JP3710104B2 - 錠におけるラッチボルトの消音装置 - Google Patents

錠におけるラッチボルトの消音装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠におけるラッチボルトの消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明が適用される錠としては、例えば、本願人等が先に提案し特開平5−222872号及び特開平6−167152号として公開されたものを挙げることができる。
【0003】
それら公報に示された錠は、突出する方向に付勢されて錠箱に可動に設けられたラッチボルトと、ラッチボルトにその長さ方向に沿って備えられたラック歯列と、ラッチボルトの近くにおける錠箱に回動可能に支承され前記ラック歯列に噛み合うピニオンと、そのピニオンに一体的に結合されピニオンの半径方向に延びる係止レバーと、中央部をフロント板の近くにおける錠箱に揺動可能に支承されると共に後端が前記係止レバーに近接する方向に付勢され、開扉時後端が前記係止レバーに選択的に係合するトリガー部材と、トリガー部材の前端と扉枠との間に設けられ、閉扉時該トリガー部材を非係合位置に変位させる磁石式起動手段と、錠箱に設けられ、ラッチボルト及び扉の操作部材に連係させたリトラクタとを備えたものであるが、ラッチボルト又はデッドボルトを兼ねるラッチボルトの閉扉時の突出作動音に関しては、それを低減させるについて改善の余地が見られる。
【0004】
すなわち、このような従来の錠では、閉扉時、磁石式起動手段によりトリガー部材と係止レバーとの係合が解かれると、ラッチボルトは与えられた付勢力により勢いよく突出され、ストライク板に接触した場合やストッパと衝合するときに大きな音を出すことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、閉扉時自動的に突出するラッチボルトが発生する衝突音を低減させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の請求項1に係る錠におけるラッチボルトの消音装置は、上述した従来の錠において、トルク軸を、錠箱の両側板間に掛け渡される固定の枢軸の外側に回動可能に嵌装される筒状の部材とし、このトルク軸の外周面中央部にピニオンを回り止めを施して同軸に固定し、一方、上記枢軸が挿通される貫通孔と、トルク軸の一端部に外側から回動可能に嵌合する嵌め孔とを連設したトルク軸受を、錠箱の側板内側に回り止めを施して固定すると共に、嵌め孔の開口端縁をピニオンに近接させるようにその長さを設定し、トルク軸とトルク軸受の嵌め合わせ部分にシリコンオイルその他の高粘性物質を介在させたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明によるラッチボルトの消音装置は、突出する方向に付勢されて錠箱に可動に設けられたラッチボルトと、ラッチボルトにその長さ方向に沿って備えられたラック歯列と、ラッチボルトの近くにおける錠箱に回動可能に支承され前記ラック歯列に噛み合うピニオンと、そのピニオンに一体的に結合されピニオンの半径方向に延びる係止レバーと、中央部をフロント板の近くにおける錠箱に揺動可能に支承されると共に後端が前記係止レバーに近接する方向に付勢され、開扉時後端が前記係止レバーに選択的に係合するトリガー部材と、斜面を形成した前端部がフロント板を垂直に貫通するようにして、錠箱内で前後方向に移動可能に案内され、前方に付勢されると共に、一部をトリガー部材の前端に係合可能に臨ませたトリガーボルトと、錠箱に設けられ、ラッチボルト及び扉の操作部材に連係させたリトラクタとを備えた錠において、上記トルク軸を、錠箱の両側板間に掛け渡される固定の枢軸の外側に回動可能に嵌装される筒状の部材とし、このトルク軸の外周面中央部にピニオンを回り止めを施して同軸に固定し、一方、上記枢軸が挿通される貫通孔と、トルク軸の一端部に外側から回動可能に嵌合する嵌め孔とを連設したトルク軸受を、錠箱の側板内側に回り止めを施して固定すると共に、嵌め孔の開口端縁をピニオンに近接させるようにその長さを設定し、トルク軸とトルク軸受の嵌め合わせ部分にシリコンオイルその他の高粘性物質を介在させたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の消音装置において、トルク軸及びトルク軸受を合成樹脂材料で形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いてこの発明について説明する。
図1は請求項1に記載の発明を実施した錠を開扉状態で示し、図2はその錠を閉扉状態で示している。
【0010】
図1及び図2において、1は扉10にねじ等で固定される錠箱、11はそのフロント板、2は扉枠20にねじ等で固定されるストライク板、21はそのトロヨケをそれぞれ示す。
【0011】
圧縮ばねその他のラッチばね31で突出する方向に付勢されて錠箱1内に可動に設けられたラッチボルト3は、適当な案内手段で水平方向に変位できるようにしてある。
【0012】
図示例の案内手段は、錠箱1に設けられた長孔12とラッチボルト3に固定の受け板32の一部をなす突片との組及びフロント板11及び裏板の貫通孔13に対するラッチボルト3の頭部の嵌挿により構成されている。
【0013】
前記の長孔12と受け板32の突片の組は、ラッチボルト3の突出入の範囲を定めるストッパの役割も果たす。
【0014】
ラッチボルト3の先端部に固設されたラッチブロック33には、合成樹脂材料で作られたローラ34が装着されると共に、横断面外形が矩形をなす角筒カバー35がねじ等で固設されている。
【0015】
また、角筒カバー35の一部は後方へ延出させてあり、それにはラッチボルト3の長さ方向(前後方向)に沿ってラック歯列36が設けてある。
【0016】
そして、ラック歯列36にはその近傍における錠箱1に回動可能に支承させたセクター歯車状のピニオン41が噛み合わせてある。
【0017】
前記のピニオン41に一体に形成され、又は別体として結合された係止レバーは該ピニオン41の半径方向に延出させてある。
【0018】
図示例の係止レバー42はラチエット歯車の一部をなす形状であるが、爪は少くも1つあればよい。爪が複数あると、ハンドル(図示しない)でラッチボルト3を引込み操作する時に、その操作を楽にする。それは、ハンドル操作を一気に行わなくても済むからある。
【0019】
なお、図示例のラッチボルト3は空錠として作用させるために設けられているが、機械的又は電気的に作動させる錠止機構を付設すれば、そのラッチボルト3はデッドボルトを兼用させることもできる。
【0020】
前述の係止レバー42は、中央部をフロント板11の近くにおける錠箱1に揺動可能に支承されると共に、後端が該係止レバー42に近接する方向にねじりばね等のトリガーばね51で付勢されたトリガー部材5に対し、ラッチボルト3が引っ込められて扉10が開放された時選択的に係合する(図1参照)。開扉時トリガー部材5はその後端が係止レバー42に係合する。
【0021】
そして、トリガー部材5の前端と、それが対向する扉枠20におけるストライク板2との間には、閉扉時該トリガー部材5を係止レバー42に対する係合位置(図1参照)から非係合位置(図2参照)に変位させる磁石式起動手段6を設ける。
【0022】
図示例の起動手段6は、特開平5−222872号公報に記載のものと同様にトリガー部材5の前端に固定した第1永久磁石61と、扉枠20側に固定した第2永久磁石62とを同磁極で対向させて成る反発作用タイプのものである。
【0023】
他の磁石式起動手段としては、図示はしないが、トリガー部材の前端に固定する第1永久磁石61と扉枠側に固定する第2永久磁石とを異磁極で対向させて成る吸着作用タイプのものも利用することができる。この吸着作用タイプの起動手段は特開平6−167152号公報に記載されている。
【0024】
なお、磁石式起動手段6の磁石として電磁石を用いてもよいこと、また、後者の吸着作用タイプの起動手段において一方の磁石に変えて帯磁されていない強磁性材料を用いてもよいことは言うまでもない。
【0025】
一方、前記の錠箱1内には更にリトラクタ7を回動可能に支承する。このリトラクタは、ねじりばね等の戻しばね71を備えており、ラッチボルト3には後方の受け板32を介して連係され、扉10のノブ等の操作部材(図示しない)には角軸を介して連係されている。
【0026】
このような構造の錠のほとんどは前出の公報に示されているので、その作動についてはここでは簡単に説明する。
【0027】
図1の扉10の開放時には、トリガー部材5の後端はトリガーばね51の付勢により係止レバー42に近接した位置にあって該係止レバー42に係合しており、ラッチボルト3はピニオン41及びラック歯列36を介しラッチばね31に抗して後方の引っ込み位置に拘束されている。
【0028】
ここで、図2に示すように、扉10を閉鎖させると、磁石式起動手段6が自動的に作動してトリガー部材5と係止レバー41との係合が解かれるので、拘束が解かれて自由となったラッチボルト3は突出してストライク板2の係入孔22に係入し、扉10を閉鎖状態に保持させる。
【0029】
次に扉10を開放させるには、操作部材を図2で右回りに回動させ、リトラクタ7の先端で受け板32を介してラッチボルト3を引っ込ませる。
【0030】
そこで、ラッチボルト3の拘束が解かれた扉10を手で開放させると、図1に示すように、磁石式起動手段6が非作用状態となって、トリガー部材5がトリガーばね51の付勢力によって係合位置まで揺動するので、そのトリガー部材5によって係止レバー42の図1で右回りの揺動が拘束されピニオン41もまた同方向への回動が拘束され、もってラッチボルト3は引っ込み位置に拘束されることになる。
【0031】
次に、この発明の要部について説明する。この発明においては、図3及び図4に明示するように、前記のピニオン41には例えば受け孔43及びそれに連続する止め孔44を穿設して、そこへ例えば円筒状をなし好ましくは適度な弾性を有するポリアミド樹脂などの合成樹脂材料で作られたトルク軸81を嵌挿し、少くも回転方向には両者41、81間を固定する。
【0032】
図示の実施例では、トルク軸81には一体の回り止め82が形成してあって、それがピニオン41の止め孔44に係合し、両者41、81が組み付けられた状態では一体的に回動できる。
【0033】
一方、トルク軸81と対をなすトルク軸受86は例えば外形が直方体状をなし、好ましくは適度の弾性を有するポリアミド樹脂などの合成樹脂材料で作られており、そのほぼ中央部にはトルク軸81の小径部83を受け入れる嵌め孔87を有する。
【0034】
トルク軸受86の外側面には横断面が正方形など非円形の小突起89が一体に設けられており、その突起89を錠箱1の側板に設けた角形の非円形の小孔14(図3参照)に嵌め込み、もってトルク軸受86は錠箱1に対し不動とされる。
【0035】
また、トルク軸81及びトルク軸受86の中央部分には、錠箱1の両側板間に掛け渡される固定の枢軸45が挿通される貫通孔84、88がそれぞれ設けられている。
【0036】
従って、図3に示すような組立状態では、トルク軸81、トルク軸受86及び係止レバー42を含むピニオン41は、全体として枢軸45で支持されることになる。
【0037】
そして、トルク軸81と係止レバー42を含むピニオン41とは一体的に組み付けられた状態で固定の枢軸45及びトルク軸受86に対して回動できるようにしてある。
【0038】
この発明の装置において、更に重要なことは、相対的に回動可能なトルク軸81とトルク軸受86との間における円弧状回動面をなす嵌め合わせ部分(83、87)にシリコンオイル、グリスその他の高粘性物質9を介在させることである。
【0039】
トルク軸81とトルク軸受86との嵌め合わせ対向部分(83、87)間には、高粘性物質9を介在させるためにわずかな間隙を形成するものとする。
【0040】
嵌め合わせ部分(83、87)に対し高粘性物質9を施す方法としては、塗布手段、注入手段など任意の付着手段を用いることができる。
【0041】
なお、図示例の枢軸45は錠箱1の側板に対し固定したものとして示し、トルク軸81及びピニオン41(係止レバー42を含む)はその枢軸45の回りを回動するものとしたが、枢軸は錠箱1の側板に対し回転するように装着することもでき、その場合、トルク軸81及びピニオン41は回転枢軸に対し共に固定させるものであることは言うまでもない。
【0042】
また、図示例にあっては、トルク軸81とトルク軸受86との嵌め合わせ部分において、トルク軸81の小径部83をトルク軸受86の嵌め孔87に嵌挿させているが、図示はしないが逆にして、トルク軸受86に円筒部を突設してトルク軸81に設けた嵌め孔にそれを嵌挿させてもよい。その場合にも嵌め合わせ部分に高粘性物質を施すことには変わりはない。
【0043】
上述した請求項1の発明によるラッチボルトの消音装置においては、閉扉時磁石式起動手段6を用いてトリガー部材5を駆動するようにしているが、これは公知のトリガーボルトを用いても良い。
【0044】
請求項2に記載の発明は、閉扉時トリガー部材5を作動させる為にトリガーボルトを採用したもので、その構成を図5及び図6を参照して説明する。但し、上述した請求項1に記載の発明と異なるところは、磁石式起動手段6に替えてトリガーボルトを採用した点のみであるから、その相違点についてのみ簡単に説明する。
【0045】
図5及び図6において符号63はトリガーボルトを示し、図示の実施例におけるトリガーボルト63は、前端部(図で左端部)を水平投影山形に成形した横断面形状が矩形の杆体で、前端部がフロント板11を錠箱1の内側から貫通して外部に突出している。
【0046】
また、トリガーボルト63の後端は、錠箱1内に固設された断面L字形の案内部材64を摺動可能に貫通しているので、結局、トリガーボルト63はフロント板11に垂直な前後方向に案内されることになる。
【0047】
更にまた、図6に示すように、トリガーボルト63の側面中央部には、ばね掛け凸部65と係合凸部66とがそれぞれ一体に突設されており、図5に示すように、これらの凸部と上記案内部材64との間におけるトリガーボルト63には、圧縮コイルばねとしてのトリガーばね7が巻装されている。
【0048】
一方、図5に示すように、トリガー体5の前端(下端)は、トリガーボルトの係合凸部66(図6)の先端部に後方から係合可能に臨んでいる。
【0049】
上記した構成により、請求項2に記載の発明によるラッチボルトの消音装置は、閉扉時トリガーボルト63の前端部が扉枠と係合し、楔作用によって錠箱内に押込まれるように後方に移動するので、その係合凸部66がトリガー体5の前端を後方に移動させ、その結果トリガー体5が反時計方向に回動するので、係止レバー42がトリガー体5から解放され、前記したと同様にしてラッチボルト3が前方に突出する。
【0050】
この時にも、前記した高粘性物質9を間に挟んでトルク軸81とトルク軸受86とが相対回動するので、ラッチボルトの付勢力がその分減衰されて勢いを失い、ラッチボルトが減速されて緩衝されるのは言うまでも無い。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の錠におけるラッチボルトの消音装置によれば、閉扉して自動的にラッチボルトが突出する際、その付勢力が、ラック歯列を経てピニオンに伝えられる経路において、トルク軸及びトルク軸受の嵌め合わせ部分に施された高粘性物質により減衰されるので、ラッチボルトがストライク板に接触した場合やラッチボルトのストッパが衝合したときの衝突音を著しく低減させるという効果を奏する。
【0052】
また、トルク軸及びトルク軸受を合成樹脂材料で形成したものは、ピニオンから錠箱に至る音の伝導を防止でき音の低減効果を更に増す他、トルク軸とトルク軸受間で嵌め合わせ部分に施した高粘性物質をほとんど垂れない状態で密封できるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の錠におけるラッチボルトの消音装置を開扉状態で示す縦断側面図。
【図2】閉扉状態で示すその縦断側面図。
【図3】(A)は図1の消音装置を拡大して示す縦断正面図、(B)は図3(A)のIII−III線による拡大断面図。
【図4】トルク軸、トルク軸受及び係止レバーを兼ねるピニオンの拡大分解斜視図。
【図5】請求項2に記載の発明による錠におけるラッチボルトの消音装置を開扉状態で示す縦断側面図。
【図6】トリガーボルトの拡大平面図。
【符号の説明】
10 扉
20 扉枠
1 錠箱
11 フロント板
3 ラッチボルト
36 ラック歯列
41 ピニオン
42 係止レバー
5 トリガー部材
6 磁石式起動手段
7 リトラクタ
81 トルク軸
86 トルク軸受
9 高粘性物質
63 トリガーボルト

Claims (3)

  1. 突出する方向に付勢されて錠箱に可動に設けられたラッチボルトと、ラッチボルトにその長さ方向に沿って備えられたラック歯列と、ラッチボルトの近くにおける錠箱に回動可能に支承され前記ラック歯列に噛み合うピニオンと、そのピニオンに一体的に結合されピニオンの半径方向に延びる係止レバーと、中央部をフロント板の近くにおける錠箱に揺動可能に支承されると共に後端が前記係止レバーに近接する方向に付勢され、開扉時後端が前記係止レバーに選択的に係合するトリガー部材と、トリガー部材の前端と扉枠との間に設けられ、閉扉時該トリガー部材を非係合位置に変位させる磁石式起動手段と、錠箱に設けられ、ラッチボルト及び扉の操作部材に連係させたリトラクタとを備えた錠において、上記トルク軸を、錠箱の両側板間に掛け渡される固定の枢軸の外側に回動可能に嵌装される筒状の部材とし、このトルク軸の外周面中央部にピニオンを回り止めを施して同軸に固定し、一方、上記枢軸が挿通される貫通孔と、トルク軸の一端部に外側から回動可能に嵌合する嵌め孔とを連設したトルク軸受を、錠箱の側板内側に回り止めを施して固定すると共に、嵌め孔の開口端縁をピニオンに近接させるようにその長さを設定し、トルク軸とトルク軸受の嵌め合わせ部分にシリコンオイルその他の高粘性物質を介在させたことを特徴とする錠におけるラッチボルトの消音装置。
  2. 突出する方向に付勢されて錠箱に可動に設けられたラッチボルトと、ラッチボルトにその長さ方向に沿って備えられたラック歯列と、ラッチボルトの近くにおける錠箱に回動可能に支承され前記ラック歯列に噛み合うピニオンと、そのピニオンに一体的に結合されピニオンの半径方向に延びる係止レバーと、中央部をフロント板の近くにおける錠箱に揺動可能に支承されると共に後端が前記係止レバーに近接する方向に付勢され、開扉時後端が前記係止レバーに選択的に係合するトリガー部材と、斜面を形成した前端部がフロント板を垂直に貫通するようにして、錠箱内で前後方向に移動可能に案内され、前方に付勢されると共に、一部をトリガー部材の前端に係合可能に臨ませたトリガーボルトと、錠箱に設けられ、ラッチボルト及び扉の操作部材に連係させたリトラクタとを備えた錠において、上記トルク軸を、錠箱の両側板間に掛け渡される固定の枢軸の外側に回動可能に嵌装される筒状の部材とし、このトルク軸の外周面中央部にピニオンを回り止めを施して同軸に固定し、一方、上記枢軸が挿通される貫通孔と、トルク軸の一端部に外側から回動可能に嵌合する嵌め孔とを連設したトルク軸受を、錠箱の側板内側に回り止めを施して固定すると共に、嵌め孔の開口端縁をピニオンに近接させるようにその長さを設定し、トルク軸とトルク軸受の嵌め合わせ部分にシリコンオイルその他の高粘性物質を介在させたことを特徴とする錠におけるラッチボルトの消音装置。
  3. トルク軸及びトルク軸受を合成樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の錠におけるラッチボルトの消音装置。
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