JP3709320B2 - 印刷切断装置およびその調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材に画像を印刷し、かつ、当該シート材を切断する装置およびその装置の調整方法に関し、特に、シート材を、印刷した画像に対応させて切断する装置およびその装置の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、シート材に画像を印刷し、さらに、該シート材を切断する場合、印刷する手段と切断する手段の位置合わせは、該シート材に印刷された十字型の画像を用いて行なわれていた。具体的には、まず、所定の操作により、カッティングツール(シート材を切断する手段の一例)の中心を、上記の十字型の画像の中心まで、機械的に、大まかに移動させる。その後、カッティングツールの中心が、十字型の画像の中心と一致するように、目視にて、カッティングツールを微妙に移動させていた。
【0003】
しかしながら、従来のように、カッティングツールの最終的な位置調整が目視にて行なわれていたため、切断位置が印刷位置に対してずれる場合があり、問題を生じていた。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、印刷する手段と切断する手段の位置合わせを、人間の目視に頼らず、センサを用いて自動的に実行できる、印刷切断装置およびその調整方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる印刷切断装置は、シート材に画像を印刷する印刷手段と、前記印刷手段と一体的に構成され、シート材を切断する切断手段と、前記印刷手段および前記切断手段の動作を制御する制御手段と、前記切断手段がシート材を切断した際の切断位置と、前記印刷手段がシート材に印刷した画像の印刷位置との位置関係を検出する検出手段とを含み、前記切断手段は、前記シート材の中の、異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する領域を切断し、前記印刷手段が印刷する画像は、異なる2つの方向にそれぞれ寸法を有し、前記検出手段は、前記切断手段が切断した領域の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出し、さらに、前記それぞれの両端の位置の中心位置を検出することによって、前記切断位置を検出し、前記画像の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出し、さらに、前記それぞれの両端の位置の中心位置を検出することによって、前記印刷位置を検出し、前記制御手段は、前記検出手段の検出した位置関係に基づいて、前記印刷手段が印刷を行なう位置および前記切断手段が切断を行なう位置の少なくとも一方を補正することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によると、検出手段により、切断手段による切断位置と印刷手段による印刷位置との、位置関係が検出される。なお、切断位置および印刷位置は、それぞれ、切断された領域の2つの方向についての中心位置および印刷された領域の2つの方向についての中心位置から求められる。そして、シート材が、印刷手段の印刷した画像に対応して切断される際、制御手段によって、印刷手段の印刷位置または切断手段の切断位置に、上記の位置関係に基づいた補正が加えられる。
【0007】
これにより、印刷手段および切断手段に対する制御内容に、印刷手段と切断手段のずれに直接対応した補正が加えられる。つまり、印刷切断装置において、印刷手段と切断手段の位置合わせを、検出手段の検出結果を用いて自動的に実行できる。これにより、より容易に、かつ、正確に、画像に対する切断のずれを回避できる印刷切断装置を提供することができる。
【0008】
請求項2に記載の本発明にかかる印刷切断装置は、請求項1に記載の印刷切断装置の構成に加えて、前記切断手段による前記領域の切断と前記印刷手段による前記画像の印刷の間に、シート材がセットされているか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする。
これにより、切断手段に、カッティング用シート材とは異なる試験用シート材を切断させることができる。つまり、最終的に画像が印刷されカットされるカッティング用シート材を傷つけることなく、印刷手段の印刷位置または切断手段の切断位置に、上記の位置関係に基づいた補正を加えることができる。
請求項に記載の本発明にかかる印刷切断装置の調整方法は、印刷手段と切断手段を含む印刷切断装置の調整方法であって、前記切断手段にシート材を異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する試験パターンで切断させる切断工程と、前記印刷手段にシート材に異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する画像を印刷させる印刷工程と、前記切断工程で試験パターンが切断された位置を検出することにより、前記切断手段の切断位置に対する補正値を算出する切断補正値算出工程と、前記印刷工程で画像が印刷された位置を検出することにより、前記印刷手段の印刷位置に対する補正値を算出する印刷補正値算出工程と、前記切断補正値算出工程において算出された補正値と前記印刷補正値算出工程において算出された補正値とに基づいて、前記印刷手段印刷を行なう位置に対する前記切断手段切断を行なう位置についての補正値、または、前記切断手段切断を行なう位置に対する前記印刷手段印刷を行なう位置についての補正値を算出する相対補正値算出工程とを含み、前記切断補正値算出工程では、前記試験パターンの前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出する工程と、前記それぞれの両端位置の中心位置を検出する工程によって、前記試験パターンが切断された位置を検出し、前記印刷補正値算出工程では、前記画像の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出する工程と、前記それぞれの両端位置の中心位置を検出する工程によって、前記画像が印刷された位置を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項に記載の発明によると、印刷された画像に対応してシート材が切断される際、印刷手段印刷を行なう位置または切断手段切断を行なう位置に、相対補正値算出工程において算出される補正値に基づいた補正を加えることができる。なお、相対補正値算出工程では、切断補正値算出工程および印刷補正値算出工程のそれぞれにおいて算出された補正値が利用される。そして、切断補正値算出処理において補正値の算出に利用される試験パターンの切断位置、および、印刷補正値算出処理において補正値の算出に利用される画像の印刷位置は、それぞれ、異なる2つの方向の中心位置から求められる。
【0010】
これにより、印刷手段または切断手段に対する制御内容に、印刷手段と切断手段のずれに直接対応した補正が加えられる。つまり、印刷手段と切断手段の位置合わせを、検出手段の検出結果を用いて自動的に実行できる。これにより、より容易に、かつ、正確に、画像に対する切断のずれを回避できる印刷切断装置の調整方法を提供することができる。
請求項4に記載の本発明にかかる印刷切断装置の調整方法は、請求項3に記載の印刷切断装置の調整方法に加えて、前記切断工程と前記印刷工程の間に実行され、シート材がセットされているか否かを判断する判断工程をさらに含むことを特徴とする。
これにより、切断手段に、カッティング用シート材とは異なるシート材を切断させることができる。つまり、最終的に画像が印刷されカットされるカッティング用シート材を傷つけることなく、印刷手段の印刷位置または切断手段の切断位置に、上記の位置関係に基づいた補正を加えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態である切断装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、切断装置の斜視図である。
切断装置1は、主に、本体2から構成される。本体2は、幅方向に長い寸法を有する箱形状であり、スタンド10により支持されている。本体2の上面には、ユーザが切断装置1に対して種々の情報を入力するための操作パネル3が設けられている。
【0013】
また、本体2の下部には、シート材を載置するためのプラテン20が備えられ、本体2の前面には、透明な前面カバー21が備えられている。
【0014】
切断装置1は、シート材に後述するクロップマークを印刷し、かつ、該シート材を切断するものである。なお、切断装置1は、シート材に画像を印刷することもできる。そして、該シート材は、印刷または切断される場合、グリットロール7とピンチロール8との間に挟まれるようにセットされる(図2参照)。
【0015】
プラテン20の内部には、グリットロール7を回転駆動させることにより、グリットロール7とピンチロール8との間に挟まれたシート材を、本体2の奥に送り込んだり、本体2の前面に送り出したりする、自動送り機構が備えられている。なお、本体2の左上面には、ピンチロールレバー9が取付けられている。ピンチロールレバー9は、手前側,後方側のいずれかにセットされる。
【0016】
ピンチロールレバー9が手前側にセットされると、ピンチロール8が、グリットロール7に近づき、ピンチロール8とグリットロール7とによってシート材が保持される。この状態で、シート材は、自動送り機構によって搬送される。一方、ピンチロールレバー9が後方側にセットされると、ピンチロール8は、グリットロール7から離れるように移動する。この場合、シート材は、ピンチロール8とグリットロール7による保持が解除されるため、本体2に対して出し入れ自在の状態となる。
【0017】
本体2の奥には、本体2の左端から右端に伸びるレール6が備えられている。レール6には、カット部4とプリント部5が取付けられている。カット部4は、シート材を所定の形状に切断するカッタを含むものである。プリント部5は、シート材に画像を印刷するためのものである。カット部4およびプリント部5は、レール6に沿って、本体2の幅方向(水平方向)に移動できるように構成されている。
【0018】
シート材には、印刷の施される面上に、X軸と、該X軸に直交するY軸がある。シート材のX軸方向は、本体2の幅方向に対応する。そして、カット部4およびプリント部5は、上記のようにレール6に沿って移動することにより、シート材に対して、X軸方向に移動できる。また、自動送り機構によりシート材が送られることにより、カット部4およびプリント部5は、シート材に対して、Y軸方向に移動できる。
【0019】
次に、カット部4およびプリント部5の構造を、図2を参照しつつ説明する。カット部4およびプリント部5は、レール6の前面に位置し、直動レール30に移動可能に取付けられた可動ブロックに、取付けられている。
【0020】
カット部4とプリント部5とは、連結部材31により、連結されている。なお、連結部材31は、図示せぬ機構により、カット部4とプリント部5を連結させた状態、または、該連結を解除した状態をとることができる。本体2の複数箇所に、シート材100の下面に接するように、グリットロール7が備えられている。また、各グリットロール7の上には、該グリットロール7と共にシート材100を挟むためのピンチロール8が備えられている。
【0021】
切断装置1は、図示せぬ駆動部を備えている。駆動部が駆動することにより、駆動ワイヤ60が移動し、これに伴って、当該駆動ワイヤ60に取付けられているカット部4は、レール6に沿って、プラテン20の幅方向を移動する。プリント部5とカット部4とが連結されている状態では、駆動部が駆動することにより、プリント部5も、カット部4とともに、プラテン20の幅方向を移動する。
【0022】
連結部材31の連結状態を制御する機構は、図示せぬ制御回路に接続されている。そして、カット部4およびプリント部5の移動態様は、当該制御回路により、制御される。カット部4は、カバー47aを含むカバー用の部材に、その外郭を部分的に覆われている。また、カット部4の下部には、センサ(後述するセンサ48)を載置させるためのセンサ用ボード45が備えられている。
【0023】
図3は、センサ用ボード45に載置されたセンサ48を示すために、カット部4の外郭部分にある部材の図示を一部省略した、カッタ部4の正面図である。センサ用ボード45は、水平面を有し、該水平面には、センサ48が搭載されている。センサ48は、カッタ刃42より右方に位置し、投光器と受光器からなる。これにより、センサ48は、後述するように、クロップマーク(試験用のマーク)が印刷された場合、該マークの位置を、光学的に検出することができる。なお、センサ48は、配線49により、上記の制御回路に接続されている。これにより、センサ48の検出出力は、上記の制御回路に入力される。
【0024】
また、カット部4の左側部分には、カッタ41を取付けるためのホルダ43が備えられている。カッタ41は、その下端に、カッタ刃42を備えている。ホルダ43には、ホルダ支持体44が取付けられている。ホルダ支持体44は、カバー47a内に備えられた移動機構に接続されている。そして、該移動機構により、ホルダ支持体44は、上下方向に移動可能とされる。これにより、カッタ刃42も、上下方向に移動可能とされる。
【0025】
なお、カット部4およびプリント部5を移動させる駆動用ワイヤ60が、カット部4に取付けられているため、プリント部5を用いてシート材に画像を印刷する場合、カット部4は、プリント部5とともに、シート材の上を移動する。この場合、ホルダ支持体44を上方に移動させ、カット刃42を上方に移動させることにより、カット刃42がシート材と接触しないようにされる。
【0026】
プリント部5は、その下部に、インクヘッド51,52を含む複数のインクヘッドが取付けられている。インクヘッド51,52は、その下部に、ノズル51a〜51c,52a〜52cを備えている。
【0027】
図2に示すように、切断装置1において、シート材100は、カッタ部4およびプリント部5の下方にセットされる。そして、シート材100は、インクヘッド51,52のノズル51a〜51c,52a〜52cからインクが噴出されることにより画像を印刷され、カッタ刃42により切断される。
【0028】
なお、上記した制御回路は、カッタ部4やプリント部5を、切断パターンや印刷パターンに従って移動させることにより、画像を印刷させたり、シート材を切断する。該制御回路とプリント部5は、配線55で接続されている。また、プリント部5の上部には、支持板54が取付けられている。支持板54の上端には、ガイドチューブ50の一端が固定され、このガイドチューブ50の他端は本体2の左側壁側に延びたのち、反転して戻り、本体2の略中央付近に設けられたレールガイド(図示略)に固定されている。ガイドチューブ50には、インクヘッド51,52にインクを供給するためのチューブが納められている。なお、ガイドチューブ50は、本体2の幅方向に屈曲自在に、構成されている。
【0029】
ここで、図4および図5を参照しつつ、印刷切断装置1において、画像の印刷位置に対するカッタ部4のカット位置への補正値を算出する処理の内容を説明する。図4は、このとき実行される補正値算出処理のフローチャートであり、図5は、該補正値算出処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0030】
まず、図4を参照して、制御回路は、ステップS1(以下、「ステップ」を省略する)で、試験用シート材がセットされて(グリットロール7とピンチロール8の間に挿入されて)いるか否かを判断する。そして、セットされていると判断すると、S2に進む。
【0031】
なお、ここで、試験用シート材、とは、カット部4の切断の基準位置を検出するために用いられるシート材であって、画像が印刷され、当該画像に対応して切断されるシート材とは、別のシート材である。本実施の形態では、試験用シート材として、黒等の、着色されたシールのシート材を採用している。また、着色されたシールのシート材の台紙は、白色である。
【0032】
次に、制御回路は、S2で、カッタ部4に、試験用シート材上の、カッタ41の原点位置に対応する位置で、クロップマークの形状で、試験用シート材のシール部分をカットさせて、S3に進む。なお、本実施の形態では、S2でクロップマークの形状に試験用シート材をカットすることにより、シート材が試験パターンで切断されることになる。カッタ41を、試験用シート材上の原点位置に移動させる際には、制御回路は、自動送り機構により適宜試験用シート材を送り、モータ(図示略)により適宜カット部4を移動させる。また、ここで、カット部4を移動させる場合、カット部4とプリント部5との連結は、解除されている。つまり、ここでは、モータが駆動すると、カット部4のみが、移動する。
【0033】
また、クロップマークとは、位置検出用の印であり、本実施の形態では、一辺が約1cmの正方形としている。そして、カットされた部分のシールは、所定の機構により剥される。つまり、カットされた部分の表面は、白色の、シート材の台紙が、露出している。この場合の試験用シート材を、図6に、模式的に示す。
【0034】
図6の試験用シート材110において、斜線を施した部分は、着色されたシールの部分を示し、斜線を施されていない部分は、シールが剥され、白色の台紙が露出している部分を示す。また、矢印Xは、試験用シート材110のX軸であり、カット部5の移動方向に相当する。矢印Yは、試験用シート材110のY軸であり、自動送り機構によって試験用シート材110が本体2の外側に送出される方向に相当する。試験用シート材110の、カッタ41の原点位置を中心とする正方形の部分では、白色の台紙111が露出している。なお、シールは、ユーザの手によって剥がされる。
【0035】
次に、制御回路は、S3で、S2においてカットさせた位置の中心を光学的に検出することにより、カッタ41の実際の原点位置を検出し、S4に進む。なお、S3での位置の検出態様について、図5および図6を参照して、詳細に説明する。
【0036】
まず、S31で、制御回路は、クロップマーク(図6において台紙111が露出している部分に相当)の右端の位置を検出し、S32に進む。なお、S31では、具体的には、カット部4を、試験用シート材110の右端から左方向に(矢印Xに沿って)移動させ、そのときのセンサ48の検出出力をモニタすることにより、試験用シート材110上において大きく光学的性質が変化した位置を、クロップマークの右端の位置と決定する。また、試験用シート材110上の位置とは、たとえば、試験用シート材110の端部からの距離として認識することができる。端部からの距離は、カット部4が試験用シート材110の端部に位置する状態からの、モータの駆動量や自動送り機構のシート材の送り量によって、認識することができる。
【0037】
次に、S32で、制御回路は、クロップマークの左端の位置を検出し、S33に進む。なお、S32における左端の位置の検出は、S31で右端の位置を検出した後、そのまま、カット部4を矢印Xの方向に移動させ、センサ48の検出出力をモニタすることにより、行なわれる。
【0038】
S33では、制御回路は、クロップマークの、S31で求めた右端の位置と、S32で求めた左端の位置とから、左右方向(矢印Xの方向)の中心の位置を求め、S34に進む。
【0039】
次に、S34で、制御回路は、クロップマークの上端の位置を検出し、S35に進む。なお、S34における上端の位置の検出は、自動送り機構によって試験用シート材110を矢印Yの方向に送出しつつ、センサ48の検出出力をモニタすることにより、行なわれる。
【0040】
次に、S35で、制御回路は、クロップマークの下端の位置を検出し、S36に進む。なお、S35における下端の位置の検出は、自動送り機構によって試験用シート材110を矢印Yの方向とは正反対の方向に、つまり、本体2の内部に戻しつつ、センサ48の検出出力をモニタすることにより、行なわれる。
【0041】
S36では、制御回路は、クロップマークの、S34で求めた上端の位置と、S35で求めた下端の位置とから、上下方向(矢印Yの方向)の中心の位置を求め、S37に進む。
【0042】
S37では、制御回路は、クロップマークの、S33で求めた左右方向の中心位置と、S36で求めた上下方向の中心位置とから、中心位置の座標を求め、リターンする。
【0043】
再び、図4を参照して、制御回路は、S3の処理の後、S4で、カッティング用シート材がグリットロール7とピンチロール8の間に挿入され、セットされているか否かを判断する。そして、セットされていると判断すると、S5に進む。ここで、カッティング用シート材とは、印刷切断装置において、画像を印刷され、さらに、該印刷された画像に対応して切断されるシート材を意味する。
【0044】
次に、S5で、制御回路は、プリント部5を原点位置まで移動させ、カッティング用シート材に、クロップマークを印刷し、S6に進む。ここで、クロップマークとは、S2で言及したクロップマークと同様のものとすることができる。なお、S5では、プリント部5を移動させるので、カット部4とプリント部5は、連結部材30により、連結されている。
【0045】
図7に、S5でクロップマークを印刷されたカッティング用シート材を、模式的に示す。なお、図7における矢印Xおよび矢印Yは、図6の矢印Xおよび矢印Yと同様のものである。
【0046】
次に、S6で、制御回路は、S5で印刷されたクロップマークの中心位置を検出し、S7に進む。S6における中心位置の検出は、図5を参照して説明した中心位置の検出と同様に、左右方向の中心位置と上下方向の中心位置を検出することにより、行なわれる。
【0047】
次に、S7で、制御回路は、カット中心位置と印刷中心位置から、印刷切断装置における、カッタ41の原点とプリント部5の原点のずれを検出し、該ずれを記憶して、処理を終了する。
【0048】
なお、上記のカット中心位置とは、カッタ41の先端(ツール先、ともいう)の原点の位置とセンサ48の位置との位置関係(カッタ−センサ位置関係)に相当するものである。
【0049】
また、印刷中心位置とは、プリント部5(プリントヘッド、ともいう)の原点の位置とセンサ48の位置との位置関係(プリント部−センサ位置関係)に相当するものである。
【0050】
そして、S7で、制御回路は、「カッタ−センサ位置関係」と「プリント部−センサ位置関係」に基づいて、カッタ41の原点とプリント部5の原点のずれについての位置情報を算出する。そして、当該ずれについて位置情報を、カッタ部41についての、プリント部5に対する位置の補正値として、記憶する。
【0051】
以上説明した本実施の形態では、画像を印刷されたカッティング用シート材が、該画像に対応させて切断される際、カッタ41とプリント部5の原点のずれが考慮される。これにより、カッタ41とプリント部5がそれぞれ単独で位置合わせがなされる場合よりも、カッティング用シート材の切断が、より確実に、印刷された画像に対応する。つまり、カッティング用シート材が、印刷された画像に対して、ずれて、切断されることを、より確実に回避することができる。
【0052】
なお、S2およびS3でカッタ41の原点が検出されるが、この際、カッティング用シート材とは異なる、試験用シート材の一部がカットされる。これにより、最終的に画像が印刷されカットされるカッティング用シート材を傷つけることなく、カッタ41の原点を検出できる。ただし、カッタ41の原点の検出は、カッティング用シート材の一部をカットすることにより行なってもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、試験用シート材として、白色の台紙の上に配置された、黒等の着色されたシール材が採用されている。これにより、カットされたクロップマークを、試験用シート材の他の部分とは異なる色とすることができる。これにより、カッタ41の原点、つまり、カットされたクロップマークの中心位置を、光学的な方法で検出することができる。なお、カッタ41の原点の検出は、たとえば、試験用シート材として台紙と同色のシール材を採用し、クロップマークとしてカットした部分のシール材を取り除き、試験用シート材の厚みの変化位置を検出することにより行なってもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、プリント部5の原点は、本来シート材に印刷される画像とは別に印刷させたクロップマーク(S5で印刷)を利用して検出している。なお、S5で、クロップマークと本来シート材に印刷される画像を一括して印刷させてもよい。また、クロップマークを印刷させず、S5で、本来シート材に印刷される画像のみを印刷し、該画像内の所定点に基づいて、プリント部5の原点を検出してもよい。ただし、本実施の形態のように、プリント部5の原点の検出に、毎回、一定の形状のクロップマークを利用することにより、より正確に、プリント部5の原点を検出することができる。
【0055】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である印刷切断装置の斜視図である。
【図2】 図1の印刷切断装置の、カッタ部およびプリント部付近の正面図である。
【図3】 図2のカッタ部の、カバーを一部省略したときの正面図である。
【図4】 図1の印刷切断装置の制御回路が実行する、補正値算出処理のフローチャートである。
【図5】 図4の補正値算出処理の、サブルーチンのフローチャートである。
【図6】 カッタの原点位置にクロップマークでカットされた試験用シート材を模式的に示す図である。
【図7】 プリント部の原点位置にクロップマークを印刷されたカッティング用シート材を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 印刷切断装置、4 カット部、5 プリント部、41 カッタ、42 カッタ刃、48 センサ、100 シート材、110 試験用シート材、111 台紙、120 カッティング用シート材、121 クロップマーク。

Claims (4)

  1. シート材に画像を印刷する印刷手段と、
    前記印刷手段と一体的に構成され、シート材を切断する切断手段と、
    前記印刷手段および前記切断手段の動作を制御する制御手段と、
    前記切断手段がシート材を切断した際の切断位置と、前記印刷手段がシート材に印刷した画像の印刷位置との位置関係を検出する検出手段とを含み、
    前記切断手段は、前記シート材の中の、異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する領域を切断し、
    前記印刷手段が印刷する画像は、異なる2つの方向にそれぞれ寸法を有し、
    前記検出手段は、
    前記切断手段が切断した領域の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出し、さらに、前記それぞれの両端の位置の中心位置を検出することによって、前記切断位置を検出し、
    前記画像の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出し、さらに、前記それぞれの両端の位置の中心位置を検出することによって、前記印刷位置を検出し、
    前記制御手段は、前記検出手段の検出した位置関係に基づいて、前記印刷手段が印刷を行なう位置および前記切断手段が切断を行なう位置の少なくとも一方を補正する、印刷切断装置。
  2. 前記切断手段による前記領域の切断と前記印刷手段による前記画像の印刷の間に、シート材がセットされているか否かを判断する判断手段をさらに含む、請求項1に記載の印刷切断装置。
  3. 印刷手段と切断手段を含む印刷切断装置の調整方法であって、
    前記切断手段にシート材を異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する試験パターンで切断させる切断工程と、
    前記印刷手段にシート材に異なる2つの方向のそれぞれに寸法を有する画像を印刷させる印刷工程と、
    前記切断工程で試験パターンが切断された位置を検出することにより、前記切断手段の切断位置に対する補正値を算出する切断補正値算出工程と、
    前記印刷工程で画像が印刷された位置を検出することにより、前記印刷手段の印刷位置に対する補正値を算出する印刷補正値算出工程と、
    前記切断補正値算出工程において算出された補正値と前記印刷補正値算出工程において算出された補正値とに基づいて、前記印刷手段印刷を行なう位置に対する前記切断手段切断を行なう位置についての補正値、または、前記切断手段切断を行なう位置に対する前記印刷手段印刷を行なう位置についての補正値を算出する相対補正値算出工程とを含み、
    前記切断補正値算出工程では、前記試験パターンの前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出する工程と、前記それぞれの両端位置の中心位置を検出する工程によって、前記試験パターンが切断された位置を検出し、
    前記印刷補正値算出工程では、前記画像の前記異なる2つの方向のそれぞれの両端の位置を検出する工程と、前記それぞれの両端位置の中心位置を検出する工程によって、前記画像が印刷された位置を検出する、印刷切断装置の調整方法。
  4. 前記切断工程と前記印刷工程の間に実行され、シート材がセットされているか否かを判断する判断工程をさらに含む、請求項3に記載の印刷切断装置の調整方法。
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