JP3716456B2 - エッチング部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フォトエッチング法により、板状の金属素材にエッチング部品を製造する方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー受像管等に用いるシャドウマスク、または、半導体装置用のリードフレーム等のエッチング部品は、金属素材を腐食溶解する、すなわちフォトエッチング法を用いて製造されている。
例えばカラー受像管等に用いるシャドウマスクは、図5の例に示すような工程で造られる。
すなわち、金属素材1として巻取りロールから供給された長尺帯状の金属板、例えば板厚0.13mmの低炭素鋼板を用い、その両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にカゼインやポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜10を形成する。次いで、金属素材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光する。その後、温水にて、未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行なえば、図5(a)に示すように、小孔レジスト膜 10aと大孔レジスト膜 10bを表裏に有する金属素材1が得られる。
その後、レジスト膜10に対して硬膜処理およびバーニング処理を施す。
【0003】
次いで、図5(b)に示すように、金属素材1に対しエッチング液7を接触させるエッチング処理を表裏両面から行った後、水洗洗浄および乾燥を行なう第一エッチング工程を行う。エッチング液には塩化第二鉄のボーメ濃度35〜50を用い、スプレー圧 1.5〜3.5kg/cm2 のスプレーエッチングで行なうのが一般的である。
【0004】
次いで、図5(c)に示すように、金属素材1に樹脂を塗布し、前段のエッチングで形成された小孔側の凹部を完全に埋め尽くすエッチング防止層11を形成する。
続いて、図5(d)に示すように、大孔側からのみ金属素材1にエッチング液7を接触させエッチング処理した後、水洗洗浄を行う第二エッチング工程を行ない、大孔側から小孔に貫通する開孔を形成する。最後に、アルカリ液等によりエッチング防止層11およびレジスト膜10を剥がす剥膜処理を行った後、水洗乾燥して図5(e)に示すフラット型のシャドウマスク5を得るものである。
【0005】
フォトエッチング法を用いた他のエッチング部品、例えば半導体装置用のリードフレーム等の製造においても、上述したような金属素材へのレジスト膜の形成、金属素材へのエッチング処理およびレジスト膜の剥膜処理は必要な工程といえる。
【0006】
上述したようにエッチング工程においては、エッチング処理の後、水洗洗浄が行われるものである。
図3に示すように、エッチングチャンバー6内にて、例えばノズル 12aからエッチング液7を噴射させるスプレー法等にてエッチング液7を金属素材1に接触させることで、表面にレジスト膜を有する金属素材1は、エッチング処理されるものである。
【0007】
次いで、金属素材1はエッチングチャンバー6を出て搬送されるが、金属素材1表面、特に水平搬送される金属素材1の上面にはエッチング液7が、例えば膜状に残留付着しており、エッチングチャンバー6を出た後も、金属素材1へのエッチングは継続して行われている。そのため、金属素材1表面に残留付着したエッチング液7を除去し、金属素材1へのエッチングを停止させる処理が必要となる。
【0008】
通常、この金属素材1へのエッチング停止処理は、金属素材1を水洗洗浄することで行われており、例えば図3に示すように水洗チャンバー8内にて、金属素材1に洗浄水9を接触させ、金属素材1表面に残留付着したエッチング液7を洗浄除去するものである。ちなみに、図3の例においては、水洗ノズル 12bより洗浄水9を金属素材1に噴射し、エッチング液7の洗浄除去を行っている。
【0009】
上述した金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましい。例えば、水洗チャンバー8を出るまでにはエッチング液7の洗浄除去は完全に行われるものであるが、水洗チャンバー8内で、金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去が緩慢に行われたとする。その場合、水洗チャンバー8内で暫くの間、高濃度のエッチング液7が金属素材1表面に部分的に残留していたり、洗浄水9による金属素材1表面のエッチング液7への濃度希釈速度が部分的に異なる等の可能性が生じる。
【0010】
上述したようにエッチング液7の洗浄除去が緩慢に行われた場合、金属素材1表面のエッチング停止時期が金属素材1部位により異なることとなり、エッチングで形成されるエッチングパターンの寸法が金属素材1部位により異なるエッチング不良が生じることとなる。これを防ぐため、金属素材1表面からのエッチング液7の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましいといえる。
【0011】
通常、金属素材1表面からのエッチング液7の洗浄除去を、瞬時に行うための手段として、図3に示すように、金属素材1の搬送方向に回転し、表面に弾性を有する円筒形の回転ロール(以下、水切りロール2と記す)を、水洗チャンバー8の金属素材1の搬入口に、金属素材1と接触するよう設けている。
水切りロール2は金属素材1との接触面でスキージの役目をしている。すなわち、水切りロール2と金属素材1との接触面で、金属素材1表面に残留付着していたエッチング液7の大部分を、金属素材1の搬送方向と反対側に押し返し、エッチング液7を水洗チャンバー8内に持ち込むことを防ぐものである。これにより、水切りロール2との接触面を境にして、金属素材1表面で接触する液は、エッチング液7から洗浄水9へと、ほぼ瞬時に変わることとなり、水洗チャンバー8内における金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去は、迅速かつ効率的に行われることになる。
【0012】
しかし、上述した水切りロール2を用いたエッチング液7の液切りでは以下の問題が生じるものである。すなわち、図3に示すように、水洗チャンバー8内で水切りロール2表面に洗浄水9が付着し、この付着した洗浄水9が水切りロール2の回転とともに、水切りロール2と金属素材1との接触面に到達していた。このため、水切りロール2表面に付着した洗浄水9とエッチング液7とが、水切りロール2と金属素材1との接触面で混合し、接触領域でエッチング液7の液濃度が異なる部位が生じ、これにより、エッチングパターンの寸法が部分的に異なるエッチング不良の問題が生じていた。この問題を防ぐため、従来は、図4に示すように、少なくとも水切りロール2の長さを持つ水切り用スキージ3を、水切りロール2表面と接するよう、水切りロール2の回転軸と平行に設けていた。この水切り用スキージ3により、水切りロール2表面に付着した洗浄水9をスキージすることで除去し、水切りロール2と金属素材1との接触面に洗浄水9が回り込むことを防ぐものである。
【0013】
しかし、図4に示す水切り用スキージ3を設けても、水切りロール2表面に付着した洗浄水9のスキージによる除去は完全ではなく、水切りロール2と金属素材1との接触面に、例えばスジ状となった除去残りの洗浄水9’が回り込み、これによりエッチングパターンの寸法が金属素材部位により異なるエッチング不良が生じていた。また、水切りロール2と水切り用スキージ3との接触部に、スキージされた洗浄水9が滞留し、その滞留水中にエッチング処理および水洗洗浄中に発生した金属粉またはレジストかす等の異物が混入していることがあった。この異物が、回転する水切りロール2を介して金属素材1に再付着し、金属素材1にキズを付けるという問題もあった。
【0014】
なお上記の記述は、エッチング工程について述べているが、レジスト膜の剥膜工程においても、金属素材からの剥膜液の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましい。ちなみに、剥膜液の洗浄除去が緩慢に行われた場合、金属素材表面部位により金属素材の変色を起こす問題が生じるものである。このため、上述した水切りロール2および水切り用スキージ3を、剥膜処理後の水洗洗浄手段、例えば水洗チャンバー8の金属素材1搬入口にも設けるものであるが、上述した水切り不良および異物混入により、剥膜工程においては金属素材1の変色およびキズが発生するという問題が生じていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に鑑み、フォトエッチング法を用いたエッチング部品の製造方法において、エッチング不良および金属素材の変色が生じない製造方法を立案して、本発明に至ったものであり、得られるエッチング部品にエッチング不良および金属素材の変色が生じないエッチング部品の製造方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、所定パターンに従って一部金属面を露出させているレジスト膜が表面に形成されている板状の金属素材にエッチング処理を行った後、水洗洗浄を行なうエッチング工程と、前記レジスト膜を前記金属素材より剥膜する剥膜処理後、水洗洗浄を行う剥膜工程とを少なくとも有するエッチング部品の製造方法において、前記エッチング処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置し、搬送中の金属素材に接触することで金属素材表面に残留したエッチング液を除去する水切りロールの表面に付着した洗浄水を除去する手段が、水切りロールの中央部領域で端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、前記水切りロールの回転軸と略平行に縦列とした二本の水切り用スキージで構成され、かつ、前記二本の水切り用スキージが、前記水切りロールの回転方向に対し末広がりとなる略ハの字状となるよう、少なくとも水切りロール上に一か所設けたことを特徴とするエッチング部品の製造方法を提供することで、上記の課題を解決したものである。
【0017】
また、本発明の変形として、剥膜処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置する水切りロールに、上述したのと同様な構造を持つ二本の水切り用スキージを、少なくとも一か所設けることも、上記の課題解決の手段として有効といえる。
【0018】
以下に、本発明を用いたエッチング部品の製造方法の一例の要部を示す図を用い、説明を行う。
図において、金属素材1は巻取りロールから供給された長尺物の金属板であって、前述した(従来の技術)の項に記した工程等に従い、所定のパターンに従って一部金属素材を露出したレジスト膜10を有しているものである。
【0019】
次いで、前述した(従来の技術)の項で記したように、図2に示すエッチングチャンバー6内にて、例えばノズル 12aよりエッチング液7を噴射するスプレー法によりエッチングされた金属素材1は、エッチングチャンバー6より搬送され、水洗ノズル 12bを有する水洗チャンバー8に入る。
次いで、水洗チャンバー8の金属素材1搬入口には、前述した(従来の技術)の項に記したように金属素材1と接触する水切りロール2が設けられており、この水切りロール2は、例えば膜状に金属素材1上に残留付着したエッチング液7を除去している。なお、水切りロール2は、回転軸を中心にして金属素材1の搬送方向に回転するものである。
【0020】
ここで、本発明の製造方法においては、水切りロール2表面に付着した洗浄水9を除去する手段として、水切り用スキージを用いるものであるが、水切り用スキージ3を、図2に示すように、二本設けるものである。ここで、二本の水切り用スキージ3は、図1の平面図に示すように、水切りロール2の中央部領域で端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、水切りロール2の回転軸と略平行に縦に二本設けるものである。また、二本の水切り用スキージ3は、図1中の矢印に示す水切りロール2の回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けている。
【0021】
なお、本発明に用いる水切り用スキージ3の材質としては、従来の水切り用スキージに用いられていた材質、すなわち、ウレタンゴムまたはFRP等を用いるものである。
また、各々の水切り用スキージ3が水切りロール2の回転軸となす角度、および、各々の水切り用スキージ3の端部同志の重複量等は、製造条件、すなわち、水切りロール2の回転速度、材質および大きさ等により異なるため、製造条件毎に適宜設定することが望ましいといえる。
【0022】
図4に示すように、従来の水切り用スキージは、水切りロール2の回転軸と平行とした一本であった。このため、水切り用スキージに負担が掛かり、水切り用スキージ3と水切りロール2との接触部で、水切り用スキージ3のブレード部が部分的なねじれを生じる等、水切り性が悪いものであった。しかし、本発明では、水切り用スキージ3を二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージ3のブレード部と水切りロール2との接触性が増し、水切り性が良好となる。
【0023】
また、二本の水切り用スキージ3は水切りロール2上で、水切りロール2の回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けている。これにより、水切り用スキージ3によりスキージされた水切りロール2上の洗浄水9が、水切り用スキージ3と水切りロール2との接触部に滞留することが無くなる。すなわち、水切り用スキージ3により、水切りロール2表面よりスキージされた洗浄水9は、水切りロール2の回転に押され、水切り用スキージ3の側面に沿って順次水切りロール2端部方向に運ばれ、最終的に水切りロール2の端部から外に排除されるものである。
【0024】
なお、上述したのとは逆に、二本の水切り用スキージが水切りロールの回転方向と反対方向に末広がりとなるハの字状とした場合、水切り用スキージがスキージした洗浄水は、水切りロールの回転に押され、水切りロールの中央方向に移動し、水切り用スキージと水切りロールとの接触部に滞留してしまうといえる。このため、二本の水切り用スキージは、上述したように、水切りロールの回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けることが望ましいといえる。
【0025】
次いで、水洗洗浄が終了し、水洗チャンバー8を出た金属素材1は、以降、従来通りの工程が行われ、エッチング部品となるものである。
【0026】
なお、本発明の変形として、レジスト膜等の剥膜処理後の水洗洗浄においても、図1に示すように、水切りロールに上述した二本の水切り用スキージ3を設けるものである。
なお、本発明の構成は上述した図に限定されるものではなく、例えば水切りロール2の径が大きい等で、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を設ける場所が一か所では、水切り性が不十分である場合、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を、水切りロール2上に複数箇所に設けても構わないといえる。また、上述した図では、水切りロール2は金属素材1の上面に設けているが、金属素材1の下面に設けてあっても構わない。その場合には、下面の水切りロールにも、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を設けても構わないといえる。なお、上述した図では、長尺帯状の金属素材としているが、枚葉の金属素材であっても構わないといえる。
【0027】
【作用】
本発明によるシャドウマスクの製造方法においては、水切りロール表面に付着した洗浄水を除去する水切り用スキージを二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージと水切りロールとの接触性が増し、水切り用スキージの水切り性が良好となる。
【0028】
【実施例】
本発明の実施例を、以下に記す。
<実施例>
金属素材1として、巻取りロールから供給された長尺物の金属板であって、板厚0.13mmの低膨張性のアンバー材を用いた。
次いで、前述した(従来の技術)の項で説明した工程に従い、小孔レジスト膜 10aと大孔レジスト膜 10bを表裏に有する金属素材1(以下、シャドウマスク材と記す)を得た。
【0029】
次いで、図2に示すように第一エッチングチャンバー6内にてシャドウマスク材に第一エッチングを行った。
次いで、第一エッチングチャンバー6を出たシャドウマスク材に対し、水洗チャンバー8内にて、水温20℃の洗浄水9を、スプレー圧1.2 Kg/cm2 にて水洗ノズル 12bよりスプレーし、シャドウマスク材に水洗洗浄を行った。その際、図2に示すように、ネオプレンゴムよりなる長さ80cmの水切りロール2にて、シャドウマスク材表面に残留付着したエッチング液7を除去した。
【0030】
ここで、本発明により、図1に示すように、ウレタンゴムよりなる長さ42cmの水切り用スキージ3を二本、水切りロール2の中央部領域にて端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、水切りロール2と接触させて設けた。その際、水切りロール2の回転軸と各水切り用スキージ3とがなす角度を5°とし、図1に示すように、水切りロール2の回転方向に対し末広がりのハの字状とした。また、各水切り用スキージ3は、2Kgfの押し圧で水切りロール2と接触させた。
【0031】
次いで、水洗洗浄が終了し、水洗チャンバー8を出たシャドウマスク材に対し、従来通りの製造工程、エッチング防止層形成、第二エッチング、剥膜処理等を行いシャドウマスクを得た。
【0032】
なお、第二エッチング処理後、および、剥膜処理後の水洗洗浄においても、上述したように、二本の水切り用スキージを水切りロールに設けた。
【0033】
上述した実施例で得られたシャドウマスクにおいて、水切り用スキージの水切り不良によるエッチング不良、金属素材の変色不良、および、水切り用スキージにより除去された洗浄水中の異物を原因とするキズの有無を調べたが、異常は認められなかった。
【0034】
【発明の効果】
上述したように、本発明のシャドウマスクの製造方法においては、エッチング処理後の水洗洗浄手段および剥膜処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置する水切りロール表面に付着した洗浄水を除去する手段として、水切り用スキージを縦列構造とした二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージと水切りロールとの接触性が増し、水切り用スキージの水切り性が良好となる。これにより、水切りロール上の除去残りの洗浄水が、水切りロールと金属素材との接触面に回り込むことが無くなり、エッチングパターンの寸法が金属素材部位により異なるエッチング不良、および、剥膜工程における金属素材の変色不良を防止できる。
【0035】
また、二本の水切り用スキージは、水切りロール上で、水切りロールの回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けており、水切り用スキージが、水切りロール表面よりスキージした洗浄水は、水切りロールの回転に押され、水切り用スキージ側面に沿って順次水切りロール端部方向に運ばれ、最終的に水切りロールの端部から外に排除される。
従来の水切り用スキージでは、水切りロールと水切り用スキージとの接触部にスキージした洗浄水が滞留し、その滞留水中にエッチング処理および剥膜処理で発生した金属粉またはレジストかす等の異物が混入し、この異物が、回転する水切りロールを介して金属素材に再付着し、金属素材にキズを付けるという問題が発生していた。
しかし、本発明のシャドウマスクの製造方法では、水切り用スキージがスキージした、異物を含む洗浄水は、上述したように、水切りロールと水切り用スキージとの接触部に滞留することなく、水切りロールの端部から随時外に排除されるものであり、上述した金属素材にキズが付くという問題を防止できる等、本発明は高品質のエッチング部品を得る上で実用上優れているといえる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング部品の製造方法における一実施例の要部を示す平面図。
【図2】本発明のエッチング部品の製造方法における一実施例の要部を示す側断面図。
【図3】従来のエッチング部品の製造方法における一例の要部を示す説明図。
【図4】従来のエッチング部品の製造方法における他の例の要部を示す説明図。
【図5】(a)〜(e)はエッチング部品の製造方法の一例を工程順に示す説明図。
【符号の説明】
1 金属素材
2 水切りロール
3 水切り用スキージ
4 開孔
5 シャドウマスク
6 エッチングチャンバー
7 エッチング液
8 水洗チャンバー
9 洗浄水
10 レジスト膜
11 エッチング防止層
12 ノズル
【産業上の利用分野】
本発明は、フォトエッチング法により、板状の金属素材にエッチング部品を製造する方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー受像管等に用いるシャドウマスク、または、半導体装置用のリードフレーム等のエッチング部品は、金属素材を腐食溶解する、すなわちフォトエッチング法を用いて製造されている。
例えばカラー受像管等に用いるシャドウマスクは、図5の例に示すような工程で造られる。
すなわち、金属素材1として巻取りロールから供給された長尺帯状の金属板、例えば板厚0.13mmの低炭素鋼板を用い、その両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にカゼインやポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜10を形成する。次いで、金属素材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光する。その後、温水にて、未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行なえば、図5(a)に示すように、小孔レジスト膜 10aと大孔レジスト膜 10bを表裏に有する金属素材1が得られる。
その後、レジスト膜10に対して硬膜処理およびバーニング処理を施す。
【0003】
次いで、図5(b)に示すように、金属素材1に対しエッチング液7を接触させるエッチング処理を表裏両面から行った後、水洗洗浄および乾燥を行なう第一エッチング工程を行う。エッチング液には塩化第二鉄のボーメ濃度35〜50を用い、スプレー圧 1.5〜3.5kg/cm2 のスプレーエッチングで行なうのが一般的である。
【0004】
次いで、図5(c)に示すように、金属素材1に樹脂を塗布し、前段のエッチングで形成された小孔側の凹部を完全に埋め尽くすエッチング防止層11を形成する。
続いて、図5(d)に示すように、大孔側からのみ金属素材1にエッチング液7を接触させエッチング処理した後、水洗洗浄を行う第二エッチング工程を行ない、大孔側から小孔に貫通する開孔を形成する。最後に、アルカリ液等によりエッチング防止層11およびレジスト膜10を剥がす剥膜処理を行った後、水洗乾燥して図5(e)に示すフラット型のシャドウマスク5を得るものである。
【0005】
フォトエッチング法を用いた他のエッチング部品、例えば半導体装置用のリードフレーム等の製造においても、上述したような金属素材へのレジスト膜の形成、金属素材へのエッチング処理およびレジスト膜の剥膜処理は必要な工程といえる。
【0006】
上述したようにエッチング工程においては、エッチング処理の後、水洗洗浄が行われるものである。
図3に示すように、エッチングチャンバー6内にて、例えばノズル 12aからエッチング液7を噴射させるスプレー法等にてエッチング液7を金属素材1に接触させることで、表面にレジスト膜を有する金属素材1は、エッチング処理されるものである。
【0007】
次いで、金属素材1はエッチングチャンバー6を出て搬送されるが、金属素材1表面、特に水平搬送される金属素材1の上面にはエッチング液7が、例えば膜状に残留付着しており、エッチングチャンバー6を出た後も、金属素材1へのエッチングは継続して行われている。そのため、金属素材1表面に残留付着したエッチング液7を除去し、金属素材1へのエッチングを停止させる処理が必要となる。
【0008】
通常、この金属素材1へのエッチング停止処理は、金属素材1を水洗洗浄することで行われており、例えば図3に示すように水洗チャンバー8内にて、金属素材1に洗浄水9を接触させ、金属素材1表面に残留付着したエッチング液7を洗浄除去するものである。ちなみに、図3の例においては、水洗ノズル 12bより洗浄水9を金属素材1に噴射し、エッチング液7の洗浄除去を行っている。
【0009】
上述した金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましい。例えば、水洗チャンバー8を出るまでにはエッチング液7の洗浄除去は完全に行われるものであるが、水洗チャンバー8内で、金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去が緩慢に行われたとする。その場合、水洗チャンバー8内で暫くの間、高濃度のエッチング液7が金属素材1表面に部分的に残留していたり、洗浄水9による金属素材1表面のエッチング液7への濃度希釈速度が部分的に異なる等の可能性が生じる。
【0010】
上述したようにエッチング液7の洗浄除去が緩慢に行われた場合、金属素材1表面のエッチング停止時期が金属素材1部位により異なることとなり、エッチングで形成されるエッチングパターンの寸法が金属素材1部位により異なるエッチング不良が生じることとなる。これを防ぐため、金属素材1表面からのエッチング液7の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましいといえる。
【0011】
通常、金属素材1表面からのエッチング液7の洗浄除去を、瞬時に行うための手段として、図3に示すように、金属素材1の搬送方向に回転し、表面に弾性を有する円筒形の回転ロール(以下、水切りロール2と記す)を、水洗チャンバー8の金属素材1の搬入口に、金属素材1と接触するよう設けている。
水切りロール2は金属素材1との接触面でスキージの役目をしている。すなわち、水切りロール2と金属素材1との接触面で、金属素材1表面に残留付着していたエッチング液7の大部分を、金属素材1の搬送方向と反対側に押し返し、エッチング液7を水洗チャンバー8内に持ち込むことを防ぐものである。これにより、水切りロール2との接触面を境にして、金属素材1表面で接触する液は、エッチング液7から洗浄水9へと、ほぼ瞬時に変わることとなり、水洗チャンバー8内における金属素材1からのエッチング液7の洗浄除去は、迅速かつ効率的に行われることになる。
【0012】
しかし、上述した水切りロール2を用いたエッチング液7の液切りでは以下の問題が生じるものである。すなわち、図3に示すように、水洗チャンバー8内で水切りロール2表面に洗浄水9が付着し、この付着した洗浄水9が水切りロール2の回転とともに、水切りロール2と金属素材1との接触面に到達していた。このため、水切りロール2表面に付着した洗浄水9とエッチング液7とが、水切りロール2と金属素材1との接触面で混合し、接触領域でエッチング液7の液濃度が異なる部位が生じ、これにより、エッチングパターンの寸法が部分的に異なるエッチング不良の問題が生じていた。この問題を防ぐため、従来は、図4に示すように、少なくとも水切りロール2の長さを持つ水切り用スキージ3を、水切りロール2表面と接するよう、水切りロール2の回転軸と平行に設けていた。この水切り用スキージ3により、水切りロール2表面に付着した洗浄水9をスキージすることで除去し、水切りロール2と金属素材1との接触面に洗浄水9が回り込むことを防ぐものである。
【0013】
しかし、図4に示す水切り用スキージ3を設けても、水切りロール2表面に付着した洗浄水9のスキージによる除去は完全ではなく、水切りロール2と金属素材1との接触面に、例えばスジ状となった除去残りの洗浄水9’が回り込み、これによりエッチングパターンの寸法が金属素材部位により異なるエッチング不良が生じていた。また、水切りロール2と水切り用スキージ3との接触部に、スキージされた洗浄水9が滞留し、その滞留水中にエッチング処理および水洗洗浄中に発生した金属粉またはレジストかす等の異物が混入していることがあった。この異物が、回転する水切りロール2を介して金属素材1に再付着し、金属素材1にキズを付けるという問題もあった。
【0014】
なお上記の記述は、エッチング工程について述べているが、レジスト膜の剥膜工程においても、金属素材からの剥膜液の洗浄除去は、瞬時に行われることが望ましい。ちなみに、剥膜液の洗浄除去が緩慢に行われた場合、金属素材表面部位により金属素材の変色を起こす問題が生じるものである。このため、上述した水切りロール2および水切り用スキージ3を、剥膜処理後の水洗洗浄手段、例えば水洗チャンバー8の金属素材1搬入口にも設けるものであるが、上述した水切り不良および異物混入により、剥膜工程においては金属素材1の変色およびキズが発生するという問題が生じていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に鑑み、フォトエッチング法を用いたエッチング部品の製造方法において、エッチング不良および金属素材の変色が生じない製造方法を立案して、本発明に至ったものであり、得られるエッチング部品にエッチング不良および金属素材の変色が生じないエッチング部品の製造方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、所定パターンに従って一部金属面を露出させているレジスト膜が表面に形成されている板状の金属素材にエッチング処理を行った後、水洗洗浄を行なうエッチング工程と、前記レジスト膜を前記金属素材より剥膜する剥膜処理後、水洗洗浄を行う剥膜工程とを少なくとも有するエッチング部品の製造方法において、前記エッチング処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置し、搬送中の金属素材に接触することで金属素材表面に残留したエッチング液を除去する水切りロールの表面に付着した洗浄水を除去する手段が、水切りロールの中央部領域で端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、前記水切りロールの回転軸と略平行に縦列とした二本の水切り用スキージで構成され、かつ、前記二本の水切り用スキージが、前記水切りロールの回転方向に対し末広がりとなる略ハの字状となるよう、少なくとも水切りロール上に一か所設けたことを特徴とするエッチング部品の製造方法を提供することで、上記の課題を解決したものである。
【0017】
また、本発明の変形として、剥膜処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置する水切りロールに、上述したのと同様な構造を持つ二本の水切り用スキージを、少なくとも一か所設けることも、上記の課題解決の手段として有効といえる。
【0018】
以下に、本発明を用いたエッチング部品の製造方法の一例の要部を示す図を用い、説明を行う。
図において、金属素材1は巻取りロールから供給された長尺物の金属板であって、前述した(従来の技術)の項に記した工程等に従い、所定のパターンに従って一部金属素材を露出したレジスト膜10を有しているものである。
【0019】
次いで、前述した(従来の技術)の項で記したように、図2に示すエッチングチャンバー6内にて、例えばノズル 12aよりエッチング液7を噴射するスプレー法によりエッチングされた金属素材1は、エッチングチャンバー6より搬送され、水洗ノズル 12bを有する水洗チャンバー8に入る。
次いで、水洗チャンバー8の金属素材1搬入口には、前述した(従来の技術)の項に記したように金属素材1と接触する水切りロール2が設けられており、この水切りロール2は、例えば膜状に金属素材1上に残留付着したエッチング液7を除去している。なお、水切りロール2は、回転軸を中心にして金属素材1の搬送方向に回転するものである。
【0020】
ここで、本発明の製造方法においては、水切りロール2表面に付着した洗浄水9を除去する手段として、水切り用スキージを用いるものであるが、水切り用スキージ3を、図2に示すように、二本設けるものである。ここで、二本の水切り用スキージ3は、図1の平面図に示すように、水切りロール2の中央部領域で端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、水切りロール2の回転軸と略平行に縦に二本設けるものである。また、二本の水切り用スキージ3は、図1中の矢印に示す水切りロール2の回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けている。
【0021】
なお、本発明に用いる水切り用スキージ3の材質としては、従来の水切り用スキージに用いられていた材質、すなわち、ウレタンゴムまたはFRP等を用いるものである。
また、各々の水切り用スキージ3が水切りロール2の回転軸となす角度、および、各々の水切り用スキージ3の端部同志の重複量等は、製造条件、すなわち、水切りロール2の回転速度、材質および大きさ等により異なるため、製造条件毎に適宜設定することが望ましいといえる。
【0022】
図4に示すように、従来の水切り用スキージは、水切りロール2の回転軸と平行とした一本であった。このため、水切り用スキージに負担が掛かり、水切り用スキージ3と水切りロール2との接触部で、水切り用スキージ3のブレード部が部分的なねじれを生じる等、水切り性が悪いものであった。しかし、本発明では、水切り用スキージ3を二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージ3のブレード部と水切りロール2との接触性が増し、水切り性が良好となる。
【0023】
また、二本の水切り用スキージ3は水切りロール2上で、水切りロール2の回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けている。これにより、水切り用スキージ3によりスキージされた水切りロール2上の洗浄水9が、水切り用スキージ3と水切りロール2との接触部に滞留することが無くなる。すなわち、水切り用スキージ3により、水切りロール2表面よりスキージされた洗浄水9は、水切りロール2の回転に押され、水切り用スキージ3の側面に沿って順次水切りロール2端部方向に運ばれ、最終的に水切りロール2の端部から外に排除されるものである。
【0024】
なお、上述したのとは逆に、二本の水切り用スキージが水切りロールの回転方向と反対方向に末広がりとなるハの字状とした場合、水切り用スキージがスキージした洗浄水は、水切りロールの回転に押され、水切りロールの中央方向に移動し、水切り用スキージと水切りロールとの接触部に滞留してしまうといえる。このため、二本の水切り用スキージは、上述したように、水切りロールの回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けることが望ましいといえる。
【0025】
次いで、水洗洗浄が終了し、水洗チャンバー8を出た金属素材1は、以降、従来通りの工程が行われ、エッチング部品となるものである。
【0026】
なお、本発明の変形として、レジスト膜等の剥膜処理後の水洗洗浄においても、図1に示すように、水切りロールに上述した二本の水切り用スキージ3を設けるものである。
なお、本発明の構成は上述した図に限定されるものではなく、例えば水切りロール2の径が大きい等で、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を設ける場所が一か所では、水切り性が不十分である場合、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を、水切りロール2上に複数箇所に設けても構わないといえる。また、上述した図では、水切りロール2は金属素材1の上面に設けているが、金属素材1の下面に設けてあっても構わない。その場合には、下面の水切りロールにも、上述した二本で一対とした水切り用スキージ3を設けても構わないといえる。なお、上述した図では、長尺帯状の金属素材としているが、枚葉の金属素材であっても構わないといえる。
【0027】
【作用】
本発明によるシャドウマスクの製造方法においては、水切りロール表面に付着した洗浄水を除去する水切り用スキージを二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージと水切りロールとの接触性が増し、水切り用スキージの水切り性が良好となる。
【0028】
【実施例】
本発明の実施例を、以下に記す。
<実施例>
金属素材1として、巻取りロールから供給された長尺物の金属板であって、板厚0.13mmの低膨張性のアンバー材を用いた。
次いで、前述した(従来の技術)の項で説明した工程に従い、小孔レジスト膜 10aと大孔レジスト膜 10bを表裏に有する金属素材1(以下、シャドウマスク材と記す)を得た。
【0029】
次いで、図2に示すように第一エッチングチャンバー6内にてシャドウマスク材に第一エッチングを行った。
次いで、第一エッチングチャンバー6を出たシャドウマスク材に対し、水洗チャンバー8内にて、水温20℃の洗浄水9を、スプレー圧1.2 Kg/cm2 にて水洗ノズル 12bよりスプレーし、シャドウマスク材に水洗洗浄を行った。その際、図2に示すように、ネオプレンゴムよりなる長さ80cmの水切りロール2にて、シャドウマスク材表面に残留付着したエッチング液7を除去した。
【0030】
ここで、本発明により、図1に示すように、ウレタンゴムよりなる長さ42cmの水切り用スキージ3を二本、水切りロール2の中央部領域にて端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、水切りロール2と接触させて設けた。その際、水切りロール2の回転軸と各水切り用スキージ3とがなす角度を5°とし、図1に示すように、水切りロール2の回転方向に対し末広がりのハの字状とした。また、各水切り用スキージ3は、2Kgfの押し圧で水切りロール2と接触させた。
【0031】
次いで、水洗洗浄が終了し、水洗チャンバー8を出たシャドウマスク材に対し、従来通りの製造工程、エッチング防止層形成、第二エッチング、剥膜処理等を行いシャドウマスクを得た。
【0032】
なお、第二エッチング処理後、および、剥膜処理後の水洗洗浄においても、上述したように、二本の水切り用スキージを水切りロールに設けた。
【0033】
上述した実施例で得られたシャドウマスクにおいて、水切り用スキージの水切り不良によるエッチング不良、金属素材の変色不良、および、水切り用スキージにより除去された洗浄水中の異物を原因とするキズの有無を調べたが、異常は認められなかった。
【0034】
【発明の効果】
上述したように、本発明のシャドウマスクの製造方法においては、エッチング処理後の水洗洗浄手段および剥膜処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置する水切りロール表面に付着した洗浄水を除去する手段として、水切り用スキージを縦列構造とした二本とし、各々の水切り用スキージに掛かる負担を減らしている。これにより水切り用スキージと水切りロールとの接触性が増し、水切り用スキージの水切り性が良好となる。これにより、水切りロール上の除去残りの洗浄水が、水切りロールと金属素材との接触面に回り込むことが無くなり、エッチングパターンの寸法が金属素材部位により異なるエッチング不良、および、剥膜工程における金属素材の変色不良を防止できる。
【0035】
また、二本の水切り用スキージは、水切りロール上で、水切りロールの回転方向に対し末広がりとなるハの字状に設けており、水切り用スキージが、水切りロール表面よりスキージした洗浄水は、水切りロールの回転に押され、水切り用スキージ側面に沿って順次水切りロール端部方向に運ばれ、最終的に水切りロールの端部から外に排除される。
従来の水切り用スキージでは、水切りロールと水切り用スキージとの接触部にスキージした洗浄水が滞留し、その滞留水中にエッチング処理および剥膜処理で発生した金属粉またはレジストかす等の異物が混入し、この異物が、回転する水切りロールを介して金属素材に再付着し、金属素材にキズを付けるという問題が発生していた。
しかし、本発明のシャドウマスクの製造方法では、水切り用スキージがスキージした、異物を含む洗浄水は、上述したように、水切りロールと水切り用スキージとの接触部に滞留することなく、水切りロールの端部から随時外に排除されるものであり、上述した金属素材にキズが付くという問題を防止できる等、本発明は高品質のエッチング部品を得る上で実用上優れているといえる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング部品の製造方法における一実施例の要部を示す平面図。
【図2】本発明のエッチング部品の製造方法における一実施例の要部を示す側断面図。
【図3】従来のエッチング部品の製造方法における一例の要部を示す説明図。
【図4】従来のエッチング部品の製造方法における他の例の要部を示す説明図。
【図5】(a)〜(e)はエッチング部品の製造方法の一例を工程順に示す説明図。
【符号の説明】
1 金属素材
2 水切りロール
3 水切り用スキージ
4 開孔
5 シャドウマスク
6 エッチングチャンバー
7 エッチング液
8 水洗チャンバー
9 洗浄水
10 レジスト膜
11 エッチング防止層
12 ノズル
Claims (2)
- 所定パターンに従って一部金属面を露出させているレジスト膜が表面に形成されている板状の金属素材にエッチング処理を行った後、水洗洗浄を行なうエッチング工程と、前記レジスト膜を前記金属素材より剥膜する剥膜処理後、水洗洗浄を行う剥膜工程とを少なくとも有するエッチング部品の製造方法において、前記エッチング処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置し、搬送中の金属素材に接触することで金属素材表面に残留したエッチング液を除去する水切りロールの表面に付着した洗浄水を除去する手段が、水切りロールの中央部領域で端部同志が一部重複するスキージ領域を持つよう、前記水切りロールの回転軸と略平行に縦列とした二本の水切り用スキージで構成され、かつ、前記二本の水切り用スキージが、前記水切りロールの回転方向に対し末広がりとなる略ハの字状となるよう、少なくとも水切りロール上に一か所設けたことを特徴とするエッチング部品の製造方法。
- 前記二本の水切り用スキージを、剥膜処理後の水洗洗浄手段の金属素材搬入口に位置する水切りロールに、少なくとも一か所設けたことを特徴とする請求項1記載のエッチング部品の製造方法。
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