JP3711600B2 - 多方弁、浄水器および流体の分配方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は多方弁、浄水器および流体の分配方法に関し、さらに詳細にいえば、流体の分配を行うための多方弁、この多方弁を用いた浄水器および流体の分配方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、流体の分配、混合を行う多方弁として、シール部を回転させることにより流体の流路を切換える構成のもの(いわゆるロータリー式のもの)、およびシール部を直線状に移動させることにより流体の流路を切換える構成のもの(いわゆるスライド式のもの)が広く採用されていた。しかし、これらの多方弁は、何れもシール部の耐久性、シール性に問題があるので、これらの問題を解消するために、
(1) 1つの室を有するバルブケース内に流体通路を閉塞する複数個の球体を設け、回転軸を回転させることにより、何れか1つの球体を円周方向に押しのけて該当する流体通路を開放させるようにした多方弁(実公平7−12770号公報参照)、
(2) バルブケースに流入口および複数の流出口を設けるとともに、各流出口を閉塞する球体を設け、回転部材を回転させることにより何れかの球体を回転部材の軸と平行な方向に移動させて該当する流出口を開放する多方弁(実開平4−132271号公報参照)、および
(3) バルブケースに流入口および2つの流出口を設け、流入口から供給される水の圧力によって流出口を閉塞するボールを設け、回転操作されるシフトアームによって何れかの球体を弁座から引き離して該当する流出口を開放する多方弁(実開平6−16778号公報)
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記(1)の多方弁を採用した場合には、回転軸を回転させることにより球体を円周方向に移動させなければならないので、必然的に球体の移動距離が大きくなり、多方弁が大型化してしまうという不都合がある。また、多方弁が大型化すれば、多方弁の内部における滞留流体の量が多くなってしまい、滞留流体の量が多いことに起因して非衛生的になってしまうという不都合もある。さらに、球体によるシール性を検査する場合などにおける球体の取り出し、交換時に、バルブケースを分解して球体を取り出さなければならないので、球体の交換、取り出しのための作業が著しく繁雑になってしまうという不都合もある。さらにまた、回転軸の形状、バルブケースの内部形状が複雑になってしまい、多方弁が高価になってしまうという不都合もある。
【0004】
前記(2)の多方弁を採用した場合には、回転軸を回転させることにより球体を回転軸の軸と平行な方向に移動させなければならないので、回転軸の軸方向の移動距離が大きくなり、多方弁が大型化してしまうという不都合がある。また、多方弁が大型化すれば、多方弁の内部における滞留流体の量が多くなってしまい、滞留流体の量が多いことに起因して非衛生的になってしまうという不都合もある。さらに、球体によるシール性を検査する場合などにおける球体の取り出し、交換時に、バルブケースを分解して球体を取り出さなければならないので、球体の交換、取り出しのための作業が著しく繁雑になってしまうという不都合もある。
【0005】
前記(3)の多方弁を採用した場合には、シフトアームを回転させることによりパルブケースの1つの室内において球体を移動させなければならないので、必然的に前記室のサイズが大きくなり、多方弁が大型化してしまうという不都合がある。また、多方弁が大型化すれば、多方弁の内部における滞留流体の量が多くなってしまい、滞留流体の量が多いことに起因して非衛生的になってしまうという不都合もある。さらに、球体によるシール性を検査する場合などにおける球体の取り出し、交換時に、バルブケースを分解して球体を取り出さなければならないので、球体の交換、取り出しのための作業が著しく繁雑になってしまうという不都合もある。さらにまた、シフトアームの形状、取り付け状態を適正に設定しなければならないので、多方弁の組み立てに細心の注意を払う必要があるとともに、不良品が生じる可能性があり、この結果、多方弁が高価になってしまうという不都合もある。
【0006】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、全体として小形化できるとともに、滞留流体の量を少なくすることができ、しかも、弁体の取り出し、交換のための作業を簡単化することができる多方弁、浄水器および流体の分配方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の多方弁は、ボディ内に、区画板を介して流入口を有する上部室と複数の流出口を有する下部室とを設けるとともに、区画板に両室を互に連通する複数の流体通路を設け、各流体通路に、上部室側から係合して流体の流通を阻止するとともに、流体の流通を阻止する状態において一部が下部室側に突出する弁体を設け、下部室に移動可能に収容されているとともに、移動に伴なって一部の弁体を上方に移動させて該当する流体通路を開放するカム部が一体的に設けられてなる移動体を有するものであり、前記弁体が球体であり、かつ、剛体からなる芯体の外表面を弾性体層で覆われてなり、さらに、前記複数の流体通路の上部室側が、前記弁体と接する部分に面取り部を有しているとともに、前記流出口のうちの一の流出口が移動体の軸方向に開口するように配されてなるものである。
【0008】
請求項2の多方弁は、移動体として、下部室に収容された長尺体であるとともに、長尺体の中心軸周りに回転されるものを採用している。
請求項3の多方弁は、複数の流体通路と流出口とが移動体によって互いに隔離されているとともに、対応する流体通路と流出口とが互いに連通されているものである。
【0009】
請求項4の浄水器は、請求項1から請求項3の何れかに記載の多方弁を有するものである。
請求項5の流体の分配、混合方法は、1つの流入口から供給されてくる流体を複数の流出口であって、該流出口のうちの一の流出口が移動体の軸方向に開口する様に配されている流出口のうち少なくとも1つに分配する流体の分配方法であって、流入口に連通される上部室と流出口に連通される下部室との間に、流入口または流出口に対応して、球体であり、かつ、剛体からなる芯体の外表面を弾性体層で覆われてなる弁体と接する部分に面取り部を有する流体通路を有する区画板を介在させ、これら流体通路を上部室側に設けた前記弁体の自重および流体供給圧力によって閉塞するとともに、閉塞状態において弁体の一部を下部室に突出させておき、分配状態に対応させて少なくとも1つの弁体を押し上げる方法である。
【0010】
【作用】
請求項1の多方弁であれば、ボディ内に、区画板を介して流入口を有する上部室と複数の流出口を有する下部室とを設けるとともに、区画板に両室を互に連通する複数の流体通路を設け、各流体通路に、上部室側から係合して流体の流通を阻止するとともに、流体の流通を阻止する状態において一部が下部室側に突出する弁体を設け、下部室に移動可能に収容されているとともに、移動に伴なって一部の弁体を上方に移動させて該当する流体通路を開放するカム部が一体的に設けられてなる移動体を有するものであるから、上部室と下部室とを連通する流体通路が弁体の自重および流体圧力によって確実に閉塞され、良好なシール性を発揮することができる。そして、移動体を移動させれば、カム部が一部の弁体を上方に移動させて該当する流体通路を開放するので、開放された流体通路を通して流体を供給することができる。この結果、流体の分配を行わせることができる。また、弁体の取り出し、交換に当っては、上部室のみを開放すればよいので、多方弁の全体を分解する必要がある従来の多方弁と比較して、必要な作業を簡単化することができる。さらに、弁体は球体であって、剛体からなる芯体の外表面を弾性体層で覆ってなるものを採用しているので、弁体によって流体通路を閉塞する場合の衝撃を大幅に緩和して該当箇所の磨耗を大幅に抑制することができるとともに、弾性体層によって良好なシール性を達成することができる。
【0011】
請求項2の多方弁であれば、移動体として、下部室に収容された長尺体であるとともに、長尺体の中心軸周りに回転されるものを採用しているので、請求項1と同様の作用を達成することができる。
請求項3の多方弁であれば、複数の流体通路と流出口とが移動体によって互いに隔離されているとともに、対応する流体通路と流出口とが互いに連通されている部室の複数の流入口と流出口とが移動体によって互いに隔離されているとともに、対応する流入口と流出口とが互いに連通されているので、請求項1と同様の作用を達成することができる。
【0012】
請求項4の浄水器であれば、請求項1から請求項3の何れかに記載の多方弁を有しているので、原水を浄化する状態、原水をそのまま流出させる状態を簡単に選択することができるほか、多方弁について請求項1から請求項3の何れかと同様の作用を達成することができる。
請求項5の流体の分配方法であれば、1つの流入口から供給されてくる流体を複数の流出口であって、該流出口のうちの一の流出口が移動体の軸方向に開口するように配されている流出口のうち少なくとも1つに分配する流体の分配方法であって、流入口に連通される上部室と流出口に連通される下部室との間に、流入口または流出口に対応して、球体であり、かつ、剛体からなる芯体の外表面を弾性体層で覆われてなる弁体と接する部分に面取り部を有する流体通路を有する区画板を介在させ、これら流体通路を上部室側に設けた前記弁体の自重および流体供給圧力によって閉塞するとともに、閉塞状態において弁体の一部を下部室に突出させておき、分配状態に対応させて少なくとも1つの弁体を押し上げるのであるから、上部室と下部室とを連通する流体通路が弁体の自重および流体圧力によって確実に閉塞され、良好なシール性を発揮することができる。そして、分配状態に対応させて一部の弁体を上方に移動させて該当する流体通路を開放するので、開放された流体通路を通して流体を供給することができる。この結果、流体の分配を行わせることができる。また、弁体の取り出し、交換に当っては、上部室のみを開放すればよいので、多方弁の全体を分解する必要がある従来の多方弁と比較して、必要な作業を簡単化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面によってこの発明の実施の態様を詳細に説明する。
なお、以下の説明はこの発明の実施態様に係る多方弁を組み込んでなる浄水器に基づいて行うが、多方弁自体は浄水器以外のものにも適用できることは周知であるから、多方弁の用途が浄水器に限定されるわけではないことは明らかである。
【0014】
図1はこの発明の浄水器の一実施態様を示す縦断面図、図2は、図1の浄水器の右側面図、図3は図1のIII−III線断面図である。
この実施態様の浄水器10は、浄水器本体11と浄水器用カートリッジ(以下、濾材収納筒部と称する)12とで構成されており、水道蛇口(図示せず)に対して浄水器本体11の固定具14で直結される。
【0015】
前記浄水器本体11は、上部に水道蛇口(図示せず)からの原水の流入口である原水入口15、側部に設けられ、かつ受入れた原水を濾材収納筒部12に供給するための原水取出口16、および下部に設けられ、かつ原水をそのままシャワー水として取出す原水供給口17およびシャワー供給口17aを有するボディ18の内部に、原水の流路を前記原水入口15または原水供給口17の方向に切り換える切換弁19が設けられたものであり、ボディ18の上部には、前記水道蛇口13と連結するための固定具14が設けられている。尚、該固定具14は、図1に示すように、リング状ゴムパッキン20、押えリング21、キャップ22からなり、キャップ11とボディ18にそれぞれ形成されたメネジとオネジとにより水漏れがない状態で水道蛇口(図示せず)とボディ18とを連結する従来公知の構成を採用している。
【0016】
前記ボディ18の内部には、3個の通水路18a,18b,18cが前記切換弁19のスプール軸23と平行に設けられてなる区画板18dによって区画された上部室18eと下部室18fとが形成されている。すなわち、図に示すように上部室18eには、原水の流入口である1つの原水入口15が設けられ、また、下部室18fには、3つの原水流出口である原水取出口16、原水供給口17、シャワー供給口17aが設けられている。そして、通水路18a,18b,18cのそれぞれに上方から水密的に係合し、係合状態において下端部が下部室18eに突出するように球状の弁体18a1,18b1,18c1が設けられている。したがって、検査時などにおける弁体18a1,18b1,18c1の取り出し、交換に当っては、前記固定具14をボディ18から取り外して上部室18eの上部を開放することにより簡単に達成することができる。前記切換弁19は、スプール軸23の所定位置にシールリング23dを設けて下部室18fの内壁面と水密的に係合させることにより、前記通水路18a,18b,18cをそれぞれ前記原水取出口16、原水供給口17、シャワー供給口17aと連通している。また、スプール軸23の所定位置(各通水路と対向する所定位置)に弁体を押し上げるためのカム部23a,23b,23cが設けられており、しかもこれらカム部23a,23b,23cは、スプール軸23を例えば90°ずつ回転させることにより選択的に上方を向き、対応する弁体を押し上げるようにしている。なお、ここで、弁体の押し上げ量としては、1〜2mmに設定すれば十分な通水量を確保することができる。したがって、上部室18eと下部室18fとを有するボディ18を小形化することができ、ひいては滞留水の量を少なくして衛生的にすることができる。そして、切換弁操作機構19aによりそのスプール軸23を所定角度回動することにより、前記弁体18a1,18b1,18c1のうち、該当する弁体の下部を押し上げて該当する通水路を開放し、前記原水入口15を、前記原水取出口16、原水供給口17またはシャワー供給口17aと選択的に連通することができる。なお、19bはクリックストップ機構であり、スプール軸23の回転位置を簡単に設定することができる。
【0017】
前記弁体18alは、図4に示すように、芯体としての鋼球18a2の全外周を弾性体層18a3にて覆ってなるものであることが必要であり、該弾性体層18a3の厚みが0.5〜1mm程度であることが好ましい。弁体をこのように構成することにより、シール性、耐久性を高めることができる。ここで、弾性体層18a3としては、例えば、ゴム硬度が50〜90度のものが好適に採用される。また、他の弁体18bl,18clについても同様の構成が採用されるので、詳細な説明を省略する。
【0018】
前記濾材収納筒部12は、側部に原水受入口24を有し、下部に複数のシャワー孔25(濾過水供給口)を有する容器26の内部に、複数の中空糸27の開口端部が濾過水供給口25に対向して設けられてなるU字状中空糸束層28と、中空糸束層28と容器26の内周面との間に充填された活性炭層29とを備えたものである。該中空糸束層28は、両端部が開口した筒体30の下部において、U字状に折曲げられた複数の中空糸27の開口端部のみが開口するように合成樹脂31でポッティングされており、該筒体30の上部がフィルタ32により容器26の内壁面に固定されているとともに、中空糸27の開口端部が濾過水供給口25に対向するように複数の孔が同心状に設けられたフィルタ33とOリング34とを介して容器26の内部に装着されている。また、容器26の上部には、中空糸束層28と活性炭層29とを容器26内に容易に充填でき、かつ中空糸膜の汚れ具合が外部からよく見えるように透明蓋35が設けられており、さらに透明蓋35の上部には、二重蓋構造を実現すべく不透明の蓋36が容器26に対して着脱自在に設けられている。以上から明らかなように、濾材としての中空糸束層28と活性炭層29とを収容する濾材カートリッジの外郭壁が濾材収納筒部12の外郭壁を兼ねている。そして、濾材収納筒部12の外郭壁により包囲された内部空間が被浄化水の通過経路を構成している。
【0019】
即ち、濾材収納筒部12は、以上に述べた部材で一体に構成されてなるものであり、使用に際しては以下に述べるバヨネット機構により、リング状ゴムパッキング39を介して浄水器本体11と一体的に連結されて、水道蛇口13に直結される浄水器10を構成する。
前記バヨネット機構は、図5および図6に示す機構であり、前記浄水器本体11のスプール軸23の左端部に対応するボディ18の内部に形成された凹部37と、前記濾材収納筒部12の原水受入口24の外周部に形成された凸部38とから構成され、該凹部37と凸部38とが係合されるようになっている着脱機構である。該凹部37と凸部38が形成される位置は、上述の場合と逆であってもよい。即ち、前記浄水器本体11に凸部38が、前記濾材収納筒部12に凹部37が形成されていてもよい。該凸部38は、図6に示すように、原水受入口24の外周部の互いに対向する位置に1対が設けられており、それぞれの凸部38は、原水受入口24の周方向のテーパ角がθで、かつ所定の巻き付け長さを有するテーパネジ38aと、このテーパネジ38aに連なり、ネジ軸方向に延びるストッパ38bとで構成されている。切欠き部は、この実施態様では1対としているが、2対以上であってもよい。切欠き部を2対以上にした場合には、濾材収納筒部12を浄水器本体11に固定するための回動角を少なくできる効果がある。また、前記凹部37は、テーパネジ38aとストッパ38bの周方向長さLよりも長い切欠き長さを有する切欠き部37aと、テーパネジ38aと係合する所定長さのメネジ37bとから構成されている。この実施態様の場合、前記ストッパ38bは、浄水器本体11のメネジ37bの終端が当接したとき、図1に示すように濾材タワー12が起立するような位置に設けられている。
【0020】
以上のように構成されたこの実施態様の浄水器10において、図5および図6に示すように、浄水器本体11と濾材収納筒部12とが両図の位置で連結された状態を仮定する(この状態における切換弁19の位置を図5の右側面から見ると12時の状態である)。
先ず、該切換弁19を時計方向に回動させ、3時の状態にすると、水道蛇口13からの原水は原水入口15から流入し、スプール軸23のカム部23bによって球体18b1を押し上げることにより開放された通水路18bおよびスプール軸23を経て原水供給口17からストレート水として流出する。今度は反時計方向に90度切換弁19を回動させ再度12時の状態に戻すと、スプール軸23のカム部23cによって弁体18b1が押し上げられて通水路18cが開放されるので、原水入口15から流入した原水はシャワー水に切り換わり、シャワー水供給口17aから流出する。さらに切換弁19を反時計方向に90度回動させ、9時の状態にすると、スプール軸23のカム部23aによって弁体18a1が押し上げられて通水路18aが開放されるので、原水入口15から流入した原水は、流路が切り換えられて原水取出口16に到達する。該原水取出口16に到達した原水は、前記バヨネット機構により濾材収納筒部12と浄水器本体11とがリング状ゴムパッキン39を介して互いに密着しているので、この部分から外部に漏れることはなく、濾材収納筒部12の原水受入口24に供給される。該原水受入口24に供給された原水は、フィルタ33の孔から活性炭層29および中空糸束層28をこの順に通過し、ここで濾過されて濾過水供給口25から浄化水として流出する。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上部室と下部室とを連通する流体通路が弁体の自重および流体圧力によって確実に閉塞され、また、移動体を移動させれば、カム部が一部の弁体を上方にのみ移動させて該当する流体通路を開放するので、従来の多方弁と比較して弁体の移動距離が少なくなり、その結果、多方弁全体が小形化するとともに多方弁内部の流体滞留量も少なくなるという特有の効果を奏する。さらに、弁体の取り出し、交換に当っては、上部室のみを開放すればよいので、多方弁の全体を分解する必要がある従来の多方弁と比較して、必要な作業を簡単化することができるという特有の効果を奏する。
【0022】
さらに請求項1の発明は、弁体によって流体通路を閉塞する場合の衝撃を大幅に緩和して該当箇所の塵耗を大幅に抑制することができるとともに、弾性体層によって良好なシール性を達成することができるという特有の効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明は、請求項1と同様の効果を奏する。
【0023】
請求項4の発明は、原水を浄化する状態、原水をそのまま流出させる状態を簡単に選択することができるほか、多方弁について請求項1から請求項3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明は、上部室と下部室とを連通する流体通路が弁体の自重および流体圧力によって確実に閉塞され、良好なシール性を発揮することができ、また、移動体を移動させれば、カム部が一部の弁体を上方に移動させて該当する流体通路を開放するので、開放された流体通路を通して流体を供給することができ、この結果、流体の分配を行わせることができる。さらに、弁体の取り出し、交換に当っては、上部室のみを開放すればよいので、多方弁の全体を分解する必要がある従来の多方弁と比較して、必要な作業を簡単化することができる。組立作業を簡単化することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の浄水器の一実施態様を示す縦断面図である。
【図2】図1の浄水器の右側面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】弁体の構成を示す縦断面図である。
【図5】図1の浄水器本体に用いられているバヨネット機構の部分斜視図である。
【図6】図1の濾材収納筒部に用いられているバヨネット機構の部分斜視図である。
【符号の説明】
15 原水入口 16 原水取出口
17 原水供給口 17a シャワー供給口
18 ボディ 18a,18b,18c 通水路
18a1,18b1,18c1 弁体 18a2 鋼球
18a3 弾性体層 18d 区画板
18e 上部室 18f 下部室
23 スプール軸 23a,23b,23c カム部
Claims (5)
- ボディ(18)内に、区画板(18d)を介して流入口(15)を有する上部室(18e)と複数の流出口(16)(17)(17a)を有する下部室(18f)とを設けるとともに、区画板(18d)に両室(18e)(18f)を互に連通する複数の流体通路(18a)(18b)(18c)を設け、各流体通路(18a)(18b)(18c)に、上部室(18e)側から係合して流体の流通を阻止するとともに、流体の流通を阻止する状態において一部が下部室(18f)側に突出する弁体(18al)(18bl)(18cl)を設け、下部室(18f)に移動可能に収容されているとともに、移動に伴なって一部の弁体(18al)(18bl)(18cl)を上方に移動させて該当する流体通路を開放するカム部(23a)(23b)(23c)が一体的に設けられてなる移動体(23)を有する多方弁であって、前記弁体(18al)(18bl)(18cl)が球体であり、かつ、剛体からなる芯体(18a2)の外表面を弾性体層(18a3)で覆われてなり、前記複数の流体通路(18a)(18b)(18c)の上部室(18e)側が、前記弁体(18al)(18bl)(18cl)と接する部分に面取り部を有しているとともに、前記流出口(16)(17)(17a)のうちの一の流出口(16)が移動体(23)の軸方向に開口するように配されていることを特徴とする多方弁。
- 移動体(23)が、下部室(18f)に収容された長尺体であるとともに、長尺体の中心軸周りに回転されるものである請求項1に記載の多方弁。
- 複数の流体通路(18a)(18b)(18c)と流出口(16)(17)(17a)とが移動体によって互いに隔離されているとともに、対応する流体通路と流出口とが互いに連通されている請求項1に記載の多方弁。
- 請求項1〜3の何れかに記載の多方弁を有する浄水器。
- 1つの流入口(15)から供給されてくる流体を複数の流出口(16)(17)(17a)であって、該流出口(16)(17)(17a)のうちの一の流出口(16)が移動体(23)の軸方向に開口するように配されている流出口(16)(17)(17a)のうち少なくとも1つに分配する流体の分配方法であって、流入口に連通される上部室(18e)と流出口に連通される下部室(18f)との間に、流入口または流出口に対応して、球体であり、かつ、剛体からなる芯体(18a2)の外表面を弾性体層(18a3)で覆われてなる弁体(18al)(18bl)(18cl)と接する部分に面取り部を有する流体通路(18a)(18b)(18c)を有する区画板(18d)を介在させ、これら流体通路(18a)(18b)(18c)を上部室(18e)側に設けた前記弁体(18al)(18bl)(18cl)の自重および流体供給圧力によって閉塞するとともに、閉塞状態において弁体(18al)(18bl)(18cl)の一部を下部室(18f)に突出させておき、分配状態に対応させて少なくとも1つの弁体(18al)(18bl)(18cl)を押し上げることを特徴とする流体の分配方法。
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