JP3714751B2 - 熱可塑性樹脂発熱成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂に導電材料を含有した樹脂成形品で、導電性と熱伝導性にに優れた熱可塑性樹脂成形品に関する。
更に詳しくは、黒鉛と長繊維の炭素繊維を含有した熱可塑性樹脂を用いて、高い導電性で、しかも良熱伝導性で表面が均一に発熱する軽い熱可塑性樹脂発熱成形品に関する。
【0002】
【従来技術】
熱可塑性樹脂はその優れた成形加工性のゆえに多方面に利用されてきたが、その中でもスチレン系樹脂は電機・電子機器及びOA機器のハウジング、日用品、玩具、自動車部品等の幅広い分野で利用されている。
更に近年、この様な非導電性物質である熱可塑性樹脂に導電材料を含有させることにより導電性に優れた樹脂組成物が得られるようになり、面状発熱体としてフロアーヒーター、タンク保温ヒーター等の産業用、家庭用発熱体として広く利用され始めている。
【0003】
然しながら、導電材料としてアルミニウム、ステンレス、黄銅等の金属箔あるいは金属繊維を使用した場合は導電性改良効果には優れるものの、均一な導電性改良効果を付与するためには多量の金属添加が必要であり、成形品重量が重くなる欠点がある。これに対して、カーボンブラックは比重が小さく、重量当たりの添加量が少なくてすむことから好んで使用されているが、非常に微粉であるため加工性に問題があり、添加量を多くすると成形が困難となり、しかも成形品の機械的物性が低下する。
【0004】
そのため、例えば、特開昭60−184534号公報には、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマーからなるポリマー成分にカーボンブラックと炭素繊維を組合わせた導電性プラスチック組成物が提案されている。特開昭62−42402号公報にはカーボンブラックと黒鉛を併用した導電性樹脂組成物の成形品が提案されている。又、特開昭60−202154号公報には長繊維炭素繊維を使用する方法、特開昭63ー105725号公報と特開平1ー300914号公報には金属短繊維とカーボンブラックを添加する方法が提案されている。又、特開平5−217711号公報には導電性粒子と熱伝導度をアップし発熱温度ムラを少なくするために無機窒化物粒子又は酸化マグネシウム粒子を添加した組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カーボンブラックと炭素繊維を組合わせた導電性プラスチック組成物では10Ω・mm程度の導電性を得るためには導電材料を30wt%以上添加する必要があり、しかも成形品の導電性に異方性が発生する。カーボンブラックと黒鉛を併用する場合でも高い導電性を得るためには高濃度の添加が必要であり、組成物の加工性が低下し、成形品の機械的物性が低下する。
【0006】
一方、長繊維炭素繊維を使用する方法では少量添加で高い導電性を得ることができるが、導電性の異方性がある。金属短繊維とカーボンブラックを添加する方法は成形品の重量が重くなるうえ、成形機のスクリュウやシリンダー等を磨耗させる。
更に、熱伝導度をアップするために無機窒化物粒子又は酸化マグネシウム粒子を添加した組成物は導電性が大幅に低下する。
本発明は、以上のような情況に鑑みなされたものであり、導電材料の少量添加で高い導電性があり、導電性に異方性が無く表面が均一に発熱し、軽くて容易に加工成形できる熱可塑性樹脂発熱成形品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のエマルジョンで表面処理した炭素繊維ロービングに黒鉛を添加した熱可塑性樹脂で押出被覆し造粒した樹脂を成形することによって、導電材料の少量添加で高い導電性があり、導電性に異方性が無く表面が均一に発熱し、軽くて容易に加工成形できる熱可塑性樹脂発熱成形品を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、炭素繊維ロービングを押出被覆する熱可塑性樹脂又は該熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂エマルジョンを被覆付着させ、乾燥後、黒鉛を添加した熱可塑性樹脂で押出被覆し、造粒した炭素繊維と黒鉛を含有する熱可塑性樹脂を射出成形又は押出成形し、体積固有抵抗値が0.01〜100Ω・cmで熱伝導度が0.15Kcal/m・Hr・℃以上の熱可塑性樹脂発熱成形品に関する。
【0008】
ここでいう熱可塑性樹脂については特に制限はなく、従来成形材料として使用されているものから任意のものを選択して使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
【0009】
スチレン系樹脂としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等の単独重合体又はこれらの共重合体、あるいはこれらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が挙げられる。具体的には、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、耐熱性ポリスチレン(α−メチルスチレン重合体)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体(α−メチルスチレン系耐熱ABS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−フェニルマレイミド共重合体(フェニルマレイミド系耐熱ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES)、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体(AAS)等が挙げられる。又、ポリマーブレンドで作ることも可能である。
【0010】
ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、等のホモポリマーが挙げられ、これをスチレン系樹脂で変性したものを用いる事が出来る。
ポリオレフィン系樹脂としては、代表的にはエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体又はこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のポリエチレン類、アタクチック、シンジオタクチック、アイソタクチックポリプロピレンや、プロピレンーエチレンブロック共重合体又はランダム共重合体等のポリプロピレン類、ポリ4−メチルペンテンー1等を挙げることができる。
【0011】
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル単独重合体や塩化ビニルと共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。具体的には、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等が挙げられる。更に、これらのポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化して塩素含有量を高めたものも使用できる。
【0012】
ポリアミド系樹脂(PA)としては、例えば6−ナイロンや12−ナイロン等の環状脂肪族ラクタムを開環重合したもの、6・6−ナイロン、6・10−ナイロン、6・12−ナイロン等の脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させたもの、11−ナイロン等のアミン酸を縮重合させたものなどを挙げることができる。
【0013】
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを縮重合させたものが挙げられる。具体例としてはポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアセタール系樹脂(POM)としては、例えば単独重合体のポリオキシメチレン又はトリオキサンとエチレンオキシドから得られるホルムアルデヒド−エチレンオキシド共重合体等が挙げられる。
【0014】
ポリカーボネート系樹脂としては、4・4’−ジヒドロキシジアリールアルカン系ポリカーボネートが挙げられる。具体的にはビスフェノールA系ポリカーボネート、変性ビスフェノールA系ポリカーボネート、難燃化ビスフェノールA系ポリカーボネート等を用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えばメタクリル酸エステル重合体やアクリル酸エステル重合体等が挙げられ、これらの単量体としては、メタクリル酸又はアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルエステル等が用いられ、代表的にはメチルメタクリレート樹脂(PMMA)が挙げられる。
【0015】
これらの熱可塑性樹脂の中で、スチレン系樹脂、PPE、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PA、POM、PMMAが好適であり、更には、スチレン系樹脂とPPE即ち、GPPS、HIPS、ABS、α−メチルスチレン系耐熱ABS、フェニルマレイミド系耐熱ABS、AES,AAS、ASとPPEが最も好ましい。又、これらの熱可塑性樹脂を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
本発明の組成物を構成する成分としての炭素繊維ロービングは特に限定されるものでなく、ポリアクリルニトリル、ピッチ等を原料として製造されたものを使用することができる。単繊維径としては熱可塑性樹脂中での分散性又は毛玉の発生から2ミクロン以上であることが好ましく,成形品中での繊維長を長く保持するために10ミクロン以下の径のものが好ましい。添加量に関しては体積固有抵抗値と熱伝導度の点から1〜20wt%、好ましくは3〜15wt%である。
【0017】
熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂のエマルジョンとは、熱可塑性樹脂がポリスチレン、変性ポリフェニレンエーテル樹脂の場合は、スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン(SBラテックス)、水素添加スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン等である。熱可塑性樹脂がAS、ABS、PMMA、PET、PC樹脂の場合は、スチレン−アクリル酸コポリマー及びスチレン−メチルメタクリレートコポリマー等のアクリル系エマルジョン等である。熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂、またはポリアセタール樹脂の場合は、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマー及び部分金属塩のエマルジョン等である。熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂の場合はウレタン系のエマルジョンである。
【0018】
該エマルジョンの固形濃度(主として樹脂)は一般に市販されている30〜70%の範囲の物でよく、特別なエマルジョンを用いる必要はない。
エマルジョンで炭素繊維ロービングを表面処理するには、まず、炭素繊維の表面にエマルジョンを付着する方法として、炭素繊維にエマルジョンを噴霧するスプレー法、エマルジョン溶液に炭素繊維を浸漬する浸漬法等が採用でき、必要によっては過剰に付着したエマルジョンを適当な方法を用いて適切に絞る事も可能である。次に、炭素繊維の良好な分散を得るために、エマルジョンが付着した繊維は樹脂が変質しない程度の温度で乾燥することが必要である。樹脂が非晶性樹脂の場合、樹脂のガラス転移温度+20℃以下で、また樹脂が結晶性樹脂の場合、樹脂の融点+20℃以下の温度で乾燥することが好ましい。
【0019】
繊維表面を被覆する樹脂量は、熱可塑性樹脂との相溶性の点からは乾燥基準で0.5wt%以上、作業性、経済性の点からは50wt%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜20wt%である。
黒鉛としては、天然産を精製・微粉砕して得た天然黒鉛及び石油コークス等を原料として2000℃以上の温度で黒鉛化した人造黒鉛等が使用できる。特に好ましいのは、熱可塑性樹脂中で分散性が良く、又機械的強度の優れた平均粒子径10ミクロン以下の微粉黒鉛が好ましい。最も好適には、黒鉛を硫酸、硝酸、塩素酸等の強酸化剤に浸漬し層間化合物を形成し、水洗後に500℃以上で発泡させた膨張黒鉛を粉砕したものが好ましい。添加量としては特に制限は無いが、導電性の異方性を無くする程度で良く、0.1〜10wt%が好ましい。
【0020】
炭素繊維ロービングをエマルジョンで表面処理し、熱可塑性樹脂で押出被覆し、造粒する場合のペレットの長さは導電性を保つ観点からは1.5mm以上であることが好ましく,一方ホッパー等でのブリッジ発生による成形性低下防止の観点は15mm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、3〜8mmである。
又、本発明の熱可塑性樹脂には、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、難燃剤、着色剤等を添加することも可能であり、体積固有抵抗値、熱伝導度を調整するために他の導電材料、良熱伝導材料を添加することもできる。
【0021】
本発明の成形品を得る成形方法は一般に用いられる成形方法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形等を用いることができる。又、炭素繊維と黒鉛を高濃度含有したマスターバッチペレットと熱可塑性樹脂ペレットを混合して本発明の成形品を得ることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、実施例、比較例において使用した材料と成形装置は下記に示す通りである。
Figure 0003714751
<測定・評価方法>
(1)熱伝導度の測定
射出成形機−1を用いて、シリンダー温度を各々の熱可塑性樹脂に適した成形温度に設定し、乾燥が必要な樹脂は乾燥ペレットを通常の成形サイクルに従い、プレート(幅50mm×長90mm×厚2.5mm)を成形する。
【0023】
このプレートを加熱源と冷却源に密着している2本の太い銅棒に挟み銅棒の温度傾斜とプレートの温度傾斜を測定して熱伝導度を算出する温度傾斜法で測定する。
(2)体積固有抵抗の測定
前記プレートの長さ方向(成形時の樹脂の流れ方向)の両端に銀ペーストを全面塗布し、乾燥後に、テスターで抵抗値(RL)を測定し、R1=RL×AL/L(AL:断面積、L:長さ)から体積固有抵抗値R1を計算する。
(3)体積固有抵抗の異方性の測定
前記プレートの幅方向(成形時の樹脂の流れと垂直方向)の両端に銀ペーストを全面塗布し、乾燥後に、テスターで抵抗値(RW)を測定し、R2=RW×AW/W(AW:断面積、W:幅)から計算した体積抵抗値R2と前記樹脂の流れ方向の体積固有抵抗値R1の比(R2/R1)を算出する。
(4)炭素繊維の毛玉の評価
射出成形機−1を用いて、成形温度、乾燥に関しては前記と同様にし、評価を容易にするために樹脂100重量部に対して二酸化チタンを1重量部添加してグレー色に着色されたペレットにてプレートを成形し、炭素繊維の毛玉発生の有無を目視で判断し、(発生無し)を○、(少々発生)を△、(多数発生有り)を、×とした。
【0024】
(5)発熱温度ムラの測定
射出成形機−2を用いて、成形温度、乾燥に関しては前記と同様にし、帯状プレート(幅25mm×長550mm×厚2.5mm)を成形する。
このプレートの両端に銀ペーストを塗布後乾燥させ、電極とする。これにスライダックで40Wの電力を通電させ50mm間隔で合計10箇所の表面温度を測定する。
【0025】
【比較例1〜4、実施例1〜10
下記表1に示す通り、熱可塑性樹脂、エマルジョン、導電材料の組合わせと組成で各々のサイズのペレットを作成した。ペレットの作成の方法としては、比較例2、3及び4はABSと添加剤をタンブラーで混合し、2軸押出機で押出し2.7mmのペレットに切断した。比較例2、3および4以外は炭素繊維ロービング(CF−R)を各々のエマルジョンに浸漬後乾燥し、それぞれの熱可塑性樹脂を押出被覆し、5.5mmに切断した。
【0026】
次に、得られたペレットで、乾燥の必要な樹脂は乾燥し、各々の評価方法に従って成形し、評価した結果を表1に示している。表1の実施例1〜では熱伝導度が0.21Kcal/m・Hr・℃以上、体積固有抵抗値が1.5Ω・mm以下、異方性(R2/R1)が1.4以下で炭素繊維の毛玉の発生もほとんど無く発熱温度のムラが±5℃以内の成形品が得られることがわかる。比較例1と実施例2を比較するとCF−Rを高濃度に含有させると毛玉の発生が多くなり、黒鉛を添加することによって異方性が改善され発熱温度ムラが小さくなることが言える。比較例2、3と実施例を比較することによって、炭素繊維が同じ添加量でも本発明の長繊維では熱伝導度と体積固有抵抗値が大幅にアップし異方性が少なく、しかも発熱温度ムラが小さくなることが言える。叉、実施例4〜10に示す如く、ABS以外の樹脂、HIPS、PMMA、AS、PPE、PE、POM、PAn関しても同様な効果が得られることがいえる。
【0027】
【表1】
Figure 0003714751
【0028】
【発明の効果】
以上本発明により、導電材料の少量添加で高い導電性があり、導電性に異方性が無く表面が均一に発熱し、軽くて容易に加工成形できる熱可塑性樹脂発熱成形品を製造することができる。
従って、体積固有抵抗値が0.01〜100Ω・mmで熱伝導度が0.15Kcal/m・Hr・℃以上、比重2以下の熱可塑性樹脂発熱成形品が得られる効果がある。

Claims (2)

  1. 炭素繊維ロービングに押出被覆する熱可塑性樹脂または該熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂エマルジョンを予め被覆付着させ、乾燥後、黒鉛を添加した熱可塑性樹脂で押出被覆した後、切断して得られた炭素繊維1〜20wt%と黒鉛0.1〜10wt%を含有する熱可塑性樹脂ペレットを射出成形叉は押出成形し、体積固有抵抗値が0.01〜100Ω・cm、熱伝導度が0.15kcal/m・hr・℃以上の熱可塑性樹脂発熱成形品
  2. 熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂叉はポリフェ二レンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂発熱成形品。
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