JP3711745B2 - データ通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は物流システム,電子回数券システム等の非接触識別システムに用いられるデータ通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来組立搬送ラインや物流システムで用いられる物品識別システムや電子回数券システム等においては、物品を識別して管理するシステムが必要となる。そこで特開平1−163991号のように識別対象物にメモリを有するタグ(データキャリア又はIDカードともいう)を設け、電磁誘導によって非接触データ伝送を行い、タグに必要な情報を書込んだり、必要に応じてその情報を読出すようにした識別システムが提案されている。このようなタグは荷物やパレット等に取付けられ、又は使用者が所持しており、荷物等の搬送経路や入退室ゲートの側方に配置されたデータ通信装置からタグに必要なデータを書込み又は読出すように構成される。
【0003】
このような従来の識別システムにおいては、データ通信装置は送信用アンテナコイル,受信用アンテナコイルと制御部から成り立っており、送受信アンテナコイルは一体に形成されたコイルユニットや2つのコイルを兼用させたものもある。そして従来の識別システムでは、送受信アンテナコイルとタグとを対向させてデータ通信を行っている。このような場合に通信距離を大きくするには送受信アンテナコイルの形状を大きくするか、送信時のパワーを大きくする必要がある。しかしタグ側での受信エネルギーは送受信アンテナコイルからタグまでの距離の3乗に反比例するため、通信距離を大きくするためには送信電力を大幅に大きくしなければならなくなり、実用上十分な距離が得られないという欠点があった。
【0004】
そこで例えば特開平6−282809号は、送信アンテナコイルと受信アンテナコイルを1組としてこれを2組使用し、互いに同軸上で対向させるようにしてアンテナコイルを配置し、通信領域を拡大するようにした構成が示されている。これは図26に示すように、リードライトヘッド200に平面状の平行なアンテナコイル201,202を接続する。各アンテナ内には送信コイル203と受信コイル204とが夫々同軸に封入されている。このようにすればこれらのアンテナコイル201,202の間では比較的広い範囲でタグ205との間の通信が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の識別システムによれば、図27(a)に示すように2つのアンテナコイル201,202の面とタグ205のコイルが設けられる面とがほぼ平行であれば、比較的広い範囲で通信ができるが、図27(b)に示すようにタグの面がこれと垂直方向であれば通信領域が狭くなり、タグとの通信がほとんどできなくなるという欠点があった。従って例えば物流システム等において物品にタグを取付けてベルトコンベア上等を搬送する場合には、タグが取付けられる向きが一定していなければ通信を行うことができず、応用範囲が限られてしまうという欠点があった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであって、通信領域内ではタグの向きにかかわらず通信できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、前記各グループの受信ループコイルは、夫々互いに対称な2つの受信ループコイルを1組として、受信ループコイルの夫々に互いに平行な複数組の受信ループコイルを前記通信領域に沿って所定間隔を隔てて配置したことを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項2の発明は、タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、前記各グループの受信ループコイルは、夫々互いに対称な2つの受信ループコイルを1組として、受信ループコイルの夫々に互いに平行な複数組の受信ループコイルを前記通信領域に沿って所定間隔を隔てて配置し、前記各グループ毎の夫々の受信ループコイルで構成される面が互いに直交するように配置されたことを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項3の発明は、請求項1のデータ通信装置において、前記各グループの受信ループコイルは、通信領域の第1,第2の面に沿ってその端部を折り曲げて形成したことを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項4の発明は、タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、前記受信部は、前記夫々のグループの各受信ループコイルの出力を夫々検波する検波回路と、前記各検波回路の出力を各グループ毎に夫々加算する加算回路と、を有し、前記受信部は、前記各加算回路の出力を復号化する復号化回路と、前記復号化回路の出力のうち受信信号強度の高い加算回路より出力される復号化出力を選択する選択回路と、を有することを特徴とするものである。
【0016】
本願の請求項5の発明は、タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、前記受信部は、前記各グループの受信ループコイルの各グループ毎に設けられ、各グループの一方の受信ループコイルの出力の位相を反転するπ位相シフト手段と、前記各グループ毎に、前記一方の受信ループコイルの出力を前記π位相シフト手段を介して入力し、他方の受信ループコイルの出力を直接入力して加算する第1,第2の加算回路と、前記夫々の受信ループコイルの出力を直接入力して加算する第3の加算回路と、を有し、前記受信部は、前記各加算回路の出力を復号化する復号化回路と、前記復号化回路の出力のうち受信信号強度の高い加算回路より出力される復号化出力を選択する選択回路と、を有することを特徴とするものである。
【0023】
本願の請求項6の発明は、タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、互いに平行な第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とすると、前記第1,第2の面に対して夫々所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、前記第1グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、前記送信コイルを駆動する送信部と、前記通信領域内で前記タグの方向をチルトさせるチルト機構と、を有することを特徴とするものである。
【0024】
本願の請求項7の発明は、請求項6のデータ通信装置において、前記チルト機構は、通信領域に前記タグが進入した後に駆動することを特徴とするものである。
【0025】
本願の請求項8の発明は、請求項1のデータ通信装置において、前記複数組の受信ループコイルは、夫々独立して形成され、その出力を加算する加算を有することを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1,図2は本発明の第1の実施の形態によるデータ通信装置とこれに接続される送信アンテナ及び受信アンテナを示す図である。本実施の形態による識別システムのデータ通信装置は、搬送経路11上を搬送される物品12にタグ13を張り付け、電磁誘導によりタグ13のデータを読取り、又はタグ13に情報を書込むものである。図1において搬送方向を−y軸とし、破線で示す直方体状の部分はタグ13とデータ通信を行う搬送経路11上の通信領域14とする。この通信領域14を形成する各面のうち搬送経路11と垂直な入口側、及び出口側を夫々第1,第2の面14a,14bとする。図3(a)はこの通信領域14に設けられる送信コイルを示している。送信コイルはこの直方体状の通信領域14の各面、即ちyz平面上の直方体の両側に設けられるx軸送信コイルL1とL2、又通信領域の入口側及び出口側の面14a,14bに沿って設けられるy軸送信コイルL3,L4、及び上面と下面に夫々設けられるz軸送信コイルL5,L6によって構成されている。図2に示すようにIDコントローラ21から出力される送信データTxDは符号化回路22により符号化され、変調回路23で変調信号に変換される。変調信号はアンテナ選択回路24を介して送信ドライバ回路25,26,27のいずれかに選択的に信号が与えられる。そして送信ドライバ回路25,26,27によって、x軸方向の送信コイルL1,L2とy軸方向の送信コイルL3,L4及びz軸方向の送信コイルL5,L6が順次駆動されることとなる。
【0028】
又送信側のアンテナは図3(a)に示すように3軸の対向アンテナを用いることなく、図3(b)に示すように通信領域14の側面と上面に沿ってL字形に形成した送信コイルL7を用いてもよい。更にL字形の送信コイルL7の側面に平面状のループアンテナL8を加え、これらを45°の位相差をもって同時に駆動するようにしてもよい。
【0029】
次に受信側のアンテナ及び受信部の回路構成について図1を用いて説明する。この実施の形態では、直方体状の通信領域14の入口側の第1の面14a、及び出口側の第2の面14bに約45°の角度でz軸に平行に対称な2つのxy平面受信ループコイルL20,L21を設ける。図4はこの直方体状の通信領域14を上から見た図である。受信ループコイルL20,L21は通信領域14を形成する他の4面に沿ってループ状に形成され、2つの受信ループコイルL20,L21のなす面を直角とする。これらの2つのループコイルを第1グループの受信ループコイルとする。これらの受信ループコイルL20,L21と送信コイルL1〜L6とが第1,第2の面14a,14bを開放した角筒状の図示しないフレーム内に封入されている。
【0030】
さて受信ループコイルL20,L21は図1に示すように夫々受信アンプ31,32に接続される。受信アンプ31,32はフィルタと増幅器を有しており、増幅出力は夫々検波回路33,34に与えられる。検波回路33,34は各ループコイルで受信した信号を検波するものであり、検波出力は加算回路35により加算される。この加算出力は復号化回路36に与える。復号化回路36は加算した信号を復号化し、受信信号RxDとしてIDコントローラ21に出力するものである。
【0031】
次に2つの受信ループコイルL20,L21とタグ13との通信について図4,図5を用いて説明する。まず図4(a),図5(a)に示すようにタグ13のコイルの面がx軸に垂直方向、即ちタグ13がyz平面にある場合には、タグのコイル面の法線方向はx軸であるため、タグから放射される磁束は受信ループコイルL20,L21の双方と鎖交する。従って受信ループコイルL20,L21の双方で誘導電流が生じる。図5の受信ループコイルの矢印は電流方向を示しており、このとき受信ループコイルL20,L21を図5(a)に示すように接続しておくと、タグからの誘導電流が打ち消されることとなる。従って図1に示すように2つの受信ループコイルからの出力を夫々独立して増幅検波し、検波出力を加算回路35で加算する。又図4(b),図5(b)に示すようにタグ13のコイル面の法線方向がy軸方向である場合には、その磁束により受信ループコイルL20,L21の双方に鎖交する。このとき図5(b)に示すように2つの受信ループコイルを接続しておくと、タグからの誘導電流は加算されることとなる。一方図4(c),図6に示すようにタグ13の法線方向がx軸から45°傾いてタグ13の面と受信ループコイルL20の面とが一致している場合には、受信ループコイルL21からの出力は得られないが、受信ループコイルL20から出力が得られることとなる。又タグ13の面が受信ループコイルL21の面と一致していれば、受信ループコイルL21のみから出力が得られる。このようにタグ13は図4(a)に示す状態からz軸方向に沿ってどのように回転しても、2つの受信ループコイルL20,L21から受信信号を得ることができる。
【0032】
ここで図3(a)に示す送信コイルL1,L2等と同軸に、図7に示すように従来の受信コイルL11,L12を対向して配置した場合の受信コイルL11,L12に得られる受信感度と、図1に示すように第1,第2の面14a,14bから45°傾けた2つの受信ループコイルL20,L21で得られる受信感度とを比較する。図7に示す2つの対向型受信コイルL11,L12と図1の2つの受信ループコイルL20,L21とで形成される立方体を同一の大きさの立方体とし、各辺が2aの正方形とする。この場合には対向型の受信コイルL11,L12の一辺は2aの正方形となり、受信ループコイルL20,L21は2√2a×2aの長方形となる。ここで各受信コイルに電流Iを流した場合にタグの位置に生じる磁界強度を算出することによって、タグが発生する磁束と受信ループコイルとの鎖交量とは相互結合の持つ対称性があることから、受信感度を比較することができる。ここではタグのコイルの面積は受信コイル等に比べて十分小さく、夫々の受信ループコイルが中心点で生じる磁界強度はタグのコイルの範囲内で均一として算出する。従来の対向型受信コイルの磁界強度では、受信コイルL11,L12が作る磁束は受信コイルに流す電流をIとすると、x軸方向の成分となり、その磁界強度Hpは次式で与えられる。
Hp=2I/√3πa
【0033】
本実施の形態による受信ループコイルL20,L21の中心部に作る磁束は2つの磁界の合成成分のx軸方向に作る磁界とすると、磁界強度Hrは次式で与えられる。
Hr=3I/√3πa
このように磁界強度比は1.5となり、本発明による受信ループコイルは中心での受信感度は約1.5倍優れていることがわかる。しかも前述したようにタグがどの方向を向いていてもほぼ同一の受信感度で受信できるという優れた特徴がある。
【0034】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図8(a),(b)は第2の実施の形態による受信ループコイル部分の斜視図及び上面図である。送信部及び受信側の信号処理部は前述した第1の実施の形態と同一であるので、説明を省略する。この実施の形態ではxy平面受信ループコイルL20とL21との成す角度を90°以下とし、開口面側と受信ループコイルL20,L21との角度θを45°以上としたものである。こうすれば受信ループコイルの面がy軸方向に近づくため、タグ13のコイル面の法線がx方向を向いているときに双方の受信ループコイルの対向面積が増え、鎖交磁束も増えることとなる。従ってタグ13がx軸方向に向いている場合の受信感度を高くすることができる。又角度θを45°以下とすれば、タグ13がy軸方向を向いている場合の受信感度を高くすることができる。
【0035】
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。送信部及び受信側の信号処理部は前述した第1の実施の形態と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態は図9に示すように、対称なxy平面受信ループコイルL20−1と受信ループコイルL21−1とを1組の受信ループコイルとすると、4組の受信ループコイルL20−1,L21−1〜L20−4,L21−4を所定の間隔を隔ててy軸方向に配置する。こうして通信領域14をy軸方向に拡大すると共に、受信感度を向上させるようにしたものである。こうすれば広い範囲での通信が可能となり、搬送経路11を搬送される物品12の搬送速度が大きい場合や、書込み又は読出しのデータ量が多い場合にも、確実に通信することができる。
【0036】
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。送信部及び受信側の信号処理部は前述した第1の実施の形態と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態は図10に示すように、通信領域が一定の範囲Lに限定されている場合に受信ループコイルL20−1〜L20−3,L21−1〜L21−3の間隔を限定範囲L内にとどめるために、その一部を折り曲げて第1,第2の面に沿うように構成したものである。この場合には複数個のループアンテナを用いても限定範囲L内に受信ループコイルをとどめることができる。
【0037】
図11(a)は本発明の第5の実施の形態によるデータ通信装置の受信ループコイルの構成を示す斜視図、図11(b)はその上面図である。この実施の形態によるデータ通信装置の送信部については第1の実施の形態と同一であるので、詳細な説明を省略する。又この実施の形態においても、搬送経路の入口側、XZ面に平行で相対向する2面のうち手前の面を第1面、出口側、即ちXZ面に平行な背後の面を第2の面とすると、第1,第2の面を含んで形成される立方体状の領域を通信領域14とする。通信領域14を形成する面に沿って第1の実施の形態と同様に第1グループのxy平面受信データコイルL20,L21を設ける。受信データコイルL20,L21を第1,第2の面の中心点を貫くy軸方向に沿って90°回転させた位置に、第2グループの受信ループコイル、即ちyz平面受信ループコイルL22,L23を設ける。又これに接続される受信部は図12に示すように、受信ループコイルL20,L21の出力は前述した第1の実施の形態と同様に、夫々受信アンプ31,検波回路33及び受信アンプ32,検波回路33に与えられ、加算回路35によって加算される。又yz平面の受信ループコイルL22,L23は夫々フィルタ及び増幅器から成る受信アンプ41,42に接続される。各受信アンプ41,42ではループコイルL22,L23に得られる受信出力が増幅され、検波回路43,44を介して加算回路45に与えられる。加算回路35,45の出力は加算回路46によって加算され、更に加算出力が復号化回路47に与えられる。復号化回路47の出力は受信データRxDとしてIDコントローラ21に加えられる。
【0038】
この場合にはタグ13のコイル面の法線方向がxy平面上のどの向きを向いていても図5,図6に示すように受信ループコイルL20,L21によって受信可能であり、更に受信ループコイルL22,L23によってコイル面の法線がyz平面のどの向きであってもこれと同様に受信が可能である。更にタグコイルの法線がxy平面もしくはyz平面に対して傾いている場合には、受信ループコイルL20〜L23の全てに誘導電圧が発生する。従ってこれらの出力を加算回路35,45及び46で加算することによって、タグの向きによらず全方向での受信が可能となる。
【0039】
次に本発明の第6の実施の形態について図13〜図15を用いて説明する。本実施の形態では送信部及び受信部の受信ループコイルの構成については、第5の実施の形態と同様である。本実施の形態では第1,第2グループの受信ループコイルL20〜L23の出力を夫々スイッチ回路51〜54に接続する。スイッチ回路51〜54は受信制御パルス発生回路55からのタイミング信号G1により、送信回路が動作していないタイミングで各受信ループコイルの出力を受信アンプ31,32,41,42に入力するものである。受信アンプ31,32,41,42はフィルタ及び増幅器を有しており、受信制御パルス発生回路55からのタイミング信号G2によりスイッチ回路51〜54からの各受信ループコイルの出力をフィルタリング及び増幅するものである。増幅出力は夫々検波回路33,34,43,44に与えられる。検波回路33,34,43,44はタイミング信号G3によってその増幅出力を検波し、復号化回路56〜59に出力するものである。又復号化回路56〜59は各検波回路の出力を夫々復号化するものであり、その出力はデータ選択回路60に与えられる。データ選択回路60は各復号化回路の出力のうち有効で誤りのない復号化データRxD、又は最も入力レベルの高い受信ループコイルからの信号を復号したデータRxDを選択して、IDコントローラ21に出力するものである。
【0040】
図14はここで用いられるスイッチ回路51〜54を示す回路図である。各スイッチ回路51〜54は同一の構成を有しているため、スイッチ回路51について説明する。スイッチ回路はスイッチング用のFETJ1とこのFETJ1を動作させるトランジスタQ1,MOSFETM1を含んで構成されている。スイッチ回路51は受信制御パルス発生回路55から入力されるタイミング信号G1により送信のタイミングでジャンクションFETJ1をオフとし、その他のタイミングでFETJ1をオン状態として受信ループコイルを次段の受信アンプに接続するものである。
【0041】
次にこの実施の形態の動作について図15のタイムチャートを用いて説明する。図15(a)は図2に示す符号化回路22から変調回路23に出力されるパルス幅変調信号PWMを示しており、図15(b)はこれによっていずれかの送信コイルより送出される送信波形を示している。又図15(c)はこの送信に応じて受信ループコイルに得られる受信波形を示しており、図15(d)は受信制御パルス発生回路55から出力されるタイミング信号G1である。本図に示すように断続的に送信し、送信が停止している間の残響の有無によって信号を受信する残響制御方式によるデータ通信装置では、残響停止期間にスイッチ回路51〜54のタイミング信号G1がHレベルとなる。そしてこのタイミング信号G1よりわずかに狭いタイミング信号G2の間に受信アンプ31,32,41,42を動作させることにより、図15(f)に示す出力が得られる。更にこれより狭いタイミング信号G3によって検波及び復号化することにより、図15(h)に示す検波波形及び復号化データRxDが得られる。データ選択回路60はこのうち誤りのない復号化データを選択して出力するものである。
【0042】
次に本発明の第7の実施の形態について図16を用いて説明する。本実施の形態では受信ループコイルL20の出力をそのまま加算回路61に入力し、ループコイルL20の出力をπ位相シフト回路62を介して加算回路61に入力する。又受信ループコイルL20,L21の出力を直接加算回路63に入力する。加算回路61,63はこれらの入力を加算するもので、加算出力は受信アンプ64,65によってフィルタリング及び増幅する。そして検波回路66,67により各出力を検波し、x軸方向の受信信号,y軸方向の受信信号として出力するものである。これらの検波出力は夫々復号化回路によって復号化して誤りのない復号化データRxDを選択して出力してもよく、又検波回路66,67の出力を加算して復号化してもよい。
【0043】
この実施の形態では図5(b)に示すようにタグ13のコイル面の法線方向がy軸方向に等しければ、受信ループコイルL20,L21の出力は同相となるため、大きなレベルで同相の出力が得られ、これをそのまま加算することによって加算回路63よりy軸方向の信号が得られる。又タグ13の法線方向がx軸方向であれば、図5(a)に示すように2つのループコイルL20,L21の信号は逆相で打ち消されるため、加算回路63には出力が得られない。このときπ位相シフト回路62によって位相を反転させることによって、加算回路61の出力に高いレベルの信号が得られる。このためx軸方向とy軸方向との受信信号を独立して得ることができる。これらは第6の実施の形態と同様に独立して復号化し、データ選択回路によって誤りのない信号を選択して復号化データRxDとする。又z軸方向を信号を得るためには、図11に示すように第2グループの受信ループコイルL22,L23を用いて、一方のループコイルの出力をπ位相シフト回路を介して加算することによって、z軸方向の受信出力を得ることができる。この場合にはx軸,y軸更にz軸の受信信号を夫々独立して得ることができる。この場合も夫々独立して復号化し、データ選択回路により1つの復号化データを選択する。又各軸の受信信号をそのまま加算して復号化してもよい。
【0044】
次に本発明の第8の実施の形態について説明する。この実施の形態では図17に示すようにπ位相シフト回路に代えてπ/2位相シフト回路71を用いたものであり、加算回路61は受信ループコイルL20の出力及びπ/2位相シフト回路71の出力を加算する。受信アンプ64はこの出力を増幅し、検波回路66を介して検波するものである。前述したように2つのxy平面受信ループコイルL20,L21からの出力として常に同一又は逆位相の出力が得られる。このため一方の出力をπ/2だけ位相シフトすることにより、加算回路61には常にπ/2だけ位相がずれた信号が入力される。従ってこれを加算することによって振幅レベルの高い信号が得られる。
【0045】
例えば図18(a),(b)に示すように、受信ループコイルL20の出力IN1と受信ループコイルL21の出力IN2が反転している場合には、π/2位相シフト回路71の出力は図18(c)に示す信号IN3となる。従って図18(a),(c)の信号を加算することによって、図18(d)に示すように元の位相からπ/4だけずれた√2倍の出力が得られる。このためxy平面において高感度で受信が可能となる。又この場合には1組の受信アンプ及び検波回路によって信号を得ることができる。更に図11に示すように第2グループの受信ループコイルL22,L23を用いることによって、yz平面でも同様にして受信することができる。
【0046】
次に本発明の第9の実施の形態について図19を用いて説明する。この実施の形態では受信ループコイルは図11に示すようにxy平面受信ループコイルL20,L21とyz平面受信ループコイルL22,L23を用いる。そして第7の実施の形態と同様に、π位相シフト回路62を用いてx軸の受信出力を取り出し、復号化回路68によって復号化する。又yz平面受信ループコイルL22,L23の一方をπ位相シフト回路81を介して加算回路82で加算し、z軸の受信出力を取り出す。そして受信アンプ83を介して検波回路84によって検波し、復号化回路85により復号化する。こうすればz軸の受信出力を得ることができる。全ての受信ループコイルL20〜L23を加算回路86によって加算し、y軸の受信出力を取り出す。そして受信アンプ87を介して検波回路88で検波する。そしてその出力を復号化回路89によって復号化する。データ選択回路90はこれらの復号化回路の出力のうち正常に受信できた出力のみを選択して、受信データRxDとして出力する。こうすれば第5の実施の形態と同様に、タグ13の方向にかかわらずタグ13からの信号を受信することができる。この場合各軸毎に独立して復号化することなく検波出力を加算して復号化してもよい。又一定レベル以上のS/N比の信号を選択的に加算し復号化するようにしてもよい。こうすれば信号が得られていない軸方向の受信出力は加算されていないため、S/N比を向上することができる。
【0047】
次に本発明の第10の実施の形態について図20を用いて説明する。この実施の形態では図20に示すように、タグの通過する第1の面14a,第2の面14bの開口部以外の部分を被うように、アルミニウム等の金属板によって筐体状に構成したシールド101を施したものである。この場合には両側の開口部にはタグが通過する部分を除いて、枠状のシールド部材102を設けておく。こうすれば開口部より外部ノイズの侵入を軽減することができる。
【0048】
次に本発明の第11の実施の形態について説明する。図21は受信アンテナ部の構成を示す概略図であり、開口部から見た受信ループコイル部分を示している。本実施の形態は送信コイル,受信ループコイルを収納したフレーム100の外周部に前述したシールド101を設けると共に、フレーム100とシールド材との間に一定の間隙を設けて筒状の高磁性材料から成る磁路となる筐体103を設けたものである。この筐体はフェライトやアモルファスシートで構成するものとする。こうすればシールド101への鎖交磁束量が減少して損失が小さくなるため、受信感度の低下を抑制することができる。
【0049】
次に本発明の第12の実施の形態について図22を用いて説明する。この実施の形態ではxy平面受信ループコイルL21と連続させて開口部分にキャンセル用のループを形成したものである。受信ループコイルL20やL22,L23についてもこのような巻線を設けるが、図22では記載を省略して示している。このキャンセルループL21−Cは通信領域の第1の面14aに沿って設け、受信ループコイルL21とは巻く方向を図示のように逆方向とする。このようなキャンセルループを設けることによって、外部からのノイズとなる磁束が侵入した場合にも、外部ノイズは開口部のキャンセルループL21−C及び通信領域の開口面から斜めに配置された受信ループコイルL21とほぼ同時に鎖交し、その電流方向が逆位相となるため誘導電流を打ち消すことができる。しかし通信領域14内のタグ13からの信号成分は受信ループコイルL21とのみ鎖交するため、受信ループコイルとの端部より信号成分を得ることができる。
【0050】
次に本発明の第13の実施の形態について図23を用いて説明する。この実施の形態では第1の実施の形態等と同様に、2つのxy平面受信ループコイルL20,L21を用いるが、図23では省略している。このためタグ13のコイル面がz軸と平行であれば全ての方向を検出することができるが、タグのコイル面の法線がz軸方向にあれば検出することができなくなる。そのため通信領域14内でタグ13に付された荷物をチルト式のコンベアを介して少なくとも45°傾けるものとする。即ち押圧部111〜113は通信領域内で搬送台上の荷物12を押圧して傾けるチルト機構である。こうすればタグ13のコイル面の法線方向がz軸方向であった場合にも、タグを傾けたときにデータ通信を行うことができる。尚この押圧部111〜113は通信領域14にタグが入ったことを検知して動作させるようにしてもよい。
【0051】
次に本発明の第14の実施の形態について図24を用いて説明する。この実施の形態では第3の実施の形態等と同様に、y軸方向に複数組の受信ループコイルを用いて通信領域をy軸方向に広げる場合に、各受信ループコイルを最小単位、例えば1ターンで構成し、各受信ループコイルを加算回路121,122によって加算したものである。y軸方向に通信領域を広げる場合には、複数の受信ループコイルL20−1〜L20〜nを用いてこれらのコイルを1つの巻線で構成してもよい。しかし送受信を同時に行うデータ通信装置では、送信コイルからの影響により受信コイルには高い電圧が誘起される。従って最小ターン数で多数の受信ループコイルを用いることが好ましい。この場合には各受信ループコイルを独立させ、夫々の出力をそのまま加算回路121,122で加算することが好ましい。こうすれば受信ループコイルに誘起される送信の回り込み電圧が分圧されて小さくなるため、受信回路の保護を容易に行うことができる。
【0052】
図25は本発明の第15の実施の形態による受信ループコイルの構成を示す概略図である。この実施の形態では受信ループコイルをx軸及びy軸とx軸とに垂直な3軸方向の受信ループコイルL30〜L32を用いて構成する。この場合にはタグ13の搬送経路131は各軸から45°傾いた方向を搬送ラインとする。図25(b)はy軸方向から見た受信ループコイルL30〜L31とタグ13の搬送経路131を示している。この場合には3つの受信ループコイルの出力を第1の実施の形態と同様に検波した後加算してもよく、2つの受信ループコイルの出力をπ/2位相シフト回路を介して加算し、各軸毎の出力を得るようにしてもよい。更にこれらの出力の全てを加算して復号化することもできる。
【0053】
尚前述した各実施の形態において通信領域は直方体状としているが、第1,第2の面を被うものであれば円柱状など他の形状の通信領域としてもよいことはいうまでもない。
【0054】
尚前述した第6の実施の形態では残響制御方式について説明しているが、他の各実施の形態においても残響制御方式を用いることができることはいうまでもない。又残響制御方式以外に他の種々の方式、例えば送信側では無変調キャリアを連続して送信し、タグ側では送信データに応じて受信アンテナのインピーダンスを変化させることにより応答するロードスイッチング方式によっても、データ伝送を行うことができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本願の請求項1,6,9の発明によるデータ通信装置は、タグのコイル面が第1の面に平行な状態から第1の面に垂直な所定の軸に沿ってどの方向に回転しても、データ通信を行うことができる。更に請求項2〜20のデータ通信装置によれば、タグの方向がいずれの方向であっても通信領域内で非接触データ通信を行うことができるという効果が得られる。又請求項1〜20の発明では、従来の対向型の受信ループコイルを用いた場合に比べて、受信の信号強度を高くすることができるという効果が得られる。更に請求項4,5の発明では、通信領域を第1,第2の面の間を広げるように拡大することができる。又請求項14〜16の発明では、外部からのノイズを少なくすることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態によるデータ通信装置の送信部の構成を示す図である。
【図3】本実施の形態によるデータ通信装置の送信アンテナの構成を示す斜視図である。
【図4】受信ループコイルとタグとの関連を示す図である。
【図5】受信ループコイルとタグの方向及び誘導電流を示す斜視図(その1)である。
【図6】受信ループコイルとタグの方向及び誘導電流を示す斜視図(その2)である。
【図7】従来の対向型受信コイルとタグを示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による受信コイルを示す斜視図及び上面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による受信ループコイルを示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による受信ループコイルを示す斜視図及び上面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態による受信ループコイルの斜視図及び上面図である。
【図12】本実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。
【図14】本実施の形態によるデータ通信回路のスイッチ回路の一例を示す回路図である。
【図15】本実施の形態によるデータ通信装置の動作を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第7の実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示す図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。
【図18】本実施の形態によるデータ受信装置の各部の波形を示す波形図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態によるデータ通信装置の受信部の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態によるデータ通信装置の通信領域を示す斜視図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態によるデータ通信装置の通信領域を開口部から見た断面図である。
【図22】本発明の第12の実施の形態によるデータ通信装置の受信ループコイルを示す図である。
【図23】本発明の第13の実施の形態によるデータ通信装置とこれに取付けられるチルト機構を示す概略図である。
【図24】本発明の第14の実施の形態によるデータ通信装置の受信ループコイルと受信信号処理部の一部分を示す図である。
【図25】本発明の第15の実施の形態によるデータ通信装置の受信ループコイルの概略図である。
【図26】従来の非接触識別システムにおけるデータ通信装置のリードライトヘッドとアンテナコイルを示す斜視図である。
【図27】従来の2つの平面型アンテナコイルを用いた場合の通信領域を示す図である。
【符号の説明】
11 搬送経路
12 物品
13 タグ
21 IDコントローラ
22 復号化回路
23 変調回路
24 アンテナ選択回路
25〜27 送信ドライバ回路
31,32,41,42 受信アンプ
33,34,43,44,66,67,84,88 検波回路
35,45,46,61,63,82,86,121,122 加算回路
36,47,68,85,89 復号化回路
51〜54 スイッチ回路
60,90 データ選択回路
62,81 π位相シフト回路
71 π/2位相シフト回路
101 シールド
103 筐体
111〜113 押圧部
L1〜L8 送信コイル
L20,L21,L20−1〜L20−4,L21−1〜L21−4 xy平面受信ループコイル
L22,L23 yz平面受信ループコイル
L21−C キャンセルループ
L30〜L32 受信ループコイル
Claims (8)
- タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、
互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、
前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、
前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、
前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、
前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、
前記各グループの受信ループコイルは、夫々互いに対称な2つの受信ループコイルを1組として、受信ループコイルの夫々に互いに平行な複数組の受信ループコイルを前記通信領域に沿って所定間隔を隔てて配置したことを特徴とするデータ通信装置。 - タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、
互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、
前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、
前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、
前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、
前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、
前記各グループの受信ループコイルは、夫々互いに対称な2つの受信ループコイルを1組として、受信ループコイルの夫々に互いに平行な複数組の受信ループコイルを前記通信領域に沿って所定間隔を隔てて配置し、
前記各グループ毎の夫々の受信ループコイルで構成される面が互いに直交するように配置されたものであることを特徴とするデータ通信装置。 - 前記各グループの受信ループコイルは、通信領域の第1,第2の面に沿ってその端部を折り曲げて形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のデータ通信装置。
- タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、
互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、
前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、
前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、
前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、
前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、
前記受信部は、
前記夫々のグループの各受信ループコイルの出力を夫々検波する検波回路と、
前記各検波回路の出力を各グループ毎に夫々加算する加算回路と、を有し、
前記受信部は、
前記各加算回路の出力を復号化する復号化回路と、
前記復号化回路の出力のうち受信信号強度の高い加算回路より出力される復号化出力を選択する選択回路と、を有することを特徴とするデータ通信装置。 - タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、
互いに平行で相対向する第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とし、前記第1,第2の面に対して所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、
前記第1グループの各受信ループコイルを前記通信領域の第1,第2の面の中心点を貫く軸に沿って90°回転させた位置に、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた第2グループの受信ループコイルと、
前記第1,第2グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、
前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、
前記送信コイルを駆動する送信部と、を有し、
前記受信部は、
前記各グループの受信ループコイルの各グループ毎に設けられ、各グループの一方の受信ループコイルの出力の位相を反転するπ位相シフト手段と、
前記各グループ毎に、前記一方の受信ループコイルの出力を前記π位相シフト手段を介して入力し、他方の受信ループコイルの出力を直接入力して加算する第1,第2の加算回路と、
前記夫々の受信ループコイルの出力を直接入力して加算する第3の加算回路と、を有し、
前記受信部は、
前記各加算回路の出力を復号化する復号化回路と、
前記復号化回路の出力のうち受信信号強度の高い加算回路より出力される復号化出力を選択する選択回路と、を有することを特徴とするデータ通信装置。 - タグとの間で電磁誘導により非接触データ通信を行うデータ通信装置であって、
互いに平行な第1,第2の面で囲まれる領域を通信領域とすると、前記第1,第2の面に対して夫々所定角度傾け、前記通信領域を形成する面に沿って巻かれた互いに対称な第1グループの受信ループコイルと、
前記第1グループの受信ループコイルからの出力によって前記通信領域にあるタグからの信号を受信する受信部と、
前記通信領域に配置された複数の送信コイルと、
前記送信コイルを駆動する送信部と、
前記通信領域内で前記タグの方向をチルトさせるチルト機構と、を有することを特徴とするデータ通信装置。 - 前記チルト機構は、通信領域に前記タグの進入を検知し、その検知出力に基づいて前記タグの方向をチルトさせる押圧部であることを特徴とする請求項6記載のデータ通信装置。
- 前記複数組の受信ループコイルは、夫々独立して形成され、その出力を加算する加算を有することを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
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