JP3718416B2 - データ記録再生装置、データ記録再生方法、及び、記録媒体 - Google Patents

データ記録再生装置、データ記録再生方法、及び、記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ記録再生装置に関し、特に、高速ダビングを禁止する機能を備えるデータ記録再生装置に関する。また、本発明は、データを効率よくダビングすることを可能にするデータ記録再生方法に関する。さらに、本発明は、データを効率よくダビングするためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disc)等に記録されている楽曲データをダビングする際、MD(Mini Disc )等の光磁気ディスクを用いることにより、音質の劣化等をほとんど伴わずに楽曲データをMD等に記録することができる。
【0003】
オーディオ装置を用いて楽曲データをCDからMDにダビングする際、通常の再生速度よりも早い速度(倍速以上)でダビングすることにより、短時間で楽曲データをMDに記録することができる。
【0004】
しかし、以上のような高速ダビングを連続して行うことにより、同一の楽曲データが多量にコピーされてしまう。このため、高速ダビングを行った場合、例えば楽曲データの著作権を保護するという理由から、所定の高速記録禁止時間内(例えば74分間)は再度高速ダビングすることを禁止するオーディオ装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、高速ダビング禁止機能を備えたオーディオ装置を用いると、一度高速ダビングした後は、所定の高速記録禁止時間が経過しない限り再び高速ダビングすることはできない。例えば、1つの楽曲データだけを高速ダビングした場合や、シングルCDのようにトータル時間が短い場合でも、所定の高速記録禁止時間が経過しない限り再び高速ダビングすることはできない。
【0006】
このため、高速ダビングしていない楽曲データを高速ダビングする場合も、上記高速記録禁止時間の経過を待たなければならず、通常速度でダビングする場合よりも時間がかかってしまう場合がある。言い換えると、高速ダビング禁止機能を備えたオーディオ装置は、データを効率よく記録することができないという問題がある。
【0007】
従って、本発明は、データの記録を効率よく行うデータ記録再生装置及びデータ記録再生方法を提供することを目的とする。また、本発明は、データの記録を効率よく行うことを可能にする記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点にかかるデータ記録再生装置は、第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録手段と、前記記録手段がデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別手段と、前記状態判別手段が前記記録手段は禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度を判別する速度判別手段と、前記速度判別手段が判別した記録速度で、前記記録手段に所定のデータを記録させる制御手段と、から構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、データの記録を効率よく行うことができる。
【0009】
前記速度判別手段は、所定のデータを通常速度で記録するのに要する時間と、前記残り時間に所定のデータを高速度で記録するのに要する時間を加えた時間と、を比較し、時間が短い方の記録速度を前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度として判別してもよい。
【0010】
前記記録手段が高速度でデータを記録してから、該記録手段が再び高速度でデータを記録することを禁止する禁止時間を計測する計時手段をさらに備え、前記状態判別手段は、前記計時手段が前記禁止時間を計測中であるか否かを判別することにより、前記記録手段が禁止状態であるか否かを判別してもよい。
【0011】
前記制御手段は、前記速度判別手段が前記記録手段の記録速度を高速度と判別した場合、前記残り時間が経過した後に、前記記録手段に高速度で所定のデータを記録させてもよい。
【0012】
本発明の第2の観点にかかるデータ記録再生方法は、第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録工程と、前記記録工程でデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別工程と、前記状態判別工程で禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録工程でデータを記録する際の記録速度を判別する速度判別工程と、を備え、前記記録工程は、前記速度判別工程で判別された記録速度で、所定のデータを記録する工程を備える、ことを特徴とする。
【0013】
前記速度判別工程は、所定のデータを通常速度で記録するのに要する時間と、前記残り時間に所定のデータを高速度で記録するのに要する時間を加えた時間と、を比較し、時間が短い方の記録速度を前記記録工程でデータを記録する際の記録速度として判別する工程を備えてもよい。
【0014】
前記記録工程で高速度でデータを記録してから、該記録工程で再び高速度でデータを記録することを禁止する禁止時間を計測する計時工程をさらに備え、前記状態判別工程は、前記計時工程で前記禁止時間を計測中であるか否かを判別することにより、禁止状態であるか否かを判別する工程を備えてもよい。
【0015】
前記記録工程は、前記速度判別工程で判別される記録速度が高速度であった場合、前記残り時間が経過した後に、所定のデータを高速度で記録する工程を備えてもよい。
【0016】
本発明の第3の観点にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録手段と、前記記録手段がデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別手段と、前記状態判別手段が前記記録手段は禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度を判別する速度判別手段と、前記速度判別手段が判別した記録速度で、前記記録手段に所定のデータを記録させる制御手段と、から構成されていることを特徴とするデータ記録再生装置として機能させるためのプログラムを記録している。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態にかかる記録再生装置について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の実施の形態にかかる記録再生装置は、利用者の指示に従って、CD(Compact Disc)に記録されている楽曲データをMD(Mini Disc )に記録する。上記楽曲データの記録方式(ダビングモード)には、通常モード、高速モード、及び、AIモードの3種類がある。
【0019】
通常モードは、CDに記録されている楽曲データを通常速度でMDに記録(通常ダビング)する方式である。高速モードは、CDに記録されている楽曲データを高速度でMDに記録(高速ダビング)する方式である。AIモードは、通常ダビングと高速ダビングの何れが楽曲データをより早くダビングできるかを判別し、効率よく楽曲データをダビングする方式である。
【0020】
上記記録再生装置は、図1に示すように、CD再生部1と、MD記録再生部2と、入力部3と、メモリ4と、タイマ5と、表示部6と、制御部7と、から構成されている。
【0021】
CD再生部1は、複数枚のCDを収納し、CDに記録されている楽曲データを通常速度で再生(通常再生)したり、高速度で再生(高速再生)したりする。CD再生部1に収納されるCDは、その収納位置に応じて、ディスク1、ディスク2、ディスク3、・・・というディスク番号により識別される。また、CD再生部1は、所定位置にセットされたCDに記録されているTOC(Table Of Contents )情報を再生し、CD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。なお、CD−TOC情報は、CDのディスク番号、CDに記録されている全楽曲データを通常再生するのに要する総時間、記録されている楽曲データの数(トラック数)、及び、通常再生に要する各楽曲データの個別再生時間等を示す。
【0022】
MD記録再生部2は、MDを収納し、MDに記録されている楽曲データを再生する。また、MD記録再生部2は、所定位置にセットされたMDに記録されているTOC情報を再生し、MD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。なお、MD−TOC情報は、MDに記録されている楽曲データの数(トラック数)等を示す。また、MD記録再生部2は、CD再生部1から供給される楽曲データをMDに記録する。具体的には、MD記録再生部2は、CD再生部1が通常再生した楽曲データを通常速度でMDに記録(通常録音)し、CD再生部1が高速再生した楽曲データを高速度でMDに記録(高速録音)する。
【0023】
入力部3は、複数の入力ボタン等を備え、記録再生装置の利用者により操作される。例えば、記録再生装置の利用者は、入力部3の入力ボタン等を操作して、上記ダビングモードの選択を行う。また、利用者は、入力部3の入力ボタンを操作して、ダビング対象の楽曲データが記録されているCDを示すディスク番号、及び、ダビング対象の楽曲データがCDの何番目に記録されているかを示すトラック番号等の入力を行う。入力部3は、利用者が選択又は入力したダビングモード、ディスク番号、及び、トラック番号等を示す信号を、CDからMDへのダビングを指示するダビング信号として制御部7に出力する。
【0024】
メモリ4は、上記CD−TOC情報及びMD−TOC情報を記憶する。
タイマ5は、高速ダビングを禁止する高速記録禁止時間(例えば74分)をカウントする。
表示部6は、液晶パネル等から構成され、所定の文字列やマーク等により記録再生装置の動作状況等を表示する。
【0025】
制御部7は、RAM(Random Access Memory)を備えるCPU(Central Processing Unit )等から構成されている。制御部7は、入力部3から供給される様々な信号等に従って、CD再生部1、MD記録再生部2、メモリ4、タイマ5、及び、表示部6の動作を制御し、CDに記録されている楽曲データをMDにダビングする。なお、制御部7の詳しい動作については後述する。
【0026】
次に、以上のように構成された記録再生装置の動作について説明する。
始めに、記録再生装置の利用者は、ダビング対象の楽曲データを記録している所定枚数のCDをCD再生部1にセットし、ダビング先であるMDをMD記録再生部2にセットする。
【0027】
CD再生部1は、セットされた各CDに記録されているTOC情報を再生し、上記CD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
MD記録再生部2は、セットされたMDに記録されているTOC情報を再生し、上記MD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
【0028】
制御部7は、CD再生部1から供給されるCD−TOC情報、及び、MD記録再生部2から供給されるMD−TOC情報を、メモリ4に記憶させる。
記録再生装置の利用者は、CD及びMDをセットした後、入力部3の入力ボタン等を操作して、上記ダビングモードの選択を行う。
【0029】
また、利用者は、入力部3の入力ボタンを操作して、ダビング対象である楽曲データが記録されているCDのディスク番号及びトラック番号を、ダビングする順番に入力する。
【0030】
入力部3は、利用者が選択又は入力したダビングモード、ディスク番号、及び、トラック番号等を示すダビング信号を制御部7に出力する。
制御部7は、入力部3から供給されるダビング信号に応答して、図2に示すダビング処理を開始する。
【0031】
始めに、制御部7は、ダビング信号が示すダビングモードが、通常モード、高速モード、及び、AIモードの何れであるかを判別する(ステップS101)。通常モードであると判別した場合(ステップS101;通常)、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御し、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに通常ダビングし(ステップS102)、ダビング処理を終了する。
【0032】
高速モードであると判別した場合(ステップS101;高速)、制御部7は、後述する高速ダビング処理を行い(ステップS103)、ダビング処理を終了する。
AIモードであると判別した場合(ステップS101;AI)、制御部7は、後述するAIダビング処理を行い(ステップS104)、ダビング処理を終了する。
【0033】
図3は、制御部7が行う上記高速ダビング処理を示すフローチャートである。始めに、制御部7は、タイマ5が上記高速記録禁止時間のカウントを行っているか否かを判別する。これにより、制御部7は、前回の高速ダビングから所定の高速記録禁止時間が経過しているか否かを判別する(ステップS201)。
【0034】
経過していないと判別した場合(ステップS201;NO)、制御部7は、タイマ5から高速記録禁止時間が経過するまでの残り時間を取得する。そして、制御部7は、表示部6を制御して、取得した残り時間を表示し(ステップS202)、高速ダビング処理を終了する。
【0035】
一方、経過していると判別した場合(ステップS201;YES)、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録される楽曲データをMDに高速ダビングし(ステップS203)、高速ダビング処理を終了する。なお、制御部7は、高速ダビングを開始する際、タイマ5に所定の高速記録禁止時間をセットし、タイマ5に高速記録禁止時間のカウントを開始させる。
【0036】
図4は、制御部7が行う上記AIダビング処理を示すフローチャートである。始めに、制御部7は、タイマ5が上記高速記録禁止時間のカウントを行っているか否かを判別する。これにより、制御部7は、前回の高速ダビングから所定の高速記録禁止時間が経過しているか否かを判別する(ステップS301)。
【0037】
経過していると判別した場合(ステップS301;YES)、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに高速ダビングし(ステップS302)、AIダビング処理を終了する。なお、制御部7は、高速ダビングを開始する際、タイマ5に所定の高速記録禁止時間をセットし、タイマ5に高速記録禁止時間のカウントを開始させる。
【0038】
一方、経過していないと判別した場合(ステップS301;NO)、制御部7は、通常ダビングと高速ダビングの何れが、入力部3からのダビング信号が示す楽曲データをより早くダビングすることができるかを判別する(ステップS303)。言い換えると、制御部7は、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするのと、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするのとでは、どちらが早く楽曲データをダビングすることができるかを判別する。
【0039】
具体的には、制御部7は、タイマ5から高速記録禁止時間が経過するまでの残り時間を取得する。また、制御部7は、メモリ4に記憶させたCD−TOC情報からダビング対象である楽曲データの個別再生時間を取得する。
【0040】
そして、制御部7は、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするのに要する時間(通常ダビング時間)と、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするのに要する時間(高速記録禁止時間の残り時間)+(高速ダビング時間)と、をそれぞれ求める。
【0041】
その後、制御部7は、(高速記録禁止時間の残り時間)+(高速ダビング時間)と(通常ダビング時間)のどちらが短いかを判別する。これにより、制御部7は、通常ダビングと高速ダビングの何れが楽曲データをより早くダビングすることができるかを判別する。
【0042】
通常ダビングの方が早いと判別した場合(ステップS303;通常)、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに通常ダビングし(ステップS304)、AIダビング処理を終了する。
【0043】
一方、高速ダビングの方が早いと判別した場合(ステップS303;高速)、制御部7は、タイマ5が高速記録禁止時間のカウントを終了するまで待機する。そして、高速記録禁止時間のカウントが終了した後、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに高速ダビングし(ステップS305)、AIダビング処理を終了する。なお、制御部7は、高速ダビングを開始する際、タイマ5に所定の高速記録禁止時間をセットし、タイマ5に高速記録禁止時間のカウントを開始させる。
【0044】
(具体例)
次に、上記記録再生装置が行うAIダビングを具体例により説明する。
1.具体例1
始めに、記録再生装置の利用者が、それぞれ異なるCDに記録されている3つの楽曲データをMDにダビングする場合について説明する。なお、高速ダビングは、通常ダビングの2倍の速度で行われる。また、高速記録禁止時間の残り時間は30分である。また、ダビング先のMDには楽曲データが1つも記録されていない。
【0045】
記録再生装置の利用者は、ダビング対象の楽曲データを記録している3枚のCDをCD再生部1にセットし、ダビング先のMDをMD記録再生部2にセットする。
CD再生部1は、セットされた各CDに記録されているTOC情報を再生し、例えば図5(a)に示すCD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
【0046】
MD記録再生部2は、セットされたMDに記録されているTOC情報を再生し、例えば図5(b)に示すMD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
制御部7は、CD再生部1から供給されるCD−TOC情報、及び、MD記録再生部2から供給されるMD−TOC情報を、メモリ4に記憶させる。
【0047】
記録再生装置の利用者は、CD及びMDをセットした後、入力部3の入力ボタン等を操作して、上記ダビングモードを選択し、ダビング対象の楽曲データが記録されているCDのディスク番号及びトラック番号をダビングする順番に入力する。
【0048】
具体的には、オーディオ装置の利用者は、ダビングモードとしてAIモードを選択する。また、利用者は、1番目にディスク2及びトラック1を入力し、2番目にディスク3及びトラック3を入力し、3番目にディスク1及びトラック2を入力する。
【0049】
入力部3は、利用者が選択又は入力したダビングモード、ディスク番号、及び、トラック番号等を示すダビング信号を制御部7に出力する。これにより、1番目にディスク2のトラック1に記録されている楽曲データをダビングし、2番目にディスク3のトラック3に記録されている楽曲データをダビングし、3番目にディスク1のトラック2に記録されている楽曲データをダビングすることが設定される。
【0050】
制御部7は、入力部3から供給されるダビング信号に応答して、図2に示すダビング処理を開始する。
始めに、制御部7は、ダビング信号が示すダビングモードが、通常モード、高速モード、及び、AIモードの何れであるかを判別する(ステップS101)。
【0051】
この場合、制御部7は、AIモードであると判別し(ステップS101;AI)、図4に示すAIダビング処理を行う(ステップS104)。
始めに、制御部7は、タイマ5が上記高速記録禁止時間のカウントを行っているか否かを判別することにより、前回の高速ダビングから所定の高速記録禁止時間が経過しているか否かを判別する(ステップS301)。
【0052】
この場合、制御部7は、経過していないと判別し(ステップS301;NO)、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするのと、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするのとでは、どちらが早く楽曲データをダビングすることができるかを判別する(ステップS303)。
【0053】
具体的には、制御部7は、タイマ5から高速記録禁止時間が経過するまでの残り時間を取得する。また、制御部7は、メモリ4のCD−TOC情報からダビング対象である楽曲データの個別再生時間を取得する。
この場合、高速記録禁止時間の残り時間は30分であり、ダビング対象である楽曲データの個別再生時間は、それぞれ10分、14分、10分である。
【0054】
そして、制御部7は、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするのに要する時間(通常ダビング時間)と、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするのに要する時間(高速記録禁止時間の残り時間)+(高速ダビング時間)と、をそれぞれ求める。
この場合、(通常ダビング時間)は34分であり、(高速記録禁止時間の残り時間)+(高速ダビング時間)は、30+17=47分である。
【0055】
従って、制御部7は、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするほうが早く楽曲データをダビングできると判別する(ステップS303;通常)。そして、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに通常ダビングし(ステップS304)、AIダビング処理を終了する。
【0056】
以上のように、AIモードでは、記録再生装置が、高速記録禁止時間の残り時間から、所定の楽曲データをより早くダビングできる方法を選択する。このため、記録再生装置の利用者は、AIモードを選択するだけで、楽曲データのダビングを簡単に効率よく行うことができる。
【0057】
2.具体例2
次に、高速記録禁止時間の残り時間が10分である場合について説明する。なお、記録再生装置の利用者は、具体例1と同様に、それぞれ異なるCDに記録されている3つの楽曲データをMDにダビングする。また、高速ダビングは、通常ダビングの2倍の速度で行われる。また、ダビング先のMDには楽曲データが1つも記録されていない。
【0058】
記録再生装置の利用者は、ダビング対象の楽曲データを記録している3枚のCDをCD再生部1にセットし、ダビング先であるMDをMD記録再生部2にセットする。
CD再生部1は、セットされた各CDに記録されているTOC情報を再生し、例えば図5(a)に示すCD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
【0059】
MD記録再生部2は、セットされたMDに記録されているTOC情報を再生し、例えば図5(b)に示すMD−TOC情報を生成して制御部7に出力する。
制御部7は、CD再生部1から供給されるCD−TOC情報、及び、MD記録再生部2から供給されるMD−TOC情報を、メモリ4に記憶させる。
【0060】
記録再生装置の利用者は、CD及びMDをセットした後、具体例1と同様に、ダビングモードとしてAIモードを選択する。また、利用者は、具体例1と同様に、1番目にディスク2及びトラック1を入力し、2番目にディスク3及びトラック3を入力し、3番目にディスク1及びトラック2を入力する。
【0061】
入力部3は、利用者が選択又は入力したダビングモード、ディスク番号、及び、トラック番号等を示すダビング信号を制御部7に出力する。これにより、1番目にディスク2のトラック1に記録されている楽曲データをダビングし、2番目にディスク3のトラック3に記録されている楽曲データをダビングし、3番目にディスク1のトラック2に記録されている楽曲データをダビングすることが設定される。
【0062】
制御部7は、入力部3から供給されるダビング信号に応答して、図2に示すダビング処理を開始する。
始めに、制御部7は、ダビング信号が示すダビングモードが、通常モード、高速モード、及び、AIモードの何れであるかを判別する(ステップS101)。
【0063】
この場合も、制御部7は、AIモードであると判別し(ステップS101;AI)、図4に示すAIダビング処理を行う(ステップS104)。
始めに、制御部7は、タイマ5が上記高速記録禁止時間のカウントを行っているか否かを判別することにより、前回の高速ダビングから所定の高速記録禁止時間が経過しているか否かを判別する(ステップS301)。
【0064】
この場合、制御部7は、経過していないと判別し(ステップS301;NO)、具体例1と同様にして、高速記録禁止時間の経過を待たずに通常ダビングするのと、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするのとでは、どちらが早く楽曲データをダビングすることができるかを判別する(ステップS303)。
【0065】
具体的には、制御部7は、タイマ5から高速記録禁止時間が経過するまでの残り時間を取得し、メモリ4のCD−TOC情報からダビング対象である楽曲データの個別再生時間を取得する。
【0066】
この場合、高速記録禁止時間の残り時間は10分であり、ダビング対象である楽曲データの個別再生時間は、それぞれ10分、14分、10分である。これより、(通常ダビング時間)は34分であり、(高速記録禁止時間の残り時間)+(高速ダビング時間)は、10+17=27分である。
【0067】
従って、制御部7は、高速記録禁止時間の経過を待ってから高速ダビングするほうが早く楽曲データをダビングできると判別する(ステップS303;高速)。そして、制御部7は、タイマ5が高速記録禁止時間のカウントを終了するまで待機する。このようにして、高速記録禁止時間が経過するまでダビングの待機(予約)状態となる。
【0068】
高速記録禁止時間が経過した後、制御部7は、CD再生部1及びMD記録再生部2を制御して、ダビング信号が示すディスク番号及びトラック番号に記録されている楽曲データをMDに高速ダビングし(ステップS305)、AIダビング処理を終了する。なお、制御部7は、高速ダビングを開始する際、タイマ5に所定の高速記録禁止時間をセットし、タイマ5に高速記録禁止時間のカウントを開始させる。
【0069】
以上のように、AIモードでは、記録再生装置が、高速記録禁止時間の残り時間から、所定の楽曲データをより早くダビングできる方法を選択する。このため、記録再生装置の利用者は、AIモードを選択するだけで、楽曲データのダビングを簡単に効率よく行うことができる。
【0070】
なお、上記記録再生装置は、CDからMDへの楽曲データのダビングだけでなく、プログラムやデータ等のダビング一般に適用することができる。例えば、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体に画像データやプログラム等をダビングする場合にも適用することができる。
【0071】
また、本発明の装置は、専用の装置を用いる必要はなく、通常のコンピュータにより実現することができる。例えば、コンピュータに上記した各処理を実行させるためのプログラム及びデータを記録媒体(フロッピーディスク、CD−ROM等)に記録して配布し、これをインストールしてOS上で実行することにより、この発明の装置を実現できる。
また、プログラム及びデータの配布は、CD−ROM等に限らず、通信回線等を介して行われてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、データの記録を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる記録再生装置の構成図である。
【図2】図1に示す記録再生装置を構成する制御部が行うダビング処理を示すフローチャートである。
【図3】図2に示すダビング処理を構成する高速ダビング処理を示すフローチャートである。
【図4】図2に示すダビング処理を構成するAIダビング処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す記録再生装置を構成するメモリが記憶するCD−TOC情報及びMD−TOC情報の具体例である。
【符号の説明】
1 CD再生部
2 MD記録再生部
3 入力部
4 メモリ
5 タイマ
6 表示部
7 制御部

Claims (9)

  1. 第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録手段と、
    前記記録手段がデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別手段と、
    前記状態判別手段が前記記録手段は禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度を判別する速度判別手段と、
    前記速度判別手段が判別した記録速度で、前記記録手段に所定のデータを記録させる制御手段と、
    から構成されていることを特徴とするデータ記録再生装置。
  2. 前記速度判別手段は、所定のデータを通常速度で記録するのに要する時間と、前記残り時間に所定のデータを高速度で記録するのに要する時間を加えた時間と、を比較し、時間が短い方の記録速度を前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度として判別する、ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録再生装置。
  3. 前記記録手段が高速度でデータを記録してから、該記録手段が再び高速度でデータを記録することを禁止する禁止時間を計測する計時手段をさらに備え、
    前記状態判別手段は、前記計時手段が前記禁止時間を計測中であるか否かを判別することにより、前記記録手段が禁止状態であるか否かを判別する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ記録再生装置。
  4. 前記制御手段は、前記速度判別手段が前記記録手段の記録速度を高速度と判別した場合、前記残り時間が経過した後に、前記記録手段に高速度で所定のデータを記録させる、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ記録再生装置。
  5. 第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録工程と、
    前記記録工程でデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別工程と、
    前記状態判別工程で禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録工程でデータを記録する際の記録速度を判別する速度判別工程と、
    を備え、
    前記記録工程は、前記速度判別工程で判別された記録速度で、所定のデータを記録する工程を備える、
    ことを特徴とするデータ記録再生方法。
  6. 前記速度判別工程は、所定のデータを通常速度で記録するのに要する時間と、前記残り時間に所定のデータを高速度で記録するのに要する時間を加えた時間と、を比較し、時間が短い方の記録速度を前記記録工程でデータを記録する際の記録速度として判別する工程を備える、ことを特徴とする請求項5に記載のデータ記録再生方法。
  7. 前記記録工程で高速度でデータを記録してから、該記録工程で再び高速度でデータを記録することを禁止する禁止時間を計測する計時工程をさらに備え、
    前記状態判別工程は、前記計時工程で前記禁止時間を計測中であるか否かを判別することにより、禁止状態であるか否かを判別する工程を備える、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のデータ記録再生方法。
  8. 前記記録工程は、前記速度判別工程で判別される記録速度が高速度であった場合、前記残り時間が経過した後に、所定のデータを高速度で記録する工程を備える、ことを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載のデータ記録再生方法。
  9. コンピュータを、
    第1記録媒体に記録されている所定のデータを、通常速度又は高速度で第2記録媒体に記録する記録手段と、
    前記記録手段がデータを高速度で記録することを禁止されている禁止状態であるか否かを判別する状態判別手段と、
    前記状態判別手段が前記記録手段は禁止状態であると判別した場合に、該禁止状態が解除されるまでの残り時間を取得し、該残り時間の長さに応じて、前記記録手段にデータを記録させる際の記録速度を判別する速度判別手段と、
    前記速度判別手段が判別した記録速度で、前記記録手段に所定のデータを記録させる制御手段と、
    から構成されていることを特徴とするデータ記録再生装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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