JP3713612B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁碍子の脚長部の長さの短い内燃機関用スパークプラグにおいて、低い火花放電要求電圧と、くすぶり防止とを共に満たす内燃機関用スパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年実用化されている、高圧縮エンジンや希薄燃焼エンジンでは着火条件が悪化し、絶縁碍子の先端面にカーボンやオイル等の残渣物、または未燃焼燃料等の未燃焼生成物が堆積し、いわゆる、スパークプラグにくすぶりが発生しやすい。このため、絶縁碍子の先端面に付着した未燃焼生成物の焼却力(耐汚損性)の向上が要求されており、従来より以下の技術が知られている。
【0003】
▲1▼特開平2- 181383号公報にかかるスパークプラグは、誘導放電に晒される部分の絶縁碍子に付着したカーボンを焼失させる作用を有する。即ち、中心電極- 接地電極間に生じる放電のうち、誘導放電分によるイオン化領域に晒されているカーボンがイオンの作用により焼失する。
【0004】
▲2▼米国特許第4845400号にかかるスパークプラグは、特開平2- 181383号と同様に、誘導放電に晒される部分の絶縁碍子に付着しているカーボンを焼失させる作用を有する。
【0005】
▲3▼米国特許第5159232号にかかるスパークプラグは、特開平2- 181383号と同様に、誘導放電に晒される部分の絶縁碍子に付着しているカーボンを焼失させる作用を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の技術には以下の課題がある。
上記▲1▼に示すスパークプラグは、中心電極の先端径小部の外径と絶縁碍子の軸孔内径との関係から、中心電極の絶縁碍子の先端面からの出寸法を1.1mm以下に設定する必要がある。
さらに、中心電極の先端部が受熱した熱が伝達し難く、また、放電のエネルギーによる熱も伝達し難いため先端部が加熱されやすい。
【0007】
上記▲2▼に示すスパークプラグは、中心電極の先端径小部の外径と絶縁碍子の軸孔内径との関係から、中心電極の絶縁碍子の先端面からの出寸法を1.0mm以下に設定する必要がある。
さらに、中心電極の先端部が受熱した熱が伝達し難く、また、放電のエネルギーによる熱も伝達し難いため、先端部が加熱されやすい。
【0008】
上記▲3▼に示すスパークプラグは、絶縁碍子の軸孔内径と中心電極先端径小部の外径との間に隙間を設ける必要から、中心電極先端径小部の外径dを、0.6mm≦d≦1.55mmに設定する必要がある。
また、中心電極の先端面から絶縁碍子先端面までの出寸法を規定する必要がある。
【0009】
本発明の目的は、絶縁碍子の脚長部の長さが短い内燃機関用スパークプラグであっても、極細の中心電極の先端部と、軸孔の先端部の内径面と中心電極の外周面との空隙部(以下「エアポケット」ともいう)とを組み合わせて、低い火花放電要求電圧および着火性の向上と、くすぶり防止とを同時に達成した内燃機関用スパークプラグの提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)金具棚を有する筒状主体金具と、座面を前記金具棚に係止して前記筒状主体金具内に固定される、軸孔を有する絶縁碍子と、前記絶縁碍子からテーパー状に形成した先端部を突出させた中心電極と、前記中心電極のテーパー部の先端部にレーザ溶接による円錐台部を介して固着された耐熱金属チップと、前記耐熱金属チップとの間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える内燃機関用スパークプラグであって、前記絶縁碍子の脚長部の長さは15mm以下であり、前記耐熱金属チップの直径は0.8mm以下に設定され、かつ、前記軸孔の先端部の内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離Lを0.1mm以上に設定した。
【0011】
(2)請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグであって、前記耐熱金属チップの直径D1を0.5mm≦D1≦0.7mmに設定し、かつ、前記軸孔の先端部の内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離Lを、0.1mm≦L≦0.8mmに設定した。
【0012】
(3)請求項1または請求項2に記載の内燃機関用スパークプラグであって、前記軸孔の先端部の内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離は、深さHが0.3mm≦H≦2.0mmである。
【0013】
(4)請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグであって、前記耐熱金属チップは、融点が1600℃以上である。
【0014】
(5)請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグであって、前記耐熱金属チップは、イリジウム及びイットリアを主体とする焼結金属である。
【発明の詳細な説明】
【0015】
【発明の作用効果】
〔請求項1〜5について〕
この発明では、火花放電間隙を形成する、中心電極の先端部に固着した耐熱金属チップを極細に形成しているので、該耐熱金属チップ部分の電位傾度が非常に急峻になり、中心電極の先端面のイオン化が特に進行し、火花放電要求電圧を低減できる。
また、耐熱金属チップを使用しているので、火花放電およびエンジン内で高温に晒されることによる火花放電間隙の増大を低減することができる。
従って、耐熱金属チップの融点は、少なくとも固着されている中心電極の先端部の融点よりも、高いものであればよい。
【0016】
火花放電要求電圧を低減できることにより、くすぶった場合であっても正規の火花放電間隙における火花の発生を確実にすることができる。
くすぶることによって、接地電極と等電位である主体金具と中心電極との間の絶縁抵抗を低下させる。この絶縁抵抗の低下によって、スパークプラグに印加される高電圧による接地電極と中心電極の間(すなわち火花放電間隔)で火花放電が生じるまでの間に、くすぶった部分を通じて主体金具と中心電極との間に微弱電流が流れる。これによってくすぶりがなければ主体金具と中心電極の間に印加されるはずの電圧よりも実際に生じる電圧は低減することとなる。かかる主体金具と中心電極との間に実際に生じる電圧が火花放電要求電圧よりも低い場合には、火花放電間隙における火花を生じない。
従って、火花放電要求電圧を低減できれば、絶縁抵抗値がかなり低下しても(くすぶりの程度が高い場合でも)正規の火花放電間隙における火花の発生を確実にすることができる。また、中心電極の先端部に固着した耐熱合金チップの径を小さくすることによって、該耐熱合金チップの表面による消炎作用を低減させることができ、着火性を向上させることができる。
【0017】
一方、中心電極の先端部を径小に形成したものは受熱した熱が伝達し難く、加熱されやすい。また、加熱されることによって火花放電による耐熱合金チップの消耗も激しくなる。
【0018】
ここで、エンジンの運転時に中心電極の先端部に受けた熱の大部分は、中心電極を絶縁碍子内部方向に伝達し、さらに絶縁碍子に設けられた座面を介して該絶縁碍子を係止する主体金具に設けられた金具棚を通してスパークプラグを螺着するエンジンヘッド方向に伝達する。従って、金具棚の位置をスパークプラグの先端側に設けるほど熱を伝達しやすくする。即ち、絶縁碍子の脚長部を短くすることによって中心電極の受熱を伝達し易くすることができ、中心電極の先端部の温度を下げることができる。
【0019】
このため、絶縁碍子の脚長部の長さを短くすることによって過熱を防止するとともに耐熱金属チップの消耗を抑えることができる。一方で特にエンジンが低温である場合には、絶縁碍子の脚長部の長さを短くするとくすぶりやすくなる。
【0020】
また、エンジンの運転時に絶縁碍子の先端部に受けた熱の多くは、輻射熱として中心電極に伝わり、その後中心電極の先端部に受けた熱の場合と同様に、主体金具に設けられた金具棚を通してスパークプラグを螺着するエンジンヘッド方向に伝達する。この場合は、輻射熱として中心電極に伝わる熱を遮ると絶縁碍子の先端部に受けた熱を伝達し難くすることができる。従って、エアポケットの幅を大きくすることによって絶縁碍子の先端面の温度を高くできるため、この部分に付着するカーボンなどの導電性物質を確実に焼却できる。このため、自己清浄の能力が高い。
【0021】
絶縁碍子の先端部に受けた熱の一部分は、絶縁碍子を主体金具の内部方向に伝達し、さらに絶縁碍子を介して該絶縁碍子を係止する主体金具に設けられた金具棚を通してスパークプラグを螺着するエンジンヘッド方向に伝達する。従って、金具棚の位置をスパークプラグの先端側に設けるほど熱は伝達しやすくなる。即ち、エンジンを高負荷運転させた場合には、絶縁碍子の先端面の温度が上昇しやすく、プレイグニッションを起こし易いが、絶縁碍子の脚長部の長さを短くすることによって絶縁碍子の先端部の受熱を伝達し易くすることができ、プレイグニッションの発生を防止することができる。
【0022】
この効果を確実に達成するには、耐熱金属チップの直径D1を0.5mm≦D1≦0.7mmとし、かつ、軸孔の先端部の内径面と中心電極の外周面との空隙部の距離Lを、0.1mm≦L≦0.8mmにすることが望ましい。また、絶縁碍子の脚長部の長さは15mm以下であることが望ましい。
【0023】
耐熱金属チップの直径D1が0.5mm未満であると、絶縁碍子の脚長部の長さを短くしても火花放電時の一瞬のエネルギーによる温度上昇を防止しきれず、溶損を生じ易い。但し、融点の高い(特に1600℃以上)耐熱金属チップを用いることによって溶損を防ぐことができる。なお、融点が1600℃以上の耐熱金属チップとしては、イリジウム及びイットリアを主体とする焼結金属が好適である。
耐熱金属チップの直径D1が0.7mmよりも大きい場合には、火花放電要求電圧の低減効果が少ない。
【0024】
エアポケットの隙間Lが0.1mm未満であると、エンジンの運転時における絶縁碍子の先端部が受熱した熱が中心電極を通じて逃げやすくなる。従って、絶縁碍子の先端部の温度を高く保持することが困難となり、この部分に付着するカーボンなどの導電性物質の焼却を十分に行えず、自己清浄の能力が低くなる。
また、エアポケットの距離Lを0.8mmよりも大きくした場合には、絶縁碍子の先端面の受熱を中心電極に輻射し難くする。従って、エンジンの高負荷運転時におけるプレイグニッションを生じ易くなる。
【0025】
エアポケットの深さHは0.3mm≦H≦2.0mmであることが望ましい。エアポケットの深さHが0.3mm未満であると、エンジンの運転時における絶縁碍子の先端部の受熱が中心電極を通じて逃げやすくなる。従って、絶縁碍子の先端面の温度を高く保持することが困難となり、この部分に付着するカーボンなどの導電性物質の焼却を十分に行えず、自己清浄の能力が低くなる。
また、エアポケットの深さHを2.0mmよりも大きくすると、絶縁碍子の先端面が受熱した熱が中心電極に輻射し難くなる。従って、エンジンの高負荷運転時においてプレイグニッションが生じ易くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1、図2、および図6は、本発明にかかる内燃機関用スパークプラグの先端部を示す。
スパークプラグは、筒状主体金具1と、座面202を金具棚111に係止して筒状主体金具1内に固定される軸孔21付きの絶縁碍子2とを備える。
軸孔21には、先端部31が絶縁碍子2の先端面22から突き出た状態で中心電極3が嵌着されている。
中心電極3は、耐熱ニッケル合金製の外被(母材)3Aと、良熱伝導性の銅心3Bとからなる。
【0027】
主体金具1の先端11には、角柱状の接地電極4が溶接されるとともに、先端部41が中心電極3側に曲げられている。
接地電極4は、耐熱ニッケル合金製の外被4Aと良熱伝導性の銅心4Bとからなる。
本実施例では、先端部41の中心電極側面42には円板状の貴金属チップ43(白金合金製)が溶接されており、中心電極3の先端部31に固着された耐熱金属チップ5(後述する)との間でスパークギャップ(火花放電間隙)Gを形成している。
【0028】
中心電極3の先端部31は、中心電極3の母材の先端部を形成してテーパー角略90度の円錐台部32と円柱状部(図示しない)とを設け、該円柱状部の端面に円柱状の耐熱金属チップ5をレーザ溶接している。
これにより、中心電極3の先端部の円柱状部と耐熱金属チップ5との境界に、テーパー角が略30度の略円錐台部33を形成している。
【0029】
耐熱金属チップ5は、直径D1= 0.6mm±0.05mm、長さ0.8mmの寸法であり、イリジウムIrとイットリアY2 O3 との焼結合金製である。
なお、耐火花消耗および火花放電要求電圧の両者を調和させる観点から0.5mm≦D1≦0.7mmであることが望ましいが、D1≦0.8mmであれば、本発明の効果は相当程度達成できる。
【0030】
耐熱金属チップ5は、平均粒径2.5μmのイリジウムの粉体98.3重量%と、平均粒径0.4μmのイットリアの粉体1.7重量%とを、バインダーとともに混練して成形し、所定の焼結条件で焼結して製造する。
イリジウムIrとイットリアY2 O3 との焼結合金の融点は、1600℃以上である。なお、耐熱金属チップ5の材料としては、イリジウム- ロジウム合金を使用することも可能であり、この融点は成分の含有量によって異なるが1700℃以上である。
【0031】
貴金属チップ43および耐熱金属チップ5は、いずれもレーザービームの照射によりチップと電極母材とを溶融し、凝固させた合金層51により電極母材に固着されている。
貴金属チップ43および耐熱金属チップ5は、中心電極発火部および接地電極発火部の火花消耗を低減させ、スパークプラグを長寿命化させる作用を有するが、本発明にかかるスパークプラグの如く、耐熱金属チップ5の直径D1≦0.8mmの極細の発火部を採用する場合には、耐熱金属チップ5の融点を1600℃以上にすることが望ましい。
【0032】
本発明にかかるスパークプラグでは、絶縁碍子の脚長部25の長さW=11mm、絶縁碍子2の軸孔21の先端部の内径D2=2.6mm、該絶縁碍子2の軸孔21の先端部における中心電極3の先端部31の直径D3=2.0mm、エアポケット6の幅Lは、0.3mm(0.1mm以上)であり、エアポケット6の深さHは1.0mmとなっている。
なお、絶縁碍子の脚長部25の長さWは、W≦15mm、エアポケット6の幅Lは、0.15mm≦L≦0.3mmであることが望ましい。さらに、エアポケット6は、深さHが0.3mm≦H≦2.0mmであると、くすぶり防止とプレイグニッション防止との両立が可能となり、0.3mm≦H≦1.5mmに設定すると最適の調和が得られる。
なお、エアポケット6の深さHは、エアポケット6の空隙部の距離Lが0.1mmとなる中心電極の外周面の点35から、絶縁碍子の先端面22までの長さである。
また、絶縁碍子の脚長部25の長さWは、図6および図7に示すように、胴部外周面201と座面202の延長交差位置203から絶縁碍子の先端面22までの長さである。
【0033】
これにより、本発明にかかるスパークプラグは、火花放電要求電圧が低減できるとともに、中心電極3の発火部の火花消耗を低減できる。また、エアポケット6の幅が大きいため、絶縁碍子2の先端面の受熱が中心電極3を通じてエンジンに伝導する熱引きを制限でき、絶縁碍子2の表面の温度を高く維持できるため、カーボン等の付着物を迅速に焼却できて自己清浄作用が高い。
【0034】
このため、くすぶりが有効に防止でき、火花放電ミスの発生によるエンジンの着火不良が低減できる。また、絶縁碍子2の先端部における受熱の伝達を低下させることとなるため、熱価の増大を招き、プレイグニッションによる過早着火が発生しやすくなるが、絶縁碍子2の脚長部25の長さを短くすることによりカバーできる。
【0035】
図3の(イ)に示すように、本発明にかかる直径0.6mmの耐熱金属チップ5を有するスパークプラグAおよび比較例にかかる直径0.8mmの白金合金チップ7を有する従来のスパークプラグB、直径0.9mmの白金合金チップ8を有する従来のレーシング用スパークプラグCを、スパークギャップGを変えて火花放電要求電圧の低下を測定した結果を図3の(ロ)のグラフに示す。
このグラフから、本発明のスパークプラグAは、火花放電要求電圧が2〜5キロボルト低下することが判る。
なお、この比較例にかかるスパークプラグでは、絶縁碍子2の脚長部25の長さW=11mm、絶縁碍子2の軸孔21の先端部の内径D2=2.6mm、該絶縁碍子2の軸孔21の先端部における中心電極3の先端部31の直径D3=2.5mm、エアポケット6の幅Lは、0.05mmであり、エアポケット6の深さHは1.0mmとなっている。
【0036】
上記スパークプラグA、B、Cを、4気筒、1600ccのエンジンに装着して、図4の(イ)に示す運転パターンを10サイクル行い、くすぶりの発生(絶縁抵抗値の低下)を測定した結果を図4の(ロ)に示す。
スパークギャップGは、いずれも0.75mmに設定した。
本発明のスパークプラグAは、図4の(ロ)に示す如く、従来品に比較して絶縁抵抗値の低下も生じにくいことを証明している。
【0037】
上記スパークプラグA、B、および図5の(イ)に示すような、比較例にかかるスパークプラグD、Eについて、絶縁碍子の脚長部25の長さのみを変えて絶縁抵抗値の低下したサイクル数を図5(ロ)に示す。
なお、この比較例にかかるスパークプラグDでは、絶縁碍子2の軸孔21の先端部の内径D2=2.6mm、該絶縁碍子2の軸孔21の先端部における中心電極3の先端部31の直径D3=2.0mm、エアポケット6の幅Lは、0.3mmであり、エアポケット6の深さHは1.0mmとなっている。
このスパークプラグDは耐熱金属チップを有さず、中心電極3の先端部31の直径D3=2.0mmのままで接地電極との間に火花放電間隙を形成している。
【0038】
また、この比較例にかかるスパークプラグEでは、絶縁碍子2の軸孔21の先端部の内径D2=2.6mm、該絶縁碍子2の軸孔21の先端部における中心電極3の先端部31の直径D3=2.5mm、エアポケット6の幅Lは、0.05mmであり、エアポケット6の深さHは1.0mmとなっている。
このスパークプラグEは耐熱金属チップを有さず、中心電極3の先端部31の直径D3=2.5mmのままで接地電極4との間に火花放電間隙を形成している。
【0039】
本試験では図4の(イ)に示す運転パターンを行い、絶縁抵抗値が1MΩ以下となったサイクル数を測定した。
本発明のスパークプラグAは、絶縁碍子2の脚長部25の長さを15mm以下とすることによって、比較例のスパークプラグと比べ絶縁抵抗値の低下を生じさせ難いことを証明している。
絶縁碍子2の脚長部25の長さは11mm以下がより望ましく、11mm以下にすることによりこの効果はより大きくなる。
【0040】
絶縁碍子2の脚長部25の長さを4mmよりも短くすると、中心電極3と主体金具1の金具棚111の距離が短い(絶縁距離が短い)ため、上記のような運転パターンでの試験を実施した場合には非常に早期に絶縁抵抗値が低下してしまう。 従って、実用上、当該絶縁碍子2の脚長部25の長さは4mm以上であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関用スパークプラグの先端部の側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】(イ)は各スパークプラグの説明図であり、(ロ)は各スパークプラグにおける火花放電要求電圧の測定データのグラフである。
【図4】(イ)は運転パターンのグラフであり、(ロ)は絶縁抵抗の測定データのグラフである。
【図5】(イ)は各スパークプラグの説明図であり、(ロ)は絶縁碍子の脚長部の長さを変えた場合のサイクル数を比較したデータである。
【図6】内燃機関用スパークプラグの絶縁碍子の脚長部の側面図である。
【図7】絶縁碍子の脚長部の長さを測定する支点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 主体金具
2 絶縁碍子
3 中心電極
4 接地電極
5 耐熱金属チップ
11 主体金具の先端
111 金具棚
21 軸孔
25 絶縁碍子の脚長部
202 座面
31 中心電極の先端部
41 接地電極の先端部
A〜C スパークプラグ
G スパークギャップ(火花放電間隙)
Claims (5)
- 金具棚を有する筒状主体金具と、
座面を前記金具棚に係止して前記筒状主体金具内に固定される、軸孔を有する絶縁碍子と、
前記絶縁碍子からテーパー状に形成した先端部を突出させた中心電極と、
前記中心電極のテーパー状の先端部にレーザ溶接による円錐台部を介して固着された耐熱金属チップと、
前記耐熱金属チップとの間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記絶縁碍子の脚長部の長さは15mm以下であり、
前記耐熱金属チップの直径は0.8mm以下に設定され、かつ、前記軸孔の先端部の内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離Lを0.1mm以上に設定したことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。 - 請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグであって、
前記耐熱金属チップの直径D1を0.5mm≦D1≦0.7mmに設定し、かつ、前記軸孔の先端部内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離Lを、0.1mm≦L≦0.8mmに設定したことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用スパークプラグであって、
前記軸孔の先端部の内径面と前記中心電極の外周面との空隙部の距離は、深さHが0.3mm≦H≦2.0mmであることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグであって、
前記耐熱金属チップは、融点が1600℃以上であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグであって、
前記耐熱金属チップは、イリジウム及びイットリアを主体とする焼結金属であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
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