JP3713784B2 - 温度制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷の温度を正確に制御する温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば誘導加熱調理器では、本体部に温度測定手段を設け、プレートや鍋等を介して間接的に負荷である調理物の温度を測定している。この理由は、負荷に温度測定手段を直接投入すると、衛生上の問題や使用者の違和感を生ずるためである。従って、前記したように負荷から離れた本体部に温度測定手段を備えて間接的に負荷の温度を検知する構成となっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記の誘導加熱調理器では、負荷の温度を間接的に検知しているため、実際の負荷の温度と温度測定手段が測定した負荷の温度との間に差が生じて、正確な温度制御が困難であるという課題を有しているものである。この問題は誘導加熱調理器だけに固有のものではなく、温度制御装置全般に共通するものである。
【0004】
本発明はこのような従来の温度制御装置が有している課題を解決するもので、正確な温度制御が出来る温度制御装置を実現することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の第一の手段は、荷温度推定手段を、負荷の温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、温度測定手段の出力を2階微分する2階微分手段とによって構成し、より正確な負荷温度の推定が出来る温度制御装置としている。
【0006】
本発明の第の手段は、負荷温度推定手段を、負荷の温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段とによって構成し、簡単に負荷温度の推定が出来る温度制御装置としている。
【0007】
本発明の第の手段は、負荷温度推定手段をニューラルネットワークによって構成して、入力数が多くても容易に設計が可能な温度制御装置としている。
【0008】
本発明の第の手段は、負荷温度推定手段をファジィ推論によって構成し、入出力間のルールの確認が容易で容易に設計が可能な温度制御装置としている。
【0009】
本発明の第の手段は、電力値出力手段が電力決定手段の出力を入力として電力値を出力する構成として、電力測定手段を設けずに安価に負荷温度を推定できる温度制御装置としている。
【0010】
本発明の第の手段は、電力値出力手段が電力を測定する電力測定手段の出力を入力として電力値を出力する構成として、電源電圧の変動にも対応でき、精度よく負荷温度を推定できる温度制御装置としている。
【0011】
本発明の第の手段は、電力値出力手段は、電力を測定する電力測定手段と過去の電力値を記憶する電力値記憶手段と、電力値記憶手段が記憶している電力値から平均電力を演算し出力する平均手段と、過去の測定温度を記憶する温度記憶手段とを備えた構成として、微分演算を容易にし、温度測定手段の分解能が低い場合にも演算精度を上げ、また、微分区間に合わせて電力値の時間平均を用いることで負荷温度を高精度で推定できる温度制御装置としている。
【0012】
本発明の第の手段は、負荷の温度は、温度測定手段の出力と温度測定手段の出力の1階微分と温度測定手段の出力の2階微分と室温と加熱電力の一次結合で表され、かつ、室温と加熱電力の係数が負であるという伝熱モデルに基づいて精度の高い温度制御を行うことができる温度制御装置としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下本発明の第一の実施形態について説明する。図1は本実施形態の温度制御装置を使用した誘導加熱調理器のブロック図である。誘導加熱調理器の本体1(以下単に本体1と称する)の上面を構成するプレート2上には、負荷4である調理材料を収容した鍋3を載置している。この鍋3は、本体1内に設けた高周波磁界を発生し鍋3を誘導加熱する加熱コイル5と、加熱コイル5に高周波電流を供給するインバータ回路6とともに、負荷4を加熱する加熱手段を構成している。7は前記インバータ回路6を制御する制御手段で、負荷4の温度を推定する負荷温度推定手段8の出力と、負荷の設定温度を記憶する設定温度記憶手段9の出力とから加熱コイル5に供給する電力を決定する電力決定手段10の出力によって駆動されている。プレート2の下面には、サーミスタ等によって構成した温度測定手段11を配置しており、この温度情報は負荷4の現在の温度を推定する負荷温度推定手段8に伝達されている。
【0014】
負荷温度推定手段8は、温度測定手段11と、温度測定手段11の温度情報を計時手段14の計時情報によって微分する微分手段12と、同様に計時手段14の計時情報によって温度測定手段11の温度情報を2階微分する2階微分手段13と、回路の消費電力を出力する電力値出力手段15と、前記各入力から負荷4の現在の温度を推定する推定手段16とから成っている。この負荷温度推定手段8と前記設定温度記憶手段9と電力決定手段10とは、図2に示しているマイクロコンピュータ19によって構成している。また本体1の表面には、加熱の開始と停止を指示する加熱スイッチ17を設けている。
【0015】
次に、本実施形態の温度制御装置の具体回路構成を図2によって説明する。加熱コイル5を駆動するインバータ回路6は、交流電源を全波整流する整流器、平滑コンデンサ、限流インダクタンス、共振コンデンサ、スイッチング素子等によって構成している。加熱コイル5は前記共振コンデンサに並列に接続しており、インバータ回路6は加熱コイル5に高周波電流を供給している。また前記スイッチング素子は制御手段7によってオン・オフ制御されており、このオンオフの周期を調整することによってインバータ回路6の発振周波数を可変でき、加熱コイル5の加熱出力を制御できるものである。マイクロコンピュータ19は、加熱スイッチ17の信号をI1から入力され、温度測定手段11の信号をAD1から入力されて、O1から制御手段7に制御信号を出力している。また20は、マイクロコンピュータ19等の直流電源を必要とする回路に電力を供給する直流電源回路である。
【0016】
以下本実施形態の動作について説明する。本実施形態では、負荷4の温度を図3に示している伝熱モデルによって推定しているものである。つまり伝熱系を、発熱部と負荷と温度測定手段を含むセンサ部の3部分として考えている。このとき発熱部の発熱量をP、発熱部の温度をTp、負荷の温度をTw、センサ部の温度をTs、発熱部の熱容量をαp、負荷の熱容量をαw、センサ部の熱容量をαs、発熱部から負荷への熱伝達率hw、発熱部からセンサ部への熱伝達率をhs、発熱部から雰囲気への熱伝達率をhap、負荷から雰囲気への熱伝達率をhaw、センサ部から雰囲気への熱伝達率をhas、雰囲気の温度をTaとしている。
【0017】
このとき数1は発熱部に関する熱流量を、数2はセンサ部に関する熱流量を、数3は負荷に関する熱流量を示している。
【0018】
【数1】
Figure 0003713784
【0019】
【数2】
Figure 0003713784
【0020】
【数3】
Figure 0003713784
【0021】
数1と数2から発熱部の温度Tpを消去すると、負荷の温度Twとセンサ部の温度Tsとの関係を示す数4が導き出される。
【0022】
【数4】
Figure 0003713784
【0023】
このとき、雰囲気温度Taをほぼ一定であると考えると、数4は負荷の温度Twは、センサ部の測定温度Tsと、測定温度Tsの微分値と、測定温度Tsの2階微分値と、発熱量つまり加熱電力Pによって決定されることを示している。本実施形態では、以上のような理論に基づいて精度よく負荷の温度を推定しているものである。もちろん、室温を入力に加えて推定演算を行っても良い。
【0024】
図4はマイクロコンピュータ19が有している負荷4の温度を推定するためのプログラムを示すフローチャートである。使用者が加熱スイッチ17をオンして加熱を開始すると、ステップ301で計時手段14は時間tを0に初期設定し、動作のためのカウンタtiにtを代入する。次いでステップ302で、電力値出力手段15は電力値Piとして初期値Psを設定する。続いてステップ303で温度測定手段11の温度データT(ti)を受け、ステップ304・ステップ305でこの温度データT(ti)の微分値T’(ti)と2階微分値T”(ti)を演算する。すなわち微分手段12と2階微分手段13とが動作する。ステップ306で、推定手段16は入力値T(ti)、T’(ti)、T”(ti)とPiとから現在の負荷4の温度Tf(ti)を推定する。続いてステップ307で、前記Tf(ti)と設定温度記憶手段9に記憶している設定温度Tsとに基づいて、電力決定手段10に加熱コイル5に供給する電力P(ti)を決定させる。
【0025】
本実施形態ではこの電力を次の基準に従って決定している。
【0026】
Tf(ti)>Ts+2℃ … P(ti)= 0W
Ts+2℃≧Tf(ti)>Ts−2℃ … P(ti)= 400W
Ts−2℃≧Tf(ti)>Ts−8℃ … P(ti)= 700W
Ts−8℃≧Tf(ti) … P(ti)=1200W
このように本実施形態では決定する電力を0W、400W、700W、1200Wという段階的な値を用いているが、Tf(ti)−Tsに応じた連続値としても勿論支障はないものである。
【0027】
続いてステップ308で、電力値Piとして前記P(ti)を採用する。ステップ309で計時手段14が計時している時間tがti+1以上であるかどうかをチェックし、チェックの結果がYESであればステップ310に進んでストップであるかどうかをチェックする。すなわち、使用者が加熱スイッチ17をオフしたかどうかをチェックしているものである。このチェックの結果がNOである場合には、前記ステップ303からステップ309を繰り返して負荷5の現在温度Tf(ti)を推定し続けるものである。このとき本実施形態では、1秒サイクルで負荷4の現在温度を推定するようにしているが、この時間は特に1秒に限定する必要はないものである。
【0028】
このとき本実施形態では、推定手段16として図5に示しているニューラルネットワークを使用しているものである。このニューラルネットワークは一般的な階層型の構成のもので、あらかじめ、入力値と出力値との関係を学習させたものを用いている。学習させる教師データは、使用する温度制御装置を実際に動作させて測定を行ったものを使用している。つまり、温度測定手段11によって温度を測定し、電力は電力計を用いて測定し、また温度計を用いて負荷4の温度を直接測定しておいて、(測定温度、測定温度の1階微分値、同2階微分値、電力、負荷温度)のデータの組を作製するものである。このデータの組を複数作成して、教師データとしてニューラルネットワークの学習を行うものである。この学習方法は、一般的に用いられているバックプロパゲーションを使用している。こうして学習済みのニューラルネットワークに(測定温度、測定温度の1階微分値、2階微分値、電力)のデータを入力すると、ニューラルネットワークはそのときの負荷4の温度を出力するものである。
【0029】
推定手段16としてニューラルネットワークを使用した場合には、非線形な入出力の関係を容易に学習させることができ、推論精度の高い推定手段を実現できるものである。また、入力数が多い場合にも設計が容易であるという利点を有している。
【0030】
以上のように本実施形態によれば、推定した負荷温度を基に加熱電力を制御することで負荷の温度制御を高精度で行う温度制御装置を提供することができる。
【0031】
また、温度測定手段11の測定温度、温度測定手段11の測定温度の1階微分値、温度測定手段11の測定温度の2階微分値、加熱電力から負荷温度を推定する負荷温度推定手段8を備えた温度制御装置を提供することができる。
【0032】
さらに、非線形な入出力関係を容易に実現できるニューラルネットワークを用いることで、負荷温度を高精度で推定することができる。
【0033】
また、電力値として電力決定手段の出力を用いることで、電力測定手段を設けずに、安価に負荷温度を推定することができる。
【0034】
また、負荷4の温度が温度測定手段11の出力と温度測定手段11の出力の1階微分値と温度測定手段11の出力の2階微分値と室温と加熱電力の一次結合で表され、かつ、室温と加熱電力の係数が負であるという伝熱モデルに基づいて温度制御を行うことで、精度の高い温度制御を行うことができる。
【0035】
(実施の形態2)
続いて本発明の第二の実施形態について説明する。図6は本実施形態の温度制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、第二の負荷温度推定手段30と、第二の負荷温度推定手段30の出力を微分する負荷温度微分手段41の出力を受けて加熱コイル5に供給する電力を決定する第二の電力決定手段34と、第二の電力決定手段34の出力を受けてインバータ回路6を制御する制御手段7とを備えている。
【0036】
第二の負荷温度推定手段30は、温度を測定するサーミスタ等の温度測定手段11と、温度測定手段11の出力を微分する第二の微分手段31と、時間を計測する計時手段14と、回路に供給する電力値を出力する第二の電力値出力手段32と、温度測定手段11の測定温度を記憶する温度記憶手段40と、温度測定手段11の温度データと第二の微分手段31の情報とから負荷4の現在温度を推定する第二の推定手段33と、平均値を取る時間幅を記憶している平均時間記憶手段36とを備えている。
【0037】
図7は、第二の電力値出力手段32と第二の微分手段31の構成を示すブロック図である。第二の電力値出力手段32は、電力計によって実現している電力測定手段35と、電力測定手段35が測定した電力を記憶する電力記憶手段37と、所定時間での平均電力を演算する平均手段38によって構成している。本実施形態では、電力値記憶手段37・平均手段38はマイクロコンピュータによって実現している。また平均時間記憶手段36・第二の負荷温度微分手段31は、前記マイクロコンピュータの機能によって実現している。
【0038】
以下、第二の電力値出力手段32と第二の微分手段31の動作について説明する。図8は第二の電力値出力手段32と第二の微分手段31の機能を備えたマイクロコンピュータの動作を示すプログラムである。第二の微分手段31は、ステップ801で計時手段15の計時時間tiが平均値を求めるための時間幅tm以上に達したかどうかをチェックし、YESであればステップ802に進んで、微分値T’(ti)としてT(ti)−T(ti−tm)を出力する。次に、第二の電力値出力手段32が動作する。すなわちステップ803で、電力測定手段35が電力Ps(ti)を測定し、この測定値をステップ804で電力値記憶手段37に記憶する。次いでステップ805に進んで、tiが平均値を求める時間幅tm以上に達したかどうかをチェックする。tiがtm未満の間は平均手段38は平均動作を行わない。tiがtm以上に達すると、ステップ806に進んで平均手段38がti−tmからtiまでの電力測定値を電力値記憶手段37から読み出して加算し、平均値Pi(ti)を出力する。
【0039】
このとき本実施形態ではtmは60秒に設定している。また温度の微分値としてdT/dtではなく時間tm間の温度変化を用いている。特にこの方法とした場合には、測定温度の分解度が低い場合に有効である。例えば測定温度が図9(a)に示しているように階段状に変化している場合には、これを微分すると図9(b)に示しているようになり、温度の変化度合いを正しく表現できないものである。この点本実施形態で使用しているtm間の温度差を使用した場合には、図9(c)に示しているように、図9(a)の温度の変化状態をほぼ正確に示すことができる。また本実施形態では微分値としてtm秒間の温度差をそのまま用いているが、もちろん、温度差をtmで割った値を用いることもできる。
【0040】
以下本実施形態の温度制御装置全体の動作について説明する。図10は、前記第二の電力値出力手段32と第二の微分手段31の機能を搭載した温度制御装置25全体の機能を実現するマイクロコンピュータが有している負荷温度推定プログラムを示している。使用者が加熱スイッチ17をオンすると、ステップ601で計時手段14は時間tを0に初期設定し、動作のためのカウンタtiにtを代入する。続いてステップ602で、温度測定手段11の温度データT(ti)を受け、温度記憶手段40がこの測定値を記憶する。ステップ603で、第二の微分手段31は温度記憶手段40が記憶した温度データを微分し微分値T’(ti)を出力する。またステップ604では、第二の電力値出力手段32は電力値Pi(ti)を出力する。前記ステップ603・ステップ604は、図8で説明したステップ801・802・803・804・805・806に相当するものである。続いてステップ605で、第二の推定手段33は入力値T(ti)、T’(ti)、Pi(ti)から負荷温度Tf(ti)を推定する。
【0041】
この負荷温度Tf(ti)の決定は、本実施例では図11に示すようなファジィ推論で構成している。このファジィ推論に使用している推論ルールは例えば、「IF T(ti)が低く、T’(ti)が小さく、Pi(ti)が小さければ THEN Tf(ti)=W1」というようなものである。すなわち図12に示している18ルールから成っている。このW1からW18は実数値である。またT(ti)が低いというような定性的な表現は、図13に示しているメンバーシップ関数で規定している。このように、推定手段としてファジィ推論を用いると前記のような推論ルールを用いることになり、入出力の間の関係が容易に確認でき信頼性が増すものである。
【0042】
こうして推定した負荷温度Tf(ti)に基づいて、ステップ606で第二の電力決定手段34が電力P(ti)を決定する。
【0043】
図14は第二の電力決定手段34の動作を示すフローチャートである。第二の負荷温度推定手段30によって負荷温度推定値Tf(ti)が出力されると、負荷温度微分手段41はステップ130で動作を開始し、ステップ131で負荷温度推定値Tf(ti)の変化量:ΔTf=Tf(ti)−Tf(ti−tf)を演算する。続いて第二の電力決定手段34がステップ132でΔTfが0未満出あるかどうかをチェックし、YESであればステップ133に進んで、P(ti)=1400Wとする。またNOである場合には、ステップ134に進んでP(ti)=700Wとする。こうしてP(ti)を決定すると、ステップ135で第二の電力決定手段34は動作を終了する。
【0044】
こうしてステップ606で電力値P(ti)を決定すると、ステップ607に移るものである。ステップ607では、tがti+1以上に達しているかどうかをチェックし、YESであればステップ608のストップであるかどうかのチェックを受ける。つまり加熱スイッチ18がオフされているかどうかのチェックを受けるものである。この結果がNOである場合には、前記ステップ602からステップ607を繰り返すものである。こうしてステップ608でのチェックの結果がYESとなった時点で終了する。
【0045】
もちろんこのとき、実施形態1で説明したと同様、負荷温度の推定動作は1秒サイクルに限定されるものではなく自由に設定して支障はない。
【0046】
本実施形態では負荷温度の推定のための入力を、温度設定手段12からの温度データと、この温度データの微分値と、電力の3因子としており、温度データの2階微分値は用いていないものである。従って実施形態1のものよりも負荷温度の推定精度は低下するものであるが、推定演算が容易に行えるという効果を有しているものである。また家庭用調理器に適用する温度制御装置としては、十分な精度で負荷温度推定が可能となる。
【0047】
以上のように本実施形態の第二の電力値出力手段32と第二の微分手段31は、電力測定手段35を設けこの測定値を電力値として用いることによって商用電源等の電源の電圧変化があっても、精度よく負荷温度推定が行える。
【0048】
また本実施形態の第二の電力決定手段34の電力決定によれば、負荷温度が低下した場合に高い電力で加熱動作を行い、その後温度が安定、もしくは上昇すれば低めの電力で加熱動作を行うものである。このように負荷温度が低下した場合にのみ加熱電力を上げる方法は、加熱対象が水で、かつ常時沸騰状態に保って、通常は所定の電力で加熱を行いたい場合、例えば、鍋物調理等に有効である。なぜなら水温は沸騰温度以上には上昇しないため、鍋調理に適当な沸き具合を保つためには水温を100℃に制御したのでは不都合で、水温が100℃になっていても所定のパワーを維持しているのが望ましいからである。
【0049】
また本実施形態の第二の電力決定手段34は、決定する電力を700W、1400Wという段階的な値を用いているが、ΔTfに応じた連続値としても勿論支障はないものである。
【0050】
以上に示したように本実施形態によれば、負荷温度が充分高い場合には加熱電力を変更せず、負荷温度が低下した場合には加熱電力を上げ、負荷温度が再び充分高くなれば加熱電力を元に戻すような構成として、鍋物等、特定の用途に向く温度制御を行う温度制御装置を実現できるものである。
【0051】
また、2階微分を用いないことで負荷温度推定のための演算を容易に行える負荷温度推定手段を備えた温度制御装置を実現できる。
【0052】
さらに、推論内容をルールで記述するファジィ推論を用いることで、負荷温度推定の推定ルールを容易に確認することができる。
【0053】
また、電源電圧の変化による設定電力と使用電力の違いを考慮し、測定した電力値を用いることにより、高精度に負荷温度を推定することができる。
【0054】
さらに、測定温度の微分値として単位時間の温度の変化分を用いることで微分演算を容易にし、温度測定手段の分解能が低い場合にも演算精度を上げ、また、微分区間に合わせて電力値の時間平均を用いることで負荷温度を高精度で推定することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の第の手段は、特に負荷温度推定手段が、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、温度測定手段の出力を2階微分する2階微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と2階微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定する構成として、負荷の正確な温度推定を行うことができる温度制御装置を実現できるものである。
【0056】
本発明の第の手段は、特に負荷温度推定手段が、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定する構成として、2階微分を用いないことで負荷温度推定の演算を容易に行える温度制御装置を実現できるものである。
【0057】
本発明の第の手段は、特に負荷温度推定手段をニューラルネットワークによって構成することによって、入力数が多くても容易に設計が可能な温度制御装置を実現するものである。
【0058】
本発明の第の手段は、特に負荷温度推定手段をファジィ推論によって構成することによって、入出力間のルールの確認が容易で容易に設計が可能な温度制御装置を実現するものである。
【0059】
本発明の第の手段は、特に電力値出力手段が電力決定手段の出力を入力として電力値を出力する構成として、電力測定手段が不要で、安価に負荷温度を推定できる温度制御装置を実現するものである。
【0060】
本発明の第の手段は、特に電力値出力手段が電力を測定する電力測定手段の出力を入力として電力値を出力する構成として、電源電圧の変動にも対応でき、精度よく負荷温度を推定できる温度制御装置を実現するものである。
【0061】
本発明の第の手段は、特に電力値出力手段は、電力を測定する電力測定手段と過去の電力値を記憶する電力値記憶手段と、電力値記憶手段が記憶している電力値から平均電力を演算し出力する平均手段と、過去の測定温度を記憶する温度記憶手段とを備えた構成として、微分演算を容易にし、温度測定手段の分解能が低い場合にも演算精度を上げ、また、微分区間に合わせて電力値の時間平均を用いることで負荷温度を高精度で推定できる温度制御装置を実現するものである。
【0062】
本発明の第の手段は、負荷の温度は、温度測定手段の出力と温度測定手段の出力の1階微分と温度測定手段の出力の2階微分と室温と加熱電力の一次結合で表され、かつ、室温と加熱電力の係数が負であるという伝熱モデルに基づいている構成として、精度の高い温度制御を行うことができる温度制御装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態である温度制御装置の構成を示すブロック図
【図2】 同、回路構成を示す回路図
【図3】 同、発熱部から負荷部・センサ部への伝熱の原理を示す伝熱モデルを示す説明図
【図4】 同、負荷温度の推定と電力決定を示すフローチャート
【図5】 同、推定手段にニューラルネットワークを使用した構成を示す説明図
【図6】 本発明の第二の実施形態である温度制御装置の構成を示すブロック図
【図7】 同、第二の電力値出力手段と第二の微分手段の構成を示すブロック図
【図8】 同、微分値出力と電力値出力のフローチャート
【図9】 同、第二の微分手段の動作を説明する説明図
【図10】 同、負荷温度の推定と電力決定を示すフローチャート
【図11】 同、第二の推定手段の構成を示すブロック図
【図12】 同、第二の推定手段のファジィ推論ルールを示す説明図
【図13】 同、第二の推定手段のファジィ推論のメンバーシップ関数を説明する説明図
【図14】 同、電力決定のフローチャート
【符号の説明】
3 鍋
4 負荷
5 負荷コイル
6 インバータ回路
7 制御手段
8 負荷温度推定手段
9 設定温度記憶手段
10 電力決定手段
11 温度測定手段
12 微分手段
13 2階微分手段
14 計時手段
15 電力値出力手段
16 推定手段
30 第二の負荷温度推定手段
31 第二の微分手段
32 第二の電力値出力手段
33 第二の推定手段
34 第二の電力決定手段
35 電力測定手段
36 平均時間記憶手段
37 電力値記憶手段
38 平均手段

Claims (10)

  1. 負荷を加熱する加熱手段と、加熱手段に供給する電力を制御する制御手段と、負荷の温度を推定する負荷温度推定手段と、負荷の設定温度を記憶する設定温度記憶手段と、負荷温度推定手段の出力と設定温度記憶手段の出力とから加熱電力を決定する電力決定手段とを備え、負荷温度推定手段は、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、温度測定手段の出力を2階微分する2階微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と2階微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定することを特徴とする温度制御装置。
  2. 負荷を加熱する加熱手段と、加熱手段に供給する電力を制御する制御手段と、負荷の温度を推定する負荷温度推定手段と、負荷温度推定手段の出力を微分する負荷温度微分手段と、負荷温度微分手段の出力から電力を決定する電力決定手段とを備え、負荷温度推定手段は、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、温度測定手段の出力を2階微分する2階微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と2階微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定することを特徴とする温度制御装置。
  3. 負荷を加熱する加熱手段と、加熱手段に供給する電力を制御する制御手段と、負荷の温度を推定する負荷温度推定手段と、負荷の設定温度を記憶する設定温度記憶手段と、負荷温度推定手段の出力と設定温度記憶手段の出力とから加熱電力を決定する電力決定手段とを備え、負荷温度推定手段は、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定することを特徴とする温度制御装置。
  4. 負荷を加熱する加熱手段と、加熱手段に供給する電力を制御する制御手段と、負荷の温度を推定する負荷温度推定手段と、負荷の設定温度を記憶する設定温度記憶手段と、負荷温度推定手段の出力と設定温度記憶手段の出力とから加熱電力を決定する電力決定手段とを備え、負荷温度推定手段は、温度を測定する温度測定手段と、時間を計測する計時手段と、温度測定手段の出力を微分する微分手段と、使用した電力値を出力する電力値出力手段と、推定手段とを備え、前記推定手段は温度測定手段の出力と微分手段の出力と電力値出力手段の出力とから負荷温度を推定することを特徴とする温度制御装置。
  5. 負荷温度推定手段をニューラルネットワークによって構成した請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  6. 負荷温度推定手段をファジィ推論によって構成した請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  7. 電力値出力手段が電力決定手段の出力を入力として電力値を出力する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  8. 電力値出力手段が電力を測定する電力測定手段の出力を入力として電力値を出力する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  9. 電力値出力手段は、電力を測定する電力測定手段と過去の電力値を記憶する電力値記憶手段と、電力値記憶手段が記憶している電力値から平均電力を演算し出力する平均手段と、過去の測定温度を記憶する温度記憶手段とを備えた請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  10. 負荷の温度は、温度測定手段の出力と温度測定手段の出力の1階微分と温度測定手段の出力の2階微分と室温と加熱電力の一次結合で表され、かつ、室温と加熱電力の係数が負であるという伝熱モデルに基づいているとして温度制御を行う請求項1または2記載の温度制御装置。
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