそれぞれの1つの物理的な卵個所を有する複数の卵を供給するステップと、
前記卵の温度を測定するステップ(608、708)と、
前記卵の前記温度の関数として前記卵を分類するステップとを含んで成り、
前記分類ステップが、
前記複数の卵のうちの空間的温度傾向を決定することと、
前記空間的温度傾向を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む方法。 - 前記空間的温度傾向を決定する前記ステップが、各卵個所における卵予測温度を含む温度傾向地図を作製する(717)ことを含む請求項35に記載の方法。
- 前記分類ステップが、
相対的な前記卵個所における前記卵温度を補正する(614)ことと、
前記卵補正温度を使用して、前記複数の卵のうちの生存卵を識別することとを含む請求項35に記載の方法。
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