JP3711403B2 - 吸水積層物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体状排泄物などの液体を吸水保持する吸水積層物に関し、その使用時に液体が漏れ出ることがなく、特に、水洗式トイレなどの下水設備へ投入して放流水により水解させることができる吸水積層物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙おむつ、生理用ナプキン又はオリモノシートなどの衛生用品には、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール(以下「PVA」と称す。)、ポリオキシエチレンなどの網状構造体で形成された吸水ポリマーが使用されている。吸水ポリマーを用いた衛生用品は、その使用時に一定量の液体を吸水した場合、吸水ポリマーがゲル状化して液体を捕捉するため、使用者が尿液などの液体状排泄物による濡れ感や漏れ感などの不快感を感じることがない。
【0003】
ところで、このような衛生用品は、液体状排泄物を吸収した吸水ポリマーが大きなゲル状の塊となって、水洗式トイレなどの下水設備に配管される下水管内で詰まる恐れがあり、下水設備によって固形状汚物と共に放流することができない。このため、吸水ポリマーを用いた衛生用品は、一般ゴミと共に焼却廃棄されているが、ゴミの運搬中に衛生用品が破損して汚物が飛散したり、或いは、焼却によって二次汚染物質が発生する恐れがある。
【0004】
そこで、特開平5−161672号公報には、生理用ナプキン、オリモノシート、紙おむつなどの衛生用品に利用される吸液シートであって、水洗式トイレなどの下水設備の放流水により水解させて廃棄するものが提案されている。この吸液シートは、撥水処理が全体に施された水解性シートと、撥水処理が全体に施され複数の小孔が設けられた水分解性高分子シートと、液体状排泄物を吸収する吸液剤とを備えている。
【0005】
この吸液シートによれば、液体状排泄物は、水分解性高分子シートの小孔を通過して吸液剤により吸収される。また、水解性シートや水分解性高分子シートには撥水処理が施されるので、吸液シートへ流入した液体状排泄物の漏出が防止される。その一方で、大量の水に吸液シートが曝されると、吸液剤を挟持する水解性シート及び水分解性高分子シートが溶け始め、その後、吸液シート全体が水溶される。
【0006】
ここで、上記した水解性シートは、例えば、パルプとレーヨンとをPVA繊維によってバウンドした水解性紙で形成されており、その水解性紙を撥水剤であるジメチルシリコン樹脂の液中にディッピングして乾燥させることによって、水解性シート全体に撥水処理を施したものである。
【0007】
また、水分解性高分子シートは、例えば、複数の小孔が設けられたPVAフィルムで形成され、そのPVAフィルムを撥水剤であるジメチルシリコン樹脂の液中にディッピングして乾燥させることによって、水分解性高分子シート全体に撥水処理を施したものである。また、吸液剤は、パルプと吸水ポリマーとを機械的に混合したものであり、かかる吸水ポリマーとして、ポリアクリル酸ナトリウムやポリアクリルアミド等が使用されたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した吸液シートは、吸液剤を挟持する水解性シート及び水分解性高分子シート全体に撥水剤による撥水処理が施されるため、吸液シートを下水設備の放流水へ投入する場合、かかる撥水処理が水解性シートや水分解性高分子シートへの放流水の浸透を妨げてしまう。このため、下水設備の放流水程度の水量では、吸液シートを即座に水解させて放流することが事実上困難であるという問題点があった。
【0009】
特に、大人用紙おむつや、その中敷きに上記吸液シートを使用する場合、これらは生理用品や子供用紙おむつに比べて大型となるので、下水設備の放流水程度の水量では更に水解されにくくなる。加えて、これらの水解性シートや水分解性高分子シートが水解されないと、紙おむつやその中敷きは、原型をほぼ留めたまま下水設備の下水管へ流入するため、かかる下水管内で紙詰まりが生じる恐れがあるという問題点があった。
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、内部へ流入した液体の漏出や、その内部へ流入した液体による水解が防止されると共に、外部から浸透する液体により容易に水解させることができる外装シートを備えた吸水積層物を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の吸水積層物は、吸水ポリマーを含有した吸水部材と、その吸水部材に対向して積層されると共に複数の透水孔が貫通形成された表層シートとを備え、その表層シートとともに前記吸水部材を挟持して被包する水解性紙で形成され、且つ、その水解性紙における前記吸水部材との対向面に、その水解性紙における前記吸水部材との非対向面に比べて液体の浸透を小さくするための撥水処理が施された外装シートを備えており、前記表層シートは、前記外装シートに比べて坪量が小さな薄葉紙で形成され且つその薄葉紙に撥水処理が施されており、前記複数の透水孔は、前記薄葉紙の繊維間に設けられる複数の間隙により形成されている。
【0012】
この請求項1記載の吸水積層物によれば、例えば、表層シートが人体側へ向けられて装着され、人体から尿液など液体状排泄物が排泄されると、液体状排泄物が表層シートにより受けられ、複数の透水孔を通過して、吸水部材へ達する。吸水部材へ達した液体状排泄物は、吸水部材が含有する吸水ポリマーによって吸収され、その大部分が吸水部材内に捕捉される。ここで、吸水部材の吸水許容量を超えた液体状排泄物があった場合には、液体状排泄物の一部は吸水部材を通過して外装シートへ達する。
【0013】
外装シートを形成する水解性紙には、その吸水部材との対向面(外装シートの内面)に、その吸水部材との非対向面(外装シートの外面)に比べて液体の浸透を小さくするための撥水処理が施されているので、この撥水処理によって吸水積層物内へ流入した液体状排泄物が外装シートに浸透することが防止され、かかる液体状排泄物が吸水積層物の外部へ漏出することが防止される。
【0014】
一方、吸水積層物を廃棄する場合には、その吸水積層物が水洗式トイレなどの下水設備へ投入されることによって、吸水積層物の外面、即ち、外装シートにおける吸水部材との非対向面が下水設備の放流水に浸される。ここで、外装シートを形成する水解性紙は、その吸水部材との非対向面における液体の浸透具合が吸水部材との対向面に比べて大きいため、水などの液体が浸透し易くされている。しかも、外装シートは水解性紙で形成されるので、放流水が浸透することによって水解される。外装シートが水解すると、吸水積層物の内部に被包されていた吸水部材や表層シートが分散して放流水中へ流れ出し、吸水積層物自体が放流されやすい状態に崩壊されるのである。
【0015】
請求項2記載の吸水積層物は、請求項1記載の吸水積層物において、前記吸水部材は、多数の略粒状の吸水ポリマーを水解性紙に点状に分散させたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である吸水パッド1の外観斜視図であり、表層シート2を構成する繊維の図示を一部省略している。吸水パッド1は、布製または紙製のおむつカバー10(図4参照)と共に使用され、そのおむつカバー10の股間部11に敷設されて装着されるものである。また、この吸水パッド1は、尿液などの液体状排泄物を内部に吸水保持して漏出を防止することができると共に、水洗式トイレなどの下水設備への放流によって水解可能なものである。なお、水などの液体に分散、溶解または崩壊する機能及び作用の総称として「水解」の用語を用いる。
【0017】
図1に示すように、吸水パッド1は、略矩形シート状に形成されており、表層シート2と、外装シート3とを備えている。尚、尿液などの水分を含んだ各種の水溶液又はその他の液体を吸収する機能及び作用の総称として「吸水」の用語を用いる。
【0018】
表層シート2は、使用者がおむつカバー10を装着した場合に人体Pの股間部に直接接触されるものであり、水解性を有した略長方形状の薄葉紙で形成されている。例えば、表層シート2の薄葉紙の一例としては、その主成分としてポリエステル短繊維を略70〜80重量%、及び、PVA短繊維を略20〜30重量%の範囲で含有し、その坪量が5.0〜30.0g/m2の範囲となるように湿式抄造されたものがあげられる。なお、かかる表層シート2の薄葉紙に、パルプを略10%程度含有させても良い。
【0019】
ポリエステル短繊維は、脂肪族ポリエステル系の微生物分解性樹脂で形成されており、下水処理施設で水の浄化処理に用いられる微生物によって分解することができる。また、PVA短繊維は、水溶性と微生物分解性とを有したPVAで形成されており、下水処理施設で水の浄化処理に用いられる微生物によって分解可能であると共に、PVA短繊維同士およびポリエステル短繊維を接着するための接着剤としての機能を備えている。なお、ポリエステル短繊維の繊維長は、例えば略10mmとされている。
【0020】
また、表層シート2には撥水剤によって撥水処理が施されており、この表層シート2の表面2aには、表層シート2の厚さ方向に貫通して裏面2b(図5参照)に達する多数の間隙2cが、その薄葉紙を構成する繊維同士の間に設けられている。これらの多数の間隙2cのうち大きなものは、肉眼でも確認できる程度のサイズとされている。この表層シート2aにおける多数の間隙2cは、表層シート2の表面2aから裏面2bへ液体を通過させる透水孔としての機能を有している。
【0021】
表層シート2に施される撥水処理に用いられる撥水剤にはパラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤を用いることが好ましく、かかるパラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤は天然物から生成されたものである。よって、このパラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤も、表層シート2のポリエステル短繊維と同様に、下水処理施設で水の浄化処理に用いられる微生物によって分解できるのである。
【0022】
上記のように構成される表層シート2は、その主な物性値が以下の通りとされている。具体的には、その坪量が5.0〜30.0g/m2、密度が0.15〜0.40g/cm3、透気度が0.001〜1.00秒、湿潤引張強度が0.05〜1.00kgf、撥水度が2〜4級で、水解性を示す物性値(以下「ほぐれ時間」と称す。)が30〜500秒の範囲であるものがよい。具体的に、本実施例の表層シート2には、坪量が15g/m2、厚さが0.065mm、密度が0.230g/cm3、透気度が0.006秒、湿潤引張強度が0.107kgf、撥水度が2級、ほぐれ時間が180〜200秒のものを使用している。
【0023】
上記した坪量は「紙及び板紙に関する坪量測定方法(JIS規格P8124)」により、厚さ及び密度は「紙及び板紙に関する厚さ及び密度の試験方法(JIS規格P8118)」により、透気度は「紙及び板紙に関する透気度試験方法−ガーレー試験機法(JIS規格P8117)」により、湿潤引張強度は「紙及び板紙に関する湿潤引張強さ試験方法(JIS規格P8135)」により、撥水度は「繊維製品の防水性試験方法(スプレー試験方法)(JIS規格L1092)」、ほぐれ時間は「トイレットペーパ(「ほぐれやすさ」の試験方法)(JIS規格P4501)」により、それぞれ得られた試験結果である。
【0024】
なお、本実施例において、透気度とは、100cc当たりの液体(又は気体)が紙製の試験片を通過する所要時間を用いて、紙の透水性を示したものである。湿潤引張強度とは、長さが15mmの試験片が湿潤した場合における引張強さを用いて、紙の湿潤時の引張強度を示したものである。撥水度とは、紙の表面における水のはじき具合(液体の浸透具合)を示したものであり、ほぐれ時間とは、水などの液体中で紙がほぐれるまでの所要時間を用いて紙の水解性を示したものである。
【0025】
上記の物性値を備えた表層シート2は、その表面2aに多数の間隙2cが形成されると共に、その坪量が5.0〜30.0g/m2、密度が0.15〜0.40g/cm3、且つ、透気度が0.001〜1.00秒の範囲とされるので、液体状排泄物を速やかに通過させて吸水パッド1内へ浸透させることができる。また、表層シート2は、その湿潤引張強度が0.05〜1.00kgfの範囲とされるので、表層シート2を通過する程度の液体状排泄物の量では崩壊せずに、その強度を充分に保持することができ、液体状排泄物による湿潤時においても十分な摩擦強度を維持することができる。
【0026】
更に、表層シート2は、後述する外装シート3に比べて坪量が5.0〜30.0g/m2の範囲と極めて小さいので、水洗式トイレなどの下水設備の下水管内で紙詰まりせずに、下水管内を通過することができる。しかも、表層シート2は、ほぐれ時間が30〜500秒の範囲とされるので、水洗式トイレなどの下水設備による大量の放流水によって放流されれば、その放流中に十分にスラリ状の繊維分散体に崩壊することができる。
【0027】
よって、表層シート2は、後述する外装シート3や吸水積層コア4に比べてほぐれ時間が大きくて水解性が劣るが、その分、坪量が小さいので、下水設備の放流水により十分に放流することができる。加えて、表層シート2は、撥水処理によって撥水度が2〜4級の範囲とされるので、液体状排泄物を通過させた後も、濡れや湿りが抑制された肌触りの良い状態が保たれ、使用者の肌に不快感を与えることがない。
【0028】
外装シート3は、おむつカバー10における股間部11の股間部内面11a側に当接して装着されるものであり(図4及び図5参照)、水解性を有した略長方形状の水解性紙で形成されている。例えば、かかる外装シート3の水解性紙の一例としては、木材パルプを略50重量%、及び、マーセル化パルプを略50重量%の範囲で含有すると共に、その坪量が20.0〜100.0g/m2で且つ密度が0.15〜0.50g/cm3の範囲となるように湿式抄造されたものがあげられる。
【0029】
この外装シート3の表面3a及び裏面3b全体には、エンボス加工またはクレープ加工によって凹凸状の皺が形成されている(図示せず)。この凹凸状の皺によって、外装シート3には、柔軟性が付与されると共に引張力に対する強度が付与され、その結果、おむつカバー10の股間部内面11aとの当接面である裏面3bがおむつカバー11の股間部11や人体Pの肌面の曲面に沿って彎曲しやすく、吸水パッド1の装着時のフィット性が向上されている。
【0030】
また、外装シート3の表面3aにおける4つの縁辺3a1〜3a4は表層シート2の表面2aにおける4つの縁辺2a1〜2a4に覆い被さるようにそれぞれ折り返されており、かかる縁辺3a1〜3a4は、表層シート2の各縁辺2a1〜2a4にそれぞれ貼着されている。
【0031】
図2を参照して、外装シート3および吸水積層コア4の詳細について説明する。図2は、吸水パッド1の分解斜視図であり、表層シート2を構成する繊維の図示を一部省略し、更に、1枚を除いた残りの吸水シート5を2点鎖線で図示している。図2に示す外装シート3の表面3a(図2中の外装シート3の上面)であって、吸水パッド1の内底面となる面には、表層シート2と同様に、撥水剤によって撥水処理が施されている。なお、外装シート3の表面3aに施される撥水処理は、撥水剤を表面3aに付着させ、その撥水剤による撥水層を表面3aに形成したものである。
【0032】
外装シート3の表面3aに施された撥水処理は、吸水パッド1内へ流入した液体状排泄物が外装シート3の表面3aから裏面3b(図5参照)へ浸透することを防ぎ、液体状排泄物が吸水パッド1の外部へ漏出することを防止するためのものである。なお、外装シート3の表面3aに施される撥水処理には、表層シート2と同様に、パラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤が用いられている。
【0033】
ここで、外装シート3には、吸水パッド1の表面3aにのみ撥水処理が施されており、裏面3bには撥水処理が施されていない。このため、水洗式トイレなどの下水設備へ投入された吸水パッド1は、外装シート3の裏面3b、即ち、吸水パッド1の外装シート3側の外面から吸水して、かかる吸水によりスラリー状の繊維分散体に崩壊されるのである。
【0034】
上記した外装シート3は、その主な物性値が以下の通りとされており、その坪量が20.0〜100.0g/m2、密度が0.15〜0.50g/cm3、透気度が0.01〜1.00秒、湿潤引張強度が0.01〜1.00kgf、撥水度が2〜4級で、ほぐれ時間が10〜100秒の範囲であるものがよい。具体的に、本実施例の外装シート3には、坪量が50g/m2、厚さが0.120mm、密度が0.417g/cm3、透気度が0.16秒、湿潤引張強度が0.039kgf、撥水処理が施された表面3aの撥水度が2級、ほぐれ時間が20〜25秒のものを使用している。
【0035】
ここで、外装シート3は、その坪量、密度および厚さが表層シート2に比べて大きな嵩張るものでもよいが、その一方で、表層シート2に比べてほぐれ時間が小さく、その結果、表層シート2に比べて短時間でスラリー状の繊維分散体に崩壊するものである必要がある。
【0036】
そこで、本実施例では、表層シート2のほぐれ時間が180〜200秒の範囲であるのに対し、外装シート3のほぐれ時間が20〜25秒の範囲とされている。よって、吸水パッド1を放流する場合、まず、外装シート3がスラリー状の繊維分散体に崩壊することによって、吸水積層コア4や表層シート2が吸水パッド1の内部から分離して、吸水パッド1が放流されやすい状態になるのである。
【0037】
加えて、外装シート3は、その表面3aに施された撥水処理によって、表層シート2と同等の撥水度が2級の範囲とされるので、後述する吸水積層コア4によって吸水されず通過した液体状排泄物を吸水パッド1の外部へ漏出させることがない。
【0038】
吸水積層コア4は、液体状排泄物などの液体を吸水して保持すると共に水解性を有した吸水シート5を複数枚積層したものであり、表層シート2の裏面2bと外装シート3の表面3aとの対向面間に挟持されつつ被包されるものである(図5参照)。複数枚の吸水シート5は、表層シート3とほぼ等しい表面積を有する略長方形状に形成されており、吸水シート5の長辺方向へ細長く延びる略直線状の透水孔であるスリット5aが多数設けられている。このスリット5aは、吸水シート5の厚さ方向に貫通するように穿設されており、吸水シート5の長辺方向へ複数個列設され、この複数のスリット5aからなる列が吸水シート5の短辺方向に複数並設されている。
【0039】
このように多数のスリット5aが穿設された吸水シート5によれば、吸水積層コア4へ流入した液体は、多数のスリット5aを通過して、複数枚の吸水シート5が積層される方向、即ち、吸水積層コア4における表層シート2側から外装シート3側へ向けて浸透されるので、スリット5aが穿設されない場合に比べて、吸水積層コア4内における液体の浸透速度や拡散速度を向上させることができる。結果、表層シート2を通過して吸水積層コア4へ流入した液体が表層シート2側へ逆流することも防止できる。
【0040】
ここで、図3を参照して、吸水シート5の構造について説明する。図3は、吸水積層コア4を構成する吸水シート5の分解斜視図である。図3に示すように、吸水シート5は、再生紙などの水解性紙で形成される一対の水解性シート7を備えており、この一対の水解性シート7の対向面間に多数の吸水体6が略均一に分散されている。この多数の吸水体6を分散させた状態で、一対の水解性シート7,7の対向面同士を当着して一体化することによって、吸水シート5は、図2に示すように、その全面に多数の吸水体6が略均一に点在すると共に、その各吸水体6同士の間が水解性シート7,7により隔離されたものに形成されるのである。
【0041】
ところで、吸水シート5の吸水体6は、デンプンなどの天然素材で形成された高分子吸水ポリマーを略粉末状または略小粒状にしたものであり、かかる吸水体6によって、吸水シート5に浸透した液体を捕捉することができる。しかも、吸水体6をなす高分子吸水ポリマーは天然素材から形成されるので、かかる吸水体6を下水設備へ放流しても環境が汚染されることがなく、更に、下水処理施設で用いられる微生物によって吸水体6自体が分解可能でもある。
【0042】
上記のように吸水シート5全面には吸水性を有する略粉末状または略小粒状の吸水体6が略均一に点在し、且つ、各吸水体6同士間が水解性シート7,7により隔離されているので、各吸水体6が吸水してゲル状化しても、これらの吸水体6同士が相互に結合することがない。よって、吸水シート5によれば、従来の吸水シートのように高分子吸水ポリマーがゲル状化して塊状となることがなく、多数の吸水体6により吸水シート5における液体の透過性が阻害されて低下することが防止されるのである。
【0043】
図2に戻って説明する。吸水積層コア4は、上記のように多数の吸水体6が分散された吸水シート5を複数枚積層したものであるので、かかる吸水積層コア4には、吸水体6が存在する部分と、吸水体6が存在しない部分とが生じる。このため、吸水積層コア4の最上層の吸水シート5へに浸透した液体は、その何割かが吸水体6により吸収される一方、残りの何割かが水解性シート7を浸透して通過して下層の吸水シート5へ達する。下層の吸水シート5へ達した液体は、更に、その何割かが吸水体6により吸収され、残りの何割かが更に下層の吸水シート5へ流下する。
【0044】
このように液体が吸水積層コア4における上層の吸水シート5から下層の吸水シート5を流下する間に、大部分の液体は吸水体6により吸収されたり、或いは水解性シート7に浸透したまま残存して保持される。しかも、吸水積層コア4の吸水許容量を超える液体が吸水パッド1へ流入した場合であっても、外装シート3の表面3aには撥水処理が施されるので、かかる撥水処理がなされた表面3aによって、最下層の吸水シート5を通過した液体が吸水パッド1の外部への漏出することを防止することができる。しかも、吸水パッド1内に被包される吸水シート5の枚数や、吸水シート5に分散される吸水体6の量を変更することによって、吸水積層コア4のり吸水許容量を適宜変更することもできるのである。
【0045】
次に、図4及び図5を参照して、上述した吸水パッド1の使用方法について説明する。図4は、おむつカバー10に吸水パッド1が装着された状態を示す外観斜視図であり、図5は、図4に示すおむつカバー10及び吸水パッド1を人体Pに装着した状態を示す断面図である。
【0046】
まず、吸水パッド1は、その外装シート3側の面がおむつカバー10の股間部内面11aに向けられ、且つ、表層シート2側の面がおむつカバー10の股間部内面11aとは反対側に向けられた状態で、おむつカバー10の股間部内面11aに敷設される。敷設された吸水パッド1は、その外装シート3の裏面3bがおむつカバー10の股間部内面11aに当接され(図5参照)、おむつカバー10の彎曲した股間部11に装着される。
【0047】
吸水パッド1をおむつカバー10に装着した後、かかるおむつカバー10が人体Pに装着される。この装着では、まず、おむつカバー10の腰部12が人体Pの腰部に当てられた状態で、おむつカバー10の股間部11を人体Pの股下に通し、その股間部11の先端部が人体Pの下腹部に当てられる。すると、おむつカバー10に装着された吸水パッド1の表層シート2が人体Pの股間部を覆うように接触され(図5参照)、その後、おむつカバー10の腰部12の両側に設けられた一対の止着部13,13が人体Pの胴回り部分に沿って下腹部側へ這わされ、股間部12の先端部に貼着されると、人体Pへのおむつカバー10の装着が完了する。
【0048】
次に、吸水パッド1による吸水作用について説明する。まず、おむつカバー10が人体Pに装着された状態で、尿液などの液体状排泄物が人体Pから排泄されると、かかる液体状排泄物は、まず、吸水パッド1の表層シート2の表面2aによって受け止められ、かかる表面2aの多数の間隙2cを通過して、吸水パッド1内に被包された吸水積層コア4へ流入する。しかも、表層シート2に施された撥水処理によって、液体状排泄物は、表層シート2における多数の間隙2cを速やかに通過して、吸水パッド1内の吸水積層コア4へ浸透する。
【0049】
吸水積層コア4を浸透する液体は、吸水シート5に穿設された多数のスリット5aや、吸水シート5の水解性シート7,7自体を通過して、複数枚の吸水シート5が積層される方向、即ち、吸水積層コア4における表層シート2側から外装シート3側へ向けて浸透する。各吸水シート5に浸透した液体状排泄物は、各吸水シート5の全面に点在する多数の吸水体6によって吸水(吸収)されて捕捉され、かかる捕捉によって各吸水体6がゲル状化される。結果、吸水積層コア4へ浸透する液体状排泄物は、最上層の吸水シート5から最下層の吸水シート5へと流下する間に、その大部分が各吸水シート5に点在する多数の吸水体6により吸水されたり、或いは各吸水シート5の水解性シート7,7に浸透したまま残存して保持される。
【0050】
一方、吸水積層コア4の吸水許容量を超える液体が吸水パッド1へ流入した場合、最下層の吸水シート5を通過した液体状排泄物は、外装シート3の表面3aに施された撥水処理によって、吸水パッド1の外部への漏出することが防止される。外装シート3は、その表面3aに施される撥水処理によって撥水度が2〜4級の範囲とされているので、液体状排泄物の浸透が阻止されているからである。結果として、吸水パッド1へ流入した液体状排泄物の全てが吸液パッド1内に貯留されるのである。
【0051】
次に、吸水パッド1を水洗式トイレ等の下水設備の放流水による廃棄過程について説明する。まず、吸水パッド1が水洗式トイレなどの下水設備へ投入されると、その下水設備の放流水が、外装シート3の裏面3bから吸水パッド1へ浸透し始める。外装シート3の裏面3bには撥水処理が施されていないので、かかる裏面3bから下水設備内に貯留される水が浸透して、その浸透水を吸収することにより、外装シート3がスラリー状の繊維分散体に崩壊し始める。
【0052】
一方、外装シート3の表面3aには撥水処理が施されているが、外装シート3自体は上記したように水解しやすい性質を有しているので、外装シート3自体がスラリー状に崩壊することによって、表面3aの撥水処理は破壊されるのである。即ち、外装シート3は、吸水パッド1の使用時において液体状排泄物の浸透を防いで水解し難くい性質を発揮し、且つ、吸水パッド1の廃棄時において下水設備内の放流水が浸透して水解し易くなる性質を発揮するという相異なる2つの性質を兼ね備えているのである。
【0053】
外装シート3が崩壊し始めると、その外装シート3の崩壊部分から吸水パッド1の内部へ下水設備の放流水が流入するとともに、更に、外装シート3の崩壊が進行すると、吸水パッド1内に被包された複数枚の吸水シート5に放流水が浸透し始める。その後、外装シート3がスラリー状の繊維分散体に崩壊することによって、吸水積層コア4の各吸水シート5や表層シート2が吸水パッド1の内部から分離して、吸水パッド1が放流されやすい状態になる。しかも、吸水積層コア4の各吸水シート5に穿設される多数のスリット5aによって、各吸水シート5の放流水による崩壊が促進される。
【0054】
各吸水シート5は、上記の通り、外装シート3と同様に水解し易い水解性紙で形成されるので、下水設備による大量の放流水によって、スラリー状の繊維分散体に崩壊し、その放流水によって放流し易い状態にされる。また、各吸水シート5に含まれる多数の吸水体6は、液体状排泄物を吸水しゲル状化した状態であっても、大きな塊状とはならずに吸水シート5内に点在されている。このため吸水シート5が崩壊した場合には、各吸水体6自体も放流水によって放流しやすい状態であるので、かかる吸水シート5が下水管内に堆積して紙詰まりを生じることがない。
【0055】
ここで、表層シート2は、外装シート3や吸水シート5に比べて水解し難い性質を有しているが、その坪量が5.0〜30.0g/m2の範囲と極めて小さいので、下水設備の下水管内で紙詰まりせずに放流されるのである。しかも、表層シート2は、ほぐれ時間が180〜200秒の範囲とされるので、下水設備による大量の放流水によって放流されれば、その放流中に十分にスラリ状の繊維分散体に崩壊されるのである。
【0056】
結果、吸水パッド1を構成する表層シート2、外装シート3、吸水シート5がスラリー状の繊維分散体となって下水処理施設に達すると、かかる下水処理施設において下水の浄化処理に利用される微生物によって、上記した吸液パッド1を構成する各種の物質すら分解することができる。
【0057】
具体的には、表層シート2を形成する薄葉紙を構成する物質のうち、微生物分解性樹脂であるポリエステル短繊維は微生物によって分解され、水溶性かつ微生物分解性樹脂であるPVA短繊維は水溶されると共に微生物によって分解される。また、表層シート2に使用した撥水剤は、天然素材を原料とするパラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤であるので、下水処理施設で利用される微生物によって分解される。
【0058】
外装シート3を形成する水解性紙を構成する物質である木材パルプやマーセル化パルプも、天然素材を原料としているので、下水処理施設で利用される微生物によって分解される。また、外装シート3の表面3aに付着した撥水剤も、天然素材を原料とするパラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤であるので、同様に微生物によって分解される。
【0059】
更に、吸水シート5を形成する水解性紙を構成する物質も、外装シート3を形成する水解性紙と同種のものであるので、当然のことながら微生物によって分解される。しかも、吸水シート5に含まれていた多数の吸水体5も、デンプンなどの天然素材で形成されるので、微生物によって分解することができるのである。
【0060】
結果、上記した吸水パッド1を構成する全ての物質は、水解するとともに微生物により分解されるので、かかる吸水パッド1を下水設備による放流水、及び、下水処理施設による微生物を用いて分解処理することにより有害な二次汚染物質などを伴わずに無害に処理することができ、環境汚染を防止することができるのである。
【0061】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、本実施例では、外装シート3の表面3aに撥水処理を施すと共にその裏面3bに撥水処理を施さないことによって、外装シート3における表面3aへの液体の浸透を裏面3bに比べて小さくした。しかしながら、これは外装シートの裏面に撥水処理を施してはならないという趣旨ではなく、例えば、外装シートの裏面に、それらの表面に比べて液体の浸透具合が大きくなる撥水処理を施しても良い。
【0062】
本実施例では、本発明の吸水積層物の一例としておむつカバー10の中敷きとして利用される吸水パッド1を用いて説明したが、本発明の適用範囲は必ずしもこれに限られるものではなく、当然のことながら、大人用または子供用の紙おむつ、生理用ナプキン又はオリモノシートなどの各種衛生用品を、吸水パッド1と同種の積層物を用いて製造しても良い。
【0063】
本実施例の表層シート2の一例では、その主成分としてポリエステル短繊維を略70〜80重量%含有したが、かかる表層シートの主成分は必ずしもポリエステル短繊維などの化学合成繊維に限られるものではなく、例えば、ポリ乳酸やレーヨンなどの再生資源で形成される繊維や、パルプなどの天然繊維を用いても良い。即ち、上記した表層シート2の物性値を満たすものであれば他の素材を用いて表層シートの薄葉紙を抄造しても良く、かかる他の素材が天然素材であれば、表層シートの廃棄に伴う環境汚染を更に抑制できるのである。
【0064】
本実施例の外装シート3の水解性紙の一例では、その主成分として木材パルプとマーセル化パルプとをほぼ同量だけ混合したものを用いて説明したが、かかる外装シートを構成する水解性紙は、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、木材パルプとマーセル化パルプとの含有割合を変更しても良い。また、外装シートを構成する水解性紙を、木材パルプのみ、木材パルプにPVA繊維などの化学合成繊維を混合したもの、又は、PVA繊維などの化学合成繊維を1種以上含有したもので抄造しても良い。即ち、上記した外装シート3の物性値を満たす水解性紙であれば良いのである。更に、外装シート3に化学合成繊維を用いる場合には、その化学合成繊維は、水溶性と微生物分解性とを有したPVAなどが好ましい。
【0065】
本実施例の吸水シート5では、その厚さ方向に貫通する多数のスリット5aを透水孔として穿設したが、吸水シートに穿設される透水孔の形態は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、吸水シートに多数の小孔を穿設するようにしても良い。
【0066】
本実施例の吸水シート5は、一対の水解性シート7,7間に多数の吸水体6を分散させたが、かかる吸水シート5の構造は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、3枚以上の水解性シートを積層させ、その各水解性シート間にそれぞれ多数の吸水体を分散させても良い。このようにすれば、1枚の吸水シートに含まれる吸水体が増量されるので、その分、1枚の吸水シートが有する吸水許容量を増量することができるのである。
【0067】
また、本実施例では、表層シート2及び外装シート3に施される撥水処理に用いる撥水剤として、パラフィン系又はジルコニウム系等の撥水剤を用いたが、かかる撥水剤は必ずしもこれらに限られるものではなく、例えば、シリコン系やフッ素系などの撥水剤、或いは、化学合成された生分解性撥水剤などを用いても良い。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の吸水積層物によれば、例えば、吸水積層物により液体状排泄物を吸水する場合、吸水部材の吸水許容量を超える液体状排泄物が吸水積層物へ流入したとしても、外装シートを形成する水解性紙には、吸水部材との対向面に、吸水部材との非対向面に比べて液体の浸透を小さくするための撥水処理が施されるので、吸水積層物へ流入した液体状排泄物が外装シートに浸透することを防いで、かかる液体状排泄物が吸水積層物の外部へ漏出することが防止できるという効果がある。即ち、吸水積層物内へ流入した液体によって、外装シートは水解されないので、吸水積層物内に液体を確実に保持することができるという効果がある。
【0069】
しかも、外装シートを形成する水解性紙は、その吸水部材との非対向面における液体の浸透具合が吸水部材との対向面に比べて大きいので、水洗式トイレなどの下水設備へ投入して吸水積層物を廃棄する場合、吸水積層物の外面、即ち、外装シートにおける吸水部材との非対向面から放流水を浸透させて、外装シートを水解させることができるという効果がある。このように外装シートが水解することによって、吸水積層物の内部に被包されていた吸水部材や、その吸水部材に積層される表層シートも分離して、吸水積層物自体がバラバラになるので、下水管内で紙詰まりを生じずに円滑に放流することができるのである。
【0070】
また、表層シートは、外装シートに比べて坪量が小さな薄葉紙で形成されているので、例えば、薄葉紙が水解性を有していなくても下水設備の下水管内で紙詰まりせずに放流させることができるという効果がある。また、表層シートの薄葉紙には撥水処理が施されるので、表層シートにより受けられた液体状排泄物が通過した後に、濡れや湿りが抑制された肌触りの良い状態が保たれ、使用者の肌に不快感を与えないという効果がある。
【0071】
しかも、液体状排泄物を通過させる複数の透水孔は、表層シートの薄葉紙における繊維間に設けられる複数の間隙により形成されるので、かかる薄葉紙の抄造時と同時に透水孔を形成することができ、透水孔を加工するための工程を別途設ける必要がなく、その分、表層シートの製造コストを低減することができるという効果がある。
【0072】
ところで、従来の吸水部材は、パルプ繊維シートなどに吸水ポリマーを機械的に混合したり或いは添加したものである。よって、吸水部材の吸水性を向上させるためには吸水ポリマーの含有割合を多する必要があるが、ここで単に、吸水ポリマーの量を増加させると、吸水によってゲル状となった吸水ポリマーが相互にくっつき塊状になりやすくなってしまう。
【0073】
例えば、塊状化した吸水ポリマーが吸水部材内に部分的に生じると、吸水部材内での液体状排泄物の流動が妨げられ、吸水部材全体としての吸水許容量が低下してしまう。即ち、液体状排泄物が吸水部材全体に浸透する以前に、吸水部材の表層部分にある吸水ポリマーが塊状化して液体の通過を遮るため、吸水部材の深層部分にある吸水ポリマーによる吸水作用が発揮されないのである。しかも、吸水部材全体として十分な吸水効果が得られず、液体を十分に吸水していない吸水ポリマーを残存させたままの状態で、吸水積層物を廃棄しなければならず、極めて不経済である。
【0074】
そこで、請求項2記載の吸水積層物によれば、請求項1記載の吸水積層物の奏する効果に加え、吸水部材は多数の略粒状の吸水ポリマーを水解性紙に点状に分散させたものであるので、略粒状の吸水ポリマーが吸水してゲル状化しても、各吸水ポリマー同士が相互に結合することがない。よって、従来の吸水部材のように吸水ポリマーがゲル状化して塊状となることがなく、塊状化した吸水ポリマーにより吸水部材による液体状排泄物の吸水許容量が低下することなく、吸水部材中の吸水ポリマー全体によって十分に吸水を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である吸水パッドの外観斜視図である。
【図2】 吸水パッドの分解斜視図である。
【図3】 吸水積層コアを構成する吸水シートの分解斜視図である。
【図4】 おむつカバーに吸水パッドが装着された状態を示す外観斜視図である。
【図5】 図4のおむつカバー及び吸水パッドを人体に装着した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸水パッド(吸水積層物)
2 表層シート
2c 間隙(透水孔、薄葉紙の繊維間に設けられる間隙)
3 外装シート
3a 撥水処理が施された表面(外装シートにおける吸水部材との対向面)
4 吸水積層コア(吸水部材)
5 吸水シート
5a スリット
6 吸水体(略粒状の吸水ポリマー)
7 水解性シート(吸水部材の水解性紙)
10 おむつカバー
Claims (2)
- 吸水ポリマーを含有した吸水部材と、その吸水部材に対向して積層されると共に複数の透水孔が貫通形成された表層シートとを備えた吸水積層物において、
その表層シートとともに前記吸水部材を挟持して被包する水解性紙で形成され、且つ、その水解性紙における前記吸水部材との対向面に、その水解性紙における前記吸水部材との非対向面に比べて液体の浸透を小さくするための撥水処理が施された外装シートを備えており、
前記表層シートは、前記外装シートに比べて坪量が小さな薄葉紙で形成され且つその薄葉紙に撥水処理が施されており、
前記複数の透水孔は、前記薄葉紙の繊維間に設けられる複数の間隙により形成されていることを特徴とする吸水積層物。 - 前記吸水部材は、多数の略粒状の吸水ポリマーを水解性紙に点状に分散させたものであることを特徴とする請求項1記載の吸水積層物。
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