JP3711085B2 - 遮音性シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアインナーパネルにドアトリムが取付けられて、両者間に遮音性シートが取付けられてなる遮音性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、従来、ドアD内部の遮音性対策として、ドアインナーパネルの車内側に取付けられた内装用のドアトリム1の裏面にフェルト2やウレタンを貼付けか、あるいはドアインナーパネル側にウレタン成形品を貼付ることが知られている。
例えば、実公平5−23376号公報では、ウレタンフォーム等からなるパッド材が設けられたドアトリムが開示されている。また、特開平10−119159号公報には、発泡ウレタンからなる遮音カバーが開示されています。
【0003】
しかし、これらフェルト2,ウレタン,パッド材,遮音カバーは、すべて別部品でありドアトリム1側あるいはドアインナーパネルの車内側に部分的に取付けられるものであるため、遮音効果は十分なものではなかった。
また、部分的に取付ける必要があるので、組付作業が煩雑であるといった問題があった。
【0004】
そこで、本出願人は、図4乃至図6に示すように、ドアインナーパネル11とドアトリム12の間に、遮音性シート20を上側から下側にのれん状に垂らすように設け、遮音性シート20の上端をドアトリム12に取付けられたインナーウェザーストリップ15に固定したものについて提供した(特願2002−57777)。
なお、インナーウェザーストリップ15は、取付基部16と昇降するドアガラスGに車内側から摺接する上下のシールリップ部17,18と、そのシールリップ部17,18を支持するとともに取付基部16から下側に向けて延設された支持部19とから形成され、取付基部16の上面には複数のリップ部16aと位置決め用突起16bが形成され、ドアトリム12の上部に形成された略コ字状の凹部13に挿入され、位置決め用突起16bが段差部13aに当接して位置決めされるようになっている。またドアトリム12はクリップCによってドアインナーパネル11に固定されている。
【0005】
これによれば、ドアインナーパネル11とドアトリム12の間に遮音性シート20を介して2つの空間X,Yができるので、従来のように、フェルト,ウレタン,パッド材,遮音カバー等を設けたものと比較して遮音性が向上するとともに、上側から下側にのれん状に垂らすだけで遮音性シート20を設けることができるので組付作業が簡単である。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遮音性シート20を設けても、ドアのロア部、すなわち、ドアトリム12の下部とドアインナーパネル11との隙間から音が侵入したり、あるいは外に音が洩れたりして遮音性を低下させる場合があった。
なお、ドアのロア部の隙間に吸音材を貼付け、隙間を減少させることより防音効果を図ったものは従来から存在するが、そのような吸音材は、上述したように、部分的に取付けられる別体のものであるため、貼付工数がかかるとともに外観上見栄えも悪いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、遮音性シートを利用してドアトリムの下部とドアインナーパネルとの隙間から侵入したり、あるいは外に洩れたりする音を軽減して遮音性を一層向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、ドアインナーパネル(11)の車内側に内装用のドアトリム(12)が、少なくともドアトリム(12)の下端(12a)をドアインナーパネル(11)の下端(11a)よりも上側に位置させて取付けられた自動車用ドア(D)の、前記ドアインナーパネル(11)とドアトリム(12)の間に、上端がドアインナーパネル(11)又はドアトリム(12)又はそれらに取付けられたインナーウェザーストリップ(15)に固定され、上側から下側にのれん状に垂らすように設けられた遮音性シート(20)であって、
前記ドアトリム(12)の下端(12a)から、遮音性シート(20)の下部(20a)をはみ出させた状態で、そのはみ出し部(20a)を前記ドア(D)のロア部の、前記ドアインナーパネル(11)の車内側に固定させられることを特徴とする。
【0008】
なお、括弧内の記号は図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【0009】
本発明の遮音性シートによれば、ドアインナーパネルとドアトリムの間にのれん状に垂らして設けられた遮音性シートの下部は、ドアトリムの下端からはみ出すようにされるとともに、そのはみ出し部分は、ドアインナーパネルの車内側に固定されるようにしたので、ドアのロア部、すなわち、ドアトリムの下部とドアインナーパネルとの隙間から音が侵入したり外に洩れたりすることが軽減され、遮音性は一層向上する。
しかも、ドアのロア部に部分的に別体のものを取付けるのではなく、ドアインナーパネルとドアトリム間に設けられる遮音性シートの下部を延設したはみ出し部分を利用したので、特に取付工数に時間が割かれたり、見栄えを悪くすることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る遮音性シートについて説明する。図1は本発明の実施形態に係る遮音性シートが取付けられるドアを示す分解斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係る遮音性シートの要部を示す拡大側面図である。
【0011】
本発明の実施形態に係る遮音性シート20は、ドアインナーパネル11の車内側に内装用のドアトリム12が、少なくともドアトリム12の下端12aをドアインナーパネル11の下端11aよりも上側に位置させて取付けられた自動車用ドアDの、ドアインナーパネル11とドアトリム12の間に、上側から下側にのれん状に垂らすように設けられたものである。
遮音性シート20の上端は、ドアインナーパネル11又はドアトリム12に取付けられている。ドアトリム12はクリップCによってドアインナーパネル11に固定される。なお、図5で示したように、ドアトリム12(ドアインナーパネル11側であってもよい)に取付けられたインナーウェザーストリップ15に遮音性シート20の上端を固定するようにしてもよい。さらに、組付時にドアハンドル,パワーウインド類のハーネス,ロックとドアパネルを組み付けるためスリットを遮音性シート20に入れ、取り出し易くしてもよい。
【0012】
これにより、ドアインナーパネル11とドアトリム12の間に遮音性シート20を介して2つの空間が生じるので遮音性が向上し、しかも上端を覆うことで音が上部から洩れることが防止される。
【0013】
これを、従来例で示したフェルト,ウレタン,パッド材,遮音カバーを設けたものと比較した場合、100〜10000Hzの全域で約2dBの効果があることが実験の結果判明した。
【0014】
遮音性シート20はドアトリム12全体を覆う略矩形状の布であり、特に遮音性シート20の下部20aは、ドアトリム12の下端12aからはみ出すように下側に向けて延設されている。そして、図2に示すように、ドアトリム12の下端12aからはみ出した遮音性シート20の下部20aは、ドアインナーパネル11の車内側に、テープやクリップなどの固定具により組み付けられている。
このように、遮音性シート20の下部20aをドアトリム12の下端12aからはみ出すようにさせることにより、ドアDのロア部、すなわち、ドアトリム12の下部とドアインナーパネル11との隙間から音が侵入したり外に洩れたりすることが軽減され、遮音性は一層向上する。
【0015】
遮音性シート20の材質は、特に限定されるものではなく、シート状のものであればよい。また、吸音性の高い材質であればさらによく、例として発泡体,繊維体があげられる。なお、市販品としては、例えば住友3M社製の「シンサレート(商品名)」をあげることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に記載の遮音性シートによれば、ドアインナーパネルとドアトリムの間にのれん状に垂らして設けられた遮音性シートの下部は、ドアトリムの下端からはみ出すようにされるとともに、そのはみ出し部分は、ドアインナーパネルの車内側に固定されるようにしたので、ドアのロア部、すなわち、ドアトリムの下部とドアインナーパネルとの隙間から音が侵入したり外に洩れたりすることが軽減され、遮音性は一層向上する。
しかも、ドアのロア部に部分的に別体のものを取付けるのではなく、ドアインナーパネルとドアトリム間に設けられる遮音性シートの下部を延設したはみ出し部分を利用したので、特に取付工数に時間が割かれたり、見栄えを悪くすることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る遮音性シートが取付けられるドアを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る遮音性シートの要部を示す拡大側面図である。
【図3】従来例に係るフェルトが取付けられたドアを示す外観斜視図である。
【図4】本出願人が先に出願した発明に係る遮音性シートが取付けられたドアを示す外観斜視図である。
【図5】図4のA−A線拡大断面図である。
【図6】本出願人が先に出願した発明に係る遮音性シートが取付けられるドアを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ドアトリム
2 フェルト
11 ドアインナーパネル
11a 下端
12 ドアトリム
12a 下端
13a 段差部
15 インナーウェザーストリップ
16 取付基部
16a リップ部
16b 位置決め用突起
17,18 シールリップ部
19 支持部
20 遮音性シート
20a 下部
C クリップ
D ドア
G ドアガラス
Claims (1)
- ドアインナーパネルの車内側に内装用のドアトリムが、少なくともドアトリムの下端をドアインナーパネルの下端よりも上側に位置させて取付けられた自動車用ドアの、前記ドアインナーパネルとドアトリムの間に、上端がドアインナーパネル又はドアトリム又はそれらに取付けられたインナーウェザーストリップに固定され、上側から下側にのれん状に垂らすように設けられた遮音性シートであって、
前記ドアトリムの下端から、遮音性シートの下部をはみ出させた状態で、そのはみ出し部を前記ドアのロア部の、前記ドアインナーパネルの車内側に固定させられることを特徴とする遮音性シート。
Priority Applications (3)
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- 2002-04-26 JP JP2002126654A patent/JP3711085B2/ja not_active Expired - Fee Related
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