JP3714185B2 - 変速機の同期装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転数の異なる変速段の回転を同期させる同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の変速段を持つ変速機には、回転数の異なる変速段の回転を合わせてスムーズで静粛な変速動作を可能にする同期装置が装着されている。例えば、実開昭57−141232号公報には、変速機の回転軸に一体回転可能に軸支されたクラッチハブの外周に、同クラッチハブと一体回転可能かつ、回転軸の軸方向へ移動可能に組付けられてシフトフォークが係合するスリーブ、傾斜部が形成され各変速段に一体的に設けられるクラッチギヤ、各クラッチギヤとスリーブの間に設けられ、クラッチギヤの傾斜部に係合する同期リング、スリーブと同期リングとに隙間を持って設けられた分割摺動可能なスリーブプランジャ及び、このプランジャ内部に収納されプランジャの両端をハブとスリーブに付勢するコイルスプリングから主に構成されたワーナタイプの同期装置が開示されている。
【0003】
この同期装置は、変速操作によりシフトフォークが移動すると、付勢されたスリーブプランジャを押し沈めてスリーブがシフトフォーク移動方向に移動し、同期リングを軸方向に押し、クラッチギヤと同期リングとの傾斜面を摩擦係合させる。この動作によって、同期リングがクラッチハブに対する遊び分だけ相対回転して、スリーブの歯部と同期リングの歯部とが相対する状態にインデックスされる。この状態からさらにスリーブが移動すると、スリーブと同期リングの歯部同士が当接してスリーブの移動が阻止され、同期リングがクラッチハブに対してさらに強く摩擦係合され、スリーブとクラッチギヤとの変速時における各変速段の回転速度を同期させている。
ところが、このようにスリーブプランジャが分割式であると、コイルスプリングをその内部に収納する作業が難しく、部品点数が増えると共に、構造が複雑化する等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、クラッチハブ側に凹部や凸部等を設けてコイルスプリングの一端を嵌合させ、単品のスリーブプランジャに凹部を設けてコイルスプリングの他端を嵌合させた同期装置が提案されている。この同期装置において、スリーブプランジャは、スリーブや同期リングの間にクリアランスを持って設けられている。しかし、このようなスリーブプランジャを備える同期装置では、スプリングの組付けの作業性や部品点数を低減して構造の簡素化を図ることはできるが、新たな問題点が発生してしまう。
それは、コイルスプリングの両端が、回転軸の軸方向に対して固定状態となるクラッチハブや、軸方向に移動するプランジャに対して嵌合しているので、シフト操作でスリーブを移動させられると、プランジャが傾いたりスリーブ移動方向に移動するときに、コイルスプリングに剪断力や曲がり変形による曲げ応力が発生する。特に、曲げ応力は、コイルスプリングの両端が凹凸部に拘束されているので大きくなる傾向となり、スプリング内側からの疲労破壊によるスプリングの耐久性が低減するおそれがある。
クラッチハブとスリーブとの径方向への間隔を大きくとれば、コイルスプリング長を長くできるので、スリーブの移動に対して同スプリングの軸方向への変位量を少なくでき、曲げ応力を低減することは可能であるが、反面、同期装置の径方向への大型化を招くという問題点が発生してしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、変速機の回転軸に嵌合されるクラッチハブと、上記クラッチハブの外周において一体回転可能かつ上記回転軸の軸方向へ移動可能に設けられたスリーブと、上記クラッチハブとスリーブとの間に配置され、同スリーブに形成される溝に摺動的に係合するスリーブプランジャと、上記クラッチハブの外周面に径方向外側に立設し、上記スリーブプランジャを上記スリーブ側へ付勢するスプリングとを有し、上記スリーブプランジャと上記クラッチハブにそれぞれ設けられ、上記スプリングを保持する有底溝とを有し、上記スリーブプランジャ側の有底溝と上記クラッチハブ側の有底溝が、その底面から開口部に向かって徐々に広くなる複数の段差で断面階段状に形成されている。
【0006】
本発明では、変速機の回転軸に嵌合されるクラッチハブと、上記クラッチハブの外周において一体回転可能かつ上記回転軸の軸方向へ移動可能に設けられたスリーブと、上記クラッチハブとスリーブとの間に配置され、同スリーブに形成される溝に摺動的に係合するスリーブプランジャと、上記クラッチハブの外周面に径方向外側に立設し、上記スリーブプランジャを上記スリーブ側へ付勢するスプリングと、上記スリーブプランジャと上記クラッチハブにそれぞれ設けられ、上記スプリングを保持する有底溝とを有し、上記スリーブプランジャ側の有底溝がその底面から開口部に向かって徐々に広くなる載頭円錐状に形成され、上記クラッチハブ側の有底溝がその底面から開口部に向かって徐々に広くなる複数の段差で断面階段状に形成されている。
本発明において、スプリングは、有底溝の底部側よりも開口部側の方が小さくなるように形成されたコイルスプリングで構成されている。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施例)
図1において、符号1はワーナー型の同期装置を示す。この同期装置1は、変速機の回転軸である出力軸2に上にベアリング14、15を介装して相対回転可能に軸支された変速段G1,G2、変速段G1,G2の間の出力軸2上に設けられたクラッチハブ3、クラッチハブ3の外周において一体回転可能かつ出力軸2の軸方向へ移動可能に組付けられたスリーブ8、クラッチハブ3を挟んでその左右両側に位置し、変速段G1,G2上にそれぞれ設けられたクラッチギヤ4A,4B、クラッチギヤ4A,4Bとスリーブ8との間にそれぞれ配設された同期リング5A,5B、及びスリーブ8に対して摺動的に係合するスリーブプランジャ9と、このスリーブプランジャ9をスリーブ側8へ付勢するスプリングとしてのコイルスプリング13から主に構成されている。
【0008】
クラッチハブ3は、出力軸2にスプライン係合されていて、その端面3aを変速段G2の端面G2bに接触させ、他端面3b側を出力軸2に嵌合させたストッパリング7により軸方向への移動を規制されており、出力軸2と一体回転可能に軸支されている。変速段G2の他端面G2cは、出力軸2に挿嵌する固定ボルト6で軸方向への移動が阻止されている。クラッチハブ3の外周には、スプライン3cが略周方向全体に渡って形成されている。
【0009】
左右それぞれのクラッチギヤ4A,4Bは、その外周に外歯4a,4bがそれぞれ設けられている。クラッチギヤ4A,4Bのハブ4c,4dの外周面は、それぞれテーパーコーン部4e,4fとして形成されている。クラッチギヤ4A,4Bは、変速段G1,G2のボス部G1a,G2aにそれぞれスプライン係合されて各変速段と一体回転可能となっている。
【0010】
左右一対の同期リング5A,5Bは、それぞれの中心にテーパーコーン部4e,4fと対応するテーパー面を有するテーパー孔5a,5bが設けられている。同期リング5A,5Bの外周側には、外歯4a,4bと対応する歯部5c,5dがそれぞれ形成されている。
【0011】
スリーブ8は、クラッチハブ3および左右の同期リング5A,5Bの外周部にまたがるように配設されていて、その外周面に周溝8aが形成されている。この周溝8aには、変速動作によって矢印a,b方向に摺動するシフトフォーク10が僅かな遊びをもって挿嵌している。スリーブ8の内周面には、歯部3cに摺動自在に支持されると共に、外歯4a、4b及び歯部5c,5dとに同期動作時に噛合するスプライン8bが形成されている。このスプライン8bの一部には、後述するスリーブプランジャ9と対応する形状の凹部8cが三ヶ所形成されている(図では1ヶ所のみを示す)。
【0012】
凹部8cと対向するクラッチハブ3とスリーブ8との間には、同期リング5A,5Bの端面5e,5fとの間に一定のクリアランスL,Lを持ってスリーブプランジャ9が配置されている。このスリーブプランジャ9は単体であり、その上面9aを凹部8cと対応する形状に形成されている。スリーブプランジャ9の下面9dには、クラッチハブ3に向かって開口する有底溝11が形成されている。この有底溝11と対向するクラッチハブ3の外周面には、スリーブプランジャ9に向かって開口する有底溝12が形成されている。
【0013】
有底溝11,12は図2,図3に示すように、その底面11a,12aから開口部11b,12bに向かって徐々に広くなる断面形状となる載頭円錐形状に形成されている。有底溝11と有底溝12の間には、円柱状のコイルスプリング13が径方向に向かって立設されており、スリーブプランジャ9をスリーブ8のスプライン8bに向かって弾性付勢している。有底溝11,12の底面11a,12a側の寸法は、コイルスプリング13の両端13a,13bを保持できる程度に設定されている。開口部11b,12bの寸法は、コイルスプリング13の変形時に同バネと干渉しない程度の開口大きさに設定されている。
【0014】
この同期装置1は、外周にスリーブ8をスプライン係合して取付けられているクラッチハブ3を、変速機の出力軸2に軸支させると共に、同期リング5A,5Bをテーパーコーン部4e,4fに装着したクラッチギヤ4A,4Bを、クラッチハブ3を挟んでその軸方向両側の変速段G1,G2に軸支して組み立てられる。また、この組立時に各同期リング5A,5Bは、クラッチハブ3に対して少なくとも歯部5c,5dの半ピッチ分だけ相対回転し得るように係合される。そして、この後にスリーブ8の係合溝8cにシフトフォーク10を取り付けて、スリーブ8を軸方向に往復移動切り替え可能としている。
【0015】
このような構成の同期装置1の動作について説明する。
シフトフォーク10を例えば矢印a方向に向かってシフト動作させると、スリーブ8が図1に示す中立位置から同期リング5A側に向かって移動する。すると、スリーブプランジャ9がクリアランスL分だけ移動して、同期リング5Aの内端面5eをその側面9bで押して同期リング5Aをクラッチギヤ4A側に移動し、テーパー孔5aがクラッチギヤ4Aのテーパーコーン部4eに押しつけられる。この動作に伴い、同期リング5Aがクラッチハブ3に対する遊び分だけ相対回転して、スプライン8b端部のチャンファと同期リング5Aの歯部5cのチャンファとが相対する状態にインデックスされる。
【0016】
さらにスリーブ8に力が加えられると、両チャンファ同士が当接してスリーブ8の移動が阻止されると共に、凹部8cと凸部9aとの係合が解除され、凸部9aがスプライン8bの下面8dによってコイルスプリング13のバネ力抗して押し下げられつつ左に傾く。そして、同期リング5Aのテーパー孔5aの内面がテーパーコーン部4eに強く摩擦係合されて係合摩擦力が発生する。
【0017】
この時、コイルスプリング13の両端13a,13bは、有底溝11,12の底面側11a,12a側に嵌合されているので、スリーブプランジャ9の傾きに対向して左に傾くように変形し、剪断力や曲げ応力が加えられる。しかし、有底溝11,12の開口部11b,12b側は、変形したコイルスプリング13と干渉しない大きさに設定されているので、図3にP1、P2に示す部位での開口部11b,12bとコイルスプリング13との接触を避けられる。よって、従来のクラッチハブやスリーブの凹凸部に、コイルスプリングの両端が嵌合される場合に比べて、開口部11b,12bとコイルスプリング13との接触による曲げ応力の発生が小さくなる。
【0018】
すなわち、有底溝11,12を、開口部11b,12b側が大きくなる形状(ここでは、載頭円錐状)に形成することで、スリーブ8の移動時におけるスリーブプランジャ9とコイルスプリング13との間に自由度が生まれ、コイルスプリング13にかかる曲げ応力を低減させることができる。よって、コイルスプリング13の耐久性が良くなる。また、スリーブブプランジャ9は分割式ではないので、コイルスプリング13の組付け時の作業性も良くなる。
【0019】
スリーブの凹部8cとスリーブプランジャ9の凸部9aとの係合が解除されると、同期リング5Aとテーパーコーン部4eとの間に作用する摩擦力が消滅し、さらに、係合摩擦力による同期作用によってスリーブ8とクラッチギヤ4Aとの回転差が無くなる。すると、スリーブ8の阻止力が解除されて移動が可能になり、スプライン8bが同期リング5Aの歯部5cを押し分けてクラッチギヤ4Aの外歯4bに噛合してシフト動作が完了する。
【0020】
この状態からシフトフォーク10を介してスリーブ8を中立位置側に戻す動作が起こされると、上述した動作とは逆の順序を経てスリーブ8が中立位置に戻されて図1の状態に復帰する。中立位置からスリーブ8をクラッチギヤ4B側へ移動すると、クラッチギヤ4Aの場合と同様にしてスリーブ8とクラッチギヤ4Bとの噛合がなされる。
【0021】
次に、図4,図5,図6を用いて第2実施例を説明する。
第2実施例における同期装置100は、スリーブプランジャ90とクラッチハブ30にそれぞれ形成する有底溝91,31の形状とコイルスプリング130の形状を変形したものである。なお、第1実施例と同一構成/作用をする部材には、第1実施例で用いた符号を付し、重複説明を省略する。
【0022】
スリーブプランジャ90は、同期リング5A,5Bの端面5e,5fとの間に一定のクリアランスL,Lを持ってクラッチハブ3とスリーブ8の間に配置されている。スリーブプランジャ90は単体であり、その上面90aをスリーブ8の凹部8cと対応する凸状に形成されている。スリーブプランジャ90の下面90dには、クラッチハブ3に向かって開口する有底溝91が形成されている。この有底溝91と対向するクラッチハブ3の外周には、スリーブプランジャ90に向かって開口する有底溝31が形成されている。
【0023】
有底溝91,31は図5,図6に示すように、その底面91a,31aから開口部91b,31bまでの断面形状が同一径となる孔である。有底溝91と有底溝31の間には、コイルスプリング130が介装されていて、スリーブプランジャ90をスリーブ8のスプライン8bに向かって弾性付勢している。コイルスプリング130は、その両端130a,130bを有底溝91,31の底部91a,31aに保持されている。コイルスプリング130における底部91a,31a側よりも開口部91b,31b側に位置する中央部は、両端130a,130bよりも小径に形成されており、変形時に開口部91b,31bと干渉しないようになっている。
【0024】
このような構成の同期装置100によると、シフトフォーク10を例えば矢印a方向に向かってシフト動作させると、スリーブ8が図4に示す中立位置から同期リング5A側に向かって移動する。すると、スリーブプランジャ90がクリアランスL分だけ移動して、同期リング5Aの内端面5eをその側面90bで押す。同期リング5Aは、クラッチギヤ4A側に移動して、テーパー孔5aをクラッチギヤ4Aのテーパーコーン部4eに押しつける。この動作に伴い、同期リング5Aがクラッチハブ3に対する遊び分だけ相対回転して、スプライン8b端部のチャンファと同期リング5Aの歯部5cのチャンファとが相対する状態にインデックスされる。
【0025】
スリーブ8にさらに力が加えられると、両チャンファ同士が当接してスリーブ8の移動が阻止されると共に、凹部8cと凸部90aとの係合が解除され、凸部90aがスプライン8bの下面8dによってコイルスプリング130のバネ力抗して押し下げられつつ左に傾く。そして、同期リング5Aのテーパー孔5aの内面がテーパーコーン部4eに強く摩擦係合されて係合摩擦力が発生する。
【0026】
この時、コイルスプリング130の両端13a,13bは、有底溝91,31の底面側91a,31a側に嵌合されているので、スリーブプランジャ90の傾きに伴い変形して剪断力や曲げ応力が与えられる。しかし、コイルスプリング130の中央部は、開口部91bや開口部31bと干渉しないように小径に形成されているので、図6にP1、P2に示す部位での開口部91b,31bとの接触を避けられる。よって、開口部91b,31bとコイルスプリング130との接触による曲げ応力の発生が小さくなり、耐久性が良くなる。また、スリーブブプランジャ90は分割式ではないので、コイルスプリング130の組付け時の作業性も良くなる。
【0027】
スリーブの凹部8cとスリーブプランジャ90の凸部90aとの係合が解除されると、同期リング5Aとテーパーコーン部4eとの間に作用する摩擦力が消滅し、さらに、係合摩擦力による同期作用によってスリーブ8とクラッチギヤ4Aとの回転差が無くなる。すると、スリーブ8の阻止力が解除されて移動が可能になり、そのスプライン8bが同期リング5Aの歯部5cを押し分けてクラッチギヤ4Aの外歯4bに噛合してシフト動作が完了する。
【0028】
第1実施例では、有底溝11,12の形状を載頭円錐形状としたが、例えば、図7に示すように、底部110a,120aから開口部110b,120bに向かって徐々に径が大きくなる断面階段状に形成した有底溝110,120であっても良い。この場合であっても底面部110a,120aの寸法は、コイルスプリング13の両端13a,13bを保持できる程度に設定し、開口部110b,120bの寸法を変形したコイルスプリング13と干渉しないように設定することが望ましい。あるいは、図8に示すように、スリーブプランジャ9には、載頭円錐状の有底溝11を形成し、クラッチハブ3には、断面階段状の有底溝120を設け、両者の間に第2実施例で用いたコイルスプリング130を立設介装させても良い。
【0029】
また、図9に示すように、有底溝11,12の底部11a,12aを、同図に2点鎖線で示すように、それぞれ深さh1,h2分だけ深く形成し、コイルスプリング13を介装すると、スリーブプランジャ9からクラッチハブ3までの間隔Hを(h1+h2)だけ狭くすることができる。このことは、同期装置1の径方向への小型化を可能としたり、あるいは、コイルスプリング13の全長を(h1+h2)だけ長くすることが可能となる。コイルスプリング13長が延びると、スリーブ8の移動に対するコイルスプリング13の変位量が相対的に減少するので、同スプリングの変形が小さくなって曲げ応力が低下され、スプリングの耐久性向上に貢献することとなる。
ここでは、第1実施例の有底溝11,12を例に説明したが、有底溝91,31や有底溝110,120を深く形成することでも同様の作用効果を期待することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、クラッチハブとスリーブの間に配置され、スプリングによりスリーブの溝部に付勢されたスリーブプランジャか、クラッチハブの少なくとも一方に、その底面から開口部に向かって徐々に広くなる断面形状に形成され、上記スプリングを保持する有底溝を形成したので、同期動作時におけるスプリングと有底溝の開口側との間に間隔を設けることができる。よって、スプリングと開口部との干渉がなくなるので、干渉によりスプリングに与えられる曲げ応力を低減でき、スプリングの耐久性が向上する。また、有底溝は、スリーブプランジャの下面に載頭円錐状あるいは、断面階段状に形成したので、従来の分割式プランジャ内部にスプリングを組み込む場合よりも、組付け作業性が優れると共に部品点数を削減でき、低コストとなる。
【0031】
本発明によれば、スプリングを有底溝の底部側よりも開口部側の方が小さくなるように形成されたコイルスプリングとしたので、同期動作時におけるスプリングと有底溝の開口側との間に間隔を設けることができる。よって、スプリングと開口部との干渉がなくなるので、干渉によりスプリングに与えられる曲げ応力を低減でき、スプリングの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す同期装置の側面断面図である。
【図2】図1に示す同期装置の同期動作を示す部分拡大断面図である。
【図3】第1実施例の同期動作時におけるスリーブプランジャとスプリングの関係を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す同期装置の側面断面図である。
【図5】図4に示す同期装置の同期動作を示す部分拡大断面図である。
【図6】第2実施例の同期動作時におけるスーリブプランジャとスプリングの関係を示す拡大断面図である。
【図7】有底溝の変形例を示す拡大断面図である。
【図8】有底溝の別の変形例を示す拡大断面図である。
【図9】有底溝の更に別の変形例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1,100 同期装置
2 回転軸(出力軸)
3 クラッチハブ
5A,5B 同期リング
8 スリーブ
8c 溝部
9,90 スリーブプランジャ
9d,90d 下面
13,130 スプリング
11,12、31,91、110,120 有底溝
11a,12a、31a,91a、110a,120a 底面
11b,12b、31b,91b、110b,120b 開口部
a,b 軸方向
Claims (3)
- 変速機の回転軸に嵌合されるクラッチハブと、
上記クラッチハブの外周において一体回転可能かつ上記回転軸の軸方向へ移動可能に設けられたスリーブと、
上記クラッチハブとスリーブとの間に配置され、同スリーブに形成される溝に摺動的に係合するスリーブプランジャと、
上記クラッチハブの外周面に径方向外側に立設し、上記スリーブプランジャを上記スリーブ側へ付勢するスプリングと、
上記スリーブプランジャと上記クラッチハブの双方に設けられ、上記スプリングを保持する有底溝とを有し、
上記スリーブプランジャ側の有底溝と上記クラッチハブ側の有底溝は、その底面から開口部に向かって徐々に広くなる複数の段差で断面階段状に形成されていることを特徴とする変速機の同期装置。 - 変速機の回転軸に嵌合されるクラッチハブと、
上記クラッチハブの外周において一体回転可能かつ上記回転軸の軸方向へ移動可能に設けられたスリーブと、
上記クラッチハブとスリーブとの間に配置され、同スリーブに形成される溝に摺動的に係合するスリーブプランジャと、
上記クラッチハブの外周面に径方向外側に立設し、上記スリーブプランジャを上記スリーブ側へ付勢するスプリングと、
上記スリーブプランジャと上記クラッチハブの双方に設けられ、上記スプリングを保持する有底溝とを有し、
上記スリーブプランジャ側の有底溝は、その底面から開口部に向かって徐々に広くなる載頭円錐状に形成され、上記クラッチハブ側の有底溝はその底面から開口部に向かって徐々に広くなる複数の段差で断面階段状に形成されていることを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項2記載の変速機の同期装置において、
上記スプリングが、上記有底溝の底部側よりも開口部側の方が小さくなるように形成されたコイルスプリングで構成されていることを特徴とする変速機の同期装置。
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