JP3711489B2 - 頭部保護エアバッグ装置のエアバッグ - Google Patents

頭部保護エアバッグ装置のエアバッグ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭部保護エアバッグ装置のエアバッグに関し、詳しくは、膨張用ガスを流入させて膨張する複数の膨張部を有したエアバッグ本体と、膨張用ガスを各膨張部に導くようにエアバッグ本体内に配設されるインナチューブと、を備えたエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来の頭部保護エアバッグ装置のエアバッグは、膨張用ガスの流入時に、車内側のドア等の開口を覆うように展開膨張可能に、車内側開口の上縁側の周縁に折り畳まれて収納されるエアバッグ本体と、エアバッグ本体内に配設されて、インフレーターからの膨張用ガスをエアバッグ本体内に案内するインナチューブと、を備えて構成されていた(特開平11−235965号公報参照、特に、図9・10参照)。
【0003】
エアバッグ本体は、車内側壁部と車外側壁部とを結合させた区画結合部に区画されるように、インナチューブの軸方向に沿って複数並設されて、それぞれ、膨張用ガスの流入時に車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨張する膨張部を、備えていた。そして、インナチューブは、各膨張部内に膨張用ガスを供給可能な供給口を開口させてエアバッグ本体内に配設されていた。
【0004】
この種の頭部保護エアバッグ装置においては、各膨張部を均等に展開膨張させることが望ましい。そして、各膨張部を均等に展開膨張させるためには、膨張初期に、インナチューブが、膨張用ガスを流入させて内圧を略均等とするように膨張して、各膨張部の展開時間を略均等とするように、各供給口から膨張用ガスを流入させることが好ましく、インナチューブを、内圧が均等となるように膨張させて、各膨張部の展開時間を略均等とするように、各供給口から膨張用ガスを流入させるためには、インナチューブの供給口の大きさが重要となる。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、インナチューブを内部に配設させたエアバッグ本体を、各膨張部が均等に膨張するように、展開膨張させることが可能な頭部保護エアバッグ装置のエアバッグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置のエアバッグは、膨張用ガスの流入時に、車内側の開口を覆うように展開膨張可能なエアバッグ本体と、
エアバッグ本体内に配設されて、インフレーターからの膨張用ガスをエアバッグ本体内に案内するインナチューブと、
を備えて構成されるとともに、
エアバッグ本体が、インナチューブの軸方向に沿って複数並設されて、それぞれ、膨張用ガスの流入時に車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨張する膨張部を、備えて構成され、
インナチューブが、各膨張部内に膨張用ガスを供給可能な複数の供給口を開口させて構成されている頭部保護エアバッグ装置のエアバッグであって、
供給口が、インナチューブの全長にわたって、略均等な内径寸法として5〜20個配設され、
インナチューブの内径寸法をφ25〜60の範囲内に設定して、インナチューブの膨張時における断面積をSoとし、インナチューブの長さ寸法Lを1500〜3000mmの範囲内に設定した場合、供給口の合計の開口面積sが、
0.25×10-3≦So/L・s≦0.55×10-3
で表される数式の範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0007】
供給口を上記のように設定とすれば、インフレーターから膨張用ガスを流入させてインナチューブが膨張した際のインナチューブの内圧を略均等にすることができる。そのため、インナチューブの膨張が略完了した後に、各供給口から各膨張部内に流入する膨張用ガスの量を略一定にすることができて、各膨張部を、展開時間を略均等とするように展開膨張させることができる。
【0008】
従って、本発明のエアバッグでは、インナチューブを内部に配設させたエアバッグ本体を、各膨張部が均等に膨張するように、展開膨張させることが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
実施形態のエアバッグ11は、図1に示すように、車両Vに搭載される頭部保護エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」と省略する)Mに使用されるものであり、車内側のドアや窓部の開口Wの上縁側周縁におけるフロントピラー部FPの下縁側、ルーフサイドレール部RRの下縁側、及び、リヤピラー部RPの上方側にわたって、折り畳まれて収納されている。
【0011】
エアバッグ装置Mは、エアバッグ11、インフレーター39、取付ブラケット37・40、及び、エアバッグカバー8を、備えて構成されている。
【0012】
インフレーター39は、図1・3に示すように、折り畳まれたエアバッグ11に膨張用ガスGを供給するシリンダタイプとしており、エアバッグ11の後述する接続口部14aと、インナチューブ32の後端32aと、が外装されることとなる。実施形態のインフレーター39は、円柱状の本体部39aと、膨張用ガスGをインナチューブ32に案内する金属製の案内筒部39cと、を備えて構成され、案内筒部39cは、本体部39aに対して、部分的に内径寸法を縮径させるようにかしめて固定されている。本体部39aは、小径の円柱状とした先端部に、膨張用ガスGを吐出させる複数のガス吐出口39bを配設させている。
【0013】
取付ブラケット40は、板金製として、エアバッグ11の接続口部14aとインナチューブ32の後端32aとを外装させてインフレーター39を、接続口部14aおよびインナチューブ後端32aごと外周側から挟持する円筒状の保持部40aと、2本の取付ボルト41を利用して、リヤピラー部RPの車内側におけるボディ1側の板金製のインナパネル2に取り付ける取付部40bと、を備えて構成されている。保持部40aは、内径寸法を縮径させるようにかしめて、インフレーター39等を保持することとなる。取付部40bには、取付ボルト41を挿通させる取付孔40cが形成されている。
【0014】
取付ブラケット37は、図1・2に示すように、板金製として、エアバッグ11における後述する各取付部24を挟持するもので、それぞれ、車内側Iの内プレート37aと車外側Oの外プレート37bとを備えて構成されている。内・外プレート37a・37bには、各取付部24の取付孔24aに対応する取付孔37cが貫通されている。そして、取付ボルト38を、取付孔24a・37cに挿通させて、インナパネル2の取付孔2a周縁に固着されたナット2bに螺合させることにより、各取付部24がインナパネル2に取り付けられることとなる。
【0015】
エアバッグカバー8は、図1・2に示すように、フロントピラー部FPに配置されるピラーガーニッシュ4とルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5とのそれぞれの下縁側から構成されている。なお、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製として、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRの車内側Iにおけるボディ1のインナパネル2に取付固定されている。また、ルーフヘッドライニング5は、フロントピラー部FPの上方付近から、センターピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方付近まで、配設されている。
【0016】
エアバッグ11は、図1・2・4〜8に示すように、膨張用ガスGの流入時に、車内側Iの開口W(W1・W2)を覆うように展開膨張可能なエアバッグ本体12と、エアバッグ本体12内に配設されて、インフレーター39からの膨張用ガスGをエアバッグ本体12内に案内するインナチューブ32と、を備えて構成される。
【0017】
エアバッグ本体12は、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されて、図1・2・4〜8に示すように、インフレーター39からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、開口W(W1・W2)やセンターピラー部CPのピラーガーニッシュの車内側Iを覆うように展開膨張する構成である。また、エアバッグ本体12は、車内側壁部13aと車外側壁部13bとを離すようにして、膨張用ガスGを内部に流入可能なガス流入部13と、膨張用ガスGを流入させない非流入部23と、から構成されている。
【0018】
ガス流入部13は、実施形態の場合、チューブ配設部14、前席用流入部15、後席用流入部16、及び、連通流入部21、から構成されている。チューブ配設部14は、エアバッグ本体12の上縁12a側で車両Vの前後方向に沿って直線状に配設され、内部に、インナチューブ32を配設させることとなる。前席用流入部15は、チューブ配設部14の前部側の下方に配置され、エアバッグ11の展開膨張時、車両Vの前席の側方に配置されて、前席側方の開口W1を覆うように膨張することとなる。後席用流入部18は、チューブ配設部14の後部側の下方に配置され、エアバッグ11の展開膨張時、車両Vの後席の側方に配置されて、後席側方の開口W2を覆うこととなる。連通流入部21は、前席用流入部15の後端下部と後席用流入部18の前端下部とを連通するように、後述する長方形板状部28cの下方側におけるエアバッグ本体12の下縁12b側で、下縁12bに沿って前後方向に配置されている。
【0019】
チューブ配設部14は、後端側に接続口部14aを備えている。接続口部14aは、後端を開口させて、エアバッグ本体12から突出するように略円筒状に形成されている。チューブ配設部14は、接続口部14aから直線状に前方に延びて、前席用流入部15の上方まで配設されている。また、接続口部14aは、既述したように、インナチューブ後端32aを介在させて、インフレーター39に外装されることとなる。
【0020】
前席用・後席用流入部15・18は、後述する区画結合部27で区画されて、インナチューブ32の軸方向に沿って車両の前後方向に配設される複数の膨張部16・19から構成されている。前席用流入部15は、4つの膨張部16A・16B・16C・16Dから構成されている。後端側に配置される膨張部16Dは、後述する長方形板状部28cの前縁側に接しており、下端16aを、連通膨張部21の前端と連通させている。膨張部16D以外の各膨張部16A・16B・16Cは、全て、下端側が、非流入部23の後述する周縁結合部25の下縁側部25bによって閉塞されている。
【0021】
後席用流入部18も、4つの膨張部19A・19B・19C・19Dから構成されている。前端側に配置される膨張部19Aは、下端19aを連通流入部21の後端と連通させている。膨張部19A以外の各膨張部19B・19C・19Dは、全て、下端側が周縁結合部25の下縁側部25bによって閉塞されている。
【0022】
非流入部23は、車内側壁部13aと車外側壁部13bとを結合させたように構成されており、取付部24、周縁結合部25、区画結合部27、及び、板状部28と、から構成されている。
【0023】
周縁結合部25は、ガス流入部13の周囲で、後述する長方形板状部28cの周囲を含めて、ガス流入部13と接する部位に配設されて、ガス漏れが生じないように密に織成されている。
【0024】
取付部24は、エアバッグ本体12の上縁12a側における周縁結合部25の上縁側部25aや板状部28(三角板状部28a・28b)から上方へ突出するように、複数(実施形態では8個)配置されて、インナパネル2に取り付けるための取付ブラケット37が固着されることとなる。各取付部24には、取付ボルト38を挿通させる取付孔24aが開口されている。
【0025】
板状部28は、エアバッグ本体12の前端側と後端側とに配置される三角板状部28a・28bと、前後の前席用流入部15と後席用流入部18との間におけるチューブ配設部14と連通流入部21との間に配設される長方形板状部28cと、から構成されている。板状部28は、エアバッグ本体12の全体形状を確保するとともに、ガス流入部13の容積を小さくして、膨張完了までの時間を短くするために設定されている。なお、前方側の三角板状部28aは、周縁結合部25の前縁側から前方に突出するように配設され、後方側の三角板状部28bは、周縁結合部25の後縁側から後方に突出するように配設されている。また、長方形板状部28cの周囲におけるガス流入部13(前席用・後席用流入部15・18・連通流入部21・チューブ配設部14)との間に、周縁結合部25が配設されている。
【0026】
区画結合部27は、各前席用・後席用流入部15・18の領域内で、上端27aを前後方向に突出させて、周縁結合部25の下縁側部25bから連通流入部21まで上方に延びるような略「T」字形状として、車両Vの前後方向に複数並設されている。各区画結合部27は、各流入部15・18内を複数の膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19Dに区画するものであり、各流入部15・18が膨張用ガスGを流入させて膨張した際、各流入部15・18の厚さを略均等にするために配設されるものである。また、各区画結合部27は、接続口部14a付近からエアバッグ本体12の前部にかけて、すなわち、三角板状部32bの後端の取付部24Bから三角板状部32aの前端の取付部24Fにかけての前後方向に張力を発揮させて、エアバッグ本体12が、車内側Iや車外側Oへの押圧力を受けても、大きく揺動しないように、配置されるものである。
【0027】
インナチューブ32は、円筒状として、エアバッグ本体12のチューブ配設部14内に挿入されて配置されている。インナチューブ32の後端32aは、インフレーター39への外装時に、ずれないように、接続口部14aの内周面側に熱溶着されている。インナチューブ32は、ポリアミド糸・ポリエステル糸等を使用した織布からなる一枚のシート材の端部相互をポリアミド糸等からなる縫合糸Sにより縫合して、円筒状に形成されている。なお、接続口部14aから離れたインナチューブ32の前端32bは、閉塞されている。また、インナチューブ32の長さ寸法Lは、1500〜3000mmの範囲内に設定され、インナチューブ32の円筒形に膨らませた状態における内径寸法dは、φ25〜60の範囲内に設定されている。
【0028】
そして、インナチューブ32における周壁32cの下部側には、図4・7・8に示すように、エアバッグ本体12における各流入部15・18内に膨張用ガスを供給可能な複数(実施形態では8個)の供給口34が設けられている。各供給口34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34Hは、インナチューブ32の全長にわたって略均等な内径寸法として配設されるもので、インナチューブ32における各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19Dの上方に配置される位置に開口して、インナチューブ32内から各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19D内に膨張用ガスGを供給可能に形成されている。
【0029】
そして、供給口34は、インナチューブ32の膨張時における断面積をSo、インナチューブ32の長さ寸法をLとした場合、供給口34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34Hの合計の開口面積sが、
0.25×10-3≦So/L・s≦0.55×10-3
で表される数式の範囲内に設定されている。
【0030】
実施形態では、具体的には、インナチューブ32の長さ寸法Lを1865mm、インナチューブ32の円筒形に膨らませた状態における内径寸法dをφ40に設定し、前席用流入部15の前端側に配置される供給口34Aと、後席用流入部18の後端側(インフレーター39近傍側)に配置される供給口34Hと、の内径寸法をφ11に設定し、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法を、φ16に設定している。すなわち、上記数式におけるSo=400πで、s=444.5πとなって、So/L・s=0.483×10-3となる。
【0031】
次に、このエアバッグ11の車両Vへの搭載について説明する。まず、インナチューブ32を、エアバッグ本体12に挿入する。インナチューブ32を、接続口部14aの開口側から、所定の治具を使用して、エアバッグ本体12のチューブ配設部14内に挿入し、後端32a側を高周波溶着等を利用して、接続口部14a付近に熱溶着させて、エアバッグ11を製造する。次いで、平らに展開したエアバッグ本体12を、図4の二点鎖線に示すように、インナチューブ32とともに、順次、山折りと谷折りとの折り目Cを入れて、エアバッグ本体12の下縁12b側を上縁12a側に接近させるように、蛇腹折りする(図2参照)。
【0032】
そして、折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の破断可能なテープ36(図2参照)により、エアバッグ11の所定箇所をくるむとともに、インフレーター39・取付ブラケット37・40を取り付けて、エアバッグ組付体を形成する。
【0033】
その後、各取付ブラケット37・40をインナパネル2の所定位置に配置させ、各取付孔24a・37c・40cを挿通させてボルト38・41度目し、各取付ブラケット37・40をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体をボディ1に取り付ける。次いで、インフレーター39に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、リヤピラーガーニッシュ6・センターピラーガーニッシュ7をボディ1に取り付ければ、エアバッグ11がエアバッグ装置Mとともに車両Vに搭載されることとなる。
【0034】
エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、インフレーター39が作動されれば、インフレーター39からの膨張用ガスGが、図4の二点鎖線に示すように、チューブ配設部14のインナチューブ32内を前方側に流れて、エアバッグ11をくるんでおいたテープ36を破断させて、インナチューブ32が膨張を略完了する。その後、供給口34を経て、各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19D内に膨張用ガスGが供給されて、エアバッグ本体12の各流入部15・18が、折りを解消させつつ、膨張し始める。さらに、エアバッグ11は、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5の下縁側のエアバッグカバー8を押し開いて、図1・2の二点鎖線で示すように、下方へ突出しつつ、開口W1・W2・センターピラー部CP・リヤピラー部RPの車内側Iを覆うように、大きく展開膨張することとなる。
【0035】
このとき、実施形態では、インナチューブ32の内径寸法をφ40に設定して、インナチューブの膨張時における断面積をSoとし、インナチューブの長さ寸法Lを1875mmに設定して、供給口34A・34Hの内径寸法をφ11とし、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法をφ16としていることから、これらの・数値をSo/L・sに当てはめて計算すると、So/L・s=0.483×10-3となって、各供給口34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34Hの合計の開口面積sは、
0.25×10-3≦So/L・s≦0.55×10-3
で表される数式の範囲内に含まれることとなる。そのため、インフレーター39から膨張用ガスGを流入させてインナチューブ32が膨張した際のインナチューブ32の内圧を略均等にすることができる。その結果、インナチューブ32の膨張が略完了した後に、各供給口各供給口34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34Hから各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19D内に流入する膨張用ガスGの量を略一定にすることができて、各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19Dを略均等に展開膨張させることができる。
【0036】
従って、実施形態のエアバッグ11では、インナチューブ32を内部に配設させたエアバッグ本体12を、各膨張部16A・16B・16C・16D・19A・19B・19C・19Dが均等に膨張して、前席用・後席用流入部15・18を略同時に膨張完了させるように、展開膨張させることが可能である。
【0037】
また、試験例として、図9に、インナチューブ32の長さ寸法Lを1865mmに設定し、インナチューブの内径寸法dをφ40に設定して、供給口34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34Hの合計の開口面積sを変化させたインナチューブ32の内圧を測定したグラフ図を示す。グラフは、縦軸をインナチューブ32の内圧とし、横軸を時間としている。図9において、(A)は前席側に配置されるインナチューブ32の内圧を示し、(B)は後席側に配置されるインナチューブ32の内圧を示している。
【0038】
図9において、試験例1は、供給口34A・34Hの内径寸法をφ9に設定し、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法をφ14に設定した場合のインナチューブ32の内圧を測定したものである。試験例2は、供給口34A・34Hの内径寸法をφ11に設定し、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法をφ16に設定した場合である。試験例3は、実施形態の供給口34の設定と同一の設定であり、供給口34A・34Hの内径寸法をφ14に設定し、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法をφ19に設定した場合である。試験例4は、供給口34A・34Hの内径寸法をφ19に設定し、残りの供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの内径寸法をφ24に設定した場合である。なお、インナチューブ32の内圧は、前席側では供給口34Aと供給口34Bとの間で測定され、後席側では供給口34Eと供給口34Fとの間で測定されている。
【0039】
図9に示すグラフ図から、供給口34の内圧を試験例1に設定した場合には、インナチューブ32における前席側の内圧が高く、後席側の内圧が低いため、インナチューブ32の内圧が均等ではない。供給口34の内圧を試験例4に設定した場合は、前席側の内圧が低く、後席側の内圧が高くなって、インナチューブ32の内圧が均等ではない。そして、供給口34の内圧を試験例2若しくは試験例3に設定した場合に、インナチューブ32における前席側と後席側の内圧が略均等になっている。
【0040】
すなわち、各供給口34の内径寸法を試験例1〜試験例4に設定し、Soを400π、Lを1865として、前記数式に当てはめて計算すると、試験例1における供給口34の合計の開口面積sは334.5πとなる。そして、So/L・sの数値は0.641×10-3となって、前記数式の範囲内に含まれない。
【0041】
また、試験例2における供給口34の合計の開口面積sは444.5πとなり、So/L・sの数値は0.483×10-3となる。試験例3における供給口34の合計の開口面積sは639.5πとなり、So/L・sの数値は0.335×10-3となる。その結果、試験例2及び3におけるSo/L・sの数値は、共に前記数式の範囲内に含まれることとなる。
【0042】
さらに、試験例4における供給口34の合計の開口面積sは1044.5πとなり、So/L・sの数値は0.205×10-3となって、前記数式の範囲内に含まれないこととなる。
【0043】
従って、インナチューブ32の長さ寸法Lを1865mmに設定し、インナチューブの内径寸法dをφ40mmに設定した場合には、供給口34の内径寸法を、前記数式の範囲内に含まれる試験例2若しくは試験例3に設定すれば、エアバッグ11の展開膨張初期に、インナチューブ32の内圧が略均等となるように、インナチューブ32を膨張させることができる。
【0044】
上記試験の結果から、インナチューブ32の内径寸法をφ40に設定して、インナチューブの長さ寸法Lを1875mmに設定した場合に、供給口34の合計の開口面積sが、上記数式の範囲内に設定されている構成とすれば、図9に示すように、インフレーター39から膨張用ガスを流入させてインナチューブ32が膨張した際のインナチューブ32の内圧を略均等にすることができる。
【0045】
なお、実施形態では、前席用流入部15の前方側に配置される膨張部16Aと、後席用流入部18の後方側(インフレーター39の近傍側)に配置される膨張部19Dと、に膨張用ガスを供給する供給口34A・34Hの開口面積(内径寸法)を、他の供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの開口面積より小さく設定しているが、各供給口34の開口面積(内径寸法)はこれに限られるものではなく、上記数式に含まれる範囲内であれば、全ての供給口34の開口面積(内径寸法)を同一に設定してもよい。ただし、各供給口34の開口面積を同一とした場合には、インフレーター39の近傍側とインナチューブ32の先端側との供給口34A・34Hからは、他の供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gより、膨張用ガスGの流量が多くなりやすい。そのため、インナチューブ32の内圧を略均等とするように膨張させるためには、インナチューブ32の先端側とインフレーター39の近傍側とに配置される供給口34A・34Hの開口面積を、他の部位に配置される供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの開口面積より小さく設定することが好ましい。そして、インフレーター39の近傍側とインナチューブ32の先端側との供給口34A・34Hの開口面積は、他の供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gの開口面積の25〜75%(望ましくは40〜60%)に設定することが好ましい。25%未満では、供給口34A・34Hの開口面積が他の供給口34B・34C・34D・34E・34F・34Gに比して小さくなりすぎて、供給口34A・34Hから膨張用ガスを供給される膨張部16A・19Dの展開膨張を阻害する虞れがあるためである。逆に、75%以上では、供給口34A・34Hからの膨張用ガスGの流量が多くなって、開口面積に差を設ける意義がなくなるためである。
【0046】
また、上記実施形態では、前席用・後席用流入部15・18に、それぞれ、膨張部16・19を4つずつ配置させて、インナチューブ32に供給口34を8個配設しているが、勿論、膨張部16・19及び供給口34の数はこれに限られるものではなく、供給口34の配置数は5〜20個の範囲内で任意の数に設定可能である。また、膨張部の前後方向における幅寸法が大きな場合には、1つの膨張部に対して供給口を略均等に複数個配置させる構成としてもよい。
【0047】
なお、供給口の配設数が5個未満では、各供給口の開口面積が大きくなりすぎて、インナチューブ32の内圧が略均等になるように膨張させることが困難となるとともに、供給口の配設数が20個より多い場合には、各供給口の開口面積が小さくなりすぎて、インナチューブが破損する虞れがある。また、インナチューブ32の長さ寸法Lが1500mm未満となる場合には、エアバッグ本体12におけるチューブ配設部14が短すぎて、インナチューブ32を配設させる必要がなく、逆に、インナチューブ32の長さ寸法Lが3000mm以上となる場合には、インナチューブ32が長すぎて、インナチューブ32の内圧が略均等になるように膨張させることが困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるエアバッグが使用される頭部保護エアバッグ装置の使用態様を示す車内側から見た概略正面図である。
【図2】図1のII−II部位の概略拡大断面図である。
【図3】同実施形態のインフレーターの配設部位の部分断面図である。
【図4】同実施形態のエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。
【図5】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大横断面図であり、図4のV−V部位が膨張した状態を示す。
【図6】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大縦断面図であり、図4のVI−VI部位が膨張した状態を示す。
【図7】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大縦断面図であり、図4のVII−VII部位が膨張した状態を示す。
【図8】同実施形態のエアバッグにおけるインナチューブを挿入する前の状態を示す正面図である。
【図9】同実施形態のエアバッグにおけるインナチューブの内圧を測定したグラフ図である。
【符号の説明】
11…エアバッグ、
12…エアバッグ本体、
13…ガス流入部、
13a…車内側壁部、
13b…車外側壁部、
15…前席用流入部、
16(16A・16B・16C・16D)…膨張部、
18…後席用流入部、
19(19A・19B・19C・19D)…膨張部、
23…非流入部、
32…インナチューブ、
34(34A・34B・34C・34D・34E・34F・34G・34H)…供給口、
39…インフレーター、
G…膨張用ガス、
W(W1・W2)…開口、
M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (1)

  1. 膨張用ガスの流入時に、車内側の開口を覆うように展開膨張可能なエアバッグ本体と、
    該エアバッグ本体内に配設されて、インフレーターからの膨張用ガスを前記エアバッグ本体内に案内するインナチューブと、
    を備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグ本体が、前記インナチューブの軸方向に沿って複数並設されて、それぞれ、膨張用ガスの流入時に車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨張する膨張部を、備えて構成され、
    前記インナチューブが、前記各膨張部内に前記膨張用ガスを供給可能な複数の供給口を開口させて構成されている頭部保護エアバッグ装置のエアバッグであって、
    前記供給口が、前記インナチューブの全長にわたって、略均等な内径寸法として5〜20個配設され、
    前記インナチューブの内径寸法をφ25〜60の範囲内に設定して、前記インナチューブの膨張時における断面積をSoとし、前記インナチューブの長さ寸法Lを1500〜3000mmの範囲内に設定した場合、前記供給口の合計の開口面積sが、
    0.25×10-3≦So/L・s≦0.55×10-3
    で表される数式の範囲内に設定されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置のエアバッグ。
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