JP3717042B2 - キャスター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャスターに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、エコロジ対策(リサイクル対策)は各方面において進捗している。そして、この種のキャスターにおいても、同様であり、損傷又は破損等で故障した部品のみを取替える構成となっている。この種の文献(1)では、特開平11-227406号の双輪キャスターの発明がある。この発明は、キャスターの故障部品を、簡易かつ確実に取替えるために、ワンタッチで組立て及び分解が行える構成を意図する。具体的には、対の車軸とホルダー間に設けた車軸を、ナットの着脱で簡易かつ確実に取付け、取外しできる構成であり、この車軸の取付け、取外しを利用して、前記の目的を達成することにある。
【0003】
尚、本発明と目的は相違するが本発明と構成、即ち、部品点数の減少と、組立の簡易化、確実性等が類似する文献(2)としては、実開平4-20803号の第8図に示すキャスターがある(キャスターとする)。この考案は、対の車輪の車軸受け部を介してハウジング(ホルダー)に車軸を貫設し、この車軸とホルダー及び車輪の固止を、前記車軸受け部に係止する倒U字形の取付金具及びネジを介して行う構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記文献(1)は、本発明と目的は類似するが、構成が全く相違すること、及びホイールカバーを着脱する構成の相違もある。
【0005】
前記文献(2)は、車輪とホルダー等の固止を、ホルダーへの取付金具の嵌合と、ホルダーと取付金具を固止するネジで行う構成である。この構成では、取付金具とホルダーに貫設したボルト(主軸)とは、個別に取付けられているので、この取付金具の取付けに余分の取付金具を要すること、又は構成・作業の複雑化、作業能率の低下が考えられること、等の課題がある。また取付金具の係止部材には爪部(本発明の車軸受け部の切溝に係止される係止部材の爪部)はなく、この取付金具は車軸受け部のフランジに当接される構成である。従って、車軸受け部と係止部材は係止関係がなく、不安定であり、かつネジが外れると略同時に取付金具も外れる虞があり、危険性を伴うことが考えられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、キャスターの部品が故障等して取替える場合に、極めて簡単かつ確実に取替えができること、この取替え作業に熟練及び工具を要さずワンタッチでできること、等を意図する。
【0007】
請求項1は、ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、このホルダーに嵌挿される車軸と、この車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、この主軸に螺着されるナットと、前記車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及び前記ホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
前記主軸に螺着したナットの着脱で、前記ホルダー、車輪及び主軸と、前記車輪の車軸受け部及びクランプを分解可能としたことを特徴とするキャスターである。
【0008】
請求項2の発明は、クランプの車軸受け部の切溝への挿脱及びクランプの主軸への係脱、即ち、このクランプの取付け、取外しを介して部品の取替えを、簡便かつ確実に行えること、及び三点支持を介して組立てられたキャスター及びクランプの安定性の向上を図ること、等を意図する。
【0009】
請求項2は、ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、このホルダーに嵌挿される車軸と、この車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、この主軸に螺着されるナットと、前記車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及び前記ホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
前記ホルダーに車軸を貫設し、この車軸の両端に前記車軸受け部を套嵌するとともに、この車軸に対の車輪を設け、前記車軸受け部の切溝に前記クランプの係止部材を挿入し、この係止部材の爪部を前記切溝の一方側に係止し、かつ係止部材の曲面部を切溝の他方側に係止し、またこのクランプの本体及びクランプ係止部は、前記ホルダーの下面に接するとともに、このクランプ係止部を前記主軸の取付け部に套嵌する構成としたことを特徴とするキャスターである。
【0010】
請求項3の発明は、クランプをワンタッチでホルダー及び主軸に取付けること、クランプの取付け及び/又は取外しを自動化すること、等を意図する。
【0011】
請求項3は、クランプをバネ材で構成してなり、クランプ係止部をC形止め輪とする構成のキャスターである。
【0012】
【発明の実施の形態】
キャスターの組立て分解を説明する。組立ては、ホルダーに貫設した車軸の一方に一方側の車輪の車軸受け部を套嵌する(図4(イ))。その後、車軸の他方に他方側の車輪の車軸受け部を套嵌する(図4(ロ))。
【0013】
この状態において、ホルダーの孔に鍔付き主軸を挿入して(図4(ハ))、その下部をホルダーの下方に突出する。続いて、クランプの係止部材の曲面部を、対の車軸受け部の切溝の下方側に向かって挿入し、かつ係止部材の爪部をやや拡開しながら切溝の上方側に到らしめると、この曲面部は切溝の下方側に接触し、かつ爪部が切溝の上方側を抱持して、当該係止部材は切溝内に嵌着される。一方、クランプのクランプ係止部は、ホルダーの孔より突出された主軸の取付け部に固止される。この操作によりクランプがホルダーに取付けられるとともに、対の車輪とホルダーは、車軸の両側に套嵌される(設けられる)車軸受け部及び主軸と、クランプの係止部材及びクランプ係止部のそれぞれの係止を介して組付け(組立て)られる(図4(ニ))。
【0014】
尚、クランプ係止部が、拡縮自在(例えば、クランプをバネ材で構成し、クランプ係止部をC形止め輪)とする構成のときは、クランプの自動組付け作業が図れる(図4(ニ'))。またクランプ係止部が、他の構成(例えば、鋼材)のときは、切り溝及び/又はカシメ作業をすることが望ましい(図4(ホ))。
【0015】
また分解作業は、通常、前述の組立て作業の逆操作による。前述の組立て・分解作業は一例であり、この例に限定されない。尚、この一例の操作では、部品の取替えが、簡便かつ確実に行える。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一例を説明する。
【0017】
1はОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノ等の脚、面の被支持体、他の部材(図示せず)等に取付けられるキャスターで、このキャスター1は、前記被支持体に取付けられるホルダー2と、車軸3と、この車軸3の両端に設けられる車軸受け部400、400(以下、400とする)を備えた対の車輪4、4(以下、4とする)と、この対の車輪4の車軸受け部400の切溝401にそれぞれ挿入される対の係止部材500、及び前記ホルダー2に貫設された主軸6に固止されるクランプ係止部501を備えた本体502とで構成したクランプ5と、前記主軸6に設けた取付け部7と、を主構成要素とする。尚、図5は車軸受け部400の剛性を考慮して、この車軸受け部400を金属ブッシュ400'(各材料の硬質ブッシュを含む)とする構成であり、重量物のОA機器、家具、電気製品、ピアノ等に役立てる構造とする。また図6は金属ブッシュ400'にスリット400”を設けた一例を示す。また主軸6に一体に設けたナット8は、取付け・取外し用として利用する。
【0018】
前記ホルダー2には、車軸3が貫設されており、この車軸3の両端に、車軸受け部400を套嵌して、当該車軸3に対の車輪4が設けられる。そして、この車軸受け部400の切溝401には、クランプ5の係止部材500が挿入される。従って、この係止部材500の爪部500'は、切溝401の一方側を係止し、かつ係止部材500の曲面部500”は、切溝401の他方側を係止する。またクランプ5の本体502及びクランプ係止部501は、ホルダー2の下面に接するとともに、このクランプ係止部501は、主軸6の取付け部7に套嵌される。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、ホルダーに嵌挿される車軸と、車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、主軸に螺着されるナットと、車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及びホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
主軸に螺着したナットの着脱で、ホルダー、車輪及び主軸と、車輪の車軸受け部及びクランプを分解可能としたことを特徴とするキャスターである。従って、キャスターの部品が故障等した際の取替作業が、極めて簡単な操作により、迅速かつ確実に行えること、この取替え作業に熟練及び工具を要さずワンタッチでできること、等の効果がある。
【0020】
請求項2の発明は、ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、ホルダーに嵌挿される車軸と、車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、主軸に螺着されるナットと、車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及びホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
ホルダーに車軸を貫設し、車軸の両端に車軸受け部を套嵌するとともに、車軸に対の車輪を設け、車軸受け部の切溝に前記クランプの係止部材を挿入し、係止部材の爪部を切溝の一方側に係止し、かつ係止部材の曲面部を切溝の他方側に係止し、またクランプの本体及びクランプ係止部は、ホルダーの下面に接するとともに、クランプ係止部を主軸の取付け部に套嵌する構成としたことを特徴とするキャスターである。従って、クランプの車軸受け部の切溝への挿脱及びクランプの主軸への係脱、即ち、このクランプの取付け、取外しを介して部品の取替えが、簡便かつ確実に行えること、及び三点支持を介して組立てられたキャスター及びクランプの安定性の向上が図れること、等の実益がある。
【0021】
請求項3の発明は、クランプをバネ材で構成し、クランプ係止部をC形止め輪とする構成である。従って、クランプをワンタッチでホルダー及び主軸に取付け得ること、クランプの取付け及び/又は取外しの自動化が図れること、等の実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャスターの要部の断面図である。
【図2】キャスターの要部の分解斜視図である。
【図3】主軸の一例を示す正面図である。
【図4】キャスターの組立て順番を示す模式図であり、(イ)は車軸に一方側の車輪を取付けた状態、(ロ)は車軸に他方側の車輪を取付けた状態、(ハ)ホルダーの孔に主軸を挿入する状態、(ニ)はホルダーにクランプを挿入する状態、(ニ')はホルダーにバネ材のクランプを挿入する状態、(ホ)はホルダーにクランプを挿入し、カシメを行った状態、をそれぞれ示す。
【図5】他の車輪を示す断面図である。
【図6】金属ブッシュの正面図である。
【符号の説明】
1 キャスター
2 ホルダー
3 車軸
4 対の車輪
400 車軸受け部
400' 金属ブッシュ
400” スリット
401 切溝
5 クランプ
500 係止部材
500' 爪部
500” 曲面部
501 クランプ係止部
502 本体
6 主軸
7 取付け部
8 ナット
Claims (3)
- ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、このホルダーに嵌挿される車軸と、この車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、この主軸に螺着されるナットと、前記車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及び前記ホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
前記主軸に螺着したナットの着脱で、前記ホルダー、車輪及び主軸と、前記車輪の車軸受け部及びクランプを分解可能としたことを特徴とするキャスター。 - ОA機器、椅子、家具、電気製品、ピアノの脚等の被支持体に取付けられるホルダーと、このホルダーに嵌挿される車軸と、この車軸の両端に設けられる車軸受け部を備えた対の車輪と、前記ホルダーに貫設した主軸と、この主軸に螺着されるナットと、前記車輪の車軸受け部の切溝にそれぞれ挿入される対の係止部材、及び前記ホルダーに貫設された主軸に固止されるクランプ係止部を備えたクランプで構成されるキャスターであって、
前記ホルダーに車軸を貫設し、この車軸の両端に前記車軸受け部を套嵌するとともに、この車軸に対の車輪を設け、前記車軸受け部の切溝に前記クランプの係止部材を挿入し、この係止部材の爪部を前記切溝の一方側に係止し、かつ係止部材の曲面部を切溝の他方側に係止し、またこのクランプの本体及びクランプ係止部は、前記ホルダーの下面に接するとともに、このクランプ係止部を前記主軸の取付け部に套嵌する構成としたことを特徴とするキャスター。 - 上記のクランプをバネ材で構成してなり、前記クランプ係止部をC形止め輪とする構成の請求項2に記載のキャスター。
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