JP3713484B2 - 液晶パネルのガンマ調整装置とガンマ調整方法 - Google Patents

液晶パネルのガンマ調整装置とガンマ調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、3板式液晶プロジェクタにおいて、3板の液晶パネルのガンマ調整を行うガンマ調整装置とガンマ調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、R,G,B用の3枚の液晶パネルを用いた3板式プロジェクタにおいて、3枚の液晶パネル間でのコントラスト比が異なった場合、各々の液晶パネルのコントラストを最大に生かし、かつ品位を損なわないためには、ガンマ調整を行う必要があった。
【0003】
しかしながら、3板式液晶プロジェクタにおいて、液晶パネルの性能をフルに発揮させるガンマ調整を行う場合、3枚の液晶パネル間で各々のコントラスト値が異なると、そのままでは偏差の小さい(無い)白を再現させるのが困難であった。そこで、コントラスト比に応じてガンマ調整時の基準データとしてのガンマ補正データを最適値に補正しておくのだが、各液晶パネルのコントラスト比が異なる場合、同一の基準データとしてのガンマ補正データではガンマ調整が最適とはならなかった。
【0004】
なお、ルックアップテーブルを用いてガンマ補正を行う技術が特許文献1に記載されているが、液晶パネル間のコントラスト比の関係がかわった場合に自動的に補正値を変えることは行っていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−238227号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、3板式液晶プロジェクタにおいて、3枚の液晶パネル間でコントラスト比が異なる場合、同一の基準データとしてのガンマ補正データではガンマ調整が最適とならないという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、複数の液晶パネル間のコントラスト比に左右されることなく最適なガンマ調整を行うことのできる液晶パネルのガンマ調整装置とガンマ調整方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、赤用、緑用、青用の3枚の液晶パネルを利用して映像を表示する表示装置において、前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性値を補正するため、液晶パネルの特性値が赤=緑=青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第1の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>緑>青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第2の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>青>緑の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第3の基準データとし、液晶パネルの特性値が青>緑>赤の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第4の基準データとして記憶している記憶手段と、前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性を測定し、それぞれの液晶パネルの特性値を比較する比較手段と、この比較手段の比較結果に応じて前記記憶手段に記憶されている第1、第2、第3、第4の基準データから1つの基準データを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した基準データとしての赤用のガンマ補正データを用いて赤用の液晶パネルに入力される信号を補正する第1の補正回路と、前記選択手段によって選択した基準データとしての緑用のガンマ補正データを用いて緑用の液晶パネルに入力される信号を補正する第2の補正回路と、前記選択手段によって選択した基準データとしての青用のガンマ補正データを用いて青用の液晶パネルに入力される信号を補正する第3の補正回路とを具備したことを特徴とする。
【0009】
この発明は、赤用、緑用、青用の3枚の液晶パネルを利用して映像を表示する表示装置において、前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性値を補正するため、液晶パネルの特性値が赤=緑=青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第1の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>緑>青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第2の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>青>緑の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第3の基準データとし、液晶パネルの特性値が青>緑>赤の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第4の基準データとして記憶手段に記憶し、前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性を測定し、それぞれの液晶パネルの特性値を比較し、この比較手段の比較結果に応じて前記記憶手段に記憶されている第1、第2、第3、第4の基準データから1つの基準データを選択し、選択した基準データとしての赤用のガンマ補正データを用いて赤用の液晶パネルに入力される信号を補正し、選択した基準データとしての緑用のガンマ補正データを用いて緑用の液晶パネルに入力される信号を補正し、選択した基準データとしての青用のガンマ補正データを用いて青用の液晶パネルに入力される信号を補正することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、R(赤:Red)、G(緑:Green)、B(青:Blue)用の液晶パネルを有する3板式の液晶プロジェクタの構成例を示すものである。すなわち、符号100は光学ボックス、200はランプハウジング、300は投射レンズである。この中には光源として、発光管131、リフレクタ132及び支持部133から成るランプ130が配置されている。前記発光管131からの光はリフレクタ132によって反射され、赤外線や紫外線等の不要光をフィルタ101で除去した後、コンデンサレンズ102や反射ミラー103を介してダイクロイックミラー104に供給される。
【0012】
ダイクロイックミラー104は、ランプ130からの光をR光とGB光に分光し、分離されたR光はミラー105で反射され、フィールドレンズ106を介してR用の液晶パネル107に照射される。
【0013】
また、ダイクロイックミラー104により分離されたGB光はダイクロイックミラー108によりG光とB光に分光され、G光はフィールドレンズ109を介してG用の液晶パネル110に照射され、B光はリレーレンズ111、反射ミラー112、リレーレンズ113、反射ミラー114及びリレーレンズ115を介してB用の液晶パネル116に照射される。
【0014】
さらに、各液晶パネル107、110、116を透過したR光、G光、B光はダイクロイックプリズム118によって合成され、この合成された映像光を投射レンズ300によってスクリーン(図示せず)に投射するようにしている。
【0015】
こうしてR、G、B用の液晶パネル107、110、116をR、G、Bの原色信号で駆動することにより、カラー画像を投射することができる。
【0016】
前記液晶パネル107、110、116の入射側及び出射側にはそれぞれ偏光板120〜125が配置されている。
【0017】
図2は、本発明に係る3板式の液晶プロジェクタにおけるガンマ調整装置の概略構成を示すものである。入力される原色信号としてのR信号は、補正回路2Rで補正されて液晶ドライバ7を介してR用の液晶パネル107に供給される。また入力される原色信号としてのG信号は、補正回路2Gで補正されて液晶ドライバ10を介してG用の液晶パネル110に供給される。さらに入力される原色信号としてのB信号は、補正回路2Bで補正されて液晶ドライバ7を介してB用の液晶パネル107に供給される。
【0018】
また、マイクロコンピュータ1は、詳しくは後述するが、インターフェイス(I/F)1aを介して入力部4から入力される液晶パネル107,110,116毎のVT特性の実測値に応じて、テーブル3に設けられた基準データ(ガンマ補正データ)3a,3b,3c,3dのいずれかを選択し、補正値算出に使用する。
【0019】
次に、ガンマ調整の概要を説明する。
【0020】
はじめに、ガンマ補正を加える前の状態における各色用の液晶パネルのVT特性が実測される。これは、図1に示した3板式の液晶プロジェクタにおいて、各色用の液晶パネル毎に、0〜MAXの信号を入力して図示しない照度計で測定し、液晶パネル毎のコントラスト値を求める。
【0021】
図3に示すような液晶パネルのVT特性が実測された際、液晶パネルからの出力が予め用意しておいた基準データ特性になるように、液晶パネルへ供給する信号に加えるべき補正データ値を算出する。
【0022】
ここで、本発明の調整方法を説明する。
【0023】
まず、3枚の液晶パネル107,110,116のコントラスト値が揃っている場合(R=G=Bの関係にある場合)は、図4に示すように3枚各々の基準データ(ガンマ補正データ)を揃えておけば良い。
【0024】
続いて、3枚の液晶パネルのコントラスト値に差がある場合について説明する。
【0025】
例えば、3枚の液晶パネル107,110,116のコントラスト値が、R>G>Bの関係にある場合、図4に示すように3枚各々の液晶パネルを同じ基準データ(ガンマ補正データ)でガンマ補正すると、コントラストの悪い液晶パネルほど暗くなるにつれ(入力が小さくなるにつれ)黒側へ絞り込めなくなる。結果として、暗い部分ほどその色が強くなる(この場合、B色が強くなり、その次にG色が強くなる)。
【0026】
そこで、図5に示すようにコントラストの悪い液晶パネル用の基準データほど入力に対して出力が小さくなるような特性にすれば、バランスの崩れた分を吸収することができる。
【0027】
従って、R>B>Gの関係にある場合は、図6に示すような特性にする。
【0028】
また、B>G>Rの関係にある場合は、図7に示すような特性にする。
【0029】
このように、3枚の液晶パネルにおけるコントラスト比の関係により、元になる基準データを変えれば、どの場合においても適切な調整結果を得ることができる。
【0030】
そこで、本実施例では、図5〜7で示したような補正を加えた基準データ3a,3b,3c,3dをテーブル1に予め設けて切り換えを行うようにする。例えば、基準データ3aは図4に示した特性、基準データ3bは図5に示した特性、基準データ3cは図6に示した特性、基準データ3dは図7に示した特性とする。
【0031】
次に、このような構成において、調整の動作を図8のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
まず、補正を加える前の状態の各液晶パネル107,110,116のVT特性が0〜MAXの信号を入力して図示しない照度計を用いて測定される(ST1)。
【0033】
実測した値が入力部4から入力された際(ST2)、マイクロコンピュータ1は、各液晶パネル107,110,116のコントラスト値の関係を比較し(ST3)、比較結果に応じて、テーブル3の異なる特性の複数の基準データ(3a,3b,3c,3d)から1つを選択する(ST4)。
【0034】
そして、マイクロコンピュータ1は、各液晶パネル107,110,116へ供給する各信号(R,G,B)の補正値算出に選択した基準データ(上述した特性を有する)を使用する(ST5)。
【0035】
それによって、補正回路2Rは入力される原色信号としてのR信号を算出された補正値で補正し、補正回路2Gは入力される原色信号としてのG信号を算出された補正値で補正し、補正回路2Bは入力される原色信号としてのB信号を算出された補正値で補正する。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0037】
前述の実施例では、3枚の液晶パネルのコントラスト比に対応した複数の基準データを用意し、そのコントラスト比に応じて基準データを選択するものであった。
【0038】
本実施例は、用意する基準データ(ガンマ補正データ)は1つにし、液晶パネルへ供給する信号の補正値算出の際、各液晶パネル間のコントラスト比に応じてさらに加える補正値を計算で求めるようにしたものである。
【0039】
図9は、本実施例の調整装置の概略構成を示すものである。前述の実施例と同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施例は、マイクロコンピュータ1がテーブルではなく不揮発性メモリ5を有している。この不揮発性メモリ5には、1つの基準データが記憶されている。
【0041】
次に、このような構成において、調整の動作を図10のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、補正を加える前の状態の各液晶パネル107,110,116のVT特性が0〜MAXの信号を入力して図示しない照度計を用いて測定される(ST11)。
【0043】
実測した値が入力部4から入力された際(ST12)、マイクロコンピュータ1は、各液晶パネル107,110,116のコントラスト値の関係を比較する(ST13)。
【0044】
そして、マイクロコンピュータ1は、各液晶パネル107,110,116へ供給される各信号(R,G,B)に加える補正値を算出する際、コントラスト比を比較した結果から、算出するガンマ補正値にさらにオフセット値を加え(ST14)、それぞれの算出値(ガンマ補正値)をそれぞれの補正回路2R,2G,2Bに設定する(ST15)。
【0045】
例えば、G>R=Bという関係にあった場合、図11に示すようにG用に算出する補正値は、他の2枚の液晶パネル用補正値よりさらに入力に対して出力が小さくなる特性にするべきで、それを同時に算出する。
【0046】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、複数の液晶パネルのコントラスト比に左右されることなく、最適なガンマ調整を行うことができる。
【0047】
また、液晶パネルの組み合わせを各々のコントラスト値を考慮することなく自由に使用することができる。
【0048】
さらに、算出するガンマ補正値にさらにオフセットを加えることにより、複数の調整用の基準データとしてのガンマ補正データを不要とすることができる。
【0049】
また、液晶パネル間のコントラスト比の違いにより、調整時の設定を最適化することができる。
【0050】
また、調整時の設定を各々最適化できることにより、液晶パネルの組み合わせによるコントラストのはらつきを吸収することができる。
【0051】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、複数の液晶パネル間のコントラスト比に左右されることなく最適なガンマ調整を行うことのできるガンマ調整装置と調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3板式の液晶プロジェクタの構成例を示す図。
【図2】 本発明に係る3板式の液晶プロジェクタの調整装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】 液晶パネルのVT特性が実測された例を示す図。
【図4】 基準データの例を示す図。
【図5】 基準データの例を示す図。
【図6】 基準データの例を示す図。
【図7】 基準データの例を示す図。
【図8】 調整の動作を説明するためのフローチャート。
【図9】 他の実施例の調整装置の概略構成を示すブロック図。
【図10】 調整の動作を説明するためのフローチャート。
【図11】 G用に算出する補正値を説明するための図。
【符号の説明】
1…マイクロコンピュータ(比較手段、選択手段、算出手段)、2R,2G,2B…補正回路、3…テーブル(記憶手段)、4…入力部、5…不揮発性メモリ、7,10,16…液晶ドライバ、107,110,116…液晶パネル。

Claims (2)

  1. 赤用、緑用、青用の3枚の液晶パネルを利用して映像を表示する表示装置において、
    前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性値を補正するため、液晶パネルの特性値が赤=緑=青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第1の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>緑>青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第2の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>青>緑の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第3の基準データとし、液晶パネルの特性値が青>緑>赤の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第4の基準データとして記憶している記憶手段と、
    前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性を測定し、それぞれの液晶パネルの特性値を比較する比較手段と、
    この比較手段の比較結果に応じて前記記憶手段に記憶されている第1、第2、第3、第4の基準データから1つの基準データを選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択した基準データとしての赤用のガンマ補正データを用いて赤用の液晶パネルに入力される信号を補正する第1の補正回路と、
    前記選択手段によって選択した基準データとしての緑用のガンマ補正データを用いて緑用の液晶パネルに入力される信号を補正する第2の補正回路と、
    前記選択手段によって選択した基準データとしての青用のガンマ補正データを用いて青用の液晶パネルに入力される信号を補正する第3の補正回路と、
    を具備したことを特徴とするガンマ調整装置。
  2. 赤用、緑用、青用の3枚の液晶パネルを利用して映像を表示する表示装置において、
    前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性値を補正するため、液晶パネルの特性値が赤=緑=青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第1の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>緑>青の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第2の基準データとし、液晶パネルの特性値が赤>青>緑の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第3の基準データとし、液晶パネルの特性値が青>緑>赤の関係にある場合の赤用、緑用、青用のガンマ補正データを第4の基準データとして記憶手段に記憶し、
    前記赤用、緑用、青用の液晶パネルの特性を測定し、それぞれの液晶パネルの特性値を比較し、
    この比較手段の比較結果に応じて前記記憶手段に記憶されている第1、第2、第3、第4の基準データから1つの基準データを選択し、
    選択した基準データとしての赤用のガンマ補正データを用いて赤用の液晶パネルに入力される信号を補正し、
    選択した基準データとしての緑用のガンマ補正データを用いて緑用の液晶パネルに入力される信号を補正し、
    選択した基準データとしての青用のガンマ補正データを用いて青用の液晶パネルに入力される信号を補正するガンマ調整方法。
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