JP3713934B2 - トークンパス方式データ転送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、LANなどのネットワークに接続された計算機、FA用コントローラ及びその入出力装置等のステーションからなる局がトークンパス方式でデータ転送を行うトークンパス方式データ転送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LANに接続された複数の局(ステーション)間の通信を効率よく行うため、トークンパス(トークンパッシングともいう)方式でデータ転送を行うようにしている。
【0003】
このLANでのトークパス方式は、局がネットワーク上へデータを送信する機会を平等に得られるようにする方式であって、トークンフレームと呼ばれるフレームが利用される。
【0004】
すなわち、トークンフレームはネットワークの伝送路上を巡回するデータ送信のための送信権を授受する制御情報であり、このトークンフレームには宛先アドレスが含まれている。
【0005】
この方式では、トークンを獲得している局が送信局となり、データの送信後、自局の局番の次の局番(降順)或いは自局の局番の前の局番(昇順)を後続局の局番として宛先アドレス部に設定したトークンフレームを送出する。
【0006】
他の局では、このトークンフレームの宛先アドレス部の局番を調べ自局の局番であればこれを取り込み、新たなトークンの獲得局つまり送信局となる。
また、新たな送信局は、データを送信した後、再び前の送信局と同じ順序(降順或いは昇順など)に従って新たな後続局の局番を設定し、トークンフレームを送出する。
【0007】
このように局番順にトークンの授受を繰り返し、末端の局番(最後の局番或いは最初の局番)にトークンが回ってきたとき、後続局としてもう一方の末端の局番(最初の局番或いは最後の局番)を設定する。
【0008】
このようにして、全ての局が参加するトークンが形成され、送信権の授受が均等且つ円滑に行われることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなトークンパス方式データ転送システムにおいては、伝送路上に予期しないノイズ等が発生する場合がある。かかる場合、送信局から出力されたトークンフレームがこのノイズ等の影響を受け、後続局で正常受信されないことも起こり得る。このような状態を放置すれば、トークンフレームに従った送信権の伝達が停止してしまい、以後何れの局もデータの送信が行えなくなる。
【0010】
これを防止するためには、送信局がトークンフレーム送出後、特定の後続局の監視を行い、もし伝送路上に信号が全く検出されなかったときは、何らかの理由でトークンフレームが後続局に伝わらなかったか、もくしは後続局により受信されなかったと判断し、1つ又は全ての後続局の電気的リセットを行うようにする必要がある。
【0011】
しかしながら、この電気的リセットによって後続局への送信フレームが壊れてしまうとトークンフレームに従った送信権の伝達が停止してしまい、従局のリセットが行われたか否かが不明となり、その後にトークンフレームを再送することの判断ができなくなるという未解決の課題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、トークンフレームを壊すことなく従局の電気的リセットを確実に行うことができるトークンパス方式データ転送システムを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るトークンパス方式データ転送システムは、主局及び1以上の従局が伝送路に接続され、各局がトークンフレームを巡回させて送信権を移動させるトークンパス方式データ転送システムにおいて、
トークン伝送異常時に当該トークンフレームにリセット識別コードを付加し、当該トークンフレームを獲得した局は他局に対する送信完了後に前記リセット識別コードに従って自局回路のリセット処理をトークンフレームの受信を終了してから自局で設定された局遅延時間以上のリセット開始時間経過後に行うことを特徴としている。
【0014】
この請求項1に係る発明では、トークンフレームを獲得した各局は、受信したトークンフレームに付加されているリセット識別コードを読み取り、トークンフレームの受信を終了してから自局で設定された局遅延時間以上のリセット開始時間経過後に自局回路のリセットを行って、トークンフレームが壊れないようトークンフレームを送信後に自局回路のリセット処理を行うと共に、自局の性能を維持することができる。
【0015】
また、請求項2に係るトークンパス方式データ転送システムは、請求項1に係る発明において前記リセット開始時間は、自局で設定された局遅延時間に余裕時間を加算した値に設定されていることを特徴としている。
【0016】
この請求項2に係る発明においては、自局で設定された局遅延時間に余裕時間を加算した値をリセット開始時間としているので、送信するトークンフレームが壊れることをより確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、例えばリング状ネットワークLNに、従局としての複数のプロセッサP1〜Pi、リレー、スイッチ等のオン/オフ機器を制御する信号を出力する出力装置SO1〜SOj及びリレー、スイッチ等のオン/オフ機器の状態信号を入力する入力装置SI1〜SIkと、リング状ネットワークLNを管理する主局としてのマスタステーションMとが接続されている。
【0018】
そして、リング状ネットワークLNにトークンフレームTFが巡回される。このトークンフレームは、図2に示すように、フレームの先頭を示すスタートデリミタ部SD、フレームの種類を示すフレーム制御部FC、宛先アドレスを格納する宛先アドレス部DA、送信元アドレスを格納する送信元アドレス部SA、フレームの検査を行うフレームチェックシーケンス部FCS及びフレームの終了を示すエンドデリミタ部EDとで構成されている。
【0019】
ここで、フレーム制御部FCには、少なくとも当該フレームがトークンフレームであることを表すフレーム種別コードとしてのトークンフレームコードTCと、このトークンの獲得によって自局が送信すべきデータの種類を示すデータ種別コードDCと、トークンフレーム伝送異常時に一部又は全ての局を初期化するリセット識別コードRCとが格納されている。
【0020】
また、トークンを獲得して送信データを送信するデータフレームDFは、トークンフレームTFの送信元アドレス部SA及びフレームチェックシーケンス部FCS間にデータDTを挿入したフォーマットで構成され、このデータフレームのフレーム制御部FCには、送信フレームがデータフレームであることを示すフレーム種別コードとしてのデータフレームコードのみが格納される。
【0021】
そして、マスターステーションM、プロセッサP1〜Pi、出力装置SO1〜SOj及び入力装置SI1〜SIkの夫々は、図3に示すように、データ処理を行うCPUで構成される演算処理装置11と、伝送路Tに接続された伝送制御部12と、この伝送制御部12及び演算処理装置11に接続されたメモリ部13と、演算処理装置11で実行するプログラムを格納しているプログラムメモリ部14とを少なくとも備えている。
【0022】
ここで、伝送制御部12は、トークンを獲得したときにメモリ部13の送信バッファ13bのデータから送信フレームを生成し、これを変調してネットワークLN上に送信すると共に、フレームを受信した場合にはこれを復調し、メモリ部13の受信バッファ13aにデータを転送すると共に、そのフレームが正常なフレームであるか否かを判定する。
【0023】
メモリ部13は、受信データを格納する受信バッファ13aと、送信データを格納する送信バッファ13bと、データを格納するデータメモリ部13cと、トークン宛先ステーションのアドレスを格納するトークンパス宛先アドレステーブル13dとを備えている。
【0024】
ここで、受信バッファ13aは、複数のバッファ領域を有し、これらのバッファ領域の内幾つを使用するかは、演算処理装置11によって予め設定された各局での送信側から送信されるトークンフレームTF又はデータフレームDFの転送速度と転送されたデータを受信処理する速度とに差があり、この差に応じた局遅延データが予め設定され、この局遅延データに基づいて使用バッファ数nを設定し、これをバッファカウンタ13eに設定される。
【0025】
そして、伝送制御部12は、トークンを獲得したときに、メモリ部13の送信バッファ13bのデータをもとに送信フレームを生成し、これを変調してネットワークLN上に送信し、且つネットワークLNを介してフレームを受信したときにはこれを復調し、受信バッファにデータを転送すると共に、そのフレームが正常なフレームであるか否かをチェックする。
【0026】
また、メモリ部13のトークンパス宛先アドレステーブル13dは、自局が送信するトークンTFの宛先となるステーションのアドレスを、トークンの送り順に並べて記したテーブルであり、そのトークンの獲得によって送信されるデータの種類を示すデータ種別コードDC毎に設けられている。
【0027】
なお、各ステーションが送信するデータのデータ種別コードは、予めそのステーションに設定されており、トークンパス宛先アドレステーブル13dの最後のアドレスはマスターステーションに設定されている。そして、マスターステーションMSは全てのデータ種別コードDCに対応するトークン宛先アドレステーブルを有している。
【0028】
演算処理装置11は、プログラムメモリ部14に格納されているプログラムに従って処理を行うと共に、送受信データの管理等を行う。すなわち、そのフレームがトークンフレームTFであるかデータフレームDFであるか等のフレームの種別チェックを行い通常のデータフレームDFであれば、それが自局宛のフレームであるか否か、つまりそのデータをデータメモリ部13cに転送するか否かの判断を行う。
【0029】
次に、上記実施形態の動作を演算処理装置11で実行する処理手順を示す図4及び図5のフローチャートを伴って説明する。
演算処理装置11では、図4に示すフレーム受信処理をメインプログラムとして実行する。
【0030】
このフレーム受信処理は、先ず、ステップS1で伝送制御部12でフレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信していないときには、これを受信するまで待機し、フレームを受信したときには、ステップS2に移行して、受信バッファ13aに順次格納されるフレームのフレーム制御部FCにトークンフレームコードTCが含まれているか否かを判定し、トークンフレームコードTCが含まれている場合には受信したフレームがトークンフレームTFであるものと判断してステップS3に移行する。
【0031】
このステップS3では、同様に、フレーム制御部FCにリセット識別コードRCが含まれているか否かを判定し、リセット識別コードRCが含まれていない場合には、通常の送信権を与えるトークンフレームであると判断してステップS4に移行する。
【0032】
このステップS4では、フレーム制御部FCに含まれているデータ種別コードDCが自局に設定されているデータ種別コードDCiと一致するか否かを判定し、両者が一致しないときには、自己宛ではないものと判断してステップS5に移行して、受信バッファ13aに受信したフレームを送信バッファ13bに転送して伝送制御部12に戻し、この伝送制御部12で変調して伝送路Tに送出するフレーム中継処理を行ってから前記ステップS1に戻る。
【0033】
一方、ステップS4の判定結果が、データ種別コードDCと自局に設定されているデータ種別コードDCiとが一致する場合には、送信権を獲得したものと判断して、ステップS6に移行し、データ種別コードDCに基づいて予め設定された送信データに送信元アドレス部SAに自局アドレスを設定し、宛先アドレスを指定しないデータフレームを作成し、これをブロードキャスト送信するデータ送信処理を行ってからステップS7に移行する。
【0034】
このステップS7では、自局が送信したデータフレームDFを受信したか否かを判定し、データフレームDFを受信していないときには、これを受信するまで待機し、受信したときにはステップS8に移行して、受信したデータフレームDFを廃棄してからステップS9に移行する。
【0035】
このステップS9では、データ種別コードDCをもとにトークンパス宛先アドレステーブル13dを参照して、後続局のトークンフレーム送信先アドレスを決定し、これをトークンフレームTFの宛先アドレス部DAに設定してから送信バッファ13bに格納し、次いでステップS10に移行して、送信バッファ13bに格納されているトークンフレームTFを伝送制御部12に送出して、この伝送制御部12で変調して伝送路Tを介して後続局に送信してから前記ステップS1に戻る。
【0036】
一方、前記ステップS2の判定結果が、受信バッファ13aに格納されたフレーム制御部FCにトークンフレームコードTCに代えてデータフレームコードDFCが格納されているときには、受信したフレームがデータフレームDFであるものと判断して、ステップS11に移行する。
【0037】
このステップS11では、宛先アドレス部DAに自局アドレスが格納されているか否かを判定し、自局アドレスが格納されていない場合には、自局宛ではないものと判断して前記ステップS5に移行して、データフレームDFの中継処理を行ってから前記ステップS1に戻り、自局アドレスが格納されているときには、ステップS12に移行して、受信バッファ13aに格納したデータをデータメモリ部13cに転送してからステップS13に移行して、受信バッファ13aに格納されているデータフレームDFを伝送制御部12に送出し、この伝送制御部12で所定の変調を行って後続局に送信してから前記ステップS1に戻る。
【0038】
一方、前記ステップS3の判定結果が、トークンフレームTFのフレーム制御部FCにリセット識別コードRCが含まれているものであるときには、ステップS14に移行して、送信元アドレス部SAのアドレスが自局アドレスであるか否かを判定し、自局アドレスでないときには、ステップS15に移行して、図5に示すリセット処理を起動し、次いでステップS16に移行して、前記ステップS5と同様にトークンフレームTFを後続局へ中継処理してから前記ステップS1に戻る。
【0039】
また、ステップS14の判定結果が、送信元アドレス部SAのアドレスが自局アドレスであるときには、リセット識別コードRCを消去した、通常のトークンフレームTFを後続局に送信してから前記ステップS1に戻る。
【0040】
そして、リセット処理は、図5に示すように、メインプログラムに対する所定時間毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS21でトークンフレームTFの受信完了状態を表す受信完了フラグEFが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには、トークンフレームTFの受信中であると判断してステップS22に移行する。
【0041】
このステップS22では、トークンフレームTFの最後のエンドデリミタ部EDを検出したか否かを判定し、これを検出していないときには、トークンフレームTFの受信中であると判断し、そのままタイマ割込処理を終了して図4のメインプログラムに復帰し、エンドデリミタ部EDを検出したときには、ステップS23に移行して、受信完了フラグEFを“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して図4のメインプログラムに復帰する。
【0042】
一方、前記ステップS21の判定結果が、受信完了フラグEFが“1”にセットされているときには、トークンフレームTFの受信が完了したものと判断して、ステップS24に移行する。
【0043】
このステップS24では、リセットカウンタのカウント値Nを“1”だけインクリメントしてからステップS25に移行し、カウント値Nが予めステーション毎に設定されたトークンフレームTFを受信してから送信を開始するまでに要する局遅延時間TD に余裕時間TS を加算して設定されるリセット開始時間に相当する設定値NS に達したか否かを判定し、N≠NS であるときにはそのままタイマ割込処理を終了して図4のメインプログラムに復帰し、N=NS であるときには、ステップS26に移行する。
【0044】
このステップS26では、伝送制御部12に対してリセット信号を出力し、次いでステップS27に移行して受信完了フラグEFを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して図4のメインプログラムに復帰する。
【0045】
したがって、今、マスターステーションMには、データ種別コードDCの値として、優先順位に相当する“1”,“2”及び“3”が設定され、プロセッサP1〜Piに対してはデータ種別コードDCの値として“1”及び“3”が設定され、出力装置SO1〜SOjに対してはデータ種別コートDCの値として“1”が設定され、入力装置SI1〜SIkに対してはデータ種別コードDCの値として“1”及び“2”が設定され、且つ各ステーションに対してそれらのデータ種別コードDCに対応したトークンパス宛先アドレステーブル13dが格納されているものとする。
【0046】
この状態で、例えば図6(a)に示すように、マスターステーションMでデータ種別コードDCを“1”に設定したトークンフレームTFを生成して、これを後続側のプロセッサP1に伝送路Tを介して送信すると、このプロセッサP1ではデータ種別コードが“1”及び“3”に設定されているので、このトークンフレームTFを獲得し、自局の送信データがないときには、そのままトークンフレームを後続のプロセッサP2に送信し、送信データがあるときには、その送信データをトークンフレームTFに付加すると共に、宛先アドレス部DAに送信先ステーションアドレスを格納し、さらにフレーム制御部をデータフレームコードDFCのみとすることにより、データフレームDFを形成して、これを後続のプロセッサP2に送信する。
【0047】
その後、データフレームDFがネットワークLNを一巡して戻ってきたときに、そのデータフレームDFから送信データを削除し、フレーム制御部FCにデータフレームコードDFCに代えてトークンフレームコードTCを設定すると共に“1”のデータ種別コードDCを設定し、さらに“1”のデータ種別コードDCをもとに該当するトークンパス宛先アドレステーブル13dを参照して次のトークンフレームTFの宛先アドレス即ち後続のプロセッサP2のアドレスを設定して、このトークンフレームTFをプロセッサP2に送信する。
【0048】
このようにして、トークンフレームTFにおけるデータ種別コードDCが“1”に設定されている場合には、全ての局でトークンフレームTFを受信することにより、送信権を獲得して、他局にデータ送信を行うことができる。
【0049】
そして、マスターステーションMにトークンフレームTFが戻ったときに、所定のタイミングでトークンフレームTFにおけるデータ種別コードDCを例えば“2”に変更すると、この“2”に対応するデータ種別コードDCが設定されている局は、図6(b)に示すように、マスターステーションM以外では入力装置SI1〜SIkのみであるので、他のプロセッサP1〜Pi及び出力装置SO1〜SOjでは、図4の処理におけるステップS4でデータ種別コードDCが一致しないことにより、ステップS5に移行して、トークンフレームTFを単に中継するだけで処理を終わることになり、入力装置SI1〜SIkのみでトークンフレームTFを獲得して、これら入力装置SI1〜SIkから順次データ種別コードDCの値“2”に対応した送信データを付加したデータフレームDFを例えばブロードキャスト送信する。
【0050】
このとき、例えばプロセッサP1〜Piでは、ブロードキャスト送信されるデータフレームDFを受信し、その送信元アドレスSAが自局が必要とするデータの送信元であるときには、そのデータを取り込む。
【0051】
このようにして、最後の入力装置SIkでは、トークンフレームTFの宛先アドレスDAとしてマスターステーションMSのアドレスが設定されることにより、トークンフレームTFが出力装置SO1〜SOjに獲得されることなく直接マスターステーションMSに戻される。
【0052】
したがって、このマスターステーションMSでトークンフレームTFのデータ種別コードDCの値を“3”に変更して、入力装置SI1に送信すると、図6(c)に示すように、入力装置SI1〜SIk及び出力装置SO1〜SOjではデータ種別コードDCの値が異なるため、トークンフレームTFを獲得することはなく、プロセッサP1〜PiでのみトークンフレームTFが獲得される。
【0053】
これらプロセッサP1〜Piでは、“3”のデータ種別コードDCを受信することにより、入力装置SI1〜SIkからのデータを全て受信したと認識し、入力データを受信バッファ13aからデータメモリ部13cに転送して、プロセッサで予め設定されたプログラム処理を行って、その処理結果に基づいてデータフレームDFを作成し、これをブロードキャスト送信してから、トークンフレームTFを後続のプロセッサP2に送信し、以下順次プロセッサP2〜Piで同様の処理を行って、最後にプロセッサPiからマスターステーションMにトークンフレームTFを戻す。
【0054】
このように、トークンフレームTFがデータ種別コードDCに設定された値に応じて巡回されるが、トークンフレームTFを獲得して、データフレームDFを送信した局に、予め設定されたトークンフレームがネットワークLNを一巡するために要する最大巡回時間以上経過してもトークンフレームTFが戻らないときには、トークンフレームTFが消滅したおそれがあると判断して、新たなトークンフレームTFを生成してこれを巡回させるが、何れも戻らない場合には、ネットワークの異常であると判断して、フレーム制御部FCのデータ種別コードDCを“1”に設定すると共に、リセット識別コードRCを付加したトークンフレームTFを生成し、これを後続の局に送信する。
【0055】
このトークンフレームTFを受信した各局は、図7に示すように、トークンフレームTFを受信することにより、図4の処理において、ステップS2からステップS3に移行し、リセット識別コードRCが含まれているので、ステップS14に移行して図5のリセット処理を起動すると共に、ステップS15に移行してフレーム中継処理を行って、受信バッファ13aで受信したトークンフレームTFをそのまま受信バッファ13bに転送して、局遅延時間TD が経過した時点でトークンフレームTFを後続の局に送信する。
【0056】
このとき、図5のリセット処理においては、受信バッファ13aに格納されるトークンフレームTFを監視して、エンドデリミタ部EDを検出するまでは、ステップS21及びステップS22を繰り返すだけで、何ら処理を行わないが、エンドデリミタ部EDを検出すると、受信完了フラグEFを“1”にセットする(ステップS23)。
【0057】
このため、次に図5の処理が開始されたときに、ステップS21からステップS24に移行して、リセットカウンタのカウント値Nを“1”だけインクリメントし、このカウント値Nが予め設定された局遅延時間TD に余裕時間TS を加算した値に対応する設定値NS に達すると、伝送制御部12に対してリセット信号を送出し、伝送制御部12を初期化し、次いで受信完了フラグEFを“0”にリセットしてからリセット処理を終了してメインプログラムに復帰する。
【0058】
このリセット信号が出力された時点では、図7に示すように、リセット識別コードRCを含むトークンフレームTFの後続局への送信が完了しているので、伝送制御部12のリセットによって送信中のトークンフレームTFが壊されることがなく、ネットワークLNに接続されている各局で円滑なリセット処理が行われ、ネットワーク全体を初期状態に復帰させることができる。
【0059】
因みに、上記リセット処理を行わない従来の場合には、図8に示すように、リセット識別コードRCを含むトークンフレームTFを受信しながら、局遅延時間TD 経過後にトークンフレームTFの後続局への送信を開始するので、その送信が完了していない受信したトークンフレームTFの最後のエンドデリミタ部EDを検出した直後にリセット信号が伝送制御部に出力されて、初期化が行われてしまい送信中のトークンフレームTFの後半部が壊されてしまい、トークンフレームTFに従った送信権の伝達が停止してしまい、従局のリセットが行われた否かが不明となり、再送判断ができなくなるという問題がある。
【0060】
そして、自局で送信したリセット識別コードRCを有するトークンフレームTFが戻ってくると、図4の処理で、送信元アドレス部SAに自局アドレスが設定されているので、ステップS14からステップS17に移行して、リセット識別コードRCを除去した新たなトークンフレームTFを生成して、これを後続局に送信する。
【0061】
このように、上記実施形態においては、リセット識別コードRCが含まれているトークンフレームを受信したときに、その受信を完了してから局遅延時間T D に相当する遅延時間以上遅れてリセット処理が実行されるので、後続局へ送信中のトークンフレームが壊れることを確実に防止することができると共に、リセット時間がトークンフレームTFを受信してからこれを他局に中継する場合における送信開始する迄の時間でなる局遅延時間に多少の余裕時間を加算した値に設定されているので、リセット処理が遅く行われて、自局の演算処理等に影響を与えることはなく、自局の性能を維持することができる。
【0062】
なお、上記実施形態においては、リング状ネットワークに本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、バス形のネットワークにも本発明を適用することができる。
【0063】
また、上記実施形態においては、トークンフレームTFのフレーム制御部FCにデータ種別コードDCを含める場合について説明したが、これに限定されるものではなく、データ種別コードDCを省略して、宛先アドレス部DA及び送信元アドレス部SAのアドレスに応じてデータの授受を行う通常のトークンパス方式であっても、本発明を適用し得るものである。
【0064】
さらに、上記実施形態においては、演算処理装置11でリセット処理を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9に示すように、伝送制御部12とメモリ部13との間にリセット信号発生回路31を形成するようにしてもよい。
【0065】
このリセット信号発生回路31は、伝送制御部12で復調されたトークンフレームTFからリセット識別コードRCを検出するリセット識別コード検出回路31aと、エンドデリミタ部EDを検出するエンドデリミタ部検出回路31bと、リセット識別コード検出回路31aでリセット識別コードRCを検出したときにセットされるRSフリップフロップ31cと、このフリップフロップ31cの肯定出力端子yの出力信号とエンドデリミタ部検出回路31bの検出信号とが入力されるアンド回路31dと、このアンド回路31dの出力が入力されることにより、予め設定された局遅延時間TD 及び余裕時間TS の和に相当するプリセット値をセットするリセットカウンタ31eと、このリセットカウンタ31eに減算カウント用のクロックパルスを供給するクロック信号発生回路31fとで構成されている。
【0066】
そして、トークンフレームTFのリセット識別コードRCをリセット識別コード検出回路31aで検出すると、フリップフロップ31cがセットされ、その後にエンドデリミタ部検出回路31bでエンドデリミタ部EDを検出すると、アンド回路31dの出力側が高レベルとなり、これがリセットカウンタ31eに供給されることにより、このリセットカウンタ31eがプリセット値にセットされ、以後クロックパルス発生回路31fから入力されるクロックパルスによって減算カウントされ、そのカウント値が“0”となるとリセット信号が伝送制御部12に送出されてリセット状態となり、またリセット信号がフリップフロップ31cのリセット端子に入力されることにより、フリップフロップ31cがリセットされる。
【0067】
さらにまた、上記実施形態においては、トークンフレームTFを送信した送信局がトークンフレームを監視する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トークンフレームの異常監視をマスターステーションM或いは特定の1つの局で行うようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、トークンフレームを獲得した各局は、受信したトークンフレームに付加されているリセット識別コードを読み取り、トークンフレームの受信を完了してから局遅延時間以上遅れて自局回路のリセット処理を行うようにしているので、後続局へ送信中のトークンフレームが壊れることを確実に防止することができ、ネットワークの信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
【0069】
また、請求項2に係る発明によれば、局遅延時間に多少の余裕時間を加算した値をリセット開始時間として設定しているので、リセット処理が遅く行われて、自局の演算処理等に影響を与えることはなく、自局の性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】トークンフレームの構成を示す説明図である。
【図3】各局の具体的構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図2の演算処理装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図3によって起動されるリセット処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1の実施形態における動作の説明に供する説明図である。
【図7】図2の実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図8】従来例の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図9】本発明に適用し得るリセット信号発生回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 演算処理装置
12 伝送制御部
13 メモリ部
13a 受信バッファ
13b 送信バッファ
13c データメモリ部
13d トークンパス宛先アドレステーブル
13e バッファカウンタ
14 プログラムメモリ部
31 リセット信号発生回路
31a リセット識別コード検出回路
31b エンドデリミタ部検出回路
31c フリップフロップ
31d アンド回路
31e リセットカウンタ
31f クロックパルス発生回路
Claims (2)
- 主局及び1以上の従局が伝送路に接続され、各局がトークンフレームを巡回させて送信権を移動させるトークンパス方式データ転送システムにおいて、
トークン伝送異常時に当該トークンフレームにリセット識別コードを付加し、当該トークンフレームを獲得した局は他局に対する送信完了後に前記リセット識別コードに従って自局回路のリセット処理をトークンフレームの受信を終了してから自局で設定された局遅延時間以上のリセット開始時間経過後に行うことを特徴とするトークンパス方式データ転送システム。 - 前記リセット開始時間は、自局で設定された局遅延時間に余裕時間を加算した値に設定されていることを特徴とする請求項1記載のトークンパス方式データ転送システム。
Priority Applications (1)
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JP00699798A JP3713934B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | トークンパス方式データ転送システム |
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JPH11205365A JPH11205365A (ja) | 1999-07-30 |
JP3713934B2 true JP3713934B2 (ja) | 2005-11-09 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3713934B2 (ja) |
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WO2014061076A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | 三菱電機株式会社 | 通信システム及び通信装置 |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP00699798A patent/JP3713934B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11205365A (ja) | 1999-07-30 |
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