JP3714643B2 - 液晶マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

液晶マイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示素子に用いられる液晶マイクロカプセル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報機器のディスプレーとして、これまで多くの液晶表示素子が提案されている。現在パーソナルコンピュータ用やワードプロセッサー用として、Twisted Nematic (TNモード 特開昭47−11737号公報)や、Super Twisted Nematic (STNモード 特開昭60−107020号公報)が実用化されている。しかしながらこれらの表示モードは、偏光板を用いらなければならず光の利用効率が理論的に50% を超えることができない。またこれらの表示モードでは、カラー表示するためには、カラーフィルターを用いなければならず、さらに光の利用効率の低減を招く。
【0003】
近年需要が高まってきている携帯端末では、電池で駆動させるために消費電力を最小限に押さえなければならない。上記TNモードやSTNモードでは光の利用効率が悪くバックライトを使う必要があるので消費電力が高くなり携帯端末には向かない。そこでバックライトを必要としない反射型液晶表示素子が期待されている。
【0004】
反射型液晶表示素子として高い光利用効率とカラー化に向いている点で、ゲスト・ ホスト液晶をマイクロカプセル化して用いる表示モード(特開昭58−144885号公報)がある。しかしながらこの表示モードは駆動電圧が高いのが現状であり、実用化されていない。これはマイクロカプセルの粒径が不均一で、さらに電圧保持特性が悪いことが原因である。また液晶セルを組み立てる工程で、機械的強度、熱的強度が必要であるが、現在のところピンホールのない強固な液晶マイクロカプセルは得られていない。
【0005】
比較的粒径が均一で、ピンホールのできにくいマイクロカプセルの製造方法として、膜乳化法(特開平5−212270号公報)が知られている。しかしながら現在よく使われているフッ素系液晶については、その疎水性が強すぎるため、なおその粒径分布が広いという問題がある。また、マイクロカプセルの分散性が悪く、分散性を上げるために多量の界面活性剤が必要であり、そのため電圧保持率が低下したり、機械的熱的耐性が低下する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、OA機器や携帯端末等消費電力の低い反射型ディスプレーに適した液晶マイクロカプセル及びその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、分散性が良好で、粒径分布が均一でピンホールのない液晶マイクロカプセル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、液晶及び重合反応可能な物質との混合液を圧力を加え多孔質膜を通して液中に押し出し液滴を形成する工程と、物質を重合反応させて液滴の表面に皮膜を形成する工程とを具備する液晶マイクロカプセルの製造方法において、圧力を周期的に変動させることを特徴とする液晶マイクロカプセルの製造方法を提供する。
【0008】
本発明は、液晶がフッ素系液晶であっても良い。
【0009】
また本発明は、液中が水中であっても良い。
【0010】
また本発明は、物質が、炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ水酸基、カルボン酸エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アシル基、炭酸エステル基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、ウレタン基から選ばれる少なくとも1つの親水性基を有しても良い。
【0011】
また本発明は、物質が、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂のプレポリマーの少なくとも1つであっても良い。
【0012】
また本発明は、液晶中に、二色性色素が分散されていても良い。
【0013】
また本発明は、多孔質膜の液中と接する面が、親水性であっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
フッ素系液晶は、抵抗が高く薄膜トランジスタ等を用いたアクティブマトリックス駆動に適した液晶である。しかしながら疎水性が極めて高いために、液晶マイクロカプセルの分散液において、分散状態を安定化するために多量の界面活性剤を添加する必要があった。しかし、一般に界面活性剤はイオン性のため液晶マイクロカプセルを製膜した場合に、電圧保持特性に悪影響を及ぼす。また、機械的耐熱強度も低下する。
【0016】
さらに、フッ素系液晶は疎水性が極めて高いために、膜乳化法にて、液晶が多孔質ガラスを通り、水と接触したときに液晶滴の切れが悪く、液晶滴の粒径が不均一になる。
【0017】
本発明では、マイクロカプセルの皮膜に親水性基を有する高分子化合物を用いている。そのため、水との親和性が増し、分散性が向上し、用いる界面活性剤の量を減らすことができる。
【0018】
また、膜乳化法によるマイクロカプセル作成時に、フッ素系液晶が水と接したとき該高分子物質もしくはその原料物質が液晶と水の界面に集まる。このとき親水性基が、フッ素系液晶と水との親和性を増すので、液晶滴の切れがよくなり均一な粒径にそろう。
【0019】
親水性基を有する高分子化合物は、炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーの重合体であり、前記親水性基として、水酸基、カルボン酸エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アシル基、炭酸エステル基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、ウレタン基から選ばれる親水性基の少なくとも一つを含有することが好ましい。
【0020】
またこの高分子化合物は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂であることが好ましい
多孔質膜の表面は、親水性の方が、液晶滴の切れがよく好ましい。また多孔質膜として多孔質ガラスが好ましい。
さらに液晶中に二色性色素を含有すると、二色性色素には極性基があるため、液晶滴の切れがよくなる効果がある。
本発明に用いるフッ素系液晶物質としては、下記構造式(1)から(10)で示される各種液晶化合物単独及びこれらの混合した組成物が挙げられる。
【0021】
【化1】
Figure 0003714643
【0022】
【化2】
Figure 0003714643
【0023】
【化3】
Figure 0003714643
【0024】
【化4】
Figure 0003714643
【0025】
【化5】
Figure 0003714643
【0026】
【化6】
Figure 0003714643
【0027】
【化7】
Figure 0003714643
【0028】
【化8】
Figure 0003714643
【0029】
【化9】
Figure 0003714643
【0030】
【化10】
Figure 0003714643
[ 式中、R’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルフェニル基、アルコキシアルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルコキシアルキルシクロヘキシル基、アルキルシクロヘキシルフェニル基、シアノフェニル基、シアノ基、ハロゲン原子、フルオロメチル基、フィリオロメトキシ基、アルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキルシクロヘキシルアルキル基、アルキルシクロヘキシルアルキル基、アルコキシアルコキシシクロヘキシルアルキル基、アルコキシフェニルアルキル基、アルキルシクロヘキシルフェニルアルキル基を示し、Xはフッ素原子、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基を示し、Yは水素原子、ハロゲン原子を示し、さらにこれらのアルキル鎖及びアルコキシ鎖中に光学活性中心を有してもよい。また、R’中のフェニル基またはフェノキシ基はフッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。また、各式中のフェニル基は1個2個のフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。式中の液晶化合物はいずれも誘電異方性が正であるが、誘電異方性が負の液晶も誘電異方性が正の液晶と混合して、全体として誘電異方性が正の液晶にしてい用いることができる。]
また本発明では、液晶物質を多孔質膜を通して液中に押し出す際の、加える圧力を変動させる。高い圧力では多量の液晶物質を液中に投入でき、液晶滴( 液晶分散液) を短時間で多量に作成できるが、液晶滴の大きさが大きくなり、かつ粒径の分布も広くなる。一方、低い圧力では液晶滴の粒径分布はある程度狭くできるが、液晶分散液を作成する時間が長くなり、液晶滴の大きさも小さくなる。
本発明では液晶滴を作成中に加える圧力を変動させることで、必要なサイズの粒径の液晶滴を狭い粒径分布で得ることが可能となる。以下に具体的に示す。
【0031】
図1(A)に示すように多孔質ガラス1の微小な穴から液晶物質2が水3中に押し出される。図1(B)に示すように水3は左から流れており液晶材料は液滴となって流される。この工程において、( A) のときは一定時間高い圧力を加え液晶材料を押し出し、ある程度の大きさの液晶滴を作る。つぎに(B)のときに圧力を低下させると、液晶滴は水流の作用によって切れ易くなる。この圧力を強くしたり弱くしたりするタイミングをパルス的にかけることで、粒径の均一な液晶マイクロカプセルを形成できる。
【0032】
この方法に用いられる液晶物質としては、フッ素系液晶、シアノ系液晶、エステル系液晶などが挙げられる。この場合シアノ系液晶やエステル系液晶は液晶自身に親水性基を有するため液晶滴が水中で切れ易く、粒径が均一になり易い。一方、フッ素系液晶では疎水性が高いため、多少切れが悪くなる。切れをよくするために親水性基を有するモノマーやプレポリマーもしくは二色性色素を含有させる方が良い。これら液晶物質としては前述した構造式( 1) から( 10) で示される各種液晶化合物単独及びこれらの混合した組成物が挙げられる。
【0033】
本発明による液晶マイクロカプセルを用いてカラー液晶表示素子を形成するために、液晶中に二色性色素を入れることができる。この場合液晶物質に溶解し、高分子皮膜にはあまり溶解したり吸着しない二色性色素を用いる必要がある。また二色性色素を含有させるとき、透明皮膜と液晶物質との屈折率の選びかたを目的によって変えることができる。例えば光散乱を利用してコントラストを上げるために、屈折率異方性の大きい液晶物質を選ぶことができる。一方屈折率異方性が小さく高分子皮膜の屈折率に近い液晶物質を用いる場合は、二色性色素本来の色が得られる。
【0034】
本発明に用いられる二色性色素分子としては、例えば下記式( 11) から( 19) に示すイエロー色素、下記式(20)から(27)に示すマゼンタ色素、下記式( 28) から( 31) に示すシアン色素を用いることができる。
【0035】
【化11】
Figure 0003714643
【0036】
【化12】
Figure 0003714643
【0037】
【化13】
Figure 0003714643
【0038】
【化14】
Figure 0003714643
【0039】
【化15】
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【0040】
【化16】
Figure 0003714643
【0041】
【化17】
Figure 0003714643
【0042】
【化18】
Figure 0003714643
【0043】
本発明では液晶物質に対する重量比で、0.01重量%以上10重量%以下、好ましくは0.1重量%以上5重量%以下の二色性色素を液晶中に混ぜることができる。この場合重量比が高すぎると、電圧印加時でも着色が残り、コントラストが低下する。また重量比が少なすぎると、所望の着色ができない。反射光の増白、紫外線吸収剤として蛍光色素を液晶中に混ぜてもよい。
【0044】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
( 実施例1)
黒色二色性色素S−435(三井東圧社製 商品名)をフッ素系液晶Lixon−5065xx(チッソ社製 商品名)に1重量%溶解させた混合液を80重量部、親水性基を有するモノマーとしてメチルメタクリレートを14重量部、架橋剤としてジビニルベンゼンを1重量部、ベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部を混合溶解した。膜入荷装置(伊勢化学製)を用い、平均孔径1μmの親水性多孔質ガラスチューブにこの混合液を通して、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液流の中に静圧力1.5気圧で押し出しエマルジョンを得た。これを50rpmで攪拌しながら、上記エマルジョン(液晶組成物)を85℃で重合した。
【0045】
1時間重合した後、粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図2に示すように平均粒径5μmで粒径分布の狭い液晶マイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの分散性は良好で、1日後も凝集は観測されなかった。
【0046】
上記液晶マイクロカプセルをアルミニウム反射電極が表面に形成されたガラス基板上に、塗布し乾燥した。乾燥した膜の上に更に表面に透明電極が形成されたガラス基板を透明電極が膜と接するように重ねた。この2枚の基板に挟まれたセルをポリアミド製の袋に入れ、袋内を減圧し、120℃で加熱密着させて液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子を顕微鏡で観察したところ、全くカプセルは壊れていなかった。また液晶部分の厚みは10μmであった。液晶分子の配向は基板に対してほぼ平行であった。この液晶表示素子は黒色で50Hzで10Vの交流電圧をかけると白色となった。反射濃度から求めたコントラスト比は6.2であった。
【0047】
(比較例1)
実施例1の親水性基を有するモノマーとしてメチルメタクリレートを用いる代わりに、親水性基を持たないスチレンを14重量部用いて同様に液晶マイクロカプセルを作製した。粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図3に示すように平均粒径8μmで粒径分布が実施例1(図2)と比較して広かった。また、液晶マイクロカプセル分散液は分散性が悪く、1日放置後にマイクロカプセルの凝集が見られた。
【0048】
(実施例2)
黒色二色性色素S−435(三井東圧社製 商品名)をフッ素系液晶Lixon−5065xx(チッソ社製 商品名)に1重量%溶解させた混合液を80重量部、親水性基を有するプレポリマーとしてエポキシ樹脂プレポリマーエピコートR130C(三井石油化学製 商品名)を14重量部を混合溶解した。膜入荷装置(伊勢化学製)を用い、平均孔径1μmの親水性多孔質ガラスチューブにこの混合液を通して、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液流の中に静圧力1.5気圧で押し出しエマルジョンを得た。これにポリアミン系硬化剤Q604を添加し、50rpmで攪拌しながら、上記エマルジョン(液晶組成物)を85℃で重合した。
【0049】
1時間重合した後、粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図4に示すように平均粒径5μmで粒径分布の狭い液晶マイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの分散性は良好で、1日後も凝集は観測されなかった。この液晶マイクロカプセルをアルミニウム反射電極が表面に形成されたガラス基板上に、塗布し乾燥した。乾燥した膜の上に更に表面に透明電極が形成されたガラス基板を透明電極が膜と接するように重ねた。この2枚の基板に挟まれたセルをポリアミド製の袋に入れ、袋内を減圧し、120℃で加熱密着させて液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子を顕微鏡で観察したところ、全くカプセルは壊れていなかった。また液晶部分の厚みは10μmであった。液晶分子の配向は基板に対してほぼ平行であった。この液晶表示素子は黒色で50Hzで11Vの交流電圧をかけると白色となった。反射濃度から求めたコントラスト比は6.1であった。
【0050】
(実施例3)
黒色二色性色素S−435(三井東圧社製 商品名)をシアノ系液晶Lixon−4033−000xx(チッソ社製 商品名)に1重量%溶解させた混合液を80重量部、モノマーとしてミチルメタクリレートを14重量部、架橋剤としてジビニルベンゼンを1重量部、ベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部を混合溶解した。膜入荷装置(伊勢化学製)を用い、平均孔径1μmの親水性多孔質ガラスチューブにこの混合液を通して、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液流の中に、1Hzの周期で最大圧力1.6気圧、最小圧力1.2気圧を加えて押し出しエマルジョンを得た。これを50rpmで攪拌しながら、上記エマルジョン(液晶組成物)を85℃で重合した。
【0051】
1時間重合した後、粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図5に示すように平均粒径6μmで粒径分布の狭い液晶マイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの分散性は良好で、1日後も凝集は観測されなかった。
上記液晶マイクロカプセルをアルミニウム反射電極が表面に形成されたガラス基板上に、塗布し乾燥した。乾燥した膜の上に更に表面に透明電極が形成されたガラス基板を透明電極が膜と接するように重ねた。この2枚の基板に挟まれたセルをポリアミド製の袋に入れ、袋内を減圧し、120℃で加熱密着させて液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子を顕微鏡で観察したところ、全くカプセルは壊れていなかった。また液晶部分の厚みは10μmであった。液晶分子の配向は基板に対してほぼ平行であった。この液晶表示素子は黒色で50Hzで9Vの交流電圧をかけると白色となった。反射濃度から求めたコントラスト比は6.3であった。
(比較例2)
実施例3の1Hzの周期で最大圧力1.6気圧、最小圧力1.2気圧を加える代わりに、静圧力1.6気圧を加える他は同様にして液晶マイクロカプセルを作成した。粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図に示すように平均粒径9μmで粒径分布が図5と比較して広かった。
【0052】
(実施例4)
黒色二色性色素S−435(三井東圧社製 商品名)を負の誘電異方性を持つネマチック液晶ZLI−2659(メルク社製 商品名)に1重量%溶解させた混合液を80重量部、モノマーとしてミチルメタクリレートモノマーを3重量部とオクタデシルメタクリレートモノマー11重量部、架橋剤としてジビニルベンゼンを1重量部を混合溶解した。膜入荷装置(伊勢化学製)を用い、平均孔径1μmの親水性多孔質ガラスチューブにこの混合液を通して、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液流の中に、1Hzの周期で最大圧力1.6気圧、最小圧力1.2気圧を加えて押し出しエマルジョンを得た。これを50rpmで攪拌しながら、上記エマルジョン(液晶組成物)を85℃で重合した。
【0053】
1時間重合した後、粒径分布をレーザー散乱で調べたところ、図7に示すように平均粒径7μmで粒径分布の狭い液晶マイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの分散性は良好で、1日後も凝集は観測されなかった。
【0054】
上記液晶マイクロカプセルをアルミニウム反射電極が表面に形成されたガラス基板上に、塗布し乾燥した。乾燥した膜の上に更に表面に透明電極が形成されたガラス基板を透明電極が膜と接するように重ねた。この2枚の基板に挟まれたセルをポリアミド製の袋に入れ、袋内を減圧し、120℃で加熱密着させて液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子を顕微鏡で観察したところ、全くカプセルは壊れていなかった。また液晶部分の厚みは10μmであった。液晶分子の配向は基板に対してほぼ平行であった。この液晶表示素子は白色で50Hzで10Vの交流電圧をかけると白色となった。反射濃度から求めたコントラスト比は5.8であった。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、分散状態が良好で、粒径が均一で、反射型液晶表示素子に高適な液晶マイクロカプセルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高い圧力と低い圧力を交互に切り替えながら液晶滴を作成する様子を示す断面図
【図2】 本発明の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【図3】 比較例の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【図4】 本発明の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【図5】 本発明の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【図6】 比較例の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【図7】 本発明の液晶マイクロカプセルの粒径分布を示す図
【符号の説明】
1…多孔質ガラス
2…液晶
3…水

Claims (7)

  1. 液晶及び重合反応可能な物質との混合液を圧力を加え多孔質膜を通して液中に押し出し液滴を形成する工程と、
    前記物質を重合反応させて前記液滴の表面に皮膜を形成する工程とを具備す液晶マイクロカプセルの製造方法において、
    前記圧力を周期的に変動させることを特徴とする液晶マイクロカプセルの製造方法。
  2. 前記液晶がフッ素系液晶であることを特徴とする請求項1記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
  3. 前記液中が水中であることを特徴とする請求項記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
  4. 前記物質が、炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ水酸基、カルボン酸エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アシル基、炭酸エステル基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、ウレタン基から選ばれる少なくとも1つの親水性基を有することを特徴とする請求項記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
  5. 前記物質が、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂のプレポリマーの少なくとも1つであることを特徴とする請求項記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
  6. 前記液晶中に、二色性色素が分散されていることを特徴とする請求項記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
  7. 前記多孔質膜の前記液中と接する面が、親水性であることを特徴とする請求項記載の液晶マイクロカプセルの製造方法。
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