JP3711252B2 - クローポール型ステッピングモータ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローポール型ステッピングモータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２は、従来のステータ構造が組み込まれるクローポール型ステッピングモータの一部を切り欠いた斜視図である。
【０００３】
図２に示すように、このクローポール型ステッピングモータは、ステータサブアセンブリ８が２個重ね合わされ構成されたステータアセンブリ９と、ロータ１１とで主に構成されている。
【０００４】
ステータアセンブリ９にはフロントプレート１０ａとリアプレート１０ｂとが取り付けられ、ロータ１１にはシャフト１２が圧入され、シャフト１２はフロントプレート１０ａに設けられた軸受１３ａとリアプレート１０ｂに設けられた軸受（図示せず）とで回転自在に保持されている。
【０００５】
図３は従来のステータアセンブリ９を構成するステータサブアセンブリ８の構造図、図３（Ａ）はステータサブアセンブリ８の分解図、図３（Ｂ）はステータサブアセンブリ８のの組立時の斜視図である。
【０００６】
図３（Ａ）に示すように、ステータサブアセンブリ８は、軟磁性鋼板をカップ状または円筒状に絞り加工しその内周部の円周上に複数の極歯６aを打ち抜き垂直に折り曲げて構成する外ステータヨーク１と、略円形を有する軟磁性鋼板の内周部の円周上に複数の極歯６bを打ち抜き垂直に折り曲げて構成する内ステータヨーク２と、ボビン４にマグネットワイヤを巻き回して作製したコイル３と、コイル３を覆うカバーリング５とで主に構成されている。
【０００７】
ステータサブアセンブリ８は、外ステータヨーク１と内ステータヨーク２とを複数の極歯６a、６bがそれぞれ電気角で180°の隔たりを以って対面交差するように組み付け、コイル３とカバーリング５とを装着して複数の極歯６a、６b間の空隙を樹脂で充填し、図３（Ｂ）に示すように形成される。
【０００８】
ステータアセンブリ９（図２参照）は、２個のステータサブアセンブリ８のそれぞれの複数の極歯６a、６bがそれぞれ電気角で９０°隔てられた位置関係にして、内ステータヨーク２同士を背中合わせにして２個のステータサブアセンブリ８を接合し構成する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のステータアセンブリ９には、次のような問題があった。
【００１０】
ステータアセンブリ９を備えるクローポール型ステッピングモータにおいては、ステータ外壁部７が全面的に形成されており、ステータ外壁の材料すなわちステータヨークの材料である軟磁性鋼板の板厚の２倍に相当する寸法がステータ外周の全ての部分で外形寸法に含まれるため小型化の障害になっている。
【００１１】
特に、厚さの削減が要求されるノートブック型パソコンに使用される場合、占有面積に比べ高さ方向が厳しく制限されるスペースへの組み込みが強く要求されると同時に高性能化も要求されるので、ステータヨーク材の板厚寸法といえども重大な障害となっている。
【００１２】
また、カップ状または円筒状の外ステータヨークの外周を絞り加工で形成するため、プレス加工が困難であると同時にプレス金型も高価でコスト高となっていた。
【００１３】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、モータ性能を損なうことなく小型化を達成すると共に、製造コスト低減を図るクローポール型ステッピングモータを提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明のクローポール型ステッピングモータは、複数の極歯が設けられた外ステータヨークと、前記複数の極歯にそれぞれ対面交差するように複数の極歯が設けられた内ステータヨークと、前記極歯の外周に設けられるコイルと、前記コイルを覆うカバーリングとから主に構成されるクローポール型ステッピングモータにおいて、前記外ステータヨークと内ステータヨークは外板部に設けた開口の円周方向に複数の極歯が形成され、前記外ステータヨークと内ステータヨークの少なくとも一方のステータヨークの外板部の両端部に前記外板部に連接した平板の延設部を設け、該延設部を折り曲げて軸方向に伸長するステータ外壁部を形成し、前記カバーリングの端部に設けた切欠に前記延設部を挿通し他方のステータヨークの両端部に形成した切欠と接合して前記カバーリングを覆うと共に該ステータ外壁部が対向する方向と直交する方向では前記カバーリングが露出してなることとした。
【００１５】
また、前記ステータ外壁部は、前記内ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとした。
【００１６】
また、前記ステータ外壁部は、前記外ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとした。
【００１８】
また、前記カバーリングを挟んで前記延設部を形成したステータヨークに対向するステータヨークの外板部の端部に切欠を設け、該切欠の幅方向の寸法は前記延設部の幅方向の寸法に相当し、前記切欠に前記延設部を挿通してなることとした。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態のクローポール型ステッピングモータを図面に基づき説明する。
【００２１】
図１は本発明の実施形態のステータアセンブリ２９を構成するステータサブアセンブリ２８の構造図、図１（Ａ）はステータサブアセンブリ２８の分解図、図１（Ｂ）はステータアセンブリ２９の斜視図である。
【００２２】
図１（Ａ）に示すように、ステータサブアセンブリ２８は、外ステータヨーク２１と、内ステータヨーク２２と、ボビン２４にマグネットワイヤを巻き回して作製したコイル２３と、カバーリング２５とで主に構成されている。
【００２３】
外ステータヨーク２１は、プレス加工で軟磁性鋼板により略長方形に形成された外板部２１aと、その内周上に打ち抜かれ略円筒状に配列するように垂直に折り曲げられた複数の極歯２６aとから構成され、長手方向の両端部に切欠２１ｂが施されている。切欠２１ｂは、深さがステータヨーク材の板厚の寸法に、幅は内ステータヨーク２２の延設部２７ａ（後述）の幅方向の寸法Ｗに相当するように設定されている。内ステータヨーク２２は、外ステータヨーク２１と略同様な構造で軟磁性鋼板により外板部２２bと複数の極歯２６bとから構成され、長手方向の両端部に延設部２７ａが設けられている。これらの延設部２７ａは極歯２６bの曲げ方向と同じ方向に垂直に折り曲げられステータ外壁部２７となる。
【００２４】
このステータ外壁部２７は、長手方向がカバーリング２５の寸法Ｔにヨーク材の板厚を加えた寸法に、幅方向が寸法Ｗに設定されている。この幅方向の寸法Ｗは外ステータヨーク２１および内ステータヨーク２２の幅に比べ小さく設定されている。このように設定する理由は、外ステータヨーク２１との接合の利便および、ボビン２４の端子ブロック２４ａの露出スペース確保のためである。
【００２５】
コイル２３は、上述の様にボビン２４にマグネットワイヤを巻き回して作製され、カバーリング２５は、ＰＢＴなどにより成形加工される。コイル２３とそれを覆うカバーリング２５とを挟み込む状態で、外ステータヨーク２１と内ステータヨーク２２とを複数の極歯２６a、２６bがそれぞれ電気角で１８０°隔りを以って対面交差するように組み合わせ、外ヨーク２１の両端と内ステータヨーク２２の延設部２７ａであるステータ外壁部２７のそれぞれの端とを接合した後、複数の極歯２６a、２６b間の空隙を樹脂で充填し、ステータサブアセンブリ２８は形成される。
【００２６】
図１（Ｂ）に示すように、ステータアセンブリ２９は、２個のステータサブアセンブリ２８のそれぞれの複数の極歯２６a、２６bがそれぞれ電気角で９０°隔てられた位置関係にして、内ステータヨーク２２同士を背中合わせにして２個のステータサブアセンブリ２８を接合し構成する。
【００２７】
この様に構成されたステータアセンブリ２９は、長手方向に対し平行な両側の側面部２５ａにはステータヨークが存在せず、つまりステータ外壁部２７が構成されていないためカバーリング２５が露出した状態である。このため、ステータヨーク材の板厚さの２倍に相当する寸法分だけ従来の構造に比べ小型化されている。従来のステータ構造のようにコイルがステータヨークにより全体的に覆われてはいないが、カバーリング２５が装着されているので外部からの衝撃に対しては充分保護されている。
【００２８】
上記実施例では内ステータヨーク２２に延設部２７ａを設けステータ外壁部２７を形成する構造としたが、外ステータヨーク２１に延設部を設けステータ外壁部を構成する構造としてもよい。さらに、内ステータヨーク２２と外ステータヨーク２１との両方に延設部を設けそれぞれのステータ外壁部を重ね合わせた構造としてもよく、この場合、内ステータヨーク２２のステータ外壁部が外側になるように構成しても、外ステータヨーク２１のステータ外壁部が外側になるように構成してもよい。
【００２９】
また、上記実施例では外板部２１ａ、２２ａの形状が略長方形の場合を示したが、略楕円形に形成することもできる。さらに、カバーリング２５が部分的にのみ覆われるような構造であれば外板部２１ａ、２２ａの形状は略長方形あるいは略楕円形に限定するものではない。
【００３０】
以上述べたごとく、本発明においては、コイルの外周部即ちカバーリングは部分的にのみ覆われているため露出している部分ではステータヨークの材料の厚さ寸法分が小型化され、従って最終的にはその２倍の寸法分の小型化を達成出来る。その際、コイル、ロータ等の寸法には全く影響を与えないので、小型化と引き換えにモータの性能が犠牲になることは一切なく、高性能化の要求にも同時に対応するためには非常に有効である。
【００３１】
また、従来のステータ構造によるモータと同一の外形寸法が許容される場合は、従来のステータ構造によるクローポール型ステッピングモータの設計に比べコイルのスペースの確保が容易で、極歯内径やロータ径の拡大も可能になり、高トルクのモータが安価で提供可能となる。
【００３２】
さらに、ステータヨークの形状がカップ状あるいは円筒状でないことにより絞り加工が不要となるため、作業速度が向上するとともに金型の価格と耐久性が改善されコストの低減が図れる。加えて、ステータヨークの材料の使用量が削減されるため、コストが低減されると同時に資源が節約され環境対策の点においても優れたもとすることができる。
【００３３】
【発明の効果】
本発明のクローポール型ステッピングモータは、複数の極歯が設けられた外ステータヨークと、前記複数の極歯にそれぞれ対面交差するように複数の極歯が設けられた内ステータヨークと、前記極歯の外周に設けられるコイルと、前記コイルを覆うカバーリングとから主に構成されるクローポール型ステッピングモータにおいて、前記外ステータヨークと内ステータヨークは外板部に設けた開口の円周方向に複数の極歯が形成され、前記外ステータヨークと内ステータヨークの少なくとも一方のステータヨークの外板部の両端部に前記外板部に連接した平板の延設部を設け、該延設部を折り曲げて軸方向に伸長するステータ外壁部を形成し、前記カバーリングの端部に設けた切欠に前記延設部を挿通し他方のステータヨークの両端部に形成した切欠と接合して前記カバーリングを覆うと共に該ステータ外壁部が対向する方向と直交する方向では前記カバーリングが露出してなることとしたため、モータ性能を損なうことなく小型化を達成すると共に、絞り加工を必要としない構造として製造コスト低減を図ることができ、また、カバーリング、外ステータヨーク、内ステータヨークの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【００３４】
また、前記ステータ外壁部は、前記内ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとしたため、絞り加工を必要としない簡易構造として製造コスト低減を図ることができる。
【００３５】
また、前記ステータ外壁部は、前記外ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとしたため、絞り加工を必要としない簡易構造として製造コスト低減を図ることができる。
【００３７】
また、前記カバーリングを挟んで前記延設部を形成したステータヨークに対向するステータヨークの外板部の端部に切欠を設け、該切欠の幅方向の寸法は前記延設部の幅方向の寸法に相当し、前記切欠に前記延設部を挿通してなることとしたので、外ステータヨークと内ステータヨークとの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態のステータアセンブリを構成するステータサブアセンブリの構造を示し、図１（Ａ）はステータサブアセンブリの分解図、図１（Ｂ）はステータアセンブリの斜視図である。
【図２】従来のステータ構造が組み込まれるクローポール型ステッピングモータの一部を切り欠いた斜視図である。
【図３】従来のステータ構造を構成するステータサブアセンブリの構造を示し、図３（Ａ）はステータサブアセンブリの分解図、図３（Ｂ）はステータサブアセンブリの斜視図である。
【符号の説明】
１、２１ 外ステータヨーク
２１ａ、２２ａ 外板部
２、２２ 内ステータヨーク
３、２３ コイル
４、２４ ボビン
５、２５ カバーリング
６ａ、２６ａ 極歯
６ｂ、２６ｂ 極歯
７、２７ ステータ外壁部
２７ａ 延設部
８、２８ ステータサブアセンブリ
９、２９ ステータアセンブリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローポール型ステッピングモータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２は、従来のステータ構造が組み込まれるクローポール型ステッピングモータの一部を切り欠いた斜視図である。
【０００３】
図２に示すように、このクローポール型ステッピングモータは、ステータサブアセンブリ８が２個重ね合わされ構成されたステータアセンブリ９と、ロータ１１とで主に構成されている。
【０００４】
ステータアセンブリ９にはフロントプレート１０ａとリアプレート１０ｂとが取り付けられ、ロータ１１にはシャフト１２が圧入され、シャフト１２はフロントプレート１０ａに設けられた軸受１３ａとリアプレート１０ｂに設けられた軸受（図示せず）とで回転自在に保持されている。
【０００５】
図３は従来のステータアセンブリ９を構成するステータサブアセンブリ８の構造図、図３（Ａ）はステータサブアセンブリ８の分解図、図３（Ｂ）はステータサブアセンブリ８のの組立時の斜視図である。
【０００６】
図３（Ａ）に示すように、ステータサブアセンブリ８は、軟磁性鋼板をカップ状または円筒状に絞り加工しその内周部の円周上に複数の極歯６aを打ち抜き垂直に折り曲げて構成する外ステータヨーク１と、略円形を有する軟磁性鋼板の内周部の円周上に複数の極歯６bを打ち抜き垂直に折り曲げて構成する内ステータヨーク２と、ボビン４にマグネットワイヤを巻き回して作製したコイル３と、コイル３を覆うカバーリング５とで主に構成されている。
【０００７】
ステータサブアセンブリ８は、外ステータヨーク１と内ステータヨーク２とを複数の極歯６a、６bがそれぞれ電気角で180°の隔たりを以って対面交差するように組み付け、コイル３とカバーリング５とを装着して複数の極歯６a、６b間の空隙を樹脂で充填し、図３（Ｂ）に示すように形成される。
【０００８】
ステータアセンブリ９（図２参照）は、２個のステータサブアセンブリ８のそれぞれの複数の極歯６a、６bがそれぞれ電気角で９０°隔てられた位置関係にして、内ステータヨーク２同士を背中合わせにして２個のステータサブアセンブリ８を接合し構成する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のステータアセンブリ９には、次のような問題があった。
【００１０】
ステータアセンブリ９を備えるクローポール型ステッピングモータにおいては、ステータ外壁部７が全面的に形成されており、ステータ外壁の材料すなわちステータヨークの材料である軟磁性鋼板の板厚の２倍に相当する寸法がステータ外周の全ての部分で外形寸法に含まれるため小型化の障害になっている。
【００１１】
特に、厚さの削減が要求されるノートブック型パソコンに使用される場合、占有面積に比べ高さ方向が厳しく制限されるスペースへの組み込みが強く要求されると同時に高性能化も要求されるので、ステータヨーク材の板厚寸法といえども重大な障害となっている。
【００１２】
また、カップ状または円筒状の外ステータヨークの外周を絞り加工で形成するため、プレス加工が困難であると同時にプレス金型も高価でコスト高となっていた。
【００１３】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、モータ性能を損なうことなく小型化を達成すると共に、製造コスト低減を図るクローポール型ステッピングモータを提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明のクローポール型ステッピングモータは、複数の極歯が設けられた外ステータヨークと、前記複数の極歯にそれぞれ対面交差するように複数の極歯が設けられた内ステータヨークと、前記極歯の外周に設けられるコイルと、前記コイルを覆うカバーリングとから主に構成されるクローポール型ステッピングモータにおいて、前記外ステータヨークと内ステータヨークは外板部に設けた開口の円周方向に複数の極歯が形成され、前記外ステータヨークと内ステータヨークの少なくとも一方のステータヨークの外板部の両端部に前記外板部に連接した平板の延設部を設け、該延設部を折り曲げて軸方向に伸長するステータ外壁部を形成し、前記カバーリングの端部に設けた切欠に前記延設部を挿通し他方のステータヨークの両端部に形成した切欠と接合して前記カバーリングを覆うと共に該ステータ外壁部が対向する方向と直交する方向では前記カバーリングが露出してなることとした。
【００１５】
また、前記ステータ外壁部は、前記内ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとした。
【００１６】
また、前記ステータ外壁部は、前記外ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとした。
【００１８】
また、前記カバーリングを挟んで前記延設部を形成したステータヨークに対向するステータヨークの外板部の端部に切欠を設け、該切欠の幅方向の寸法は前記延設部の幅方向の寸法に相当し、前記切欠に前記延設部を挿通してなることとした。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態のクローポール型ステッピングモータを図面に基づき説明する。
【００２１】
図１は本発明の実施形態のステータアセンブリ２９を構成するステータサブアセンブリ２８の構造図、図１（Ａ）はステータサブアセンブリ２８の分解図、図１（Ｂ）はステータアセンブリ２９の斜視図である。
【００２２】
図１（Ａ）に示すように、ステータサブアセンブリ２８は、外ステータヨーク２１と、内ステータヨーク２２と、ボビン２４にマグネットワイヤを巻き回して作製したコイル２３と、カバーリング２５とで主に構成されている。
【００２３】
外ステータヨーク２１は、プレス加工で軟磁性鋼板により略長方形に形成された外板部２１aと、その内周上に打ち抜かれ略円筒状に配列するように垂直に折り曲げられた複数の極歯２６aとから構成され、長手方向の両端部に切欠２１ｂが施されている。切欠２１ｂは、深さがステータヨーク材の板厚の寸法に、幅は内ステータヨーク２２の延設部２７ａ（後述）の幅方向の寸法Ｗに相当するように設定されている。内ステータヨーク２２は、外ステータヨーク２１と略同様な構造で軟磁性鋼板により外板部２２bと複数の極歯２６bとから構成され、長手方向の両端部に延設部２７ａが設けられている。これらの延設部２７ａは極歯２６bの曲げ方向と同じ方向に垂直に折り曲げられステータ外壁部２７となる。
【００２４】
このステータ外壁部２７は、長手方向がカバーリング２５の寸法Ｔにヨーク材の板厚を加えた寸法に、幅方向が寸法Ｗに設定されている。この幅方向の寸法Ｗは外ステータヨーク２１および内ステータヨーク２２の幅に比べ小さく設定されている。このように設定する理由は、外ステータヨーク２１との接合の利便および、ボビン２４の端子ブロック２４ａの露出スペース確保のためである。
【００２５】
コイル２３は、上述の様にボビン２４にマグネットワイヤを巻き回して作製され、カバーリング２５は、ＰＢＴなどにより成形加工される。コイル２３とそれを覆うカバーリング２５とを挟み込む状態で、外ステータヨーク２１と内ステータヨーク２２とを複数の極歯２６a、２６bがそれぞれ電気角で１８０°隔りを以って対面交差するように組み合わせ、外ヨーク２１の両端と内ステータヨーク２２の延設部２７ａであるステータ外壁部２７のそれぞれの端とを接合した後、複数の極歯２６a、２６b間の空隙を樹脂で充填し、ステータサブアセンブリ２８は形成される。
【００２６】
図１（Ｂ）に示すように、ステータアセンブリ２９は、２個のステータサブアセンブリ２８のそれぞれの複数の極歯２６a、２６bがそれぞれ電気角で９０°隔てられた位置関係にして、内ステータヨーク２２同士を背中合わせにして２個のステータサブアセンブリ２８を接合し構成する。
【００２７】
この様に構成されたステータアセンブリ２９は、長手方向に対し平行な両側の側面部２５ａにはステータヨークが存在せず、つまりステータ外壁部２７が構成されていないためカバーリング２５が露出した状態である。このため、ステータヨーク材の板厚さの２倍に相当する寸法分だけ従来の構造に比べ小型化されている。従来のステータ構造のようにコイルがステータヨークにより全体的に覆われてはいないが、カバーリング２５が装着されているので外部からの衝撃に対しては充分保護されている。
【００２８】
上記実施例では内ステータヨーク２２に延設部２７ａを設けステータ外壁部２７を形成する構造としたが、外ステータヨーク２１に延設部を設けステータ外壁部を構成する構造としてもよい。さらに、内ステータヨーク２２と外ステータヨーク２１との両方に延設部を設けそれぞれのステータ外壁部を重ね合わせた構造としてもよく、この場合、内ステータヨーク２２のステータ外壁部が外側になるように構成しても、外ステータヨーク２１のステータ外壁部が外側になるように構成してもよい。
【００２９】
また、上記実施例では外板部２１ａ、２２ａの形状が略長方形の場合を示したが、略楕円形に形成することもできる。さらに、カバーリング２５が部分的にのみ覆われるような構造であれば外板部２１ａ、２２ａの形状は略長方形あるいは略楕円形に限定するものではない。
【００３０】
以上述べたごとく、本発明においては、コイルの外周部即ちカバーリングは部分的にのみ覆われているため露出している部分ではステータヨークの材料の厚さ寸法分が小型化され、従って最終的にはその２倍の寸法分の小型化を達成出来る。その際、コイル、ロータ等の寸法には全く影響を与えないので、小型化と引き換えにモータの性能が犠牲になることは一切なく、高性能化の要求にも同時に対応するためには非常に有効である。
【００３１】
また、従来のステータ構造によるモータと同一の外形寸法が許容される場合は、従来のステータ構造によるクローポール型ステッピングモータの設計に比べコイルのスペースの確保が容易で、極歯内径やロータ径の拡大も可能になり、高トルクのモータが安価で提供可能となる。
【００３２】
さらに、ステータヨークの形状がカップ状あるいは円筒状でないことにより絞り加工が不要となるため、作業速度が向上するとともに金型の価格と耐久性が改善されコストの低減が図れる。加えて、ステータヨークの材料の使用量が削減されるため、コストが低減されると同時に資源が節約され環境対策の点においても優れたもとすることができる。
【００３３】
【発明の効果】
本発明のクローポール型ステッピングモータは、複数の極歯が設けられた外ステータヨークと、前記複数の極歯にそれぞれ対面交差するように複数の極歯が設けられた内ステータヨークと、前記極歯の外周に設けられるコイルと、前記コイルを覆うカバーリングとから主に構成されるクローポール型ステッピングモータにおいて、前記外ステータヨークと内ステータヨークは外板部に設けた開口の円周方向に複数の極歯が形成され、前記外ステータヨークと内ステータヨークの少なくとも一方のステータヨークの外板部の両端部に前記外板部に連接した平板の延設部を設け、該延設部を折り曲げて軸方向に伸長するステータ外壁部を形成し、前記カバーリングの端部に設けた切欠に前記延設部を挿通し他方のステータヨークの両端部に形成した切欠と接合して前記カバーリングを覆うと共に該ステータ外壁部が対向する方向と直交する方向では前記カバーリングが露出してなることとしたため、モータ性能を損なうことなく小型化を達成すると共に、絞り加工を必要としない構造として製造コスト低減を図ることができ、また、カバーリング、外ステータヨーク、内ステータヨークの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【００３４】
また、前記ステータ外壁部は、前記内ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとしたため、絞り加工を必要としない簡易構造として製造コスト低減を図ることができる。
【００３５】
また、前記ステータ外壁部は、前記外ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することとしたため、絞り加工を必要としない簡易構造として製造コスト低減を図ることができる。
【００３７】
また、前記カバーリングを挟んで前記延設部を形成したステータヨークに対向するステータヨークの外板部の端部に切欠を設け、該切欠の幅方向の寸法は前記延設部の幅方向の寸法に相当し、前記切欠に前記延設部を挿通してなることとしたので、外ステータヨークと内ステータヨークとの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態のステータアセンブリを構成するステータサブアセンブリの構造を示し、図１（Ａ）はステータサブアセンブリの分解図、図１（Ｂ）はステータアセンブリの斜視図である。
【図２】従来のステータ構造が組み込まれるクローポール型ステッピングモータの一部を切り欠いた斜視図である。
【図３】従来のステータ構造を構成するステータサブアセンブリの構造を示し、図３（Ａ）はステータサブアセンブリの分解図、図３（Ｂ）はステータサブアセンブリの斜視図である。
【符号の説明】
１、２１ 外ステータヨーク
２１ａ、２２ａ 外板部
２、２２ 内ステータヨーク
３、２３ コイル
４、２４ ボビン
５、２５ カバーリング
６ａ、２６ａ 極歯
６ｂ、２６ｂ 極歯
７、２７ ステータ外壁部
２７ａ 延設部
８、２８ ステータサブアセンブリ
９、２９ ステータアセンブリ
Claims (4)
- 複数の極歯が設けられた外ステータヨークと、前記複数の極歯にそれぞれ対面交差するように複数の極歯が設けられた内ステータヨークと、前記極歯の外周に設けられるコイルと、前記コイルを覆うカバーリングとから主に構成されるクローポール型ステッピングモータにおいて、
前記外ステータヨークと内ステータヨークは外板部に設けた開口の円周方向に複数の極歯が形成され、前記外ステータヨークと内ステータヨークの少なくとも一方のステータヨークの外板部の両端部に前記外板部に連接した平板の延設部を設け、該延設部を折り曲げて軸方向に伸長するステータ外壁部を形成し、前記カバーリングの端部に設けた切欠に前記延設部を挿通し他方のステータヨークの両端部に形成した切欠と接合して前記カバーリングを覆うと共に該ステータ外壁部が対向する方向と直交する方向では前記カバーリングが露出してなることを特徴とするクローポール型ステッピングモータ。 - 前記ステータ外壁部は、前記内ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、該延設部を折り曲げ形成することを特徴とする請求項１に記載のクローポール型ステッピングモータ。
- 前記ステータ外壁部は、前記外ステータヨークの外板部の端部に延設部を形成し、前記延設部を折り曲げ形成することを特徴とする請求項１に記載のクローポール型ステッピングモータ。
- 前記カバーリングを挟んで前記延設部を形成したステータヨークに対向するステータヨークの外板部の端部に切欠を設け、該切欠の幅方向の寸法は前記延設部の幅方向の寸法に相当し、前記切欠に前記延設部を挿通してなることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載のクローポール型ステッピングモータ。
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