JP3717234B2 - 二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重効用吸収式冷凍機に用いるプレート型低温再生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、二重効用吸収式冷凍機1の原理を説明するための系統図である。高温再生器2では、たとえば燃焼室3で都市ガスが燃焼され、その熱によって希吸収液が加熱され、冷媒蒸気の一部が分離されて中濃度の吸収液が得られる。中濃度の吸収液は、第1熱交換器4と第1減圧弁5とを通って中間圧で低温再生器6に送られる。低温再生器6では、高温再生器2で発生した冷媒蒸気によって、中濃度の吸収液が加熱され、さらに冷媒蒸気が分離されて、濃吸収液が得られる。高圧再生器2で発生した冷媒蒸気は、低温再生器6で中濃度の吸収液を加熱し、それ自身は凝縮して冷媒液となり、トラップ7を介して冷媒液溜8に送られる。一方低温再生器6で発生した冷媒蒸気は、バッフル板17を介して凝縮器9に送られ、凝縮器9で冷却水によって冷却凝縮され、冷媒液として冷媒液溜8に溜められる。冷媒液溜8の冷媒液は、第2減圧弁10を通って低圧で蒸発器11に送られ、被冷却液を冷却し、自身は蒸発して冷媒蒸気になる。冷媒蒸気は低温再生器6からの濃吸収液によって吸収器12で吸収され、蒸発器11内を低圧に保持する。濃吸収液が冷媒蒸気を吸収するときと、冷媒蒸気が凝縮するときとには、発熱するので、吸収器12と凝縮器9とは冷却水で冷却される。濃吸収液は、第3減圧弁13と第2熱交換器14とを通って吸収器12に送られ、ここで冷媒蒸気を吸収して希吸収液となり、吸収液ポンプ15で加圧され、第2熱交換器14、第1熱交換器4を通って高温再生器2へ送られる。また、蒸発器11の下部には未蒸発の冷媒液が溜まるが、これは冷媒ポンプ16によって蒸発器11の上方に循環される。
【0003】
従来技術の典型的な低温再生器は、中濃度の吸収液中に水平多管式の冷媒蒸気管が配管された構成である。したがって水平管を流れる冷媒蒸気が凝縮したとき、これが速やかに流下することが必要であるが、水平管では流れが緩やかとなる。このため伝熱効率の低下を来し、水平管の数を多くして伝熱面積を多くせねばならず、低温再生器のコンパクト化が図れないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、二重効用吸収式冷凍機に用いる軽量でコンパクトなプレート型低温再生器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、希吸収液から高圧の冷媒蒸気を分離して中濃度の吸収液を得る高温再生器と、高圧の冷媒蒸気によって、中間圧に減圧された中濃度の吸収液を加熱し、さらに冷媒蒸気を分離するとともに、高圧の冷媒蒸気を凝縮する低温再生器と、前記冷媒蒸気を冷却して冷媒液を得る凝縮器と、低温再生器で凝縮された冷媒液と凝縮器で凝縮された冷媒液とを併せて減圧下で蒸発させ、被冷却液を冷却する蒸発器と、蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃吸収液で吸収する吸収器とを含み、吸収液を高温再生器と低温再生器と吸収器との間で熱交換器を介して循環する二重効用吸収式冷凍機において、
周囲を閉じられ、2枚のプレス成型された金属製の薄板で仕切られた偏平な空間を多数積層し、偏平な空間の内部から成る冷媒蒸気通路と、偏平な空間の外部から成る吸収液溜とを含み、
高圧の冷媒蒸気は、上方から冷媒蒸気通路に供給され、凝縮して液状で下方から排出され、
中濃度の吸収液は、下方から吸収液溜に供給され、吸収液溜上部の吸収液蒸発部で冷媒蒸気を分離して濃吸収液として吸収液排出管に排出され、前記で分離された冷媒蒸気は凝縮器へ送られることを特徴とする二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器である。
本発明に従えば、冷媒蒸気と吸収液との伝熱面を鉛直な薄板平板で構成しているため、単位体積当たりの伝熱面積を大きくすることができ、凝縮した冷媒液の流下速度を早くでき、低温再生器の大きさを従来型に比し1/2以下にできる。
【0006】
また本発明は、前記薄板が、適切な間隔で球状の凹凸を配置した薄板であり、凹部同志が偏平な空間内で接触し、隣接する偏平な空間の凸部同志が吸収液溜内で接触していることを特徴とする。
本発明に従えば、薄板が前記構成を有しているので、冷媒蒸気の圧力(大略大気圧)と冷媒液の圧力(約0.1気圧)とによって、プレート型低温再生器が変形することがない。
【0007】
また本発明は、前記偏平な空間の内部の冷媒蒸気通路の幅が4.5〜6.5mmであり、隣接する偏平な空間の間隔が5〜7mmであることを特徴とする。
本発明に従えば、冷媒蒸気通路の幅は、4.5〜6.5mmとすることが好ましい。この幅は本発明者らが実験によって求めたもので、これが6.5mmを超えると伝熱効率が低下し、4.5mm未満としても伝熱効率に差がなく、製作に手間を要する。
また冷媒蒸気によって加熱される冷媒液の幅は、冷媒蒸気通路の幅よりも若干広く、5〜7mmとすることが好ましい。この幅も本発明者らが実験によって求めたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を一実施の形態によって、より具体的に説明する。なお二重効用吸収式冷凍機の構成は、図1に基づいて従来技術で説明したものと同一である。
【0009】
図2は本発明のプレート型低温再生器21の一部を切欠いた正面図、図3はその側面図、図4は図2の切断線IV−IVによる断面図である。プレート型低温再生器21は、球状の凹凸(一般にディンプルと呼ばれている)を適切な間隔で配置したプレス成型した薄板(板厚0.5mm程度)22の2枚を凹部同志接触させ、周囲をシーム溶接、Tig溶接、ろう付け、カシメなど(以下「溶接など」という)によって閉じられた偏平な空間を、隣接する空間の凸部同志を接触させて多数積層された伝熱板から構成されている。2枚の薄板22で仕切られた偏平な空間は、冷媒蒸気通路23であり、その上方には冷媒蒸気供給管29が接続され、高温再生器2で発生した高温の冷媒蒸気が供給される。冷媒蒸気は、冷媒蒸気通路23の外側にある冷媒液を加熱し、それ自身は冷媒液となって、冷媒蒸気通路23の下部に接続される冷媒液排出管30から排出される。
【0010】
低温再生器21の下部には、高温再生器2で一部再生された中濃度の吸収液が第1熱交換器4と第1減圧弁5を介して吸収液供給管29から冷媒蒸気通路23の外側にある吸収液溜24に供給される。ここで吸収液は両側の冷媒蒸気によって加熱され、上部に設けられた吸収液蒸発部27で冷媒蒸気を沸騰分離し、濃吸収液となって吸収液排出管28から排出される。蒸発部27で分離された冷媒蒸気は、バッフル板31で吸収液の飛沫が分離され、凝縮器9で冷却凝縮される。
【0011】
LiBr−H2O系吸収式冷凍機では、高温再生器2は大気圧下、またはそれよりも若干低い圧力で運転される。したがって、高温再生器2で発生される冷媒蒸気、すなわち水蒸気は、1気圧100℃である。一方高温再生器2からの吸収液は、第1次熱交換器4で温度を下げられ、第1次減圧弁5で約0.1気圧に減圧される。このため吸収液は、70〜80℃で沸騰するので、100℃の水蒸気で加熱されると沸騰する。低温再生器21の上部に設けられた蒸発部27では吸収液は沸騰し、冷媒蒸気が分離される。また100℃、1気圧の冷媒蒸気は、低温再生器21で凝縮し、冷媒液となり、減圧されて凝縮器9の冷媒液溜8に送られる。
【0012】
薄板22は、図4に示すように球型の凹凸を適切な間隔に配置することが好ましく、冷媒蒸気通路23内で凹部同志が出会うように組立て、その部分32では両薄板は接触される。また吸収液溜24で凸部同志も出会うように組立て、その部分34では隣り合う冷媒蒸気通路23の両薄板がお互いに接触される。これによってプレート型低温再生器21の形が保持される。
【0013】
図5は、冷媒蒸気供給管29と冷媒蒸気通路23の接続関係を示す拡大断面図である。冷媒蒸気は冷媒蒸気供給管29から各冷媒蒸気通路23へ連絡孔35を介して分配される。蒸気通路23の周囲36と連絡孔35の周囲37とは溶接などによって閉じられている。この構成は、冷媒蒸気排出管30と冷媒蒸気通路23との接続箇所も同一である。
【0014】
冷媒蒸気と吸収液との熱交換を効率よく行うためには、冷媒蒸気通路23の幅aは4.5〜6.5mm、吸収液溜24の平均の幅bは5〜7mmが好ましい。本実施の形態では、aは5.2mm、bは6mmに構成される。また蒸気通路の高さc(図2参照)は、冷媒液の蒸発を考えて450mm以下が好ましく、低温再生器21の大きさを考えて、実用上は400〜450mmの範囲、本実施の形態では420mmにしている。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二重効用冷凍機の低温再生器の大きさを、従来のものに比して約半分にでき、二重効用冷凍機の大きさを大幅に縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重効用吸収式冷凍機1の原理を説明するための系統図である。
【図2】本発明の一実施例の二重効用冷凍機のためのプレート型低温再生器21の一部を切欠いた正面図である。
【図3】プレート型低温再生器21の側面図である。
【図4】図2の切断線IV−IVによる断面図である。
【図5】管路29と冷媒蒸気通路23との接続関係を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 二重効用吸収式冷凍機
2 高温再生器
6 低温再生器
9 凝縮器
11 蒸発器
12 吸収器
21 プレート型低温再生器
22 プレス成型された金属製の薄板
23 冷媒蒸気通路
24 吸収液溜
25 吸収液供給管
27 吸収液蒸発部
28 吸収液排出管
29 冷媒蒸気供給管
30 冷媒液排出管
31 バッフル板
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重効用吸収式冷凍機に用いるプレート型低温再生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、二重効用吸収式冷凍機1の原理を説明するための系統図である。高温再生器2では、たとえば燃焼室3で都市ガスが燃焼され、その熱によって希吸収液が加熱され、冷媒蒸気の一部が分離されて中濃度の吸収液が得られる。中濃度の吸収液は、第1熱交換器4と第1減圧弁5とを通って中間圧で低温再生器6に送られる。低温再生器6では、高温再生器2で発生した冷媒蒸気によって、中濃度の吸収液が加熱され、さらに冷媒蒸気が分離されて、濃吸収液が得られる。高圧再生器2で発生した冷媒蒸気は、低温再生器6で中濃度の吸収液を加熱し、それ自身は凝縮して冷媒液となり、トラップ7を介して冷媒液溜8に送られる。一方低温再生器6で発生した冷媒蒸気は、バッフル板17を介して凝縮器9に送られ、凝縮器9で冷却水によって冷却凝縮され、冷媒液として冷媒液溜8に溜められる。冷媒液溜8の冷媒液は、第2減圧弁10を通って低圧で蒸発器11に送られ、被冷却液を冷却し、自身は蒸発して冷媒蒸気になる。冷媒蒸気は低温再生器6からの濃吸収液によって吸収器12で吸収され、蒸発器11内を低圧に保持する。濃吸収液が冷媒蒸気を吸収するときと、冷媒蒸気が凝縮するときとには、発熱するので、吸収器12と凝縮器9とは冷却水で冷却される。濃吸収液は、第3減圧弁13と第2熱交換器14とを通って吸収器12に送られ、ここで冷媒蒸気を吸収して希吸収液となり、吸収液ポンプ15で加圧され、第2熱交換器14、第1熱交換器4を通って高温再生器2へ送られる。また、蒸発器11の下部には未蒸発の冷媒液が溜まるが、これは冷媒ポンプ16によって蒸発器11の上方に循環される。
【0003】
従来技術の典型的な低温再生器は、中濃度の吸収液中に水平多管式の冷媒蒸気管が配管された構成である。したがって水平管を流れる冷媒蒸気が凝縮したとき、これが速やかに流下することが必要であるが、水平管では流れが緩やかとなる。このため伝熱効率の低下を来し、水平管の数を多くして伝熱面積を多くせねばならず、低温再生器のコンパクト化が図れないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、二重効用吸収式冷凍機に用いる軽量でコンパクトなプレート型低温再生器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、希吸収液から高圧の冷媒蒸気を分離して中濃度の吸収液を得る高温再生器と、高圧の冷媒蒸気によって、中間圧に減圧された中濃度の吸収液を加熱し、さらに冷媒蒸気を分離するとともに、高圧の冷媒蒸気を凝縮する低温再生器と、前記冷媒蒸気を冷却して冷媒液を得る凝縮器と、低温再生器で凝縮された冷媒液と凝縮器で凝縮された冷媒液とを併せて減圧下で蒸発させ、被冷却液を冷却する蒸発器と、蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃吸収液で吸収する吸収器とを含み、吸収液を高温再生器と低温再生器と吸収器との間で熱交換器を介して循環する二重効用吸収式冷凍機において、
周囲を閉じられ、2枚のプレス成型された金属製の薄板で仕切られた偏平な空間を多数積層し、偏平な空間の内部から成る冷媒蒸気通路と、偏平な空間の外部から成る吸収液溜とを含み、
高圧の冷媒蒸気は、上方から冷媒蒸気通路に供給され、凝縮して液状で下方から排出され、
中濃度の吸収液は、下方から吸収液溜に供給され、吸収液溜上部の吸収液蒸発部で冷媒蒸気を分離して濃吸収液として吸収液排出管に排出され、前記で分離された冷媒蒸気は凝縮器へ送られることを特徴とする二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器である。
本発明に従えば、冷媒蒸気と吸収液との伝熱面を鉛直な薄板平板で構成しているため、単位体積当たりの伝熱面積を大きくすることができ、凝縮した冷媒液の流下速度を早くでき、低温再生器の大きさを従来型に比し1/2以下にできる。
【0006】
また本発明は、前記薄板が、適切な間隔で球状の凹凸を配置した薄板であり、凹部同志が偏平な空間内で接触し、隣接する偏平な空間の凸部同志が吸収液溜内で接触していることを特徴とする。
本発明に従えば、薄板が前記構成を有しているので、冷媒蒸気の圧力(大略大気圧)と冷媒液の圧力(約0.1気圧)とによって、プレート型低温再生器が変形することがない。
【0007】
また本発明は、前記偏平な空間の内部の冷媒蒸気通路の幅が4.5〜6.5mmであり、隣接する偏平な空間の間隔が5〜7mmであることを特徴とする。
本発明に従えば、冷媒蒸気通路の幅は、4.5〜6.5mmとすることが好ましい。この幅は本発明者らが実験によって求めたもので、これが6.5mmを超えると伝熱効率が低下し、4.5mm未満としても伝熱効率に差がなく、製作に手間を要する。
また冷媒蒸気によって加熱される冷媒液の幅は、冷媒蒸気通路の幅よりも若干広く、5〜7mmとすることが好ましい。この幅も本発明者らが実験によって求めたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を一実施の形態によって、より具体的に説明する。なお二重効用吸収式冷凍機の構成は、図1に基づいて従来技術で説明したものと同一である。
【0009】
図2は本発明のプレート型低温再生器21の一部を切欠いた正面図、図3はその側面図、図4は図2の切断線IV−IVによる断面図である。プレート型低温再生器21は、球状の凹凸(一般にディンプルと呼ばれている)を適切な間隔で配置したプレス成型した薄板(板厚0.5mm程度)22の2枚を凹部同志接触させ、周囲をシーム溶接、Tig溶接、ろう付け、カシメなど(以下「溶接など」という)によって閉じられた偏平な空間を、隣接する空間の凸部同志を接触させて多数積層された伝熱板から構成されている。2枚の薄板22で仕切られた偏平な空間は、冷媒蒸気通路23であり、その上方には冷媒蒸気供給管29が接続され、高温再生器2で発生した高温の冷媒蒸気が供給される。冷媒蒸気は、冷媒蒸気通路23の外側にある冷媒液を加熱し、それ自身は冷媒液となって、冷媒蒸気通路23の下部に接続される冷媒液排出管30から排出される。
【0010】
低温再生器21の下部には、高温再生器2で一部再生された中濃度の吸収液が第1熱交換器4と第1減圧弁5を介して吸収液供給管29から冷媒蒸気通路23の外側にある吸収液溜24に供給される。ここで吸収液は両側の冷媒蒸気によって加熱され、上部に設けられた吸収液蒸発部27で冷媒蒸気を沸騰分離し、濃吸収液となって吸収液排出管28から排出される。蒸発部27で分離された冷媒蒸気は、バッフル板31で吸収液の飛沫が分離され、凝縮器9で冷却凝縮される。
【0011】
LiBr−H2O系吸収式冷凍機では、高温再生器2は大気圧下、またはそれよりも若干低い圧力で運転される。したがって、高温再生器2で発生される冷媒蒸気、すなわち水蒸気は、1気圧100℃である。一方高温再生器2からの吸収液は、第1次熱交換器4で温度を下げられ、第1次減圧弁5で約0.1気圧に減圧される。このため吸収液は、70〜80℃で沸騰するので、100℃の水蒸気で加熱されると沸騰する。低温再生器21の上部に設けられた蒸発部27では吸収液は沸騰し、冷媒蒸気が分離される。また100℃、1気圧の冷媒蒸気は、低温再生器21で凝縮し、冷媒液となり、減圧されて凝縮器9の冷媒液溜8に送られる。
【0012】
薄板22は、図4に示すように球型の凹凸を適切な間隔に配置することが好ましく、冷媒蒸気通路23内で凹部同志が出会うように組立て、その部分32では両薄板は接触される。また吸収液溜24で凸部同志も出会うように組立て、その部分34では隣り合う冷媒蒸気通路23の両薄板がお互いに接触される。これによってプレート型低温再生器21の形が保持される。
【0013】
図5は、冷媒蒸気供給管29と冷媒蒸気通路23の接続関係を示す拡大断面図である。冷媒蒸気は冷媒蒸気供給管29から各冷媒蒸気通路23へ連絡孔35を介して分配される。蒸気通路23の周囲36と連絡孔35の周囲37とは溶接などによって閉じられている。この構成は、冷媒蒸気排出管30と冷媒蒸気通路23との接続箇所も同一である。
【0014】
冷媒蒸気と吸収液との熱交換を効率よく行うためには、冷媒蒸気通路23の幅aは4.5〜6.5mm、吸収液溜24の平均の幅bは5〜7mmが好ましい。本実施の形態では、aは5.2mm、bは6mmに構成される。また蒸気通路の高さc(図2参照)は、冷媒液の蒸発を考えて450mm以下が好ましく、低温再生器21の大きさを考えて、実用上は400〜450mmの範囲、本実施の形態では420mmにしている。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二重効用冷凍機の低温再生器の大きさを、従来のものに比して約半分にでき、二重効用冷凍機の大きさを大幅に縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重効用吸収式冷凍機1の原理を説明するための系統図である。
【図2】本発明の一実施例の二重効用冷凍機のためのプレート型低温再生器21の一部を切欠いた正面図である。
【図3】プレート型低温再生器21の側面図である。
【図4】図2の切断線IV−IVによる断面図である。
【図5】管路29と冷媒蒸気通路23との接続関係を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 二重効用吸収式冷凍機
2 高温再生器
6 低温再生器
9 凝縮器
11 蒸発器
12 吸収器
21 プレート型低温再生器
22 プレス成型された金属製の薄板
23 冷媒蒸気通路
24 吸収液溜
25 吸収液供給管
27 吸収液蒸発部
28 吸収液排出管
29 冷媒蒸気供給管
30 冷媒液排出管
31 バッフル板
Claims (3)
- 希吸収液から高圧の冷媒蒸気を分離して中濃度の吸収液を得る高温再生器と、高圧の冷媒蒸気によって、中間圧に減圧された中濃度の吸収液を加熱し、さらに冷媒蒸気を分離するとともに、高圧の冷媒蒸気を凝縮する低温再生器と、前記冷媒蒸気を冷却して冷媒液を得る凝縮器と、低温再生器で凝縮された冷媒液と凝縮器で凝縮された冷媒液とを併せて減圧下で蒸発させ、被冷却液を冷却する蒸発器と、蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃吸収液で吸収する吸収器とを含み、吸収液を高温再生器と低温再生器と吸収器との間で熱交換器を介して循環する二重効用吸収式冷凍機において、
周囲を閉じられ、2枚のプレス成型された金属製の薄板で仕切られた偏平な空間を多数積層し、偏平な空間の内部から成る冷媒蒸気通路と、偏平な空間の外部から成る吸収液溜とを含み、
高圧の冷媒蒸気は、上方から冷媒蒸気通路に供給され、凝縮して液状で下方から排出され、
中濃度の吸収液は、下方から吸収液溜に供給され、吸収液溜上部の吸収液蒸発部で冷媒蒸気を分離して濃吸収液として吸収液排出管に排出され、前記で分離された冷媒蒸気は凝縮器へ送られることを特徴とする二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器。 - 前記薄板が、適切な間隔で球状の凹凸を配置した薄板であり、凹部同志が偏平な空間内で接触し、隣接する偏平な空間の凸部同志が吸収液溜内で接触していることを特徴とする請求項1記載の二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器。
- 前記偏平な空間の内部の冷媒蒸気通路の幅が4.5〜6.5mmであり、隣接する偏平な空間の間隔が5〜7mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器。
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JP15860696A JP3717234B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器 |
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JP15860696A JP3717234B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 二重効用吸収式冷凍機のためのプレート型低温再生器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH109710A JPH109710A (ja) | 1998-01-16 |
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KR101028820B1 (ko) | 2009-07-30 | 2011-04-12 | 주식회사 신성엔지니어링 | 흡수식 열펌프의 발생기 |
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1996
- 1996-06-19 JP JP15860696A patent/JP3717234B2/ja not_active Expired - Fee Related
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