JP3713930B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートに着座した乗員を拘束して保護するシートベルトを備えた車両において、衝突時に、上記シートベルトによる乗員への荷重の集中を防止しつつ、シートベルトによって乗員を適正に保持できるようにするため、シートベルトに一定値以上の引出力が作用した場合に、このシートベルトが所定長さだけ引き出されるようにしたシートベルトのロードリミッタが知られている。
【0003】
上記ロードリミッタは、通常シートベルトのウェビングが巻き付けられた変形部材と、ウェビングを挟持するクランプと、このクランプを駆動してウェビングを挟持させるロックレバーとを有している。そして、車両の衝突時に、制御ユニットから出力される指令信号に応じ、上記ロックレバーを回動変位させてクランプをウェビングの挟持位置に駆動することにより、シートベルトが引き出されるのを規制しつつ、乗員を保護するように構成されている。
【0004】
すなわち、車両の衝突時に作用する慣性力に応じて乗員の体が前方に付勢されることにより、上記クランプによる挟持力以上の引出力がシートベルトに作用すると、このシートベルトがロードリミッタから引き出されるとともに、その際に上記クランプとシートベルトの間に作用する摩擦抵抗によって衝突エネルギーが吸収される。また、上記シートベルトがロードリミッタから所定長さだけ引き出されると、上記規制部材が塑性変形するとともに、その際に衝突エネルギーが吸収されて乗員に作用する衝撃が軽減されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように衝突時における車両の走行状態および乗員の着座状態の如何に拘らず、常に一定の力でシートベルトが引き出されるのを規制するように構成された従来装置では、この規制力が小さな値に設定されていると、車両の衝突時に上記シートベルトがロードリミッタから簡単に引き出されて上記規制部材が塑性変形してしまうとともに、上記ロードリミッタのクランプとシートベルトの間に作用する摩擦抵抗が小さくなってこの摩擦抵抗による衝撃エネルギーの吸収効果が十分に得られないという問題がある。逆に、上記規制力が大きな値に設定されていると、車両の衝突時に上記ロードリミッタから引き出されるシートベルトの引出量が過度に制限され、上記規制部材が塑性変形することによる衝撃の吸収効果が不充分になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、車両の衝突時に、シートベルトによって乗員を適正に保持しつつ、乗員に作用する衝撃を効果的に軽減することができる車両乗員保護装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、車速を検出する車両状態検出手段と、この車両状態検出手段によって検出された車速が早い程、ロードリミッタの規制値を大きくするように調節する調節手段とを設けたものである。
【0008】
上記構成によれば、車両状態検出手段の検出信号に応じて車両が高車速の走行状態にあることが確認された場合には、低車速の走行状態にある場合に比べて上記ロードリミッタの規制値が大きくなるように調節されるため、高車速の走行状態で車両の衝突事故が発生したときに作用する大きな慣性力に応じ、車体の前方側に移動しようとする乗員の体がシートベルトによって適正に保持されつつ、乗員が受ける衝撃が上記ロードリミッタによって効果的に軽減されることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、シートに着座した乗員の頭部位置を検出する頭部位置検出手段と、この頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部位置に応じて上記ロードリミッタの規制値を調節する調節手段とを設けたものである。
【0010】
上記構成によれば、頭部位置検出手段の検出信号に応じて乗員の頭部位置が、例えば車体の前方側に位置していることが確認された場合には、この頭部位置が後方側に位置している場合に比べて上記ロードリミッタの規制値が大きくなるように調節され、これによって車両の衝突時等に作用する慣性力に応じて上記乗員の頭部がさらに前方に移動することが効果的に抑制されることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の車両用乗員保護装置において、頭部位置検出手段は、乗員の頭部と、その前方に位置するステアリングホイールとの間の距離を検出するように構成されたものである。
【0012】
上記構成によれば、頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部と、その前方に位置するステアリングホイールとの間の距離に応じ、乗員の頭部位置が、例えば車体の前方 側に位置していることが確認された場合には、この頭部位置が後方側に位置している場合に比べて上記ロードリミッタの規制値が大きくなるように調節され、これによって車両の衝突時等に作用する慣性力に応じて上記乗員の頭部がさらに前方に移動することが効果的に抑制されることになる。
【0013】
請求項4に係る発明は、上記請求項2または3に記載の車両用乗員保護装置において、調節手段は、頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部の位置が車体の前方側に位置している程、ロードリミッタの規制値を大きな値に設定するように構成されたものである。
【0014】
上記構成によれば、頭部位置検出手段の検出信号に応じて乗員の頭部位置が、車体の前方側に位置していることが確認された場合には、この頭部位置が後方側に位置している場合に比べて上記ロードリミッタの規制値が大きくなるように調節され、これによって車両の衝突時等に作用する慣性力に応じて上記乗員の頭部がさらに前方に移動することが効果的に抑制されることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る車両用乗員保護装置の実施形態を示している。この車両用乗員保護装置は、乗員を保持するシートベルト1と、このシートベルト1が引き出されるのを規制するロードリミッタ2と、車速Vを検出する車速センサ3と、シートバック4の起立角度を検出する角度センサ5と、シートスライダ6に設置された位置センサ7と、シート8のシートボトム9上に着座した乗員の体重を検出する体重センサ10と、各センサの検出信号に対応した制御信号を上記ロードリミッタ2に出力する制御ユニット11とを有している。
【0016】
上記ロードリミッタ2は、図2に示すように、シートベルト1が巻き付けられた規制部材12と、シートベルト1を挟持するように相対向して設置された一対のクランプ13,14と、一方のクランプ13を他方のクランプ14側に押動するロックレバー15と、このロックレバー15を揺動変位させるアクチュエータ16と、上記ロックレバー15の揺動範囲を制限するストッパ17と、上記クランプ13,14の下方に、相対向して配設された一対のクランプ21,22とを有している。
【0017】
そして、車両の衝突時に、上記制御ユニット11から出力される制御信号に応じ、アクチュエータ16が作動してロックレバー15が下方の待機位置から上方の押動位置に揺動変位することにより、図3に示すように、上記クランプ13がクランプ14側に押動され、この両クランプ13,14によりシートベルト1が挟持されるようになっている。また、衝突時に乗員の体からシートベルト1に入力される引出力に応じ、上記ロードリミッタ2からシートベルト1が引き出されると、これに伴って上記クランプ13,14がロードリミッタ2のケーシングに沿って上昇し、上記ストッパ17に当接した時点で上記クランプ13,14の上昇が阻止されることになる。
【0018】
上記ストッパ17は、ロードリミッタ2のケーシングに沿って上下方向にスライド自在に支持されるとともに、ねじ軸18と、このねじ軸18を回転駆動するサーボモータ19とからなる調節手段20によってねじ送りされるように構成されている。そして、上記制御ユニット11から出力される制御信号に応じて調節手段20が作動して上記ストッパ17がねじ送りされることにより、上記クランプ13,14の上昇阻止位置が5段階に変化するようになっている。
【0019】
また、上記ストッパ17による両クランプ13,14の上昇阻止位置が変化するのに応じ、クランプ13に係合された上記ロックレバー15の揺動範囲が変化し、これに伴って上記クランプ13,14によって挟持力が調節される。すなわち、上記クランプ13,14の上昇阻止位置が上方に移動するのに伴い、上記ロックレバー15が水平状態に近付くように揺動変位してクランプ13に対する押圧力が上昇するため、上記クランプ13,14によるシートベルト1の挟持力が大きくなってシートベルト1の引き出しを規制するロードリミッタ2の規制値が増大することになる。
【0020】
上記クランプ13,14による挟持力以上の引出力、つまりストッパ17の位置に応じて調節された規制値以上の引出力がシートベルト1に作用すると、上記規制部材12が圧縮されて塑性変形することにより、この規制部材12の径変化に対応した量だけシートベルト1がロードリミッタ2から引き出されるとともに、上記規制部材12が塑性変形することによっても衝突エネルギーが吸収されるようになっている。
【0021】
また、上記クランプ13,14の下方に配設されたクランプ21,22は、ロードリミッタ2からシートベルト1が引き出されるのを禁止する必要が生じた場合、例えば車両の横転時等に、制御ユニット11からの制御信号に応じて作動する図外のアクチュエータによって駆動され、上記シートベルト1を挟持することにより、シートベル1の引き出しを禁止してロードリミッタ2を作動停止状態とするように構成されている。
【0022】
上記車速センサ3は、車両に搭載されたトランスミッションの出力軸の回転速度に対応した車速Vを検出する磁気抵抗素子(MRE)センサ等からなり、また上記角度センサ5は、リクライニング機構によって傾動自在に支持されたシートバック4の水平面に対する起立角度θを検出するポテンショメータ等からなり、上記制御ユニット11に検出信号を出力するように構成されている。
【0023】
上記位置センサ7は、シートスライダ6に沿って車体の前後方向にスライド変位するシートボトム9の位置を検出するポテンショメータ等からなり、シートボトム9の現在位置から最後端位置までの距離Dを検出するように構成されている。さらに上記体重センサ10は、シートボトム9内に設置された圧力センサ等からなり、シート8に着座した乗員の体重を検出してこの検出信号を上記制御ユニット11に出力するように構成されている。
【0024】
制御ユニット11は、上記車速センサ3、角度センサ5および位置センサ7によって検出された車両状態と、上記体重センサ10によって検出された乗員の状態とに応じ、上記ロードリミッタ2の規制値を調節する制御信号を上記調節手段20に出力するように構成されている。例えば、車速センサ3によって検出された車速Vが速い程、上記ストッパ17の設置位置を上方に移動させる制御信号を出力することにより、シートベルト1の引き出しを規制するロードリミッタ2の規制値が大きな値に調節されるようになっている。
【0025】
また、上記ロードリミッタ2の規制値は、角度センサ5によって検出されたシートバッ4の起立角度θが大きい程、大きな値に調節されるように構成されている。さらに、上記位置センサ7によって検出されたシートボトム9のスライダ位置が車体の前方側に位置している程、つまりシートスライダ6の現在位置から最後端位置までの距離Dが大きい程、シートベルト1の引き出しを規制するロードリミッタ2の規制値が大きな値に調節され、かつ上記体重センサ10によって検出された乗員の体重が重い程、上記ストッパ17の設置位置を上方に移動させる制御信号が上記制御ユニット11から調節手段17に出力されることにより、ロードリミッタ2の規制値が大きな値に調節されるようになっている。
【0026】
上記制御ユニット11において実行される制御動作を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、ステップS1において、上記車速センサ3により検出された車速Vの検出値を入力するとともに、ステップS2において、上記角度センサ5により検出されたシートバック4の起立角度θの検出値を入力する。また、ステップS3において、上記位置センサ7により検出されたシートスライダ6の現在位置から最後端位置までの上記距離Dの検出値を入力する。
【0027】
次いで、ステップS4において、上記体重センサ10によって検出された体重Wの検出値を入力した後、ステップS5において、上記各検出値に基づいて上記ロードリミッタ2の規制値を設定するための判別値Rを算出する。つまり、上記車速Vの検出値に所定の係数kaを掛け合わせた値θ・kaと、上記起立角度θの検出値に所定の係数kbを掛け合わせた値V・kbと、上記距離Dの検出値に所定の係数kcを掛け合わせた値D・kcとを加算することにより、上記判別値R(=V・ka+θ・kb+D・kc)を求める。
【0028】
そして、ステップS6において、上記規制値を設定するための判別値Rが、予め設定された第1基準値R1未満であるか否かを判定し、YESと判定された場合には、ステップS7において、シートベルト1の引き出しを規制する上記ロードリミッタ2の規制値を最小値である第1レベルに設定する制御信号を上記調節手段17に出力する。
【0029】
また、上記ステップS6でNOと判定された場合には、ステップS8において、ロードリミッタ2の規制値を設定するための判別値Rが、上記第1基準値R1よりも大きな値に設定された第2基準値R2未満であるか否かを判定し、YESと判定された場合には、ステップS9において、上記ロードリミッタ2の規制値を、第1レベルよりも所定量だけ大きい第2レベルに設定する制御信号を上記調節手段17に出力する。
【0030】
また、上記ステップS8でNOと判定された場合には、ステップS10において、上記判別値Rが、上記第2基準値R2よりも大きな値に設定された第3基準値R3未満であるか否かを判定し、YESと判定された場合には、ステップS11において、シートベルト1の引き出しを規制する上記ロードリミッタ2の規制値を、第2レベルよりも所定量だけ大きい第3レベルに設定する制御信号を上記調節手段17に出力する。
【0031】
また、上記ステップS10でNOと判定された場合には、ステップS12において、上記判別値Rが、上記第3基準値R3よりも大きな値に設定された第4基準値R4未満であるか否かを判定し、YESと判定された場合には、ステップS13において、上記ロードリミッタ2の規制値を、第3レベルよりも所定量だけ大きい第4レベルに設定する制御信号を上記調節手段17に出力する。また、上記ステップS12でNOと判定され、上記判別値Rが、上記第4基準値R4よりも大きいことが確認された場合には、ステップS14において、上記ロードリミッタ2の規制値を第4レベルよりも高い第5レベルに設定する制御信号を上記調節手段17に出力する。
【0032】
このように乗員を保持するシートベルト1と、車両の衝突時にシートベルト1に規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルト1が引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するロードリミッタ2とを備えた車両用乗員保護装置において、車両状態を検出する上記車速センサ3、シートバックセンサ5および位置センサ7等からなる車両状態検出手段と、この車両状態検出手段によって検出された車両状態に応じて上記ロードリミッタ2の規制値を調節する調節手段17とを設けたため、上記車両状態に応じてロードリミッタ2の規制値を調節することにより、上記シートベルト1によって乗員の姿勢を適正に保持しつつ、衝突時にシートベルト1から乗員に作用する衝撃エネルギーを上記ロードリミッタ2によって効果的に吸収することができる。
【0033】
すなわち、上記車速センサ3からなる車両状態検出手段によって検出された車速Vの値が大きい程、ロードリミッタ2の規制値を大きくするように調節することにより、高車速の走行状態にあるために大きな慣性力を受けて車体の前方側に移動しようとする乗員の体を、上記シートベルト1により強固に保持してその姿勢を安定させることができるとともに、上記シートベルト1がロードリミッタ2から過度に引き出されて上記規制部材12が最大限に圧縮変形する、いわゆる底付き現象の発生を効果的に抑制することができる。
【0034】
しかも、上記のように車速センサ3によって検出された車速Vに対応した値にロードリミッタ2の規制値が調節されることにより、衝突時に作用する衝撃荷重に対応した摩擦抵抗が、上記シートベルト1とロードリミッタ2との間に付与されるため、これによって上記衝突エネルギーが効果的に吸収され、高車速の走行状態で衝突事故が発生した場合に上記シートベルト1から乗員に与えられる衝撃を軽減することができる。
【0035】
また、上記実施形態に示すように角度センサ5によって検出されたシートバック4の起立角度θが大きい程、ロードリミッタ2の規制値を大きくするように調節した場合には、上半身が起立した状態でシート8に着座することによって乗員の頭部Aが車体の前方側に位置していると考えられる状態で、上記乗員の頭部Aがさらに車体の前方側に移動しようとするのを上記シートベルト1によって効果的に抑制することができるため、乗員を適正に保護することができる。
【0036】
さらに、上記位置センサ7によって検出されたシートスライダ6のスライド位置に応じ、このシートスライダ6が前方に位置している程、ロードリミッタ2の規制値を大きくするように調節するように構成した場合には、シート8に着座した乗員が、上記シートスライダ6の位置に対応して車体の前方側に位置していると考えられる状態で、上記乗員がさらに車体の前方側に移動しようとするのを上記シートベルト1によって効果的に規制することができるため、乗員を適正に保護することができる。
【0037】
また、上記のように乗員の体重Wを検出する体重センサ10からなる乗員状態検出手段によって検出された乗員の状態に応じ、シートベルト1の引き出しを規制する上記ロードリミッタ2の規制値を調節するように構成した場合には、このシートベルト1によって乗員を適正に保持しつつ、衝突時に乗員が受ける衝撃を上記ロードリミッタ2によって効果的に低減することができる。
【0038】
すなわち、上記乗員の体重Wが重い場合には、体重Wが軽い場合に比べて車両の衝突時に乗員に大きな慣性力が作用するため、上記体重センサ10によって検出された体重Wが重い程、ロードリミッタ2の規制値を大きくするように調節することにより、上記慣性力に応じて乗員の体が車体の前方側に移動するのを上記シートベルト1により効果的に抑制して乗員を適正に保護することができるとともに、上記ロードリミッタ2によって衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収して乗員が受ける衝撃を軽減することができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、車速センサ3等からなる車両状態検出手段によって検出された車両状態および体重センサ10からなる乗員状態検出手段によって検出された乗員の状態に応じ、上記ロードリミッタ2の規制値をそれぞれ調節するように構成しているが、上記車両状態もしくは乗員の状態のいずれか一方に基づいてロードリミッタ2の規制値を調節するように構成してもよい。また、上記ロードリミッタ2の規制値は、上記5段階に限られず、任意の段階に調節可能であり、さらにロードリミッタ2の規制値を設定するための上記判別値Rに基づいて上記ロードリミッタ2の規制値をリニアに調節するように構成してもよい。
【0040】
また、本発明は、図1に示すように、シート8に着座した乗員の頭部Aと、その前方側に位置するステアリングホイールBまたはインストルメントパネル等からなる車体側部材との間の距離Daを検出する赤外線距離センサまたはCCDセンサ等からなる頭部位置検出手段23を設け、この頭部位置検出手段23によって検出された乗員の頭部位置が車体の前方側に位置している程、つまり乗員の頭部Aと、その前方側に位置するステアリングホイールB等の車体側部材との間の距離Daが小さい程、ロードリミッタ2の規制値を大きな値に調節する等の制御を実行するように構成している
【0041】
上記のように頭部位置検出手段23によって直接的に検出された乗員の頭部位置に応じ、上記ロードリミッタ2の規制値を調節するように構成した場合には、衝突時に作用する衝撃荷重によって乗員の頭部Aが車体側部材に当接することがないように、上記シートベルト1による乗員の保持力を正確に調節することができる。なお、上記頭部位置検出手段23の検出値に対応した規制値の調節制御を実行する際に、上記体重センサ10等からなる乗員状態検出手段の検出値に対応した規制値の調節制御とを同時に行うように構成することが望ましい。
【0042】
また、シートベルト1の引き出しを規制する上記ロードリミッタ2の規制値を調節する調節手段20の具体的構成は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記ロックレバー15の揺動範囲を制限する制限位置が種々の位置に設定された複数のストッパ17を、図2の紙面と直交する方向に配列し、これらのストッパ17の内の一つを選択的に上記クランプ13,14に係合させることにより、上記ロックレバー15の揺動制限位置を変化させて上記シートベルト1の引き出しを規制するロードリミッタ2の規制値を調節するように構成してもよい。
【0043】
また、図2の紙面と直交する方向に分割された複数個のクランプ13,14を配列するとともに、各クランプ13を個別に駆動する複数個のストッパ17を設け、上記車両状態検出手段および乗員状態検出手段の検出信号に応じ、シートベルト1を挟持するクランプ13,14の個数を変化させることによって上記ロードリミッタ2の規制値を調節するように構成してもよい。
【0044】
さらに、図5に示すように、クランプ13の側壁部に設けられたねじ部24と、このねじ部24に螺着されたねじ軸25と、このねじ軸25を回転駆動するサーボモータ26とからなる調節手段27を設け、上記制御ユニット11から出力される制御信号に応じ、上記サーボモータ26を作動させてねじ軸25を回転させることにより、クランプ13のねじ送りして上記クランプ13,14によるシートベルト1の挟持圧からなるロードリミッタ2の規制値を直接的に調節するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明は、乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、車速を検出する車両状態検出手段と、この車両状態検出手段によって検出された車速が早い程、ロードリミッタの規制値を大きくするように調節する調節手段とを設けたため、車両状態検出手段の検出信号に応じて車両が高車速の走行状態にあることが確認された場合には、低車速の走行状態にある場合に比べて上記ロードリミッタの規制値を大きくするように調節することにより、高車速の走行状態で車両の衝突事故が発生したときに作用する大きな慣性力に応じ、車体の前方側に移動しようとする乗員の体をシートベルトによって適正に保持しつつ、上記ロードリミッタによって乗員が受ける衝撃を効果的に軽減することができる。
【0046】
また、請求項2に係る発明は、乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、シートに着座した乗員の頭部位置を検出する頭部位置検出手段と、この頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部位置に応じて上記ロードリミッタの規制値を調節する調節手段とを設けたため、上記頭部位置検出手段の検出値に応じ、衝突時に作用する衝撃荷重によって乗員の頭部が車体側部材に当接することがないように、上記シートベルトによる乗員の保持力を正確に調節することができるとともに、上記ロードリミッタによって衝突エネルギーを効果的に吸収して乗員が受ける衝撃を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用乗員保護装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】 ロードリミッタの具体的構成を示す説明図である。
【図3】 ロードリミッタの作動状態を示す説明図である。
【図4】 上記車両用乗員保護装置に設けられた制御ユニットよる制御動作を示すフローチャートである。
【図5】 ロードリミッタの別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シートベルト
2 ロードリミッタ
3 車速センサ(車両状態検出手段)
4 シートバック
5 角度センサ(車両状態検出手段)
7 位置センサ(車両状態検出手段)
8 シート
9 シートボトム
10 体重センサ(乗員状態検出手段)
20,27 調節手段
23 頭部位置検出手段

Claims (4)

  1. 乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、車速を検出する車両状態検出手段と、この車両状態検出手段によって検出された車速が早い程、ロードリミッタの規制値を大きくするように調節する調節手段とを設けたことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 乗員を保持するシートベルトと、車両の衝突時にシートベルトに規制値以上の引出力が作用した場合にシートベルトが引き出されるのを許容しつつ衝突エネルギーを吸収するように構成されたロードリミッタとを備えた車両用乗員保護装置において、シートに着座した乗員の頭部位置を検出する頭部位置検出手段と、この頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部位置に応じて上記ロードリミッタの規制値を調節する調節手段とを設けたことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  3. 上記頭部位置検出手段は、乗員の頭部と、その前方に位置するステアリングホイールとの間の距離を検出するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
  4. 上記調節手段は、頭部位置検出手段によって検出された乗員の頭部の位置が車体の前方側に位置している程、ロードリミッタの規制値を大きな値に設定するように構成されたことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用乗員保護装置。
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