JP3715640B1 - ストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、皮膚機能改善用組成物およびそれらを用いた飲食品 - Google Patents

ストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、皮膚機能改善用組成物およびそれらを用いた飲食品 Download PDF

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Abstract

【課題】ストレス由来の皮膚血流低下や、皮膚機能の低下を、有効に予防・軽減でき、さらに副作用を生じず安全で、かつ服用や摂取が容易な、ストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、皮膚機能改善用組成物およびそれらを用いた飲食品を提供する。
【解決手段】乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有するストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物とする。また、上記乳発酵物を有効成分として含有する皮膚機能改善用組成物とする。そして、これらの組成物を用いてなる飲食品とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、経口投与により、ストレス由来の皮膚血流低下の改善作用および皮膚機能の改善作用を有する、ストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、皮膚機能改善用組成物およびそれらを用いた飲食品に関するものである。
現代社会では、人は、様々なタイプの物理・化学的、心理的、社会的ストレスに曝されている。特に、近年、仕事や人間関係等が複雑化する傾向にあることから、心理的ストレスを抱えている人の割合が、世代間を問わず高くなっている。しかしながら、このようなストレスに曝され続けると、全身の諸臓器に悪影響を及ぼし、その結果、重篤な心身症、うつ病、胃潰瘍、高血圧症などを引き起こすこともある。現在、ストレスの軽減、またはストレスに起因する疾患の予防もしくは治療の目的に使用されている薬には、例えば、ベンゾジアゼピン系化合物を用いた抗不安薬や睡眠薬がある。また、近年、ストレス起因の微小循環不全改善に有益なトリテルペン酸(アクチニド酸等の化合物)を有効成分とする経口投与組成物も提案されており、これは、ストレスの軽減作用を有する一方、美肌作用も有すると謳われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−321369公報
しかしながら、これら化学薬品は、比較的安全性が高いものの、習慣性や副作用を併せ持つことから、日常生活における一時的なストレスに対して、頻繁に服用するのは好ましくなく、また、服用後その使用を中断するとリバウンドが起こり、かえって症状が悪化する場合さえあり、理想的とは言い難い。
一方で、上記特許文献1に開示された経口投与組成物のように、近年、皮膚機能改善作用を有意に発現する経口投与組成物に対する需要も高まりつつあることから、このような作用を有し、かつ、安全で服用や摂取が容易な新規組成物の開発も求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ストレス由来の皮膚血流低下や、皮膚機能の低下を、有効に予防・軽減でき、さらに副作用を生じず安全で、かつ服用や摂取が容易な、ストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、皮膚機能改善用組成物およびそれらを用いた飲食品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有するストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物を第1の要旨とし、乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有する皮膚機能改善用組成物を第2の要旨とし、上記第1および第2の要旨に記載の組成物を用いてなる飲食品を第3の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程において、乳酸菌の一種として本出願人が寄託した特殊な菌株〔ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC) 〕により乳を発酵させ、それにより得られた乳発酵物を、ストレスで悩む被験者および皮膚機能の低下や皮膚機能障害がみられる被験者に定期的に摂取させたところ、通常の乳発酵物の摂取では見ることのできなかった改善効果を奏することを突き止めた。そして、各種動物実験等によって、上記乳発酵物を有効成分とする組成物の経口投与により、副作用を生じずに、ストレス由来の皮膚血流低下や皮膚機能の低下を有意に予防・軽減することができるといったデータが得られたことから、この組成物およびそれを用いた飲食品を、ストレス由来の皮膚血流低下改善用途や皮膚機能改善用途に適用することにより、従来の化学薬品のように副作用等を生じずに、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明のストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、および、皮膚機能改善用組成物は、乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC) が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有するものである。そのため、従来の化学薬品のように副作用や習慣性がなく、ストレス由来の皮膚血流低下や皮膚機能の低下を有効に予防・軽減できる。さらに、この組成物を用いてなる飲食品においても、ストレス由来の皮膚血流低下や皮膚機能の低下の改善作用を有する機能性食品となることから、その摂取により、毎日の健康維持等に優れた効果を発揮する。
特に、上記乳発酵物が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FCとともに、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) およびストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)からなる群から選ばれた少なくとも一種の菌を含有し、発酵させたものであると、本発明品としての諸機能が、より有意に発現されるようになる。
また、上記乳が、豆乳であると、豆乳自身が有する特性が相乗的に作用し、ストレス由来の皮膚血流低下改善作用が、より有意に発現されるようになる。
さらに、上記乳が、牛乳であると、本発明品の皮膚機能改善作用が、より有意に発現されるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物、および、皮膚機能改善用組成物は、先に述べたように、乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC) が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有するものである。なお、本発明でいうところの「ストレス由来の皮膚血流低下改善作用」および「皮膚機能改善作用」は、例えば、皮膚機能低下がストレス由来の皮膚血流低下による場合、双方の作用に関連性が認められるが、本発明品は、このような関連性がない場合であっても、その双方の作用を促すものであることから、それぞれの用途において適用することができる。したがって、上記「ストレス由来の皮膚血流低下改善作用」および「皮膚機能改善作用」は、同義ではなく、場合によってはそれぞれ個別の作用を示すものである。
上記乳としては、特に限定されるものではなく、例えば、牛乳等といった動物性のもの(脱脂粉乳であってもよい)や、豆乳のような植物性のものが用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なお、上記豆乳は、その原料として、例えば、油脂を含有した丸大豆、脱皮大豆、フレーク大豆等を用い、それらを従来公知の方法により加工することにより得ることができる。
ここで、本発明品を、皮膚機能改善用に用いる場合、上記乳として、牛乳を用いることが、皮膚機能改善作用を、より有意に発現させることができるため、好ましい。一方、本発明品を、ストレス由来の皮膚血流低下改善用に用いる場合、上記乳として、豆乳を用いることが、ストレス由来の皮膚血流低下改善作用を、より有意に発現させることができるため、好ましい。
なお、上記乳として、豆乳のみを用いる場合、そのままでは発酵が促されにくいことから、その5重量%(以下、「%」と略す)程度の割合で、乳糖(ラクトース)を添加することが好ましい。また、上記乳として、豆乳のみを用いる場合でなくても(例えば、豆乳と牛乳との併用や、牛乳のみを用いる場合でも)、適宜、乳糖を添加してもよい。さらに、乳糖以外にも、上記乳に、ブドウ糖,果糖等の糖類を必要に応じて加えてもよい。
上記乳を発酵させる菌株としては、本出願人が、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託したラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が用いられる。この菌株は、通常のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスとは異なるものであり、これを使用することにより、顕著なストレス由来皮膚血流低下改善作用および皮膚機能改善作用を備えた組成物を得ることができる。なお、上記寄託菌株は、摂氏10℃以上で活性化する特性を有し、摂氏25〜30℃を至的温度としている。また、上記寄託菌株は、培地上に、白〜乳白状の粘稠性を有するコロニーを形成し、例えば、BCP培地上に、25℃×2日培養すると、直径0.5〜1.0mmの円形(半球状)コロニーとなる。さらに、培養条件や生理的状態によるコロニー形態の変化はなく、変異によるコロニー形態の変化もない。
また、必要に応じ、上記寄託菌株とともに、例えば、アセトバクター(Acetobacter) 属,グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter) 属等に属する酢酸菌や、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) 、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)等の乳酸菌を、一種あるいは二種以上併せて用いてもよい。特に、上記寄託菌株とともに、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) およびストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)からなる群から選ばれた少なくとも一種の菌を併せて用い、得られたものが、本発明品としての諸機能をより有意に発現できることから、好ましい。なかでも、上記寄託菌株とともに、アセトバクター・オリエンタリスを併せて用い、得られたものが、より好ましい。なお、上記寄託菌株とともに、ラクトバチルス・ブルガリカスやストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラスを併せて用いたものは、他の菌では顕著にみられなかった風味の改善がなされたことから、この併用により、摂取が容易となり、特に、飲食品への適用に有利となる。
そして、本発明の、ストレス由来皮膚血流低下改善用組成物または皮膚機能改善用組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
すなわち、まず、上記寄託菌株〔凍結乾燥され粉末状となったものを1g程度。上記粉末1g中の生菌数は1×105 以上(好ましくは1×107 〜1×109 )〕を準備し、これを、殺菌された培養ビンの中に入れる。また、必要に応じ、他の菌(例えば、アセトバクター・オリエンタリス等)も併せて入れる。なお、これらは、粉末状のものに限定されるものではない。そして、殺菌済みの乳(牛乳、豆乳等)を準備し、上記培養ビンの中に、これを所定量(30〜40ml)加える。また、上記乳の中に、必要に応じ、乳糖等の糖類を加える。ここで、上記培養ビンの中へ入れる各材料の順序は、上記と異なっていてもよい。そして、上記培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、室温(摂氏15〜30℃)環境下で3時間以上、好ましくは8〜24時間、放置する。このようにし、上記菌株を活性化させ、発酵を促す。これにより得られた乳発酵物を、そのまま(生菌状態のまま)か、あるいは、85℃×30分程度で加熱殺菌を行い、さらに、適宜、これが有効成分となるよう調製することにより、目的とする組成物(ストレス由来皮膚血流低下改善用組成物または皮膚機能改善用組成物)を得ることができる。
本発明のストレス由来皮膚血流低下改善用組成物または皮膚機能改善用組成物は、上記乳発酵物をそのまま(加熱殺菌したものを含む)直接用いてもよいが、一般には、上記乳発酵物を、凍結乾燥等により乾燥させて粉末化したり、また、その粉末を、適当な粉末担体に混合させたりして、調製される。また、その粉末を打錠して粒状にしたり、また、上記粉末をカプセルに封入したりして用いてもよい。さらに、上記乳発酵物を、適当な液状担体に溶解あるいは分散させたりして用いてもよい。
なお、本発明のストレス由来皮膚血流低下改善用組成物または皮膚機能改善用組成物は、ヒトのみでなく、ペットや家畜等の動物においても、ストレス由来の血流低下改善効果または皮膚機能改善効果が得られるものであり、その投与量は、投与対象とする生物の違い、投与される者の性別、体重、年齢等の違い、ストレス由来皮膚血流低下改善または皮膚機能改善のいずれを目的とするのかといった違い、また、改善作用でなく、その予防用に用いる場合といった条件に応じて、適宜設定される。例えば、成人に対しては、上記組成物を1日あたり60〜600gとなるよう、数回に分けて投与することにより、ストレス由来皮膚血流低下改善効果を有意に得ることができる。一方、上記組成物を1日あたり60〜600gとなるよう、数回に分けて投与することにより、皮膚機能改善効果を有意に得ることができる。なお、ペットや家畜等の動物においては、動物用飼料に上記組成物を3〜5%の範囲で含有させ、1 日当たり1〜500g/kg体重の範囲となるよう投与するのが好ましい。
一方、本発明のストレス由来皮膚血流低下改善用組成物または皮膚機能改善用組成物は、それを飲食品に関与させた形態としても提供することができる。上記飲食品としては、例えば、健康食品,特定保健用食品,清涼飲料水,お茶,ゼリー,ヨーグルト,プリン,アイスクリーム,アイスキャンデー,アメ,チョコレート,パン,ケーキ,ハム,ミートソース,カレー,シチュー,チーズ,バター,ドレッシング等があげられる。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記の表1に示す菌株A〜Gの粉末を準備した。なお、表の「ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC」は、本出願人が、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託した菌株(FERM AP-20185) である。
また、実験用マウスとして、HOS:HR−1ヘアレスマウス(雌、10〜12週齢)を準備した。このマウスは、6週齢前後で、26.5cm×15.5cm×高さ12.5cmの飼育器に移し、1飼育器あたり5匹の環境密度(標準環境)で6週間馴化させたものである。なお、実験前までは、いずれのマウスも、基本飼料(CLEA精製飼料)のみにより飼育が行われた。
〔実施例1〜8、比較例1〜6〕
まず、殺菌された培養ビンを準備し、上記Aの菌株粉末をこの中に入れ、さらに、殺菌済みの牛乳(市販の成分無調整牛乳、無脂乳固形分8.3%以上、乳脂肪分3.5%以上)を準備し、上記培養ビンの中に、上記牛乳(上記Aの菌株粉末1gに対し牛乳35ml)を入れた。これらの入った培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、25℃×12〜15時間の条件下で発酵を促すことにより、乳発酵物を得た。そして、実施例1では、この乳発酵物をそのまま凍結乾燥し、粉末化して、基本飼料(CLEA精製飼料、日本クレア社製)中に3%の割合で混合した。また、実施例2では、上記乳発酵物に対し85℃×30分の殺菌処理を行った後、凍結乾燥して粉末化し、これを、基本飼料中に3%の割合で混合した。なお、比較例1では、牛乳をそのまま凍結乾燥して粉末化し、これを、基本飼料中に3%の割合で混合した。
一方、実施例3では、上記実施例1の牛乳に代えて、豆乳(業務用無調整豆乳、大豆固形分10〜11%)を用い、その5%量の乳糖をこれに加え、発酵を促し、乳発酵物を得た。そしてこの乳発酵物を用い、実施例1と同様にして、混合飼料を調製した。これに準じ、実施例4では、豆乳:牛乳=7:3を用い、乳発酵物を得、混合飼料を調製した。実施例5では、豆乳:牛乳=2:10を用い、乳発酵物を得、混合飼料を調製した。なお、比較例2では、豆乳をそのまま凍結乾燥して粉末化し、これを、基本飼料中に3%の割合で混合した。
他方、実施例6では、菌株Aに代えて、菌株Bを用いること以外は、実施例1と同様にして乳発酵物を得、これを用いて混合飼料を調製した。これに準じ、実施例7では菌株Cを用い、乳発酵物を得、同様にして混合飼料を調製した。実施例8では菌株Dを用い、乳発酵物を得、同様にして混合飼料を調製した。比較例3では菌株Eを用い、乳発酵物を得、同様にして混合飼料を調製した。比較例4では菌株Fを用い、乳発酵物を得、同様にして混合飼料を調製した。比較例5では菌株Gを用い、乳発酵物を得、同様にして混合飼料を調製した。
つぎに、先の実験用マウスを、過密環境に移し(過密ストレス負荷)、実施例および比較例の各飼料(比較例6は基本飼料のみ)を、それぞれ自由摂取させながら、7日間飼育した。なお、過密環境とは、26.5cm×15.5cm×高さ12.5cmの飼育器に十字型の敷居を設け、飼育器内を四等分に分割し、その1枠当たりに5匹(1飼育器当たり20匹)の実験用マウスを入れて飼育を行ったものをいう。また、対照群では、標準環境(1飼育器当たり5匹)のまま、基本飼料を自由摂取させ続け、引き続き、7日間飼育した。
このようにして飼育した実験用マウスに関し、下記の基準に従い実験をし、その評価を行った。そして、この結果を後記の表2〜4に併せて示した。
〔血流量〕
マウスの表皮血流量を、レーザードップラー血流計(Laser Doppler Perfusion Imager PIM II、Lisca社製)により測定した。この測定は、実験開始初日(各々個別の飼料を与えはじめた初日)を0日とし、4日後、7日後と経時的に行った。なお、この測定値は、対照群の血流量を100.0としたときの、この量との対比により求めた割合(%)で示す。
〔表皮水分蒸散量〕
実験開始7日後のマウスに対し、その背中(腰の辺り)の表皮をセロハンテープで剥がす作業(テープストリッピング)を、10回繰り返し行った。そして、表皮を剥がした部分(炎症部分)の水分蒸散量を、蒸散量測定器(Tewameter TM210、Courage&Khaza社製)により、経時的に測定した。
上記「血流量」の結果から、実施例のマウスは、過密環境での飼育を行いストレスを負荷させたことから、ストレス負荷4日後では、初期に比べ、確かな血流量の低下がみられたものの、実施例の飼料を与え続けたことから、ストレス負荷7日後では、その改善効果が確認された。なお、実施例2のように、乳発酵物の殺菌処理を行ったものであっても、その改善効果は有意に得られた。このことから、実施例品は、生菌・死菌を問わず、ストレス由来の皮膚血流低下を改善する効果を有するものと判断できる。また、実施例において、その乳発酵物を得るための培地として、牛乳、豆乳、これらの混合物のいずれを用いた場合であっても、ストレス由来の皮膚血流低下の改善効果が有意に得られることが確認されたが、なかでも、豆乳を用いた実施例3が、その効果が顕著にあらわれた。
これに対し、比較例の飼料を与えたマウスは、ストレス負荷により、日を追うごとに血流量が低下して行き、有意な結果は得られなかった。また、他のクレモリス菌や乳酸菌を用いた比較例3〜5であっても、実施例ほど有意な血流低下改善効果は得られなかった。
一方、上記「表皮水分蒸散量」の結果から、実施例の飼料を与え続けたマウスは、比較例の飼料を与え続けたマウスに比べ、皮膚再生能が高く、テープストリッピングによる表皮水分蒸散量の増大が早く抑えられた(回復が早かった)ことがわかる。また、実施例において、その乳発酵物を得るための培地として、牛乳、豆乳、これらの混合物のいずれを用いた場合であっても、皮膚機能改善効果が有意に得られることが確認されたが、なかでも、牛乳を用いた実施例において、その効果が顕著にあらわれた。
本発明の組成物およびそれを用いた飲食品は、ストレス由来の皮膚血流低下改善用途および皮膚機能改善用途において好適に用いられるが、それ以外にも、免疫賦活活性や整腸作用があるといわれる多糖類を多く含むこと等に起因し、免疫賦活活性用途および整腸作用用途への適用も可能である。

Claims (7)

  1. 乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有することを特徴とするストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物。
  2. 上記乳発酵物が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FCとともに、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) およびストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)からなる群から選ばれた少なくとも一種の菌を含有し、発酵させたものである請求項1記載のストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物。
  3. 上記乳が、豆乳である請求項1または2記載のストレス由来の皮膚血流低下改善用組成物。
  4. 乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FC(Lactococcus lactis subsp. cremoris FC ,FERM AP-20185)が含有され、発酵させてなる乳発酵物を、有効成分として含有することを特徴とする皮膚機能改善用組成物。
  5. 上記乳発酵物が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス FCとともに、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) およびストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)からなる群から選ばれた少なくとも一種の菌を含有し、発酵させたものである請求項4記載の皮膚機能改善用組成物。
  6. 上記乳が、牛乳である請求項4または5記載の皮膚機能改善用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を用いてなることを特徴とする飲食品。
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