JP3714544B2 - 炉圧制御装置及び炉圧制御プログラム - Google Patents

炉圧制御装置及び炉圧制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉などの炉で発生する一酸化炭素(CO)ガスの損失量ができるだけ少なくなるように、炉内圧力(炉圧)を制御する炉圧制御装置及び炉圧制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄・製鋼工程において、高炉から出銑された溶銑は、一般に、脱珪、脱燐、脱硫などの処理を経た後、転炉に装入される。転炉では、高速高圧の酸素が吹き込まれ、酸化作用により溶銑中の炭素と酸素とが結合して溶銑が脱炭処理されるが、この吹錬過程において、COを主成分とする排ガスが発生する。COは高カロリーな燃焼用ガスとして利用可能であるので、転炉で発生する排ガスを回収して工場内で再利用することによって省エネルギー化が図られる。また、再利用するという目的以外に、COは人体に影響を及ぼす有害物質であり、転炉外に大量に放出されると作業環境に問題が生じるという理由などからも、転炉で発生する排ガスを極力回収する必要がある。
【0003】
そこで、従来から、転炉の上方にフードを設置して、排ガスを回収する方法が取られている。ここで、排ガスの吹き出し及び外気の吸い込みを低減させるため、フードの下部には炉口を覆うスカートが設けられ、転炉内の排ガスはフードを通り、フードの上部に接続されたダクトを経由して集塵器で除塵され、ホルダに回収されるか、又は、回収しない場合は煙突から大気中に放散される。
【0004】
炉口を覆うように設けられたスカートは、通常、安全のために炉口に密着させず、炉口との間に形成される隙間をできるだけ小さくなるよう適当な間隔をとって設置している。この場合、炉内の圧力(以下、炉圧と称する)が外気圧より高いと、排ガスは炉外に漏出し、COの損失となる。また逆に、炉圧が外気圧より低いと、外気が炉内に流入し、炉内のCOと外気中の酸素とが反応してCOが燃焼してしまうため、やはりCOの損失となる。
【0005】
このようなCO損失を防ぎ、COを主成分とする排ガスの回収率を高めるため、従来から、炉口部に設置された圧力検出器によって炉圧を検出し、主としてフィードバック制御によって、炉圧が外気圧となどしくなるように炉圧を制御している。また、制御性能を向上させるため、従来から様々な工夫がなされている。例えば特公平6―74449号公報には、副原料投入時や吹込み酸素量の変更時の急激な排ガス発生量の変化に対し、急激な炉圧変動を抑制するため、炉圧目標値を所定量、所定時間だけ変更する制御方法が開示されている。また、特公昭62−17003号公報には、予測時点の炉内発生排ガス量の推定値と実績値との偏差を求め、その偏差で予測時点の発生排ガス量の推定値を修正し、また、炉圧を求めるパラメータを時々刻々と変化する実績巻込空気量と目標巻込空気量との比を基に修正して炉圧設定値として設定する制御装置が開示されている。また、特公平2―33766号公報及び特公昭63―19566号公報には、プロセスゲインの変化に対して制御ゲインを適応させる制御装置及び制御方法が開示されている。また、特開平10―183220号公報には、H無限大制御理論に基づいて炉圧制御系のモデル化誤差及び外乱抑制特性を考慮した制御装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
排ガスの吹き出しや外気吸い込みの無い平衡点を目標とし、上記のような工夫をもって炉圧を制御することで、制御偏差や炉圧変動幅を低減させることはできる。しかしながら、COの損失量をより一層減少させることが望まれている。そこで本発明は、COの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることのできる炉圧制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
一般に、炉圧の目標値は平衡点に設定されるが、炉圧をある一定の圧力に静定させることは現実的に不可能であり、図5に示すように、実際の炉圧は時間の経過に伴って変動する。これは、転炉での吹錬過程において高速高圧の酸素が吹き込まれ、炉内における物質の反応やガスの流動状態が時々刻々と変化するため、転炉内で発生する排ガス量や炉圧も周期的・突発的に変動するからである。このことは、例えば炉圧が外気圧近傍となるよう制御されている場合における微小な排ガスの吹き出しと外気の吸い込みとの繰り返しの現象である「パッフィング」からも確認できる。
【0008】
時間経過に伴う炉圧の変動を考慮せず、炉圧が常に一定に保たれると仮定する場合、吹き出しガス量及び吸い込みガス量と炉圧との間には、理論上図6の実線で示すような関係が成り立ち、この場合における排ガスの吹き出しや外気吸い込みの無い平衡点はY軸のガス量が0となる点である。しかし実際には、上述のように、平衡点を目標として炉圧を制御しても、時間経過に伴って炉圧は平衡点近傍で微小変動する。このような炉圧の時間経過に伴う変動について、炉圧の時間平均が平衡点と一致し、且つ正規分布に従うと仮定すると、炉圧の確率密度関数は図7に示すようになる。そして、実際の現象に即して炉圧の時間経過に伴う変動を考慮するため、図7に示す確率密度関数に従うと仮定すると、吹き出しガス量及び吸い込みガス量と炉圧とは図6に点線で示すような関係になり、平衡点において排ガスの吹き出しと外気の吸い込みとが混在するのがわかる。
【0009】
排ガスの吹き出しによるCO損失量は、排ガス中のCOの割合が略80〜90%であることから、吹き出しガス量の略80〜90%である。一方、大気中の酸素は略21%であり、反応によってCOは酸素量の2倍失われる(2CO+O2→2CO2)ことから、外気の吸い込みによるCO損失量は吸い込む外気量の略42%の量となる。図6に示す炉圧の時間経過による微小変動を考慮した吹き出しガス量及び吸い込みガス量と炉圧との関係から、これらCO損失量を算出したものが図8中に示されており、また、これら排ガスの吹き出し及び外気の吸い込みによるCO損失量を合計したものが実線で示されている。こうして算出されたCO損失量の合計は、炉圧が平衡点よりも小さい値(最適点)において最小となっている。より詳細には、図7に示す炉圧の確率密度関数の標準偏差をσとすると、図8では、平衡点よりも略0.8σ小さな値が最適点となっている。また、図8において、平衡点におけるCO合計損失量は最適点におけるCO合計損失量よりも略14%大きな値となっている。
【0010】
以上は確率密度が正規分布に従う場合について説明したが、それ以外の場合でも、炉圧が時間経過に伴って微小変動するという実際の現象を考慮すると、制御装置に目標として設定する平衡点と、実際にCO損失量が最小となる炉圧の最適点とは必ずしも一致しない。つまり、たとえ制御性能を向上させたとしても、炉圧の目標を平衡点に定めて制御すると、CO損失量が却って大きくなることがある。
【0011】
そこで、本発明の請求項1に記載の炉圧制御装置は、炉口部における炉圧の変動状況を記憶する記憶手段と、前記炉口部からの吹き出しガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吹き出しガス量を算出する吹き出しガス量算出手段と、前記炉口部からの吸い込みガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吸い込みガス量を算出する吸い込みガス量算出手段と、前記吹き出しガス量算出手段で算出された吹き出しガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスが吹き出すことによるCOの損失量を算出するCO吹き出し損失量算出手段と、前記吸い込みガス量算出手段で算出された吸い込みガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスを吸い込むことによるCOの損失量を算出するCO吸い込み損失量算出手段と、前記CO吹き出し損失量算出手段で算出されたCO損失量と前記CO吸い込み損失量算出手段で算出されたCO損失量とを加算することにより、前記炉口部における炉圧に対するCOの合計損失量を算出するCO合計損失量算出手段と、前記CO合計損失量算出手段で算出された前記炉口部における炉圧とCOの合計損失量との関係から、COの合計損失量が最小となる炉圧を目標値として設定する目標炉圧設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
上記構成の炉圧制御装置によると、炉圧を目標値に一定に制御するという概念を用いず、炉圧の変動を考慮した上で実際の炉圧の変動状況に応じて炉圧目標値を設定することにより、目標値として最適な値を設定することができるので、従来技術によるものと比較して、COの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能である。またさらに、炉圧目標値を設定するという比較的単純な方法のみでCOの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能であるため、どのような制御系においても、改造のためのコストを低く抑えることができる。
【0013】
また、炉口部における炉圧の変動状況は、炉圧の時間的な出現確率を表した確率密度分布であってよい(請求項2)。
【0014】
本発明の請求項3に記載の炉圧制御装置は、前記記憶手段の記憶内容である前記炉口部における炉圧の変動状況がリアルタイムで更新され、それに応じて前記目標炉圧設定手段が前記目標値を順次更新することを特徴とする。
【0015】
上記構成の炉圧制御装置によると、時々刻々と変化する炉圧に応じて目標値を更新することで、常に最適な目標値を設定することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4〜6に記載の炉圧制御プログラムは、炉圧制御装置を請求項1〜3のようなものとして機能させることが可能なプログラムであり、請求項1〜3と夫々同様の作用効果を奏する。
【0017】
なお、請求項4〜6の夫々に記載されているプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体やハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
先ず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置1の構成及びそれが実行する処理について説明する。炉圧制御装置1においては、図1に示すように、炉圧データが確率密度算出部9に送信され、確率密度算出部9からのデータが記憶部2で記憶され、記憶部2で記憶されたデータが吹き出しガス量算出部3と吸い込みガス量算出部4とに夫々送信され、そして各々吹き出しガス量算出部3からCO吹き出し損失量算出部5へ、吸い込みガス量算出部4からCO吸い込み損失量算出部6へとデータが送信され、次にそれらCO吹き出し損失量算出部5とCO吸い込み損失量算出部6とからのデータがCO合計損失量算出部7へと送信され、さらにCO合計損失量算出部7から目標炉圧設定部8へとデータが送信され、炉圧目標値データが出力される。
【0020】
図1に示す確率密度算出部9は、送信された炉口部における炉圧のデータから、炉圧の変動状況を表すものとして、炉圧の時間的な出現確率を表した確率密度を算出するという図2に示すステップS1を実行する。確率密度分布は、例えば図5に示すような吹錬中の一定時間の炉圧トレンドから、炉圧変動の度数分布を求め、それを累積度数で割ることで図4に示すような確率分布を求めて、これを近似的に、図7に示すような正規分布に従うものとする。正規分布に従う確率密度は、炉圧pとすると確率密度関数φ(p)で表される。
【0021】
なお、確率密度分布は、このように炉圧トレンドによって求める以外にも、炉に投入する金属の種類、成分、吹錬の経過時間、送酸量、副原料投入量、スカート長さなどに応じて求めたり、確率密度関数式の構造のみを仮定しておいて、係数を炉圧トレンドから定めることで求めたりしてもよい。また、確率密度が正規分布に従うことは必須条件ではない。また、本実施形態では炉圧の変動状況として容易に求めることができるものとして確率密度分布を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
図1に示す記憶部2は、炉口部における炉圧の変動状況、即ち本実施形態では確率密度分布を記憶するという役割を担う。そこで、図2のステップS1に続いて、記憶部2に、図1の確率密度算出部9により算出された確率密度分布を記憶させるというステップS2が実行される。
【0023】
図1に示す吹き出しガス量算出部3は、炉口部からの吹き出しガス量と炉口部における炉圧との関係、及び記憶部2に記憶された炉圧の変動状況から、炉口部における炉圧に対する炉口部での炉圧の変動を考慮した炉口部からの吹き出しガス量を算出するという図2に示すステップS3を実行する。炉口部からの吹き出しガス量と炉口部における炉圧との関係は、図6に実線で示すように、炉圧p、吹き出しガス量Foutとすると、Fout=f(p)という理論式の関数で表される。そして、この吹き出しガス量Fout、及び図7に示す記憶部2に記憶された炉圧の確率密度φ(p)から、炉口部での炉圧の変動を考慮した炉口部からの特定炉圧での吹き出しガス量Goutは、例えばGout=∫φ(p)f(p)dpという式から算出される。
【0024】
ここで、本実施形態においては確率密度が正規分布に従うものとしているため、上記のように確率密度を炉圧pの関数で表すことができ、その関数に基づいて、炉圧の変動を考慮した特定炉圧での吹き出しガス量GoutをGout=∫φ(p)f(p)dpという式で容易に算出することができる。
【0025】
次に、図1に示すCO吹き出し損失量算出部5は、吹き出しガス量算出部3で算出された吹き出しガス量に基づいて、炉口部における炉圧に対する炉口部からガスが吹き出すことによるCOの損失量を算出するという図2に示すステップS4を実行する。ガスの吹き出しによるCO損失量が排ガス中のCOの割合が略80〜90%であることから、本実施形態ではCO吹き出し損失量を吹き出しガス量の90%とし、図8に示すように、CO吹き出し損失量は0.9Goutとして求まる。
【0026】
一方、図1に示す吸い込みガス量算出部4は、炉口部からの吸い込みガス量と炉口部における炉圧との関係、及び記憶部2に記憶された炉圧の変動状況から、炉口部における炉圧に対する炉口部での炉圧の変動を考慮した炉口部からの吸い込みガス量を算出するという図2に示すステップS5を実行する。上述の吹き出しガス量算出部3と同様に、炉口部からの吸い込みガス量と炉口部における炉圧との関係は、図6に実線で示すように、炉圧p、吸い込みガス量Finとすると、Fin=f’(p)という理論式の関数で表される。そしてまた、吹き出しガス量算出部3と同様に、この吸い込みガス量Fin、及び図7に示す記憶部2に記憶された炉圧の確率密度φ(p)から、炉口部での炉圧の変動を考慮した炉口部からの特定炉圧での吸い込みガス量Ginは、例えばGin=∫φ(p)f’(p)dpという式から算出される。
【0027】
ここでもまた、本実施形態においては確率密度が正規分布に従うものとしているため、吹き出しガス量算出部3の場合と同様に、容易に炉口部での炉圧の変動を考慮した炉口部からの吸い込みガス量を算出することができる。
【0028】
次に、図1に示すCO吸い込み損失量算出部6は、吸い込みガス量算出手段で算出された吸い込みガス量に基づいて、炉口部における炉圧に対する炉口部からガスを吸い込むことによるCOの損失量を算出するという図2に示すステップS6を実行する。大気中の酸素は略21%であり、反応によってCOは酸素量の2倍失われる(2CO+O2→2CO2)ことから、本実施形態では、外気の吸い込みによるCO損失量が吸い込みガス量の42%とし、図8に示すように、CO吸い込み損失量は0.42Ginとして求まる。
【0029】
さらに、図1に示すCO合計損失量算出部7は、CO吹き出し損失量算出手段で算出されたCO損失量とCO吸い込み損失量算出手段で算出されたCO損失量とを加算することにより、炉口部における炉圧に対するCOの合計損失量を算出するという図2に示すステップS7を実行する。図8に示すように、本実施形態において、このCO合計損失量Lは0.9Gout+0.42Ginとして求まる。
【0030】
なお、本実施形態では、CO吹き出し損失量を吹き出しガス量の90%、CO吸い込み損失量を吸い込みガス量の42%、と仮定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、状況に応じた割合を仮定することにより、CO吹き出し損失量及びCO吸い込み損失量を算出することができる。また、上記のステップS3及びステップS4と、ステップS5及びステップS6との2組の処理は、ステップS2とステップS7との間で順不同である。即ち、本実施形態ではステップS2〜ステップS7と番号順に処理が実行されているが、ステップS2、ステップS5、ステップS6、その後ステップS3、ステップS4、そしてステップS7へという順序で処理が行われてもよい。
【0031】
次に、図1に示す目標炉圧設定部8は、CO合計損失量算出部7で算出された炉口部における炉圧pとCO合計損失量L(=0.9Gout+0.42Gin)との関係から、CO合計損失量Lが最小となる炉圧の最適点を目標値として設定する(図8参照)という図2に示すステップS8を実行する。この目標炉圧設定部8によって設定される目標値(最適点)は、一般に、図8に示すように、排ガスの吹き出しや外気吸い込みが無いとする平衡点より小さく、また、目標値(最適点)におけるCO合計損失量は平衡点におけるCO合計損失量よりも小さな値となる。
【0032】
さらに、ステップS8を実行後、再びステップS1を実行し、上記と同様の処理が繰り返し実行される。つまり本実施形態は、記憶部2の記憶内容である炉口部における炉圧の変動状況、即ち確率密度分布がリアルタイムで更新され、それに応じて目標炉圧設定部8が目標値を順次更新するという構成になっている。これにより、時々刻々と変化する炉圧に応じて目標値を更新することで、常に最適な目標値を設定することができる。しかし、炉圧の変動状況をリアルタイムで更新し、目標炉圧設定部8が目標値を順次更新するというのは本発明において必須ではなく、ステップS8を実行後に処理を終了してもよい。
【0033】
以上のように、本実施形態の炉圧制御装置1は、炉圧を目標値に一定に制御するという概念を用いず、炉圧の変動を考慮した上で実際の炉圧の変動状況に応じて炉圧目標値を設定することにより、目標値として最適な値を設定することができるので、従来技術によるものと比較して、COの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能である。またさらに、炉圧目標値を設定するという比較的単純な方法のみでCOの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能であるため、どのような制御系においても、改造のためのコストを低く抑えることができる。
【0034】
また、図1に示されている炉圧制御装置1の各部2〜9は、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、当該情報処理装置を炉圧制御装置1として機能させるための炉圧制御プログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくことにより、任意のコンピュータにインストールすることが可能である。)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、上述の各部2〜9が構築されている。
【0035】
次いで、図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置1を含む転炉排ガス処理機構の一例について説明する。図3に示す転炉排ガス処理機構10は、転炉11で発生する排ガスを回収及び処理するための機構である。溶銑12が装填された転炉11の上方には、転炉11上方から内部に向けて延在し、転炉11内部に向けて高速高圧の酸素を吹き込むランス26、及び、そのランス26に隣接し、鉄鉱石などの副原料を投入する副原料投入ホッパ25が設置されている。また、転炉11の炉口部上方には、下部に炉口部を覆う上下動可能なスカート15を備えたフード14が設置されおり、フード14上部にはダクト16が接続されている。このダクト16は、排ガス中のダストを除去する集塵器17、ダクト16との隙間19を調節しながら上下するダンパ18、及び縮経された絞り部20を順に備え、次に誘引送風機21に接続され、その後分岐して、放散煙突23、及び回収弁22を介したホルダ24に接続されている。また、転炉11の炉口部には、炉口部における炉圧を検出するための炉圧検出手段として圧力計13が設けられており、本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置1は、圧力計13及びダンパ18に接続している。
【0036】
上記構成の転炉排ガス処理機構10によると、吹錬を実行する際、先ず、溶銑12を装填した転炉11に、副原料が副原料投入ホッパ25から投入されると共にランス26から酸素がマッハを超える速度で吹きつけられる。そして、この吹錬過程において転炉11から発生する排ガスは、上方のフード14に捕集され、ダクト16を経由して集塵器17で除塵され、次に上下に動作可能なダンパ18が設けられた部分に至る。さらにガスは絞り部20、誘引送風機21を経て、放散煙突23で大気中に放散されるか、又は、ホルダ24で回収される。
【0037】
上述のように、本実施形態に係る炉圧制御装置1は圧力計13に接続されており、圧力計13から得られる炉口部における炉圧のデータは、図1に示す確率密度算出部9に送信され、確率密度算出部9で確率密度が算出され(ステップS1)、その確率密度分布データが記憶部2に記憶され(ステップS2)、続いて前述のようなステップS3〜ステップS8(図2参照)の処理が実行される。そしてステップS8で設定された炉圧目標値のデータは、ダンパ18に送信され、ダンパ18は、その炉圧目標値データに応じて、ガスが流通可能なダクト16内の隙間19の大きさを変化させて炉圧を調節するために、上下動作する。また、ダンパ18による隙間19の調節によって、ガスの誘引抵抗を変化させ、誘引送風機21で誘引されるガス量を調節することができる。また、圧力計13によって計測される圧力は炉口部の圧力と若干異なることがあるので、その取り付け位置に応じて補正することが好ましい。
【0038】
なお、転炉11の排ガスを処理する機構としては、上述の図3に示す機構10に限定されず、様々な形態をとることができる。また、以上は転炉11で発生する排ガスを処理する機構10について説明したが、本発明に係る炉圧制御装置1の適用は転炉11のみに限定されず、例えば転炉11で吹錬過程を行う前の予備処理の段階にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】
炉圧を目標値に一定に制御するという概念を用いず、炉圧の変動を考慮した上で実際の炉圧の変動状況に応じて炉圧目標値を設定することにより、目標値として最適な値を設定することができるので、従来技術によるものと比較して、COの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能である。
【0041】
また、炉圧目標値を設定するという比較的単純な方法のみでCOの損失量をより一層減少させ、COの回収率を高めることが可能であるため、どのような制御系においても、改造のためのコストを低く抑えることができる。
【0042】
また、炉口部における炉圧の変動状況が、炉圧の時間的な出現確率を表した確率密度分布である場合、一定時間における炉圧トレンドから度数分布を求め、累積度数で割ることにより、容易に確率密度分布を求めることができる。さらに、確率密度が正規分布に従うものとすると、関数で表すことができるため、その関数に基づいて吹き出しガス量及び吸い込みガス量を算出することができ、これらの算出が容易となる。
【0043】
また、炉圧制御装置が、記憶手段の記憶内容である炉口部における炉圧の変動状況がリアルタイムで更新され、それに応じて目標炉圧設定手段が目標値を順次更新する場合、時々刻々と変化する炉圧に応じて目標値を更新することで、常に最適な目標値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る炉圧制御装置を含む転炉排ガス処理機構の一例を示す全体構成図である。
【図4】図3の圧力計によって検出された炉圧に関する確率分布の一例を示すグラフである。
【図5】時間経過に伴う炉圧の変動の一例を示すグラフである。
【図6】吹き出しガス量及び吸い込みガス量と炉圧との関係を示すグラフである。
【図7】図5に示す炉圧の時間経過に伴う変動に基づいた確率密度関数の一例を示すグラフである。
【図8】炉圧とCO損失量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炉圧制御装置
2 記憶部(記憶手段)
3 吹き出しガス量算出部(吹き出しガス量算出手段)
4 吸い込みガス量算出部(吸い込みガス量算出手段)
5 CO吹き出し損失量算出部(CO吹き出し損失量算出手段)
6 CO吸い込み損失量算出部(CO吸い込み損失量算出手段)
7 CO合計損失量算出部(CO合計損失量算出手段)
8 目標炉圧設定部(目標炉圧設定手段)
9 確率密度算出部(確率密度算出手段)
10 転炉排ガス処理機構
11 転炉
12 溶銑
13 圧力計
14 フード
15 スカート
16 ダクト
17 集塵器
18 ダンパ
19 隙間
20 絞り部
21 誘引送風機
22 回収弁
23 放散煙突
24 ホルダ
25 副原料投入ホッパ
26 ランス

Claims (6)

  1. 炉口部における炉圧の変動状況を記憶する記憶手段と、
    前記炉口部からの吹き出しガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吹き出しガス量を算出する吹き出しガス量算出手段と、
    前記炉口部からの吸い込みガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吸い込みガス量を算出する吸い込みガス量算出手段と、
    前記吹き出しガス量算出手段で算出された吹き出しガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスが吹き出すことによるCOの損失量を算出するCO吹き出し損失量算出手段と、
    前記吸い込みガス量算出手段で算出された吸い込みガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスを吸い込むことによるCOの損失量を算出するCO吸い込み損失量算出手段と、
    前記CO吹き出し損失量算出手段で算出されたCO損失量と前記CO吸い込み損失量算出手段で算出されたCO損失量とを加算することにより、前記炉口部における炉圧に対するCOの合計損失量を算出するCO合計損失量算出手段と、
    前記CO合計損失量算出手段で算出された前記炉口部における炉圧とCOの合計損失量との関係から、COの合計損失量が最小となる炉圧を目標値として設定する目標炉圧設定手段とを備えていることを特徴とする炉圧制御装置。
  2. 前記炉口部における炉圧の変動状況が、炉圧の時間的な出現確率を表した確率密度分布であることを特徴とする請求項1に記載の炉圧制御装置。
  3. 前記記憶手段の記憶内容である前記炉口部における炉圧の変動状況がリアルタイムで更新され、それに応じて前記目標炉圧設定手段が前記目標値を順次更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の炉圧制御装置。
  4. 炉口部における炉圧の変動状況を記憶する記憶手段、
    前記炉口部からの吹き出しガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吹き出しガス量を算出する吹き出しガス量算出手段、
    前記炉口部からの吸い込みガス量と前記炉口部における炉圧との関係及び前記記憶手段に記憶された炉圧の変動状況から、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部での炉圧の変動を考慮した前記炉口部からの吸い込みガス量を算出する吸い込みガス量算出手段、
    前記吹き出しガス量算出手段で算出された吹き出しガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスが吹き出すことによるCOの損失量を算出するCO吹き出し損失量算出手段、
    前記吸い込みガス量算出手段で算出された吸い込みガス量に基づいて、前記炉口部における炉圧に対する前記炉口部からガスを吸い込むことによるCOの損失量を算出するCO吸い込み損失量算出手段、
    前記CO吹き出し損失量算出手段で算出されたCO損失量と前記CO吸い込み損失量算出手段で算出されたCO損失量とを加算することにより、前記炉口部における炉圧に対するCOの合計損失量を算出するCO合計損失量算出手段、及び、
    前記CO合計損失量算出手段で算出された前記炉口部における炉圧とCOの合計損失量との関係から、COの合計損失量が最小となる炉圧を目標値として設定する目標炉圧設定手段としてコンピュータを機能させるための炉圧制御プログラム。
  5. 前記炉口部における炉圧の変動状況が、炉圧の時間的な出現確率を表した確率密度分布であることを特徴とする請求項4に記載の炉圧制御プログラム。
  6. 前記記憶手段の記憶内容である前記炉口部における炉圧の変動状況がリアルタイムで更新され、それに応じて前記目標炉圧設定手段が前記目標値を順次更新することを特徴とする請求項4又は5に記載の炉圧制御プログラム。
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