JP3562883B2 - 自転車後輪用多段ホイール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボス部と、このボス部の外周面から径方向外方に延びている複数の支持アームとを備えたスパイダーと、前記支持アームにボス部軸芯の径方向に形成された第1装着面と第2装着面にそれぞれ装着される第1スプロケットホイールと第2スプロケットホイールとからなる自転車後輪用スプロケットホイールユニット及びこのユニットを用いた自転車後輪用多段ホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
自転車で使用される変速装置の変速段数が近年大きくなってきたことに伴って、後輪用の多段ホイールに備えられるスプロケットホイールの数が5〜7枚に増加し、その取付構造の簡単化や取付方法の容易化が要求されている。この要求を満足させるために、例えば実開昭63−4893号公報に示された後輪用多段ホイールでは、リング板として形成された複数枚のスプロケットホイールが円筒状ののボス部材の外周面にスペーサを介して外嵌されるように構成されている。各スプロケットホイールとスペースの相互連結はネジ等によって行われるが、スプロケットホイールとボス部材との間の相対回転を不能にするためそれらの間にはスプラインが形成されている。このような構成では、最も大きな外径をもつスプロケットホイールの歯部からボス係合部までの距離がかなり長くなり、トルク伝達時の変形をさけるためには十分な厚みが必要となることから重量の増加が避けられない。
【0003】
つまり、一般的にスパイダーはアルミなどの軽金属が用いられ、スプロケットホイールは強度上の点から各種鋼材料が用いられており軽量化のためにはスプロケットホイールの体積を小さくすることが軽量化に関して重要である。
上記の従来のスプロケットホイールユニットのもつ問題点を解消するため、ボス部とこのボス部の外周面からボス部軸芯に直角に径方向外方に延びている複数の支持アームとを備えたスパイダーと、各支持アームの一側面にボス部軸芯の径方向に沿って階段状に形成された装着面に取り付けられるリング状スプロケットホイールからなるスプロケットホイールユニットが、特開平4−297390公報で提案されている。この構成では、各スプロケットホイールのリング形状は歯部と取付孔が設けられる程度の短い径方向の幅をもつものとして決定されるので、軽量化に関して大きく改善される。しかしながら、このような構成のスプロケットホイールユニットもつ最大の欠点は、隣接するスプロケットホイールの歯数差が少なく、結果としてその径に大きな違いがない場合に、一方のスプロケットホイールの適切な取付部と他方のスプロケットホイールの適切な取付部が径方向で重なってしまうことである。このため、この2つのスプロケットホイールを同じ支持アームに取り付けるためには結局スプロケットホイールの径方向の幅を長くする必要があり、軽量化のメリットを失うことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ボス部と、このボス部の外周面から径方向外方に延びている複数の支持アームとを備えたスパイダーと、前記支持アームにボス部軸芯の径方向に形成された第1装着面と第2装着面にそれぞれ装着される第1スプロケットホイールと第2スプロケットホイールとからなる自転車後輪用スプロケットホイールユニットを改善して、そのスプロケットホイールの歯数差が少ない、例えば1〜3枚、であっても、構造の簡単化及び軽量化に貢献できる構成をもつ自転車後輪用スプロケットホイールユニットを提供すること、及びこのユニットを用いた自転車後輪用多段ホイールを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による自転車後輪後輪用多段ホイールでは、スパイダーの第1スプロケットホイールを固定する第1装着面と前記第1スプロケットホイールより歯数が1〜3枚少ない第2スプロケットホイールを固定する第2装着面とは支持アームの先端領域に互いに対向するように形成されているとともに、前記スパイダーの内周面にはワンウエイクラッチ機構を受け入れる係合手段が設けられている。
さらには、前記スプロケットホイールユニットを少なくとも1つ備え、前記スプロケットホイールユニットの軸芯に沿ってリング板状のスプロケットホイールが少なくも1つ並設されており、このリング板状のスプロケットホイールの内周面にも前記スプロケットホイールユニットの係合手段と共働作用する第2の係合手段が設けられている。
【0006】
上記構成により、歯数差の少ない2つのスプロケットホイールは支持アームの先端領域に表側と裏側に互いに対向するように形成された装着面にそれぞれ固定することができるので、一方のスプロケットホイールに適した取付部と他方のスプロケットホイールに適した取付部が径方向で重なってしまうことになっても、表側と裏側という空間的な位置の違いからその干渉を避けることができるし、或いは、取付構造の共通化という利点のある道も開かれる。いずれにしても、スプロケットホイールのリング形状は短い径方向の幅をもつように決定できるため、歯数差の少ない2つのスプロケットホイールを備えているにもかかわらず、軽量化に関する利点を維持することができる。
つまり、本発明は、スプロケットホイールユニットと従来からあるリング板状のスプロケットホイールの組み合わせであり、全体して組み合わされた状態で、後車軸用フリーハブのワンウエイクラッチ機構を係合受け入れする係合手段が実現する。この構成により、従来のフリーハブにこの後輪用多段ホイールをそのまま装着することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態の1つとして、図3と6と7から明らかなように、変速時に前記第2スプロケットホイール30から前記第1スプロケットホイール20へ移行するチェイン列7における前記第1スプロケットホイール20に掛かり始めるチェインローラ71が前記第1スプロケットホイール20の歯間中心領域に位置するような位相関係で、前記第1スプロケットホイール20と第2スプロケットホイール30が前記第1装着面16と第2装着面17に固定手段6によって固定されることを特徴とするものがある。これにより、第1スプロケットホイール20と第2スプロケットホイール30が固定手段6によってスパイダー10に固定された段階で、登り変速時にチェインが大径側のスプロケットホイールの歯にスムーズに噛み合うために要求される、第1スプロケットホイール20の特定歯22aと第2スプロケットホイール30の特定歯32aの位相関係が全周にわたって少なくとも1つ実現することになる。この要求される位相関係は、言い換えれば、掛け替え移行するチェイン列7が外れていく第2スプロケットホイール30の特定歯の谷部33と掛かり始める第1スプロケットホイール20の特定歯の谷部23との距離が実質的に、つまりチェイン掛け替えの観点から見て、チェインピッチの整数倍となっているということである。
【0008】
さらに、2つのスプロケットホイールがこのような歯の位相関係を備えている場合、図7からよく理解できるように、前記第1スプロケットホイール20の前記第2スプロケットホイール30側の側面に、変速時に前記第2スプロケットホイール30から前記第1スプロケットホイール20へ移行するチェイン列7のチェインプレートの少なくとも一部を受け入れる凹部24が形成されているならば、移行するチェイン列が第1スプロケットホイール20側に寄ることができるので、移行するチェインが掛かり始めることとなる第1スプロケットホイール20の特定歯22aに掛かりやすくなる。この凹部24は、図面から明らかなように、前記特定歯の前方(スプロケットホイールの回転方向に関して)の谷部23から前方に2つの歯の領域22b、22cにわたって、ほぼ移行チェインの軌跡に沿って切り欠かれている。さらに、チェインを掛かりやすくする目的で、前記特定歯22aを、移行チェイン列の走行方向に一致するように斜め向きに形成させたり、その歯丈を短くするなど易噛み合い歯として形成することも提案される。これらの特徴は、このユニットが後輪用多段ホイールとして用いられる際第2スプロケットホイールより小径のスプロケットホイールも同時に用いられることを考慮して、第1スプロケットホイール20だけではなく、第2スプロケットホイール30にも同様に与えるとよい。
【0009】
前記第1スプロケットホイール20と第2スプロケットホイール30を前記第1装着面16と第2装着面17に取り付ける固定手段6は取付ピン、つまりリベットやボルト・ナットなど、あるいは支持アームから直接突き出した突起で構成し、前者の場合各支持アームには前記第1装着面16と第2装着面17とを貫通するように軸芯X方向に延びた取付孔21が設けられ、この取付孔21に前記取付ピンが挿通されることが、提案される。前記第1・第2スプロケットホイールにも対応する箇所に貫通孔を設けておくことで、前記取付ピン6は前記第1・第2スプロケットホイールのための共通の取付ピンとして機能する。その際、スプロケットホイールは軽量化のためにできるだけ径方向の幅が短いリング体として構成されているので、その貫通孔を設けるためリング体の内周面から径方向内方に突き出した舌片25を備えるような構造を採用するなら、より軽量化の目的にかなうものとなる。
【0010】
次に、機械的強度に悪影響を与えることなしに軽量化を図るための好適な実施形態を説明する。スプロケットホイールはチェインと噛み合うための歯を形成いているのでその材料自体の機械的強度を第1に考慮しなければならないが、前記スパイダーは力学構造的な設計手法で強度的な問題を解決することができるので、両者は異なる材料で作ることが好ましく、前記スパイダーは前記第1・第2スプロケットホイールより比重の軽い材料から作ることが提案される。より具体的には、前記スパイダーをアルミ合金から作り、前記第1・第2スプロケットホイールを鋼から作ることが特に推薦される。
【0012】
その際、前記スプロケットホイールユニットが複数個備えられたケースでは、各スプロケットホイールユニットのスパイダーボス部は軸芯Xの径方向に延びた前側端面と後側端面を設け、かつ前記ボス部の軸芯X方向の長さは、一方のスプロケットホイールユニットの前側端面を他方のスプロケットホイールユニットの後側端面に接当させることによりそれぞれのスプロケットホイールユニットに装着された各スプロケットホイールの軸芯X方向の最終組み付け間隔が得られるよう決定されているならば、複数のスプロケットホイールユニットを合わせるだけで、それぞれのスプロケットホイールの歯の間隔も保証されることになる。
【0013】
独立したリング板状のスプロケットホイールは、従来通り、リング状スペーサ4によって隣接するスプロケットホイールの歯との間隔が設定されるが、これらすべての部材は軸芯方向にこれらの部材の少くとも一部を貫通する連結ネジ5によって連結され一体化することができるので、フリーハブからこの後輪用多段ホイールを外した状態においてもばらばらになることを防止できる。
【0014】
【実施例】
図1には、自転車の後車軸を構成するため、自転車フレーム80にクイックレリーズ機構91を用いて締め付け固定されているフリーハブ90が示されている。このフリーハブ90はその一端にアウターレース92aとインナーレース92bとワンウエイ用爪92cからなるワンウエイクラッチ機構92を備えている。前記アウターレース92aの外周面には後車軸軸芯Xに沿って延びた係合溝92dが設けられている。この係合溝92dにはめ込まれるように後輪7段ホイール100がアウターレース92aに装着されリングストッパ93により軸方向の移動を規制されている。後輪7段ホイール100とアウターレース92aの相対回転の規制のために、後輪7段ホイール100の内周面には前記係合溝92dに対応するように係合手段101が形成されているが、これについては後述する。
【0015】
図1で示された後輪7段ホイール100は、2つの後輪用スプロケットホイールユニット、つまり第1スプロケットホイールユニット1と第2スプロケットホイールユニット2及びリング状スプロケット3、つまり3つの歯数の異なる第1・第2・第3リング状スプロケット3a、3b、3cと、その間に配置されたリング状スペーサ4と、これらの全ての部材を一体化するするためこれらを軸方向に貫通している連結ネジ5とから構成されている。
【0016】
第1スプロケットホイールユニット1は、図2と3に示されているように、軸芯Xを有するボス部11と、このボス部11の外周面から、この実施例では、軸芯Xに実質的に直角に径方向外方に延びている6本の支持アーム15とを備えたスパイダー10と、このスパイダー10に取り付けられた第1スプロケットホイール20と第2スプロケットホイール30とから構成されている。第1スプロケットホイール20の歯数の21枚であり、第2スプロケットホイール30の歯数は19枚であり、その歯数差は2枚であり、その結果2つのスプロケットホイールの外径はそれほど違わない。第1スプロケットホイール20の取付基準面として各支持アーム15の先端領域に前記軸芯Xに実質的に直角に径方向に沿って形成された第1装着面16が、そして第2スプロケットホイール30の取付基準面として各支持アーム15の先端領域に前記軸芯Xに実質的に直角に径方向に沿って形成された第2装着面17が形成されており、この第1装着面16と第2装着面17は互いに対向して配置されており、つまりそれぞれ表側と裏側の位置関係となっている。
【0017】
支持アーム15の第1装着面16から第2装着面17へ貫通する取付孔18が軸芯Xに平行に設けられている。さらに、図3から明らかなように、第2スプロケットホイール30の内周面には軸芯方向に突き出した舌片部35が形成されており、この舌片部35を利用して貫通孔31が設けられている。図面からは理解しづらいかもしれないが、第1スプロケットホイール20の内周面にも軸芯方向に突き出した舌片部25が形成されており、そこには貫通孔21が設けられている。この貫通孔21と31及び支持アーム15の取付孔18に挿通されるリベットピン6によって両スプロケットホイールは支持アーム15の装着面に所定の位置関係で固定される。この両スプロケットホイールの所定の位置関係について、図3、6、7を用いて説明する;
【0018】
図3から明らかなように、第1スプロケットホイール20と第2スプロケットホイール30はそれぞれの歯部22と32の相対的な位置、つまり軸芯X回りの位相を所定ずらせることにことにより、変速時に第2スプロケットホイール30から第1スプロケットホイール20へ移行するチェイン列7における第1スプロケットホイール20に掛かり始めるチェインローラ71を第1スプロケットホイール20の歯部22aと歯部22bの間の中心領域、つまり歯谷部23に位置させている。このことは図6と7に図示されている。その際、第2スプロケットホイール30から外れ始めているチェインローラ72は第2スプロケットホイール30の歯部32aと32bの間の中心領域、つまり歯谷部33に位置している。つまり、第2スプロケットホイール30の歯部32aと32bの間の中心領域から第1スプロケットホイール20の歯部22aと歯部22bの間の中心領域までの移行するチェイン7に沿った距離は実質的にチェインピッチの整数倍となっている。このことにより変速時のチェイン7の移行がスムーズとなるが、さらに、第1スプロケットホイール20の第2スプロケットホイール30側の側面に、移行するチェイン列7のチェインプレートの少なくとも一部を受け入れる凹部24が形成されている。これにより移行するチェイン列7が第1スプロケットホイール20側に寄り、移行するチェイン列7と第1スプロケットホイール20との噛み合いがさらにスムーズとなる。この凹部24は移行するチェイン列7が掛かり始める歯部22aの前方(矢視したスプロケットホイールの回転方向に関して)の歯部22bとさらに前方の歯部22cの側壁及びその下方にまで広がっており、移行するチェイン列7のチェインプレートの少なくとも一部を受け入れることができる。なお、図6では、歯部22aにチェイン列7のアウタープレートが位置しているため、そのアウタープレート間の空間に歯部22aが入り込んでいるが、歯部22aにチェイン列7のインナープレートが位置する場合歯部22aがインナープレートの外面に接当する位置関係となる。この両方の位置関係を含め、歯部22aは移行するチェイン列7の掛かり始めの歯部とみなし、この歯部22aと歯部22bとの間の歯谷部23が前述した第1スプロケットホイール20の第2スプロケットホイール30の位相関係の基準とする。
【0019】
なお、ここでは第1スプロケットホイールユニット1のことだけを述べているが、第2スプロケットホイールユニット2も同様の位置関係で組み付けられており、さらには20の第1スプロケットホイールユニット1と第2スプロケットホイールユニット2の間及びその他のリング状スプロケットホイール3a、3b、3cも含めたすべてスプロケットホイールの間でもこの関係が維持されている。このため、第2スプロケットホイール30にも凹部34が形成されているばかりでなく、最小径のスプロケットホイールを除いてすべてに凹部が形成されているが、部品の共通化のため最小径のスプロケットホイールにも凹部が形成されたものが使用されても不都合はない。
【0020】
再び第1スプロケットホイールユニット1の説明の戻るが、そのスパイダー10は、図4から明らかなように、ボス部11の内周面に軸方向に延びた係合溝101aが形成されている。さらに、支持アーム部15とボス部との境界領域には前記連結ネジ5が貫通する孔19が周方向複数箇所に均等分布して設けられている。
ボス部10は軸芯Xの径方向に延びた前側端面12と後側端面13をもつが、その端面間の距離つまりボス部10の軸芯X方向の長さは、第1図から理解できるように、第1スプロケットホイールユニットの前側端面を第2スプロケットホイールユニットの後側端面に接当させることによりそれぞれのスプロケットホイールユニットに装着された隣り合うスプロケットホイールの軸芯X方向の最終組み付け間隔が得られるよう決定されている。
【0021】
ここまで、第1スプロケットホイールユニット1について図面を用いて説明したが、第2スプロケットホイールユニット2も類似の形状であり、装着しているスプロケットホイールの歯数が17枚と16枚であること、それに伴いスパイダーのアーム部の長さが短くなることで異なっているが、その他の点では実質的に同じである。ボス部の内周面には軸方向に延びた係合溝101aが形成されているし、連結ネジ5が貫通する孔も設けられている。以上のことから、第2スプロケットホイールユニット2についてのさらなる説明は省略する。
【0022】
図8は、板状の第1・第2・第3リング状スプロケットホイール3a、3b、3cを示しているが、この実施例では、それぞれ歯数が、15枚、14枚、13枚となっている。その内周面には軸方向に延びた係合溝101bが設けられているとともに、内周面近くに同様に連結ネジ5が貫通する孔も設けられている。
図9は、リング状スペーサ4を示しており、その内周面には軸方向に延びた係合溝101cが設けられているとともに、外周面に連結ネジ5が通過する凹部も設けられている。このリング状スペーサ4の厚みは、隣り合うスプロケットホイールの軸芯X方向の最終組み付け間隔が得られるよう決定されている。
【0023】
図1に示すように、第1スプロケットホイールユニット1と第2スプロケットホイールユニット2及び第1・第2・第3リング状スプロケット3a、3b、3cとリング状スペーサ4とが、連結ネジ5によって一体化されると、各部材の内周面に形成された係合溝101a、101b、101cは全体として、フリーハブ90の係合凹部92dに噛み合う係合溝つまり係合手段101が実現する。
【0024】
以上、本発明によるスプロケットホイールユニットとこれを2つ用いた後輪7段ホイールの実施例を示したが、スプロケットホイールユニットに装着されるスプロケットホイールの歯数は、21枚と19枚及び18枚と17枚以外、その歯数差が少ない種々の枚数の組み合わせを採用することができる。また、スプロケットホイールユニットとリング状スプロケットの組み合わせも任意に選択することが可能であるし、スプロケットホイールユニットだけで後輪多段ホイールを構成してもよい。ホイール内周面に設けた係合手段101の代わりに、ワンウエイクラッチ機構92のアウタレース部そのものを設けても良い。
【0025】
この実施例ではスプロケットホイールの材料として鋼を、スパイダーの材料としてアルミ合金を使用しているが、特殊合金や焼結合金、それに人工材料を用いることも自由である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による後輪用7段ホイールの横断面図
【図2】図1の7段ホイールに用いられた第1スプロケットホイールユニットの横断面図
【図3】図1の7段ホイールに用いられた第1スプロケットホイールユニットの正面図
【図4】登り変速時のチェインの掛け替えを示す部分拡大展開図
【図5】登り変速時のチェインの掛け替えを示す部分拡大図
【図6】スパイダーの正面図
【図7】スパイダーの斜視図
【図8】リング状スプロケットの正面図
【図9】リング状スペーサの正面図
【符号の説明】
1 スプロケットホイールユニット
6 ワンウエイクラッチ機構
10 スパイダー
11 ボス部
15 支持アーム
16 第1装着面
17 第2装着面
20 第1スプロケットホイール
30 第2スプロケットホイール
101 係合手段
Claims (11)
- 軸芯Xを有するボス部(11)と、前記ボス部(11)の外周面から前記軸芯Xに直角に径方向外方に延びている複数の支持アーム(15)とを備えたスパイダー(10)と、前記支持アームに前記軸芯Xの径方向に形成された第1装着面(16)と第2装着面(17)にそれぞれ装着される第1スプロケットホイール(20)と第2スプロケットホイール(30)とからなる少なくとも1つのスプロケットホイールユニット (1) 、及び前記スプロケットホイールユニットの軸芯に沿って並設された少なくも1つのリング板状のスプロケットホイール (3a,3b,3c) から構成され、
前記第1スプロケットホイール(20)は第2スプロケットホイール(30)より多くの歯数を有し、その歯数差は1〜3であり、かつ
前記スパイダー(10)の第1装着面(16)と第2装着面(17)は前記支持アームの先端領域に互いに対向するように形成されているとともに、
前記スパイダー(10)の内周面にはワンウエイクラッチ機構(92)を受け入れる係合手段(101a)が設けられており、
前記リング板状のスプロケットホイールの内周面にも前記スプロケットホイールユニットの係合手段 (101a) と共働作用する第2の係合手段 (101b) が設けられていることを特徴とする自転車後輪用多段ホイール。 - 変速時に前記第2スプロケットホイール(30)から前記第1スプロケットホイール(20)へ移行するチェイン列における前記第1スプロケットホイール(20)に掛かり始めるチェインローラが前記第1スプロケットホイール(20)の歯間中心領域(23)に位置するような位相関係で、前記第1スプロケットホイール(20)と第2スプロケットホイール(30)が前記第1装着面(16)と第2装着面(17)に固定手段(6)によって固定されることを特徴とする請求項1に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記第1スプロケットホイール(20)の前記第2スプロケットホイール(30)側の側面に、変速時に前記第2スプロケットホイール(30)から前記第1スプロケットホイール(20)へ移行するチェイン列のチェインプレートの少なくとも一部を受け入れる凹部(24)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記第2スプロケットホイール(30)の前記第1スプロケットホイール(20)とは反対側の側面に、変速時に前記第2スプロケットホイール(30)より小径のスプロケットホイールから前記第2スプロケットホイール(30)へ移行するチェイン列のチェインプレートの少なくとも一部を受け入れる凹部(34)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記固定手段(6)は、前記第1装着面(16)と第2装着面(17)とを貫通する取付孔(21)に挿通される共通の取付ピンとして構成されており、前記第1・第2スプロケットホイールは前記取付孔(21)に挿通される共通の取付ピンよって同時に固定されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記スパイダー(10)は、前記第1・第2スプロケットホイール(20,30)より比重の軽い材料から作られていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記スパイダー(10)はアルミ合金から作られており、前記第1・第2スプロケットホイール(20,30)は鋼から作られていることを特徴とする請求項6に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記スプロケットホイールユニットが複数個備えられており、
各スプロケットホイールユニット(20,30)のスパイダーボス部は軸芯Xの径方向に延びた前側端面(12)と後側端面(13)を設けており、かつ
前記ボス部(11)の軸芯X方向の長さは、一方のスプロケットホイールユニットの前側端面を他方のスプロケットホイールユニットの後側端面に接当させることによりそれぞれのスプロケットホイールユニットに装着された各スプロケットホイールの軸芯X方向の最終組み付け間隔が得られるよう決定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自転車後輪用多段ホイール。 - 前記リング板状のスプロケットホイール(3a,3b,3c)はリング状スペーサ(4)を備えており、前記リング状スペーサの軸芯X方向の長さは、これらの小径スプロケットホイール間に前記リング状スペーサ(4)を挟み込むことにより各小径スプロケットホイールの軸芯X方向の最終組み付け間隔が得られるよう決定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記スプロケットホイールユニットと小径スプロケットホイール(3)とリング状スペーサ(4)とはそれらの一部又は全てを軸芯X方向に貫通する連結ネジ(5)によって連結されていることを特徴とする請求項9に記載の自転車後輪用多段ホイール。
- 前記スプロケットホイールユニットの係合手段(101a)と前記リング板状のスプロケットホイールの係合手段(101b)は、それぞれの内周面に軸芯X方向に沿って形成されたワンウエイクラッチ(92)のアウタレースと係合する係合溝であることを特徴とする請求項10に記載の自転車後輪用多段ホイール。
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