JP3715293B2 - 緩み止め機能を持つねじの形成方法およびそのねじの形成用塑性加工工具 - Google Patents

緩み止め機能を持つねじの形成方法およびそのねじの形成用塑性加工工具 Download PDF

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Description

この発明は、緩み止め機能を持つねじの形成方法およびそのねじの形成(盛上げ加工)用塑性加工工具、特に盛上げタップに関するものである。
ねじ加工用塑性加工工具の一種である盛上げタップは、一般に図10に示すように、先細りになった図示しない食付き部3とこれに連続する平行ねじ部4とを有するねじ部2を具えており、かかる盛上げタップ1の従来のねじ山は、ねじ規格に従った正規のねじ山角度(フランク角)に合わせて外径dのねじ山頂5から谷底6付近まで一直線状になった両フランク面(フランク)7,8を有し、その両フランク面7,8により盛上げタップ1は、図11に示すように、雌ねじ素材11の下孔12にねじ込まれるとその下孔12の内周面を押圧して二本の突条を一本のねじ山状に寄せつつ盛上げて、全体にねじ規格に従った正規のねじ山角度の両フランク面13,14を持つねじ山15を具える雌ねじ16を形成する。
一方従来、緩み止め機能を持つねじ部材として、ボルトの外径やナットの内径付近(ねじ山の山頂付近)に緩み止めのためにねじ山角度を変えた部分を設けたボルトやナットが、例えば特許文献1で知られている。
特開2002−106539号公報(特願2000−302726号)
しかしながら、上記従来の緩み止め機能を持つねじでは、ねじ山角度(フランク角)を変化させる位置が明確でないため緩み止め機能を確実に発揮できず、また、ねじ山を加工する方法も確立されていないため加工が困難であるという問題もあった。
さらに、緩み止め効果のためにねじ端部から設けたねじ山角度の変化部分で雌ねじと雄ねじが干渉する影響で、雌ねじに雄ねじを挿入して螺合させにくいという問題があった。
ところで、本願発明者の研究によれば、一般に盛上げタップで雌ねじを形成する際には、雌ねじの有効径付近からねじ山頂まで盛上がった二条の突条を互いに寄せてねじ山の両フランク面を形成しており、それらの突条は盛上げ加工の際に寄せ過ぎなければ互いに寄る方向に弾性変形し得るということが判明した。
この発明は、先の事情を背景とするとともに、本願発明者の上記知見に鑑みてなされたもので、ねじを形成する際にねじ山のフランク面の谷底付近から山頂へ向かう途中の上記突条に掛かる位置から山頂付近までねじ山角度(フランク角)を変更することで、その部分が螺合相手のねじのフランク面で押されて弾性変形し得るように形成する、緩み止め機能を持つねじの形成方法およびそのねじの形成用塑性加工工具、特に盛上げタップと、緩み止め機能を持ちかつ螺合相手のねじと螺合させ易いねじの形成方法およびそのねじの形成用盛上げタップとを提供することを目的とするものである。
上記課題を有利に解決した請求項1記載のこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法は、塑性加工工具の工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せながら、それらの突条の少なくとも片方を前記工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面の有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘る逃がし部に逃がしてねじ山を形成することで、そのねじ山の少なくとも片側のフランク面を形成する突条に有効径よりもねじ山頂寄りのねじ山角度変更位置からねじ山頂付近までねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を形成することを特徴とするものである。
また上記課題を有利に解決した請求項4記載のこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具は、工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せてねじを形成する塑性加工工具において、前記工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面に、有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘って、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部を設けたことを特徴とするものである。
さらに上記課題を有利に解決した請求項5記載のこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップは、先細りになった食付き部とこれに連続する平行ねじ部とを有するねじ部を具えるとともに、前記ねじ部の少なくとも片側のフランク面に有効径と雌ねじ内径許容最大値との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部を具えてなるものである。
この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法にあっては、塑性加工工具の工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せながら、それらの突条の少なくとも片方を前記工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面の有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘る逃がし部に逃がしてねじ山を形成することで、そのねじ山の少なくとも片側のフランク面を形成する突条に、有効径の位置またはそこよりもねじ山頂寄りのねじ山角度変更位置からねじ山頂付近までねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を形成することから、この方法でねじ素材に形成したねじの、上記ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分は、有効径付近から盛り上がった上記突条の基部よりも山頂寄りに形成されるため確実に弾性変形可能となるので、螺合相手のねじのフランク面で押圧されて弾性変形する。しかも、この発明の方法によれば、ねじ山角度変更位置は有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間に設定されているので、ねじ山を形成する突条にねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分が確実に形成される。
従って、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法によれば、緩み止め機能を確実に発揮するねじを形成することができる。また、形成したねじのフランク面の谷底付近から、有効径の位置またはそこよりも山頂寄りのねじ山角度変更位置までの部分が正規のねじ山角度となって螺合相手のねじと密に螺合するので、緩み止め機能を持つと同時に充分大きい締結力を持つねじを形成することができる。しかも塑性加工でねじを形成するので、緩み止め機能を持つねじを容易かつ安価に加工することができ、切削加工でないので、切粉によって加工場所が汚れることがなく、また微細な部分の切削を必要としないので、加工工具の寿命も長持ちさせることができる。
一方、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具にあっては、工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せてねじを形成するとともに、工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面に、有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘って設けられた、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部で、上記形成するねじ山の少なくとも片側のフランク面を形成する突条に、有効径の位置またはそこよりもねじ山頂寄りのねじ山角度変更位置からねじ山頂付近まで、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を形成する。
従って、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具によれば、上述したこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法により盛上げ加工を行って、緩み止め機能を持つねじを形成することができるので、緩み止め機能を確実に発揮するねじを形成することができ、また、緩み止め機能を持つと同時に充分大きい締結力を持つねじを形成することができる。しかも、緩み止め機能を持つねじを容易かつ安価に加工することができ、切粉によって加工場所が汚れることがなく、加工工具の寿命も長持ちさせることができる。
そして、この発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップによれば、上述したこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法により盛り上げ加工を行って、緩み止め機能を持つ雌ねじを形成することができるので、形成した雌ねじで確実に緩み止めをすることができ、また、緩み止め機能を持つと同時に充分大きい締結力を持つ雌ねじを形成することができる。しかも、切削でなく盛上げ加工で雌ねじを形成しつつその雌ねじに緩み止め機能を持たせるので、切粉によって加工場所が汚れることがなく、また、微細な部分の切削加工を行わないので、雌ねじを加工するタップの寿命も長持ちさせることができる。
なお、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法においては、前記ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を前記ねじの端部から離れた位置に形成することとしても良く、このようにすれば、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分によって雌ねじと雄ねじが干渉し始めるのがねじの端部から離れた位置になるので、雌ねじに雄ねじを挿入して螺合させ易くすることができる。
また、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法においては、前記ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を、前記ねじの、そのねじに螺合したねじの締付力が作用する側のフランク面のみに形成することとしても良く、このようにすれば、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を片方のフランク面のみに対して形成するので、緩み止め作用は多少減少するものの、雌ねじに雄ねじを螺合させ易くすることができる。
一方、この発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップにおいては、前記逃がし部を、前記ねじ部の途中から前記食付き部方向の部分に具えていても良く、このようにすれば、その逃がし部で形成したねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分によって雌ねじと雄ねじが干渉し始めるのが雌ねじの入口付近よりも奥になるので、雌ねじに雄ねじを挿入して螺合させ易くすることができる。
また、この発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップにおいては、前記逃がし部を、前記盛上げタップで形成する雌ねじの、その雌ねじに螺合した雄ねじの締付力が作用する側のフランク面を加工する側のフランク面のみに具えていても良く、このようにすれば、その逃がし部で、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分が片方のフランク面のみに形成されるので、緩み止め作用は多少減少するものの、雌ねじに雄ねじを螺合させ易くすることができる。
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第1実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第1実施例としての盛上げタップの全体形状を示す側面図、図2は、上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図、図3は、上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法による雌ねじ形成状態を示す断面図、図4は、上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図、そして図5は、上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに雄ねじが螺合された状態で示す断面図である。
この第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1は、図1に示すように、先細りになった食付き部3とこれに連続する平行ねじ部4とを有するねじ部2を具えるとともに、図2に示すように、そのねじ部2の全長に亘りねじ山(工具ねじ山)の両フランク面7,8に、有効径d2の位置と雌ねじ内径許容最大値D1mの位置(当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置)との間に設定されたねじ山角度変更位置CPから谷底6付近までの間に亘る、ねじ山角度がねじ規格上の正規の角度よりも小さい逃がし部9を具えており、これによりねじ部2のねじ山の両フランク面7,8の断面形状は、外径dのねじ山頂5から有効径d2の位置またはそこより谷底6寄りに位置するねじ山角度変更位置CPまでは正規のねじ山角度で一直線状になっているが、そのねじ山角度変更位置CPから谷底6寄りの逃がし部9では、ねじ山角度が正規の角度よりも小さく(タップ中心軸線Cに対しより直角に近く)なっている。
かかる第1実施例の盛上げタップ1を用いて雌ねじを形成する上記第1実施例の雌ねじの形成方法にあっては、図3に示すように、雌ねじ素材11の下孔内に第1実施例の盛上げタップ1をねじ込んで、雌ねじ素材11の下孔の内周面を第1実施例の盛上げタップ1のねじ部2の食付き部3および平行ねじ部4で押圧して有効径D2付近から二本の突条を盛上げるとともにそれらの突条を一本のねじ山状に寄せて雌ねじ16を形成しつつ、それら二本の突条を第1実施例の盛上げタップ1の逃がし部9に沿わせて通常の雌ねじの場合よりも互いに離間する方向に逃がして、その雌ねじ16のねじ山15の両フランク面13,14を形成する上記二本の突条に、雌ねじ16の有効径D2の位置と雌ねじ内径許容最大値D1mの位置との間のねじ山角度変更位置CPから雌ねじ山頂付近まで、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい(雌ねじ中心軸線に対しより直角に近い)部分17を形成することから、それらのねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分17は、各突条の根元の位置またはそこよりねじ山頂寄りの位置からねじ山頂付近まで形成されるため確実に弾性変形可能になる。しかもこの方法にあっては、ねじ山角度変更位置CPは有効径D2の位置と雌ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置である雌ねじ内径許容最大値D1mの位置との間に設定されているので、雌ねじ16のねじ山15を形成する二本の突条に、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分17が確実に形成される。
これらのねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分17は、図4に示す如く、雌ねじ16に螺合される雄ねじ21と対比すると明らかなように、その雄ねじ21のねじ山22の、ねじ山角度が正規の角度の両フランク面23,24の、谷底25付近の部分と干渉するものであるが、各突条の根元より距離α(α≧0)だけねじ山頂寄りの位置からねじ山頂側に形成されている。それゆえ、図5に示すように、雌ねじ16に雄ねじ21が螺合されると、雄ねじ21のねじ山22の正規のねじ山角度の両フランク面23,24の、谷底25付近の部分によって、雌ねじ16の上記部分17の、ねじ山角度が正規の角度よりも小さいフランク面が押されて上記部分が17が互いに寄るように弾性変形し、これにより、その雄ねじ21の両フランク面23,24に雌ねじ16の二条の上記部分17が上記弾性変形による反発力で強固に押し付けられて、緩み止め作用を確実に発揮する。
従って、この第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によれば、緩み止め機能を確実に発揮する雌ねじ16を形成することができる。また、形成した雌ねじ16の両フランク面13,14の谷底付近から、有効径の位置またはそこよりも山頂寄りのねじ山角度変更位置CPまでの部分が正規のねじ山角度となって雄ねじ21と密に螺合するので、緩み止め機能を持つと同時に充分大きい締結力を持つ雌ねじ16を形成することができる。しかも塑性加工で雌ねじ16を形成するので、緩み止め機能を持つ雌ねじ16を容易かつ安価に加工することができ、切削加工でないので、切粉によって加工場所が汚れることがなく、また微細な部分の切削を必要としないので、盛上げタップ1の寿命も長持ちさせることができる。
そして、この第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1によれば、上述した第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法により盛り上げ加工を行って、緩み止め機能を持つ雌ねじ16を形成することができるので、上述した第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法と同様の作用効果をもたらすことができる。
図6は、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第2実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第2実施例としての盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図、図7は、上記第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図である。
この第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1は、図6に示すように、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部9を、ねじ部2の全長の内の平行ねじ部4の途中から食付き部3を含めて食付き部3方向の部分に具えている点のみが先の第1実施例と異なっており、他の部分は先の第1実施例と同様に構成されている。
かかる第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1およびそれを用いた第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によれば、先の第1実施例の盛上げタップ1およびそれを用いた雌ねじの形成方法と同様の作用効果が得られるのに加えて、図7に示すように、雌ねじ16の入口付近ではねじ山15の両フランク面を形成する二本の突条が正規のねじ山角度の突条18になっていて、上記逃がし部9で形成したねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分17によって雌ねじ16と雄ねじ21が干渉し始めるのが雌ねじ16の入口付近よりも奥になるので、雌ねじ16を、雄ねじ21を挿入して螺合させ易いものとすることができる。
図8は、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第3実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第3実施例としての盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図、図9は、上記第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図である。
この第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1は、図8に示すように、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部9を、この盛上げタップ1で形成する雌ねじ16の、その雌ねじ16に螺合した雄ねじ21の締付力が作用する側のフランク面(図9では雌ねじ16のフランク面13)を加工する側のフランク面8のみに具えている点のみが先の第1実施例と異なっており、他の部分は先の第1実施例と同様に構成されている。
かかる第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ1およびそれを用いた第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によれば、先の第1実施例の盛上げタップ1およびそれを用いた雌ねじの形成方法と同様の作用効果が得られるのに加えて、図9に示すように、上記逃がし部9で、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分17が片方のフランク面13のみに形成され、他方のフランク面14では正規のねじ山角度の突条18になっているので、緩み止め作用は多少減少するものの、雌ねじ16を、雄ねじ21を螺合させ易いものとすることができる
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具は、工具ねじ山に前記逃がし部を具えて、緩み止め機能を持つ雄ねじを転造によって形成する転造ダイスでも良く、それを用いたこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法は、緩み止め機能を持つ雄ねじを、工具ねじ山に前記逃がし部を具える転造ダイスで塑性加工するものでも良い。
かくしてこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法およびこの発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具によれば、緩み止め機能を確実に発揮するねじを形成することができ、また、緩み止め機能を持つと同時に充分大きい締結力を持つねじを形成することができる。しかも、緩み止め機能を持つねじを容易かつ安価に加工することができ、また、切粉によって加工場所が汚れることがなく、加工工具の寿命も長持ちさせることができる。
この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第1実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第1実施例としての盛上げタップの全体形状を示す側面図である。 上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図である。 上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法による雌ねじ形成状態を示す断面図である。 上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図である。 上記第1実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに雄ねじが螺合された状態で示す断面図である。 この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第2実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第2実施例としての盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図である。 上記第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第2実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図である。 この発明の緩み止め機能を持つねじの形成方法の第3実施例としての緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法に用いられる、この発明の緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具およびこの発明の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップの第3実施例としての盛上げタップのねじ部のうちの平行ねじ部を拡大して示す断面図である。 上記第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップを用いた上記第3実施例の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成方法によって形成した雌ねじをそこに螺合される雄ねじと対比して示す断面図である。 従来のねじ加工用塑性加工工具の一種である盛上げタップを例示する断面図である。 上記従来の盛上げタップによる雌ねじ形成状態を示す断面図である。
符号の説明
1 盛上げタップ
2 ねじ部
3 食付き部
4 平行ねじ部
5 ねじ山頂
6 谷底
7,8 (タップの)フランク面
9 逃がし部
11 雌ねじ素材
12 下孔
13,14 (雌ねじの)フランク面
15 (雌ねじの)ねじ山
16 雌ねじ
17 (雌ねじの)ねじ山角度が正規の角度より小さい部分
18 (雌ねじの)正規のねじ山角度の突条
21 雄ねじ
22 (雄ねじの)ねじ山
23,24 (雄ねじの)フランク面
25 (雄ねじの)谷底
C タップ中心軸線
d (タップの)外径
CP ねじ山角度変更位置
d2 (タップの)有効径
D1m 雌ねじ内径許容最大値
D2 (雌ねじの)有効径
α ねじ山角度変更位置の突条の根元からの距離

Claims (7)

  1. 塑性加工工具の工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せながら、それらの突条の少なくとも片方を前記工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面の有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘る逃がし部に逃がしてねじ山を形成することで、そのねじ山の少なくとも片側のフランク面を形成する突条に有効径よりもねじ山頂寄りのねじ山角度変更位置からねじ山頂付近までねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を形成することを特徴とする、緩み止め機能を持つねじの形成方法。
  2. 前記ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を前記ねじの端部から離れた位置に形成することを特徴とする、請求項1記載の緩み止め機能を持つねじの形成方法。
  3. 前記ねじ山角度が正規の角度よりも小さい部分を、前記ねじの、そのねじに螺合したねじの締付力が作用する側のフランク面のみに形成することを特徴とする、請求項1または2記載の緩み止め機能を持つねじの形成方法。
  4. 工具ねじ山でねじ素材を押圧して二本の突条を盛上げるとともに一本のねじ山状に寄せてねじを形成する塑性加工工具において、
    前記工具ねじ山の少なくとも片側のフランク面に、有効径位置と当該工具ねじ山に嵌合する被加工ねじの低い方の許容限度の山頂に対応する位置との間のねじ山角度変更位置から谷底付近までの間に亘って、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部を設けたことを特徴とする、緩み止め機能を持つねじの形成用塑性加工工具。
  5. 先細りになった食付き部(3)とこれに連続する平行ねじ部(4)とを有するねじ部(2)とを具える盛上げタップ(1)において、
    前記ねじ部の少なくとも片側のフランク面(7,8)に、有効径(d)と雌ねじ内径許容最大値(D1m)との間のねじ山角度変更位置(A)から谷底(6)付近までの間に亘って、ねじ山角度が正規の角度よりも小さい逃がし部(9)を設けたことを特徴とする、緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ。
  6. 前記逃がし部(8)を、前記ねじ部(4)の途中から前記食付き部(5)方向の部分に具えることを特徴とする、請求項5記載の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ。
  7. 前記逃がし部(9)を、前記盛上げタップで形成する雌ねじ(16)の、その雌ねじに螺合した雄ねじ(21)の締付力が作用する側のフランク面(13)を加工する側のフランク面(8)のみに具えることを特徴とする、請求項5または6記載の緩み止め機能を持つ雌ねじの形成用盛上げタップ。
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