JP3717768B2 - 半導体製造装置のガスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、反応ガスを用いてウエハ表面に薄膜を形成する半導体製造装置のガスクリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のガスクリーニング方法による処理温度と重量増加率の関係を示す図である。
一般に、半導体製造装置においては、半導体ウエハのみならず、反応室内に露出する装置の壁面やサセプタ等にも薄膜材料が堆積あるいは付着するので、それを除去する必要があり、その除去を行うガスクリーニング方法として従来は、例えば特開平3−41199号公報に示されているように、エッチングガスを反応室内に流して余剰堆積物を除去している。図5は、ガスクリーニング方法によってサセプタ等を構成する炭素材料に悪影響を与えることなく余剰堆積物を除去させるときの処理温度を示すものであるが、その温度は200〜300℃が良いことを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体製造装置のガスクリーニング方法は以上のように行われているので、サセプタの余剰堆積物が付着していない面までエッチングしてしまう危惧があった。すなわち、一般に半導体製造装置において、加熱源であるヒータの次に温度が上がるのはサセプタであり、そのサセプタの材質にはSiCをコートしたカーボンが使われることが多い。そして、クリーニング時にはクリーニング時間を短縮するために装置内の温度を上げるが、この場合、当然サセプタの温度も上がることになる。ところが、サセプタのウエハ接触面は、通常、半導体ウエハで覆われているために余剰堆積物が付着していない面となっているが、そのすぐ周囲には余剰堆積物が多く付着している部分が共存する。したがって、クリーニング時間を短縮するために温度を前述の200〜300℃以上にすると、余剰堆積物の付着していない面までエッチングしてしまうという課題があった。
【0004】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、半導体製造装置のガスクリーニング方法を得ることを目的とする。
【0005】
また、この発明は、半導体製造装置が備えるガスノズルによって、ウエハ保持機構のウエハ接触面をクリーニングガスから保護することができる半導体製造装置のガスクリーニング方法を得ることを目的とする。
【0006】
さらに、この発明は、ウエハ保持機構のウエハ接触面を不活性ガスによってクリーニングガスから保護することができる半導体製造装置のガスクリーニング方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体製造装置のガスクリーニング方法は、反応室内に半導体ウエハを保持するウエハ保持機構と、反応室内に反応ガスを供給するガスノズルとを有し、半導体ウエハ上に薄膜形成を行う半導体製造装置において、余剰堆積物が付着していないウエハ保持機構のウエハ接触面をガスノズルで覆ってクリーニングガスを流すようにしたものである。
【0009】
この発明に係る半導体製造装置のガスクリーニング方法は、ガスノズル又はウエハ保持機構の少なくとも一方から不活性ガスを流しながらクリーニングガスを流すようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるガスクリーニング方法を実施する半導体製造装置を示す断面図である。図において、1は半導体ウエハ、2は半導体ウエハ1を収容する反応室、3は反応空間、4は半導体ウエハ1を加熱するためのウエハ加熱源、5は半導体ウエハ1を搭載する仕切り部材(真空チャック)、6は反応室2に反応ガスを供給するガスノズル、7は反応ガス排気路、8は真空チャック排気路、9は反応ガス排気路7を通過してきた反応後のガスから反応副生成物を取り除く後段トラップである。
【0011】
次に動作について説明する。
半導体ウエハ1は真空チャック5に搭載された後、真空チャック5に開口している真空チャック排気路8から真空排気され、反応空間3との差圧力によって吸着固定される。さらに半導体ウエハ1はウエハ加熱源4によって真空チャック5を介して高温に加熱される。しかるのちガスノズル6から反応ガスを反応室2内に供給すると、高温になっている半導体ウエハ1の表面では熱化学反応によって薄膜が形成される。一方、反応後のガスは反応ガス排気路7を経由して後段トラップ9に至り、ここで反応副生成物を取除かれた上で排気される。
【0012】
図2はこの発明の実施の形態1によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。同図において、401は半導体製造装置の装置本体、402はサセプタ(ウエハ保持機構)51を介して半導体ウエハ1を加熱するためのヒータである。404はサセプタ51を断熱支持するリング状の断熱材、6は薄膜の原料となる反応ガスをシャワー状に半導体ウエハ1に供給するガスノズル、406は半導体ウエハ1を支持する棒状の支持ピンであり、半導体ウエハ1の外周部を押えるように他に図示しない3本がある。ベローズ407aの上端はガスノズル6の下部と溶接により接続し、下端はフランジ427aと溶接してあり、図示しないガスケットをはさんで装置本体401の下部にボルトで固定される。
【0013】
408aは支柱であり、この上端は雄ねじとなっており、雌ねじのあるフランジ427aにねじ止めされ下端は図示しないナットでハウジング417を固定する。409はシリンダ410のロッドで、中央部のツバがベローズ407bの上端と溶接され、ベローズ407bの下端はフランジ427bと溶接され図示しないガスケットをはさんで装置本体401の下部にボルトで固定される。また、ロッド409の上端には支持ピン406が固定されている。
【0014】
411はガスノズル6の原点位置を検出するためのスイッチであり、スイッチ取付板412でハウジング417に固定される。413はパルスモータであり、前記支柱408bによってハウジング417に固定され、パルスモータ413の駆動軸の歯車414bは、ねじ軸415と締結された歯車414aとかみあっている。ねじ軸415はハウジング417の中心に固定されたベアリング416により支持され、ねじ軸415のねじ部はナット428とかみあっている。ナット428はツバがあり、これがスイッチ411の接触子に当接するドグになっている。ナット428はガスノズル6の下部に対して固定されている。
【0015】
418はクリーニングガスを装置内に導入するクリーニングガス導入フランジであり、装置本体401の下部にガスケットをはさんでボルトで固定される。クリーニングガス導入フランジ418の装置内部側には継手419aが接続され、継手419aに接続したフレキシブルチューブ420は継手419bを介してガスノズル6の下部に接続される。ガスノズル6の上面にはリング状の溝のクリーニングガスリングノズル421があり、クリーニングガス吹出し口が上に向って開口している。426は反応ガス導入配管でガスノズル6の下部につながっており、425は反応ガスを排気する排気口である。
【0016】
以上説明した実施の形態1によれば、半導体製造装置により、クリーニングガスを流したとき、半導体ウエハ1により余剰堆積物の付着していないサセプタ51のウエハ接触面を覆うようにすれば、この接触面へのクリーニングガスの接触を阻止できる。このため、余剰堆積物の付着していないサセプタ51のウエハ接触面がクリーニング時にエッチングされるという不具合が回避される。なお、半導体ウエハ1はシリコンウエハでも、石英ウエハでもよい。
【0017】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。この実施の形態2では、ガスクリーニング時に、半導体ウエハ1を除去し、パルスモータ413を駆動してガスノズル6を上昇させ、サセプタ51の下面にガスノズル6の上面を当てている。
【0018】
このようにすれば、クリーニングガスを流したとき、ガスノズル6の上面が余剰堆積物の付着していないサセプタ51のウエハ接触面を覆ってクリーニングガスを極力接触させないようにするから、上記実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0019】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。同図において、429aはガスノズル6の下部に接続した不活性ガス導入配管、429bはサセプタ51,断熱材404により装置本体401が上下に分離されたうちの上側の壁に接続した不活性ガス導入管である。430はサセプタ51のなかに空けた不活性ガスを流す不活性ガス導入路である。なお、他の構成は実施の形態1と同様である。
【0020】
このような実施の形態3による半導体製造装置において、クリーニングガスを流したとき、不活性ガス導入管429bに不活性ガスを供給すれば、不活性ガス導入路430を介して余剰堆積物の付着してないサセプタ51のウエハ接触面周辺に不活性ガスを供給でき、サセプタ51のウエハ接触面でのクリーニングガス濃度を下げることができる。したがって、サセプタ51のウエハ接触面へのクリーニングガスの接触の確率あるいはその程度をさらに低減できる。
【0022】
【発明の効果】
この発明によれば、半導体製造装置が備えるガスノズルによって、ウエハ保持機構の余剰堆積物が付着していないウエハ接触面を覆い、この状態でクリーニングガスを流すガスクリーニング方法としたので、上述のように、半導体製造装置が備えるガスノズルによって、ウエハ保持機構の余剰堆積物が付着していないウエハ接触面をクリーニングガスから保護することができ、このため、クリーニングガスによる前記ウエハ接触面の腐食を防止することができ、装置寿命を延すことができるという効果がある。
【0023】
この発明によれば、ウエハ保持機構の余剰堆積物が付着していないウエハ接触面もしくはその近傍に不活性ガスを供給しながらクリーニングガスを流すガスクリーニング方法としたので、前記ウエハ接触面におけるクリーニングガス濃度を前記不活性ガスによって下げることができ、このため、前記ウエハ接触面のクリーニングガスによる腐食をさらに信頼性高く防止でき、装置の寿命を延すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態によるガスクリーニング方法を実施する半導体製造装置を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるガスクリーニング方法を実施するための半導体製造装置の要部を示す断面図である。
【図5】 従来の半導体製造装置のガスクリーニング方法における処理温度と重量増加率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ、2 反応室、3 反応空間、4 ウエハ加熱源、5 仕切り部材(真空チャック)、6 ガスノズル、7 反応ガス排気路、8 真空チャック排気路、9 後段トラップ、51 サセプタ(ウエハ保持機構)、401 装置本体、402 ヒータ、404 断熱材、406 支持ピン、407a,407b ベローズ、408a,408b,408c 支柱、409 ロッド、410 シリンダ、411 スイッチ、412 スイッチ取付板、413 パルスモータ、414a,414b 歯車、415 ねじ軸、418 クリーニングガス導入フランジ、419a,419b 継手、420 フレキシブルチューブ、421 クリーニングガスリングノズル、425 排気口、427a,427bフランジ、429a,429b 不活性ガス導入管、430 不活性ガス導入路。
Claims (2)
- 反応室内に半導体ウエハを保持するウエハ保持機構と、前記反応室内に反応ガスを供給するガスノズルとを有し、前記半導体ウエハ上に薄膜形成を行う半導体製造装置のガスクリーニング方法において、余剰堆積物が付着していない前記ウエハ保持機構のウエハ接触面を前記ガスノズルで覆ってクリーニングガスを流すことを特徴とする半導体製造装置のガスクリーニング方法。
- ガスノズル又はウエハ保持機構の少なくとも一方から不活性ガスを流しながらクリーニングガスを流すことを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置のガスクリーニング方法。
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