JP3712246B2 - クーラーボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等を収納し保冷するクーラーボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクーラーボックスは、箱形の本体部と、本体部状部に開閉可能に設けられた蓋部とを有している。本体部は、例えば、発砲ポリウレタン製断熱素材を含むポリプロピレンで形成され、側壁面下部に貫通孔を有している。また、蓋部は、本体部同様に発砲ポリウレタン製断熱材を含むポリプロピレン製部材で形成されている。そして、本体部の貫通孔には、水抜部が設けられており、この水抜部は、貫通孔に貫通されて固定され内周面に雌ネジ部が形成された筒体と、筒体の雌ネジ部に螺合可能な栓部材とを有している。
【0003】
このクーラーボックスは、氷と共に魚等を入れて使用される。この際、本体部及び蓋部が有する断熱効果により、内部の温度を低く保つことができ、内部に収納した魚等が保冷される。また、本体内に収納した氷が溶けてできた水は、水抜部から排出可能になっている。この水抜き部は、通常はこの栓部材を筒体にネジ式に締め込んで筒体を閉塞した状態である。そして、本体内に溜まった水を抜き取る際には、栓部材をネジ式に回転させてはずして、筒体から水を外部に放出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のクーラーボックスは、栓部材を筒体にネジ込んで閉塞させており、開け閉めに手間がかかる。
【0005】
本発明の課題は、容易に開け閉め可能な水抜部を有し、内部に溜まった水を容易に排水できるクーラーボックスを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかるクーラーボックスは、保冷のためのクーラーボックスであって、側壁下部に貫通孔を有する本体部と、本体部の上部に開閉可能に設けられている蓋部と、貫通孔に挿通された筒体と筒体に一操作で取り外し可能な栓部とを有している水抜部とを備えている。筒体は、外方側端部に設けられ切り欠きが設けられたフランジと、フランジの回り止めをする第1係止部とを有する。また、栓部は、切り欠きにはめ込んで回転させることによりフランジに一操作で係止可能な第2係止部を有している。
【0007】
この筒体に一操作で閉塞可能な栓部とは、栓部を筒体から取り外すために複数回栓部を回転させる必要がない栓部である。例えば、一回転またはそれ以下に栓部を回転させることによって、栓部を筒体から取り外すことができまた取り付けることができるものである。この場合には、栓部を一操作で筒体から取り外せるので、本体部内に溜まった水を容易に排水できる。また、筒体のフランジの切り欠きから栓部をフランジにはめ込んだ後、栓部を所定角度回転させて、栓部を筒体に固定する。また、栓部を筒体から取り外す場合は、逆の手順で行う。この結果、栓部を筒体にネジ式に数回ねじり込んで固定する必要がなく、栓部を一操作で筒体に取り付けたり取り外したりできる。
【0008】
発明2にかかるクーラーボックスは、発明1のクーラーボックスであって、フランジは、栓部の回転方向に沿って徐々に厚みが変化する部分を有する。
【0009】
発明3にかかるクーラーボックスは、発明1または発明2のクーラーボックスであって、栓部は、筒体よりも大径であり、筒体を閉塞した状態で筒体の外周を覆う。
【0010】
発明4にかかるクーラーボックスは、発明1のクーラーボックスであって、筒体は、栓部に係止する所定角度以下の範囲に設けられた傾斜面を有する。
【0011】
発明5にかかるクーラーボックスは、発明1から発明4のいずれかのクーラーボックスであって、栓部に連結され栓部の筒体からの脱落を防止する脱落防止部材をさらに備える。
【0012】
このクーラーボックスでは、取り外した栓部が筒体から脱落して紛失するのを防止することができる。
【0013】
発明6にかかるクーラーボックスは、発明1から発明5のいずれかのクーラーボックスであって、栓部は筒体に当接する面にパッキンをさらに備えている。
【0014】
この場合には、栓部のパッキンが栓部と筒体との密着性を向上させて、本体内の水の漏洩を抑える。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、クーラーボックス1は、箱形の本体部2と、蝶番(図示せず)によって開閉可能なように本体部2の上部に設けられている蓋部3と、蓋部3を本体部2に密閉し固定するフック4と、本体部2に回動可能に装着されているハンドル5とを有している。
【0016】
ハンドル5は、本体部2の左側面2bと右側面2dにビス(図示せず)等を用いて固定され、本体部2の前側面2aから背側面2c方向に回動可能となっている。このハンドル5はユーザがクーラーボックスを持ち運ぶ場合に把持する部分である。本体部2は、内部に空間を有し魚等を保存するものであり、断熱効果を必要とするので、表面壁となる1対のポリプロピレン製の部材の間に発砲ポリウレタン製断熱材(図示せず)を内包する3層構造である。また、本体部2の側壁面下部には、貫通孔6が設けられおり、この貫通孔6には水抜部10が設けられている。
【0017】
図2に示すように、水抜部10は、本体部2の貫通孔6に挿通された筒体11と、筒体11に対して一操作で閉塞可能な栓部12と、クーラーボックス本体部2の貫通孔6付近の側面に固定された背板13と、背板13の上部に上端部が揺動可能に連結された支持部14とを有している。そして、栓部12はこの支持部14に回転可能に支持されており、支持部14とともに上方に揺動可能になっている。
【0018】
筒体11は、図2及び図3に示すように、内部に排水路100を有する筒状部材であり、本体部2の貫通孔6を貫通するようにはめ込まれている。筒体11は、軸方向中央付近からクーラーボックス内面側(図2の左側;以下、ボックス内方向という)にかけて外径がやや小径に形成されており、小径に形成された部分と他の部分との間に係止段11bが形成されている。また、筒体11のボックス内方向端部の外周面には雄ネジ部11aが形成されており、クーラーボックス外方側(図2の右側;以下、ボックス外方向という)端部付近には他の部分より径の大きいフランジ11cが形成されている。このフランジ11cには、図4に示すように、一対の切欠き11dが設けられている。
【0019】
なお、図4は、図3に示す筒体11をボックス内方向(図3の右方)から見た図である。さらに、筒体11の外周部の一部には、軸方向に所定の長さを有する1対の係止部11eが突出して形成されている。この係止部11eは、本体部2の貫通孔6に係止された係止用の切欠き(図示せず)及び背板13に形成された係止用の切欠き13b(図5を参照)に係止しており、これにより、筒体11の回止めを実現している。
【0020】
また、筒体11のフランジ11cにおけるボックス内方向の面には、切欠き11dから反時計回りに所定の角度で傾斜面11f(図4の斜線で示す部分)が形成されている。この傾斜面11fは、時計回りに徐々にその厚みが薄くなっている。この筒体11は、雄ネジ部11aがボックス内方向に位置するように雄ネジ部11a側から貫通孔6に差し込まれる。そして、雄ネジ部11aと螺合可能なナット15がクーラーボックス内部に配置され、これらを締め込めこんで、本体2の側壁2b及び背板13を挟むようにして固定されている。この際、ナット15とクーラーボックスの本体部2との間には、ゴム製のパッキン16が配置される。
【0021】
背板13は、図2及び図5に示すように、中央に孔41が形成された矩形の板状部材であって、上部の左右には一対の揺動支持部40が軸方向に突出して設けられている。孔41の周縁は孔41に沿って所定の深さに切り欠かれており、この切り欠かれた部分が筒体11の係止段11bと係止する係止部13aとなっている。また、孔41の内周面には、対向するように形成された1対の係止用の切欠き13bが形成されており、この切欠き13bに筒体11の係止部11eが係止している。揺動支持部40は、内支持部40aと外支持部40bとを有しており、それぞれシャフト20が貫通可能な軸穴40cが形成されている。この揺動支持部40は、後に詳しく説明する支持部14の上端部が揺動可能に連結される。そして、この背板13は、孔41に筒体11が挿通され係止部13aが筒体11の係止段11bに係止した状態で、クーラーボックス本体部2の側壁2bに固定されている。
【0022】
栓部12は、図2及び図7に示すように、筒体11のボックス外方向端部に係止可能な蓋付き円筒形部材である。なお、図7は栓部12をボックス内方向から見た図である。栓部12のボックス内方向端部には、中心方向に突出した一対の突出部60が設けられており、突出部60と軸方向において所定の間隔をあけたボックス外方向の内周面には複数の小突起部61が設けられている。ここでは、突出部60が筒体11のフランジ11cに係止し、パッキン17が筒体11の排水路100の開口部に密着することで、排水路100が閉じられる。また、小突起部61と栓部12のボックス外方向の内底面との間には、円盤状のゴム製パッキン17が配置されている。
【0023】
また、栓部12は、ボックス外方向底面に設けられボックス外方向に突出した複数の突起12aと、ボックス外方向底面の中央付近に設けられた貫通孔12bと、ボックス外方向底面に設けられ筒体11のボックス外方向端面と合致するようにボックス内方向に突出した環状の凸部12cとを有している。この凸部12cが栓部12を筒体11に固定した際に、パッキン17を筒体11のボックス外方向端面に押し付けて、密着性を向上させる。
【0024】
支持部14は、図2及び図6に示すように、矩形の板状の部材であって、中央部に孔51を有するとともに、上部の左右には1対の揺動支持部50が軸方向に沿ってボックス内方向に突出して設けられている。また、その下部は背板13の下端よりも下方に延びて設けられている。揺動支持部50は、一対の内支持部50aと、各内支持部50aの左右両側に所定の間隔を隔てて設けられた一対の外支持部50bとからなる。この揺動支持部50にはそれぞれシャフト20が貫通可能な軸穴50cが形成されており、各支持部50a,50bは背板13の各支持部40a,40bと交互になるように組み合わされて、シャフト20が貫通している。
【0025】
ここで、シャフト20と各揺動支持部40,50の孔40c,50cとの間には、隙間が空くように形成されており、支持部14及びこの支持部14に装着された栓部12とツマミ部19とが筒体11に対して軸方向に移動可能になっている。また、栓部12は支持部14の孔51に対して、所定の角度範囲で回転可能に装着されている。詳しくは、栓部12がボックス内方向から挿入された状態で支持部14の孔51に配置される。この栓部12の孔12bにはビス18が貫通してボックス外方向に突出している。そして、このビス18の先端部がツマミ部19のボックス内方向側の面の中央部に形成されたネジ穴19aに螺合し、栓部12とツマミ部19とが固定されている。従って、このツマミ部19の回転とともに、栓部12が支持部14に対して回転可能になっている。
【0026】
このように構成されたクーラーボックスでは、栓部12を筒体11に締め込んで排水路100を閉じる場合、図8に示すように、栓部12の突出部60を筒体11のフランジ11cの切欠部11dに合わせてボックス内方向に押し込んだ後、ツマミ部19を時計回り方向に回転させ、突出部60をフランジ11cに係止させる。このとき、突出部60はフランジ11cの傾斜面11f(図8に波線で示す領域)に沿って回転する。傾斜面11fは、時計回りに回転するに従って厚みが厚くなっており、回転に従って栓部12及びツマミ部19は支持部14とともにボックス内方向に移動する。これにより、パッキン17が栓部12の凸部12cにより筒体11の外側端面に圧接され、筒体11と栓部12との隙間からクーラーボックス本体2内の水が液漏れするのを抑えている。
【0027】
なお、前述のように、各揺動支持部40,50の孔40c,50cとシャフト20との間には隙間が設けられているので、栓部12,ツマミ部19及び支持部14は、栓部12の突出部60が筒体11のフランジ11cに係止した後も、筒体11に対して軸方向に移動可能である。また、栓部12を取り外して排水路100を開放する場合は、排水路100を閉じる場合と逆に、ツマミ部19を半時計回りに回転させて、突出部60をフランジ11cの切欠部11dへ移動させ、栓部12を筒体11から取り外す。
【0028】
排水時にクーラーボックス本体を排水路100側へ傾けると、栓部12及びツマミ部19は支持部材14とともに、図2の2点鎖線で示すように、上方に揺動する。この際、支持部14の下端は下方に長く延伸しているので、排水路100から流出する水等が跳ね上がるのを抑える。以上のように、このクーラーボックスでは、ツマミ部19を所定の角度回転させることによって、栓部12を筒体11に取り外しできるので、排水作業が容易になる。
【0029】
[他の実施形態]
(a)背板と支持部材との間に支持部材を上方に回動させる方向に付勢するバネ等の付勢手段を設けてもよい。
【0030】
この付勢手段を設けることで、栓部を筒体から取り外した場合、栓部が自動的に上方に回動し、排水作業がより容易になる。
【0031】
(b)支持部材を設けることなく、栓部に脱落防止部材を連結して、取り外した栓部が筒体から脱落して紛失するのを防止してもよい。
【0032】
脱落防止部材としては、例えば、プラスチック製の湾曲可能なT字型部材を筒体に引っかけたものや、一端を筒体に連結し他端を栓部に連結したチェン等が例示できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係るクーラーボックスによれば、筒体に対して一操作で閉塞可能な栓部を有しているので、クーラーボックス内に溜まった水等を容易に排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用したクーラーボックスの全体図。
【図2】図1の水抜部10付近の拡大断面図。
【図3】筒体11の側面図。
【図4】筒体11の正面図。
【図5】背板13の正面図。
【図6】支持部14の正面図。
【図7】栓部12の正面図。
【図8】筒体11の正面図における、突出部60の移動を示した図。
【符号の説明】
2 本体部
10 水抜部
11 筒体
12 栓部
13 背板
14 支持部
19 ツマミ部
Claims (6)
- 保冷のためのクーラーボックスであって、
側壁下部に貫通孔を有する本体部と、
前記本体部の上部に開閉可能に設けられている蓋部と、
前記貫通孔に挿通された筒体と前記筒体に一操作で閉塞可能な栓部とを有している水抜部と、
を備え、
前記筒体は、外方側端部に設けられ切り欠きが設けられたフランジと、前記フランジの回り止めをする第1係止部とを有し、
前記栓部は前記切り欠きにはめ込んで回転させることにより前記フランジに一操作で係止可能な第2係止部を有している、
クーラーボックス。 - 前記フランジは、前記栓部の回転方向に沿って徐々に厚みが変化する部分を有する、
請求項1に記載のクーラーボックス。 - 前記栓部は、前記筒体よりも大径であり、前記筒体を閉塞した状態で前記筒体の外周を覆う、
請求項1または2に記載のクーラーボックス。 - 前記筒体は、前記栓部に係止する前記所定角度以下の範囲に設けられた傾斜面を有する、
請求項1に記載のクーラーボックス。 - 前記栓部に連結され前記栓部の前記筒体からの脱落を防止する脱落防止部材をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載のクーラーボックス。 - 前記栓部は前記筒体に当接する面にパッキンをさらに備えている、
請求項1から5のいずれかに記載のクーラーボックス。
Priority Applications (1)
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JP01413798A JP3712246B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | クーラーボックス |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP01413798A JP3712246B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | クーラーボックス |
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JPH11206302A JPH11206302A (ja) | 1999-08-03 |
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Family
ID=11852768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01413798A Expired - Lifetime JP3712246B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | クーラーボックス |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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-
1998
- 1998-01-27 JP JP01413798A patent/JP3712246B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11206302A (ja) | 1999-08-03 |
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