JP3717303B2 - 乾麺裁断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥させながら追熟させた乾麺を所定の寸法に裁断する乾麺裁断装置に関し、特に、所定の寸法に裁断した乾麺を自動的に容器に回収できるようにした乾麺裁断装置に関する。
【0002】
【従来技術】
素麺は、原料粉を配合し、混練した後、所定の時間放置して熟成させ、紐状に延ばしてから、2本の箸に幾重にもわたって8文字状に巻き掛け、これら2本の箸の間隔を所定の時間置きに段階的に拡大して麺線を引き延ばし、この後、乾燥させながら追熟させてから所定の長さに裁断するという手順で作られる。
【0003】
所定の長さに裁断された素麺は、所定の本数ずつ束ねられ、所定の束数ずつ箱詰めされて市場に送り出される。
乾麺を所定の長さに裁断する作業は、例えば図13に示すように、上箸に懸垂支持させた乾麺を乾麺載置装置101にコンベアを用いて自動的に、又は、手作業で掛け込み、この乾麺載置装置101で所定数の上箸に巻き掛けられた乾麺をまとめてまな板102の上に寝かせ、この後、まな板102に載置された乾麺を上箸の近傍で端部カッター103で裁断して上箸に巻きついた節の部分を切除し、更にこの後、乾麺載置装置101及び端部カッター103を退避させてから、カッター台104を例えば右方から左方に間欠的に移動させ、カッター台104を所定の位置で停止させるごとに、カッター台104に支持させたカッター105で乾麺を裁断する、という手順で行っている。
【0004】
カッター台104はカッター105が乾麺をその左端の最寄りの裁断点で裁断した後、まな板102の右方に設定した初期位置に復帰し、次の裁断工程の開始を待つ。そして、作業の安全性を確保するために、カッター台104が初期位置へ復帰してからまな板102の乾麺を取り出す。
【0005】
まな板102の上には、予め紙が敷かれ、乾麺と共に裁断されたこの紙の前後両端を両手で持ち上げ、これにより裁断された乾麺を紙ごとまな板から取り上げる、という手順で行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、乾麺を切り分けた回数に分けて手作業でまな板102から取り出すことは、作業性を高める上で非常に不利であり、又、省力化を図る上でも非常に不利である。更に、乾麺を支持する紙が破れて周囲に麺線が飛散する恐れもある。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みて、従来の技術的課題を解決し、所定の寸法に裁断した乾麺を自動的に容器に回収できるようにした乾麺裁断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の乾麺を左右に寝かせた状態に積み重ねて支持する裁断台と、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって間欠的に横行させるカッター台と、カッター台に支持され、カッター台が停止する間に乾麺を裁断するカッターとを備える乾麺裁断装置において、この目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
即ち、裁断された乾麺が回収される容器を裁断台の前後いずれか一側で支持しながら、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって横行させる容器支持枠と、裁断された乾麺を裁断台上から前記容器側に押し出すプッシャーと、プッシャーにより裁断台の一側に押し出された乾麺を容器に案内するシューターとを備える、という技術的手段を採用する。
【0010】
本発明によれば、前記容器を容器支持枠に支持させ、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって横行させることにより該容器を裁断された乾麺の前側(又は後側)に位置させることができる。そして、該容器を裁断された乾麺の前側(又は後側)に位置させた状態で、プッシャーで裁断された乾麺を裁断台上から前記容器側に押し出すと、乾麺は裁断台上から前記容器側に押し出され、シューターに案内されて前記容器内に落下し、容器に回収される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例に係る乾麺裁断装置を図面に基づいて具体的に説明すれば以下の通りである。
【0012】
図5の側面図に示すように、この乾麺裁断装置は寸法裁断部Aと、これの後側に配置される端麺裁断部Bとを備えている。
この端麺裁断部Bでは、後述するように、搬入コンベア52aで搬入する上箸Cに懸垂支持させた乾麺を所定量ずつ箸受け枠52cに取り分け、乾麺受け台51の受け枠51aの上に寝かせる。
【0013】
これを所定回数繰り返した後、乾麺受け台51に載置された乾麺を上箸Cの近傍で端部カッター53で裁断して上箸Cに巻きついた節の部分を切除し、この節の巻きついた上箸Cを端部回収装置56に落下させて回収し、節取り装置57で上箸Cと節とを分離し、上箸Cから分離された節は端麺排出用コンベア58で所定の場所に排出される。
【0014】
なお、下箸及びこれに巻きついた節は端麺裁断部Bの搬入コンベア52aに上箸C及びこれに懸垂支持させた乾麺を掛込む前に取り除かれている。
両端の節を取り除かれた乾麺は、後述するように、乾麺受け台51を移動させて、前記寸法裁断部Aの裁断台2に搭載される。
【0015】
図1の正面図、図2の側面図及び図3の平面図に示すように、前記寸法裁断部Aは、機枠1と、この機枠1に支持され、多数の乾麺を左右に寝かせた状態に積み重ねて支持する裁断台2と、前記機枠1に左右方向に移動可能に支持され、裁断台2の右側方の初期位置から裁断台2の左側部の最終裁断点との間で移動させるカッター台3と、機枠1に支持され、カッター台3を駆動するカッター台駆動装置4と、カッター台3に支持されたカッター5とを備える。
【0016】
前記裁断台2は、本質的に1枚板状であってもよいが、端麺裁断部Bからの乾麺の移載を円滑にするために、前記裁断台2は乾麺を左右方向に所定の間隔を置いた複数箇所、即ち、乾麺を裁断する複数の裁断点で支持するように左右方向に分断して設けられている。
【0017】
図4のフロー図に示すように、この裁断台2への乾麺の移載、即ち、両端の節が切除された所定量の乾麺が裁断台2上に左右に寝かせて積み上げられることが終了すると(F4)、乾麺の一端部を切り揃える始端裁断(F5)が行われ、これに続いて次点裁断(F6)、即ち、その裁断を行った裁断点の次の裁断点での裁断が繰り返し行われ、終端の裁断点での裁断が終了すると(F8)、カッター台3は原点復帰する(F10)。
【0018】
前記カッター台駆動装置4は、図1に示すように、カッター台3を左右方向に摺動可能に支持する機枠1に左右軸心回りに回転可能に支持させたボールネジ4aと、この機枠1に支持され、前記ボールネジ4aを駆動する例えばサーボモータからなるモータ4bと、前記ボールネジ4aに螺進退可能に螺合され、カッター台3に固定されたボールナット4cとを備え、例えば、カッター台3を初期位置から左方に駆動し始めた後、図示しないセンサにより分断された裁断台2の各部分に対応して設けた裁断点検出子のうちの最初の裁断点検出子を検出するとカッター5により乾麺を裁断するための一定時間にわたって停止し、この後、カッター台3の左方への駆動を再開し、以後、裁断点検出子の検出、一定時間停止、カッター台3の左方への駆動の再開をこの順に繰り返し、最後の裁断点検出子を検出した時には、一定時間停止してからカッター台3の右方への駆動を開始し、カッター台3が初期位置に検出したことが前記センサにより検出されると停止して、次回の動作の開始を待機するようにしている。
【0019】
但し、次点裁断(F6)が終了するごとに、後述する容器7が回収された乾麺で満杯になっているか否かが判定され(F7)、満杯である場合には容器7をチェーンコンベア12上に排出し、空容器7をチェーンコンベア12上に投下してから(F9)、カッター台3を原点に復帰させる(F10)。
【0020】
前記始端裁断(F4)の工程では、まず、カッター台駆動装置4を作動させてカッター台3を原点、即ち、裁断台2の右側方の初期位置から左方に往行し、最初の裁断点で所定時間にわたって停止する。又、この始端裁断(F4)の工程では、これに引き続いてカッター5が乾麺を裁断して、乾麺の一端が切り揃えられる。
【0021】
前記カッター5は、カッター台3が停止している間に、裁断台2上に載せられた乾麺を裁断台2の長手方向、即ち、左右方向に直交する垂直面で裁断できるように構成してあればよく、例えば左右軸心の回りに回転させる回転刃と、この回転刃を駆動するモータと、回転刃及びモータを左右軸に直交する垂直面に沿って移動させる手段とを備えるように構成することも可能である。
【0022】
しかしながら、この実施例では、乾麺の折損を無くすと共に構成及び動作原理を簡単にするために、カッター台3に昇降可能に支持させた押切り刃5aと、カッター台3に支持され、この押切り刃5aを昇降させる、例えばエアシリンダからなる刃駆動装置5bとを備えるカッター5を用いている。
【0023】
この刃駆動装置5bは、初期状態(又は待機状態)では押切り刃5aを裁断台2上の乾麺よりも高い位置に位置させ、裁断時に、押切り刃5aを裁断台2の上面まで一挙に押し下げて乾麺を裁断し、折り返し、押し切り刃5aを元の初期位置(待機位置)まで上昇させて次の裁断まで待機させるようにしている。
【0024】
又、カッター台3には、押し切り刃5aよりも左側で乾麺を抑える麺抑え装置6を設け、裁断時にこの麺抑え装置6で乾麺を裁断台2に抑え付けて裁断時に麺線が動くことを防止し、これにより、乾麺を折ることなく、正確に切り揃えることができるようにしている。
【0025】
なお、この麺抑え装置6は、前後に延びる抑え枠6aとこれを乾麺の上側で昇降させる、例えばエアシリンダからなる昇降駆動装置6bとで構成され、カッター台3を裁断点に停止させた後、カッター5を下降させる前に昇降駆動装置6bで抑え枠6aを乾麺よりも高い所定の位置から押し下げて所定の圧力で乾麺を裁断台2に抑え付け、乾麺の裁断後に押し切り刃5aの上昇と同時に(これと前後してもよい。)元の位置に上昇するようにしている。
【0026】
終端裁断を除く裁断が終了した後に実行される次点裁断(F6)の工程では、カッター台3は次の裁断点に予め定められた一定の距離だけ移動し、停止した後、始端裁断における乾麺の裁断と同じようにして乾麺が裁断される。
【0027】
ところで、この寸法裁断部Aには、裁断された乾麺を回収される容器7を裁断台2の前側で支持しながら、左右方向に往復する容器支持枠8と、裁断された乾麺を裁断台2上から前記容器7側、即ち、前側に押し出すプッシャー9と、プッシャー9により裁断台2の前側に押し出された乾麺を容器7に案内するシューター10が設けられ、裁断台2上で裁断された乾麺をプッシャー9で前側に押し出し、シューター10に案内させて前記容器7内に回収できるようにしている。
【0028】
前記容器7は例えば合成樹脂で作られ、上面が開放された直方形箱型に形成され、その外周縁の上端部に外鍔が形成され、又、この外鍔と上面との間には前後対をなす凹部が形成されている。空の容器7は、次のようにしてストッカー11に適当な数量だけ上下に積み重ねて保留され、容器支持枠8にセットするためにストッカー11の下部内に延長されたチェーンコンベア12に1個ずつ投下され、容器支持枠8の下方まで搬送される。
【0029】
図6の正面図、図7の側面図及び図8の平面図に示すように、前記ストッカー11は、適当な高さに水平に、かつ、平面視において容器7を左及び前後を取り囲むコ字形の上端枠11aと、これらを支持する4本の脚11bと、前記上端枠11aの下方に昇降可能に設けられ、平面視において前記容器7を左及び前後から取り囲むコ字形の昇降枠11cと、この昇降枠11cを駆動する例えばエアシリンダからなる昇降駆動装置11dと、この昇降枠11dcに前後に開閉可能に支持され、容器7の外鍔を下側から受け止める前後1対のストッパー11eと、このストッパー11eを開閉させる前後1対のシリンダ(ソレノイドでもよい。)11fとを備え、適当な数量だけ上下に重ねられた複数の容器7を、その中の一番下の容器7の外鍔にストッパー11eを嵌入することにより、貯留する。
【0030】
図4に示すように、前記始端裁断(F5)が行われる前に、あるいは次点裁断(F6)が行われる前に、予め容器支持枠8に容器7がセットされているか否かがチェックされ(F1)、容器7がセットされていなければ、容器7を容器支持枠8にセットしてから(F2)、セットされておればそのまま、前回の裁断が終端裁断であるか否かを確認する(F3)。
【0031】
そして、前回の裁断が終端裁断であれば、乾麺の寸法裁断部Aへの移載の終了を待って(F4)、始端裁断(F5)の工程に移行し、終端裁断でなければ、最後の裁断点の次の裁断点における次点裁断(F6)の工程に移行する。
【0032】
容器セット(F2)の工程では、予めカッター台3を原点復帰させてから(F10)、複数の容器7を支持しているストッカー11のストッパー11eを閉じたままで、昇降枠11c及びストッパー11eを下降させ、1番下の容器7をチェーンコンベア12に載せる。
【0033】
この後、ストッパー11eを開いて容器7を解放してから、昇降枠11c及びストッパー11eを上昇させ、ストッパー11eが所定の高さ、例えばチェーンコンベア12に載せた下から2番目の容器7の中間高さを通過する時にストッパー11eを閉じ、引続き昇降枠11c及びストッパー11eを上昇させることにより、下から2番目の容器7の外鍔を下側から受け止め、この下から2番目の容器7及びこれの上に積み重ねられた容器7を1番下の容器7から持ち上げる。
【0034】
この後、チェーンコンベア12を作動させて、この上に載せた容器7(1番下の容器7)を原点位置にある容器支持枠8の所に移動させる。
もっとも、容器支持枠8は容器7をこの位置に移動させるまでに原点位置に復帰させてあればよく、例えば1番下の容器7をチェーンコンベア12に下ろし始めてから1番下の容器7をこの位置に移動させるまでの間に並行して容器支持枠8を原点に移動させてもよいのである。
【0035】
なお、このチェーンコンベア12は、左右に寝かせた梯子状のフレーム12aと、このフレーム12aの両端に回転自在に支持させたそれぞれ前後対をなすスプロケット12bと、左右に対応するこれらスプロケット12b間に巻きかけた前後1対のチェーン12cと、これらチェーン12cを駆動するモータ12dと、これらチェーン12cの上周部に固定された容器受け枠12eとを備える。
【0036】
又、この容器受け枠12eの下面には検出子12fが固定され、この容器受け枠12eに供給された容器7が原点に位置する容器支持枠8の下方まで搬送されると、この検出子12fが別のセンサ13によって検出され、チェーンコンベア12が停止される。
【0037】
前記容器支持枠8は、カッター台3の前側に張り出させたサブフレーム8aと、このサブフレーム8aに昇降可能に支持された四辺形枠状のテーブル8bと、このテーブル8bを昇降させる、例えばエアシリンダからなる昇降駆動装置8cと、前記テーブル8bの下面に開閉可能に支持させた前後1対のクランパ8dと、これらクランパ8dを開閉させるシリンダ(ソレノイドでもよい。)とを備えている。
【0038】
チェーンコンベア12によってストッカー11から空の容器7が原点にある容器支持枠8の下方まで搬送されて来ると、クランパ8dを開いた状態で、昇降駆動装置8cを作動させてテーブル8b及びクランパ8dを降下させる。テーブル8bの下面が容器7の上面に受け止められると、クランパ8dを閉じ、クランパ8dを容器7の外周面に形成した凹部に突入させ、この後、昇降駆動装置8cを作動させてテーブル8b及びクランパ8dを上昇させる。
【0039】
かくして、容器7はクランパ8dと凹部との噛み合いによって容器支持枠8に支持され、引続き昇降駆動装置8cを作動させてテーブル8b及びクランパ8dを所定の位置まで上昇させて、容器7をその上面が裁断台1の上面よりも低い所定の高さになるまで持ち上げる。これにより、容器7のセット(F2)が完了する。
【0040】
このように、容器7を容器支持枠8に支持させた後、容器7及び容器支持枠8はカッター台駆動装置4に駆動されて、カッター台3と共に原点から左方に移動し、最初の裁断点又は容器7が満杯になった裁断点の次の裁断点で停止する。
【0041】
なお、始端裁断(F5)において裁断される乾麺の右端部は長さが必ずしも揃っていないので、屑麺として図示しない屑麺回収装置に回収される。
ところで、始端裁断とその次の最初の次点裁断、或いは、ある次点裁断とその次の次点裁断とによって、乾麺は所定の長さに切り分けられ、裁断された乾麺2はその左右に位置する裁断台2の部分に支持される。
【0042】
しかし、カッター5の押し切り刃5aの右側の乾麺は、抑え枠6aによって抑えられていないので、裁断時に右方に移動し易く、その左端が裁断台2から外れて裁断台2の間に落下する恐れがある。又、下側に積み込まれた麺線が裁断時に右側に流れ、麺線の切断位置が狂って寸法が不揃いになる恐れもある。
【0043】
そこで、前記カッター台3に立板状のカットガイド14を昇降可能に支持させ、ガイドシリンダ15で押し切り刃5aと同期して、あるいは、わずかにこれに先行して、既に裁断されている乾麺の右側にこのカットガイド14を下降させ、押し切り刃5aにより裁断された乾麺が右側に移動して裁断台2の間に落下したり、裁断寸法が変わることを防止するようにしている。
【0044】
なお、前記押し切り刃5aの刃先は水平にしてもよいが、切れ味を鋭くするためには刃渡り方向に、後上がり又は前上がりに傾斜させたり、中高の山型に形成したり、中下がりの逆山型に形成することが好ましい。
【0045】
なお、前記プッシャー9は、カッター台3に固定した周面出力型エアシリンダからなる駆動装置9aと、この駆動装置9aの出力ブロック9cに固定したプッシュ板9dとを備えている。
【0046】
この駆動装置9aは、リニアロータリと呼ばれ、全長にわたってスリットが形成されると共に両端を閉塞された筒体9bと、この筒体9b内に摺動可能に挿入されたピストンと、このピストンの両側で前記スリットを封止するシール部材と、前記ピストンに連結されると共に筒体9bの周面に沿って筒体9bの軸方向に移動する出力ブロック9cとを備えるものであり、筒体9b内でピストンの両側に形成される2つの作動空気室に圧縮空気を出し入れすることにより前記ピストン及び出力ブロック9cが駆動されるようになっている。
【0047】
さて、前記プッシュ板9dは、初期状態(又は待機状態)では裁断台2の後方に控えさせてあり、カッター台3が所定の裁断点で停止し、カッター5の押し切り刃5aが下降して乾麺が裁断された後、前記駆動装置9aを作動させることにより裁断台2の後方から前方に移動する。このプッシュ板9dは、裁断台2の上面よりも所定の高さ以上高い位置から裁断台2の上面よりも低い位置にわたって設けてあるので、この前方への移動により、裁断台2上に載っている裁断された乾麺は裁断台2上を滑って、裁断台2の前方に押し出される。
【0048】
前記カッター台3には、平面視において容器支持枠8に支持させた容器7の前及び左右の3面とほぼ同じ面(又はこれよりもわずかに内寄りの垂直面)に沿って設けた前及び左右の3側面10a〜10cと左右の側面8b、8cの後端部に連結された前下がりの傾斜面10dとを備えるシューター10が固定支持されている。
【0049】
なお、裁断台2の各部分の前後には乾麺が前後に落下するのを防止する落下防止板2a、2bが設けられ、前側の落下防止板2aはそれぞれ乾麺の排出時にエアシリンダ2cで裁断台2の上面以下の高さに下降させ、前記プッシュ板9dにより裁断台2の前方に押し出される乾麺がこれの上を通過して、側壁10a〜10c及び傾斜面10dによって容器7の上面の開口に案内され、容器7内に落下して回収されるようにしている。
【0050】
前記プッシュ板9dが裁断台2の前方の所定の位置まで移動すると、駆動装置9aが逆作動し、プッシュ板9dはその位置から折り返して裁断台2の後方の元の位置まで移動する。これと同時に、又は、その後にエアシリンダ2cは短縮され、前側の落下防止板2aが元の高さに上昇する。
【0051】
そして、この裁断が終端裁断でなければ、この後、カッター台駆動装置4が再始動し、カッター台3、カッター5、麺抑え装置6、容器7、容器支持枠8、プッシャー9及びシューター10を次の裁断点に移動させ、次の裁断点で上記と同様に乾麺を裁断し、容器7に回収する。
【0052】
最後の裁断点では、容器7が満杯になれば、容器7をチェーンコンベア12に下ろし、容器支持枠8から解放してから、チェーンコンベア12を作動させて満杯の容器7を予め定められた位置に排出する。
【0053】
又、最後の裁断点で容器7が満杯になれば、容器7をチェーンコンベア12上で解放した後、容器支持枠8を初期位置まで上昇させる。即ち、容器支持枠8の昇降駆動装置8cを作動させて、テーブル8b、クランパ8d及びこれらに支持された容器7を下降させ、前記チェーンコンベア12の上に容器7を載せる。そして、クランパ8dを開いてから昇降駆動装置8cを逆作動させて、テーブル8b及びクランパ8dを上昇させる。
【0054】
これと同時に、あるいはこれの後にカッター台駆動装置4を逆作動させてカッター台3を原点に移動させる。
又、最後の裁断点で容器7が満杯にならなければ、直ちにカッター台駆動装置4を逆作動させてカッター台3を原点に移動させる。
【0055】
なお、この実施例においては、この容器排出と並行してチェーンコンベア12の右側部で空の容器7をストッカー11からカッター台3の原点まで移動させるようにしている。
【0056】
従って、カッター台3、カッター5、麺抑え装置6、容器支持枠8、プッシャー9及びシューター10が原点(初期位置、待機位置)に復帰すると同時に次の空の容器7を容器支持枠8に取り上げ、その後に引き続いて、乾麺の裁断、回収を繰り返すことができるのである。
【0057】
前記端麺裁断部Bは、先に本出願人が出願している。自動乾麺裁断装置を改良したものであり、上述したように、容器支持枠8と反対側の寸法裁断部Aの後側に配置される。
【0058】
図9の正面図に示すように、この端麺裁断部Bは、上箸Cに懸垂支持させた乾麺を左右に寝かせて一定間隔置きに支持する乾麺受け台51と、上箸Cに懸垂支持させた乾麺を上箸Cが乾麺受け台51の右端部上に位置するように乾麺受け台51に寝かせる乾麺取り込み装置52と、乾麺受け台51に載置された乾麺を乾麺受け台51の右端部上で裁断する端部カッター53と、乾麺受け台51を前記裁断台2の上方に移動させた後、裁断台2の間に下降させて乾麺を乾麺受け台51から裁断台2に移載する乾麺移載装置54とを備える。
【0059】
前記乾麺受け台51は左右に適当な間隔を置いて配置される複数の受け枠51aと、各受け枠51aの前後両端部に立設されたストッパー枠51bと前記複数の受け枠51aの後端部どうしを連結する連結枠51cを備えている。
【0060】
又、前記乾麺取り込み装置52は、図外の搬入コンベアから乾麺を巻きかけた上箸Cを機枠55に支持させた箸取りコンベア52aに順次受け取り、機枠55に昇降可能に支持させた昇降枠52bが支持する箸受け枠52cに上箸Cを所定数ずつ取り分け、上箸Cが乾麺受け台51の右端部上に位置するように乾麺を乾麺受け台51上に寝かしつけるようにしている。
【0061】
即ち、図10の背面図に示すように、前記箸取りコンベア52aの搬送先には、上箸Cを受け止めるストッパ52dが設けられ、搬入コンベアから受け取った上箸Cをこのストッパ52dでそれらに巻き掛けた麺線の節の部分どうしが接触する程度に間隔を詰めて次々と牽制するようにしている。そして、図10及び図11の側面図に示すように、この箸取りコンベア52aにはこれが搬送する上箸Cの数を計数する計数装置52eが設けられ、所定数(例えば18本)の上箸Cがこの計数装置52eを通過した時にこれよりも搬送元側に設けたピン状の左右1対のストッパー52fを突出させて、それ以後の上箸Cが搬送先側に進むことを阻止させる。これにより、箸取りコンベア52aの搬送先には所定数の上箸Cが麺線の節の部分どうしが接触する程度に間隔を詰めて集積される。
【0062】
前記箸受け枠52cは、初期状態では昇降枠52bの左端部に位置させ、かつ、この箸取りコンベア52aの搬送先に集積される所定数の上箸Cの下方に位置させてあり、上述のようにして箸取りコンベア52aの搬送先に所定数の上箸Cを集積した後、図9に示すように、この箸受け枠52cを昇降枠52bと共に上昇させることにより、箸取りコンベア52aから前記所定数の上箸Cが箸受け枠52cに取り上げられる。
【0063】
この後、箸受け枠52cを昇降枠52bの左端部から右方に移動させ、箸受け枠52cが箸取りコンベア52aの右端を通過する頃から昇降枠52b及び箸受け枠52cを下降させることにより、これら所定数の上箸Cが乾麺受け台51の右端部の上側に搬入される。
【0064】
乾麺受け台51の左端部上には案内板52gが設けられ、上箸Cを箸取りコンベア52a上から乾麺受け台51の右端部の上側に搬入する間にこの案内板52gの上を乾麺の下半部が滑りながら乗り越すことにより、乾麺の下半部が折れることなく円滑に乾麺受け台51の上に案内され、寝かされる。
【0065】
箸受け台52cによって上箸Cを移動させている間に箸受け台52cは右下がりに傾斜し、これに支持された上箸Cは右下がりに傾斜する方向に並ぶ。そして、昇降枠52bの右端部に支持させた端部カッター53によってこれら上箸Cの近傍で乾麺を裁断することにより、上箸Cとこれに巻きついた乾麺の節の部分が切断され、後に寸法裁断部Aで所定の寸法に裁断される乾麺の右端部が乾麺受け台51の上に落下して寝かされる。又、切除された節の部分とこれが巻きついている上箸Cは端部回収装置56に回収され、節取り装置57で上箸Cから節を取り除く。そして、上箸Cから分離された節は端麺排出用コンベア58で所定の場所に排出される。
【0066】
図9及び図12の側面図に示すように、前記乾麺移載装置54は、昇降可能に設けられ、前記乾麺受け台51を前後摺動可能に支持する昇降枠54aと、これを昇降駆動する例えばエアシリンダからなる昇降駆動装置54bと、昇降枠54aに対して乾麺受け台51を前後方向に駆動する、例えば昇降枠54aに支持させたリニアロータリからなる進退駆動装置54cとを備えている。
【0067】
図12に示すように、乾麺受け台51は、実線で示す所定の初期位置から昇降駆動装置54bを作動させて麺受け位置に上昇させた後、上述のようにして乾麺取り込み装置52から乾麺を受け取り、前記端部カッター53によって節を切除してから、進退駆動装置54cを作動させて乾麺を載せたまま機枠55内から寸法裁断部Aの裁断台2の上方の上側位置に移動される。この後、昇降駆動措置54bを逆作動させて乾麺受け台51の各受け枠51aを裁断台2の間の下側位置に下降させることにより、乾麺受け台51から乾麺を寸法裁断部Aの裁断台2に載せ替える。更にこの後、進退駆動装置54cを逆作動させて乾麺受け台51を後方の初期位置に移動させ、次の所定数の上箸Cに支持させた乾麺の乾麺受け台51上への取込みに備えて待機させる。
【0068】
従って、この乾麺裁断装置では麺線を巻きかけた上箸Cを搬入コンベアで端麺裁断部Bに搬入し、所定数の麺線をまとめてから、その節の部分を切除すると共に上箸Cを分離し、これにより両端の節が切除された麺線を端麺裁断部Bから寸法裁断部Aに移した後、所定の寸法に切り分け、容器7に回収し、この容器7ごと所定の位置に搬出できることになる。
【0069】
即ち、所定の寸法に裁断された麺線を手作業で裁断台2から回収する必要はなくなり、高能率に所定の寸法の麺線を裁断台2から回収することができ、作業性及び省力化を図る上で非常に有利になる。
【0070】
又、回収された麺線は容器7に収容されているので、その後にこれを取り分けて束ねる作業に移るまでに周囲に散乱する恐れがなくなるうえ、麺線を取り分けて束ねる作業も容易になる。
【0071】
その上、端麺裁断部Bにおける節の切除及び上箸Cの分離を行う作業と、寸法裁断部Aにおける麺線を所定の寸法に裁断し容器に回収する作業とを平行して行うことができ、これにより、製造工程全体の作業性を一層著しく高めることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、裁断された乾麺が回収される容器を裁断台の前後いずれか一側で支持しながら、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって横行させる容器支持枠と、裁断された乾麺を裁断台上から前記容器側に押し出すプッシャーと、プッシャーにより裁断台の一側に押し出された乾麺を容器に案内するシューターとを備えるので、所定の寸法に裁断された乾麺を自動的に容器に回収できる効果が得られる。
【0073】
又、その結果、従来手作業によっていたこの作業の作業性を著しく高めることができると共に省力化を図ることができ、しかも、所定の寸法に裁断された乾麺が周囲に散乱して歩留りが停止することを防止できると共に、その後の作業を進める上で有利になるなどの効果を得ることができるのである。
【0074】
本発明において、特に前記裁断台を乾麺を左右方向に所定の間隔を置いた複数箇所で支持するように左右方向に分断して設け、容器支持枠と反対側に配置され、上箸に懸垂支持させた乾麺を左右に寝かせて一定間隔置きに支持する乾麺受け台と、上箸に懸垂支持させた乾麺を乾麺受け台に寝かせる乾麺載置装置と、乾麺受け台に載置された乾麺を乾麺受け台の左右いずれか一方の端部上で裁断する端部カッターと、乾麺受け台を前記裁断台の上方に移動させた後、裁断台の間に下降させて乾麺を乾麺受け台から裁断台に移載する乾麺移載装置とを設けた場合には、上述の効果に加えて、乾麺載置装置に乾麺を懸垂支持した上箸を掛け込むだけで、上箸に巻きついた節と上箸とを所定の寸法に裁断される乾麺から分離し、節及び上箸を取り除いた乾麺を裁断台に載せる作業を自動化でき、この作業の作業性を著しく高めることができると共に省力化を図ることができる上、乾麺を所定寸法に裁断する作業を引き続いて行うことができ、製造工程全体の作業性を著しく高めることができるなどの効果を得ることができる。
【0075】
又、この場合には、乾麺の節の切除及び上箸の分離を行う作業と乾麺を所定の寸法に裁断する作業とを平行して処理することができ、製造工程全体の作業性を一層著しく高めることができる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の寸法裁断部の正面図である。
【図2】本発明の寸法裁断部の側面図である。
【図3】本発明の寸法裁断部の平面図である。
【図4】本発明の制御フロー図である。
【図5】本発明の側面図である。
【図6】本発明のストッカーの正面図である。
【図7】本発明のストッカーの側面図である。
【図8】本発明のストッカーの平面図である。
【図9】本発明の端麺裁断部の正面図である。
【図10】本発明の箸取りコンベアの背面図である。
【図11】本発明の箸取りコンベアの側面図である。
【図12】本発明の乾麺移載装置の側面図である。
【図13】従来の乾麺裁断装置の側面図である。
【符号の説明】
2 裁断台
3 カッター台
5 カッター
7 容器
8 容器支持枠
9 プッシャー
10 シューター
51 乾麺受け台
52 乾麺取り込み装置
53 端部カッター
54 乾麺移載装置

Claims (2)

  1. 多数の乾麺を左右に寝かせた状態に積み重ねて支持する裁断台と、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって間欠的に横行させるカッター台と、カッター台に支持され、カッター台が停止する間に乾麺を裁断するカッターとを備える乾麺裁断装置において、
    裁断された乾麺が回収される容器を裁断台の前後いずれか一側で支持しながら、裁断台の左右いずれか一側方から他側に向かって横行させる容器支持枠と、
    裁断された乾麺を裁断台上から前記容器側に押し出すプッシャーと、
    プッシャーにより裁断台の一側に押し出された乾麺を容器に案内するシューターとを備えることを特徴とする乾麺裁断装置。
  2. 前記裁断台は乾麺を左右方向に所定の間隔を置いた複数箇所で支持するように左右方向に分断して設けられ、
    容器支持枠と反対側に配置され、上箸に懸垂支持させた乾麺を左右に寝かせて一定間隔置きに支持する乾麺受け台と、上箸に懸垂支持させた乾麺を乾麺受け台に寝かせる乾麺取り込み装置と、乾麺受け台に載置された乾麺を乾麺受け台の左右いずれか一方の端部上で裁断する端部カッターと、乾麺受け台を前記裁断台の上方に移動させた後、裁断台の間に下降させて乾麺を乾麺受け台から裁断台に移載する乾麺移載装置とを設けた請求項1に記載の乾麺裁断装置。
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