JP3712772B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
本明細書で開示する発明は、良好な電気特性と良好なコントラストを持ち、画面全体に明るく均一な表示が得られる液晶電気光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶電気光学装置は、一般的に有機物材料である液晶材料を、一対の基板間に挟持した構造を有している。そして、前記一対の基板に形成された電極より発せられる電界の強度を変化させることで、液晶材料を進行する光を変調する。この光学変調の結果が表示となる。
【0003】
従って、前記電極に特定の電気信号を印加すれば、電気信号を視覚的に認識可能な状態として表示させることが可能である。さらに前記電極を複数組み合わせ、画像データを印加すれば所望の画像を形成することができる。
【0004】
この従来より用いられている液晶電気光学装置における光の変調は、前記電界を基板に対して垂直に印加し、さらにその電界強度を変化させることで、一般的に棒状の形状を有する前記液晶分子の配向方向を、基板と平行、あるいは基板に垂直と変化させることで実現していた。一般的にこの場合、液晶材料の示す特徴の一つである、光学的異方性を利用して光を変調させるため、前記装置には偏光板を配置し、入射光を直線偏光となるようにしていた。
【0005】
しかし、このような動作方法をとる液晶電気光学装置は、表示面に対して垂直な方向から見たときは正常な表示状態でも、斜めから見ると表示が暗く、不鮮明になり、さらにカラー表示であれば変色してしまう現象が見られた。
【0006】
この現象は、液晶電気光学装置からの出力光と液晶分子の配向方向の関係からみると、次のように説明される。
【0007】
液晶分子を基板に垂直な方向に配する構成を採用した場合、表示に際して、長軸方向をそろえて配向して状態となる。このような状態においては、位置的にはランダムに位置する液晶分子の垂直方向面より出力光を観測することになる。
【0008】
この構成において、基板に垂直な方向から表示を見た場合と、垂直方向から少しずれた方向から見た場合を比較すると、後者の視点からの表示は、液晶分子の長軸に対して少し傾いた視点からのものとなる。このことは、出力光の観測面積が表示を見る方向により大きく異なることを示している。
【0009】
このため、観察者に対する視野特性は、前記垂直方向からずれるほど大きく劣化することになる。
【0010】
一方別の問題として、上記構成の液晶電気光学装置の場合、液晶材料を特定の方向に配向させるため、基板には何らかの配向処理を施すのが通常であるが、基板近傍では強い配向力が働いているため、電界印加時も基板近傍の液晶分子は配向状態を維持するか、配向状態を変化させたとしても装置中間部に比べ、その度合いははるかに小さいものとなる。このため、この部分では光は散乱され表示に影響を与える。
【0011】
このような問題を解決する方法として、上記従来の液晶電気光学装置の動作モードと異なり、液晶分子が基板に平行な方向にのみ回転することにより、光学特性を変化させる動作モードが提案されている。その詳細は、特公昭63−21907号公報等に示されている。以下、この動作モードをIPSモードと称する。
【0012】
IPSモードの液晶電気光学装置の特徴は、液晶材料を駆動するために対向基板側に設けられる対向電極が、画素電極が設けられている基板側に配置されることである。すなわち、対向する一対の基板の一方に、画素電極および対向電極が配置される。
【0013】
そして、この同一基板上に形成された一対の電極間において電界を形成する。この電界は、基板および液晶層に平行な方向にその主な成分を有している。この電界でもって、液晶分子を基板に平行な面内において回転させる。
【0014】
この結果、光学的に一軸媒体である液晶材料は、前記電界により光軸が変化させられ、複屈折効果が変化することになる。そして液晶層を透過する光の状態が変化し、表示が可能になる。
【0015】
上記のようにIPSモードは、動作の過程で液晶分子が基板に対し垂直になることがない。従って、動作の過程で液晶分子が垂直に配向することに起因していた前述の視野角の問題を解決することができる。
【0016】
一方、IPSモードの欠点として、電界強度の不均一性が挙げられる。基板に平行な方向に電界を印加することにより表示を行うIPSモードは、一方の基板側のみに電界を形成する電極が設けられている。そして、液晶分子に印加される電界は、電極が設けられている基板から距離をおき、対向する基板に近づくほど弱まる傾向がある。
【0017】
そのため、立ち上がり時間のばらつきにより、画面全体にわたる均一な表示が得られない。
【0018】
また、IPSモードの他の欠点として、その開口率の低さが挙げられる。IPSモードにおいては、同一平面上に形成された一対の電極間に形成される電界によって液晶を制御する。従って、電極の上方およびその近傍に存在する液晶を制御することはできない。このため電極の面積の分は確実に開口率が低下してしまう。
【0019】
特に、IPSモードでは光の偏光を用いて、明暗を表示するため、偏光板は不可欠な条件であり、二枚の偏光板が、更に光透過率を下げる原因となっている。
【0020】
また、このような偏光板による光透過率の低下を改善した液晶電気光学装置として、分散型液晶電気光学装置が知られている。分散型液晶電気光学装置は、偏光板や配向を必要としないという特徴を持つ。
【0021】
分散型液晶とは、液晶が透光性の高分子材料により粒状または海綿状に保持されたものである。
【0022】
この液晶電気光学装置の作製方法としては、液晶のカプセル化により高分子材料中に液晶を分散させ、その高分子材料をフィルムあるいは基板上に薄膜として形成する方法が知られている。
【0023】
ここで、カプセル化物質としてはゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等が提案されている。
【0024】
この様にカプセル化された液晶を分散して内部に有する高分子材料をフィルムあるいは薄膜化したものとしては、前述の例以外に、いくつか知られている。例えば、
【0025】
(1)液晶材料がエポキシ樹脂中に分散したもの。
(2)液晶と光硬化性物質との相分離を利用したもの。
(3)3次元につながった高分子材料中に液晶を含侵させたもの。
などが知られている。本明細書においては、これらに、代表される、液晶電気光学装置を総称して分散型液晶電気光学装置と言う。
【0026】
上記分散型液晶電気光学装置の動作原理を以下に示す。まず、分散型液晶電気光学装置においては、電界が無い場合(無電界時)には液晶は特定の方向に配列せず様々な方向を向いている。この状態においては、液晶の屈折率が、液晶を包んでいるポリマーの屈折率とずれることになり、光は散乱される。そして、光の透過がある程度妨げられ、白濁状態となる。
【0027】
ここで、液晶分子に縦方向電界をかけると、液晶分子の長軸は基板に対し垂直になる。このため、液晶の長軸方向の屈折率とポリマー樹脂の屈折率とが等しくなるように調整してあれば、屈折率の不均一性はなくなり、光散乱が抑えられる。この状態においては、液晶層を光が透過する。
【0028】
このように、この電気光学効果は偏光板を必要としないため光の有効利用が可能となる。
【0029】
しかし、現状の分散型の液晶電気光学装置においては、無電界時の光の散乱の度合いにより不透明度が決定されるため、コントラストの大きな表示ができないという問題がある。この点では表示の明度で問題がある偏光板を利用した液晶電気光学装置が未だ優位性を保持している。
【0030】
さらに別の問題として、電界印加時において、液晶分子の長軸が基板面に対して垂直な方向にそろう状態となり、分散型液晶電気光学装置においても前述した視野角の問題は解決されていない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、IPSモードで動作する液晶電気光学装置は、視野角が広いという特徴を有している。しかし、開口率の向上が困難、偏光板を使用により画面が暗くなる、電界が不均一、等種々の欠点を有している。
【0032】
これに対して分散型の液晶電気光学装置は、偏光板を必要とせず入射光をそのまま出力でき光の有効利用が可能であるという特徴がある。しかし、上記のように、高いコントラストを実現しにくく、さらに、前記従来の液晶電気光学装置に見られるように視野角依存性が大きいという欠点を有している。
【0033】
本明細書で開示する発明は、上記の欠点が無くし、かつ上記の有意性、即ちIPSモードの高視野角特性、及び分散型液晶電気光学装置の光の有効利用、という、2つの特徴を兼ね備えた液晶電気光学装置を提供するものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明は、横方向電界(基板に平行な方向の電界)により液晶分子の配列を制御し、光の透過と散乱により表示を実現する分散型の液晶表示装置であることを基本的な特徴とする。特に分散型の液晶層を構成する高分子材料として、屈折率に異方性を有する高分子材料を用いることを特徴とする。
【0035】
具体的には、液晶の分子長軸方向の屈折率と、電界印加時の液晶分子長軸方向の高分子材料の屈折率を一致させ、かつ、これと直交方向の屈折率を液晶分子短軸方向の屈折率と一致させる。このように高分子材料として、屈折率の異なる一軸性のものを使用する。
【0036】
このような構成とすることで、複屈折効果を利用した視野角の向上を得ることができる。また同時に無電界時の散乱効果を高めることができる。そしてこのこにより、コントラストの向上および、偏光板を必要としないことによる分散型液晶表示装置が有する明るい表示とを兼ね備えた液晶電気光学装置を得ることができる。
【0037】
さらに、本明細書で開示する発明では、液晶材料に駆動電圧を印加するための電極が壁状の形状、即ち電界を形成する電極の有効面が基板面に垂直もしくは略垂直な方向を有していることを特徴とする。
【0038】
このような構成とすることで、前記電界についてセル厚方向で電界分布を均一化することができる。
【0039】
即ち本発明は、基板と、高分子材料中に液晶材料が分散されて保持された前記基板上の液晶層と、前記液晶層に対して前記基板の表面に平行な方向に電界を印加する前記基板上の一対の電極と、前記一対の電極のうちの一方に接続された薄膜トランジスタを有し、前記一対の電極それぞれは、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、クロムのいずれかの金属材料からなるとともに、前記基板の表面に垂直または概略垂直に壁状に配置され、前記一対の電極の一方は前記薄膜トランジスタの上方に形成されていることを特徴とする液晶電気光学装置である。
【0040】
上記構成において、電界を印加する手段の具体的な形状として、所定の高さを有する壁の側部に電極が形成された構成を挙げることができる。
【0041】
上記構成における電界は、一般に一対の電極を構成するコモン電極とドレイン電極との間で形成される。
【0042】
駆動方法としては、アクティブマトリクス方式、マルチプレックス方式等を利用することができる。
【0043】
また、電界を形成するためのアクティブマトリクス素子として、薄膜ダイオード、もしくは、薄膜トランジスターを用いることができる。
【0044】
本明細書で開示する発明を利用した構成の具体的な例として、図1乃至図4に示す構成を挙げることができる。
【0045】
図1に示すのは、垂直面に有効面を有する電極を壁を構成する支持体の表面に配置した場合の例である。また図2は、壁自体を電極材料で構成し、垂直面に有効面を有する電極を配置した場合の例である。
【0046】
図3(a)は、図1のA−A’断面を示したものである。図4(a)は、図3(a)に変形で電極面を垂直面から少し傾けて配置した場合の例である。
【0047】
図3(b)は図2のA−A’断面を示したものである。図4(b)は、図3(b)に変形で電極面を垂直面から少し傾けて配置した場合の例である。
【0048】
ここで示す例は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、分散型液晶の駆動を行う例である。
【0049】
図1及び2に示す構成において、(100)、(101)は一対の基板、(102)はドレイン電極、(103)はコモン電極、(104)は液晶である。また、(105)は所定の高さの電極を形成するために作製された壁である。さらに液晶(104)は高分子材料(106)中に分散、保持された構成となっている。
【0050】
また図3、図4に示す構成においては、(300)はTFT駆動部全体、(301)はゲート線、(302)はソース線、(303)はドレイン線、(304)はコモン線である。また(307)は層間絶縁膜、(308)は島状シリコン膜(活性層)を示す。なお(100)〜(105)の符号は、図1、2に示される符号に準ずる。
【0051】
本明細書に開示する発明における液晶電気光学装置での表示は、調光層に入射する光の透過と散乱とを選択して行う。
【0052】
具体的には、電界印加時においてドレイン電極(102)とコモン電極(103)との間で基板に対し平行な電界が形成される。そしてこの電界に従って液晶の分子長軸が一斉にそろった方向に配向する。この状態においては、入射光が調光層を透過する。また、無電界時には、各液晶分子がランダムな方向にその長軸を有し入射光が散乱され、散乱状態が得られる。
【0053】
また、液晶(104)が分散している高分子材料(106)の屈折率を電界印加時における液晶分子の長軸方向の屈折率(異常光屈折率)と一致させる。あるいは概略一致させる。かつ、この時、短軸方向と同じ方向の高分子材料の屈折率(常光屈折率)を液晶分子の短軸方向の屈折率と一致させる。あるいは概略一致させる。
【0054】
第一および第二の基板(100)および(101)には、透光性を有し、かつ外力に対しある程度の強度を有する材料、例えばガラス、石英などの無機材料などを用いることができる。
【0055】
特に図3及び図4に示すように、TFT(300)等を形成する場合には、基板(以下TFT基板とする)には、無アルカリガラスや石英ガラスが用いることが望ましい。また、液晶電気光学装置の軽量化を目的とする場合、複屈折性の少ないフィルム、例えばPES(ポリエチレンサルフェート)などを用いることもできる。
【0056】
TFTとしては活性層にa−Si(アモルファスシリコン)又はP−Si(多結晶)シリコンを用いたものを用いることが出来る。アクティブマトリクス方式の場合、上記駆動素子の構成は、スタガー型、逆スタガー型といった公知の構成を利用することが出来る。
【0057】
また、多結晶シリコンを用いたトランジスタを用いる場合、液晶材料を駆動する周辺駆動回路をTFTを形成した基板と同一平面上に形成することが可能となる。
【0058】
周辺駆動回路は、アクティブマトリクス回路を構成するTFTを作製するのと同じプロセスで作製することが可能である。周辺駆動回路は、一般にn−ch型のTFTとp−ch型のTFTとを組み合わせた相補型素子から形成される。
【0059】
ドレイン電極やコモン電極及び、ゲート電極、ゲート線など、画素部及び駆動回路部のTFTの各電極を構成する材料としては、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、クロムなどの金属材料やシリサイド材料が用いられる。また、ITO(酸化インジウム・スズ)、酸化スズ、酸化インジウム等の透光性導電材料を用いてもよい。
【0060】
また、上記発明の形状的特徴として、画素部のドレイン電極(102)やコモン電極(103)は導体を用い、壁状に構成される点がある。特に隣合う画素を構成する電極が背合わせの状態で配置される点が特徴である。
【0061】
これらの電極は、図3(b)や図4(b)に示されるようにそれ自身で壁を構成する構造としてもよい。また図3(a)や図4(a)に示されるように壁を構成する支持体の表面に配置する構成としてもよい。
【0062】
前記壁状電極または壁自体の断面形状は、長方形の限定されることはなく、台形状、あるいは端部に曲面を有する構造としてもよい。特に図4に示されるような台形状とすると、壁状の電極の作製は容易になる。また、壁自体の強度を高めることができ、ラビング等、電極に外力が加わるような工程でも破損されにくいものとすることができる。端部に曲面を持たせれば、滑らかな電界を作り出すこともできる。
【0063】
壁(105)を構成する物質としては、ポリイミドやアクリル系の有機樹脂や、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素といった絶縁体が好ましい。
【0064】
また、壁(105)を導体とし、その側面または斜面に電極を設けて画素電極を構成する際には、導体は各画素電極間が互いに絶縁されるように、各々独立させるか、画素毎に絶縁物を介して設けられるようにする必要がある。
【0065】
壁状の電極または壁の断面を台形とする場合、台形の斜面の角度は基板面に対して45°以上であることが望ましい。45°より低くなると、ドレイン電極(102)やコモン電極(103)の基板面上の面積が増えて開口率が低下してしまうため好ましくない。
【0066】
また、壁状の電極または壁の側部の電極の、底部での一方の側面から他方の側面までの幅(壁の幅)は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とする。この幅が10μm以上となると画素の開口率が十分に得られない。
【0067】
壁状の画素電極やコモン電極(103)、または側部にドレイン電極(102)やコモン電極(103)が形成された壁の、基板に対する高さ、即ちドレイン電極(102)やコモン電極(103)あるいは壁の底部からその頂点までの高さは、液晶セル厚の1/8以上が好ましい。電極の高さが液晶セル厚の1/8以下では、基板面に対して平行な電界を効果的に形成することが難しくなる。
【0068】
本明細書で開示する発明において、コモン電極(103)は各画素に所定の共通電位を提供するためのものである。したがってコモン電極(103)は、対向する各画素電極すべてに対向する大きさに設けられていてもよいし、画素電極と概略同一の大きさを呈するコモン電極(103)を、各画素毎に画素電極にそれぞれ対向するように設けてもよい。
【0069】
さらに、ドレイン電極(102)、コモン電極(103)、あるいは壁(105)自体は透光性を有していてもよい。
【0070】
また逆に、透光性の壁を構成する材料に黒色の顔料を混入して、遮光性を高めてもよい。
【0071】
また、図3、4に示される、ドレイン線(303)はITO等を用いて透明電極としてもよいし、抵抗の小さい金属電極としてもよい。
【0072】
また、各層間絶縁物、TFT保護膜としては、酸化珪素、または窒化珪素を用いることが可能である。
【0073】
また、電極間距離は、4μmから30μm、より好ましくは4μmから20μmの範囲することが好ましい。
【0074】
一方、対向基板(100)についてはTFTを形成した基板と同種の材料を用いることが可能である。また、対向基板には特に電極を形成する必要はないが、場合によっては基板の一部もしくは全面に電極を形成しても構わない。この時の電極材料としては上記の金属の他、透光性を有する材料、例えばITO等を使用することが出来る。
【0075】
また、対向基板上もしくはTFT基板あるいは両方の基板上にコントラスト向上のため表示に関係しない部分を遮光する手段(ブラックマトリクス)を配置することは有効である。この遮光手段は、Cr等の金属もしくは黒色の顔料が分散された高分子材料などにより構成することができる。
【0076】
このようにして作製された前記一対の基板は、一定の間隔をもって重ね合わせられ液晶セルとなる。
【0077】
液晶セルの作製においては、まず前記一対の基板のいずれか一方に、接着剤としてシール剤(図示せず)を所望のパターンに形成する。シール剤としては熱硬化型、紫外線硬化型等の樹脂材料を使用する。前記樹脂材料としてはエポキシ系、ウレタンアクリレート系などの材料を使用することが可能である。
【0078】
また、他方の基板には前記一対の基板の間隔をセル全体に一定に保持するためスペーサー(図示せず)を散布する。もちろん壁が、セル厚と同じ厚みを持つとき、壁そのものをスペーサーの代わりとしても良い。
【0079】
シール剤硬化後、液晶/高分子前駆体材料の混合材料を液晶セルに真空注入法等により前記基板間に配置する。
【0080】
この時、壁(105)があることで、液晶/高分子前駆体材料の混合材料の注入が困難な場合、一方の基板に前記材料を滴下し、他方の基板を重ねて、圧力をかける、いわゆるラミネート法により行う。
【0081】
この時、利用できる液晶材料としてはネマチック、コレステリック、スメクチック性を示す材料を挙げられる。特にネマチック液晶を用い、透明樹脂中に分散させることが望ましい。
【0082】
ここでは、ネマチック液晶の中でも、駆動方法によって、誘電異方性が正もしくは負を示すものを適宜選択して使用する。さらに屈折率異方性が小さいものを用いると、視野角をより拡大できる。
【0083】
液晶を分散して保持する高分子材料としては、紫外線硬化型のものや、熱硬化型のものを利用することができる。紫外線硬化型としてはウレタンアクリレート系樹脂、また熱硬化型としてはエポキシ系樹脂が例として挙げられる。
【0084】
また、液晶材料と高分子材料の前駆体(高分子材料が硬化する前の材料)の混合比は重量比で液晶:高分子=5:5〜9:1とすることが望ましい。特に7:3の時、良好な表示特性が得られる。
【0085】
さらに、液晶材料を高分子材料中に均一に分散させるには、液晶材料及び高分子材料の前駆体を混合後、両者が等方相を示す温度まで上昇させ、任意の時間攪拌後、装置作製工程条件に合った温度まで降下させ、注入法等で基板上に前記材料を配設させる。
【0086】
上記液晶を保持する高分子材料に対して、液晶層に垂直な方向における屈折率の異方性(即ち一軸性)を与える方法としては、機械的に引き延ばすことにより、屈折率の異方性を与える方法を挙げることができる。また、前記混合材料の硬化の際に電場や磁場を特定の方向から与えることにより、屈折率の異方性を与えることもできる。
【0087】
また、光硬化型の樹脂において、特定の偏光状態を有した光を照射することにより、所定の光学異方性を与える方法を用いることもできる。これらは、液晶分散後、光の透過量を観測しながら製作してもよい。
【0088】
本明細書で開示する発明においては、対向電極を必要としないため、一枚の基板に電極と液晶層を形成し、その上に透明保護膜を塗布する構成とすることもできる。この構成とした場合はは、基板は一枚でよい。
【0089】
また本明細書で開示する発明において、電極をセル厚と同じ高さに構成することは好ましい。これにより、電極がスペーサーの代わりとなる。この場合、スペーサーを散布する工程を削減でき、なおかつ基板全体にわたりセル厚方向に均一な電界を提供できる。
【0090】
ここで、高分子材料として屈折率が異方性を有している材料を用いる必要性について説明する。
【0091】
従来より公知の液晶層に垂直な方向に電界を加える型式を有する分散型の液晶電気光学装置においては、電界印加時において、液晶分子の長軸方向が基板に対して垂直な方向にそろう。
【0092】
このとき液晶分子の短軸方向の屈折率と高分子材料の屈折率(この場合ポリマーの屈折率は等方性であるとする)とを一致させることにより、液晶層に入射した光はそのまま透過する。
【0093】
一方本明細書に開示する発明の構成を採用した場合、電界印加時において液晶分子は、その長軸が基板と平行な方向に配列している。従って、電界印加時において、入射光は液晶分子の長軸に垂直な方向から各液晶分子に入射する。
【0094】
ここで本明細書で開示する発明のように液晶分子の長軸方向の屈折率と、電界印加時の液晶分子長軸方向の高分子材料の屈折率を一致させ、かつ、これと直交方向の屈折率を液晶分子短軸方向の屈折率と一致させた場合を考える。
【0095】
この場合、無電界時の散乱する光の割合を増やすことができる。即ち、無電界時において、液晶分子の長軸が液晶層に垂直な方向からずれた場合、入射光の進路方向における高分子材料と液晶分子との屈折率の違いをより大きくすることができるので、従来の等方性のポリマー樹脂を用いた場合に比較して、より激しく入射光を散乱できる。
【0096】
このことにより、電界印加時における入射光の透過と、無電界時における入射光の散乱との比を大きくすることができる。そして、高いコントラストを得ることができる。
【0097】
次に、本明細書で開示する発明においてセル厚に対し所定以上の高さを有する壁、あるいは壁状の電極を形成する意義について説明する。
【0098】
この壁、あるいは壁状のドレイン電極(102)とコモン電極(103)により、対向基板近傍においても、基板に対して平行もしくは概略平行な電界を十分な強さで形成することができ、セル厚方向の電界強度を均一にする事ができる。
【0099】
その結果、対向基板(100)近傍に位置する液晶分子に対しても、ドレイン電極(102)やコモン電極(103)が設けられた基板(101)近傍と同様な電界を印加することが可能となる。
【0100】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例では、図3に示す液晶電気光学装置の構成について詳細に説明する。基板(101)上には薄膜トランジスタ(300)、及びコモン電極(103)より構成されるアクティブマトリクス回路が形成されている。前記アクティブマトリクス回路構成は図5に示す。
【0101】
図3において1画素は、壁を構成する支持体(105)の両側面に設けられた電極(102)と、2つの支持体(105)に設けられた電極(103)との間で形成される電界の及ぶ範囲で定義される。図3でいうと点線(309)で囲った領域が上記の1画素に対応する。
【0102】
ドレイン電極(102)は、絶縁材料よりなる壁(105)の両側面に形成される。ドレイン電極は、画素毎に絶縁される。また、壁を構成する絶縁材料はポリイミド系の樹脂を用いた。
【0103】
図3(a)において、下地膜(図示せず)が形成されたガラス基板(101)上に、島状シリコン膜(308)が設けられ、アルミニウムよりなるゲイト線(301)が、酸化珪素よりなるゲイト絶縁膜(305)を介して設けられ、薄膜トランジスタ(300)を構成している。
【0104】
その上に、窒化珪素よりなる第1の層間絶縁膜(306)、透光性ポリイミド樹脂よりなる第2の層間絶縁膜(307)が積層されている。(302)で示されているのはソース線である。
【0105】
また、第2の層間絶縁膜(307)上には、ドレイン電極線(303)が設けられ、同電極はコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ(300)のドレイン領域に接続されている。また、第2の層間絶縁膜(307)上には、コモン線(304)が設けられている。
【0106】
また、薄膜トランジスタ(300)の上方に、およびコモン線(304)上には、ポリイミド樹脂よりなる壁(105)が設けられている。
【0107】
壁(105)は、図3(a)おいて、長方形の断面形状を呈している。この時壁の断面形状は図4(a)に示すように、台形状としてもよい。
【0108】
図3(a)および図4(a)において、薄膜トランジスタ(300)上の壁(105)の側面または斜面にはドレイン電極(102)、コモン電極上の壁(105)の側面または斜面には、コモン電極(103)が設けられている。
【0109】
ドレイン電極(102)は、壁(105)の下部領域において、ドレイン電極線(303)と電気的に接続されている。
【0110】
また、コモン電極(103)は、壁105の下部領域において、コモン線(304)と電気的に接続されている。ドレイン電極およびコモン電極は、ここではアルミニウムで構成されている。
【0111】
このようにして各画素が構成される。すなわち上記構成による2つのコモン電極とその間のドレイン電極により、1つの画素が構成される。
【0112】
また、コモン電極(103)は、ここでは対向するドレイン電極(102)と概略同一の大きさを有して画素毎に設けられている。
【0113】
〔参考例1〕参考例1では、絶縁材料よりなる壁の両側面に電極を形成する場合の作製工程を示す。
【0114】
まず、図3(a)に示すようにコーニング1737等のガラスでなる基板(101)上に下地膜として酸化珪素膜を熱CVD法により2000Å形成する。
【0115】
次に、プラズマCVD法によりアモルファスシリコン膜を300〜2000Å、例えば500Å形成する。
【0116】
次に、600℃以下、好ましくは550℃以下の温度で熱アニールを行い、結晶化を行なった。熱アニール後、レーザー光またはそれと同等な強光によりアニールを行ない、結晶性を高めてもよい。
【0117】
特に熱結晶化の際に、アモルファスシリコン膜にニッケル等の結晶化を助長する触媒元素を微量に添加することで、結晶化が助長され、安価なガラス基板上に高い結晶性を有するポリシリコン膜を形成することができる。詳細は、特開平6−244103号公報等に示されている。
【0118】
こうして得られたシリコン膜をエッチングして島状のシリコン膜(308)とする。次に、ゲイト絶縁膜(305)としての酸化珪素膜を、TEOSを用いたプラズマCVD法にて500〜1200Å例えば1000Å形成する。
【0119】
その後、スパッタ法によりアルミニウムを2000〜6000Åの厚さに形成し、これをパターニングしてゲイト線(301)を得る。
【0120】
アルミニウムでなるゲイト線(301)は、その表面に弱酸溶液を化成液とした陽極酸化を施して、緻密な陽極酸化膜を数100〜数1000Å程度形成させてもよい。これにより、薄膜トランジスタのソースおよびドレイン領域を形成する際に、ゲイト電極をマスクとして不純物イオンを打ち込んだ後に、チャネル領域とソース・ドレイン領域との間にオフセット領域が形成され、薄膜トランジスタのOFF電流の低下に寄与する。また、積層して設けられる配線間の短絡も防げる。
【0121】
次に、イオンドーピング法により、島状シリコン領域に対して、ゲイト線をマスクとして自己整合的に不純物イオンを打ち込み、n型またはp型の導電型を付与する。
【0122】
なお、アクティブマトリクス領域の外側周辺に、ポリシリコンよりなる薄膜トランジスタで周辺駆動回路を構成して設ける、いわゆるモノリシック型とすることは有効である。その際には、pチャネル型とnチャネル型の薄膜トランジスタを設けて相補構成を得ることができる。
【0123】
その上に窒化珪素膜をプラズマCVD法によって厚さ3000〜6000Å例えば4000Å形成し、第1の層間絶縁膜(306)とする。これは、酸化珪素膜または酸化珪素膜と窒化珪素膜の多層膜としてもよい。
【0124】
次に薄膜トランジスタのソース領域上の第1の層間絶縁膜に、エッチングによりコンタクトホールを形成する。その上にスパッタ法等により厚さ2000〜6000Å例えば3000Åのアルミニウム、またはチタンとアルミニウムの多層膜を成膜、パターニングして、ソース線(302)を形成する。
【0125】
この上に、ポリイミドやアクリル系の透光性有機樹脂膜を4000〜10000Å例えば5000Å形成し、第2の層間絶縁膜(307)を形成する。そして、薄膜トランジスタ(300)のドレイン領域上にコンタクトホールを設けた後、導電性材料、たとえばアルミニウム、銅、クロム、チタン、ITO等の被膜をスパッタ法等の公知の方法で形成、パターンニングし、ドレイン電極線(303)、コモン線(304)を形成する。
【0126】
次に、基板全面に感光性ポリイミドを塗布しプリベークした後、フォトリソグラフィーによりパターニングする。その後ポストベークを施してポリイミド製の壁(105)を形成する。ここでは、図3(a)に示すように断面形状はほぼ長方形とし、幅は約2μm、高さは約6μmとした。
【0127】
ポリイミドを感光する際の紫外線の強度やマスクパターンを適当に制御することで、図4(a)に示すように、壁(105)の断面形状を台形にすることも可能である。また、図には示さないが、壁断面に曲面を持たせることも可能である。
【0128】
後の工程において、ドレイン電極やコモン電極となる導体を成膜する際に、壁(105)の断面形状が長方形だと、その側面への導体の付着が不十分となり、接触不良等を招くことがある。そのような場合には壁(105)の断面形状を台形とすることが特に好ましい。
【0129】
壁(105)の底部周辺にはポリイミドが存在しないように十分な洗浄を行なうことが望ましい。不要なポリイミドが存在すると、後に形成するドレイン電極やコモン電極と、ドレイン電極線やコモン線との電気的接続が不十分となるため注意が必要である。
【0130】
次に、コモン線(304)やドレイン電極線(303)と同種または異種の導体、例えばアルミニウムの薄膜を公知の方法例えばスパッタ法により形成した後、パターニングしてドレイン電極(102)、コモン電極(103)を得る。このようにして、壁(105)の側面にドレイン電極(102)、コモン電極(103)を形成することができる。
【0131】
次に、一方の基板の周辺にエポキシ樹脂によりシール材(図示せず)を形成して基板(100)、(101)を貼り合わせ、セルを形成する。
【0132】
本参考例では、壁(105)にスペーサとしての基板間隔維持機能を兼ねさせることも可能である。その場合スペーサの散布工程は不要とすることができる。もちろん、通常の液晶表示装置のようにスペーサを散布して、基板間隔を維持させてもよい。
【0133】
その後真空注入法等により、調光層を構成する材料を基板間へ注入し、封止する。
【0134】
調光層を構成する材料として、ネマティック液晶と、プレポリマー(高分子材料)との混合均一溶液を使用する。このプレポリマー(高分子材料)として、ウレタンアクリレート系光硬化型樹脂を用いる。上記溶液には硬化反応を開始する重合開始剤を添加する。
【0135】
この後、基板全面に紫外光を照射して、上記プレポリマーを硬化(高分子化)させる。
【0136】
ここでは、偏光フィルターを使用して、所定の偏光方向を有した直線偏光の紫外光を照射することにより、所定の方向に分子構造の配向を有した、高分子材料を形成する。これにより、屈折率の異方性を有した高分子材料を形成することができる。
【0137】
〔実施例2〕実施例2ではコモン電極(103)やドレイン電極(102)自体が、壁状の導電性材料で構成する場合の作製工程を示す。
【0138】
このような電極を作製するには、まず、コモン線(304)、ドレイン電極線(303)まで形成された基板上に、コモン電極(103)およびドレイン電極(102)を構成する導電性材料、例えばアルミニウムをスパッタ法等の公知の方法により成膜する。
【0139】
このとき、膜厚は、壁状に形成されるコモン電極(103)、ドレイン電極(102)が必要とする高さ、例えば6μmとする。
【0140】
次に、フォトレジストを導電性材料でなる膜上に形成し、公知のパターニングを行う。
【0141】
この時、異方性エッチング、例えばバイアス電圧を印加したプラズマエッチングを施し、基板面に対して直角方向にエッチングをすすめることで、壁状の電極を形成する。このようにして、壁状のコモン電極(103)、ドレイン電極(102)が形成される。このようにして作製された壁状のコモン電極(103)、ドレイン電極(102)は、図3(b)のように、断面形状が長方形である。
【0142】
他方、この断面形状を斜面を有する台形状としてもよい。この場合、フォトレジストを形成したのち、等方性プラズマエッチングあるいはウェットエッチングを施す。また、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせて行なってもよい。
【0143】
本実施例ではコモン電極(103)とドレイン電極(102)を同じ材料で構成する例を示したが、互いに異なる材料で構成してもよい。
【0144】
以下、参考例1における方法と同様な方法で液晶電気光学装置を作製する。
【0145】
〔参考例2〕本参考例では、図6に示す構成で面積階調を行う。
【0146】
この構成は、2×2で構成される4つの領域(500)〜(503)を利用して、5つの階調を表示する。この場合、前記4領域(以降ブロックと称す)で1画素を構成することになる。
【0147】
この手法の利点は、映像データを”H”と”L”の2値で入力でき、このことでデジタルデータとして扱えるため、DA(デジタルアナログレベル)変換回路が不要となる。これにより、周辺回路を含めた制御回路が液晶パネルのガラスもしくは石英基板上に構成しやすくなる。
【0148】
上記構成を利用してアクティブマトリクスを構成した例を図5に示す。図5において、ゲート線(スキャン線)(420)とデータ線(401)は格子状に配置される。さらに所定の電位に固定されているコモン線(430)から、垂直または概略垂直に延在したコモン電極(図3、図4を参照)が配置されている。このコモン電極に対応して画素電極が配置されている。この画素電極は、薄膜トランジスタ(402)、(404)、(406)、(408)のドレインに個別に接続されている。さらにこの画素電極は、画素電極線を介して基板に垂直または概略垂直に延在する。かつ画素電極は、前記のコモン電極とその電極面が平行または概略平行に配置される。
【0149】
ここでは、データ線(401)への映像信号a〜dの取り込みは、そのタイミングを水平走査制御回路(Hドライバー)(421)からのサンプリング信号(400)により制御し、一定時間取り込んだ前記データを保持するサンプリングホールド回路(422)にて行われる。
【0150】
前記水平走査制御回路は外部より印加される水平走査基準クロックHCLKに同期して動作し水平走査スタート信号HSYNCにより水平方向の走査が活性化される。
【0151】
これにより前記サンプリング信号(400)が活性化されることによりデータ線(401(401a),(401b),(401c),(401d))には映像信号a〜dのデータが供給される。
【0152】
垂直方向の走査の制御は垂直制御回路(Vドライバー)(423)により行われる。前記垂直制御回路(423)は外部より入力される垂直方向基準クロックVCLKに同期して動作し、垂直動作スタート信号VSYNCにより垂直方向の走査が活性化する。
【0153】
スキャン線(420)はこの垂直制御回路(423)に接続され2ライン分を同時に走査制御するものである。このスキャン線は各薄膜トランジスタのゲート信号となり、対応するトランジスタのソースとドレイン間の導通のオンまたはオフを制御する。
【0154】
これにより、垂直制御回路(423)からのスキャン線で選択された2ライン上の水平制御回路で選ばれた4つのデータ線(1ラインにつき2つのデータ線)を介して対応するブロックへ映像信号が印加される。
【0155】
前記のデータ線(401)は、4つの薄膜トランジスタ(402)、(404)、(406)、(408)のソースに個別の映像入力レベルを印加する信号線(401a),(401b),(401c),(401d)として接続される。前記4つの映像入力により、4つの表示ブロックに対応する液晶層(403)、(405)、(407)、(409)の明暗が制御されることになる。
【0156】
これが水平制御回路により水平方向画素分実行された後、垂直制御回路は次のスキャン線を活性化して同様の動作を最大画素分繰り返すことで階調をもつ映像表示の1画面が実現される。
【0157】
図6に明暗の階調表示例を示す。1画素は4つの領域(500)、(501)、(502)、(503)から構成される。前記スキャン線が活性化された場合、映像信号a〜dの入力値により図6(a)〜(e)の5つの表示状態をとることができる。
【0158】
(a)はすべての映像入力が”L”のときはすべてのブロックで暗状態となる。この状態が1つの画素で見た場合最も暗い状態となる。
【0159】
(b)は映像信号aのみ”H”のときでブロック(500)が明状態となる。
【0160】
(c)は映像信号aとbが”H”のときでブロック(500)とブロック(501)が明状態となる。
【0161】
(d)は映像信号aとbとcが”H”のときでブロック(503)を除く3つのブロックが明状態となる(e)はすべての映像入力が”H”のときであり、すべてのブロックが明状態となり、1つの画素で見た場合最も明るい状態となる。このように表示ブロックの明暗の面積により階調を制御する。
【0162】
〔参考例3〕他の階調実現方法としては、各画素の明および暗の時間を制御して行う方法が考えられる。すなわちある一つの画素を表示する表示期間内(通状は1フレーム)において、明、暗の2つの状態を変化させて階調表示を行なうものである。
【0163】
例えば、ある画素において、表示期間内の1/2の時間を明、残りの1/2の時間を暗とする。1フレーム(通常1/30秒)の表示期間内での明、暗の変化は人間の目では認識できないため、人間の目には、表示期間内を全て明とした時の1/2の階調で表示が行なわれているように認識される。この明と暗を呈する時間を制御することにより、多階調の表示が可能となる。
【0164】
この階調表示を行なうためには、1フレームをさらに複数のフレームに分割した映像データを液晶電気光学装置に入力し、表示させればよい。
【0165】
ただし、階調数が増えるほど、フレームの描き変えに要する時間が短くなるため、より高速な駆動を行なう必要がある。
【発明の効果】
本発明で開示する発明を利用することにより、均一かつ、高いコントラスト比を有する、明るい優れた液晶電気光学装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の液晶電気光学装置の概要を示す図。
【図2】 実施例の液晶電気光学装置の概要を示す図。
【図3】 図1のA−A’断面から薄膜トランジスタの方を見た図。
【図4】 図1のA−A’断面から薄膜トランジスクの方を見た図において
、壁またはコモン電極、ドレイン電極の断面形状を台形状としたときの図。
【図5】 面積階調パネルのブロック図。
【図6】 面積階調表示説明図。
Claims (9)
- 基板と、高分子材料中に液晶材料が分散されて保持された前記基板上の液晶層と、前記液晶層に対して前記基板の表面に平行な方向に電界を印加する前記基板上の一対の電極と、前記一対の電極のうちの一方に接続された薄膜トランジスタを有し、
前記一対の電極それぞれは、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、クロムのいずれかの金属材料からなるとともに、前記基板の表面に垂直または概略垂直に壁状に配置され、前記一対の電極の一方は前記薄膜トランジスタの上方に形成されていることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 基板と、高分子材料中に液晶材料が分散されて保持された前記基板上の液晶層と、前記基板上の一対の電極と、前記一対の電極のうちの一方に接続された薄膜トランジスタを有し、
前記一対の電極により前記液晶層に対して前記基板の表面に平行な方向に印加される電界によって、前記液晶層に入射する光の透過と散乱が選択される液晶電気光学装置であって、
前記一対の電極それぞれは、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、クロムのいずれかの金属材料からなるとともに、前記基板の表面に垂直または概略垂直に壁状に配置され、前記一対の電極の一方は前記薄膜トランジスタの上方に形成されていることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 少なくとも一方が透光性のある2枚の基板と、高分子材料中に液晶材料が分散されて保持されている、2枚の前記基板に挟まれた液晶層と、前記基板上の一対の電極と、前記一対の電極のうちの一方に接続された薄膜トランジスタを有し、
前記一対の電極により前記液晶層に対して前記基板の表面に平行な方向に印加される電界によって、前記液晶層に入射する光の透過と散乱が選択される液晶電気光学装置であって、
前記一対の電極それぞれは、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、クロムのいずれかの金属材料からなるとともに、前記基板の表面に垂直または概略垂直に壁状に配置され、前記一対の電極の一方は前記薄膜トランジスタの上方に形成されていることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記一対の電極それぞれは、前記基板の表面に垂直な方向の断面が台形状であることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記高分子材料は、屈折率に異方性を有することを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
電界印加時の前記液晶材料の配向ベクトルの方向における前記高分子材料の屈折率が、前記液晶材料の長軸方向の屈折率と一致し、かつ、前記配向ベクトルと直交する方向の前記高分子材料の屈折率が、前記液晶材料の短軸方向の屈折率と一致することを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記一対の電極の前記基板の表面に垂直な方向の長さは、前記液晶層の前記基板の表面に垂直な方向の長さの1/8以上であることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
前記薄膜トランジスタの活性層は、アモルファスシリコンまたは多結晶シリコンであることを特徴とする液晶電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
前記薄膜トランジスタは、スタガー型または逆スタガー型であることを特徴とする液晶電気光学装置。
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