JP3713818B2 - 像ブレ補正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等における手ブレ等による像ブレを補正する像ブレ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−67246号公報には、ブレ補正レンズと、固定枠と、保持枠と、レンズ鏡筒とが開示されている。
固定枠は、ブレ補正レンズを保持しており、保持枠に対して水平方向(以下、X方向という)に移動するテーブルである。固定枠は、この固定枠に設けられた軸受けを介して、保持枠に設けられた第1のスライド軸上をX方向にスライドする。
保持枠は、固定枠とともに、鏡筒に対して垂直方向(以下、Y方向という)に移動するテーブルである。この保持枠は、Y方向に配置された第2のスライド軸を備えている。この第2のスライド軸は、レンズ鏡筒に固定されたハウジングにスライド可能に支持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような像ブレ補正装置は、例えば、以下の手順により、光軸に対して垂直方向の任意の位置(XY座標上)に、ブレ補正レンズを位置づけていた。すなわち、まず保持枠と固定枠とが一体となって、鏡筒に対してY方向に移動し、そののちに、固定枠が保持枠に対してX方向に移動していた。
固定枠と保持枠とを駆動するための構成部材は、それぞれ相違するために、これらを共通の駆動源により駆動をしたときには、X方向とY方向の移動量、移動速度等は、それぞれを個別に制御する必要が生じていた。
また、例えば、固定枠を駆動するための構成部材が、保持枠を駆動するための構成部材よりも少ないときには、固定枠を駆動するための駆動源は、装置全体において一種のオーバースペックとなっていた。
【0004】
本発明の課題は、XY方向を同一条件で駆動可能とすることができる像ブレ補正装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施の形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
すなわち、請求項1の発明は、像ブレを補正するブレ補正レンズ(5)と、前記ブレ補正レンズを保持するレンズ枠体(6)と、前記ブレを検出するブレ検出装置と、主光学系の光軸(I)に略垂直な平面上において、前記レンズ枠体を第1の方向(BY)に駆動する第1の駆動力発生装置(40)と、前記平面上において、前記第1の方向と略直交する第2の方向(BX)に、前記レンズ枠体を駆動する第2の駆動力発生装置(41)と、前記検出されたブレに基づいて前記像ブレを補正するように前記第1の駆動力発生装置と前記第2の駆動力発生装置を制御する制御装置と、前記平面上において、前記第1及び前記第2の方向と略45°方向の第3のガイド方向(C)に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするとともに、前記第3のガイド方向と略直交する第4のガイド方向(D)に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするガイド部材(9)とを有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
まず、本実施形態に係る像ブレ補正装置が使用される一眼レフカメラについて説明し、この像ブレ補正装置の概要を説明する。
図8は、第1実施形態に係る像ブレ補正装置が使用される一眼レフカメラを示す概略断面図である。
【0007】
レンズ鏡筒2は、カメラボディ1に装着されている。このレンズ鏡筒2は、第1のレンズ群3と、光軸Iと同一方向(図中A方向)に移動することによって結像面1aに被写体の像を結ぶために焦点調整をする第2のレンズ群4と、光軸Iに対して垂直な方向(図中B方向及び紙面に垂直な方向)に駆動することによって、像ブレを補正する第3のレンズ群5(以下、ブレ補正レンズという)とからなる撮影レンズ系を備えている。
【0008】
図9は、第1実施形態に係る像ブレ補正装置のブロック図である。
角速度センサー31,34は、カメラボディ1及びレンズ鏡筒2の水平方向及び垂直方向の振動を検出するためのものであり、その出力は、それぞれフィルター32,35を通りアンプ33,36で増幅され、CPU37に入力される。
CPU37は、入力された信号を内蔵されたA/Dコンバータ37aによりA/D変換したのちに、所定の処理を行い、ブレ補正制御信号を生成する。CPU37の出力は、D/Aコンバータ38によりD/A変換されたのちに、ドライバー39を通り、ボイスコイルモータ(VCM)40,41に入力される。
【0009】
ボイスコイルモータ(VCM)40,41は、ブレ補正レンズ5を駆動するためのモータであり、その構造は、図1及び図2によって後述する。
位置センサー42,43は、ブレ補正レンズ5の位置を検出するためのものであり、この検出信号は、A/Dコンバータ44でA/D変換され、CPU37にフィードバックされる。
【0010】
カメラボディ1は、種々の制御をつかさどるCPU45と、電源電池46と、メインスイッチ(電源スイッチ)MSと、レリーズボタンの半押しでONする半押しスイッチS1と、レリーズボタンの全押しでONする全押しスイッチS2とを備えている。
CPU45は、CPU37と通信を行い、情報を伝達する。
【0011】
つぎに、ブレ補正レンズ5を駆動するための駆動機構を説明する。
図1は、本発明による像ブレ補正装置を示す断面図であり、図2は、図1のII−IIA線で切断した断面図であり、図3は、図1の III− III線で切断した断面図である。なお、図2において、図1のII−IIB線で切断した断面図における部材の番号は、図2においてかっこを付して示してある。
【0012】
レンズ枠6は、ブレ補正レンズ5を保持するための枠であり、図1に示すように、その外周にバネ掛け部6a,6b,6cと、フック部6d,6eとが形成されている。また、このレンズ枠6には、図2に示すように、ボイスコイルモータ40,41のコイル12,16と、図4に示すように、スリット部材24,25が取り付けられている。
さらに、レンズ枠6には、図2及び図3に示すように、このレンズ枠6の鋼球50,55,60側に鋼球受け部材51,56,61が形成されている。
【0013】
鋼球受け部材51,56,61は、鋼球50,55,60と接触しており、レンズ枠6が、光軸Iと直交する方向に移動するときに、このレンズ枠6の移動をガイドするための部材である。
鋼球受け部材51,56,61は、鋼球50,55,60よりも硬度の高い金属からなる。鋼球受け部材51,56,61の表面は、後述する鋼球組み込み部7a,7b,7cの端面72a,72b,72cと面接触するように、平面状に形成することが好ましい。
【0014】
鋼球50,55,60は、レンズ枠6の移動を円滑に行うための部材であり、それぞれ図1に示すような位置関係で配置することが好ましい。図1に示すように、鋼球50,55,60は、光軸Iから垂直に距離Rの位置に配置されている。鋼球50は、光軸IからBY方向の軸線(以下、BY方向軸という)に対してθの角度位置に配置されている。鋼球55と鋼球60とは、鋼球50の位置からそれぞれ120度の角度位置に振り分けられている。
【0015】
図1に示すような状態において、ボイスコイルモータ40によりブレ補正レンズを駆動すると、ボイスコイルモータ40の推力PYは、図1に示すようにBY方向軸に沿って下方に生ずる。そして、摩擦力Fは、鋼球50,55,60と鋼球受け部材51,56,61との接触部において生ずる。
ここで、鋼球50,60の接触部における摩擦力Fによる反時計方向のモーメントと、鋼球55の接触部における摩擦力Fによる時計方向のモーメントとは、BY方向軸とBX方向の軸線(以下、BX方向軸という)との交点回りにおいて、以下の関係式が成立する。
【0016】
F・Rsinθ+F・Rsin(180−120−θ)
=F・Rsin(120−θ)
sinθ+sin(60−θ)=sin(120−θ)
上記関係式は、θ=0から180度を代入しても成立し、反時計方向のモーメントと時計方向のモーメントとは釣り合う。
以上より、ブレ補正レンズ5は、ボイスコイルモータ40により駆動されても、BY方向軸とBX方向軸との交点回りにおいて回転することはない。したがって、モーメントにより生じるこじりによる負荷は、レンズ枠6のフック部6d,6eと後述するガイド軸9との間に生じることはない。
【0017】
バネ64,65,66は、レンズ枠6を鋼球50,55,60へ向けて付勢するための付勢部材である。バネ64,65,66は、それぞれ一端がバネ掛け部6a,6b,6cに取り付けられている。
本発明の実施形態では、3つのバネ64,65,66に生ずる付勢力の合計は、ブレ補正レンズ5と一体となって移動する部材全部の重量、すなわち、ブレ補正レンズ5、レンズ枠6、コイル12,16、鋼球受け部材51,56,61、スリット24,25の全重量(以下、Wという)に対して、1.5から5倍の1.5Wから5Wとすることが好ましい。
【0018】
ベース部材7は、後述する鋼球組み込み部7a,7b,7c、軸11などを取り付けるための部材である。ベース部材7には、図2及び図3に示すように、バネ掛け部7d,7e,7fが取り付けられている。バネ64,65,66は、それぞれ他端が、バネ掛け部7d,7e,7fに取り付けられている。
また、ベース部材7には、図2及び図4に示すように、ボイスコイルモータ40,41のヨーク15,19と、位置センサー42,43の受光素子(PSD)21,23とが取り付けられている。
【0019】
蓋部材8は、ブレ補正レンズ5を駆動するボイスコイルモータ40,41などからなる駆動機構を保護するために設けられた部材である。蓋部材8は、ベース部材7の縁部に形成されたフランジ部76に取り付けられている。
蓋部材8の内面には、図2及び図4に示すように、ボイスコイルモータ40,41のヨーク13,17と、位置センサー42,43の発光素子(LED)20,22とが取り付けられている。また、蓋部材8の内面には、図2及び図3に示すように、レンズ枠受け部8a,8b,8cが取り付けられている。
【0020】
レンズ枠受け部8a,8b,8cは、図2及び図3において左方向にレンズ枠6が移動したときに、このレンズ枠6を受け止めるとともに、レンズ枠6の移動距離を所定範囲内に規制するための部材である。
レンズ枠受け部8a,8b,8cの表面は、レンズ枠6と面接触するように、平面状に形成することが好ましい。また、レンズ枠受け部8a,8b,8cとレンズ枠6との距離は、鋼球受け部材51,56,61と端面72a,72b,72cとが相対的に離間したときに、鋼球50,55,60が鋼球収納部71a,71b,71cから脱落しない程度の大きさとすることが好ましい。
【0021】
ガイド軸9は、レンズ枠6が光軸Iと直交する方向に移動するときに、このレンズ枠6をガイドするための部材である。ガイド軸9は、図1において示すBX方向及びBY方向のいずれの方向とも、直角以外の角度で交差する方向(図中C方向)に配置されている。ガイド軸9には、フック部6d,6eが摺動自在に係合している。
【0022】
ガイドアーム10は、ガイド軸9のガイド方向(図中C方向)に対して、レンズ枠6を垂直に移動するための部材である。ガイドアーム10は、両端部に屈曲部10a,10bが形成されており、この屈曲部10a,10bにガイド軸9を回転自在に支持している。
ガイドアーム10は、図3に示すように、そのベース部材7側が軸11に対して、図中矢印方向に回転自在に支持されている。このガイドアーム10が回転することで、レンズ枠6は、ガイド軸9のガイド方向(図中C方向)と交差する方向(図中D方向)に移動することができる。
【0023】
ボイスコイルモータ40,41は、図1に示すように、レンズ枠6にそれぞれBY方向とBX方向の力を与えることによって、このレンズ枠6を駆動するためのものである。ボイスコイルモータ40,41は、レンズ枠6に与える力の方向が異なる以外は同一構造であり、以下ではボイスコイルモータ40についてのみ図2にしたがって説明する。
【0024】
ボイスコイルモータ40は、コイル12と、ヨーク13と、永久磁石14と、ヨーク15とから構成されている。永久磁石14とヨーク15とは、それぞれが互いに固定された状態にある。コイル12は、ヨーク13と永久磁石14との間に配置されている。ヨーク13と永久磁石14との間には磁界が形成されており、コイル12に電流を流すと、ブレ補正レンズ5は、BY方向の力を受けて駆動する。なお、コイル12に流す電流を逆方向にすると、ブレ補正レンズ5は、逆方向の力を受けて駆動する。
【0025】
位置センサー42,43は、それぞれブレ補正レンズ5のBY方向とBX方向の位置を検出するためのものである。以下では位置センサー42のみについて、図4にしたがって説明する。
図4は、図1のIV−IV線で切断した断面図である。なお、図1のV−V線で切断した断面図における部材の図番は、図4においてかっこを付して示す。
【0026】
位置センサー42は、スリット24aと、発光素子20と、受光素子21とから構成されている。スリット24aは、レンズ枠6に固定されたスリット部材24に形成されている。スリット24aは、発光素子20と受光素子21との間に配置されている。
【0027】
受光素子20から出射された光は、スリット24aを通過し、受光素子21に達する。レンズ枠6に形成されたスリット24aが移動をすると、スリット24aを通過し受光素子21に達する光の位置も移動をする。光の位置の変化は、受光素子21の出力信号を変化させる。ブレ補正レンズ5のBY方向の位置は、この出力信号の変化に基づいて検出される。
【0028】
鋼球組み込み部7a,7b,7cは、鋼球50,55,60を保持するための部材であり、図3にしたがって、鋼球組み込み部7aのみを説明する。
鋼球組み込み部7aは、圧縮バネ収納部70aと、この圧縮バネ収納部70aに収納された鋼球受け部材52及びこの鋼球受け部材52を付勢する圧縮バネ53と、圧縮バネ収納部70a内に鋼球受け部材52及び圧縮バネ53を固定するためにビス54と、圧縮バネ収納部70aの底部から鋼球組み込み部7aの端面72aまで形成された鋼球収納部71aと、この鋼球収納部71aに収納された鋼球50とから構成されている。
【0029】
鋼球受け部材52は、この鋼球受け部材52と鋼球50とを接触した状態で受け止めるためのガイド部材であり、この鋼球50よりも硬度の高い金属からなる。鋼球受け部材52は、鋼球50と点接触するように、平面状に形成することが好ましい。
【0030】
圧縮バネ53は、鋼球受け部材52をレンズ枠6側へ向けて付勢するための部材である。本発明の実施形態では、3つの圧縮バネ53,58,63に生ずる付勢力の合計は、3つのバネ64,65,66の付勢力の合計に対して2倍以上とすることが好ましく、例えば、3つのバネ64,65,66の付勢力の合計が、1.5Wであるときには、3つの圧縮バネ53,58,63の付勢力の合計を3W以上とすることが好ましい。このように設定することで、ブレ補正レンズ5は、いかなる姿勢においても、図1から図4までに示す位置で支持される。
【0031】
鋼球収納部71aは、端面72aから僅かに突出した状態で鋼球50を収納するために設けられている。この鋼球収納部71aの内径は、圧縮バネ収納部70aの内径よりも小さく形成されているので、鋼球受け部材52は、圧縮バネ53により圧縮バネ収納部70a内から飛び出すことはない。
端面72aは、レンズ枠6が図中右方向に移動したときに、このレンズ枠6を受け止めるためのガイド部材である。端面72aは、鋼球受け部材51と面接触するように、平面状に形成することが好ましい。
【0032】
つぎに、本発明に係る像ブレ補正装置の第1実施形態の動作を説明する。
図1に示す状態において、ボイスコイルモータ40が、BY方向軸に沿って下方の推力PYをレンズ枠6に生じさせると、レンズ枠6は、推力PYによりガイド軸9上を右下がりにスライドしつつ移動する。
ガイドアーム10は、図3に示す矢印方向を反時計方向に、推力PYにより回転する。ガイド軸9は、ガイドアーム10の回動により、このガイド軸9の長手方向と直交する方向(図中D方向)に平行移動させられる。
【0033】
フック部6d,6eは、図3に示すように、ガイド軸9に対して、光軸I方向の僅かな移動のみを可能とするように係合している。ガイドアーム10が回動することで、ガイド軸9は、フック部6d,6eに対して相対的に光軸I方向に僅かに移動する。
しかし、レンズ枠6は、3つのバネ64,65,66により、鋼球50,55,60に向けて付勢されており、鋼球50,55,60は、光軸I方向への移動を規制している。
【0034】
図1に示す状態において、ボイスコイルモータ41が、BX方向軸に沿って左向きに推力PXをレンズ枠6に生じさせると、レンズ枠6は、推力PXによりガイド軸9上を左上がりにスライドしつつ移動する。また、ガイド軸9は、このガイド軸9の長手方向と直交する方向(図中D方向)に移動させられる。
レンズ枠6は、光軸Iに垂直な平面内の任意の位置に移動可能である。レンズ枠6は、フック部6d,6eによりガイド軸9に係合しているので、光軸I回りの回転が確実に規制されている。
【0035】
図2及び図3に示す状態において、図において右方向の衝撃による強い力(以下、衝撃力という)をレンズ枠6が受けたときには、このレンズ枠6は、右方向に移動を開始する。鋼球50,55,60は、鋼球受け部材51,56,61,52,57,62と点接触をしているので、この鋼球受け部材51,56,61,52,57,62は、鋼球50,55,60との点接触部において衝撃力を集中して受けることになる。
【0036】
ここで、鋼球受け部材51,56,61は、鋼球50,55,60と、鋼球受け部材51,56,61とを右方向に押し、圧縮バネ53,58,63を撓ませる。圧縮バネ53,58,63は、衝撃力を吸収するので、鋼球受け部材51,56,61,52,57,62は、鋼球50,55,60との接触部において衝撃力を受けることがなく、接触部においてくぼみ(圧痕)が形成されることがない。
【0037】
レンズ枠6が、設定値を越える衝撃力を受けたときには、端面72a,72b,72cが、鋼球受け部材51,56,61と面接触した状態でレンズ枠6を受け止めて、その移動を停止させる。
したがって、鋼球受け部材51,56,61と端面72a,72b,72cとは、その接触部においてくぼみ(圧痕)が形成されることがない。
なお、鋼球50,55,60は、鋼球受け部材51,56,61と鋼球受け部材52,57,62との間において、バネ64,65,66の付勢力により挟持されている。したがって、鋼球50,55,60は、レンズ枠6が図中右方向に移動しても、鋼球収納部71a,71b,71cから脱落しない。
【0038】
図2及び図3に示す状態において、図において左方向の衝撃力をレンズ枠6が受けたときには、このレンズ枠6は、バネ64,65,66の付勢力に抗して、左方向に移動を開始する。このとき鋼球受け部材51,56,61と鋼球受け部材52,57,62とは、互いに相対的に離間する方向に移動をする。
衝撃力が小さいときには、バネ64,65,66は、この衝撃力を吸収することができるが、衝撃力が大きいときには、レンズ枠受け部8a,8b,8cが、レンズ枠6を受け止めて、その移動を停止させる。レンズ枠6は、所定の距離だけ移動をするとレンズ枠受け部8a,8b,8cと当接するので、鋼球50,55,60は、鋼球収納部71a,71b,71cから脱落するおそれがない。
【0039】
(第2実施形態)
図5は、本発明に係る像ブレ補正装置の第2実施形態を示す図である。
なお、以下の説明において、第1実施形態と同一の部材は、同一の符号を付して説明し、その部分の詳細な説明については省略する。
【0040】
第2実施形態におけるレンズ枠6には、BY方向及びBX方向のいずれの方向とも直角以外の角度で交差するような方向(図中C方向)の軸線を含む、第1のガイド面6fが形成されている。この第1のガイド面6fは、レンズ枠6が光軸Iと直交する方向に移動するときに、このレンズ枠6をガイドするための面である。
ガイド部材73は、図中C方向の軸線に対して、レンズ枠6を垂直に移動するための部材である。ガイド部材73は、第2のガイド面73aと、第3のガイド面73bとから構成されている。第3のガイド面73bは、ベース部材7によりスライド自在にガイドされており、レンズ枠6を図中C方向の軸線と交差する方向(図中D方向)へ移動するために設けられている。
【0041】
転がり部材74は、第2のガイド面73a上において、レンズ枠6を図中C方向にスライドさせるための部材であり、第1のガイド面6fと第2のガイド面73aとの間に設けられている。
バネ75は、ガイド部材73を転がり部材74を介して、レンズ枠6に向けて付勢するための部材である。バネ75は、レンズ枠6がガイド部材73に対して図中C方向にスライドするのを許容するが、レンズ枠6とガイド部材73とが離間するのを規制している。
【0042】
つぎに、本発明に係る像ブレ補正装置の第2実施形態の動作を説明する。
図5に示す状態において、ボイスコイルモータ40が、BY方向軸に沿って下方の推力PYをレンズ枠6に生じさせると、レンズ枠6は、推力PYにより第2のガイド面73a上を右下がりにスライドしつつ移動する。また、レンズ枠6は、推力PYによりガイド部材73を左下がりに移動させる。
レンズ枠6は、バネ75を介してガイド部材73に連結されているので、レンズ枠6は、ガイド部材73とともに図中D方向を左下がりに移動するとともに、ガイド部材73に対して図中C方向を右下がりに移動する。
レンズ枠6は、光軸Iに垂直な平面内の任意の位置に移動可能であり、バネ75によりガイド部材73に連結されているので、光軸I回りの回転を規制することができる。
【0043】
(第3実施形態)
図6は、本発明に係る像ブレ補正装置の第3実施形態を示す図である。
図6に示すように、ガイド軸9と、一対の第1のリンク部材10aと、連結軸10bと、一対の第2のリンク部材10cは平行リンク機構を構成している。
【0044】
ガイド軸9の両端は、一対の第1のリンク部材10aのそれぞれの一端に回転自在に連結されており、この第1のリンク部材10aの他端は、連結軸10bの両端部にそれぞれ回転自在に連結されている。連結軸10bの両端部は、一対の第2のリンク部材10cのそれぞれの一端に回転自在に連結されており、この一対の第2のリンク部材10cのそれぞれの他端は、ベース部材7に固定された一対の軸受11aに回転自在に連結されている。
【0045】
つぎに、本発明に係る像ブレ補正装置の第3実施形態の動作を説明する。
ボイスコイルモータ40は、BY方向軸に沿った下方の推力PYにより、ガイド軸9上を右下がりにレンズ枠6をスライド移動させる。
また、ボイスコイルモータ40の推力PYは、ガイド軸9をその長手方向と直交する方向(図中D方向)に平行移動させる。
【0046】
上述した第3実施形態では、図3に示すように、ガイド軸9に対して光軸I方向の僅かな移動が可能なようにフック部6d,6eを係合させる必要がない。
また、リンク部材、連結軸等を光軸Iに垂直な平面内に配置することができるので、ベース部材7と蓋部材8との間隔が狭くなり、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0047】
(第4実施形態)
図7は、本発明に係る像ブレ補正装置の第4実施形態を示す図である。
第4実施形態では、第3実施形態における第1リンク部材10a及び第2リンク部材10cは、光軸Iを含む平面に平行な平面内に配置されている。
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、ガイド軸9に対して光軸I方向の僅かな移動が可能なように、フック部6d,6eを係合させる必要がない。
また、リンク部材等は、光軸Iを含む平面に平行な平面内に配置することができるので、図7に示すようにベース部材7と蓋部材8とにより形成されたスペースが小さくなり、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0048】
(他の実施形態)
以上の説明では、ボイスコイルモータ40は、BY方向軸に沿って下方に推力PYを生じさせているが、BY方向軸に沿って上方に推力を生じさせることもできるのはいうまでもない。同様に、ボイスコイルモータ41は、BX方向軸に沿って右向きに推力を生じさせることもできる。
また、以上の説明では、ボイスコイルモータ40,41をそれぞれ個別に駆動する場合を例に説明したが、両者を同時に駆動してもよい。
【0049】
本発明の実施形態において、ボイスコイルモータ40とボイスコイルモータ41とは、これらの駆動方向が相互に略直角に交差するように配置し、ガイド軸9は、これらの駆動方向に対して略45度で交差するように配置することが好ましい。このような位置関係で配置されると、ボイスコイルモータ40,41に生ずる駆動負荷は、レンズ枠6をいずれの方向に駆動しても同一負荷とすることができる。
【0050】
また、鋼球受け部材51,56,61,52,57,62と鋼球50,55,60とは、これらの接触部において衝撃力によるくぼみ(圧痕)が形成されないので、レンズ枠6は、駆動時に負荷ムラを生じることがなく、安定、かつ、確実に移動し正確なブレ補正を行うことができる。さらに、レンズ枠6は光軸Iに垂直な平面内において低負荷であって、かつ、滑らかに移動することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、第1の方向と第2の方向と略45°方向の第3のガイド方向に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするとともに、前記第3のガイド方向と略直交する第4のガイド方向に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするガイド部材を設けている。
したがって、ブレ補正レンズを一つの簡単な構造のガイド部材により、光軸に略垂直な平面上の任意の位置に、正確かつ確実に移動することができる。
【0052】
また、第1に、ブレ補正レンズを一つの駆動力発生装置とガイド部材とにより、光軸に略垂直な平面上における任意の位置に、正確かつ確実に移動することができる。第2に、像ブレ補正装置内においてガイド部材の設置スペースを選ぶ必要がなく、装置内の限られたスペース内の任意の位置に、ガイド部材を設置することができる。第3に、一つの駆動力発生装置で足りるので、像ブレ補正装置全体をコンパクトにすることができる。
【0053】
さらに、第1に、ブレ補正レンズをいずれの方向に駆動しても、第1及び第2の駆動力発生装置に生ずる駆動負荷を同一にすることができ、可動部材の質量を同一にすることができる。第2に、第1及び第2の駆動力発生装置を同一特性とすることができるとともに、駆動制御方式も同一とすることができる。第3に、第1及び第2の駆動力発生装置の特性の最適化を図ることができるとともに、駆動制御の簡単化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による像ブレ補正装置の第1実施形態を示す要部断面図である。
【図2】 図1のII−IIA線で切断した断面図である。
【図3】 図1の III− III線で切断した断面図である。
【図4】 図1のIV−IV線で切断した断面図である。
【図5】 本発明による像ブレ補正装置の第2実施形態を示す要部断面図である。
【図6】 同装置の第3実施形態を示す要部断面図である。
【図7】 同装置の第4実施形態を示す要部断面図である。
【図8】 同装置の第1実施形態に係る像ブレ補正装置が使用される一眼レフカメラを示す概略断面図である。
【図9】 同装置の第1実施形態に係る像ブレ補正装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 カメラボディ
2 レンズ鏡筒
3 第1のレンズ群
4 第2のレンズ群
5 第3のレンズ(ブレ補正レンズ)
6 レンズ枠
6d,6e フック部
6f 第1のガイド面
7 ベース部材
7a,7b,7c 鋼球組み込み部
8 蓋部材
9 ガイド軸
10 ガイドアーム
10a 第1のリンク部材
10b 連結軸
10c 第2のリンク部材
11 軸
11a 軸受
40,41 ボイスコイルモータ
50,55,60 鋼球
51,52,56,57,61,62 鋼球受け部材
53,58,63 圧縮バネ
64,65,66 バネ
70a,70b,70c 圧縮バネ収納部
71a,71b,71c 鋼球収納部
73 ガイド部材
73a 第2のガイド面
73b 第3のガイド面
74 転がり部材
75 バネ
I 主光学系の光軸
Claims (1)
- 像ブレを補正するブレ補正レンズと、
前記ブレ補正レンズを保持するレンズ枠体と、
前記ブレを検出するブレ検出装置と、
主光学系の光軸に略垂直な平面上において、前記レンズ枠体を第1の方向に駆動する第1の駆動力発生装置と、
前記平面上において、前記第1の方向と略直交する第2の方向に、前記レンズ枠体を駆動する第2の駆動力発生装置と、
前記検出されたブレに基づいて前記像ブレを補正するように前記第1の駆動力発生装置と前記第2の駆動力発生装置を制御する制御装置と、
前記平面上において、前記第1及び前記第2の方向と略45°方向の第3のガイド方向に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするとともに、前記第3のガイド方向と略直交する第4のガイド方向に前記レンズ枠を平行に移動するようにガイドするガイド部材と、
を備えたことを特徴とする像ブレ補正装置。
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