JP3713902B2

JP3713902B2 - 床暖房装置の上敷式木質暖房マット

Info

Publication number: JP3713902B2
Application number: JP15471897A
Authority: JP
Inventors: 多加志佐々木; 滋子飯島; 浩一松尾; 信一郎柳田; 浩敏佐藤; 達菅原; 秀和村田
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 1997-06-12
Filing date: 1997-06-12
Publication date: 2005-11-09
Anticipated expiration: 2017-06-12
Also published as: JPH112418A; KR19990006303A; CN1202601A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水が温水パイプに供給されて床暖房を行う床暖房装置に関し、詳しくは、床暖房装置に使用される上敷式木質暖房マットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、室内を床面から暖房する暖房装置として、一戸建て住宅にあっては、大引とフローリング等の床板との間、或いは、大引の上に敷いた下地合板の上などに床暖房放熱器としての床暖房パネルを組み込み、一方、マンション等の集合住宅にあっては、コンクリートスラブ床面の上に直接、或いは、コンクリートスラブ床面の上に敷いた地下合板の上などに床暖房放熱器としての床暖房パネルを組み込み、この床暖房パネルに熱源機より暖房用温水を循環供給して床面を暖め、室内を暖房する床暖房装置が知られている。
【０００３】
また、上記した床暖房装置の放熱器としては、例えば、特開平７−１５８８７１号公報に開示されているように、基体となる木質板状体の上表面に溝を設け、この溝を含む木質板状体の表面側をアルミ箔等の均熱シートで覆うとともに、溝内に温水パイプを収容してそれらの表面をフローリング等の表面材で覆う構造のものが知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、係る構造の床暖房装置は、施工のための床工事が大がかりとなるため、一般的に一戸建て住宅や集合住宅の新築工事の際に施工されるものであり、既築住宅の床に新たに設置するには大改造となって費用も高額となった。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、室床の基調を損なうことなく、既築住宅のフローリング等の床上に敷設して使用できる安価で、かつ、簡易施工型の床暖房装置の上敷式木質暖房マットを提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項１に記載の本発明では、可撓性の裏面材により、複数の木質片を巻き畳み可能に連結して成る連結床材に温水パイプを埋設して構成された床暖房装置の上敷式木質暖房マットにおいて、前記裏面材が接着される前記木質片の裏面側に、その裏面側を開放した凹溝を形成し、この凹溝内に前記温水パイプを埋設すると共に、この温水パイプが埋設された凹溝を前記裏面材で覆って連結床材を構成し、前記連結床材は、それの板目方向の両端に、外側に向けてテーパ加工された縦縁材が前記裏面材を介して結合されており、その裏面材を下側にして床上に敷設する構成としたことを特徴とするものである。
【０００７】
また、請求項２に記載の本発明では、前記縦縁材は、前記裏面材を切断することにより取り外し可能となるよう前記温水パイプを埋設しない構造であることを特徴とするものである。
【０００８】
また、請求項３に記載の本発明では、前記連結床材の板目方向と直交する両端に、外側に向けてテーパ加工された横縁材が結合されることを特徴とするものである。
【０００９】
さらに、請求項４に記載の本発明では、前記連結床材と前記横縁材が凹凸嵌合によるさね継ぎ構造で結合されることを特徴とするものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は温水式床暖房装置に使用される本発明の上敷式木質暖房マット（以下、木質暖房マットと呼ぶ）の平面図である。
【００１１】
この木質暖房マットは、例えば、板厚１２ｍｍ、幅７５ｍｍ、長さ２４００ｍｍの縦長の木質片２を横方向に複数枚連結して定型サイズの連結床材１を構成し、この連結床材１の裏側全面に温水パイプ９（図１中、破線部分）を埋設して成るものである。前記木質片２は長さが約１００〜８００ｍｍの無垢の木板を長手方向に接合一体化させたものである。尚、この温水パイプ９には、図示しない熱源機からの温水が供給されて木質暖房マット全体に循環される。
【００１２】
また、前記連結床材１の板目方向（縦方向）の両端に外側に向けてテーパ加工された縦縁材３、３が取り付けられている。
【００１３】
図２は図１に示す前記木質暖房マットの内部構成を示すＡ−Ａ断面図である。図２によれば、前記複数枚の木質片２、およびその両端の縦縁材３の長手方向側面が凹凸加工されており、これら木質片２同士、および木質片２と縦縁材３が互いに凹凸嵌合（さね継ぎ）されていると共に、この連結床材１の裏面側に均熱用のアルミシート４と不織布５を接着して構成した可撓性を有する裏面材６が接着されて各木質片２および縦縁材４が連結させられている。
【００１４】
また、図示のように、各木質片２の裏面に凹溝７が形成されており、この凹溝７に架橋ポリエチレン製の前記温水パイプ９が埋設される構造である。したがって、木質暖房マットは複数枚の細長い板片のさね継ぎ構造と、このさね継ぎされた木質片２を各々繋止する可撓性のある裏面材６による連結構造によって巻き畳みが可能となる。尚、図７は本木質暖房マットの梱包時或いは収納時の巻き畳み状態を示すもので、１０は付属の横縁材、１１はコーナ材である。
【００１５】
ところで、前記縦縁材３は外側に向けてテーパ加工された形状であり、このテーパ部８によって床面と敷設された木質暖房マットとの段差（約１２ｍｍ）が解消できるため、縦縁材３を取り付けることで、木質暖房マットを敷設した場合の仕上がりを美しくでき、しかも、段差に足を取られるといった心配も無くなる。また、この縦縁材３部分には温水パイプ９が埋設されない構造であるため、連結床材１から簡単に分離することができる（温水パイプ９が埋設されていると分離困難）。すなわち、既述したように、この縦縁材３とこれに隣接する木質片２とは対向側面のさね継ぎとその裏面に接着された裏面材６（アルミシート４および不織布５）による結合構造であるため、カッターなどを用いて連結床材１の裏面側よりさね継ぎ部分に沿って裏面材６を切断することによって縦縁材３を簡単に切り離すことができる（図３参照）。裏面材６を構成するアルミシート４および不織布５は共に極薄であるため、カッターにて容易に切断できるものである。このように、施工者がカッター１個で簡単に縦縁材３を除去できれば、新たに木質暖房マットを拡張（増設）したり、あるいは図４に示すように適宜サイズのダミー材１４（ダミーマット）を組み合わせて床全体に敷設して室内全体を統一基調のフローリング仕上げにすることも極めて容易に行えるものである。勿論、前記拡張用の木質暖房マットやダミー材１４の結合も本体と同様に凹凸嵌合によるさね継ぎ構造である。
【００１６】
図５（ａ）は、前記連結床材１の板目と直行する両端に、外側に向けてテーパ加工された横縁材１０、１０が結合されている状態を示している。この横縁材１０は図５（ｂ）のＢ−Ｂ断面図に示すように、前記縦縁材３の場合と同様に木質片２（短辺側）との凹凸嵌合によりさね継ぎされる構造であって、四隅に配置されたテーパ付きコーナー材１１と共に木質暖房マットの施工時に取り付けられる構造である（図６参照）。なお、１２は往き・戻り温水配管１３が接続された温水接続口で、この温水配管１３の他端が室内の壁などに付設された温水コンセント（図示せず）を介して屋外に設置された熱源機に配管・接続されている。
【００１７】
このように、連結床材１の横方向、すなわち、木質片２の連結方向に凹凸嵌合によって横縁材１０を結合することで連結床材１全体の水平性が改善され、且つ、暖房熱などによる木質片３の反りや撓を抑制することができ、床面との間に隙間を生じない安定した敷設が実現できる。
【００１８】
勿論、この横縁材１０は前記した縦縁材３と同様にテーパ加工されているから床面との段差が解消されると共に、施工後の仕上がりを美しくできる。
【００１９】
尚、上記した縦縁材３、横縁材１０およびコーナー材１１はそれぞれ図７に示す固定金具１５、１５によって互いにビス固定される。
【００２０】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に記載の本発明によれば、連結床材の板目方向の両端に外側に向けてテーパ加工された縦縁材を結合した構成としたので、木質暖房マットの施工の際の床面と木質暖房マットとの段差が解消できるため仕上がりを美しくでき、しかも、段部に足を取られるといった不都合も防止できる。
【００２１】
また、請求項２に記載の本発明によれば、縦縁材には温水パイプを埋設させない構造であるから、カッターなどで裏面材を切断することにより縦縁材は容易に取り外せるようになる。従って、木質暖房マットの拡張（増設）やダミー材の敷き詰め施工によるフローリング仕上げが容易に行える。
【００２２】
また、請求項３および請求項４に記載の本発明では、前記連結床材の板目と直行する両端に横縁材を結合する構成としたので、この横縁材の取り付けによって連結床材全体の水平性が改善され、暖房熱等による木質片の反りや撓を抑制することができる。特に、連結床材と横縁材の結合が凹凸嵌合によるさね継ぎ構造であるため結合は容易で、且つ、連結床材の水平性はより確実に確保されることから、床面との間に隙間などが生じない安定した敷設が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】温水式床暖房装置に使用される本発明の木質暖房マットの平面図である。
【図２】同、木質暖房マットの内部構造を示す断面図である。
【図３】木質暖房マットの縦縁材を取り外した状態を示す図である。
【図４】木質暖房マットの周辺にダミー材を敷き詰めた状態を示す図である。
【図５】横縁材が結合された状態の木質暖房マットを示し、（ａ）は平面図、（ｂ）はその断面図である。
【図６】横縁材およびコーナー材の取り付けを示す図である。
【図７】巻き畳みされた木質暖房マットの外観図である。
【符号の説明】
１連結床材
２木質片
３縦縁材
６裏面材
９温水パイプ
１０横縁材

Claims

可撓性の裏面材により、複数の木質片を巻き畳み可能に連結して成る連結床材に温水パイプを埋設して構成された床暖房装置の上敷式木質暖房マットにおいて、
前記裏面材が接着される前記木質片の裏面側に、その裏面側を開放した凹溝を形成し、この凹溝内に前記温水パイプを埋設すると共に、この温水パイプが埋設された凹溝を前記裏面材で覆って連結床材を構成し、
前記連結床材は、それの板目方向の両端に、外側に向けてテーパ加工された縦縁材が前記裏面材を介して結合されており、その裏面材を下側にして床上に敷設する構成としたことを特徴とする床暖房装置の上敷式木質暖房マット。
前記縦縁材は、前記裏面材を切断することにより取り外し可能となるよう前記温水パイプを埋設しない構造であることを特徴とする請求項１に記載の床暖房装置の上敷式木質暖房マット。
前記連結床材の板目方向と直交する両端に、外側に向けてテーパ加工された横縁材が結合されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の床暖房装置の上敷式木質暖房マット。
前記連結床材と前記横縁材が凹凸嵌合によるさね継ぎ構造で結合されることを特徴とする請求項３に記載の床暖房装置の上敷式木質暖房マット。