JP3711232B2 - 磁気記録データのデータ復調方法及び復調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード等の各種磁気記録媒体に書き込まれた磁気記録データの復調を行う磁気記録データのデータ復調方法及び復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気カード等の磁気記録媒体を取り扱う各種記録再生装置では、例えば図9に示されているように、磁気カード等の磁気記録媒体1に書き込まれた2種類の周波数(F,2F)の組合せからなる磁気記録データ情報(図10(a)参照)を、磁気ヘッド2によりアナログ信号として再生し、そのアナログ再生信号を、2系統の増幅器3,3に通した後の信号(図10(b)参照)のうちの一方側を、コンパレータ4で波形整形して2値化データ(図10(e)参照)を得るとともに、上述したアナログ再生信号の磁気反転位置に生じているピーク位置を、微分回路や積分回路等を備えたピーク検出回路5により検出しておき(図10(c)参照)、それをコンパレータ6で波形整形して2値化したピーク間隔信号(図10(d)参照)に従って、タイミング発生回路7から、上記アナログ再生信号のピーク出力に対応したレベルのタイミング信号(図10(f)参照)を発生させ、更にそれを、データ弁別回路又はCPU8に用いて、隣接するピーク位置どうしの間の時間間隔を計時し、それによって得た間隔データに基づいて前記磁気記録データの復調を行うようにしている。
【0003】
このとき、上記データ弁別回路又はCPU8では、間隔データTに関して基準時間αTを設定しておき、その基準時間αT内における信号極性の反転の有無を検出することにより2値判定を行って復調データを得るようにしている。このようしてデータ復調を行うにあたっては、特に、マニュアル方式の記録再生装置において、磁気カード等の磁気記録媒体を手動で搬送させるようにした場合の搬送速度の変動に対応し得るように、例えば図11のようなビット追従方式が従来から提案されている。このものでは、現在復調の対象となっているビットの間隔データTk(k=1,2,・・・)に対して、その直前の間隔データTk-1 を用いて基準時間αTk-1(1/2<α<1)を設定し、それらの値の大小比較を行っている。このビット追従方式によれば、搬送速度の変動が生じて上記再生信号のビット時間間隔に多少の変動を生じても、直前のビットから基準信号を算出することによって、誤読の発生が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁気カード等の磁気記録媒体の上記磁気ヘッド2に対する通過速度が急激に遅くなったり停止したりすると、磁気反転によるアナログ再生信号の変化、すなわちピーク値の大きさが減少してしまうとともに、上記アナログ再生信号の変化、すなわち隣接するピーク位置どうしの間の時間間隔が長くなってしまう。その結果、例えば微分回路では、ピーク値が小さいことからピーク検出が不可能になることがあり、また積分回路を用いた場合には、低周波信号をカットしていることから、時間間隔の長い信号のピーク検出ができなくなったり、信号上のノイズが蓄積されていくことから低周波ノイズが現れ、ピーク検出が不可能になることがある。
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成で、磁気記録媒体の搬送速度が低下した場合においても、安定的な復調を行うことができるようにした磁気記録データのデータ復調方法及び復調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の磁気記録データのデータ復調方法では、磁気記録媒体に書き込まれた磁気記録データの再生信号におけるピーク位置を検出し、そのピーク位置どうしの間の時間間隔を計時して得たピーク間隔データに基づいて、「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調する磁気記録データのデータ復調方法において、上記磁気記録データの再生信号をA/D変換したデジタルデータの出力レベルが一定時間以上にわたって閾値を越えなかった場合には、その時間範囲内のデジタルデータの再生曲線を求め、その再生曲線を形成する上記デジタルデータの加算計算を行うことにより加算波形を求め、次いで、上記加算波形における極大値及び極小値を用いて当該加算波形の平均値を表す曲線を求め、更に、前記加算波形の値から上記平均値を減算することにより低周波ノイズを除去した積分波形を求め、前記積分波形におけるゼロクロス点を前記デジタルデータの再生信号におけるピーク位置として検出して前記「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調するようにしている。
【0007】
このような構成を有する請求項1にかかる磁気記録データのデータ復調方法によれば、デジタル化された再生信号を積分計算した信号を用いていることから、小さいレベルの信号であっても検出可能なレベルとしてピーク検出が行われることとなり、磁気カード等の磁気記録媒体の通過速度が遅くなって従来では検出不能になった場合でも良好なピーク検出が行われる。また、積分計算において低周波の信号を一律にカットすることなく、デジタルデータの加算波形の平均値に基づいて低周波ノイズのみを除去するようにしていることから、ピーク間隔が大きく拡大された場合においてもピーク検出が良好に行われる。
また、積分波形のゼロクロス点を検知することから、迅速かつ正確に処理が行われる。
【0008】
このとき、請求項2にかかる磁気記録データのデータ復調方法では、前記請求項1記載の加算波形における極大値及び極小値を用いて、極大側包絡線及び極小側包絡線をそれぞれ求め、それらの極大側包絡線及び極小側包絡線を用いることによって、上記加算波形の平均値を求めるようにしている。
【0009】
このように加算波形の包絡線を用れば、平均値が迅速に算出されることとなり、全体の処理速度が向上される。
【0012】
さらに、請求項3記載の磁気記録データのデータ復調装置では、磁気記録媒体に書き込まれた磁気記録データの再生信号におけるピーク位置を検出し、そのピーク位置どうしの間の時間間隔を計時して得たピーク間隔データに基づいて、「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調する磁気記録データのデータ復調装置において、上記再生信号をA/D変換することによりデジタル再生信号を出力するA/D変換部と、該A/D変換部からのデジタル再生信号の出力レベルが一定時間以上にわたって閾値を越えなかった場合には、その時間範囲内のデジタルデータを加算して加算波形を生成する加算波形生成部と、該加算波形生成部の出力である加算波形における極大値及び極小値を用いて当該加算波形の平均値を表す曲線を求め、前記加算波形の値から上記平均値を減算することにより低周波ノイズを除去した積分波形を生成する積分波形生成部と、該積分波形生成部からの出力である前記積分波形におけるゼロクロス点を上記デジタル再生信号のピーク位置として検出するデジタル型ピーク検出部と、を備えている。
【0013】
このような構成を有する請求項3にかかる磁気記録データのデータ復調装置によれば、デジタル化された再生信号を積分計算した信号を用いていることから、小さいレベルの信号であっても検出可能なレベルとしてピーク検出が行われることとなり、磁気カード等の磁気記録媒体の通過速度が遅くなって従来では検出不能になった場合でも良好なピーク検出が行われる。また、積分計算において低周波の信号を一律にカットすることなく、デジタルデータの加算波形の平均値に基づいて低周波ノイズのみを除去するようにしていることから、ピーク間隔が大きく拡大された場合においてもピーク検出が良好に行われる。
また、積分波形におけるゼロクロス点を検知してピーク検出を行うようにしていることから迅速かつ正確に処理が行われる。
【0014】
このとき、請求項4記載の磁気記録データのデータ復調装置では、前記請求項3記載のデジタル再生信号のレベルを検出し、そのレベルが一定時間にわたって閾値に満たない範囲に相当するデジタル再生信号を前記加算波形生成部に送出する変換値レベルチェック部が設けられている。
【0015】
このように、従来方式では検出不可能な範囲の信号に関してのみ処理を行うことによって、全体のピーク検出時間が短縮化される。
【0016】
また、請求項5記載の磁気記録データのデータ復調装置では、前記請求項3記載のデジタル再生信号のうちの閾値に満たない範囲の信号に対して、位置情報又は時間情報を付加する手段を備えている。
【0017】
このような位置情報又は時間情報を用いれば、アナログ再生信号に基づくピーク検出結果と、デジタル再生信号に基づくピーク検出結果との合成が、迅速かつ正確に行われる。
【0020】
さらにまた、請求項7記載の磁気記録データのデータ復調装置では、前記請求項3記載のデジタル再生信号のピーク位置を、微分回路を介して検出する微分型ピーク検出部を備え、その微分型ピーク検出部と前記デジタル型ピーク検出部との双方からの信号に基づいてピーク位置を検出するように構成されている。
【0021】
このような微分型ピーク検出部とデジタル型ピーク検出部とを併用すれば、より迅速な処理が可能となる。
【0022】
一方、請求項8記載の磁気記録データのデータ復調装置では、前記請求項7記載のA/D変換部を介して取り込まれたデジタル再生信号のレベルを検出する変換値レベルチェック部と、前記微分型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号と、前記デジタル型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号とを合成する検出結果合成部と、を備え、上記再生信号のレベルが所定値以上のときは、上記微分型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用い、上記再生信号のレベルが所定値以下のときは、上記デジタル型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用いるように構成されている。
【0023】
このように信号のレベルに対応して微分型ピーク検出部とデジタル型ピーク検出部とを切り替えて使用すれば、より広範囲な信号レベルに対して迅速かつ高精度な処理が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を磁気カードの読取りに用いた場合の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1に示されているように、磁気記録媒体としての磁気カード11に書き込まれた磁気記録データ(図10(a)参照)は、磁気ヘッド12によりアナログ信号(AMP信号)として再生され、そのアナログ再生信号(AMP再生信号)が、図2にも示されているように、従来と同様な構成を有する通常のピーク検出回路13内に配置されたF2F生成回路13a及びF2F波形判定間隔計測回路13bに用いられて、図3(a)に示されているようなピーク間隔検出信号(図10(f)参照)に形成される。
【0025】
一方、上述した磁気ヘッド12からのアナログ信号(AMP信号)は、A/D変換器14に入力されてA/D変換され、図3(b)に示されているようなデジタルデータ(デジタル再生信号)になされる。このデジタルデータ(デジタル再生信号;図3(b)参照)は、上述したピーク間隔検出信号(図3(a)参照)と関連付けされており、サンプリング間隔ごとに番号が付され、その番号が、後述する合成時における位置情報又は時間情報として用いられる。例えば、図3に示されている信号例では、図3(a)のピーク間隔検出信号中における或るピーク間隔値T1に対して、図3(b)のデジタルデータにおけるサンプリング番号(n+3)が関連付けされ、また、同ピーク間隔検出信号のピーク間隔値T2に対しては、同デジタルデータにおけるサンプリング番号(n+11)が付されており、それらが位置時間情報として用いられるようになっている。
【0026】
さらに、上記A/D変換器14から変換出力されたデジタルデータ(デジタル再生信号)は、図2に示された変換値レベルチェック部15に入力され、そこに予め設定された閾値と比較される。そして、一定時間以上にわたって上記閾値を越えるレベルの変換出力が無かった場合には、その時間範囲内のデジタルデータ(デジタル再生信号)が、次に述べるような積分処理ブロック16に出力されてピーク検出が行われ、その他のデジタルデータは廃棄される。そして、上記積分処理ブロック16において得られたピーク間隔検出信号は、図1に示された検出結果合成部17において、上述したピーク検出回路13からのピーク間隔検出信号と合成された上で、次の処理回路に送出される。
【0027】
上記積分処理ブロック16は、加算波形生成部16a、積分波形生成部16b、及びデジタルピーク型ピーク検出部16cを備えており、それらの各部16a〜16cにおいて、図4に示されているような積分処理が行われる。すなわち、同図において、積分処理が開始されると、まず、上述したような一定時間以上にわたって閾値を越えるレベルの変換出力が無かった範囲内のデジタルデータが、前記A/D変換器14から上記加算波形生成部16a内に取り込まれ(図4のステップ1(ST1))、そのデジタルデータから直流成分が除去される(図4のステップ2(ST2))。
【0028】
このときの具体的な演算手順を説明すると、まず次の式のように、上記A/D変換14から出力されてきたデジタル再生信号の中で、n番目に相当するAnについての加算結果が、サンプル総数Nに基づいて求められ、その加算結果から直流成分DCが求められる。
【数1】
【0029】
そして、その直流成分DCを除いたデータanが、以下の式によって求められる。
【数2】
この直流成分DCを除いたデータanの波形信号は、例えば図5に示されているようなものとなる。同図における横軸は、10の乗数をかけるとサンプル数となるものである。
【0030】
次に、上記直流成分を除いたデータanの加算処理が行われ、デジタル再生信号の加算波形Inが求められる(図4のステップ3(ST3))。そのときの加算処理は、
【数3】
により行われ、例えば図6に示されているような波形の信号となる。
【0031】
さらに、上述した積分波形生成部16bにおいて、上記デジタル再生信号の加算波形Inから、低周波ノイズを除去した積分波形が算出される(図4のステップ4(ST4))。このときには、まず、上記加算波形Inにおける極大側の包絡線EUn、及び極小側の包絡線EDnが求められ、それらの各包絡線EUn,EDnの平均線EAnが、以下の式により算出される。
【数4】
これらの各曲線は、例えば図7に示されているような波形信号となる。
【0032】
次いで、上記各包絡線EUn,EDnの平均線EAnから、低周波ノイズを除去した積分波形inが、
【数5】
に基づいて算出され、例えば図8に示されているような波形信号が得られる。
【0033】
このとき、上述した積分波形inにおけるゼロクロス点は、元のデジタル再生信号のピーク位置に対応していることから、上述したデジタル型ピーク検出部16cにおいて、上記積分波形inのゼロクロス点どうしの間のピーク間隔検出信号として出力が行われる(図4のステップ5(ST5))。
【0034】
そのピーク検出を行う際には、波形のバラツキを考慮して、「0」付近におけるノイズの誤差定数±αが設定され、その誤差定数±αに対し、以下の式に該当する場合をピーク位置とする。
【数6】
【0035】
そして最後に、上述したようにして得られた積分波形からなるピーク間隔検出信号と、前述した通常の構成を有するピーク検出回路13からのピーク間隔検出信号とが合成されて(図4のステップ6(ST6))、積分処理が終了する。
【0036】
このように本実施形態では、デジタル化された再生信号を積分計算した信号を用いることによって、検出可能なレベルとしてピーク検出が行われるため、磁気カード等の磁気記録媒体の通過速度が遅くなって従来では検出不能になった場合でも、良好なピーク検出が行われる。
【0037】
また、本実施形態では、積分計算において低周波の信号を一律にカットすることなく、積分結果の包絡線などを用いて得た平均値に基づいて、低周波ノイズのみを除去するようにしていることから、特に、ピーク間隔が大きく拡大された場合におけるピーク検出が良好に行われる。
【0038】
さらに、本実施形態では、従来方式では検出不可能な範囲のみに関して処理が行われていることから、全体のピーク検出時間の短縮化が図られている。さらにまた、積分曲線の包絡線を用いて平均値を算出していることから、より迅速な演算処理が可能となり、全体の処理速度が向上されるようになっている。
【0039】
加えて、本実施形態では、デジタル型ピーク検出部16cが、積分波形生成部16bからの出力される平均積分曲線のゼロクロス点を検出してピーク検出を行っていることから、迅速かつ正確に処理が行われる。また、本実施形態では、変換値レベルチェック部15において、デジタル再生信号のレベルを検出し、そのレベルが一定時間にわたって閾値に満たない範囲に相当するデジタル再生信号を加算波形生成部16に送出することによって、従来方式では検出不可能な範囲の信号に関してのみ処理を行っていることから、全体のピーク検出時間が一層短縮化されるようになっている。
【0040】
さらに、本実施形態では、デジタル再生信号のうちの閾値に満たない範囲の信号に対して、位置情報又は時間情報を付加する手段を備えていることから、当該位置情報又は時間情報を用いることによって、アナログ再生信号に基づくピーク検出結果と、デジタル再生信号に基づくピーク検出結果との合成が、迅速かつ正確に行われる。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0042】
例えば、上述した実施形態では、デジタル再生信号の加算波形Inから低周波ノイズを除去して積分波形を得る際に用いる加算波形Inの平均線EAnを、上記加算波形Inの包絡線EUn,EDnを算出して求めているが、必ずしも包絡線を求める必要はなく、例えば、隣接する極大点と極小点との平均値をそれぞれ求めて平均線を形成するなどのように、多種多様な演算方式を採用することが可能である。
【0043】
また、上記実施形態では、積分波形inにおけるゼロクロス点をピーク位置として検出しているが、傾きが一番大きい箇所を検出するなどのように、他の種々の条件によってピーク位置を検出するようにすることもできる。
【0044】
例えば、デジタル再生信号のピーク位置を、微分回路を介して検出する微分型ピーク検出部を設けておき、その微分型ピーク検出部と、上述した実施形態におけるデジタル型ピーク検出部との双方からの信号に基づいてピーク位置を検出する構成も採用することができる。この場合には、A/D変換部を介して取り込まれたデジタル再生信号のレベルを変換値レベルチェック部において常時監視しておき、再生信号のレベルが所定値以上のときは、微分型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用い、再生信号のレベルが所定値以下のときは、デジタル型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用いて、これら微分型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号と、前記デジタル型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号とを、検出結果合成部において合成するように構成することができる。
【0045】
このようにデジタル再生信号のピーク位置を、微分回路を備えた微分型ピーク検出部と、デジタル型ピーク検出部との双方からの信号に基づいてピーク位置を検出するように構成すれば、より迅速な処理が可能となり、特に、信号のレベルに対応して微分型ピーク検出部とデジタル型ピーク検出部とを切り替えて使用すれば、より広範囲な信号レベルに対して迅速かつ高精度な処理が可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1又は請求項3にかかる発明は、デジタル化した再生信号を積分計算した信号を採用することにより、検出可能なレベルとしてピーク検出を行い、磁気カード等の磁気記録媒体の通過速度が遅くなって従来では検出不能になった場合においても、良好なピーク検出を行うように構成したものであるから、磁気記録媒体の復調を安定的に行わせることができ、磁気記録データのデータ復調方法及び復調装置の信頼性を高めることができる。
【0047】
また、この請求項1又は請求項3にかかる発明は、デジタルデータを加算した結果の平均値に基づいて、低周波ノイズのみを除去することによって、特にピーク間隔が大きく拡大された場合におけるピーク検出を良好に行わせるようにしたものであるから、磁気記録媒体の復調を一層安定的に行わせることができる。
【0048】
このとき、請求項2にかかる発明は、加算波形における極大値及び極小値を用いて、極大側包絡線及び極小側包絡線を用いて、加算波形の平均値を求めるようにしていることから、平均値が迅速に算出されることとなり、上述した効果に加えて、全体の処理速度を向上させることができる。
【0049】
また、請求項1又は請求項3にかかる発明は、積分波形におけるゼロクロス点を、デジタルデータの再生信号におけるピーク位置として検出するようにして、迅速かつ正確に処理を行わせるようにしたものであるから、上述した効果に加えて、全体の処理速度を一層向上させることができる。
【0050】
一方、請求項4にかかる発明は、デジタル再生信号のレベルを検出し、従来方式では検出不可能な範囲の信号に関してのみ処理を行うことによって、全体のピーク検出時間が短縮化していることから、上述した効果に加えて、全体の処理速度を更に向上させることができる。
【0051】
また、請求項5にかかる記載の磁気記録データのデータ復調装置では、出力が小さいデジタル再生信号に対して位置情報又は時間情報を付加し、その位置情報又は時間情報を用いてアナログ再生信号に基づくピーク検出結果と、デジタル再生信号に基づくピーク検出結果との合成を迅速かつ正確に行わせるようにしたものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
【0052】
さらに、請求項7にかかる発明は、微分型ピーク検出部と前記デジタル型ピーク検出部との双方からの信号に基づいてピーク位置を検出し、それらを併用することによって迅速な処理を可能としたものであるから、処理速度を一層向上させることができる。
【0053】
らにまた、請求項8にかかる発明は、A/D変換部を介して取り込まれたデジタル再生信号のレベルに対応して微分型ピーク検出部とデジタル型ピーク検出部とを切り替えて使用し、より広範囲な信号レベルに対して迅速かつ高精度な処理が可能としたものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁気記録データのデータ復調装置の一実施形態を表したブロック図である。
【図2】図1に表されたデータ復調装置におけるA/D変換部分を拡大して表した詳細ブロック図である。
【図3】ピーク間隔信号の番号付け状態を表したものであって、(a)は、アナログ再生信号から得たピーク間隔信号を示した線図、(b)は、アナログ再生信号のデジタルデータを示した線図である。
【図4】本発明にかかる磁気記録データのデータ復調方法の一実施形態を表したフロー図である。
【図5】デジタル再生信号から直流成分を除去した再生曲線を表した線図である。
【図6】図5に示した再生曲線の加算結果を表した線図である。
【図7】図6に示した加算曲線の包絡線及び平均曲線を表した線図である。
【図8】図6に示した加算曲線から平均曲線を減じた結果を表した線図である。
【図9】従来における磁気記録データのデータ復調方法を実施するための装置例を表したブロック線図である。
【図10】従来における磁気記録データのデータ復調方法の実行手順を表したタイミング関係図である。
【図11】信号極性の反転の有無をビット追従方式によって検出する場合の例を表した線図である。
【符号の説明】
11 磁気記録媒体(磁気カード)
12 磁気ヘッド
13 通常のピーク検出回路
14 A/D変換器
16 積分処理ブロック
16a 加算波形生成部
16b 積分波形生成部
16c デジタルピーク型ピーク検出部
Claims (8)
- 磁気記録媒体に書き込まれた磁気記録データの再生信号におけるピーク位置を検出し、そのピーク位置どうしの間の時間間隔を計時して得たピーク間隔データに基づいて、「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調する磁気記録データのデータ復調方法において、
上記磁気記録データの再生信号をA/D変換したデジタルデータの出力レベルが一定時間以上にわたって閾値を越えなかった場合には、その時間範囲内のデジタルデータの再生曲線を求め、
その再生曲線を形成する上記デジタルデータの加算計算を行うことにより加算波形を求め、
次いで、上記加算波形における極大値及び極小値を用いて当該加算波形の平均値を表す曲線を求め、
更に、前記加算波形の値から上記平均値を減算することにより低周波ノイズを除去した積分波形を求め、前記積分波形におけるゼロクロス点を前記デジタルデータの再生信号におけるピーク位置として検出して前記「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調するようにした磁気記録データのデータ復調方法。 - 前記加算波形における極大値及び極小値を用いて、極大側包絡線及び極小側包絡線をそれぞれ求め、
それらの極大側包絡線及び極小側包絡線を用いることによって、上記加算波形の平均値を求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載の磁気記録データのデータ復調方法。 - 磁気記録媒体に書き込まれた磁気記録データの再生信号におけるピーク位置を検出し、そのピーク位置どうしの間の時間間隔を計時して得たピーク間隔データに基づいて、「0」信号又は「1」信号からなる磁気データ情報を復調する磁気記録データのデータ復調装置において、
上記再生信号をA/D変換することによりデジタル再生信号を出力するA/D変換部と、
該A/D変換部からのデジタル再生信号の出力レベルが一定時間以上にわたって閾値を越えなかった場合には、その時間範囲内のデジタルデータを加算して加算波形を生成する加算波形生成部と、
該加算波形生成部の出力である加算波形における極大値及び極小値を用いて当該加算波形の平均値を表す曲線を求め、前記加算波形の値から上記平均値を減算することにより低周波ノイズを除去した積分波形を生成する積分波形生成部と、
該積分波形生成部からの出力である前記積分波形におけるゼロクロス点を上記デジタル再生信号のピーク位置として検出するデジタル型ピーク検出部と、
を備えていることを特徴とする磁気記録データのデータ復調装置。 - 前記デジタル再生信号のレベルを検出し、そのレベルが一定時間にわたって閾値に満たない範囲に相当するデジタル再生信号を前記加算波形生成部に送出する変換値レベルチェック部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の磁気記録データのデータ復調装置。
- 前記デジタル再生信号のうちの閾値に満たない範囲の信号に対して、位置情報又は時間情報を付加する手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の磁気記録データのデータ復調装置。
- 前記デジタル型ピーク検出部は、前記積分波形生成部からの出力のゼロクロス点を検出する手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の磁気記録データのデータ復調装置。
- 前記デジタル再生信号のピーク位置を、微分回路を介して検出する微分型ピーク検出部を備え、
その微分型ピーク検出部と前記デジタル型ピーク検出部との双方からの信号に基づいてピーク位置を検出するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の磁気記録データのデータ復調装置。 - 前記A/D変換部を介して取り込まれたデジタル再生信号のレベルを検出する変換値レベルチェック部と、
前記微分型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号と、前記デジタル型ピーク検出部から得られるピーク位置検出信号とを合成する検出結果合成部と、を備え、
上記再生信号のレベルが所定値以上のときは、上記微分型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用い、上記再生信号のレベルが所定値以下のときは、上記デジタル型ピーク検出部からのピーク位置検出信号を用いるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の磁気記録データのデータ復調装置。
Priority Applications (9)
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