JP3710500B2 - クリップ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばエアスポイラー、プロテクションモール、ウインドモール等の部品を車両のボディパネル等の被取り付け部材に装着する際に使用するクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例について説明する。従来のクリップの斜視図が図5(a)に示され、その脚部の横断面図が同図(b)に示されている。またそのクリップの組付前の状態の側面図が図6(a)に示され、その組付完了状態の側面図が同図(b)に示されている。
本クリップ100は、例えば部品であるリヤスポイラー40を、被取り付け部材に相当するラゲージコンパートメントドア等のボディパネル30に装着する際に使用するものである。
【0003】
クリップ100は、合成樹脂製のもので、リヤスポイラー40に取り付け可能なほぼ平板形状の取り付け基部110と、ボディパネル30に設けた取り付け孔31に挿入されかつ弾性を利用して抜け止め状態に係着可能なほぼ逆円すい形状の脚部120とからなる。なお、取り付け基部110と脚部120との間には吸盤部119が設けられている。前記脚部120は、前記取り付け基部110の下面に突出する支柱121と、その支柱121を間にして横断面ほぼS字状に延びる左右の係止爪122とからなる。両係止爪122の外周部には段付状係合部123が設けられている。
【0004】
前記クリップ100の使用例について述べる。まず、図6(a)に示されるように、クリップ100が、その取り付け基部110をリヤスポイラー40にインサート成形することによって先付けされる。
次に、リヤスポイラー40をボディパネル30に押しつけることによって、クリップ100の脚部120がボディパネル30の取り付け孔31に差し込まれる。すると、その取り付け孔31に脚部120の両係止爪122がつぼむように縮径変形されながら挿入されかつ挿入後に図6(b)に示されるように両係止爪122がその弾性復元力で拡開することにより、係合部123が取り付け孔31の口縁に係合し、クリップ100が抜け止め状態に係着され、これによってリヤスポイラー40がボディパネル30に装着される。なお、吸盤部119はその弾性をもってボディパネル30に密着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボディパネル30の補修等に際しては、リヤスポイラー40をボディパネル30から取り外す必要がある。このような場合には、リヤスポイラー40を図示上方へ引っ上げることによりボディパネル30からクリップ100の脚部120を抜去させることになる。
しかしながら、従来では、脚部120の係止爪122の係合部123が取り付け孔31に係合したまま無理に抜去させるので、係止爪122が拡径方向へ折れ曲がるといった破損をきたし、クリップ100の再使用が不可能となっている。
【0006】
そこで本発明は、前記した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は工具を用いて脚片を撓ませることで、被取り付け部材の取り付け孔に係着した脚部を破損させないで再使用可能に抜去することのできるクリップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両のボディパネル等の被取り付け部材に装着するエアスポイラー、プロテクションモール等の部品に取り付け可能な取り付け基部と、
前記被取り付け部材に設けられた取り付け孔に挿入されかつ弾性を利用して抜け止め状態に係着可能な脚部と
からなり、
前記脚部は、支柱と脚片と操作部とを備えており、
前記支柱は、前記取り付け基部に垂下状に連設され、
前記脚片は、前記支柱の先端に連設部を介して折り返し状にかつ撓み変形可能に連設されかつ前記取り付け孔の口縁と係合して脚部を抜け止め可能な係合突起を有し、
前記操作部は、前記脚片に連設されかつその端部が前記取り付け基部に連設され又は該取り付け基部に当接可能に形成され、
前記操作部は、切り欠き部を形成したり、前記脚片の厚さよりも薄い厚さとしたりすることにより、撓み変形可能にかつ前記脚片よりも撓みやすく形成され、
前記被取り付け部材に対する前記脚部の係着状態において、被取り付け部材と取り付け基部との間の隙間を通して差し込まれる工具を用いて、前記操作部を前記支柱方へ押しやることにより、その操作部が撓むとともに前記脚片が撓むことで、前記取り付け孔に対する前記脚片の係合突起の係合を解除可能にかつその係合の解除状態において前記脚部を前記取り付け孔から抜去可能に構成されている
クリップである。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の発明において、取り付け基部を部品に取り付け、脚部を被取り付け部材の取り付け孔に差し込むことにより、係合突起が取り付け孔の口縁に係合し、クリップが抜け止め状態に係着され、これによって部品が被取り付け部材に装着される。
前記クリップの抜去時には、工具、例えばワイヤ、帯板材等を被取り付け部材と取り付け基部との間の隙間を通して差し込み、操作部を支柱方へ押しやることにより、取り付け孔に対する脚片の係合突起の係合を解除させた状態において脚部を取り付け孔から抜去させることができる。したがって、被取り付け部材の取り付け孔に係着した脚部を破損させないで抜去させることが可能で、その抜去したクリップを再使用することができる。
また、請求項1の発明によると、操作部が、脚片と取り付け基部との間に連設されているので、被取り付け部材に対する脚部の係着状態において、脚部の抜去方向への外力に対する抵抗力を増大し、高い抜去荷重が得られるため、被取り付け部材に部品を堅固に装着することができる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例1、2について順に説明する。
〔実施例1〕
実施例1のクリップが、図2(a)に上方から見た斜視図で示され、同(b)に下方から見た斜視図で示されている。また、図3(a)に正面図、同(b)に側面図、同(c)に平面図、同(d)に(a)のB−B線断面図が示されている。
クリップ1は、合成樹脂製で、ほぼ平板形状をした取り付け基部10と、その取り付け基部10の下側に連設されたほぼU字形状の脚部20とからなる。
【0010】
取り付け基部10はほぼ四角形板状をなす上中下の三層形状をなし、下層部13はほぼ四角形状をなしかつその前縁中央部に半円形状の突部14を有している。中層部12は下層部13よりも大きいほぼ四角形状に形成され、上層部11は中層部12よりも大きいほぼ四角形状に形成されている。
【0011】
前記脚部20は、前記取り付け基部10の下層部13に垂下状に連設された帯板状支柱21と、その支柱21の先端に連設部22を介して折り返し状にかつ撓み変形可能に連設された脚片23と、その脚片23の前面に突出された係合突起24とを備えている。前記係合突起24は、その前面が連設部22に連続する斜面24aに形成されかつ上面が段付面24bとなっている。なお、脚片23は、支柱21の厚さaよりも薄い厚さbとなっている。また、前記連設部22は、下端に向かって先細状をなす角すい形状に形成されている。さらに、前記脚片23には、図示上方へ延出した操作部25が連設されている。この操作部25は、その図示上端が前記取り付け基部10の下層部13に連設されている。操作部25は、その左右に切り欠き部26が形成されている。また、操作部25は、脚片23の厚さbと同じ厚さcとなっている。
【0012】
次に、図1の説明図を参照しなから、前記クリップ1を使用して、例えば部品であるリヤスポイラー40を被取り付け部材に相当するラゲージコンパートメントドア等のボディパネル30に装着する場合について説明する。なお、図1中、(a)は組付前の状態を示す側面図、同(b)はその組付完了状態を示す側面図、同(c)はその取り外しの準備状態を示す側面図、同(d)はその取り外し操作状態を示す側面図である。また、ボディパネル30には、ほぼ四角形状の取り付け孔31が形成されている。
【0013】
まず、図1(a)に示されるように、クリップ1は、リヤスポイラー40の取り付け面40aに、その取り付け基部10の上層部11および中層部12をインサート成形することによって先付けされる。なお、下層部13の突部14は、インサート成形金型の当該凹部と嵌合し、クリップ1の位置決めの役割を果たす。
【0014】
次に、リヤスポイラー40をボディパネル30に押しつけることによって、クリップ1の脚部20がボディパネル30の取り付け孔31に差し込まれる。すると、その取り付け孔31に脚部20の脚片23が撓み変形しつつ挿入されかつ図1(b)に示されるように挿入後に脚片23が弾性復元することにより、係合突起24が取り付け孔31の口縁に係合し、クリップ1が抜け止め状態に係着され、これによってリヤスポイラー40がボディパネル30に装着される。
【0015】
ところで、ボディパネル30の補修等に際してのクリップ1の抜去時には、図1(c)に示すように、リヤスポイラー40とボディパネル30との間の隙間を通して工具、例えばワイヤー50を入れて操作部25を支柱21方へ押しやることにより、図1(d)に示すように、係合突起24の取り付け孔31に対する係合を解除させる方向へ脚片23を撓ませた状態で、リヤスポイラー40と共にクリップ1を図示上方へ抜去する。なお、ワイヤー50は、帯板材等に代えることもできる。
これにより、ワイヤー50を用いて脚片23を撓ませることで、ボディパネル30の取り付け孔31に係着した脚部20を破損させないで抜去させることが可能で、その抜去したクリップ1を再使用することができる。
【0016】
また、操作部25が取り付け基部10と連設されているので、ボディパネル30の取り付け孔31に係着した脚部20の抜去方向への外力に対する抵抗力が増大し、高い抜去荷重が得られ、よってボディパネル30にリヤスポイラー40を堅固に装着することができる。
【0017】
また、操作部25に切り欠き部26が形成されているので、操作部25における剛性が低下し、これによって取り付け基部10に連設された操作部25が撓みやすく、脚部20の挿入および抜去の操作がしやすくなる。
なお、操作部25の厚さcを脚片23の厚さbよりも薄くしても、操作部25が撓みやすくなり、脚部20の挿入および抜去の操作をしやすくできる。
【0018】
〔実施例2〕
実施例2について、その部分斜視図を示した図4(a)およびその側面図を示した同図(b)を参照して説明する。なお、実施例2は、実施例1の一部を変更したものであるからその変更部分について詳述し、実施例1と同一もしくは均等構成と考えられる部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
本クリップ1の操作部25は、脚片23の厚さbよりも薄い厚さcとなっている。また、操作部25の上端部が実施例1と異なり取り付け基部10と連設されていない、つまり分断されている。また、取り付け基部10の下面には、操作部25の支柱21側の面に対向するストッパー15が設けられている。なお、ストッパー15と操作部25は、脚片23の自由状態において当接あるいは近接している。
【0019】
本例のクリップ1によると、操作部25が脚片23の厚さbよりも薄い厚さcとなっているので、実施例1のものと比べて脚片23が撓みやすく、取り付け孔31に対する脚部20の挿入および抜去の操作がしやすいといえる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、被取り付け部材の取り付け孔に係着した脚部を破損させないで抜去させることが可能で、その抜去したクリップを再使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1を示す使用説明図である。
【図2】 クリップの斜視図である。
【図3】 クリップの説明図である。
【図4】 実施例2を示す説明図である。
【図5】 従来例を示す説明図である。
【図6】 同使用説明図である。
【符号の説明】
1 クリップ
10 取り付け基部
20 脚部
21 支柱
22 連設部
23 脚片
24 係合突起
25 操作部
26 切り欠き部
30 ボディパネル(被取り付け部材)
31 取り付け孔
40 リヤスポイラー(部品)
50 ワイヤー(工具)
Claims (1)
- 車両のボディパネル等の被取り付け部材に装着するエアスポイラー、プロテクションモール等の部品に取り付け可能な取り付け基部と、
前記被取り付け部材に設けられた取り付け孔に挿入されかつ弾性を利用して抜け止め状態に係着可能な脚部と
からなり、
前記脚部は、支柱と脚片と操作部とを備えており、
前記支柱は、前記取り付け基部に垂下状に連設され、
前記脚片は、前記支柱の先端に連設部を介して折り返し状にかつ撓み変形可能に連設されかつ前記取り付け孔の口縁と係合して脚部を抜け止め可能な係合突起を有し、
前記操作部は、前記脚片に連設されかつその端部が前記取り付け基部に連設され又は該取り付け基部に当接可能に形成され、
前記操作部は、切り欠き部を形成したり、前記脚片の厚さよりも薄い厚さとしたりすることにより、撓み変形可能にかつ前記脚片よりも撓みやすく形成され、
前記被取り付け部材に対する前記脚部の係着状態において、被取り付け部材と取り付け基部との間の隙間を通して差し込まれる工具を用いて、前記操作部を前記支柱方へ押しやることにより、その操作部が撓むとともに前記脚片が撓むことで、前記取り付け孔に対する前記脚片の係合突起の係合を解除可能にかつその係合の解除状態において前記脚部を前記取り付け孔から抜去可能に構成されている
クリップ。
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JP19545794A JP3710500B2 (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | クリップ |
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JPH0861337A JPH0861337A (ja) | 1996-03-08 |
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1994
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